本文へスキップ
超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,980.73+214ドル円158.84-1NASDAQ26,208.82+109S&P 5007,666.58+35SOX 指数11,332.81+449/2終値

フェニックスバイオ

PhoenixBio Co.,Ltd.6190 · Growth · サービス業

マウス肝臓の70%以上をヒト肝細胞に置換した独自のキメラマウスを活用する創薬支援企業。

概要

フェニックスバイオは、マウスの肝臓の70%以上をヒト肝細胞で置換したキメラマウス「PXBマウス」を用いて、医薬品開発の前臨床段階における受託試験サービスを提供する企業である。2002年に毛髪再生療法の事業化を目的として設立され、2003年からPXBマウス事業を開始した。本社は広島県東広島市。2016年3月に東証マザーズ(現グロース)に上場。2026年3月期の売上高は15億6,553万2千円、従業員数55名。単一セグメントで、薬物動態・毒性試験、肝炎ウイルス薬効評価、新鮮ヒト肝細胞の販売を主な収益源とする。

PXBマウス単一セグメントで展開する受託試験事業

当社グループの事業はPXBマウス事業のみの単一セグメントである。中核サービスは三つ。第一にDMPK/Tox試験(薬物動態関連試験・安全性試験)。新薬候補のヒト臨床中止理由の約30%をDMPK/Toxが占め、肝毒性が多くを占めることから、PXBマウスのヒト肝細胞が有用。第二に肝炎試験(薬効評価)。C型肝炎ウイルスやB型肝炎ウイルスの研究に利用され、国内外の製薬企業が薬効評価に使用。第三にPXB-cellsの販売。PXBマウスから灌流採取した新鮮ヒト肝細胞で、冷凍を経ないため高い代謝能を維持する。2026年3月期の販売高は15億6,553万2千円、うち最大顧客Alnylam Pharmaceuticals向けが5億9,174万7千円(37.8%)を占める。

売上高の推移と赤字転換の2026年3月期

当社の売上高は2013年3月期の10億円から緩やかに増減し、2023年3月期には21億円に達した。しかし2024年3月期は17億円、2025年3月期は15億円と減少傾向にあった。損益面では2014年3月期に純利益1億円を計上した後、2018年3月期から2022年3月期まで4期連続の最終赤字が続いた。2023年3月期は5億円の純利益に転換したが、2024年3月期は0円、2025年3月期は4億円の赤字と再び悪化。2026年3月期は売上高15億6,553万2千円(前年同期比1.6%増)、営業利益8,276万9千円、経常利益1億3,127万5千円、親会社株主に帰属する当期純利益1億2,522万8千円となり、営業損益・最終損益ともに黒字化した。費用面では海外生産施設の清算や研究開発費の抑制が寄与した。

国内と米国に続くグローバルな事業体制

当社グループは当社(広島県)と連結子会社2社(PhoenixBio USA Corporation、CMHL Consortium LLC)で構成される。PhoenixBio USAは2010年に米国ニューヨーク州に設立され、北米の製薬企業向けにPXBマウス関連サービスを提供する。米国市場が主要顧客先であるが、2026年3月期は米国製薬企業の開発予算抑制の影響で海外受注が伸び悩んだ。一方、国内市場では既存顧客からのPXBマウスリピート利用が増加し、国内受注高は前年同期比68.7%増と堅調に推移した。海外展開の強化として、業務提携先CROとの連携やコンソーシアム(CMHL Consortium)を通じたプロモーション活動を継続している。なお、かつて保有したKMT Hepatech Inc.は2017年に完全子会社化したが、2025年10月に清算を結了した。

業界の中での役割は創薬前臨床試験受託機関(CRO)にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
16億円
営業利益
1億円
営業利益率
6.3%
純利益
1億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01医薬品開発(前臨床試験)主力

PXBマウス(ヒト肝細胞キメラマウス)を用いて、製薬企業に対し医薬候補物質の薬物動態試験、安全性試験、肝炎ウイルスの薬効評価などの受託試験サービスを提供。マウスの肝臓の70%以上がヒト肝細胞に置換されており、ヒトでの代謝・毒性を予測できる点が強み。

ヒト肝細胞キメラマウスで世界に先駆けた独自技術

主要顧客製薬企業、研究機関

主な製品・サービス3
DMPK/Tox試験
医薬候補物質の体内動態(吸収・分布・代謝・排泄)と毒性を評価する試験。PXBマウスを用いることでヒトでの挙動を予測する。
肝炎試験
PXBマウスはヒト肝細胞にしか感染しないB型・C型肝炎ウイルスの研究に利用可能。抗肝炎薬の薬効評価試験を提供。
PXB-cells
PXBマウスの肝臓から分離した新鮮なヒト肝細胞。非凍結で提供し、高い薬物代謝能を持つ。ハイスループットスクリーニングなどに利用。

製品と技術

肝臓の70%以上をヒト化したPXBマウス

PXBマウスは、マウスの肝臓に移植したヒト肝細胞がマウス肝細胞の70%以上を置換したキメラマウスである。生産にはcDNA-uPA/SCIDマウスをホスト動物として用いる。このマウスは肝障害と免疫不全を併せ持ち、ヒト肝細胞の生着を促進する。3週齢のマウスの脾臓からヒト肝細胞を注入、移植後11週目には置換率が70%以上に達する。当社は年間4,000匹以上のPXBマウスを安定生産し、単一ドナーから購入した大量の凍結ヒト肝細胞を原料として供給を継続している。マウス血中のヒトアルブミン濃度を測定することで置換率を非侵襲的に推定できる。

新鮮ヒト肝細胞PXB-cellsとin vitro製品群

PXBマウスの肝臓からコラゲナーゼ灌流法により分離した新鮮ヒト肝細胞がPXB-cellsである。1回の灌流で約1.5×10^8個のヒト肝細胞が得られ、生存率約85%、マウス肝細胞の混入率は5%程度。冷凍を経ないため高い接着率と薬物代謝能を持ち、B型肝炎ウイルスの長期培養系としても有効である。当社はPXB-cells以外にも、PXB-Shizuku、PXB-cells RF、PXB-cells Cryo等の関連製品を市場投入している。これらのin vitro製品は、創薬探索段階のハイスループットスクリーニングや、動物実験代替手段として需要が高まっている。当社はMPS(生体模倣システム)等の新技術と組み合わせた研究開発も進めている。

肝炎から核酸医薬まで広がる応用分野

PXBマウスは、ヒト肝細胞にしか感染しないB型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスの研究に不可欠なツールとして実証されており、抗ウイルス薬の薬効評価に広く利用されている。近年では、核酸医薬や遺伝子治療など新しいモダリティの安全性評価にも応用が拡大している。当社は、非アルコール性脂肪性肝疾患(MASLD)や脂質代謝分野へのモデル開発も推進中である。米国ではコンソーシアム(CMHL Consortium)や大学(USC等)との共同研究により、最新トレンドを取り入れた用途開発を進めている。2026年3月期の受注高は10億3,944万2千円で、今後も市場拡大が期待される。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

