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超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,980.73+214ドル円158.84-1NASDAQ26,208.82+109S&P 5007,666.58+35SOX 指数11,332.81+449/2終値

日進工具

NS TOOL CO.,LTD.6157 · Standard · 機械

超硬小径エンドミルに特化した切削工具メーカー。工作機械の中でも小径・高精度の加工を支えるニッチ分野で存在感を持つ。

概要

日進工具は超硬素材の小径エンドミルを主力とする切削工具メーカーである。売上高の約8割を刃径6mm以下の製品が占め、自動車や半導体、医療機器などの精密加工に用いられる。2026年3月期の売上高は約95億円、営業利益率21.2%と高収益体質を持つ。本社は東京都品川区、主力工場は宮城県仙台市に置く。

小径エンドミルに特化した製品構成

主力製品は超硬素材のエンドミルであり、中でも刃径6mm以下の小径品に特化している。取扱高の約8割を小径エンドミルが占め、残りが6mm超のエンドミルやその他製品である。用途は金型加工や部品加工が中心で、自動車、半導体、電子部品、光学機器、医療機器など幅広い産業で使用される。2026年3月期の製品別売上高は、エンドミル(6mm以下)が7,635百万円、エンドミル(6mm超)が799百万円、その他エンドミルが365百万円、工具ケースなどのその他が694百万円である。

高収益を支える生産体制と品質管理

生産拠点は本社工場(東京)、仙台工場、藤沢工場など複数あるが、1998年に生産・開発部門を仙台工場に集約し、以後仙台が主力工場となっている。自社開発の工具研削盤を導入し、自動化ラインの増強により無人化・省力化を進める。小集団改善活動「オレンジFC活動」により品質改善と原価低減を継続する。2001年にISO9001、2004年にISO14001を取得し、国際規格に基づく品質・環境マネジメントを運用している。

国内外の販売網とグループ会社

国内販売は連結子会社の株式会社ジーテックが主に担当し、代理店網を通じて販売する。海外は日進工具香港有限公司が中国市場、NS TOOL USA,INC.が米国市場をカバーする。また、株式会社牧野工業は工具ケース等のプラスチック成形品を製造し、株式会社日進エンジニアリングは加工委託先として機能する。連結子会社5社で構成され、開発から生産、販売までの一貫体制をとる。

安定した財務体質と株主還元

売上高は90億円前後で推移し、営業利益率は20%前後の高水準を維持する。2026年3月期の売上高経常利益率は21.2%と目標の20%を上回った。自己資本比率は約91%と極めて高く、負債は少ない。株主還元にも積極的で、同期末には総額13億円を超える自己株式の取得を実施した。ROEは8.0%と前期より改善したが、中期的な目標である10%には達していない。

業界の中での役割は工作機械用切削工具メーカーにあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
95億円
営業利益
20億円
営業利益率
21.1%
純利益
14億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01金属加工・工作機械主力

マシニングセンタに取り付けて金属等を加工するエンドミルを製造・販売。超硬素材かつ小径(刃径6mm以下)に特化し、取扱高の約8割を占める。金型、機械部品、自動車部品等の精密加工に使用される。

超硬小径エンドミルに特化したニッチトップ

主要顧客株式会社ジーテック、日進工具香港有限公司、NS TOOL USA,INC.

主な製品・サービス2
超硬小径エンドミル
刃径6mm以下の超硬合金製エンドミル。高硬度材の精密加工に適し、金型・部品加工などで高い切削精度を実現。
エンドミル(6mm超)
刃径6mmを超えるエンドミル。より大きな切削量が必要な加工に使用される。

02プラスチック成形品その他

工具ケースを中心としたプラスチック成形品の製造販売。切削工具の付帯品として、工具の保管・運搬に使用される。

主な製品・サービス1
工具ケース
エンドミル等の切削工具を収納するプラスチック製ケース。工具を保護し、持ち運びや保管を容易にする。

製品と技術

超硬小径エンドミルの製品ラインアップ

主力製品は超硬素材の小径エンドミルであり、刃径6mm以下の製品が売上高の約8割を占める。代表的な製品として、サーメットロングネックラジアスエンドミル「CHR430R」、高硬度鋼高精度加工用2枚刃ボールエンドミル「MSBSH230」、高硬度鋼加工用4枚刃・6枚刃ラジアスエンドミル「MHDSH445R・MHDSH645R」、めねじ用Mスレッドミル「MMTM」などがある。これらの製品は金型や部品の精密加工に使用される。

新製品開発の方向性

開発部門では、他社との明確な「違い」を基軸とした独自性の高い製品開発を推進する。具体的には、新素材を用いた工具開発やコーティング技術の改良に加え、市場ニーズの的確な把握に努める。2026年3月期には規格追加を含む14型番の新製品を市場投入した。生産技術開発では、自社開発工具研削盤の機能向上や画像処理技術を活用した自動測定範囲の拡大に取り組む。

自社開発による生産技術

生産部門では自社開発の工具研削盤を導入し、自動化ラインを増強することで無人化・省力化を進める。1994年に日本初導入したロロマティック社製CNC切削機械を皮切りに、研削工程の自動化を段階的に拡大してきた。小集団改善活動「オレンジFC活動」により、高精度・高品質を維持しながら効率的な生産体制を構築し、原価低減を実現している。仙台工場へ生産集中リスク分散のため、子会社新潟工場の生産能力増強も図る。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

機械のなかでの位置

会社が挙げる強い分野

  • 金属加工・工作機械超硬小径エンドミルに特化したニッチトップ

有価証券報告書(2026/3期)で会社自身が述べている位置付けです。第三者による調査ではありません。

超精密工具、高収益も成長鈍化

日進工具は機械業に属し、売上高約94億円(2025/3期)と中堅。営業利益率は19.2%と高く、同業の日本製鋼所(機械大手)や三浦工業と比較しても優れた収益性。超精密工具に特化し、自動車・電子部品向けで高いシェアを持つ。しかし売上成長は鈍く、2026/3期は横ばい予想。競合のGMSグループなどは成長路線だが、日進工具は安定重視。

強み

  • 営業利益率19.2%と、機械業界でトップクラスの収益性。
  • 超精密加工技術で差別化し、顧客からの信頼が厚い。
  • 特定分野で高いシェアを有し、競争が限定される。
  • 高収益により自己資本比率が高く、財務基盤が強固。

課題

  • 売上高がほぼ横ばいで、新規市場開拓が急務。
  • 自動車・電子部品依存で景気変動の影響を受けやすい。
  • 中小企業に多く、技術継承や人材確保が課題。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

機械の時価総額近傍。太字が日進工具

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
16257藤商事233億円
26246テクノスマート227億円11.7倍
36382トリニティ工業226億円7.5倍
46440JUKI217億円12.3倍
56444サンデン209億円4.3倍
66157日進工具205億円14.0倍
76496中北製作所204億円10.8倍
86167冨士ダイス202億円34.9倍
96392ヤマダコーポレーション192億円11.0倍
106337テセック191億円39.4倍
116358酒井重工業191億円10.4倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 50件

