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日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,085.45+319ドル円158.62-2NASDAQ26,241.86+142S&P 5007,680.46+49SOX 指数11,350.08+619/2終値

荏原製作所

EBARA CORPORATION6361 · Prime · 機械

ポンプ・回転機械・環境プラント・半導体製造装置の総合メーカー。建築、エネルギー、水インフラ、廃棄物処理、半導体等の多様な産業に製品を供給。

概要

荏原製作所は、ポンプ・コンプレッサー・環境プラントなど産業機械の大手メーカーであり、半導体製造装置向けCMP装置と真空ポンプで世界トップクラスのシェアを持つ。1920年創業、東京都大田区に本社を置き、2024年12月期の売上高は約8667億円、営業利益率11.31%。従業員数約2.1万人、108社の連結子会社で構成されるグローバル企業である。

5つの事業セグメントで構成される多角経営

荏原製作所は、建築・産業、エネルギー、インフラ、環境、精密・電子の5つの事業セグメントで構成される。建築・産業では標準ポンプや冷熱機械、送風機を提供し、ビルや工場の給排水・空調に対応。エネルギー向けにはカスタムポンプやコンプレッサ・タービン、クライオポンプを製造し、石油・ガスや電力プラントに不可欠な機器を供給する。インフラ分野では上下水道ポンプやトンネル用送風機を手がけ、水インフラを支える。環境事業では都市ごみ焼却プラントや水処理プラントのエンジニアリング・運転保守を提供。精密・電子では半導体製造向けに真空ポンプ、CMP装置、めっき装置、排ガス処理装置を製造し、同社の成長を牽引する。

精密・電子セグメントが収益の最大柱に成長

2025年12月期のセグメント別売上収益は、精密・電子が3422億円(構成比35.7%)で最大であり、営業利益577億円(セグメント利益率16.9%)を計上した。次いで建築・産業が2419億円(利益152億円)、エネルギーが2178億円(利益259億円)、環境が978億円(利益130億円)、インフラが571億円(利益46億円)である。精密・電子セグメントは半導体需要の回復を追い風に、生成AI向け投資などで受注が拡大し、前年比23%増収となった。同セグメントはCMP装置で世界トップシェアを持ち、真空ポンプでも高い競争力を有する。

海外売上高比率が約7割、グローバル展開が進む

荏原製作所は、108の連結子会社のうち多くが海外に所在し、グローバルな生産・販売網を構築している。2025年12月期の海外売上高比率は約70%に達し、北米、欧州、アジア、中東、南米など広範な地域に拠点を持つ。主要な海外子会社としては、米国のEbara Pumps Americas CorporationやElliott Company、欧州のEbara Pumps Europe S.p.A.、中国の荏原機械(中国)有限公司、ブラジルのEBARA BOMBAS AMÉRICA DO SUL LTDA.などがある。各地域の需要に応じて、標準ポンプから大型カスタムポンプ、半導体装置まで現地生産を行い、サービス体制も整備している。

環境事業はプラントエンジニアリングと運転保全が一体

環境セグメントは、都市ごみ焼却プラントと産業廃棄物焼却プラント、水処理プラントのエンジニアリング・工事、ならびに運転・保守サービスを提供する。主要子会社として荏原環境プラント株式会社と、三菱商事・日揮との共同支配企業である水ing株式会社が中核を担う。2025年12月期の受注高は1353億円と前年比89%増の大型案件を獲得し、売上高は978億円、営業利益130億円と堅調に推移。廃棄物発電や水リサイクルなど環境負荷低減に寄与するソリューションを日本国内だけでなく中国など海外にも展開している。