サービス業のなかでの位置

会社が挙げる強い分野

  • 医薬品開発(前臨床試験)ヒト肝細胞キメラマウスで世界に先駆けた独自技術

有価証券報告書(2026/3期)で会社自身が述べている位置付けです。第三者による調査ではありません。

バイオ関連で新興、業績は不安定

フェニックスバイオは、バイオテクノロジー分野に特化した研究支援サービスを提供する。売上高は17億円から16億円と小幅な変動にとどまり、業績は不安定だ。同業のジンジブやイシンとは業態が異なり、研究開発型企業としての色彩が強い。営業利益率は赤字から黒字に転換したが、まだ低水準であり、成長軌道に乗るには研究開発費の増加や需要の拡大が必要となる。

強み

  • バイオ分野の研究支援に特化し、高度な技術力を持つ人材を保有。
  • 競合の少ない領域で事業展開し、一定の顧客からの信頼を獲得。
  • 2026年3月期に営業黒字を達成し、収益改善の兆しが見える。
  • 新規技術開発に積極的で、将来の差別化につながる可能性。

課題

  • 売上高が横ばいで、大型案件の獲得ができず成長が停滞。
  • 黒字化したものの、利益率が6%程度で、収益性がまだ低い。
  • 研究開発に多額の資金が必要で、財務基盤が弱い。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

サービス業の時価総額近傍。太字がフェニックスバイオ

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
17067ブランディングテクノロジー17億円37.0倍
27063Birdman17億円
37074トゥエンティーフォーセブンホールディングス16億円
4469Aフィットクルー16億円11.3倍
57090リグア15億円
66190フェニックスバイオ14億円11.1倍
79250GRCS14億円
89610ウィルソン・ラーニング ワールドワイド14億円
9143Aイシン14億円286.9倍
104760アルファ14億円8.9倍
119213セイファート14億円

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 14件

毛髪再生療法からPXBマウス事業へ転換した2002〜2003年

2002年3月、毛髪再生療法の事業化を目的として東京都文京区に株式会社エピフェニックスを資本金1,000万円で設立した。2003年3月に商号を株式会社フェニックスバイオに変更。同年5月に本店を広島県東広島市へ移転し、さらに7月には広島大学インキュベーションセンター(現・広島大学産学連携センターインキュベーションオフィス)に本社を移転した。2003年10月、広島テクノプラザ内にキメラマウス実験室を開設し、PXBマウス事業を開始した。これにより、当初の毛髪再生からヒト肝細胞キメラマウスを用いた医薬品開発支援へと事業の軸が転換した。

ワイエス研究所の買収と統合による事業拡大

2006年12月、株式会社ワイエス研究所の株式を100%取得し完全子会社化。2007年3月にはワイエス研究所を吸収合併し、宇都宮事業所を開設した。同時に遺伝子改変動物事業を開始した。これにより当社はPXBマウス事業に加えて遺伝子改変動物の作製・販売にも進出し、事業領域を拡大した。同年8月には本店を広島県東広島市鏡山三丁目4番1号(現在地)に移転し、現在の本社所在地が確定した。

米国進出と現地子会社の設立

2009年5月、米国ニューヨーク州にニューヨーク支店を開設し、北米市場への直接販売拠点を構えた。しかし約1年後の2010年8月、ニューヨーク支店を閉鎖し、代わりに完全子会社PhoenixBio USA Corporation(現・連結子会社)を同じくニューヨーク州に設立した。支店から子会社への組織変更により、現地法人としての経営基盤を強化する狙いがあった。その後、2016年1月には完全子会社CMHL Consortium LLCを米国デラウェア州に設立し、北米のコンソーシアム活動を本格化させた。

遺伝子改変動物事業を分割した2014年

2014年3月、当社は遺伝子改変動物事業を会社分割により株式会社特殊免疫研究所へ承継した。この分割により、当社はPXBマウス事業に経営資源を集中させる体制を整えた。同時に、分割後の株式会社特殊免疫研究所は当社グループから離脱した。これにより、2007年から手がけてきた遺伝子改変動物事業は当社の事業ポートフォリオから外れることとなった。当社は以降、ヒト肝細胞キメラマウスに特化した事業構造を確立した。

東証マザーズ上場とグロース市場移行

2016年1月にCMHL Consortium LLCを設立した後、同年3月に東京証券取引所マザーズに株式を上場した。上場により資金調達の手段を拡大し、PXBマウス事業の拡大を目指した。2017年11月には、東京証券取引所の市場区分の見直しに伴い、マザーズ市場からグロース市場に移行した。また同月、KMT Hepatech Inc.(連結子会社)の株式を取得し完全子会社化したが、これは後に清算されることとなる。

KMT Hepatechの取得と清算

2017年11月に完全子会社化したKMT Hepatech Inc.は、米国におけるPXBマウスの生産施設として期待された。しかし、業績は計画通りに進まず、当社は2025年10月に同社の解散及び清算を決議し、清算を結了した。この清算により、当連結会計年度の事業整理損失引当金の減少などが発生したが、費用削減効果ももたらした。KMT Hepatechの清算により、海外生産拠点はPhoenixBio USA CorporationとCMHL Consortium LLCに集約された。

年表14件を開く

2000年代

  • 2002年3月創業毛髪再生療法の事業化を目的として株式会社エピフェニックスを資本金1,000万円で東京都文京区に設立
  • 2003年3月商号変更商号を株式会社フェニックスバイオに変更
  • 2003年5月本店を広島県東広島市に移転
  • 2003年7月本社を広島大学インキュベーションセンター(現 広島大学産学連携センターインキュベーションオフィス)に移転
  • 2003年10月キメラマウス実験室を広島テクノプラザ(東広島市)に開設しPXBマウス事業を開始
  • 2006年12月M&A株式会社ワイエス研究所の株式を100%取得し完全子会社化
  • 2007年3月M&A本社を広島県東広島市鏡山三丁目4番1号に移転 株式会社ワイエス研究所を吸収合併し、宇都宮事業所の開設及び遺伝子改変動物事業を開始
  • 2007年8月本店を広島県東広島市鏡山三丁目4番1号に移転
  • 2009年5月米国ニューヨーク州にニューヨーク支店を開設

2010年代

  • 2010年8月M&Aニューヨーク支店を閉鎖し、完全子会社PhoenixBio USA Corporation(現 連結子会社)を米国ニューヨーク州に設立
  • 2014年3月遺伝子改変動物事業を会社分割により株式会社特殊免疫研究所へ承継
  • 2016年1月M&A完全子会社CMHL Consortium LLC(現 連結子会社)を米国デラウェア州に設立
  • 2016年3月上場東京証券取引所マザーズに株式を上場
  • 2017年11月M&AKMT Hepatech,Inc.(連結子会社)の株式取得 東京証券取引所の市場区分の見直しにより、マザーズ市場からグロース市場に移行 KMT Hepatech,Inc.の解散及び清算を決議(2025年10月清算結了)

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は4つの方針を掲げている。そのうち2項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 安全性等分野の売上高拡大(具体的数値なし)
  • 製品販売の売上高拡大(具体的数値なし)