切削工具メーカーとして創業した1954年

1954年12月、切削工具及び関連機械の製造を目的として日進工具製作所が創業された。1961年9月に有限会社日進工具製作所として法人化し、東京都品川区に本社を置く。創業当初から超硬工具の製造技術を蓄積し、後に主力となる小径エンドミルの基礎を築いた。1979年12月には株式会社に組織変更し、1982年に品川工場を新設するなど生産能力を段階的に拡大した。

生産拠点の拡充と商号変更(1969-1991)

1969年12月に現在の本社所在地に本社工場を新設し、1973年に増床・機械設備を増設した。1978年に大阪営業所、1984年に名古屋営業所、1988年に長野営業所を開設して販売網を拡大する。1989年には藤沢工場を新設し、3生産拠点体制となる。1990年には連結子会社の株式会社ジーテックを設立。1991年9月に商号を日進工具株式会社に変更した。

仙台工場への集約と自動化の推進(1993-2001)

1993年から1998年にかけて仙台工場を3期にわたり増築し、生産・開発部門を仙台に集約した。1994年には日本初となるロロマティック社製CNC切削機械を導入し、自動化を推進する。2001年8月には仙台工場隣地に開発センターを開設し、研究開発機能を強化した。同年にISO9001認証を取得し、品質管理体制を国際水準に引き上げた。

株式上場と市場区分の変遷(2004-2022)

2004年11月に日本証券業協会に店頭登録した後、同年12月にジャスダック証券取引所に上場した。2010年の取引所統合に伴い大阪証券取引所JASDAQに移行し、2013年7月に東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)に上場する。2017年3月に市場第二部へ、同年9月に市場第一部へ指定替えとなり、2022年4月の市場区分見直しでプライム市場に移行した。

海外展開の本格化(2013-2021)

2013年1月に日進工具香港有限公司(NS TOOL HONG KONG LIMITED)を設立し、中国市場への販売拠点を確保した。2021年11月には米国にNS TOOL USA,INC.を設立し、北米市場を開拓する。また、2011年4月には株式会社牧野工業の全株式を取得して完全子会社化し、工具ケース事業をグループに加えた。グループ全体で海外売上比率を高める戦略を進める。

プライム市場からスタンダードへの変更(2025年)

2025年11月、東京証券取引所の市場区分をプライム市場からスタンダード市場に変更した。この変更は、上場維持基準の見直しやコスト負担を考慮した経営判断とみられる。同年3月期の売上高は約94億円、営業利益約18億円と堅調な業績を維持しており、スタンダード市場においても安定した事業基盤を持つ。

年表50件を開く

1950年代

  • 1954年12月創業切削工具及び関連機械の製造を目的として日進工具製作所創業

1960年代

  • 1961年9月創業東京都品川区に(有)日進工具製作所設立
  • 1969年12月現在の本社所在地に工場(本社工場)を新設

1970年代

  • 1973年2月本社工場(2・3階)を増床。併せて機械設備を増設
  • 1978年3月大阪営業所開設
  • 1979年12月(株)日進工具製作所に組織変更

1980年代

  • 1982年7月本社工場の近隣に品川工場を新設
  • 1984年4月名古屋営業所開設
  • 1985年5月本社工場に隣接した建物を賃借しNC工場を新設
  • 1988年9月長野営業所開設
  • 1989年4月藤沢工場を新設し、3生産拠点体制を確立

1990年代

  • 1990年11月連結子会社、(株)ジーテックを設立
  • 1991年9月商号変更日進工具(株)に商号変更
  • 1993年11月仙台工場第1期工事(250坪)完成
  • 1994年11月仙台工場第2期工事(210坪)完成。ロロマティック社製CNC切削機械導入(日本初)
  • 1998年1月仙台工場第3期工事(300坪)完成。生産部門・開発部門を仙台工場に集約
  • 1999年6月(有)サトウツール(旧、(株)新潟日進)に資本参加

2000年代

  • 2001年2月ISO9001認証取得
  • 2001年8月仙台工場隣地に開発センターを開設。仙台営業所開設
  • 2002年1月M&A(株)ジーテック、(有)サトウツール((株)新潟日進)を完全子会社化
  • 2003年3月ISO9001の2000年版へ移行
  • 2003年11月仙台第二工場新設
  • 2004年1月ISO14001認証取得
  • 2004年11月日本証券業協会に株式を店頭登録
  • 2004年12月上場日本証券業協会への店頭登録を取消し、ジャスダック証券取引所に株式を上場
  • 2005年5月株式分割(1:2)発行済株式数 1,513,000株
  • 2005年11月公募増資 50,000株 発行済株式数 1,563,000株(資本金 442,900千円)
  • 2006年12月仙台工場第4期工事(630坪)完成。仙台第二工場を仙台工場に集約
  • 2007年7月日進工具第二ビル新築
  • 2008年6月本社、東京営業所が新南大井ビル5階へ移転
  • 2009年4月非連結子会社、(株)日進エンジニアリングを設立(現・連結子会社)
  • 2009年5月加工センター新設

2010年代

  • 2010年4月上場ジャスダック証券取引所と大阪証券取引所の合併に伴い、大阪証券取引所JASDAQに上場
  • 2011年4月M&A(株)牧野工業の全株式を取得し、完全子会社化
  • 2011年8月仙台倉庫を取得 株式分割(1:2)発行済株式数 3,126,000株
  • 2013年1月海外子会社、日進工具香港有限公司(NS TOOL HONG KONG LIMITED)設立
  • 2013年7月上場東京証券取引所と大阪証券取引所の統合に伴い、東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)に上場
  • 2014年10月株式分割(1:2)発行済株式数 6,252,000株
  • 2016年3月仙台工場第5期工事(400坪)完成
  • 2016年4月M&A(株)日進エンジニアリングが(株)新潟日進を吸収合併
  • 2017年1月株式分割(1:2)発行済株式数 12,504,000株
  • 2017年3月東京証券取引所市場第二部へ市場変更
  • 2017年9月東京証券取引所市場第一部銘柄に指定
  • 2018年11月本社、東京営業所が住友不動産大井町駅前ビル6階へ移転

2020年代

  • 2020年3月新開発センター稼働
  • 2020年8月仙台在庫センター開設
  • 2021年4月株式分割(1:2)発行済株式数 25,011,254株
  • 2021年11月海外子会社、NS TOOL USA,INC.設立
  • 2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所の市場第一部からプライム市場に移行
  • 2025年11月東京証券取引所スタンダード市場に市場変更

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は4つの方針を掲げている。そのうち2項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 売上高経常利益率20%
  • 自己資本純利益率(ROE)10%

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    高付加価値製品の循環戦略

    開発・生産・販売の各部門が連携し、新製品開発と市場投入を循環させることで高付加価値製品を継続的に創造・提供する。他社との明確な違いを軸にした独自性の高い製品開発を推進する。

  2. 02

    生産自動化と効率化の推進

    自社開発機による自動化ラインの増強や自動化範囲の拡大を通じて無人化・省力化を進めるとともに、小集団改善活動「オレンジFC活動」を強化し品質改善と原価低減を図る。仙台工場への集中リスク分散のため新潟工場の生産能力増強も行う。

  3. 03

    販売網の強化と市場開拓

    国内では販売網整備や在庫充実、工具検索機能の高度化などにより最適な製品をタイムリーに供給する体制を強化。海外では地域別戦略に基づきローカルパートナーと協働し精密・微細加工市場の開拓を進める。