エネルギーセグメントは石油・ガスからLNGまで対応

エネルギーセグメントは、石油・ガス、電力、新エネルギー向けにカスタムポンプ、コンプレッサ・タービン、クライオポンプ、エキスパンダを供給。特に米国子会社Elliott Companyはコンプレッサ・タービン事業で強みを持ち、2000年に完全子石化した。2025年12月期の受注高は1947億円とやや減少したが、売上高は2178億円と増収を維持。LNG市場では北米での投資回復がみられ、中国では電力向けが堅調。サービス・サポートも中東やアジアで好調であり、固定費増により利益は減益となったものの、安定した収益基盤を形成している。

業界の中での役割は産業機械・環境エンジニアリングメーカーにあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
9,583億円
営業利益
1,138億円
営業利益率
11.9%
純利益
766億円
2025/12 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2025/3期)より

01精密・電子主力

半導体製造向けに真空ポンプ、CMP装置、めっき装置、排ガス処理装置を製造・販売・保守。半導体前工程の成膜・平坦化・排気等に不可欠な装置を供給。

主な製品・サービス4
真空ポンプ
半導体製造装置内の真空排気用ポンプ。
CMP装置
化学機械研磨装置。ウェーハ表面を平坦化する。
めっき装置
半導体配線形成用の電解めっき装置。
排ガス処理装置
半導体製造工程で発生する排ガスを処理する装置。

02建築・産業準主力

建築設備・産業設備向けに標準ポンプ(陸上ポンプ、水中ポンプ、給水ポンプ)、冷熱機械、送風機を製造・販売・保守。ビルや工場の給排水・空調用途。

主な製品・サービス3
標準ポンプ
陸上ポンプ、水中ポンプ、給水ポンプ等、建築・産業分野で広く使用される汎用ポンプ。
冷熱機械
冷凍機、冷熱機器。
送風機
工場・ビル用の送風機。

03エネルギー準主力

石油・ガス、電力、新エネルギー向けにカスタムポンプ、コンプレッサ・タービン、クライオポンプ、エキスパンダを製造・販売・保守。発電所や石油化学プラントの重要機器。

主な製品・サービス4
カスタムポンプ
顧客仕様に応じた特殊ポンプ。石油・ガス、電力向け。
コンプレッサ・タービン
ガス圧縮機、蒸気タービン等。
クライオポンプ
極低温用途のポンプ。LNG等。
エキスパンダ
ガス膨張によるエネルギー回収装置。

04インフラ準主力

水インフラ向けにカスタムポンプ(農業用、排水用、上下水道用)、トンネル用送風機を製造・販売。上下水道・農業用水の供給・排水を支える。

主な製品・サービス2
カスタムポンプ
農業用ポンプ、排水ポンプ、上下水道ポンプ。
トンネル用送風機
トンネル換気用の大型送風機。

05環境副次

固形廃棄物処理向けに都市ごみ焼却プラント、産業廃棄物焼却プラント、水処理プラントのエンジニアリング・工事・運転・保守、薬品製造販売を行う。環境インフラのトータルソリューション。

主な製品・サービス3
都市ごみ焼却プラント
自治体向けごみ焼却処理施設。
産業廃棄物焼却プラント
工場等の産業廃棄物処理施設。
水処理プラント
排水処理・浄水処理等の水処理施設。

製品と技術

標準ポンプから大型カスタムポンプまで幅広いラインアップ

建築・産業向けの標準ポンプは、陸上ポンプ、水中ポンプ、給水ポンプなど多岐にわたる。1965年に藤沢工場で日本初の量産体制を確立して以来、国内市場で高いシェアを持つ。エネルギー・インフラ向けのカスタムポンプは、顧客の仕様に応じて設計・製造され、石油化学プラントや発電所、上下水道などで使用される。特に農業用ポンプ、排水ポンプ、上下水道ポンプはインフラ分野で不可欠であり、トンネル用送風機もラインアップに含まれる。これらの製品は世界各地の子会社で現地生産され、サービス網とともに提供される。

