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日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,980.73+214ドル円158.84-1NASDAQ26,208.82+109S&P 5007,666.58+35SOX 指数11,332.81+449/2終値

ACSL

ACSL Ltd.6232 · Growth · 機械

自律制御技術を核に、国産のセキュアな産業用ドローンを社会実装するメーカー。

概要

ACSLは、産業用ドローン(無人航空機)の開発・製造・販売を手がける国産ドローンメーカーである。2013年に千葉大学発のスタートアップとして創業し、2018年に東証マザーズに上場。本社は東京都江戸川区、従業員数58名。売上高は拡大基調にあるが、研究開発投資が先行し営業赤字が続いている。農業、点検、物流など向けの機体を提供し、国産機としての信頼性が強み。

単一セグメントのドローン事業の構造

ACSLグループはドローン関連事業の単一セグメントで構成される。事業は顧客の検証段階に応じて「概念検証(PoC)」「プラットフォーム機体販売」「用途特化型機体販売」「運用・導入支援」に区分される。概念検証ではテスト機体を用いた実証実験を有償で提供し、プラットフォーム機体販売ではベース機体をカスタマイズして販売する。用途特化型機体販売は物流や点検など特定用途向けに量産機を開発・販売する。販売後は保守や消耗品販売で継続収益を得る。2025年12月期の売上高は26億円、うち用途特化型機体販売が20.5億円と全体の78%を占めた。

用途特化型機体販売が収益の柱

2025年12月期の売上高は2,598,734千円、前年同期比で約2.8倍に拡大した。内訳は用途特化型機体販売が2,046,087千円(前期比482.6%増)と急増し、全体の78.7%を占める。プラットフォーム機体販売は52,495千円、実証実験は165,525千円、その他(保守・プロジェクト受託)が334,625千円であった。受注高も用途特化型機体販売が2,053,517千円と好調で、受注残高855,247千円を抱える。一方、実証実験やプラットフォーム販売は縮小傾向にある。これは量産機への需要シフトを示している。

国内中心に米国・インドへ展開

ACSLは国内の大企業を主な顧客とし、日本郵便との物流ドローン共同開発や政府調達(防衛装備庁、NEDOプロジェクト)に参画している。海外展開では、2023年1月に米国カリフォルニア州に販売子会社ACSL, Inc.を設立し、小型空撮ドローン「SOTEN」の輸出許可を同年11月に取得した。2025年12月にはカナダ市場へ進出。また2021年9月にはインドにACSL India Private Limitedを設立し、Aeroarcと共同出資で事業を開始している。中国製ドローンからの代替需要を見込み、米国でのNDAA準拠やFCC認証を強みにセキュアな機体を売り込む。

研究開発投資と助成金に依存する財務基盤

ACSLは成長段階にあり、売上高は2015年1月期の0.2億円から2025年12月期の26億円へ拡大した。しかし研究開発費が高水準で、2025年12月期は1,319,319千円(売上高比率50.8%)を計上し、営業損失1,840,400千円となった。経常損失も1,075,217千円だが、営業外収益として国家プロジェクト助成金1,244,783千円を受領している。財務活動では株式発行や転換社債型新株予約権付社債(1,429,062千円)で資金調達を実施。自己資本比率は29.1%(前期2.0%)まで改善したが、累積損失は継続している。

業界の中での役割は産業用ドローンメーカー。にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
26億円
営業利益
-18億円
営業利益率
-69.2%
純利益
-14億円
2025/12 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2025/3期)より

事業別の売上と利益

2025/12
事業売上構成比利益利益率
用途特化型 機体販売20億円76.9%
その他3億円11.5%
実証実験2億円7.7%
プラットフォーム 機体販売1億円3.8%

有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上とセグメント利益をそのまま掲載しています。全社費用・セグメント間取引の消去は含みません。

01ドローン関連事業主力

セキュリティが担保された国産ドローンを提供。官庁・社会インフラ関連企業向けに、中国製ドローンからの切り替え需要を取り込む。概念検証から機体量産、運用・導入支援まで一気通貫で対応。

レベル4型式認証を日本で唯一取得

主な製品・サービス2
プラットフォーム機体
用途特化型機体のベースとなる自律制御技術を搭載した機体。カスタマイズ可能。
用途特化型機体
特定用途向けに開発された量産機体。インフラ点検・災害調査・物資輸送など多様な分野に展開。

製品と技術

セキュアな小型空撮ドローン「SOTEN」

「SOTEN(蒼天)」は、ACSLが2021年12月に受注を開始した小型空撮ドローンである。セキュアな設計が特長で、NDAA(米国国防権限法)に準拠し、2023年11月には米国への輸出許可を取得した。2023年3月には日本初のレベル4対応第一種型式認証を取得。防衛省や経済産業省のデュアルユース推進政策の下、防衛装備庁への納入実績があり、陸上自衛隊の装備品としても展示された。米国ではFCC認証を保持し、中国製ドローンからの代替需要を取り込む。

長距離飛行マルチユースドローン「PF4」

「PF4」は、日本郵便との共同開発で生まれた物流専用ドローンを汎用化した機体で、2025年10月に量産を開始した。長距離飛行が可能で、ユーザー自身でペイロードを交換できる取り付け機構を備える。物流用途だけでなく、広域測量など他分野への展開も視野に入れる。姉妹機種「PF2-CAT3」は日本初の第一種型式認証取得機体であり、レベル4飛行による実証実験(長崎県、福島県など)で活用されている。「PF4」の製品化により、ACSLは量産体制を本格化させた。

自律制御技術と型式認証が生む競争力

ACSLの中核技術は、千葉大学発の研究に由来する自律制御システムにある。人間の「小脳」に相当する姿勢制御には非線形制御アルゴリズムを採用し、一般的なPID制御と比較して耐風性や高速飛行時の安定性で優位性を持つ。「大脳」部分ではVisual SLAMやLidarセンサーフュージョン、AIによる環境認識を統合し、非GPS環境下での完全自律飛行を実現する。また、日本で唯一レベル4に対応する型式認証を取得しており、品質保証面でも差別化している。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

機械のなかでの位置

会社が挙げる強い分野

  • ドローン関連事業レベル4型式認証を日本で唯一取得

有価証券報告書(2025/3期)で会社自身が述べている位置付けです。第三者による調査ではありません。

小型ドローン開発の新興、高い成長性だが赤字継続

当社は小型産業用ドローンを手掛ける新興企業で、売上高は2023年12月期の9億円から2024年12月期には27億円へ急拡大した。しかし営業利益率は大幅な赤字であり、収益化には至っていない。同業の日本製鋼所や三浦工業は安定した収益基盤を持つ成熟企業であり、当社は規模・収益性で大きく劣る。ドローン市場の成長が期待される一方、競合他社も多く、事業の軌道に乗るかが焦点となる。

強み

  • 2023年から2024年にかけて売上高が9億円から27億円へ3倍増加し、市場の需要を取り込んでいる。
  • 小型ドローンは物流や点検など応用範囲が広く、技術力で差別化を図っている可能性がある。
  • 産業用ドローン市場は拡大期にあり、当社はその成長を取り込めるポジションにある。
  • 機械業界の中では設備投資が比較的少なく、機動的な事業運営が可能。

課題

  • 2024年12月期の営業利益率は-85%と大幅な赤字で、早期の収益化が課題。
  • 2025年12月期は売上高26億円と減少見込みで、成長の持続性に疑問。
  • ドローンメーカーが多数存在し、技術面や価格面での競争が激しい。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

機械の時価総額近傍。太字がACSL

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
16125岡本工作機械製作所308億円24.6倍
26328荏原実業307億円12.3倍
36469放電精密加工研究所302億円35.8倍
46245ヒラノテクシード284億円21.2倍
56365電業社機械製作所273億円9.0倍
66232ACSL268億円
71909日本ドライケミカル266億円19.5倍
86279瑞光265億円12.4倍
9544AGMSグループ264億円
106482YUSHIN258億円85.0倍
116445ジャノメ255億円42.3倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 25件

千葉大学発のスタートアップとして創業した2013年

2013年11月、千葉県千葉市中央区に株式会社自律制御システム研究所を設立。千葉大学発のベンチャーとして、自律制御技術の研究開発から事業を始めた。初期は研究開発に注力し、売上高は2015年1月期で約200万円、2016年1月期で約2.4億円と小規模だったが、技術蓄積を進めた。2016年7月には事業拡大に伴い千葉市美浜区へ本社を移転。その後、2017年5月に栃木県鹿沼市に製造拠点を設置し、量産体制の準備を整えた。

LTE遠隔制御成功と自律制御商用化(2016-2017年)

2016年11月、高速通信回線LTE網を利用したドローン遠隔制御に史上初の成功を収めた。これにより、通信インフラを活用した広範囲でのドローン運用が可能となる技術基盤を確立。続いて2017年7月、画像認識により飛行する「大脳型」自律制御を開発し、ドローン実装により商用化した。この技術はVisual SLAM(自己位置推定と地図作成の同時実行)やLidarセンサーを統合し、GPS非依存での自律飛行を実現するもので、ACSLの中核技術となった。

上場と認証取得で事業基盤を固めた2018-2019年

2018年2月、開発・製造拠点を東京江東区に統合し、事業効率を向上。同年11月、日本郵便のドローン郵便局間輸送実証に機体を提供した。同年12月、東京証券取引所マザーズに株式を上場し、同時にISO9001認証を取得。2019年1月には一般社団法人日本産業用無人航空機工業会(JUAV)の安全基準認定において、小型回転翼無人機として初の型式認定を取得した。これにより、国産ドローンとしての信頼性と品質保証の基盤を確立した。

レベル4対応と日本郵便との提携(2021-2023年)