  4. 04

    資産効率の改善と資本政策の強化

    成長鈍化で増加した現預金を生産自動化や新製品戦略の設備投資に振り向け資産効率を改善する。自己株式取得など資本政策も強化し、資本コストを意識した経営を実現する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で364人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は662万円で、9期前と比べて+2.3%平均年齢は38.5歳、平均勤続年数は13.7年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月322
2018年3月338
2019年3月64635.311.7343
2020年3月62235.810.9338
2021年3月58136.811.7339
2022年3月62437.312.1348
2023年3月62037.612.6352
2024年3月63238.013.0350
2025年3月64438.613.5358503
2026年3月66238.513.7364549

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率6.1%
縦線は目安の30%
男性育休取得率100.0%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)78.6%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社5(国内 4 / 海外 1、うち連結子会社 5) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位9)
仙台工場 — 宮城県黒川郡大和町1,406百万円
開発センター — 宮城県黒川郡大和町1,362百万円
本社 — 宮城県黒川郡大和町408百万円
本社・工場 — 福島県白河市343百万円
本社 — 東京都品川区257百万円
新潟工場 — 新潟県魚沼市40百万円
本社 — 中華人民共和国 香港特別行政区7百万円
本社 — 東京都品川区4百万円
本社 — アメリカ合衆国 ミシガン州4百万円
主な関係会社
  • 国内
    株式会社ジーテック
    東京都品川区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    株式会社牧野工業
    福島県白河市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    株式会社日進エンジニアリング
    宮城県黒川郡 大和町 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    日進工具香港有限公司
    中華人民共和国 香港特別行政区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    NS TOOL USA,INC.
    アメリカ合衆国 ミシガン州 · 連結子会社
    議決権100.0%

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は95億円営業利益20億円前期と比べると増収増益で、売上が+1.1%、利益が+11.1%。

売上高
+1.1%
95億円
営業利益
+11.1%
20億円
純利益
+7.7%
14億円
営業利益率
21.1%
前期比 +1.9%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高106億円95億円
営業利益12億円20億円
純利益8億円14億円
1株あたり配当¥30¥30

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は29億円、営業利益は7億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+31.8%、営業利益は+133.3%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q234
2024年1Q22313.62
2024年2Q22522.73
2024年3Q23521.74
2024年4Q234
2025年2Q47817.06
2025年4Q471021.37
2026年2Q46817.45
2026年4Q491224.59
2027年1Q29724.15

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は60億円から95億円へ1.6倍に増えた。直近期の営業利益率は21.1%。売上は2期連続で増加。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
東京証券取引所と大阪証券取引所の統合に伴い、東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)に上場
2013年3月60105
2014年3月64117
2015年3月741510
(株)日進エンジニアリングが(株)新潟日進を吸収合併
2016年3月842013
2017年3月882014
2018年3月982719
2019年3月1052920
仙台在庫センター開設
2020年3月952215
海外子会社、NS TOOL USA,INC.設立
2021年3月811712
2022年3月952215
2023年3月972115
2024年3月901913
2025年3月94181819.113
2026年3月95202021.114

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高95億円のうち、営業利益として残るのは20億円21.1%。営業外の損益と税金を反映した純利益は14億円、売上の14.7%にあたる。営業利益率は業種中央値8.6%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金44.2%42億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金34.7%33億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益21.1%20億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
55.8%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比+12.4pt
21.1%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+7.8pt
14.7%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比+0.3pt
8.0%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
7.1%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
14.0%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが21億円、投資CFが−4億円で、差し引きのフリーCFは17億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は95億円で、売上の12.0ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月7−9−1−215
2014年3月11−1−11024
2015年3月16−6−21033
2016年3月18−13−3534
2017年3月19−8−51142
2018年3月29−7−62259
2019年3月19−14−6558
2020年3月19−18−6154
2021年3月25−2−42373
2022年3月23−3−82084
2023年3月16−11−6584
2024年3月18−6−91288
2025年3月20−4−71698
2026年3月21−4−211795

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は196億円。このうち返さなくてよい自己資本が179億円で、自己資本比率は90.1%(業種中央値65.3%より厚い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2013年3月83711285.6
2014年3月91771484.6
2015年3月103851882.0
2016年3月114961884.2
2017年3月1251071885.2
2018年3月1451202583.0
2019年3月1541351987.1
2020年3月1601451589.7
2021年3月1691531689.4
2022年3月1791621789.2
2023年3月1891721790.1
2024年3月1921771591.1
2025年3月1991841591.4
2026年3月1961791790.1

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
96億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
180億円
過去の利益の積み上がり
棚卸資産
15億円
在庫として抱えている分
負債合計
17億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
100
/ 100
安定性自己資本比率40 / 40
収益力営業利益率30 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

機械 209社との比較

同じ機械の企業と並べると、いちばん上に来るのは自己資本比率209社中6位あたり、逆に低いのは売上成長率209社中133位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
8.0%/中央値 7.7%
P25 4.7%P75 11.1%
営業利益率上位売上のうち本業の利益として残る割合
21.1%/中央値 8.6%
P25 4.8%P75 12.6%
自己資本比率上位総資産のうち返済のいらないお金の割合
90.1%/中央値 65.3%
P25 51.4%P75 75.3%
売上成長率前期からの売上の伸び
1.1%/中央値 3.9%
P25 -1.7%P75 9.4%
配当利回り上位株価に対して1年で受け取る配当の割合
3.7%/中央値 2.9%
P25 1.8%P75 3.6%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥818で、1年前と比べて+8.8%過去52週の値幅のなかでは25%の位置にある。

¥818-2.9%1ヶ月-1.3%1年+8.8%時価総額205億円
過去52週の値幅
安値¥748高値¥1,027

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)14.0倍
PER (会社予想)24.7倍
PBR1.07倍
配当利回り3.67%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

直近1日で+0.10%の955円。週足は25日線(952.4円)をわずかに上回り、75日線(901.13円)と200日線(864.29円)は上回る。52週高値1027円からは-7%。出来高は概ね3~10万株で安定。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割安と判定しています(スコア 75/100)

PER16.3倍は業界平均24.1倍を下回り割安。PBR1.26倍も平均1.59倍を下回る。ROE8%と低めだが、配当利回り3.14%と業界平均2.75%を上回り株主還元は良好。今後増収増益が見込まれ収益改善余地がある一方、配当性向61.4%と高く、成長投資とのバランスには注意が必要。

指標この会社業種平均
PER (実績)14.0倍22.7倍
PER (予想)24.7倍
PBR1.07倍1.50倍
ROE8.0%7.0%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

高い技術力と安定した収益性を持つ。業績はやや減収だが利益率は高い。PER16倍、PBR1.26倍と妥当な評価。強気派は技術優位性とROE8%を評価、弱気派は売上高の伸び悩みと依存先業界の動向を懸念。