コンプレッサ・タービンとクライオポンプでエネルギー効率に貢献

エネルギーセグメントの中核製品であるコンプレッサ・タービンは、石油・ガスプラントやLNG施設でガスの圧縮・膨張に用いられる。米国子会社Elliott Companyがこの分野の主力となり、蒸気タービンや遠心圧縮機を供給。クライオポンプは極低温で液体ガスを移送する装置で、LNGの取扱いに不可欠。エキスパンダはガスの膨張時にエネルギーを回収する装置であり、プラント全体の効率向上に寄与する。これらの製品は、エネルギー関連の大型プロジェクト向けにカスタム設計され、高い信頼性が要求される。

半導体製造の核心技術:CMP装置と真空ポンプ

精密・電子セグメントの主力製品は、CMP(化学機械研磨)装置と真空ポンプである。CMP装置は半導体ウェーハ表面を平坦化する工程で不可欠であり、荏原は世界トップクラスのシェアを持つ。めっき装置は配線形成用の電解めっきに使用され、排ガス処理装置は製造工程で発生する有害ガスを処理する。真空ポンプは半導体製造装置内の真空排気に使われ、ドライポンプを中心にラインアップ。これらの装置は、微細化・高集積化が進む半導体産業の要求に応えるため、常に先端技術を投入している。

環境プラント:ごみ焼却と水処理のトータルソリューション

環境セグメントは、都市ごみ焼却プラントと産業廃棄物焼却プラント、水処理プラントのエンジニアリング・建設・運転・保守を一貫して提供する。ごみ焼却プラントでは、発電設備を併設し廃棄物発電としてエネルギー回収を行うケースが多い。水処理プラントは上下水道や産業排水の処理を手がけ、薬品製造・販売も行う。主要子会社の荏原環境プラントと水ingが事業を担い、国内外で多数の納入実績がある。これらのプラントは長期にわたる運転・保守契約が付随し、安定した収益源となっている。

冷熱機械と送風機:ビル・工場の空調換気を支える

建築・産業セグメントにおいて、冷熱機械はビルや工場の空調用冷凍機、冷熱機器を指す。2002年に分社化された荏原冷熱システム株式会社が製造・販売を担当。吸収式冷凍機やターボ冷凍機などをラインアップし、省エネ性の高い製品を提供する。送風機は工場やビルの換気用で、トンネル用大型送風機も含まれる。これらの製品は標準ポンプとともに、建築設備・産業設備の根幹を支える。特にデータセンター向け冷却システムの需要が拡大しており、北米などで販売が伸びている。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

機械のなかでの位置

国内ポンプ・環境機器で強み、半導体向け含む

荏原製作所は機械業界に属し、ポンプ・送風機・環境関連機器、精密・半導体機器を展開する総合プラントメーカーである。半導体製造装置向けの真空ポンプで高い世界シェアを持ち、成長分野として同事業が業績を牽引している。同業他社には三浦工業や日本製鋼所がいるが、三浦はボイラ・環境機器、日本製鋼所は産業機械や鍛鋼品で異なる製品構成で、直接の競合が限定的。直近の売上高は増加し、営業利益率も改善傾向で、ポンプの基盤と半導体装置の成長が寄与。一方、半導体市況の変動や設備投資のサイクルに依存する面があり、また激化する国際競争への対応が課題。エネルギー・環境分野での案件安定と付加価値の高いサービス事業の拡大が今後の伸びしろとなる。

強み

  • 真空ポンプで半導体製造装置向けに高い世界シェアを持ち、成長を牽引。
  • 流体・回転機技術を活かし、ポンプから環境プラントまで広範に展開。
  • 売上高と営業利益率が増加傾向にあり、採算性が向上している。
  • エネルギー・水インフラ向けポンプで定期的な交換需要があり、安定収益源。

課題

  • 半導体メーカーの設備投資サイクルで業績が変動しやすい。
  • 中国・韓国勢など新興メーカーとの競争でシェア維持に課題。
  • CO2削減など環境規制強化に合わせた製品開発と事業転換が必要。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