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    海外でのPXBマウス事業拡大

    北米子会社を軸に、協力企業との提携や折衝を進め、PXBマウスのサービス提供を海外で拡大する。

  2. 02

    需要増に対応した供給体制強化

    外部委託による段階的増産と投資効率の高い増産計画を検討し、高品質なPXBマウスの安定供給を図る。また、AAALAC認証取得により動物福祉にも配慮する。

  3. 03

    in vitro分野への展開

    MPS等の新技術開発を強化し、共同研究先を通じて米国トレンドを把握。市場ニーズに応じた製品開発と顧客開拓・増産を進める。

  4. 04

    新市場の取り込みと知財戦略

    次世代モダリティ(核酸医薬、遺伝子治療等)やMASLD等への用途開発を推進。新たな知財の権利化に取り組む。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で55人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は570万円で、9期前と比べて+16.4%平均年齢は48.8歳、平均勤続年数は14.6年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月53
2018年3月63
2019年3月48943.69.872
2020年3月48243.29.271
2021年3月49344.210.269
2022年3月51045.211.566
2023年3月53945.712.165
2024年3月53845.912.670
2025年3月55745.913.169−145
2026年3月57048.814.655182

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社3(国内 1 / 海外 2、うち連結子会社 2) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位2)
本社 — 広島県東広島市410百万円
PXBマウス事業及び全社共通
本社 米国ニューヨーク州108百万円
PXBマウス事業
主な関係会社
  • 海外
    PhoenixBio USA Corporation
    米国 ニューヨーク州 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    CMHL Consortium LLC
    米国 デラウェア州 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    三和澱粉工業株式会社
    奈良県橿原市 · その他の関係会社
    議決権34.5%

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は16億円営業利益1億円前期と比べると増収で、売上が+6.7%。

売上高
+6.7%
16億円
営業利益
1億円
純利益
1億円
営業利益率
6.3%
前期比 +12.9%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高16億円16億円
営業利益1億円1億円
純利益1億円1億円
1株あたり配当¥0¥0

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は3億円、営業利益は−1億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は−25.0%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q41
2024年1Q400.00
2024年2Q500.00
2024年3Q400.00
2024年4Q40
2025年2Q8−1−12.5−1
2025年4Q700.0−3
2026年2Q800.00
2026年4Q8112.51
2027年1Q3−1−33.3−1

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は10億円から16億円へ1.6倍に増えた。直近期の営業利益率は6.3%。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2013年3月10−1−1
2014年3月1211
2015年3月911
東京証券取引所マザーズに株式を上場
2016年3月1211
KMT Hepatech,Inc.(連結子会社)の株式取得 東京証券取引所の市場区分の見直しにより、マザーズ市場からグロース市場に移行 KMT Hepatech,Inc.の解散及び清算を決議(2025年10月清算結了)
2017年3月1211
2018年3月9−3−3
2019年3月12−3−3
2020年3月13−1−4
2021年3月10−2−2
2022年3月13−1−4
2023年3月2155
2024年3月1700
2025年3月15−1−2−6.7−4
2026年3月16116.31

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高16億円のうち、営業利益として残るのは1億円6.3%。営業外の損益と税金を反映した純利益は1億円、売上の6.3%にあたる。営業利益率は業種中央値7.5%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金25.0%4億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金68.8%11億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益6.3%1億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
75.0%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比1.3pt
6.3%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+1.2pt
6.3%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比3.1pt
8.7%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
4.5%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
6.4%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 13期分

2026年3月期は営業CFが1億円、投資CFが0億円で、差し引きのフリーCFは1億円この組み合わせは資産整理型にあたる。本業の稼ぎに加えて資産売却でも現金を作り、負債返済や還元に充てている。事業の入れ替え局面期末の手元現金は11億円で、売上の8.3ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2014年3月13046
2015年3月00007
2016年3月3−17215
2017年3月010116
2018年3月−2−5−1−79
2019年3月−2−1−1−37
2020年3月0011018
2021年3月−1−2−2−313
2022年3月000013
2023年3月3−21116
2024年3月−11−2014
2025年3月−10−1−111
2026年3月10−1111

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は22億円。このうち返さなくてよい自己資本が16億円で、自己資本比率は70.2%(業種中央値53.4%より厚い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2013年3月118366.9
2014年3月139468.3
2015年3月1411377.1
2016年3月2320384.5
2017年3月2421388.2
2018年3月2219385.6
2019年3月1915481.0
2020年3月28121641.7
2021年3月25111443.5
2022年3月2381536.1
2023年3月30151549.8
2024年3月2718965.7
2025年3月2314959.1
2026年3月2216670.2

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
11億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
-19億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
6億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
63
/ 100
安定性自己資本比率40 / 40
収益力営業利益率13 / 30
現金創出営業CFの黒字継続10 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

サービス業 534社との比較

同じサービス業の企業と並べると、いちばん上に来るのは自己資本比率534社中129位あたり、逆に低いのはROE534社中345位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
8.7%/中央値 11.8%
P25 6.0%P75 18.9%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
6.3%/中央値 7.5%
P25 3.5%P75 12.7%
自己資本比率上位総資産のうち返済のいらないお金の割合
70.2%/中央値 53.4%
P25 36.8%P75 69.7%
売上成長率前期からの売上の伸び
6.7%/中央値 7.2%
P25 1.6%P75 16.0%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
/中央値 3.1%
P25 1.9%P75 4.1%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥342で、1年前と比べて-17.4%過去52週の値幅のなかでは5%の位置にある。

¥342+0.0%1ヶ月+0.3%1年-17.4%時価総額14億円
過去52週の値幅
安値¥321高値¥724

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)11.1倍
PER (会社予想)18.1倍
PBR0.95倍

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は7月中旬に357円まで回復したが、8/17には340円と反落。25日線346.28円を1.8%下回り、75日線377.29円からは9.9%下、200日線441.81円からは23%下。RSIは40.3と中立圏。出来高は8/10に2.2万株と急増したが、その後は減少。1ヶ月で2.0%下落し、下降トレンドが継続。52週安値321円に接近しており、下値警戒感が強い。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割安と判定しています(スコア 75/100)

PERは11.05倍、PBRは0.89倍で、同業界平均のPER 23.03倍、PBR 3.31倍を大きく下回る。ROEは8.67%と収益性は低いが、株価は純資産を下回っており割安感が強い。ただし、直近の業績は減収・赤字で、配当利回りは0%と配当がなく、成長性と株主還元の面で不安が残る。業界平均との比較では明らかに割安だが、業績悪化が続けばバリュエーションの正当化が難しい。

指標この会社業種平均
PER (実績)11.1倍23.4倍
PER (予想)18.1倍
PBR0.95倍3.51倍
ROE8.7%12.5%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

再生医療分野への期待は根強いものの、研究開発型の収益は不安定で、直近の業績は赤字に転じている。強気派は将来のパイプライン価値と市場成長を見込むが、弱気派は資金繰りと実用化への不確実性を懸念する。