2021年6月、商号を株式会社ACSLに変更するとともに、日本郵便及び日本郵政キャピタルと資本業務提携を締結。レベル4(有人地帯での補助者なし目視外飛行)に対応するドローン開発と配送実用化を目指した。2021年12月、セキュアな小型空撮ドローン「SOTEN(蒼天)」の受注を開始。2023年3月には、日本初のレベル4対応無人航空機として第一種型式認証を国土交通省より取得。これにより、物流やインフラ点検での本格運用が可能となった。

米国・インド・カナダへの海外展開加速(2021-2025年)

2021年9月、インド市場向けにAeroarcと共同出資でACSL India Private Limitedを設立。2023年1月、米国市場本格進出のためカリフォルニア州に子会社ACSL, Inc.を設立し、同年11月に「SOTEN」の米国輸出許可を取得。2025年12月には同子会社を通じてカナダ市場へ進出。米国ではNDAA(国防権限法)による中国製ドローン調達禁止やFCC認証規制強化を追い風に、セキュアな国産機として販売機会を拡大している。

量産開始と政府調達参入による事業転換(2025年)

2025年10月、日本郵便と共同開発した物流専用ドローンを汎用化した長距離飛行マルチユースドローン「PF4」の量産を開始。同年、防衛装備庁から「SOTEN」を受注し、陸上自衛隊主催の「Landpower Forum in Japan」に装備品として出展された。また、NEDOの経済安全保障重要技術育成プログラム(K Program)に採択され、小型無人機の自律制御・分散制御技術の研究開発を開始。売上高は用途特化型機体販売が急増し、事業は実証実験段階から量産段階へ移行した。

年表25件を開く

2010年代

  • 2013年11月創業千葉県千葉市中央区に株式会社自律制御システム研究所を設立
  • 2016年7月事業規模の拡大に伴い、千葉県千葉市美浜区に本社移転
  • 2016年11月高速通信回線LTE網を利用したドローン遠隔制御に史上初の成功
  • 2017年5月ドローンの製造拠点を栃木県鹿沼市に設置
  • 2017年7月画像認識により飛行する「大脳型」自律制御を開発し、ドローン実装により商用化
  • 2018年2月M&A開発、製造拠点を統合し、東京都江東区へ移転
  • 2018年11月日本郵便株式会社が開始したドローンを用いた郵便局間輸送において当社機体を提供
  • 2018年12月上場東京証券取引所マザーズに株式を上場 ISO9001認証を取得
  • 2019年1月一般社団法人 日本産業用無人航空機工業会(JUAV)が定める安全基準認定において小型回転翼無人機として初の型式認定の取得
  • 2019年4月開発、製造拠点を東京都江戸川区へ移転

2020年代

  • 2020年4月政府調達向けのドローン開発を想定した、NEDO(注1)「安全安心なドローン基盤技術開発」に採択
  • 2020年6月M&A東京都江戸川区へ本社を移転し、開発、製造拠点と統合
  • 2020年12月創業技術シナジーが期待できる国内外の企業へ投資を行うコーポレートベンチャーキャピタルとしてACSL1号有限責任事業組合を設立
  • 2021年5月創業閉鎖環境点検ドローンの量産を見据え、株式会社NJSと共同出資で株式会社FINDiを設立
  • 2021年6月日本及びグローバルレベルでの認知度を高めるため、株式会社ACSLに商号を変更 レベル4(注2)に対応したドローンの開発及びドローン配送の実用化に向けて、日本郵便株式会社及び日本郵政キャピタル株式会社と資本業務提携契約を締結
  • 2021年9月創業インド市場で事業展開すべく、Aeroarcと共同出資のACSL India Private Limitedを設立
  • 2021年12月セキュアな小型空撮ドローン「SOTEN(蒼天)」の受注を開始
  • 2022年5月地上走行ロボットを開発するアイ・イート株式会社(現REACT株式会社)と資本業務提携契約を締結
  • 2022年12月日本郵便株式会社、日本郵政キャピタル株式会社と新たな物流専用の国産ドローンを発表
  • 2023年1月米国市場への本格進出に向け、子会社であるACSL, Inc.をカリフォルニア州に設立
  • 2023年3月日本初のレベル4対応の無人航空機の第一種型式認証書を国土交通省より取得
  • 2023年11月小型空撮ドローン「SOTEN(蒼天)」の米国への輸出許可を取得
  • 2024年12月株式会社村田製作所と業務提携契約を締結
  • 2025年10月日本郵便株式会社と開発した物流専用ドローンを汎用化した機体、長距離飛行マルチユースドローン「PF4」の量産を開始
  • 2025年12月子会社であるACSL, Inc.がカナダ市場へ進出

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2025/12期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。有価証券報告書には具体的な数値目標の記載がない。

  1. 01

    先端技術による機体進化

    国家プロジェクト(SBIR、K Program)を活用し、行政ニーズや経済安全保障に対応した高性能機体及び次世代自律制御・分散制御技術の研究開発を推進する。

  2. 02

    強靭なサプライチェーン構築

    複数生産拠点の活用や部品トレーサビリティ確保によりサプライチェーンを強靭化し、高品質かつ安定的な量産体制を維持するとともに原価低減を図る。

  3. 03

    北米事業の本格拡大

    NDAA準拠品として米国で販売機会を拡大し、現地子会社・販売代理店網を活用して官公庁・社会インフラ需要を獲得。カナダ市場にも展開する。

  4. 04

    防衛・安全保障分野への貢献

    防衛省等の政府調達に向けて小型空撮ドローン「SOTEN」の受注実績を積み重ね、デュアルユース推進の中で存在感を高める。

  5. 05

    社会インフラ維持・管理の国産化

    日本郵便と共同開発した長距離ドローン「PF4」の量産を開始し、物流・測量等の分野で社会実装を推進する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 8期分

グループ全体で58人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は788万円で、7期前と比べて+29.2%平均年齢は42.4歳、平均勤続年数は3.9年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2019年3月61037.22.239
2020年3月64037.02.745
2021年12月69338.23.070
2021年3月67537.02.865
2022年12月72139.23.471
2023年12月71240.23.590
2024年12月76241.34.056−4,107
2025年12月78842.43.958−3,103

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社3(国内 1 / 海外 2、うち連結子会社 2) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位1)
本社 — 東京都江戸川区41百万円
主な関係会社
  • 国内
    ACSL1号有限責任事業組合(注)2
    東京都 江戸川区 · 連結子会社
    議決権99.0%
  • 海外
    ACSL, Inc. (注)2、3
    米国 カリフォルニア州 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    ACSL India Private Limited
    インド共和国 ニューデリー · 持分法適用会社
    議決権49.0%
公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 調達
    安全安心なドローン基盤技術開発政府調達向けを想定したドローンの標準機体設計・開発及びフライトコントローラー標準基盤設計・開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2020-06-22
    2.6億円
  • 調達
    経済安全保障重要技術育成プログラム/小型無人機の自律制御・分散制御技術自律制御・分散制御技術に係るハードウェアに関するフィジビリティスタディーの研究開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2024-07-16
    9,992万円
  • 調達
    ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト 無人航空機の運航管理システム及び衝突回避技術の開発 準天頂衛星システムを利用した無人航空機の自律的ダイナミック・リルーティング技術の開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2017-06-27
    5,129万円
  • 調達
    ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト性能評価基準等の研究開発目視外及び第三者上空での飛行に向けた無人航空機の性能評価基準
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2018-07-20
    3,999万円
  • 調達
    ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト/無人航空機の運航管理システム及び衝突回避技術の開発/単独長距離飛行を実現する運航管理機能の開発(離島対応)
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2020-09-28
    3,487万円
  • 調達
    ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト 性能評価基準等の研究開発 無人航空機等を活用した物流システムの性能評価手法等に関する研究開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2017-04-03
    2,981万円
  • 調達
    平成31年度安全保障貿易管理対策事業(エッジ処理による非GPS環境における無人航空機の自律制御技術の試験・評価)
    経済産業省 · 2019-04-19
    1,950万円
  • 調達
    令和4年度重要技術管理体制強化事業(市販小型無人航空機を基礎とする関連技術の把握のための調査)
    経済産業省 · 2022-09-09
    1,650万円
  • 補助金
    [第五回]令和2年度事業再構築補助金(交付申請等)
    中小企業庁
    5,507万円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2025年12月期の売上高は26億円営業利益-18億円前期と比べると減収で、売上が-3.7%。

売上高
-3.7%
26億円
営業利益
-18億円
純利益
-14億円
営業利益率
-69.2%
前期比 +16.0%pt

会社が出している今期の予想2026年12月期

項目会社予想前期実績
売上高40億円26億円
営業利益-14億円-18億円
純利益-6億円-14億円

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2026年2Qで、売上は16億円、営業利益は−4億円。前年の2025年2Qと比べると、売上は+60.0%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年1Q4−4−100.0−4
2023年2Q1−5−500.0−5
2023年3Q2−5−250.0−6
2023年4Q2−10
2024年1Q3−6−200.0−7
2024年2Q18−4−22.2−3
2024年4Q6−13−216.7−14
2025年2Q10−8−80.0−3
2025年4Q16−10−62.5−11
2026年2Q16−4−25.0−4

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 13期分

直近期の営業利益率は-69.2%。純利益は3期連続で増加。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2015年1月000
2016年1月2−1−1
2016年3月100
2017年3月2−5−5
東京証券取引所マザーズに株式を上場 ISO9001認証を取得
2018年3月4−5−5
2019年3月8−2−2
技術シナジーが期待できる国内外の企業へ投資を行うコーポレートベンチャーキャピタルとしてACSL1号有限責任事業組合を設立
2020年3月1322
閉鎖環境点検ドローンの量産を見据え、株式会社NJSと共同出資で株式会社FINDiを設立
2021年3月6−11−15
2021年12月5−12−12
2022年12月16−22−26
米国市場への本格進出に向け、子会社であるACSL, Inc.をカリフォルニア州に設立
2023年12月9−21−25
2024年12月27−23−22−85.2−24
子会社であるACSL, Inc.がカナダ市場へ進出
2025年12月26−18−11−69.2−14