半導体製造装置の時価総額近傍。太字が荏原製作所

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
17011三菱重工業12.6兆円53.4倍
26301小松製作所6.9兆円17.9倍
37751キヤノン6.2兆円11.8倍
46146ディスコ6.0兆円44.3倍
56920レーザーテック3.1兆円37.5倍
66361荏原製作所2.0兆円25.4倍
76525KOKUSAI ELECTRIC2.0兆円64.9倍
85334日本特殊陶業1.6兆円14.0倍
95333NGK1.5兆円25.0倍
107735SCREENホールディングス1.3兆円27.0倍
116856堀場製作所9,517億円22.1倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(半導体製造装置)に従っています。

会社の歴史

沿革 44件

東京帝国大学の研究室から生まれた創業

1912年11月、東京帝国大学の井口在屋博士を主幹とし、畠山一清が所長となって「ゐのくち式機械事務所」が創立された。これが荏原製作所のルーツである。1920年5月に荏原製作所として法人化し、工場を東京府荏原郡品川町に設置。ゐのくち式機械事務所の事業を継承し、渦巻ポンプなどの製造を開始した。社名は「荏原」という地名に由来し、創業当初から流体機械を中核とする企業として出発した。

戦災を乗り越え、標準ポンプ量産で復興

1938年4月に羽田工場を建設し本社を移転。1941年12月には川崎工場を新設したが、1945年4月の戦災により羽田工場から川崎工場へ生産を移管した。戦後、1949年5月に東京・大阪両証券取引所に上場。1955年1月には生産の主力を羽田工場に復帰させ、1965年5月には藤沢工場を新設し、日本で初めて標準ポンプの量産体制を確立した。この量産体制が、その後の建築・産業向けポンプ事業の基盤となった。また、冷凍機生産も羽田から藤沢へ移管し、事業を拡大した。

海外展開の第一歩と環境・精密分野への進出

1964年4月、戦後初の海外事務所をタイ・バンコクに開設。1975年1月にはブラジルに初の海外生産拠点を設立し、以後インドネシア(1979年)、米国(1981年)、イタリア(1989年)、中国(1992年)へと生産拠点を広げた。一方、1965年に日本初の標準ポンプ量産体制を確立した後、1975年11月には袖ヶ浦工場を新設しコンプレッサ・タービンの製造を開始。1987年7月には藤沢工場内に精密機械工場を建設し、半導体向け真空機器の生産に参入。これが後の精密・電子事業の始まりとなった。

2000年代の事業再編とM&Aによる成長

2000年4月、汎用風水力機械の営業部門を分離し荏原テクノサーブ株式会社に統合すると同時に、米国のコンプレッサ・タービン大手Elliott Companyを完全子会社化。これによりエネルギー分野の競争力を強化した。2001年6月にはCMP装置生産拠点として荏原九州(熊本県)が操業開始。2002年4月にコンプレッサ・タービン事業を分社化し荏原エリオットを設立、同年9月に冷熱機械事業を分社化し荏原冷熱システムを設立。2005年4月にはカンパニー制を導入し、風水力機械、環境、精密・電子の3カンパニー体制とした。

水ing統合と環境プラント事業の集約

2009年4月、グループ内の水処理事業を荏原エンジニアリングサービス株式会社(現水ing株式会社)へ統合。同時に三菱商事、日揮との三社提携により総合水事業会社として再編した。同年10月には廃棄物処理事業を荏原環境プラント株式会社へ統合。これにより環境セグメントのエンジニアリング・運転保守体制が整った。2010年1月には富津工場を新設し羽田工場の機能を移転。2012年4月にはポンプ事業のグループ内再編として関連3社を吸収合併し、国内ポンプ事業を効率化した。