プラスに働く材料7
  • 高収益体質

    営業利益率19〜21%、安定した高収益を維持

  • ニッチトップの競争力

    国内エンドミル市場でトップクラスシェア、代替困難

  • 安定配当

    配当利回り3.14%と安定的な株主還元

  • 半導体微細加工需要で営業利益増加2026年3月期影響

    営業利益20億円(前期比+2億円)と増益継続、半導体関連受注が寄与

  • 高配当利回り3.14%が下支え継続影響

    配当利回り3.14%は良好、株主還元姿勢がバリュエーションを下支え

  • 収益性改善でROE上昇余地2026年3月期影響

    営業利益率21.05%と高水準、ROE8%から改善見込む

  • 自社株買い期待でEPS押し上げ不定影響

    PBR1.26倍と割安、自社株買い実施ならEPS改善効果

マイナスに働く材料7
  • 売上高の伸び悩み

    売上高は90億円前後で推移、成長性に乏しい

  • 顧客業界依存

    自動車向け依存度が高く、EVシフトで需要減少リスク

  • 業績の変動リスク

    工作機械受注の変動に業績が連動しやすい

  • 売上高成長率が低調継続影響

    2024-2026年度売上高は90→95億円、年間成長率約2.7%

  • 業績予想未達リスク決算発表後影響

    2026年3月期営業利益20億円は達成に事業環境好調が必要

  • 景気減速で受注減少の恐れ不定影響

    為替感応度低いが、工作機械需要減速で受注減の可能性

  • 小型株ゆえ流動性リスク継続影響

    時価総額239億円と小型、大口売買で株価変動しやすい

次の決算で確かめる点
売上高成長率
成長性の有無を判断。横ばいから脱却できるか
営業利益率
高収益体質が維持できるか注視
受注高
工作機械需要の先行指標。将来の収益を占う

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり30で、前期から+0.0%いまの株価に対する利回りは3.67%。

年間配当
¥30
1株あたり
配当利回り
3.67%
いまの株価に対して
配当性向
61.4%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
0年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月2043.7
2018年3月2312.534.9
2019年3月230.030.5
2020年3月230.040.0
2021年3月18−22.237.4
2022年3月2328.644.0
2023年3月230.042.1
2024年3月2822.254.5
2025年3月309.165.3
2026年3月300.061.4

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥30

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ11,878人。区分でいちばん多いのは個人・その他40.9%。グループ会社や銀行などの安定株主が41.4%を占め、残る58.6%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
個人・その他28.831.034.030.934.940.9
事業法人32.231.731.731.731.731.5
外国法人19.819.819.418.318.916.9
金融機関18.216.913.817.913.19.9
自己株式0.00.50.30.70.56.2
証券会社1.00.51.11.21.40.7
外国人個人0.00.00.00.00.00.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01株式会社エムワイコーポレーション9.97
02株式会社ソルプティ9.73
03NORTHERN TRUST CO.(AVFC) RE FIDELITY FUNDS (常任代理人 香港上海銀行東京支店)8.36
04日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)7.45
05株式会社ティ・アイロード7.38
06後藤 弘治3.15
07BANK LOMBARD ODIER AND CO LTD GENEVA (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)3.13
08後藤 隆司3.11
09後藤 勇二2.64
10日進工具従業員持株会1.79

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近3
  • 2026-07-23
    エフエムアール インベストメント マネジメント ユーケー リミテッド(FMR Investment Management (UK) Limited)
    新規の大量保有報告
    8.21%
    -0.05pt
  • 2026-06-22
    フィデリティ マネジメント アンド リサーチ カンパニー エルエルシー(Fidelity Management & Research Company LLC)
    新規の大量保有報告
    8.26%
    +1.09pt
  • 2026-06-22
    エフエムアール エルエルシー(FMR LLC)
    新規の大量保有報告
    8.26%
    +1.09pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で−65%、1株純資産は14期で−67%。直近期のROEは8.0%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月1692,2737.710.720.3
2014年3月1111,2289.47.832.2
2015年3月1561,35612.012.830.8
2016年3月10776514.98.929.0
2017年3月5742714.014.843.7
2018年3月7648016.820.534.9
2019年3月7953615.516.130.5
2020年3月6257511.119.740.0
2021年3月496058.234.337.4
2022年3月616419.823.844.0
2023年3月596819.017.642.1
2024年3月537057.718.654.5
2025年3月517317.114.765.3
2026年3月587528.014.161.4

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

17名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は17名。2026/3期の役員報酬は総額348百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約10倍にあたる。

氏名役職年齢
後藤弘治代表取締役社長 営業担当64
後藤隆司代表取締役副社長 生産・開発担当62
足立有子常務取締役 総務・財務経理担当73
戸田覚取締役 経営企画室長兼 財務経理部長64
斉藤貴宣取締役64
田島寛取締役(監査等委員)65
藤崎直子取締役(監査等委員)76
平賀敏秋取締役(監査等委員)52
笹本憲一取締役(監査等委員)75
中野秀代取締役(監査等委員)66
岡田浩一上席執行役員 仙台工場長
小林雅人上席執行役員 総務部長
残りの役員5名を開く
氏名役職年齢
後藤勇二執行役員
宮﨑英輔執行役員 営業部長
服部剛執行役員 営業担当
小倉乃里子取締役(監査等委員)71
平賀真紀取締役(監査等委員)53

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円業績連動百万円退職慰労百万円その他百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)4165862427669
社外取締役54213469
取締役(社内)22322613