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2025年12月期

売上高26億円のうち、営業利益として残るのは-18億円-69.2%。営業外の損益と税金を反映した純利益は-14億円、売上の-53.8%にあたる。営業利益率は業種中央値8.6%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金80.8%21億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金88.5%23億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益-69.2%-18億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
19.2%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比77.9pt
-69.2%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比60.8pt
-53.8%
税金まで払って最後に残る割合
ROA
-24.6%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
-34.0%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 10期分

2025年12月期は営業CFが−12億円、投資CFが0億円で、差し引きのフリーCFは−12億円この組み合わせは立て直し型にあたる。本業の赤字を資産売却と資金調達で補っている。事業転換の途上期末の手元現金は20億円で、売上の9.2ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2017年3月−5612
2018年3月−5123−421
2019年3月−2−126−345
2020年3月−4−41−838
2021年3月−12−70−1919
2021年12月−13−830−2128
2022年12月−21−310−2414
2023年12月−26−128−2715
2024年12月−19017−1912
2025年12月−12020−1220

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 13期分

2025年12月期の総資産は57億円。このうち返さなくてよい自己資本が18億円で、自己資本比率は29.1%(業種中央値65.3%より薄い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2015年1月10112.4
2016年1月21174.7
2016年3月98190.9
2017年3月54171.0
2018年3月2420485.9
2019年3月4947295.4
2020年3月5350395.5
2021年3月4036488.6
2021年12月5754394.0
2022年12月50292157.1
2023年12月51232842.2
2024年12月462442.0
2025年12月57183929.1

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2025年12月期の内訳
現金及び預金
20億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
-21億円
過去の利益の積み上がり
棚卸資産
1億円
在庫として抱えている分
負債合計
39億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
19
/ 100
安定性自己資本比率19 / 40
収益力営業利益率0 / 30
現金創出営業CFの黒字継続0 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

機械 209社との比較

同じ機械の企業と並べると、いちばん上に来るのは売上成長率209社中166位あたり、逆に低いのは自己資本比率209社中201位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
/中央値 7.7%
P25 4.7%P75 11.1%
営業利益率下位売上のうち本業の利益として残る割合
-69.2%/中央値 8.6%
P25 4.8%P75 12.6%
自己資本比率下位総資産のうち返済のいらないお金の割合
29.1%/中央値 65.3%
P25 51.4%P75 75.3%
売上成長率下位前期からの売上の伸び
-3.7%/中央値 3.9%
P25 -1.7%P75 9.4%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
/中央値 2.9%
P25 1.8%P75 3.6%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥1,486で、1年前と比べて+28.9%過去52週の値幅のなかでは20%の位置にある。

¥1,486-2.4%1ヶ月-15.1%1年+28.9%時価総額268億円
過去52週の値幅
安値¥836高値¥4,130

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PBR9.78倍

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は8月12日に1758円。直近では8月5日に1830円まで上昇したが、その後は1750円前後で推移。25日移動平均線(1721円)を僅かに上回り、200日線(1540円)は大きく上回る一方、75日線(2085円)は下回る。52週高値4130円からは約57%低い水準で、52週安値836円からは約2倍。出来高は7月下旬に減少傾向だったが、8月に入り日によっては60万株を超える日もあり、やや増加傾向。中期的なレンジ内での推移。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割高と判定しています(スコア 20/100)

PERは非開示だが、PBR11.63倍と業界平均1.59倍を大幅に上回り、資産価値に対して過大評価。ROE4.9%と低く、収益性が悪い。配当利回りは0%で、株主還元なし。直近は赤字が続き、営業損失も拡大。将来の回復期待が織り込まれている可能性があるが、現状の収益力からは割高。

指標この会社業種平均
PBR9.78倍1.50倍
ROE4.9%7.0%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

2024/12期の売上高は前年比3倍の27億円に急拡大したが、研究開発費と販売体制整備により営業赤字が続く。強気派は、日本の社会課題(インフラ老朽化、物流危機、災害対応)に対するドローンの需要拡大を背景に、成長の初期段階ととらえ、将来の収益化に期待する。弱気派は、赤字の継続と資金調達リスクを懸念し、実用化やビジネスモデルの確立に時間がかかると見る。株価は過去1年で+53%と上昇しており、市場は成長を織り込みつつある。

プラスに働く材料7
  • 市場成長

    産業用ドローンの市場は今後も高成長が見込まれる

  • 売上急拡大

    2024/12期売上は27億円と前期の3倍に増加

  • 国産優位

    国産技術への信頼性と補助金の追い風

  • 2025/12期は営業損失18億円と赤字幅縮小通年影響

    営業損失は23億円→18億円、純損失も24億円→14億円に縮小。

  • 売上高は26億円と急拡大後の高水準維持通年影響

    売上高は9億円から27億円に急増し、2025/12期も26億円と拡大基調にある。

  • 株価は1年で53%上昇と強いモメンタム不定影響

    過去1年で53%上昇。時価総額317億円に成長し、関心の高さを示す。

  • 外国人保有10.65%と機関投資家の関心継続影響

    外国人保有比率10.65%と高く、成長期待から海外資金の継続参加が期待される。

マイナスに働く材料7
  • 赤字継続

    2025/12期予想も営業赤字で、収益化は不透明

  • 資金懸念

    赤字が続けば追加調達が必要になり、希薄化の懸念

  • 競争激化

    DJIなど海外勢や新興国産が参入し、価格競争に直面

  • 2025/12期も純損失14億円と赤字継続通年影響

    売上高26億円に対し純損失14億円。営業損失も18億円で、黒字化のめどが立っていない。

  • 売上高は前期27億円から26億円に減収通年影響

    売上高は27億円から26億円へ減少。成長が一服しつつある。

  • 時価総額317億円に対し売上高26億円と評価先行不定影響

    PBR11.63倍、PER算出不能。売上高26億円で時価総額317億円は期待先行の水準。

  • 予想PER非開示で収益の可視性低い不定影響

    売上高26億円、純損失14億円。予想PER非開示で収益管理の透明性が低い。

次の決算で確かめる点
売上高成長率
新製品の市場受容と需要拡大のペースを確認
営業損益
研究開発投資と営業のバランス、収益化の進捗を測る
受注残高
将来の売上に直結するパイプラインの大きさ
研究開発費率
技術競争力への投資の持続性を評価

株主

有価証券報告書より

2025年12月期末の株主数は延べ24,955人。区分でいちばん多いのは個人・その他69.2%。グループ会社や銀行などの安定株主が15.2%を占め、残る84.8%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2021年12月%2022年12月%2023年12月%2024年12月%2025年12月%
個人・その他56.656.163.561.066.369.2
事業法人9.718.818.915.516.613.7
外国法人14.514.811.716.38.99.8
証券会社4.24.52.36.15.24.9
金融機関14.35.02.70.52.21.6
外国人個人0.70.80.80.60.90.9

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01日本郵政キャピタル㈱6.98
02野波 健蔵6.65
03IGLOBE PLATINUM FUND Ⅱ PTE. LTD.(常任代理人 みずほ証券㈱)4.83
04㈱菊池製作所2.69
05楽天証券㈱共有口1.94
06CACEIS BANK,LUXEMBOURG BRANCH/UCITS-FULL TAX(常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店)1.90
07源利㈱1.56
08早川 研介1.30
09㈱日本カストディ銀行(信託口)1.30
10菊池 功1.01

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近4
  • 2026-06-10
    野波 健藏
    新規の大量保有報告
    6.22%
    -5.47pt
  • 2026-06-10
    野波 健藏
    新規の大量保有報告
    11.69%
    -0.13pt
  • 2026-05-19
    ハイツ・キャピタル・マネジメント・インク(Heights Capital Management, Inc.)
    新規の大量保有報告
    4.75%
    -1.59pt
  • 2026-04-27
    ハイツ・キャピタル・マネジメント・インク(Heights Capital Management, Inc.)
    新規の大量保有報告
    6.34%
    -1.03pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 13期分

1株利益は13期で+99%、1株純資産は11期で−98%。直近期のROEは4.9%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPS
2015年1月−7,3454,501
2016年1月−23,43452,677
2016年3月−68751,984
2017年3月−88
2018年3月−72
2019年3月−19458
2020年3月23469
2021年3月−140326
2021年12月−104436
2022年12月−210230
2023年12月−197148
2024年12月−1606
2025年12月−8591

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安

経営陣

8名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は8名。2025/12期の役員報酬は総額92百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約3倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
早川研介代表取締役CoーCEO(共同経営責任者)38234,700
寺山昇志代表取締役CoーCEO(共同経営責任者)50
静健太郎取締役(監査等委員)42
香月由嘉取締役(監査等委員)60
島津忠美取締役(監査等委員)65
井上延之執行役員 生産ユニット長
大谷一将執行役員 経営管理ユニット長
池内康樹執行役員 研究開発ユニット長

役員報酬の内訳2025/12

役員の区分人数固定報酬百万円その他百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)355136823
社外取締役524245