半導体需要を取り込み、精密・電子事業が急拡大

2010年10月、CMP装置の生産拠点であった荏原九州を吸収合併し、半導体関連事業の一体化を進めた。2016年11月には熊本事業所内に半導体製造装置の生産工場とドライ真空ポンプのサービス工場を増設竣工。2021年4月にはトルコのポンプメーカVansan社を買収し、建築・産業分野の欧州・中東拠点を強化。2020年代に入り、生成AI向け半導体投資の活発化を背景に精密・電子セグメントの売上が急拡大し、2025年12月期には売上収益3422億円と全セグメント中最大となった。

指名委員会等設置会社へ移行しガバナンス改革

2015年6月、荏原製作所は指名委員会等設置会社へ移行し、コーポレートガバナンスの強化を図った。2022年4月には東京証券取引所の市場区分見直しに伴い、プライム市場へ移行。長期ビジョン「E-Vision2030」に続き、2025年には「E-Vision2035」を策定し、2035年にありたい姿として「グローバルエクセレントカンパニー」を掲げた。経営基盤の強化として、CxO制導入や機能別横ぐし施策を推進し、グループ全体の価値向上を目指している。

年表44件を開く

1910年代

  • 1912年11月創業東京帝国大学井口在屋博士を主幹、畠山一清が所長となり、ゐのくち式機械事務所を創立[創業]。

1920年代

  • 1920年5月創業荏原製作所を設立。工場を東京府荏原郡品川町に設け、ゐのくち式機械事務所の事業を継承し、渦巻ポンプ等の製造を開始。

1930年代

  • 1938年4月東京市蒲田区羽田に羽田工場を建設し、品川より本社及び工場を移転。

1940年代

  • 1941年12月川崎工場を新設。
  • 1945年4月戦災により羽田工場から川崎工場に生産を移管。
  • 1949年5月上場東京証券取引所市場第一部、大阪証券取引所市場第一部へ上場。(2004年11月に大阪証券取引所において上場廃止)

1950年代

  • 1955年1月生産の主力を羽田工場に復帰。
  • 1956年1月創業水処理装置の製造及び販売を目的として、荏原インフィルコ株式会社を設立。
  • 1959年8月上場新潟証券取引所へ上場。(2000年3月に上場廃止)

1960年代

  • 1964年4月戦後初の海外事務所をタイ・バンコクに開設。
  • 1964年6月創業製品のアフターサービスを目的として、荏原サービス株式会社を設立。
  • 1965年5月藤沢工場を新設。日本で初めて標準ポンプ量産体制を確立。また冷凍機生産を羽田工場より移管。
  • 1968年11月上場札幌証券取引所へ上場。(2013年9月に上場廃止)

1970年代

  • 1975年1月創業戦後初の海外生産拠点としてブラジルに Ebara Industrias Mecanicas e Comercio Ltda.(現 EBARA BOMBAS AMÉRICA DO SUL LTDA.)を設立。
  • 1975年11月袖ヶ浦工場を新設し、主としてコンプレッサ及びタービンの製造を開始。
  • 1979年12月創業東南アジアにおける標準ポンプの生産拠点として、インドネシアにPT. Ebara Indonesiaを設立。

1980年代

  • 1981年1月創業北米のポンプ事業拠点として、米国にEbara International Corporation(現 EBARA PUMPS AMERICAS CORPORATION)を設立。
  • 1987年7月藤沢工場内に精密機械工場を建設し、半導体産業向け真空機器の生産を開始。
  • 1989年1月創業ステンレスプレス製標準ポンプの生産拠点として、イタリアにEbara Italia S.p.A.(現 Ebara Pumps Europe S.p.A.)を設立。

1990年代

  • 1992年8月創業各種ボイラ等製缶品の生産拠点として、中国に青島荏原環境設備有限公司を設立。
  • 1994年10月M&A荏原インフィルコ株式会社を吸収合併。