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容891字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 当社グループは、当社及び連結子会社5社の6社で構成されており、マシニングセンタ(工作機械)に取り付けて金属等の加工を行う切削工具「エンドミル」の製造・販売を中心に事業を行っております。特色としましては、エンドミルの中でも超硬素材でかつ小径(刃径6mm以下)サイズの製品に注力しており、取扱高(金額ベース)の約8割を占めております。 当社グループでは、製品の製造様式、製品の市場及び顧客を系統的に区分した製品部門別に戦略を構築し、事業活動を展開しております。したがって、当社グループは製品部門別のセグメントから構成されており、「エンドミル関連」と「その他」の2つを事業セグメントとしております。「エンドミル関連」は当社グループが営む主力の事業であり、超硬小径エンドミルを中心とした切削工具の製造販売にかかる事業であります。また、「その他」は工具ケースを中心としたプラスチック成形品の製造販売にかかる事業等であります。なお、「エンドミル関連」は、製品のサイズ等により、エンドミル(6mm以下)、エンドミル(6mm超)、エンドミル(その他)に区分しております。 なお、「その他」の事業セグメントの売上高、利益又は損失の額及び資産の金額がいずれもすべての事業セグメントの合計額の10%未満であるため、報告セグメントを1つとしております。 (1)当社 当社は、超硬小径エンドミルを中心とした切削工具を生産し、代理店及び連結子会社である株式会社ジーテック、日進工具香港有限公司、NS TOOL USA,INC.に販売しております。 (2)子会社 株式会社ジーテックは、製品の販売及び一部再加工を行っております。 日進工具香港有限公司は、中国地区での製品の販売を行っております。 NS TOOL USA,INC.は、米国での製品の販売を行っております。 株式会社牧野工業は、工具ケースを中心としたプラスチック成形品の製造・販売を行っております。 株式会社日進エンジニアリングは、当社の加工委託先であります。 事業の系統図は次のとおりであります。(2026年3月31日現在)
経営方針・対処すべき課題5,225字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。 なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において、当社グループが判断したものであり、その実現を保証するものではありません。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは「SOFT(技術)・HARD(機械)・HEART(心)を創ります。人と地球に優しい製品を開発し社会に貢献します」の経営理念のもと、生産性の向上に役立つ切削工具等の開発・製造・販売に携わってまいりました。また、ブランドステートメントとして“「つくる」の先をつくる”を掲げ、お客様や社会のニーズに応える高付加価値製品を生み出し、モノづくりの夢と可能性を切り拓くことを経営の基本方針としております。 また、当社グループは、社会との共存と自社の持続可能性を同期させた「サステナビリティ基本方針」を策定しております。社会と共生しつつ企業としての持続的成長を維持継続するため、小径切削工具を中心に「人と地球にやさしい高付加価値製品を、最小限の資源でつくり、環境負荷の低減に努める」ことで、精密・微細加工用工具分野で圧倒的なプレゼンスを目指します。 (2)中長期的な会社の経営戦略 当社グループの持続的成長と社会との共存を実現するため、当社の各部門とグループ企業体が互いに連携し、製品開発サイクルの好循環をつくり出すことで、高付加価値製品の継続的な創造、提供の実現を図ります。 上記目的達成のため、開発・生産・販売の各部門においては、下記戦略を実施してまいります。 ① 開発部門 新製品開発においては、当社グループの強みである豊富な製品ラインアップの一層の強化・拡充を図るとともに、他社との明確な「違い」を基軸とした独自性の高い製品開発を推進してまいります。「違い」とは、他社にない製品、これまでにない加工方法を実現する製品の特性を指し、価格競争に依拠しない付加価値創出の源泉と位置付けております。具体的には、新素材を用いた工具開発や加工方法・コーティング技術の改良に加え、営業部門との連携による市場ニーズの的確な把握を通じ、販売店およびユーザーから継続的に選好される製品開発に取り組んでまいります。 また、生産技術開発においては、次世代加工技術への対応を通じた既存技術の高度化を基本方針とし、自社開発工具研削盤のさらなる機能向上や、画像処理技術を活用した自動測定範囲の拡大を図ってまいります。 ② 生産部門 生産活動においては、仙台工場で策定した「ものづくり行動指針」を実践し、高性能で品質のバラツキが少なく、かつ価格競争力を有する高付加価値製品を安定的に供給できる体制の高度化を図ってまいります。自社開発機による自動化ラインの増強および自動化範囲の拡大を通じて、無人化・省力化を継続的に推進してゆくほか、より効率的でムダのない生産体制の確立に向け、品質改善および原価低減を目的とした小集団改善活動「オレンジFC活動(Future Challenge)」の一層の強化に取り組んでまいります。 さらに、仙台工場への生産集中リスク分散のため、子会社新潟工場の生産能力増強を図るほか、生産効率および環境負荷低減の観点から電力使用量の削減を推進してまいります。 ③ 販売部門 国内販売においては、製品拡販と新製品を含む市場需要の発掘、掘り起しのための仕組みづくりに改めて注力し、販売網の整備、多様で有益な製品情報を提供する環境の整備、在庫の充実を図ることなどにより、ユーザーに対して、用途に合った最適な製品をタイムリーかつ効率的に供給できる体制を強化してまいります。また、代理店、販売店との協働を踏まえた施策を展開するとともに、ユーザー向けには、自社サイトにおける工具検索機能の高度化や、オウンドメディア等を通じた製品情報の発信、データ分析に基づくマーケティングを推進してまいります。 海外においては、地域別戦略に基づいて重点攻略地域を定め、ローカルパートナーとの協働を通じ、地域の特性に応じたアプローチを行うことにより、世界の精密・微細加工市場の開拓および拡大に取り組んでまいります。 (3)経営環境について 当社グループの主力製品である小径切削工具は、精密・微細加工を要する金型や各種部品の製造に使用されております。これらは、自動車、半導体、電子部品、光学機器、日用品、医療機器など、幅広い産業分野で活用されております。このため、当社グループの業績は、これら最終製品の生産動向に影響を受けます。 近年は、成長を牽引してきたスマートフォンや自動車分野の需要が一巡しております。一方で、AIやデータセンター関連などにおいて、国内および一部海外市場で新たな小径工具需要が発生しております。中期的には、DXの進展に伴う半導体・電子部品需要の拡大が見込まれております。また、医療や航空宇宙分野などの新たな成長領域においても、精密・微細加工技術への需要増加が期待されております。これらを背景に、小径切削工具市場は引き続き成長が期待されるものと認識しております。 当社グループを取り巻く現在の経営環境は、依然として厳しい状況が継続しております。地政学上の諸問題の拡大や資源を巡る各国の動向により、国内外の経済活動の安定性および予見可能性の確保が一層困難となっております。加えて、素材費や人件費を中心としたコスト上昇が着実に進んでおります。 このような環境の中、主要需要先の動向を見ると、自動車部品関連は国内生産の縮小傾向の影響を受け、足元の伸びは限定的となる見込みであります。一方で、半導体・電子部品関連は、AIやデータセンター需要に支えられ、引き続き堅調に推移する見通しであります。輸出については、中国における自動車関連および電子機器関連需要、ならびにアジア諸国の需要を背景に、販売数量は全体として増加する見込みであります。 (4)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題 わが国が圧倒的な強みを発揮する精密・微細加工分野を、小径工具を使った切削加工技術の面から支え続けてゆくこと、ユーザー様が安心して新たな精密・微細加工にチャレンジできるよう、高性能で品質の安定した製品を、販売店を通じ妥当な価格で安定的に供給していくこと、が当社グループの使命であると認識しております。 当社グループが対処すべき事業上の課題は、上記使命を踏まえ、内外の代理店、販売店による販売網の一段の充実を図りつつ、小径工具分野において、他社との明確な「違い」を有する独自性の高い新製品を継続的に供給するとともに、標準品においても圧倒的な品揃えと在庫水準を維持することで、ユーザーにとって代替困難なポジションを確立し、市場におけるプレゼンスの一層の向上を図ることであります。 当社グループが対処すべき財務上の課題は、ここ数年成長が鈍化し設備投資が伸び悩んだため、総資産に占める現預金の割合が増加し資産効率の悪化を招いている点であります。