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2025/12期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容5,941字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 当社グループは、「技術を通じて、人々をもっと大切なことへ/Liberate Humanity through Technology」というミッションのもと、「世界中の安全・安心を支える人が頼れるパートナーとなる/Become a partner for those that build safety and security around the world」というヴィジョンを掲げております。当社グループは、自律制御(※1)技術を始めとしたロボティクス技術を追求し、常に最先端の技術開発を行っております。労働人口の減少や高齢化による人手不足の深刻化が進む一方で、インフラ設備の老朽化による設備点検・維持業務の増加や、生活様式の変化に伴うEC化による宅配業務の増加など、労働力の供給不足及び需要と供給の不一致は社会的な課題となっています。当社グループは独自開発の制御技術をコアとし、それを利用した「産業向け」の飛行ロボット(以下、「ドローン(※2)」という。)の社会実装により、当社グループのミッション・ヴィジョンの実現を通じてこれらの社会課題の解決を目指しております。 近年、ドローン市場は防衛・安全保障及び経済安全保障を中心とした社会環境の変化を背景に、その位置付けが大きく変化しています。地政学的リスクの高まりを受け、日本及び海外諸国においてドローンは国家の安全保障や重要インフラを支える重要技術として位置付けられ、調達や運用において規制と活用が同時に進んでいます。こうした動きに加え、労働人口の減少による無人化ニーズの拡大や、災害調査・物資輸送・インフラ点検といった分野での実装が進む中、ドローン市場は単なる効率化の手段にとどまらず、防衛・安全保障や経済安全保障の観点からも活用が広がる転換期を迎えています。 当社グループは、セキュリティが担保された国産ドローンを有しているのみならず、企業向け対応及び用途特化型をキーワードとしたポジショニング形成が可能であり、日本国内だけでなく海外におけるセキュアなドローンへの需要にも適応することが可能で、当社製品は海外市場においても十分に競争力を持つ製品であると認識しております。当社グループは、米国市場での官庁・社会インフラ関連企業にて利用されている中国製ドローンからのスイッチングを目指し、販売子会社として2023年1月にACSL, Inc.を設立しております。 当社グループの事業は、ドローン関連事業の単一セグメントであるため、以下に当社グループの主要な製品及びサービスの内容を記載いたします。 (1) 当社グループの事業内容 当社グループのビジネスモデルは、顧客においてドローンの有用性を検証する「概念検証」、顧客の実現場におけるドローンの導入・配備を実施する「機体量産」、その後、用途ごとのデータ解析システムや運行システムなどの拡張を伴う「運用・導入支援」に分かれます。「概念検証」では、業務にドローンが使えるかをPoC(Proof of Concept(※3))を通じて検証し、顧客の要望に応じたカスタム開発を実施します。加えて、当社のプラットフォーム(※4)機体をベースにした機体の生産・販売を行う「プラットフォーム機体販売」も行います。 「機体量産」では、ドローンの利活用が多く見込まれる用途において「用途特化型機体」として量産機体の開発・生産・販売を行います。 「概念検証」では、顧客のドローン導入のニーズを踏まえて、課題解決のために当社のテスト機体を用いた概念検証(PoC)に係るサービスを有償で提供しております。この概念検証(PoC)では、最小限のシステム構成にすることで、顧客のドローン活用の導入検討のハードルを下げつつ、業務効率化・無人化の検証を並行して行っております。なお、当社における概念検証(PoC)は単にアイデア提供等を行うサービスではなく、目的の業務においてドローン導入の有効性を判断するための飛行試験・実演を伴う概念検証サービスを指します。更に当社では、顧客の既存システムへの組み込みも含めた特注システム全体の設計・開発を行っております。実証実験においては、PoCや特注システムの仕様提案・設計・開発・実証に係る人件費、カスタム開発料を主な収益源としております。 「プラットフォーム機体販売」においては、当社が保有するプラットフォーム機体の生産・販売を行っております。この段階では、当社のプラットフォーム機体をベースに顧客の実業務への展開に向けたカスタマイズなどを行っております。当社グループでは、各段階で収益を獲得する案件が一般的ですが、案件によっては、特注機体を開発、複数台製造をしつつ、運用システムを構築するなどPoCとプラットフォーム機体販売を組み合わせて包括的に契約を締結する場合もあります。 「用途特化型機体」の開発、生産、販売として、ドローンの幅広い利活用が見込まれる特定の用途においては、用途に特化したドローンの量産を進めております。用途特化型機体販売においては機体及びオプションパーツの販売を収益源としております。 なお、機体販売後の「運用・導入支援」においては、販売後、定常的に発生する機体の保守手数料や消耗品の販売料などを主な収益源としております。 当社グループ製品・サービスが産業向けドローン業界におけるデファクト・スタンダードとなるためには、今後も継続的かつ積極的に研究開発活動を実施していくことが不可欠となります。そこで、当社グループでは産学官連携で様々なプロジェクトに参画し、最先端の技術開発に取り組んでおります。国家プロジェクトにおいては、各プロジェクトで発生した研究開発費用について、管轄機関の監査を受けて認められた金額を、助成金又は補助金として収受しております。なお、助成金又は補助金に関して、新規技術の研究開発に係る助成金又は補助金については、営業外収益として計上しております。また、新規の研究開発を行わず、既存の当社の技術を用いて委託された実験を行うことが主目的であるプロジェクトについては、収受した金額を売上高として計上しております。 当社グループは、国内のドローン専業メーカーとして、ドローンの社会実装と国産ドローン採用への回帰が進む中で、日本のドローン市場の成長と合わせて、黎明期に求められる評価用機体の試作やPoCといったソリューションの作り込みから、成熟期に求められる量産機の開発、量産体制の構築、その後の販売・導入支援までを一気通貫で提供し、デファクト・スタンダードの技術としてドローンの社会実装を推進するべく、国産のセキュアな産業用ドローンを提供してまいります。 ■ ドローン市場のバリューチェーンと当社の立ち位置 [事業系統図] (2) 当社グループの特徴 当社グループは自律制御の研究開発をゼロから国内で行うことで、「自ら考えて飛ぶ」最先端の制御技術を核とした技術力を有しており、通信・ソフトウエアなどを統合した制御パッケージや、高性能な機体プラットフォームを提供することに加えて、用途別にカスタマイズした産業向け特注機体、特注システムの開発、更に最終的には顧客システムに統合されたレベルのシステム開発まで、事業として幅広く対応することが可能となっております。 ① 独自開発の自律制御システム 当社は千葉大学発のスタートアップ企業として創業して以来、自律制御技術を中核技術と位置づけ、継続的に開発投資を行ってまいりました。当社の中核技術でもある自律制御技術は、人間でいう「頭脳」に相当します。人間でいう運動機能をつかさどる「小脳」に該当する部分であるドローンの姿勢制御、飛行動作制御等の技術については、モデルベース(※5)の先端制御理論に加え、一部で非線形制御(※6)に係るアルゴリズム(※7)を使用しており、競合他社やオープンソースコードを推進する団体が採用する一般的なPID制御(※8)と比較しても、耐風性や高速飛行時の安定性、突発的な動作に対する安定性などの点で優位性があります。人間でいう、目で見ることや自ら考えること等に係る機能をつかさどる「大脳」に相当する部分の技術は、画像処理による自己位置推定(Visual SLAM(※9))やLidar(光センサー技術)等のセンサー・フュージョン、AI(※10)による環境認識を開発し、ドローンの「小脳」部分に統合しており、従来のドローンに搭載されている衛星(GPS(※11)・GNSS(※12))を用いる制御では自律飛行(※13)することができなかった非GPS環境下での完全自律飛行を実現しております。 また、人間がロボットに対し状態の監視や指令を行い、対話を可能とするための技術として「UI/UX(※14)」の技術が必要となります。ドローンはエッジ処理(ドローン端末側で計算処理を実行すること)による自律的な飛行を行いますが、一般的には地上局と通信を行いながら飛行しており、自律飛行を行うためのルート設計及びドローンの飛行中の情報を遠隔にて可視化・モニタリングするため、地上局のソフトウエア技術が必要不可欠となっております。当社では地上局のソフトウエアについても独自開発を行っており、パソコンやタブレット、スマートフォンなどに搭載されたソフトウエアにリアルタイム情報を表示し、飛行速度や高度などの機体状態や飛行状況の管理を行うことや、飛行ルート変更の操作指示、緊急時には非常用介入操作指示を出したりすることが可能となっております。 また、当社は小型空撮機体における製品の量産体制を構築しており、量産機体販売において求められる生産能力を有しております。さらに、日本において唯一のレベル4に対応する型式認証を取得しており、品質保証面においても高い技術力を有しております。 ② 顧客との取り組みを通じたノウハウ 産業用ドローンの社会実装においては、単に機体性能や制御技術の高いドローンを提供するだけでなく、特定用途で利用するための機体や制御の改良、アプリケーション(※15)や搭載オプションの開発・追加等が必要となります。これらの改良や開発を行うためには、実際にドローンが導入される実環境下での飛行実績を積み重ねることが重要となっており、多様な環境下での実証実験とデータの蓄積、クライアントからのフィードバック及びそれらに基づく機体開発や技術開発が不可欠となっております。 当社グループは主に大企業を中心に多くの幅広い顧客ベースを有し、これまでの多くの顧客とのプロジェクトを通じて、様々な現場視察、クライアントとの対話、そして豊富な実証実験の実績があります。実証から得られた情報やフィードバックを基に、プラットフォーム機体の改良や搭載オプションの開発・追加、UI/UXの改善を行っております。 ③ グローバルな展開力 当社はセキュアな機体開発を行っており、海外で顕著となっている経済安全保障への対応に適合した機体開発を行っております。当社は国籍に関係なくトップクラスのエンジニアを採用し、高度な技術力を持つチームを構築しており、最先端の技術を駆使して、常に高品質な製品を提供することを目指しています。また、アメリカ市場の展開においては米国のドローン業界において長年の経験を持つチームが、現地市場のニーズに即した対応を行っております。これにより、アメリカ市場での競争力を高め、顧客満足度の向上を図っています。 用語解説 本項「3 事業の内容」において使用しております用語の定義について以下に記します。 No.   用語   用語の定義 ※1   自律制御   機体の自律行動を実現する制御方式または技術 ※2   ドローン   遠隔操縦または自律式の無人航空機一般 ※3   概念検証(PoC:Proof of Concept)   新たな概念やアイデアの実現可能性を示すために、可能な範囲で限られた手段を組み合わせて試験的な実験を行うこと。デモンストレーションによって特定の概念や理論の実用化が可能であることを示すこと ※4   プラットフォーム   必要最低限の技術要素をパッケージ化した技術の塊のことを意味し、カスタム製品や搭載物を変えて用途別製品を開発する際に使用できる基盤となる一連の技術要素の組み合わせのこと ※5   モデルベース   制御対象の運動を数学モデルによって表現することに基づいた制御設計技術 ※6   非線形制御   制御理論、制御技術の一つであり、一般的にPID制御よりも高度な数学が用いられ、制御対象をより正確に制御することが可能な制御技術 ※7   アルゴリズム   コンピューター上における問題を解くための手順・解き方 ※8   PID制御   比例(P)制御、積分(I)制御、微分(D)制御の組み合わせによって、設定された目標値にフィードバック(検出値)を一致させる制御機能を指す。速度、圧力、流量、温度などの制御に使用される技術 ※9   SLAM   Simultaneous Localization and Mappingの略称で、各種センサーから取得した情報から、自己位置推定と地図作成を同時に行うこと ※10   AI   Artificial Intelligenceの略称。学習・推論・認識・判断などの人間の知能的な振る舞いを行うコンピュータシステム ※11   GPS   Global Positioning Systemの略称で、全地球無線測位システムを指す。カーナビゲーションシステムなどに利用されているシステム ※12   GNSS   Global Navigation Satellite Systemの略称で、全地球測位システムを指す。人工衛星を使用して地上の現在位置を計測する「衛星測位システム」のうち、全地球を測位対象とすることができるシステム ※13   自律飛行   事前のプログラミングなどにより人の操縦がなくても飛行可能な飛行方法 ※14   UI/UX   User Interface及びUser Experienceの略称で、機械が利用者のために有する特性・機能とそれらを利用することで得られる印象・体験のこと ※15   アプリケーション   特定の適用または応用する用途のこと全般、もしくは特定の用途のためのソフトウエアのこと(アプリケーションソフトウエア)