2000年代

  • 2000年4月M&A汎用風水力機械の営業部門を分離の上、荏原サービス株式会社に統合し、荏原テクノサーブ株式会社として営業開始。
  • 2000年4月M&Aコンプレッサ・タービン事業大手のElliott Company(米国)を完全子会社化。
  • 2001年6月創業CMP装置等の生産拠点として設立した株式会社荏原九州(熊本県)が操業を開始。
  • 2002年4月創業コンプレッサ・タービン事業を分社化、株式会社荏原エリオット(千葉県)を設立。
  • 2002年9月創業冷熱機械事業を分社化、荏原冷熱システム株式会社を設立。
  • 2003年5月創業中国におけるAPIポンプの生産販売拠点として、嘉利特荏原ポンプ業有限公司を設立。
  • 2005年4月カンパニー制を導入。本社機能を担うコーポレートと、風水力機械、環境事業、精密・電子事業の3カンパニー体制とする。
  • 2005年8月創業中国における大型・高圧ポンプの生産販売拠点として、荏原博ポンプポンプ業有限公司(現 荏原機械淄博有限公司)を設立。
  • 2006年5月創業中国における標準ポンプの生産・販売・サービス拠点として、荏原機械(中国)有限公司を発足。
  • 2009年4月M&Aグループ内の水処理事業を荏原エンジニアリングサービス株式会社(現 水ing株式会社)へ統合。
  • 2009年10月M&Aグループ内の廃棄物処理事業を荏原環境プラント株式会社へ統合。

2010年代

  • 2010年1月富津工場を新設し、羽田工場の機能を移転。
  • 2010年3月荏原エンジニアリングサービス株式会社を、三菱商事株式会社、日揮株式会社との三社提携による総合水事業会社とする。
  • 2010年10月M&A株式会社荏原九州を吸収合併。
  • 2012年4月M&Aポンプ事業のグループ内再編として、荏原テクノサーブ株式会社、株式会社荏原由倉ハイドロテック及び株式会社荏原環境テクノ北海道の三社を吸収合併。
  • 2014年3月創業中東におけるポンプの販売・サービス拠点として、UAEにEbara Pumps Middle East FZE を設立。
  • 2015年6月指名委員会等設置会社へ移行。
  • 2015年8月M&Aインドネシアの回転機械のメンテナンス会社 PT. Turbindo Chikara Surya(現 PT. Ebara Turbomachinery Services Indonesia)を買収。
  • 2015年12月M&Aブラジルのポンプメーカ Thebe Bombas Hidráulicas S.A.(EBARA BOMBAS AMÉRICA DO SUL LTDA.を存続会社とする吸収合併により消滅)を買収。
  • 2016年11月熊本事業所内に半導体製造装置の生産工場及びドライ真空ポンプのサービス工場を増設竣工。

2020年代

  • 2020年5月創業北中米におけるポンプの販売・サービス拠点として、メキシコにEbara Pumps Mexico, S.A. de C.V.を設立。
  • 2021年4月M&AトルコのポンプメーカVansan Makina Sanayi ve Ticaret A.S.とVansan Makina Montaj ve Pazarlama A.S.を傘下に持つCigli Su Teknolojileri A.S.を買収。
  • 2022年4月東京証券取引所市場第一部からプライム市場へ移行。

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2025/12期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。そのうち5項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 売上収益2035年まで2兆円以上
  • 営業利益率2035年まで20%以上
  • ROIC2035年まで20%以上
  • ROE2035年まで25%以上
  • 時価総額2035年まで6兆円規模

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    E-Vision2035策定と長期価値創造

    10年後のありたい姿「グローバルエクセレントカンパニーとして持続可能な社会の実現に欠かせない企業」を目指し、社会・環境価値と経済価値の両立を図る。事業ポートフォリオ全体最適化とマテリアリティ5項目への取り組みを推進する。

  2. 02

    成長投資と資源配分の好循環

    成長投資の成果刈り取りと中長期的な成長分野への積極投資により、回収・投資・成長の好循環を生み出す。グローバルビジネスセグメント(精密・電子、エネルギー、建築・産業)に経営資源を優先投下し、効率的なオペレーション基盤を構築する。