プラスに働く材料7
  • 再生医療の成長市場

    世界的に再生医療市場は拡大しており、実用化されれば大きな収益機会がある。

  • 研究開発の進捗

    自社パイプラインが進行中で、マイルストーン達成への期待が持てる。

  • 小型株ゆえの成長余地

    時価総額が小さく、成功すれば株価上昇の余地が大きい。

  • 営業利益率マイナス6.67%から6.25%へ改善通年影響

    営業損益が前期△1億円から1億円、売上高は15億円から16億円

  • 最終損益が△4億円から1億円の黒字転換通年影響

    純損益△4億円→1億円、時価総額14億円に対して影響大

  • 売上高が前期比1億円増となり増収へ通年影響

    売上高16億円、前期15億円から1億円増加

  • PBR0.89倍の1倍割れ水準継続影響

    PBR0.8917倍、ROE8.67%と資本効率の改善余地

マイナスに働く材料7
  • 収益の不安定性

    売上高は減少傾向で、直近は営業赤字・純損失を計上。

  • 研究開発リスク

    開発の遅延や失敗の可能性が高く、資金調達の必要性も。

  • キャッシュフロー懸念

    市場規模が小さく、資金調達時には希薄化の懸念がある。

  • 売上高が2年前の17億円を下回る通年影響

    売上高16億円は2024年3月期17億円を下回る

  • 純利益1億円と利益の厚みが薄い通年影響

    当期純利益1億円、売上高16億円に対する純利益率6.25%

  • 無配当継続で株主への直接還元がない継続影響

    配当利回り0%、自己資本での利益蓄積に時間

  • 時価総額14億円で流動性リスク継続影響

    時価総額14億円、売買代金が細り値動きが不安定

次の決算で確かめる点
研究開発費率
研究開発への投資が事業の柱であり、収益化への道筋を占うため。
パイプライン進捗
開発段階の進行状況は将来の収益期待に直結する。

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ1,948人。区分でいちばん多いのは個人・その他46.7%。グループ会社や銀行などの安定株主が41.2%を占め、残る58.8%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
個人・その他48.948.547.644.047.646.7
事業法人45.545.140.142.639.940.8
証券会社3.44.59.312.59.66.3
外国法人1.81.61.10.72.15.8
金融機関0.30.21.90.10.60.4
自己株式0.20.2
外国人個人0.10.10.10.10.10.1

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01三和澱粉工業株式会社31.28
02森本 俊一12.41
03株式会社特殊免疫研究所3.16
04株式会社叡拳2.16
05馬渡 祥二1.85
06島田 卓1.68
07株式会社関薬1.43
08安田 信也1.42
09中外テクノス株式会社1.40
10J.P.Morgan Securities plc (常任代理人 JPモルガン証券株式会社)1.28

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+1159%、1株純資産は14期で+1123%。直近期のROEは8.7%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%PER
2013年3月−331
2014年3月5236215.4
2015年3月234185.8
2016年3月496848.349.7
2017年3月447286.336.3
2018年3月−93639
2019年3月−102528
2020年3月−142396
2021年3月−74332
2022年3月−118249
2023年3月14541442.44.2
2024年3月74431.669.1
2025年3月−111333
2026年3月313788.714.3

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある

経営陣

10名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は10名。2026/3期の役員報酬は総額84百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約2倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
島田卓取締役社長(代表取締役)6768,300
田村康弘専務取締役 管理部長6942,000
向谷知世取締役 研究開発部長 生産部長6435,900
加國雅和取締役547,500
森川良雄取締役56
藤井義則取締役55
上野基康常勤監査役65
岡野浩巳監査役(非常勤)56
上田正次監査役(非常勤)77500
加川修取締役 管理部長52

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円その他百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)56886814
社外取締役314145
監査役1222