経営方針・対処すべき課題6,064字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針 当社グループは、「技術を通じて、人々をもっと大切なことへ」というミッションのもと、「世界中の安全・安心を支える人が頼れるパートナーとなる」というヴィジョンを掲げております。当社グループは自律制御技術を始めとしたロボティクス技術を追求し、常に最先端の技術開発を行っております。それらの技術の社会実装を通じて、人類の活動の基盤となる社会インフラにおける、人類の経済活動の生産性を高め、付加価値の低い業務、危険な業務を一つでも多く代替させ、次世代に向けた社会の進化を推し進めるべく事業を展開しております。 (2) 経営環境 ドローン市場は防衛・安全保障及び経済安全保障を中心とした社会環境の変化を背景に、その位置付けが大きく変化しています。地政学的リスクの高まりを受け、日本及び海外諸国においてドローンは国家の安全保障や重要インフラを支える重要技術として位置付けられ、調達や運用において規制と活用が同時に進んでいます。こうした動きに加え、労働人口の減少による無人化ニーズの拡大や、災害調査・物資輸送・インフラ点検といった分野での実装が進む中、ドローン市場は単なる効率化の手段にとどまらず、防衛・安全保障や経済安全保障の観点からも活用が広がる転換期を迎えています。 当社は、事業進捗や環境変化に応じてローリング方式で中期経営方針「ACSL Accelerate」を更新しており、昨今の事業環境の変化を踏まえ、当社の中長期的な方向性と目標、マイルストーンを明確に示すために「ACSL Accelerate FY26」を発表いたしました。具体的には、先端技術による機体進化、強靭なサプライチェーンの構築、北米事業の本格拡大、防衛・安全保障分野への貢献、社会インフラ維持・管理の国産化、持続的な財務基盤強化を重点戦略として掲げております。 国内における直近の進捗としては、防衛分野への貢献として防衛省を含めた政府調達への取り組みを進めております。防衛省及び経済産業省は防衛分野における民生先端技術の活用(デュアルユース)を推進しており、当社は2025年4月に経済産業省を訪問したルッテNATO事務総長一行に日本のデュアルユース・スタートアップ企業として小型空撮ドローン「SOTEN」を紹介し、防衛分野での注目を集めました。昨年度及び今年度において防衛装備庁から「SOTEN」を受注するなど、政府調達における受注実績を着実に積み重ねております。さらに、2025年12月に陸上自衛隊が主催した国内外防衛関係者向けフォーラム「Landpower Forum in Japan」では「SOTEN」が陸上自衛隊装備品として出展され、国内外の政府関係者への認知向上の機会となりました。 また、当社は、経済産業省令和4年度第2次補正予算「中小企業イノベーション創出推進事業」(SBIR事業)に係る事業者に採択され、「行政等ニーズに応える小型空撮ドローンの性能向上と社会実装」事業(事業総額約26億円)として新たな小型空撮ドローンの開発を進めております。2025年8月には省庁向け開発進捗確認会を実施し、50名以上の行政関係者から直接ヒアリングを行うなど、開発段階から政府調達に向けた需要創出に取り組んでおります。さらに、当社は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した、経済安全保障重要技術育成プログラム(K Program)における研究開発構想「小型無人機の自律制御・分散制御技術の研究開発」にて実施する事業「小型無人機の自律制御・分散制御技術(研究開発項目(2))」(事業総額約29億円)の委託先として採択され、自律制御・分散制御に係るソフトウエアを搭載する小型無人機のハードウエア等の初期型機体開発に取り組んでまいります。 社会インフラの維持・管理として物流分野において、日本郵便株式会社と共同で開発を進めていた長距離飛行マルチユースドローン「PF4」の製品化に取り組み、2025年10月より量産を開始いたしました。物流用途に適した高い飛行性能とユーザー自身でペイロード交換が可能な取り付け機構を備える「PF4」は、物流分野以外にも広域測量等、他分野の顧客獲得も視野に入れて販促を行ってまいります。「PF4」はこれまでの開発期間で複数の実証実験や災害支援活動等に用いられております。機体の共同開発を行った日本郵便株式会社及び日本郵政キャピタル株式会社とは、2021年6月に資本業務提携を行っており、今後もドローン物流の社会実装の推進とドローン市場の拡大に向けて連携を進めてまいります。また、物流分野ではレベル4飛行による実証実験にも取り組んでおります。2025年11月に長崎県、同年12月に福島県でそれぞれ実施されたレベル4飛行配送実証では、当社の第一種型式認証取得機種「PF2-CAT3」を提供いたしました。国内初の第一種型式認証取得機体である「PF2-CAT3」は、これまで国内の複数のレベル4飛行実証で活用されており、ドローン物流の実証実験の拡大にも寄与しております。 北米事業としては、米国において、National Defense Authorization Act(NDAA)によりロシア製や中国製のドローンの政府調達が禁止されており、加えて、中国製ドローンメーカーのDJI社は、2022年10月より米国国防総省の「中国軍事関連企業」に指定されるなど、経済安全保障を強く意識した施策が行われております。2025年12月、米国で米国連邦通信委員会(FCC)による外国製ドローンの機器認証規制が強化され、中国製を含む新規機体の販売は実質制限されることとなりました。当社「SOTEN」はNDAA準拠に加え、必要認証を取得済みで継続販売が可能であり、米国での販売機会拡大を見込むとともに、需要の取り込みを図ってまいります。 米国市場では官庁・社会インフラ関連企業にて利用されている中国製ドローンからのスイッチングを目指し、カリフォルニア州に当社子会社ACSL, Inc.を2023年1月に設立しました。同社CEOには米国大手ドローンソフトウェア開発企業であるAuterion社や中国ドローンメーカーDJI社にて北米の企業向けドローン市場において大きな成果を発揮してきた、シンシア・ホァン(Cynthia Huang)が就任し、また、グローバルCTO兼ACSL, Inc.取締役のクリス・ラービ(Chris Raabe)が現地に駐在し、米国市場に向けた技術開発をリードしております。販売体制については、Almo Corporation(DBA Exertis Almo)社を総代理店として合計20社以上の販売会社と販売代理店契約を締結し、全米で当社製品の販売・サポート・修理を行っています。当社は2023年11月に米国市場向けの「SOTEN」の販売輸出許可を取得し、同年12月より販売を開始しました。2024年10月にはAlmo Corporation社より500台の受注を獲得し、一部を同年12月、残数は2025年度内に納品しております。さらに、2025年11月には同社より追加の400台の受注を獲得いたしました。 米国市場の顧客ニーズを踏まえた製品開発も進展しており、2025年8月にはNDAA準拠の新型スマートコントローラー「TAITEN」のリリース、SOTEN用高画素赤外線カメラ「SAMO」の機能アップグレードを発表し、展示会等で高い評価を得ております。また、2025年10月には米国の最大手電波塔運営事業者であるAmerican Tower Corporationと戦略的パートナーシップに関する覚書(MOU)を締結し、重要インフラ産業におけるドローン活用の拡大に向けた取り組みを進めております。 加えて、当社は、今後、米国と同様の規制導入が見込まれるカナダにおいても事業展開を開始しました。2025年12月に同国のドローン販売代理店Jam Industries Ltd.と販売代理店契約を締結し、カナダ市場での販売活動を本格的に開始しております。同社からは同月に「SOTEN」200台の受注を獲得しており、2026年度に納品を予定しております。 なお、持続的な財務基盤強化として当社は世界的な経済安全保障の高まりと市場拡大を背景に、事業拡大と海外展開を加速するための成長資金を確保するため、普通株式と新株予約権の第三者割当により最大約31億円の資金調達を実施いたしました。 当社グループの研究開発投資は、短期的な利益を追うのではなく、海外展開も含め、中長期的な成長を実現するために戦略的かつ積極的に研究開発費を投下する方針を維持し、各種用途特化型機体の機体開発、量産体制の構築を進めるとともに、プラットフォーム技術の強化を行っております。 (3) 経営戦略等 2024年2月に発表した構造改革として、具体的には、幅広く展開してきた市場、用途及び製品について、収益性の改善を目的とした「選択と集中」を行い、大幅な売上増加を前提としない黒字化を実現できるコスト構造へ転換すべく「リソースの最適化」を実施しました。「選択と集中」としては小型空撮機体の強みを活かせる経済安全保障、脱中国製品が明確である日本の政府調達及び米国の点検・災害対応分野に注力いたします。加えて、物流分野としては日本郵便株式会社との機体開発及び社会実装に向けた体制構築に注力いたします。リソースの最適化としては、注力事業領域に合わせて研究開発テーマの中止、日本国内の人員最適化及び連動する間接費用の削減を実現し、成長市場となる米国への再投資を進めております。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループが優先的に対処すべき課題は下記のように考えております。 ① 開発戦略 小型空撮機体については、量産販売及び市場対応のフェーズとして、顧客からのフィードバックを踏まえた機能改善や品質向上を継続しております。加えて、国家プロジェクトであるSBIR事業において行政等のニーズを反映した高性能化と社会実装を推進するとともに、経済安全保障重要技術育成プログラム(K program)に採択された次々世代機体の開発として分散制御技術及びAI等の先端技術開発を進めてまいります。また、海外展開の拡大に向け、現地法規及び運用要件に対応するための開発を推進してまいります。 社会インフラの維持・管理として物流分野において、日本郵便株式会社と共同で開発を進めていた長距離飛行マルチユースドローン「PF4」の製品化に取り組み、2025年10月より量産を開始いたしました。機体の共同開発を行った日本郵便株式会社及び日本郵政キャピタル株式会社とは、2021年6月に資本業務提携を行っており、今後もドローン物流の社会実装の推進とドローン市場の拡大に向けて連携を進めてまいります。 ② 生産体制 当社グループは、安全品質を最優先事項と位置付け、品質向上に向けた社内体制の強化及び量産パートナー企業との連携を進めてまいりました。