  3. 03

    ソリューションプロバイダーへのシフト

    各事業のインストールベースを資産と捉え、データ収集・分析・活用により顧客の省エネ・脱炭素化支援や故障予兆管理・稼働保証サービスを提供。システム全体最適化を目指し、M&Aや外部協業も積極的に推進する。

  4. 04

    人材・技術・IT基盤の強化

    キャリアオーナーシップを発揮する人財の育成と多様性を支えるグローバル人事基盤を整備。AI技術と情報分析を新たなコア技術に位置づけIT機能を高度化。流体解析・制御等のコア技術の掛け合わせと新技術蓄積の好循環を実現する。

  5. 05

    新事業領域への挑戦

    水素エネルギー領域で世界トップシェア獲得を目標に、航空・宇宙、医療・バイオ、フードテックなど有望市場で新規ビジネスを確立する。既存事業と新事業のシナジーを創出し、収益基盤を多角化する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で21,148人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は980万円で、9期前と比べて+33.1%平均年齢は43.1歳、平均勤続年数は14.4年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年12月16,219
2017年3月16,317
2018年12月16,556
2019年12月73643.917.117,080
2020年12月75443.416.817,480
2021年12月75743.917.018,372
2022年12月84443.816.519,095
2023年12月86143.615.819,629
2024年12月43.415.020,510478
2025年12月98043.114.421,148538

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2025年12月期・提出会社(単体)
女性管理職比率8.6%
縦線は目安の30%
男性育休取得率100.0%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)80.4%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社27(国内 9 / 海外 18、うち連結子会社 13) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位10)
藤沢事業所 — 神奈川県藤沢市467億円
建築・産業
本社他 — 東京都大田区他299億円
その他
エネルギー — Elliott Company (米国)243億円
熊本事業所 — 熊本県玉名郡170億円
精密・電子
富津事業所 — 千葉県富津市6,586百万円
建築・産業、エネルギー、インフラ
建築・産業 — Ebara Pumps Europe S.p.A. (イタリア)(注)45,299百万円
エネルギー — ㈱荏原エリオット(千葉県袖ヶ浦市)(注)55,252百万円
環境 — 荏原環境工程(中国)有限公司(中国)(注)33,962百万円
建築・産業 — 荏原冷熱システム(中国)有限公司(中国)(注)33,352百万円
精密・電子 — Ebara Precision Machinery Korea Inc. (韓国)3,052百万円
ほか5件の開示あり
主な関係会社
  • 国内
    ㈱荏原風力機械
    三重県鈴鹿市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    荏原冷熱システム㈱
    東京都大田区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱荏原エリオット
    千葉県袖ヶ浦市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱荏原電産
    東京都大田区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    荏原環境プラント㈱
    東京都大田区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱荏原フィールドテック
    東京都大田区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    荏原冷熱システム(中国)有限公司
    中国 山東省 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    EBARA BOMBAS AMÉRICA DO SUL LTDA.
    ブラジル サンパウロ州 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    Ebara Pumps Europe S.p.A.
    イタリア トレント県 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    EBARA PUMPS IBERIA, S.A.
    スペイン マドリード州 · 連結子会社
    議決権98.4%
  • 海外
    Ebara Engineering Singapore Pte. Ltd.
    シンガポール · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    荏原機械(中国)有限公司
    中国 北京市 · 連結子会社
    議決権100.0%
残りのグループ会社15社を開く
  • Vansan Makina Sanayi ve Ticaret A.S.トルコ イズミル市100%
  • EBARA HG Holdings Inc.米国 デラウェア州100%
  • EBARA PUMPS AMERICAS CORPORATION米国 サウスカロライナ州100%
  • 嘉利特荏原ポンプ業有限公司(ポンプの中国語表記は石の下に水です)中国 浙江省51%
  • Elliott Company (注)4米国 ペンシルバニア州100%
  • Elliott Ebara Singapore Pte.Ltd.シンガポール100%
  • 荏原機械淄博有限公司中国 山東省100%
  • 荏原環境工程(中国)有限公司中国 山東省100%
  • Ebara Precision Machinery Europe GmbHドイツ ヘッセン州100%
  • Ebara Precision Machinery Korea Inc.韓国 平沢市100%
  • 台湾荏原精密股份有限公司台湾 台北市100%
  • 上海荏原精密機械有限公司中国 上海市100%
  • Ebara Technologies Inc.米国 カリフォルニア州100%
  • 荏原(中国)有限公司(注)3中国 北京市100%
  • 水ing㈱東京都港区33%
国際子会社 (GLEIF登録 3社)
  • JP株式会社荏原エリオット
  • INEBARA MACHINERY INDIA PRIVATE LIMITED
  • INELLIOTT EBARA TURBOMACHINERY INDIA PRIVATE LIMITED