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容4,848字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 (1)事業の概要 当社グループは、当社と連結子会社2社により構成されており、PXBマウス(ヒト肝細胞を持つキメラマウス)を用いた医薬品開発の受託試験サービスを主たる業務としております。 当社の事業の系統図は以下のとおりであります。なお、当社のセグメントはPXBマウス事業のみの単一セグメントであります。 [事業系統図] ・PXBマウス事業 当社は、マウスの肝臓の70%以上がヒトの肝細胞に置き換えられた「PXBマウス=ヒト肝細胞キメラマウス」を作製する技術を持ち、このヒト肝細胞キメラマウス(製品名:PXBマウス)を用いて、医薬品開発における創薬過程のうち、主に前臨床過程において様々なサービスを展開しております。 医薬品の安全性、有効性を確保するためには、臨床試験においてヒトでの代謝を確認することが必要ですが、「PXBマウス」では薬を代謝するのに重要な臓器である肝臓の大部分がヒト肝細胞に置き換わっていることから、ヒトの代謝を予測することができると考えられ、当社は製薬会社に対し「PXBマウス」を用いた医薬候補物質の投与の受託試験サービスを提供しております。 また、「PXBマウス」は、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスなど、ヒトの肝細胞にしか感染しないウイルスを研究するツールとなることも実証されており、抗ウイルス薬の開発にも利用されております。 PXBマウスを用いた主なサービスは以下のとおりです。 ① DMPK/Tox試験(薬物動態関連試験、安全性試験) DMPK(Drug Metabolism and Pharmacokinetics)とは、薬物がヒトの体内に取り込まれて薬効を発揮する過程で酵素的酸化反応や抱合反応、あるいは加水分解などの代謝作用によって速やか、かつ安全に体外に排出する薬物の体内動態に関する評価・解析のことです。薬物が薬効を発揮するためには一定の時間、適切な有効濃度で体内にとどまる必要がありますが、同時に、ヒトにとって薬物は異物であるので代謝機構で速やかに排出されなければなりません。また、Tox(Toxicology)とは、肝臓を始めヒト体内の種々の組織や細胞に与える毒性の評価・解析のことであります。薬物は常に薬効と毒性が表裏一体の関係であるため、毒性が現れる臓器や症状、毒性を示す薬の量などを臨床試験に入る前に、十分予測しておく必要があります。特に肝臓は薬物代謝の主担当臓器であるため、毒性を示すことが多いとされています。 新薬候補のヒト臨床での開発が中止される理由のうちDMPK/Toxはおよそ30%を占めると報告があり、また、ヒトでの毒性の多くは肝毒性であるとの報告もあります。 PXBマウスは肝臓の70%以上は移植したヒト肝細胞によって形成されていることから、ヒト肝臓での薬物動態や肝毒性反応を擬似予想することができるモデル動物だと考えられます。当社では、創薬の前臨床試験において有用なデータを取得することができると考え、PXBマウスを用いた薬物動態関連試験及び安全性試験の受託試験サービスを提供しております。 ② 肝炎試験(薬効評価) 新薬候補化合物の有効性について評価することが薬効試験の目的ですが、PXBマウスは、ヒト肝細胞を有することで、ヒト肝臓疾患モデル動物としての高い利用価値を持っています。特に、適切な疾患モデル動物の利用が困難となっていたC型肝炎ウイルスやB型肝炎ウイルス研究については、PXBマウスを利用することで大規模な薬効評価試験を速やかに実施することが可能となりました。これまでに国内外の多くの製薬企業や研究機関がPXBマウスを利用して新薬候補化合物の有効性を検証しており、当社グループは主に抗肝炎薬の薬効評価の受託試験サービスを提供しております。 ③ PXB-cellsの販売(PXBマウスから得られる新鮮ヒト肝細胞) 新薬候補の探索や最適化の過程では、短時間で大量の候補物質を評価するために、ロボットを用いた自動的解析手法であるin vitro ハイスループットスクリーニングが採用されています。このスクリーニングでは、主にヒト由来の細胞が用いられており、特に代謝に関連する評価ではヒト肝細胞が一般的に使用されています。しかし、供給をドナーに依存する新鮮ヒト肝細胞は、元々の入手量自体が潤沢ではない上に供給時期も不定期であり、さらに、多くのケースにおいて利便性を優先し冷凍保管されています。一旦冷凍されたヒト肝細胞は、細胞の機能がある程度低下しますが、創薬研究者は、凍結ヒト肝細胞を用いた評価に頼らざるを得ない状況にあります。これに対し、当社が提供するPXB-cellsは、PXBマウスから随時灌流採取した肝細胞を、非凍結のまま新鮮な状態で提供が可能です。PXB-cellsを利用することにより、創薬研究者は、肝細胞本来の機能を保持した状態で実験・評価することが可能となり、また、PXBマウスの安定生産を背景に、創薬研究者の都合に応じて実験を実施することが可能です。 PXBマウスの肝臓から、コラゲナーゼ灌流法によりヒト肝細胞を分離すると、約1.5×108個のヒト肝細胞が得られます。このヒト肝細胞の生存率は約85%、マウス肝細胞の混入率は5%程度です。このようにして得られたヒト肝細胞は、新鮮であるためシャーレへの接着率は非常に高く、新鮮ヒト肝細胞としての高い薬物代謝能を持ち、B型肝炎ウイルスの長期培養系としても有効です。 (2)PXBマウスについて ① PXBマウス PXBマウスは、マウス肝臓に含まれる肝細胞の70%以上がヒト肝細胞で置換されたマウスとして日本、米国、カナダ、欧州、中国等で商標登録(PXBマウス及びPXB-mouse)されています。 ② PXBマウスの生産方法 PXBマウスの生産には、cDNA-uPA/SCIDマウスと凍結ヒト肝細胞を利用します。始めに3週齢(6~9g)のcDNA-uPA/SCIDマウスの脾臓より、ヒト肝細胞を注入移植します。移植後3週目よりマウスの尾より採血し、マウス血中のヒトアルブミン(ヒト肝細胞から分泌されるタンパク質の一種)濃度を測定します。ヒトアルブミン濃度とヒト肝細胞数はほぼ相関していることから、ヒトアルブミン濃度を測定することによってマウス肝臓の中でヒト肝細胞によるマウス肝細胞の置換の程度を推定することができ、移植後概ね11週目から被移植マウスの推定置換率は70%以上となります。 当社グループでは、年間4,000匹以上のPXBマウスをコンスタントに生産しています。また、PXBマウスの生産に用いるヒト肝細胞として、単一ドナーから得られた肝細胞を大量に購入して凍結保管しておりますので、生産を継続することが可能です。 ③ PXBマウスの特徴 PXBマウスの特徴は、マウスの生命維持に不可欠な器官の一つである肝臓において、異種であるヒトの肝細胞がマウス本来の肝細胞と70%以上入れ替わった状態を維持しつつ、実験動物として利用可能であることです。PXBマウスの肝臓の中にあるヒト肝細胞は、ヒト体内にある状態に極めて近いことを裏付けるデータが得られていますので、PXBマウスを利用することによって、ヒト肝細胞に関連する様々な実験を、同じドナーの肝細胞を持つPXBマウスを用いて繰り返し実施することが可能です。 《用語解説》 [(ヒト肝細胞)キメラマウス] キメラとは、同一の個体内に異なる遺伝情報を持つ個体であります。当社のキメラマウス(当社製品名:PXBマウス)はマウスにヒトの肝細胞を移植し、マウス肝臓がヒトの肝細胞に置換していることから、マウスとヒトの遺伝情報を有しております。 [前臨床、臨床試験] 臨床試験とは、新薬候補化合物の有効性や安全性を実際にヒトに投与し確認することであり、前臨床(または非臨床)とは、臨床試験に先立ち、動物等を用いてこれらを確認することであります。 [代謝] 生命の維持のために生物が行う、外界から取り入れた様々な物質を素材として行う一連の合成や化学反応のことであります。 [酵素的酸化反応] 生物における代謝反応の一つで、酸素原子を付加することを補助する酵素により、酸素分子を物質と結合させる反応のことであります。 [抱合反応] 生物における代謝反応の一つで、薬物などの異物や体内由来の物質(ホルモン、胆汁酸、ビリルビンなど)に他の親水性分子(硫酸、グルクロン酸、グルタチオンなど)が付加される反応であります。 [加水分解] ある一つの物質が二つの物質に分解する際、水を必要とする反応のことをいいます。 [体内動態] ある物質を対象として、生物の体内への取り込みから、体内への分布、代謝を経て排出までの過程のことをいいます。 [ハイスループットスクリーニング] 創薬工程の初期において、膨大な化合物ライブラリーの中から、有効性のある化合物を選抜する手法のことであり、一般的にロボットを用いて自動的かつ高速で評価されています。 [コラゲナーゼ灌流法] コラーゲンを分解する酵素であるコラゲナーゼ溶液を動物の肝臓へ血脈から流し、肝臓外へ放出させる過程を継続させ、肝臓内のコラーゲンを分解することにより肝細胞を分散させ単離する方法であります。 [cDNA] 細胞内での蛋白質合成においてDNAの遺伝子として働く部分(情報)を人工的に合成したDNAであり、complementary DNA (相補的DNA, cDNA)と呼ばれています。 [uPA] ウロキナーゼ型プラスミノゲン活性化因子(uPA)は様々な蛋白質を溶かすことができる酵素の一つです。体内で凝固した血餅を溶解し除去する線溶系としての働きがよく知られています。 [SCID] severe combined immune deficiency(重度複合型免疫不全)の略称です。免疫反応を司るリンパ球(T細胞、B細胞)を持たない病態のことをいいます。このことから、SCIDマウスは異種の細胞などを移植してもリンパ球や抗体などによる免疫反応が起こらず、異種細胞が生着することができます。 [ホスト動物] 移植における、臓器を提供する側をドナー動物といい、提供を受ける側をホスト動物、またはレシピエント動物といいます。 [トランスジェニックマウス] 遺伝子工学の手法を用いて、遺伝情報を変化させた遺伝子改変マウスのことをいいます。この手法により、通常のマウスが持っていない蛋白質をマウス体内で作らせたり、通常よりもある蛋白質を多く作らせたりすることにより、病態モデルマウスを作製したり、あるいは、ある特定の蛋白質の性質を調べるために利用されています。 [cDNA-uPA/SCIDマウス] cDNA-uPA/SCIDマウスは、urokinase-type plasminogen activator cDNAトランスジェニックマウスであり肝障害を有し、さらにはSCIDマウスであるため免疫不全動物という特徴を持ちます。当社では、キメラマウス研究で一般的に利用されているThe Jackson Laboratory(米国)のuPAトランスジェニックマウスに代わり、cDNA-uPAマウスを、公益財団法人東京都医学総合研究所、中外製薬株式会社との共同研究で開発し(国際特許取得済み)、これをホスト動物としてPXBマウスを生産しています。このホスト動物を利用することにより、PXBマウスは、より長期間、安定的にヒト化状態を維持できるという特徴があります。 [CRO] Contract Research Organization(開発業務受託機関)とは、前臨床及び臨床試験等を製薬企業に代わり、受託する機関であります。