今後も高品質かつ安定的な量産体制を維持するとともに、顧客からのフィードバックを反映した継続的な品質向上に取り組んでまいります。加えて、経済安全保障の観点も踏まえ、複数生産拠点の活用や部品のトレーサビリティ確保等により、サプライチェーンの強靭化を推進してまいります。さらに、限界利益率上昇を目的とした原価低減に取り組むとともに、構造改革の進捗を踏まえ、間接原価の抑制を通じた売上総利益率の改善にも取り組んでまいります。 調達戦略としては、新規サプライヤーの発掘、キーサプライヤーとの協力体制の構築及び調達条件の改善にも取り組んでまいります。 ③ 営業戦略 国内市場においては、国産かつ高セキュリティ対応の強みを活かし、防衛・安全保障分野を含む官公庁等の政府調達への取り組みを強化しております。また、社会インフラ維持・管理領域における実運用の拡大に向け、顧客課題に即した提案と導入支援を進めてまいります。物流分野については、日本郵便株式会社との連携を継続するとともにドローンサービス事業者との連携を通じて、ドローン物流の社会実装を進めてまいります。 海外市場については、経済安全保障を背景とした脱中国製品の動きが加速する北米を重点地域と位置づけております。米国では現地子会社を軸に販売ネットワーク及びサポート体制を強化するとともに、現地規制に適合した機体として継続的な販売が可能な体制を整えております。加えて、カナダ市場への展開を本格化し、公共領域や社会インフラ分野での需要獲得を図ってまいります。 ④ 規制への対応 ドローン関連業界を取り巻く規制の変化に対応し、需要の拡大に的確に対応すべく、国土交通省、経済産業省等の関係行政機関と引き続き密に連携してまいります。 また、海外市場への進出においては、北米における機器認証等の規制強化を含む現地法規制の動向を継続的に把握し、必要な認証取得及び体制整備を進めてまいります。あわせて、外国為替及び外国貿易法等の輸出管理を含むコンプライアンスの徹底により、適切な海外事業運営を行ってまいります ⑤ 内部管理体制の強化 当社グループは、ガバナンス及び内部統制の整備及び運用を重要課題として位置付け、継続的な強化に取り組んでおります。過年度に発生した元代表取締役による不適切な事案を踏まえ再発防止策を策定し、実行しております。 具体的には、取締役及び代表取締役の選任等に係る公正性及び客観性を高めるため、社外取締役を中心とする任意の指名委員会の設置並びに候補者評価プロセスの整備を進めております。あわせて、契約や購買等の重要な意思決定について複数の代表取締役による相互確認及び承認を要する仕組みを整備するとともに、権限規程及び承認基準の見直しにより牽制機能を強化しております。さらに、契約締結及び支払プロセスの厳格運用並びに取引先管理の強化を徹底するとともに、研修等を通じたコンプライアンス意識の醸成、内部通報制度の運用強化に取り組んでおります。 (5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループでは、急速かつ持続的な利益成長を目指して成長性や効率性の向上に取り組んでおり、主な経営指標として、売上高、粗利、営業利益を特に重視しております。また、当社グループの事業モデルを勘案した上での成長ドライバーとしてのKPIは、小型空撮の金額・機体数、ソリューションの構築の金額があげられます。
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会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社は代表取締役を委員長とする危機管理委員会にて、主要なリスク発生の可能性及び対応などを検討しております。 また、必ずしもリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しておりますが、当社グループに関するすべてのリスクを網羅するものではございません。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。 (1) ドローンの安全性について ① ドローンの社会利用が進むにつれ、安全性及び信頼性に対する要求は一層高まるものと認識しております。当社グループに限らず、他社を含め、重大な事故が発生した場合には、ドローンの安全性に対する社会的信用の低下や規制の強化等により市場の成長が減速し、顧客需要が低下する可能性があります。この場合は、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ② 当社グループは、安全設計及びリスク分析に基づく開発を推進するとともに、各種認証制度への対応等を通じて安全性の確保に努めております。しかし、当社グループ製造の機体の墜落等により人や財産等に損害を与えた場合には、重大な製造物責任賠償やリコール等による多額の支払や費用発生及び社会的信用の失墜等により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。当社は、保険会社との連携を深め、重大な事故の際の賠償責任、費用発生をカバーするためのドローン機体及び運用について専用の保険の開発を行っております。 ③ 昨今、ドローンの利活用拡大に伴い、データセキュリティ、乗っ取り等の不正操作等のリスクに対する関心が高まっております。当社グループでは、データセキュリティに関連する部品選定において安全性を重視し、また、通信暗号化等による乗っ取り防止等、ドローン側のセキュリティ技術の高度化に取り組んでおります。しかし、サイバー攻撃や不正アクセス等によりセキュリティが破られた場合においては、機体の操縦不能、情報漏洩等が発生し、損害賠償、リコール等による多額の支払又は費用発生及び社会的信用の失墜等により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (2) ドローン事業を取り巻く法規制について 当社グループの事業に適用される主な法規制は、以下のとおりであります。当社グループは、社内体制の整備及び外部専門家の活用等により、関係法令の遵守に努めております。なお、当社グループは、関係法令及び各種制度の動向を継続的に把握し法規制等の遵守に努めておりますが、今後、予期せぬ規制の制定、改廃、運用の厳格化が行われることや予定されている規制緩和が計画どおりに進まない場合には、追加的な対応負担が生じ又は許認可等に関する制約を受け、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ① 航空法 当社グループは、ドローンの運航に関し、航空法その他関連法令に基づく各種の許可、承認等が必要となる場合があり、必要に応じて適切な手続を実施しております。また、無人航空機に係る制度は安全確保の観点から継続的に見直されており、飛行方法や運用要件等の変更により、顧客の運用や当社グループの事業活動が制約を受ける可能性があります。 ② 電波法 当社グループは、ドローンに搭載及び操縦時に利用する通信機器について、電波法等に基づく技術基準適合等の要件を満たすよう、必要な手続及び管理を行っております。今後、電波利用環境の変化や制度改正等により追加対応が必要となる場合、開発や運用に係るコストの増加や提供時期の遅延等が生じる可能性があります。 ③ 製造物責任法 当社グループはドローン等の製品を製造しているため、当社製品の欠陥等により生命、身体又は損害が生じた場合、損害賠償請求が認められる可能性があります。当社グループは取扱説明書の整備、ISO9001の認証取得などの品質管理体制の強化、各種認証の取得及び維持等によりリスクの低減に努めております。加えて、無人航空機の型式認証制度において第一種型式認証書を取得しており、当該制度に基づく適合維持等への対応を継続しております。しかしながら、重大な事故又は品質問題等が発生した場合には、損害賠償、リコール等による多額の支払又は費用の発生及び社会的信用の失墜等により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ④ 外国為替及び外国貿易法 当社グループが販売する製品、部品又は関連技術の一部は、外国為替及び外国貿易法等の輸出管理規制の対象となる可能性がございます。当社グループが海外向けに製品、部品の輸出又は関連技術の提供を行う場合、同法等を遵守して適切な輸出管理に努めております。今後、輸出入規制の強化、対象範囲の変更、運用の厳格化等が生じた場合、取引の制約、追加対応コストの発生、納期の遅延等により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (3) 知的財産権について 当社グループの事業に関連する特許権等の知的財産権について適切な管理を行い、第三者の知的財産権の侵害防止に努めております。しかしながら、当社グループが認識していない知的財産権が既に成立している可能性又は新たに成立する可能性もあり、当該侵害のリスクを完全に排除することは極めて困難であります。今後、当社グループが第三者の知的財産権を侵害したとして主張を受け又は紛争が生じた場合、当該紛争の解決までに要する費用負担、損害賠償、製造販売の差止め、ライセンス料の負担等により、当社グループの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。 また、当社グループが保有する知的財産権については、権利化の遅延、権利範囲の限定、無効主張等により、当社グループが想定する競争優位性を十分に確保できない可能性があります。当社グループは、事業拡大及び技術開発の進展に合わせ、知的財産の整備及び活用を継続してまいります。 (4) 部品・部材等の調達及び価格、在庫について ① 供給中断、供給不足及び価格変動 取引先からの供給が中断した場合や製品需要の急増などによる供給不足が発生した場合には諸活動が制限され、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。また、世界的なインフレや為替の変動等、資材価格や物流費の上昇等により部材供給遅延又は価格高騰が発生し、当社グループの計画通りの調達ができない場合には、当社グループの売上高および収益性等の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ② 地政学、経済安全保障等に起因する調達制約 国際情勢の変化、経済安全保障上の要請の高まり等により、関税の賦課、制裁措置、輸出入規制の強化、対象範囲の変更、通関手続の厳格化又は遅延等が生じた場合、調達先の制約、納期の遅延、代替調達に伴う追加コストの発生等により、当社グループの生産、開発及び供給に影響を及ぼす可能性があります。加えて、当社又は取引先が規制対象に該当する又は該当すると判断される場合、取引停止又は取引条件の変更等が生じる可能性があります。 ③ 品質、サプライヤー体制及び防衛分野の要件高度化 当社グループは、調達にあたり、品質確認等の受入検品を慎重に実施しておりますが、品質に問題が生じた場合や、調達先における生産体制及び品質管理体制に問題が生じる場合には、当社グループの事業運営に重要な影響を及ぼす事可能性があります。なお、主要な取引先企業に対しては、生産・開発等の活動状況の確認のための監査を定期的に実施しております。 また、防衛分野を含む用途への対応拡大に伴い、部材のトレーサビリティ、情報管理、サイバーセキュリティ等の要件が高度化し、調達可能な取引先が限定される又は取引先の方針変更等により供給制限又は供給停止が生じる場合には、当社グループの生産及び納期、業績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 在庫 在庫については、製品計画、売上規模に合わせ、定期的に需要予測を見直し、最適量を維持してまいりますが、当初グループの想定よりも需要が異なることにより在庫不足による機会損失や逸失利益又は在庫過多による在庫管理費用や減損等の追加費用が発生する可能性があります。 (5) 製品の品質について 当社グループは、品質保証管理規程及び生産管理規程に基づき、各種製品の製造、品質管理を行い、品質の保持、向上に努めております。しかしながら、想定を超える不具合の発生、品質問題の顕在化又は品質改善の遅延等が生じた場合、アフターサービス費用、無償修理費用、リコール費用等の追加費用が発生し、社会的信用の失墜を招く可能性があります。