これに対処するため当期は約13億円の自己株式取得を実施するなど資本政策を強化しましたが、今後は生産自動化や生産効率改善に向けての設備投資に加え、新製品戦略の強化等により早期に成長軌道へ復帰することで、増産のための設備投資にも現預金を振り向けることにより、資産効率を改善してまいる所存であります。 なお、足元懸念材料であるタングステンの市場価格高騰による超硬素材の価格上昇につきましては、素材メーカーと協働しながら、十分な素材在庫を確保し対応してゆくほか、一段の原価低減活動の推進に加え、取引条件の見直しや製品価格の改定に着手しております。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、売上よりも利益を優先する経営方針を掲げ、売上高経常利益率20%の確保を目標としております。当期の売上高経常利益率は21.2%、前期比2.3ポイント増となり、目標を上回りました。国内外での市況回復に加え、新製品戦略、営業体制強化、原価低減といった中期課題への対応が一定の成果を生んでおります。 また、株主資本を効率的に活用する観点から自己資本純利益率(ROE)10%の確保も経営指標としております。当期は増益及び自己株式取得による資本効率の改善により、ROEは前期より0.9ポイント改善し8.0%の実績となりました。 厳しい経営環境が続く中、足元施策の着実な遂行により、経常利益率の目標20%の継続達成と当社が認識する株主資本コスト(CAPM等を参考に算定)8.6%を上回るROEの回復を当面の目標としつつ、中期経営計画に基づく施策の推進により、再度の利益成長を目指します。 次期の計数計画につきましては、タングステン価格の高騰から通期予算の策定が困難となっており、合理的な算定が可能となった段階で速やかに開示する予定であります。 (6)経営戦略の現状と見通し 「中期的な会社の経営戦略」に記載の通り、この数年間市場成長が一時的に鈍化する中、製品開発を起点とする「高付加価値製品の循環戦略」を重点的に展開しており、開発部門では、前期に高硬度鋼材向けの新コーティングを使った製品やユニークなレンズ形状エンドミル等を開発し、当期は12の新製品(14型番)を市場に投入するなど、製品群の充実に継続して取り組んでおり、生産部門では、自社製研削盤の改善や測定技術の向上を図るとともに、小集団活動や自動化を推進して着実な原価低減を進めており、販売部門では、商流を重視し内外の販売網を活用して多様な製品を滞りなくユーザーに届ける仕組みの充実を図ってまいりました。 今後の見通しにつきましては、精密・微細加工の市場は中長期的に着実な拡大が見込まれると想定し、引き続き小径工具の製造販売に特化し、他社との「違い」を追求しつつ市場と共に成長してゆくための中期的施策を策定し実行することで、再び持続的な利益成長の実現を目指してまいります。 (7)その他、会社の経営上重要な事項 ① 内部管理体制の整備・運用状況 当社グループでは、社内規程や稟議制度を整備し、ルールに基づいた業務運営を実施しております。また、内部統制報告制度への対応につきましては、常務取締役を委員長とする「内部統制委員会」を設置し、内部統制の整備・運用の推進及びその評価、また監査法人により実施される内部統制監査への対応を行っております。 ② 指名・報酬委員会の設置 当社グループでは、ガバナンス強化の観点から任意の指名・報酬委員会を設置しております。指名・報酬委員会は独立社外取締役が過半を構成し、委員長は独立社外取締役から選任される諮問委員会であり、取締役等の候補者の指名(監査等委員である取締役を除きます)や、取締役等の報酬(監査等委員である取締役を除きます)について取締役会より諮問を受け、審議内容を答申することで、取締役会の独立性を高めるものであります。 ③ 資本コストや株価を意識した経営の実現に向けての対応 当社グループは、資本コストを上回る資本効率の達成を重要課題と認識しており、詳細は「(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載の通りであります。当期は、中期経営課題である海外販売の強化と新製品の開発による製品群の充実が奏功し、また原価低減にも注力した結果、売上高経常利益率21.2%と目標を達成いたしました。また、低下が続いていたROEについては、増益及び自己株式取得による資本効率の改善により、当期は8.0%と前期より0.9ポイント改善しております。 当社グループの中期的な経営課題については整理を終え対策に着手しており、当面は足元の事業計画を着実に遂行することにより、経常利益額および経常利益率の反転定着を図るとともに、グループ全体で中期課題の解決に取り組むことで、持続的成長の実現および資本コストを上回る水準へのROE回復を目指してまいります。 ④ その他 その他の取組みといたしましては、監査等委員による各部門長へのヒアリングの実施、内部監査部門による各部門への内部監査の実施等を行っております。なお、内部監査につきましては、社長及び取締役会・監査等委員会へ報告、答申等を行うデュアルレポーティング制度を採用しております。コンプライアンスにつきましては、コンプライアンス担当役員を中心に推進を図っており、従業員研修会や社内業務連絡(コンプライアンス便り 月1回配信)で取り上げることにより、社内教育に努めております。また外部弁護士を窓口とする「コンプライアンス相談窓口」を設け、内部通報制度の窓口といたしております。
事業等のリスク3,800字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性のある主な事項と当社の取組状況について以下に記載しております。なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものであります。 (1)災害、エネルギー危機や新型感染症等の影響について 大規模な災害、エネルギー需給逼迫に伴う経済活動の制限や新型感染症等の発生により、事業所や工場へのアクセスが制限され、従業員の出社が困難となった場合には、製品在庫の出荷ができず市場への製品供給が停滞する可能性や、生産体制に影響が出る可能性があります。 当社グループでは、かかる事態への対応として、社内規程を整備しチーム分けによる分散勤務体制や在宅勤務体制を可能としているほか、製品在庫を仙台・東京・海外現法2社にて分散保有し、また新潟工場の生産能力増強により、仙台工場との分散生産体制を推進するなど、複合的な対策を講じております。 (2)生産・開発拠点の集中について 当社グループは、生産・開発拠点を宮城県の仙台北部中核工業団地内に集約することで、効率的な生産・開発体制を構築し、製品の品質、精度、価格競争力等を高める一方、生産・開発拠点における震災対策の強化・徹底にも注力してまいりました。また、前述の通り在庫の複数拠点での保有や新潟工場での生産拡充など、リスク分散のための対策も並行して行ってまいりました。しかしながら、当該地域にて大地震等の災害が発生した場合には当社グループの生産・開発体制全体が影響を受ける可能性があるほか、場合によっては市場への製品供給が滞る可能性があります。 当社グループでは特に仙台工場での地震対策に重点を置いて取り組んでおり、現場における日頃の対策の一段の工夫、徹底に加えて、新開発センターで採用した「オールラウンド免震」機構など新たな技術を取り込み、より高度な地震対策を実施しております。この結果、2021年2月、2022年3月に東北地方で発生した震度6強の地震に際しては、いずれも1両日で完全に生産復旧できており、一定の成果を生んでおります。引き続き仙台地区での地震対策の充実と、在庫、生産拠点の分散による複合的な取り組みを推進してまいります。 (3)小径切削工具への集中について 当社グループは超硬小径エンドミルを主とする超硬小径切削工具の製造販売に経営資源を集中しております。超硬小径エンドミルは、主に電子機器、民生機器、自動車部品等の精密金型製作や部品の精密・微細加工に広く使用されており、今後も様々な分野で精密・微細加工技術を使った部材や金型の需要が大きく増加すると考えております。精密・微細加工の方法としては、超硬小径エンドミルを使った切削加工が一般的ですが、将来は他の素材を使った製品や新たな加工方法に代替される可能性があり、この場合当社の事業に影響が出ることが予想されます。 素材につきましては、現時点で超硬素材に全面的に取って代わる素材の出現の可能性は低いものの、昨今のタングステン市場の動向等を踏まえると、今後他の素材に代替されてゆく可能性はあります。 当社グループでは以前より、cBN(立方晶窒化ホウ素)やPCD(多結晶ダイヤモンド)といった超硬合金以外の素材を使用した製品の開発・製造等も行っており、他の素材についても鋭意研究を進めております。 加工方法につきましては、3Dプリンターで金属を積層焼結成形するレーザー加工機が普及するなど、今後も技術革新によりエンドミル需要に影響を与える新たな精密・微細加工技術が開発される可能性があります。当社グループでは、精密・微細加工の分野において、小径切削工具を使った直彫りによる加工方法が、精度とコストの面で比較優位性を保っていることをアピールしつつ、高性能(高精度、高能率、多機能、長寿命)でバラツキのない、環境にやさしい小径工具を合理的な価格で提供してまいります。 (4)競合について 当社グループが事業展開している小径切削工具市場では、国内大手の工具メーカーや超硬メーカーがその成長性に着目して生産・販売体制を強化しており、また中国市場などでも、中国国内で製造された製品が増加してきていることから、今後ますます競争が激化していくものと考えられます。 当社グループは、小径切削工具に経営資源を集中し、自社開発の専用加工機および独自の製造プロセスを基盤とした体制を構築しております。これにより、他社との「違い」として、高精度・長寿命・品質安定性を高い水準で両立しつつ、コスト競争力も確保できる点に競争優位性があると認識しており、一段の体制強化を図ってまいります。 (5)原材料の調達及び資源価格の上昇について 当社グループの主要製品である超硬エンドミルの主要素材は超硬合金であり、その主要成分となるタングステン原料は国際市況商品で、精鉱生産量の8割強を中国が供給していることから、その価格や供給量は世界的な需給関係や生産国の思惑等によって大きく影響を受ける可能性があり、現実に昨年来リスクが顕在化しております。また超硬合金で結合剤として使用されるコバルトはスマートフォンや電気自動車(EV)の電池にも使用されており、その需要拡大により需給が逼迫する可能性があります。加えてタングステン、コバルトとも「紛争鉱物」として、以前より一部の生産地域において、その採掘過程での若年者労働や過酷労働による人権侵害が問題となってきた経緯があります。 当社グループでは、足元のタングステン原料価格の高騰に対し、工程の効率化追求や製造経費の削減等による原価低減により、先ず自社でコスト上昇を吸収することとし、最終的には、販売条件の見直し交渉の実施などと併せ、製品への価格転嫁を行うこととしております。また、原料の入手リスクの問題に対しては、従前より積み増してきた素材在庫を活用しつつ、主要仕入先との連携強化や調達先分散を図ることにより、安定調達を試みております。併せて原材料のトレーサビリティを徹底し、調達先から証明書の提出や原料調達方法の説明を受けるなどの方法により紛争鉱物の混入を排除しております。 (6)特定の仕入先・協力会社への依存について 当社グループは、超硬エンドミルの主要素材である超硬合金の大半を特定の仕入先より仕入れております。また、超硬エンドミル生産の主要工程の一つであるコーティングにおきましては、内製化を進めているものの一部を特定の協力会社に委託しております。これは、増産時の対応又は万が一のためのリスク対応等を狙いとするものであります。 当社グループと当該仕入先・協力会社とは、長年にわたり極めて緊密な関係にあり、事業パートナーとして信頼できる取引先であることを日頃から確認しており、今回の原料価格高騰、原料入手リスクへの対応についても、連携しながら円滑に協働しております。今後ともこれまでの取引関係を維持発展していく方針でありますが、災害や不測の事態によるサプライチェーンの混乱等に備えるため、安全在庫の積み増しや、設備の増強による内製化比率の引き上げ等、製品の安定供給の観点から対策を講じております。 (7)製品の品質確保について 当社グループは、製造工程に自社開発専用機を投入し、独自の製造プロセスを創りあげることにより、当社特有の生産体制を構築し、この結果高性能でバラツキのない高付加価値製品を安定生産しておりますが、製造ラインが自社独自のものであり、市販の製造設備等での代替ができません。従って、製品の品質維持・確保のためには外部に頼らず自社のみで対応する必要があります。 当社グループは、ISO9001及び14001等の世界的に認められている品質管理及び環境管理のマネジメント基準に従って製品を製造することに加え、当社独自の「ものづくり行動指針」に基づき、社員自らが社内で不断に自社開発機や製造プロセスの見直しと改善を行うことで、高い品質確保のため盤石の体制を維持、発展させてまいります。 (8)環境問題について 当社グループでは、ISOの環境管理基準や「サステナビリティ基本方針」に従って、「人と地球にやさしい製品を、最小限の資源でつくり、環境負荷の低減に努めます」を目標に掲げ活動しております。一方で、環境に対する配慮を求める社会の要請は日々高まっており、GHGの排出削減、資源の3Rや再生可能エネルギーの利用など、販売先や仕入先、株主等の様々なステークホルダーから、より高い目線での対応が求められております。ステークホルダーからの様々な要請、期待に応えられない場合、企業としての社会的信用や事業の成長に影響が出る可能性があります。 当社グループでは、2021年にサステナビリティ委員会を設置して当社グループの環境問題について定期的に討議して報告を作成し、これを取締役会で審議しております。また、各部門のKPIを「サステナビリティ基本方針」に基づき策定することで、環境についても経営目標に織り込んで対応することとしております。気候変動への対応につきましては、TCFDに基づく情報開示を行っており、前期よりスコープ1,2排出量は決算期に合わせ当期分を開示しております。
経営成績の分析 (MD&A)5,676字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。 ① 経営成績の状況 当連結会計年度における我が国経済は、米国の追加関税政策により一時的に輸出企業に影響が見られたものの、旺盛なAI関連需要に牽引され、緩やかな回復基調が継続しました。 当社グループ製品の主要需要先の状況といたしましては、国内ではAI及びデータセンター分野が活況となったことにより、半導体関連では製造装置から検査工程に至るまで幅広く需要が活発となり、電子部品・デバイス関連についても概ね堅調に推移しました。自動車関連においては、HV車を中心に、量産及び部品加工で回復基調が見られました。さらに海外では、中華圏を含むアジアを中心に自動車や光学、データセンター関連向けが好調に推移しました。 このような環境の中、当社グループでは、アジャイル型開発を推進し、当期は2026年3月までに規格追加を含む新製品14型番を市場投入しました。3月には、サーメットロングネックラジアスエンドミル「CHR430R」、高硬度鋼高精度加工用2枚刃ボールエンドミル「MSBSH230」、高硬度鋼加工用4枚刃・6枚刃ラジアスエンドミル「MHDSH445R・MHDSH645R」、Mスレッドミル(めねじ用)「MMTM」を発売しました。 生産面では、売上増に伴う増産による量産効果に加えて、当社グループの小集団改善活動である「オレンジFC活動」を中心に、高精度、高品質を維持しながら効率的な生産体制を構築することにより、コスト削減を実現しました。 これらの結果、当連結会計年度における売上高は9,494百万円(前期比0.7%増)、営業利益は1,959百万円(同10.9%増)、経常利益は2,011百万円(同13.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,442百万円(同14.0%増)となりました。 なお、KPIとして売上高経常利益率20%を目標としておりますが、当期は前期比2.3ポイント増の21.2%となり、目標を上回りました。中華圏を含むアジア地域向けの販売が好調に推移したことから売上が増加し、さらに、原材料費や労務費等は増加したものの原価低減により製造原価が抑えられたことから、売上高経常利益率が上昇しました。もう一つの目標であるROE10%につきましては、当期は増益に加え、総額13億円を超える大規模な自社株買いを実施した結果、ROEは8.0%となり、目標を下回ったものの前期より0.9ポイント改善いたしました。 製品区分別の売上高では、「エンドミル(6mm以下)」が7,635百万円(前期比1.3%増)、「エンドミル(6mm超)」が799百万円(同0.1%増)、「エンドミル(その他)」が365百万円(同15.2%減)、「その他」が694百万円(同4.8%増)となりました。 (注)報告セグメントが1つでありますので、製品区分別に記載しております。なお「その他」の事業セグメントは、製品区分別の「その他」に含めております。 ② 財政状態の状況 当連結会計年度末における財政状態は、資産合計が19,595百万円(前期末比346百万円減)、負債合計が1,743百万円(同217百万円増)、純資産合計が17,851百万円(同564百万円減)となりました。各資産・負債の増減要因は以下のとおりであります。 <流動資産> 当連結会計年度末における流動資産の残高は13,459百万円で、前期末比332百万円、2.4%の減少となりました。これは主に、自己株式の取得による現金及び預金の減少等によるものであります。 <固定資産> 当連結会計年度末における固定資産の残高は6,135百万円で、前期末比14百万円、0.2%の減少となりました。これは主に、減価償却費が設備投資額を上回ったことによるものであります。 <資産合計> 上記により、資産合計は前期末に比べ346百万円、1.7%減少し19,595百万円となりました。 <負債合計> 当連結会計年度末における負債の残高は、1,743百万円と前期末に比べ217百万円、14.3%の増加となりました。これは主に、未払金及び未払法人税等の増加等によるものであります。 <純資産合計> 当連結会計年度末における純資産の残高は17,851百万円と前期末に比べ564百万円、3.1%の減少となりました。これは主に、自己株式の取得等によるものであります。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。連結ベースでの現金及び現金同等物(以下(資金)という)は、前連結会計年度末と比較し、300百万円減少し、9,467百万円(前期比3.1%減)となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は2,138百万円(前期比6.3%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益2,014百万円と減価償却費による資金の増加や法人税等の支払いによる資金の流出などを反映したものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は380百万円(同3.2%減)となりました。これは主に固定資産の取得による支出を反映したものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は2,055百万円(同200.4%増)となりました。これは主に自己株式の取得及び配当金の支払によるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績 当社グループは、報告セグメントが1つでありますので、製品区分別に記載しております。なお「その他」の事業セグメントは、製品区分の「その他」に含めております。 a.生産実績 当連結会計年度の生産実績を製品別に示すと、次のとおりであります。 製品別の名称   生産高(千円)   前年同期比(%) エンドミル(6mm以下)   8,269,506   △0.6 エンドミル(6mm超)   799,988   3.5 エンドミル(その他)   216,063   △5.8 その他   459,379   △3.3 合計   9,744,937   △0.5 (注)金額は販売価格によっております。 b.受注実績 当連結会計年度における受注実績を製品別に示すと、次のとおりであります。 製品別の名称   受注高(千円)   前年同期比(%)   受注残高(千円)   前年同期比(%) エンドミル(6mm以下)   7,764,489   4.6   268,461   92.7 エンドミル(6mm超)   822,732   4.2   39,819   141.2 エンドミル(その他)   405,887   △6.8   160,354   33.9 その他   704,741   6.1   69,172   18.4 合計   9,697,851   4.1   537,808   61.0 (注)金額は販売価格によっております。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績を製品別に示すと、次のとおりであります。 製品別の名称   販売高(千円)   前年同期比(%) エンドミル(6mm以下)   7,635,336   1.3 エンドミル(6mm超)   799,424   0.1 エンドミル(その他)   365,318   △15.2 その他   694,011   4.8 合計   9,494,091   0.7 (注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先   前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 金額(千円)   割合(%)   金額(千円)   割合(%) 株式会社サカイ   1,479,392   15.7   1,435,783   15.1 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討の内容 当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析・検討内容は、原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 ●経営成績等 当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高が前期比0.7%増加の9,494百万円、営業利益は同10.9%増加の1,959百万円となりました。 上期は米国の追加関税政策等の影響により売上、利益とも低迷しましたが、下期になって販売本数が回復し、増産に伴う量産効果と原価低減も寄与したことから、通期では前期比増収増益となりました。当連結会計年度における状況は、前項(1)に記載の通りであります。 ●重要な影響を与える要因 当社グループの製品は、様々な工業製品を作る際に必要となるものであり、その需要動向は精密・微細加工を必要とする先端工業製品群の需要にリンクしております。例えば、スマートフォンや自動車といった最終製品や、これらを構成する半導体、電子部品やコネクタなどがこれに該当します。従って、当社の製品需要は世界の景気動向や先端技術製品の登場などに影響を受けます。また、直近では当社製品の素材原料であるタングステンの価格が高騰しており、原価への影響が懸念されます。 当社グループ製品の主要需要先では、国内の自動車関連は、次期も生産台数と新車開発いずれも大きな回復が見込めないことから、金型製造に必要な工具需要は横這いか、微増推移を見込んでおります。国内の半導体、電子部品関連は、AI関連のデータセンター向け電子部品や関連デバイス向けなどの底堅い需要に支えられ、引き続き安定推移が見込まれます。好調な中華、アジア圏については、地政学要因はあるものの、販売台数を伸ばしている中華圏の自動車産業等での需要拡大が期待されます。 当社グループでは、他社との差別化要因である「違い」に基づく高付加価値製品の展開を継続しており、これが利益率の維持・向上に寄与してまいりました。足元は効率的な業務体制を維持しコスト削減に努める一方、本格的な工具需要回復のタイミングに向け、高機能・高付加価値製品の品揃えの充実を図り、マーケティングを推進してまいります。なお、高騰する原料価格への対応については、3「事業等のリスク」(5)に記載の通りであります。 ② 資本の財源及び資金の流動性 当社グループの運転資金の主な構成要素は、製品製造のための超硬素材等の原材料費、製品製造に要する諸費用、自社の製品在庫、及び売掛金等であります。設備資金は、主に自社開発の製造設備を継続的に購入するために必要となります。当社グループは運転資金及び設備資金をすべて内部留保で賄うこととしております。 運転資金については、売上に係る決済を原則締め日の翌月応当日としており、当連結会計年度における売上債権回転期間は前期比+0.1カ月の1.8カ月であります。また、当社グループでは標準品の販売比率が高く、欠品を起こすとユーザー離れを招く可能性があるため、流通在庫に加え、一定水準の自社製品在庫を揃えておく方針を採っております。この結果、当期の棚卸資産回転期間は前期比+0.3カ月の6.6カ月となりました。設備資金につきましては、生産設備へ継続的な投資を行いつつ、必要に応じ工場建設等の大規模投資を実施しており、通常は設備投資が営業活動から得られるキャッシュ・フローを上回ることはありません。なお、当連結会計年度における設備投資は、前期比375百万円増加し、486百万円となりました。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、資産、負債及び収益、費用の各報告数値に影響を与える見積り計算に際しては、過去の実績や現在の状況を踏まえ、合理性ある前提と計算方法に基づき算定しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。 (固定資産の減損) 当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産または資産グループについて、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。損益実績や事業計画に基づき検討を行いますが、市場環境の変化や事業計画の前提条件に変更が生じた場合には、減損損失の計上が必要となる可能性があります。 (繰延税金資産の回収可能性) 当社グループは、計上した繰延税金資産について、発生要因別に一時差異の予想解消時期をスケジューリングし、これに将来の課税所得の見積りを適用してその回収可能性の検討を行っており、回収可能性がないと判断した繰延税金資産については評価性引当処理を行い、税金費用を計上しております。一時差異の解消スケジューリングや将来の課税所得の見積りの前提条件に変更が発生した場合には、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

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開示資料

出典

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