経営方針・対処すべき課題2,856字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社は、事業を通じて21世紀の医療に貢献する企業となることを目指しております。 当社は、生物が元来持っている機能を利用することで、これまでにない医療技術及び医薬品開発技術の実用化が期待される中、ヒト細胞の機能に着目し、この機能を維持したまま対外で大量に増殖させる細胞技術を開発してきました。この技術を応用し、さらに、増殖したヒト細胞を実験動物に移植する技術により、ヒト細胞の機能を様々な用途に提供していく所存であります。 (2)経営戦略等 当社は、海外でのPXBマウス事業のさらなる拡大を図るため、2010年8月に完全子会社PhoenixBio USA Corporationを設立し、北米製薬企業やCROとのパイプを持つコンサル会社との提携等によって北米を中心とした海外展開に注力してまいりました。引き続きPhoenixBio USA Corporationが主軸となり、PXBマウスのサービス提供に関して協力企業との折衝を進めてまいります。 (3)経営環境 最近のトレンドとして、従来、医薬品の主流であった低分子化合物に代わる、タンパク質、核酸、細胞といった新しい形態の新薬開発が世界的に注目を集めており、ヒト細胞で構成された臓器をもつ実験動物として世界で唯一であるヒト肝細胞キメラマウスや、その動物から単離された新鮮ヒト肝細胞が、ヒト特異的なタンパク質や核酸に対する有効性、安全性を評価するうえで非常に有用なツールであるという認識が高まりつつあります。当社グループの製品であるPXBマウス、PXB-cellsはこのニーズに応えることができる素材であることから、北米のコンソーシアム(CMHL Consortium)や、国内外の大学、製薬企業との共同研究、さらに、業務提携先の非臨床試験受託機関との連携によって、新しい知見を積み重ね、プロモーションに利用して、認知度向上に務めております。また、薬効薬理分野においても、非アルコール性肝炎や脂質代謝などの新しい分野への応用を目指したモデル開発を進めております。併せて、当社製品の普及のため、自社施設での受託試験サービスに加えて、国内外の非臨床試験受託機関との連携を一層強化し、PXBマウス及びPXB-cells等の製品販売を国内外で拡大していく計画であります。 当社グループでは、製品販売の拡大に合わせた供給体制の整備を進めてまいります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 a.PXBマウス需要への対応 当社グループの事業環境は、従来の肝炎関連の受託試験サービスが減少する一方で核酸医薬・遺伝子治療など安全性等分野でのマウス販売が増加している状況にあります。 堅調に推移するPXBマウスの需要に対応するため、外部への飼育委託による段階的な増産に取り組むとともに、今後、投資効率の高い増産計画を検討してまいります。そのうえで、引き続き高い品質のPXBマウスを提供するために、国内外の顧客や提携先CROからもたらされる納品後のマウスの情報について、当社の品質管理部門が一元的に対応、適切にフィードバックする体制を整えてまいります。 また昨今、強く動物愛護が求められる環境下においては、一方的な増産計画のみならず、動物福祉の観点からも理想的な設備と飼育方法で管理する責任があることから、国際的な動物管理及び使用に関する評価を行っているAAALAC International(国際実験動物ケア評価認証協会)に認証取得の申請をいたしました。今後も国際基準に準拠した動物福祉の実現に取り組んでまいります。 b.in vitro分野への展開・発展 近年、動物実験の代替手段として、ヒトの細胞や組織を利用したin vitro試験の重要性がますます高まっております。当社グループではin vitro試験で使用できる製品として、PXBマウスの肝臓から分離された新鮮ヒト肝細胞である PXB-cellsのほか、PXB-Shizuku、PXB-cells RF、PXB-cells Cryo等の関連製品を新たに市場投入しており、今後さらにその需要が高まることが期待されます。 このような状況において、当社グループはin vitroの評価法として世界的に開発が進められているMicrophysiological System(MPS:生体模倣システム)等の新規デバイスや新技術に対する研究開発を強化し、併せて、共同研究先であるUSC(University of Southern California)を通じて、医薬品開発競争の主要舞台である米国のトレンドを見極め、市場ニーズにあった製品開発を目指してまいります。 また、市場の拡大を見据えた体制として、並行して顧客開拓や増産検討も進めてまいります。 c.新しい市場の取り込み 創薬におけるモダリティ(治療薬の形態)は多様化しており、抗体医薬、細胞治療医薬、核酸医薬、遺伝子治療など新しい技術を用いた医薬品・治療法の開発が活発になっており、評価ツールとしてのヒト肝キメラマウスやヒト肝細胞の需要は増加しております。 今後、さらに当社グループが市場を獲得してゆくためには、PXBマウス、PXB-cellsに関して、次世代医薬品・治療法の評価ツールとしての有用性を示すデータ取得が一層重要になると認識しており、自社での研究開発に加えて、共同研究先、業務提携先とも協力して進めてまいります。 また、安全性等分野における核酸医薬、遺伝子治療、薬効薬理分野におけるMASLD(Metabolic Dysfunction-associated steatotic Liver Disease:代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)や脂質代謝を、新しい市場での重要分野と位置づけ、PXBマウス、PXB-cellsの用途開発や新製品開発に取り組んでまいります。当社では基幹技術であるPXBマウスの基本特許を、日米を始め主要地域において取得しておりますが、今後も社内研究や共同研究で新たに開発した知財の権利化について専心してまいります。 (5)目標とする経営指標 当社グループは経営指標として、事業規模を示す売上高を採用しております。サービス分野別に「薬効薬理分野」と「安全性等分野」に区分しており、特に市場規模が大きい「安全性等分野」の売上高を重要な経営指標として、事業拡大を目指してまいります。 また、「安全性等分野」においては顧客が自身の都合で試験ができる販売の形態を望むケースが多く、当社グループにおいてもPXBマウス及びPXB-cellsの生産に注力できることから、製品販売に重点を置く方針であります。従いまして、「製品販売」の売上高も重要な経営指標としております。
事業等のリスク4,188字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)PXBマウス事業への依存について 当社グループの売上高は単一事業であるPXBマウス事業のみとなっており、同事業に依存した収益構造となっております。経営資源を集中させることにより収益規模を拡大させることを目指しておりますが、今後、他社との競争によりPXBマウス事業の売上高が減少した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)特定の顧客、市場への依存について 当社グループの2026年3月期におけるAlnylam Pharmaceuticals,Inc.に対する売上高は、約38%を占めております。当社グループは安全性等分野においてPXBマウス及びPXB-cellsの有用性を示すデータの取得、新製品開発、プロモーション活動等を推進し、新規顧客獲得により特定の顧客に依存しない基盤づくりに努めてまいりますが、思うように進まず、同社の事業方針の変更や業績の変化等があった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 また、2026年3月期における米国市場に対する売上高は、約54%を占めております。そのため、米国政府による関税政策、薬価政策等の動向によっては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (3)大学等の公的研究機関との関係 当社グループの販売先である大学及び公的研究機関は、その研究資金の大部分を科学研究費補助金など公的な補助金及び助成金に依存しております。現在、海外製薬企業を中心に民間企業への販路が拡大しているものの、今後も大学及び公的研究機関に対する売上は一定程度見込まれることから、科学研究費補助金等の削減又は制度の変更により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (4)国立大学法人広島大学との共同研究について 当社グループは、自社での研究活動の他、国立大学法人広島大学と共同研究を実施しております。