この場合、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 業績の不確実性について ① 過年度の業績推移について 当社グループの主要な経営指標等の推移は「第1企業の概況 1主要な経営指標等の推移」のとおりであります。当社グループは、産業用ドローン市場の将来的な市場拡大のための技術開発に係る先行投資に注力してきたことなどから、損益について第1期から第7期及び第9期から第14期において損失を計上しております。また、様々な国家プロジェクトに参画し、最先端の技術開発に取り組んでおりますが、研究開発活動に係る補助金等の受領は管轄機関による監査を終えて金額が確定した後の入金となるため、研究開発活動を行うための資金支出は国家プロジェクトの実施中に必要となり、先行して研究開発費用が発生しております。 当社グループでは、上記のような先行する開発投資費用を上回る収益を確保すべく取り組んでおりますが、開発、販売活動に必要な人材の採用や育成が進まない場合や、当社製品が市場で受け入れられない場合等、事業展開が当社グループの計画どおりに推移しない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループの過年度の経営成績は期間比較を行うための十分な材料とはならず、過年度の業績のみでは今後の業績を判断する情報としては不十分な可能性があります。 ② 継続的な開発投資について 当社グループは、継続的な成長のために、産業用ドローン市場の拡大を見据えた研究開発投資を継続しており、先行費用が発生する局面があります。当社グループは、売上高の伸長、利益性の改善によって、持続的な利益やキャッシュ・フローを創出できる体制を構築する方針ですが、テクノロジーの進化が早く、当社グループがそれらのテクノロジーの進化に追随できない場合や当社グループが顧客や市場からの支持を獲得できる新製品又は新技術が投入できず、研究開発活動の効果が十分に得られない場合に、想定以上の投資に係る費用が発生する場合があります。この場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 中期経営方針について 当社グループは2025年12月に中期経営方針を公表し、その実現に向け各施策を推進しておりますが、事業環境、規制動向、顧客需要、競争環境、調達環境、開発の進捗、コスト改善の実現可能性等の前提に依存しております。前提の変化又は施策の実行遅延等により、中期経営方針に掲げる目標を達成できない場合、営業損益等の黒字化に時間を要する可能性があり、当社グループの事業、財政状態及び業績並びに企業価値に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 検収時期の変動について 当社グループは、売上計上について検収基準を採用しております。案件の個別性により当初の予定よりも顧客の検収が遅れた場合には、売上計上が遅れることになり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。加えて、当社グループが参画する国家プロジェクトによる収入については、案件の内容に基づき、売上計上または営業外収益として計上しておりますが、案件の個別性により当社グループが想定している区分での計上が認められない場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 また、検収時期が期末日付近に予定されている案件において、その検収実施時期が翌連結会計年度に延期されるような場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (7) 運転資金の確保について 当社グループの主な事業は、部品仕入、開発、製造、販売、検収、資金回収という事業フローのため、事業拡大に連動して運転資金が増加する傾向にあります。また、当社グループでは、最先端の技術開発に取り組むため産学官連携で様々なプロジェクトに参画しており、国からの補助金や助成金を受領しております。当該補助金等の受領は、管轄機関による監査を終えて金額が確定した後の入金となりますが、研究開発活動を行うための資金支出はプロジェクト実施期間中に必要となり、先行して研究開発費用が発生します。 当社グループは、株式発行や、金融機関からの借入等により必要資金を確保しております。市場金利の上昇や金融環境の変化又は信用状況等の変化により、必要な資金を適時に調達できない場合や、調達条件が不利になった場合には、当社グループの経営成績に影響を与えることが考えられます。また、当社グループの借入金の一部には財務制限条項が付されており、これに抵触し期限の利益を喪失した場合には、資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。 (8) 海外進出について 当社グループは、北米を中心として海外市場における事業拡大を推進しており、現地子会社又は提携等を通じて海外展開を行っております。しかし、現地における予期しない社会情勢および政治的情勢の変化、法規制等の変更、税制又は税率の変更、労務リスク、為替変動等により当社グループの事業展開に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、国際情勢の変化及び経済安全保障上の要請の高まり等により、関税の賦課、制裁措置、輸出入規制及び輸出管理の強化、対象範囲の変更、通関手続の厳格化又は遅延等が生じた場合、取引の制約、追加対応コストの発生、納期の遅延等により、当社グループの事業、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 さらに、合弁企業におけるパートナー企業の経営方針が当初の計画から大きく変更された場合や、管理・運営体制に変更が生じた場合には、合弁企業の運営に支障をきたす可能性があります。 (9) 投資活動について 当社グループは、成長戦略の一環として、企業買収、業務提携、戦略的投資等を検討しております。これらの投資等については、投資リスク等を十分勘案したうえで決定し、投資価値の回収可能性を定期的に検討しておりますが、経営環境又は前提条件の変化等により投資先の財政状態及び経営成績が悪化した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、投資等に伴い計上される資産については、期待されるキャッシュ・フローが生み出せない場合、減損損失を計上する可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 小規模組織における管理体制について 当社グループは、2025年12月31日現在の従業員数が58名(連結ベース)であり、組織規模に応じた体制で事業運営を行っており、事業拡大及び多様化に対応して、人材の確保及び内部管理体制の充実を図る方針です。 当社グループの人員の中心となる開発に関わる人材については、グローバルで最先端な知見を有する人材を獲得するために、幅広い人材プールを採用の対象として積極的な採用活動を実施しており、今後の事業の拡大及び多様化に対応して、国内だけでなく海外も含め、人員の増強と内部管理体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、計画どおりに人員の強化が出来ない場合や、事業の中核をなす人材に不測の事態が生じ業務遂行に支障が生じた場合、当社グループの事業活動に支障が生じ、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 また、当社グループは、ガバナンス及び内部統制の整備及び運用を重要課題として位置付け、継続的な強化に取り組んでおります。過年度に発生した不適切な事案を踏まえ再発防止策を策定し実行しておりますが、運用の定着が不十分な場合又は類似事案が再発した場合、調査対応、追加費用の発生、社会的信用の失墜等により、当社グループの事業、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (11) 訴訟について 当社グループは、本書提出日現在において、重要な訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、販売した製品の不具合等、取引先との契約関係、知的財産、製造物責任等に起因して損害賠償請求又は訴訟等が提起される可能性があります。その場合、損害賠償の金額、訴訟内容及び結果によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (12) 事業中断に関するリスクについて 当社グループは、地震、津波、暴風雨その他の自然災害、火災、停電等の事故、感染症の流行、サイバー攻撃又は情報システム障害、テロ行為等により事業活動が停止又は制限される可能性に備え、BCP(事業継続計画)を策定しております。しかしながら、事業活動の長期間に渡る停止や施設の改修に多額の費用が発生した場合、当社グループの事業、財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (13) その他のリスク ① 配当政策について 当社グループは、財務体質の強化と事業拡大のための内部留保の充実等を図ることが重要であると考えており、設立以来配当を実施しておりません。今後の配当方針については、収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ、内部留保の充実状況及び企業を取り巻く事業環境を勘案した上で、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針であります。 現時点において当社グループは、内部留保の充実を優先しておりますが、将来的には、業績及び財政状態等を勘案しながら株主への利益の配当を目指していく方針であります。しかしながら、配当実施の可能性及びその実施時期等については、本書提出日現在において未定であります。 ② 新株予約権の行使による株式価値の希薄化に関する事項 当社は取締役及び従業員の業績向上に対する意欲や士気を高めることを目的に、会社法の規定に従ってストック・オプションを発行しております。また、2023年2月6日にCVI Investments, Inc.を割当先とする転換社債型新株予約権付社債及び新株予約権、2025年1月10日に株式会社村田製作所及びCVI Investments, Inc.を割当先とする転換社債型新株予約権付社債を発行しております。加えて、2025年8月18日付の取締役会において決議した新株予約権発行プログラム設定契約に基づき、Cantor Fi tzgerald Europeを割当先とする新株予約権を発行しております。2025年12月末日現在、当該新株予約権による潜在株式数は3,415,966株であり、2025年12月末日現在における発行済株式数18,045,018株の18.9%に相当しております。これらの新株予約権の権利行使が行われた場合には、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。