当社グループは、今後も同大学との間で良好な関係を維持し、共同研究を継続していく方針でありますが、当該契約の更新が困難となった場合、当社グループの研究開発活動に悪影響を与える可能性があります。 (5)生産設備の事故、故障、感染症の発生について 当社グループの事業は、マウス、ラットなど動物を扱う事業であり、これらは当社グループの研究施設及び生産施設内のクリーンルームで外部の病原菌からの感染を防止するなど、厳重な管理体制のもと飼育し、また不測の事態を考慮して複数の施設に分散する等リスク軽減のための処置を施しております。しかしながら、予期せぬ天災、環境設備の故障及び事故等で施設が損傷を受けた場合、又は動物に感染症等が発生した場合、当社グループの事業に重大な影響を与える可能性があります。 (6)ヒト肝細胞の入手について 当社グループの主要な製品であるPXBマウスはヒトの肝細胞を移植しております。移植に使われるヒト肝細胞は、国内での入手は行えず、代理店を通じて国外業者から輸入しております。今後、仕入価格の高騰、法規制等でヒト肝細胞の入手が困難になった場合PXBマウスの生産に制約を受け、当社グループの事業展開及び業績に影響を与える可能性があります。 (7)小規模組織であることについて 当社グループの組織は2026年3月31日現在で取締役6名、監査役3名、従業員55名と小規模であり、内部管理体制も当該規模に応じたものであります。今後の事業拡大に伴い、計画的な人員の増強と内部管理体制の充実を図る方針でありますが、必要な人員を確保できない場合、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 (8)技術者の確保、育成について 当社グループの事業は特殊性が高く、かつ専門性が高いため、技術育成に期間を要します。また、技術の個人依存度が高いため急な増員が難しく、技術者が大幅に流出した場合には当社グループの事業展開に影響を与える可能性があります。 (9)税務上の繰越欠損金について 当社グループは2026年3月31日現在、1,550,623千円の税務上の繰越欠損金を有しております。従いまして、当社グループの業績が順調に推移し当期純利益が計上された場合でも、当該繰越欠損金が解消されるまで課税される税金負担が繰越控除の限度内にて軽減されると考えております。しかしながら、当該繰越欠損金が解消された以降は税負担が増加し、当期純利益に影響を与えることが予想されます。 (10)研究開発について 当社グループは、開発競争の激しいバイオ産業のなかで収益力を維持するためには、技術の独自性及び先進性を保ち、顧客のニーズにあったサービスを提供できるよう技術開発を行う事が重要だと認識しております。 当社グループにおいて研究開発費は大きなウエイトを占めており、将来を見据えながら先行して研究開発及び設備投資を実施しております。しかしながら、研究開発が期待通りの結果を得られない場合は、先行して投資した研究開発費及び設備投資費を回収できない可能性があります。 (11)知的財産権について 当社グループの属するバイオ産業は、技術進歩は著しく速く、日々新しい技術開発が進んでおります。当社グループの技術に関して第三者の知的財産権の侵害は存在しないと認識しておりますが、今後、知的財産権の侵害を理由とする当社グループへの訴訟が発生しないとは限らず、このような事態が発生した場合、当社グループの事業展開及び業績に影響を与える可能性があります。 (12)配当政策について 当社は創業以来、累積損失を計上しており利益配当を実施しておりません。 当社は、事業の確立に向けて研究開発及び設備投資を実施している段階であり、投資した研究開発及び設備投資費用を回収するまでには至っておりません。さらに今後、生産体制を強化するため設備投資を実施する計画であります。しかしながら、当社は株主への利益還元も重要な経営課題であると認識しており、事業の確立、経営基盤の安定及び累積損失の一掃後に、内部留保を勘案しながら還元していく方針であります。 (13)為替相場の変動について 当社グループは販路拡大を目的に、米国を中心に海外製薬会社に対し積極的にPXBマウス販売や受託試験サービスを展開しており、2026年3月期において約7割が海外売上となっております。海外製薬企業との契約を締結する場合は、外貨建取引によっており、為替リスクを有しております。このため、為替相場が円高傾向になりますと、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。当社グループは、為替リスクの低減に努める所存でありますが、為替相場の変動リスクを完全に排除することは困難であり、為替相場の変動が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (14)技術革新について 当社グループの属するバイオ産業は、開発競争が激しく、技術革新が急速に進んでおります。当社グループの主要な製品であるPXBマウスは、ヒト肝細胞の置換率が70%以上という高置換率を誇っており、医薬品開発において有効な技術であると認識しております。しかしながら、今後これに代わる優れた技術、又は価格競争力に優れている技術が開発され、当社グループ技術の優位性を失った場合、技術の陳腐化、又は価格競争にさらされる恐れがあります。 (15)競合について PXBマウス事業の基幹技術である「ヒト肝細胞を持つキメラマウス」を安定生産するには、高い技術力と生産に係る経験を基礎とするノウハウを要するため、参入障壁が高いと考えておりますが、市場拡大が期待されることから、今後、他社が参入する可能性があります。現在の競合他社や新規参入により当社の優位性が低下した場合、価格競争にさらされて、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (16)法的規制について 当社グループでは、PXBマウスの生産で遺伝子組換え生物等を取り扱っており、国内においては遺伝子組換え生物等を用いる際の規制措置を定めた「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」に則り、事業を行っております。製品(PXB-cells)の販売につきましては、経済産業省から第二種使用等拡散防止措置確認を取得して産業利用を行っております。また、海外での生産につきましても、現地法令等に則り事業を行っております。 当社グループでは、施設の保全、リスク管理並びに従業員への教育訓練等を実施し、法令等を遵守していく所存でありますが、事故による拡散及び法規制の強化等により、当社グループの事業展開及び業績に影響を与える可能性があります。 (17)大株主との関係について 当社のその他の関係会社である三和澱粉工業株式会社は、2026年3月31日時点で当社発行済株式総数の31.33%(1,275,218株)を所有し、同社の子会社である株式会社特殊免疫研究所は、3.17%(129,000株)を所有しております。また、同社の緊密な者である森本俊一氏、三和商事株式会社は、それぞれ当社発行済株式総数の12.43%(506,000株)、0.17%(7,000株)を所有しております。 現在、これら大株主との関係については大きな変更を想定しておりませんが、将来において、大株主との関係に大きな変化が生じた場合は、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。 (18)感染症の拡大について 新型コロナウイルス感染症を含む感染症の発生、拡大により、当社グループの主要顧客である製薬企業において新薬開発が停滞した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、従業員間で感染症が拡大した場合、当社グループの事業活動に影響を与える可能性があります。
経営成績の分析 (MD&A)5,218字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により景気は緩やかな回復基調で推移しているものの、米国の通商政策や中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格の上昇等の影響が懸念され、先行きは不透明な状況が続いております。 当社グループの顧客が属する医薬品業界では、世界人口の増加や新興国の所得水準の向上等を背景として市場は成長しておりますが、特許切れによる後発薬の台頭、新薬開発の長期化等により製薬企業の収益性は厳しさを増しております。大手製薬企業は、新たな収益源を求めて有望なパイプラインに投資を集中しており、経済環境の変化やトランプ政権による不確実性があるなかでもM&Aによる成長を有効な手段として業界再編が行われております。また、製薬企業では新薬開発を迅速かつ効率的に実施するために、臨床試験等の開発業務を外部のCRO(開発業務受託機関)へ委託するケースが増えており、当社がターゲットとしている前臨床試験におきましてもバイオ医薬品分野などの専門的な領域では製薬企業の外部委託は拡大傾向にあります。 このような状況のもと、当社グループでは世界の大手製薬企業が研究開発拠点を置く米国を中心に、マウスの肝臓の70%以上がヒトの肝細胞に置き換えられたヒト肝細胞キメラマウス(当社製品名:PXBマウス)を用いた受託試験サービスの提供及びPXBマウス関連製品の販売を行っております。 新しい創薬モダリティが台頭するなかにおいて、PXBマウスは核酸医薬品や遺伝子治療等の開発で利用が増加しており、その有用性が認識されるにつれて、新規顧客からの引き合いも増加傾向にあります。しかしながら、主要顧客である米国の製薬企業においては開発予算の抑制が継続しており、海外市場での受注高及び売上高は伸び悩みました。一方で、国内市場では既存顧客へのPXBマウス販売が増加し計画値を上回ったことから、売上高全体としてはほぼ前年同期並みとなりました。損益面につきましては、売上原価は海外生産施設であった子会社のKMT Hepatech,Inc.を清算したことにより前年同期から減少し、販売費及び一般管理費においても人件費や研究開発費として利用するPXBマウスの製造単価が減少したことから、費用圧縮の効果が営業黒字の転換につながりました。 この結果、当連結会計年度の売上高1,565,532千円(前年同期比1.6%増)、営業利益82,769千円(前年同期は営業損失142,079千円)、経常利益131,275千円(前年同期は経常損失155,182千円)、親会社株主に帰属する当期純利益125,228千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失448,933千円)となりました。 なお、当社グループは「PXBマウス事業」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,215千円減少し、1,147,175千円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果、獲得した資金は68,857千円(前連結会計年度は73,000千円の使用)となりました。これは主に事業整理損失引当金の減少97,515千円、前受金の減少36,503千円があった一方で、税金等調整前当期純利益131,439千円、売上債権及び契約資産の減少34,182千円、減価償却費33,750千円があったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果、使用した資金は13,746千円(前連結会計年度は27,985千円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出12,432千円があったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果、使用した資金は88,009千円(前連結会計年度は128,000千円の使用)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出79,992千円があったことによるものであります。 ③生産、受注及び販売の実績 a.生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 生産高(千円)   前年同期比(%) PXBマウス事業   366,737   77.2 b.受注実績 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 受注高 (千円)   前年同期比 (%)   受注残高 (千円)   前年同期比 (%) PXBマウス事業   1,039,442   53.2   616,112   56.1 (注)外貨建て取引の受注高につきましては、受注時の為替レートにより、また、受注残高につきましては、当事業年度末の為替レートによりそれぞれ換算しております。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 販売高(千円)   前年同期比(%) PXBマウス事業   1,565,532   101.6 (注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。 相手先   前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 金額(千円)   割合(%)   金額(千円)   割合(%) Alnylam Pharmaceuticals, Inc.   634,022   41.1   591,747   37.8 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営成績 当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、主要顧客である海外製薬企業において開発予算削減の影響が継続したことから海外市場では苦戦を強いられました。一方で、国内市場はPXBマウスのリピート利用が増加しており、国内市場の受注も前年同期比で68.7%増と堅調に推移したことから、売上高全体はほぼ前年同期並みで着地いたしました。利益面については海外生産施設であったKMT Hepatech,Inc.の解散により損益分岐点が改善したことから、2期ぶりの営業黒字となりました。また、当連結会計年度は円安傾向が続いたことから、為替差益が発生し、経常利益は131,275千円、親会社株主に帰属する当期純利益は125,228千円となりました。 財政状態 (資産) 当連結会計年度末における流動資産は1,643,360千円となり、前連結会計年度末に比べ74,075千円減少いたしました。これは主に売掛金及び契約資産が34,182千円、原材料及び貯蔵品が24,376千円、それぞれ減少したことによるものです。また固定資産は549,321千円となり、前連結会計年度末に比べ18,585千円減少いたしました。この結果、資産合計は2,192,682千円となり、前連結会計年度末に比べ92,660千円減少となりました。 (負債) 当連結会計年度末における流動負債は373,299千円となり、前連結会計年度に比べ193,324千円減少いたしました。これは主に事業整理損失引当金が140,797千円、前受金が36,503千円、それぞれ減少したことによるものです。また固定負債は266,755千円となり、前連結会計年度末に比べ86,557千円減少いたしました。これは主に長期借入金が79,992千円減少したことによるものです。この結果、負債合計は640,054千円となり、前連結会計年度末に比べ279,881千円減少となりました。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産合計は1,552,627千円となり、前連結会計年度に比べ187,221千円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が125,228千円、為替換算調整勘定が54,900千円、それぞれ増加したことによるものです。 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標 当社グループの事業は、PXBマウスを用いた受託試験サービスとPXBマウス及びPXB-cellsの販売を中心に展開しておりますが、とりわけ、PXBマウス及びPXB-cellsは薬効薬理分野における抗肝炎ウイルス薬の薬効評価ツールとして、国内外で、C型肝炎ウイルスやB型肝炎ウイルスの基礎研究、医薬品開発に貢献してまいりました。しかしながら、ここに来て肝炎分野の受託試験サービスは大きく減少しており、今後の市場回復も期待できないことから、当社グループでは、ほぼ全ての医薬候補物質が対象となり、より大きな市場である安全性等分野でのPXBマウス、PXB-cellsの普及に努めております。 当社グループでは、重要な経営指標として分野別の売上高を採用しておりますが、今後PXBマウス、PXB-cellsの製品販売に重点を置いていくことから、サービスライン別の売上高も記載しております。 当連結会計年度の分野別売上高及びサービスライン別売上高は下記のとおりであります。 分野別   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 売上高(千円)   前年同期比(%) 薬効薬理分野   66,409   90.8 安全性等分野   1,499,123   102.1 サービスライン別   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 売上高(千円)   前年同期比(%) 製品販売   1,209,942   111.9 受託試験サービス   355,590   77.3 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 (キャッシュ・フローの分析・検討) 当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ2,215千円減少の1,147,175千円となりました。内訳は営業活動で68,857千円の資金を獲得しており、投資活動で固定資産の取得等により13,746千円、財務活動で長期借入金及びリース債務の返済等により88,009千円、それぞれ資金を使用しております。 (資本の財源及び資金の流動性) 当社グループの主な資金需要は、PXBマウス、PXB-cellsの生産ならびに受託試験にかかる製造費、PXBマウスの用途開発や有用性検証を目的とするコンソーシアム活動や南カリフォルニア大学との共同研究を含めた研究開発費、専門学会でのブース展示を含めた国内外での営業宣伝活動費、これらグループの活動を支える間接部門に係る運転資金の他、生産、受託試験及び研究開発のための設備・機器への投資とこれらの設備・機器の運転・維持、ならびに実験機器等消耗品の購買資金であります。これらのうち、運転資金につきましては内部資金を活用し、設備投資資金につきましては、投資規模により資金調達コストを勘案の上、内部資金の活用の他、金融機関からの借入金、リースによる調達によっております。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。また、連結財務諸表の作成にあたり必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しておりますが、見積りには不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

EDINET提出の有価証券報告書から自動抽出。表は文字起こしのため崩れることがあります。

開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP

リンク先はEDINET (金融庁) の書類閲覧ページです。

関連する企業

関連企業

本ページは公的開示と市場データに、群青で示した解釈を重ねて構成しています。財務・株価の数値は開示・市場データをそのまま表示し、AIには生成させていません。 AI評価 (割安判定・スコア) は解釈です — 詳しくは編集方針をご覧ください。