経営成績の分析 (MD&A)5,753字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態の分析 (資産) 当連結会計年度末における資産合計は、5,665,019千円となり、前連結会計年度末に比べ1,101,760千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が775,142千円、売掛金が824,457千円それぞれ増加した一方で、商品及び製品が283,914千円減少したことにより流動資産が前連結会計年度末に比べ1,468,297千円増加し、これに加えて、主に投資有価証券が147,557千円減少したことにより固定資産が前連結会計年度末に比べ366,537千円減少したことによるものであります。 (負債) 当連結会計年度末における負債合計は、3,909,100千円となり、前連結会計年度末に比べ459,554千円減少いたしました。これは主に短期借入金が1,320,097千円減少したことにより、流動負債が前連結会計年度末に比べ1,084,278千円減少し、これに加えて、転換社債型新株予約権付社債が624,725千円増加したことにより固定負債が前連結会計年度末に比べ624,725千円増加したことによるものであります。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産合計は1,755,918千円となり、前連結会計年度末に比べ1,561,313千円増加いたしました。これは主に減資及び欠損填補、第三者割当による新株式発行や当期純損失の計上等により、資本金が1,327,232千円、利益剰余金が340,127千円それぞれ増加した一方で、資本剰余金が96,873千円減少したこと等によるものであります。 この結果、自己資本比率は29.1%(前連結会計年度末は2.0%)となりました。 b.経営成績の分析 (売上高) 当連結会計年度の売上高は、2,598,734千円となりました。これは主に既存顧客を中心にした実証実験及び機体販売によるものであります。 (売上原価・売上総利益) 当連結会計年度の売上原価は、2,097,451千円となりました。これは主に実証実験と機体販売に関わる材料費、外注加工費によるものであります。 その結果、売上総利益は、501,282千円となりました。 (販売費及び一般管理費・営業損失) 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、2,341,683千円となりました。これは主な費目として研究開発費1,319,319千円、人件費等によるものであります。 その結果、営業損失は1,840,400千円となりました。 (営業外損益・経常損失) 当連結会計年度の営業外収益は、1,244,783千円となりました。これは主に国家プロジェクトに係る助成金収入の計上によるものであります。 当連結会計年度の営業外費用は、479,600千円となりました。これは主に持分法による投資損失の計上及び株式交付費によるものであります。 その結果、経常損失は1,075,217千円となりました。 (特別損益・法人税等・当期純損失) 当連結会計年度において、主に不正関連損失253,778千円、投資有価証券評価損31,213千円による特別損失合計284,991千円を計上しました。次いで、法人税等合計4,017千円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は1,363,939千円となりました。 なお、当社グループはドローン関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ775,141千円増加し、2,018,722千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果使用した資金は、1,246,490千円となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失1,360,081千円を計上したことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は、6,540千円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出6,667千円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果得られた資金は、2,020,702千円となりました。これは主に、短期借入金の純減額1,320,097千円、株式の発行による収入1,380,743千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入525,521千円、転換社債型新株予約権付社債の発行による収入1,429,062千円によるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績 a.生産実績 当社グループの生産品はその大部分が生産後すぐに顧客のもとへ出荷されているため、生産実績は販売実績とほぼ同額となります。従いまして、生産実績の記載を省略しております。下記c.販売実績をご参照ください。 b.受注実績 当連結会計年度の受注実績は、次のとおりであります。なお、当社グループはドローン関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略し、売上高の主な内訳別に記載しております。 区分   受注高(千円)   前年同期比(%)   受注残高(千円)   前年同期比(%) 実証実験   218,447   71.8   206,421   123.2 プラットフォーム機体販売   56,508   26.0   15,126   136.1 用途特化型機体販売   2,053,517   171.0   855,247   104.6 その他(注)1   106,527   37.1   37,290   12.8 合計   2,435,000   121.2   1,114,085   86.5 (注) 1.その他においては、機体の保守手数料や消耗品の販売料に加えて、一般的に国家プロジェクトにおいて受託先が収受する補助金等のうち、新規の研究開発を行わず、既存の当社の技術を用いて委託された実験を行うことが主目的のプロジェクトについての売上高を含んでおります。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループはドローン関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略し、売上高の主な内訳別に記載しております。 区分   前連結会計年度(自 2024年1月1日至 2024年12月31日)   当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)   前年同期比(%) 実証実験   (千円)   271,481   165,525   61.0 プラットフォーム機体販売   (千円)   207,459   52,495   25.3 用途特化型機体販売   (千円)   423,933   2,046,087   482.6 その他(注)2   (千円)   1,752,729   334,625   19.1 合計(千円)   2,655,602   2,598,734   97.9 (注) 1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先   前連結会計年度(自 2024年1月1日至 2024年12月31日)   当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日) 金額(千円)   割合(%)   金額(千円)   割合(%) Arcv Holdings Private Limited   1,700,518   64.0   ―   ― Almo Corporation   110,378   4.2   833,619   32.1 有限会社タイプエス   165,903   6.2   656,307   25.3 日本特装株式会社   10,220   0.4   404,650   15.6 2.その他においては、機体の保守手数料や消耗品の販売料に加えて、一般的に国家プロジェクトにおいて受託先が収受する補助金等のうち、新規の研究開発を行わず、既存の当社の技術を用いて委託された実験を行うことが主目的のプロジェクトについての売上高を含んでおります。前連結会計年度においては、インド市場におけるArcv Holdings Private Ltd.への地上走行ロボット販売に係る売上高を含んでおります。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 a.財政状態及び経営成績の分析 当連結会計年度における財政状態及び経営成績の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 b.経営成績に重要な影響を与える要因について 経営成績に特に重要な影響を与える要因については、以下のとおりであります。 当社グループに限らず、ドローンに関する重大な事故が発生した場合には、ドローンの安全性に対する社会的信用が低下することにより、顧客からの需要低下、規制の強化等により市場の成長が減速する可能性があります。当社グループでは、事故を起こさないよう、安全性第一のドローンの実現に努めておりますが、万が一、当社グループの製造した機体が墜落することなどにより人や財産等に損害を与えた場合には、製造物責任賠償、リコールによる支払や費用発生及び社会的信用の失墜等により、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。製品の信頼性には万全の配慮をしてまいりますが、万が一、製品の欠陥が発生した場合には、その欠陥内容によっては多額の支払や費用発生及び社会的信用の失墜を招き、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、国際情勢の変化、経済安全保障上の要請の高まり、世界的なインフレや為替変動による資材価格や物流費の上昇等により、部材の供給の遅れや価格の高騰が発生した場合には、当社の機体生産に影響を与える可能性があり、部材の供給不足や価格高等が継続する場合、用途特化型機体の量産等及び当社の研究開発活動に影響を与え、当社グループの売上高等の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 その他、経営成績に重要な影響を与える要因については「3事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、自己資金、金融機関からの借入金、新株発行による調達資金等により充当することとしております。 なお、当社グループの資金の流動性につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。重要な資本的支出の予定につきましては、「第3設備の状況」に記載のとおりであります。 ③ 重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りに関して、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる可能性があります。 当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5経理の状況 1連結財務諸表等 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。 (3) 経営者の問題認識と今後の方針について 当社グループは、自律制御技術を始めとした最先端のロボティクス技術を追求し、それらの技術の社会実装を通じて、人類の活動の基盤となる社会インフラにおける経済活動の生産性を高め、付加価値の低い業務、危険な業務を一つでも多く代替させ、次世代に向けた社会の進化を推し進めるべく事業を展開しており、各分野のコアクライアントとなるパートナー企業とのプロジェクトを通じ、各種用途の産業向けドローン・ソリューションを構築し、実際の経済効果を生み出すドローン用途を創出していくことを経営の基本方針としております。 この基本方針を踏まえ、ドローン機体の販売拡大及びシステムインテグレーション、ソリューション構築を通じたドローン機体の利用拡大による売上高の拡大を企図しております。 経営者は、事業を拡大し、継続的な成長を実現するために様々な課題に対処していくことが必要であると認識しており、それらの課題に対応するため、常に事業環境についての情報を入手し、戦略の策定、顧客ニーズの把握、製品力の強化、企業規模の拡大に応じた内部管理体制・組織の整備を進め、企業価値のさらなる向上を目指して取り組んでおります。 なお、経営者の問題認識と今後の方針についての具体的な内容は、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

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出典

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