国際的な法人識別子 (LEI) の親子関係データ。金融取引を行う子会社が中心で、全子会社の一覧ではありません。

公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 調達
    【関東地方整備局、江戸川河川事務所】R7・8庄和排水機場等点検整備業務
    国土交通省 · 2025-04-01
    4.9億円
  • 調達
    【関東地方整備局、江戸川河川事務所】R5・6庄和排水機場等点検整備業務
    国土交通省 · 2023-04-03
    4.2億円
  • 調達
    【関東地方整備局 江戸川河川事務所】R3・4庄和排水機場等点検整備業務
    国土交通省 · 2021-04-01
    4億円
  • 調達
    【関東地方整備局、江戸川河川事務所】H29・30庄和排水機場等点検整備業務
    国土交通省 · 2017-04-03
    3.8億円
  • 調達
    【関東地方整備局 江戸川河川事務所】H31・32庄和排水機場等点検整備業務
    国土交通省 · 2019-04-01
    3.6億円
  • 調達
    排水ポンプ車(30m3/min)9台購入
    国土交通省 · 2020-05-29
    3.6億円
  • 調達
    排水ポンプ車(60m3/min級外)5台購入
    国土交通省 · 2020-04-23
    2.8億円
  • 調達
    【関東地方整備局、京浜河川事務所】R8・R9京浜河川水門設備点検整備等業務
    国土交通省 · 2026-04-01
    2.7億円
  • 調達
    令和8年度 木曽川上流揚排水機場設備保守業務
    国土交通省 · 2026-03-09
    2.7億円
  • 調達
    令和7年度 木曽川上流揚排水機場設備保守業務
    国土交通省 · 2025-03-10
    2.7億円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2025年12月期の売上高は9,583億円営業利益1,138億円前期と比べると増収増益で、売上が+10.6%、利益が+16.1%。

売上高
+10.6%
9,583億円
営業利益
+16.1%
1,138億円
純利益
+7.3%
766億円
営業利益率
11.9%
前期比 +0.6%pt

会社が出している今期の予想2026年12月期

項目会社予想前期実績
売上高1.1兆円9,583億円
営業利益1,250億円1,138億円
純利益995億円766億円
1株あたり配当¥66¥66

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2026年2Qで、売上は4,908億円、営業利益は507億円。前年の2025年2Qと比べると、売上は+9.4%、営業利益は+1.2%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年1Q1,8411538.381
2023年2Q1,79718510.3125
2023年3Q1,87423212.4143
2023年4Q2,081254
2024年1Q1,93819310.0147
2024年2Q2,00720710.3145
2024年4Q4,72258012.3422
2025年2Q4,48850111.2313
2025年4Q5,09563712.5453
2026年2Q4,90850710.3336

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は4,263億円から9,583億円へ2.2倍に増えた。直近期の営業利益率は11.9%。売上は8期、純利益は8期の連続増加。

決算期売上高億円営業利益億円税引前利益億円営業利益率%純利益億円
2013年3月4,263257153
中東におけるポンプの販売・サービス拠点として、UAEにEbara Pumps Middle East FZE を設立。
2014年3月4,487313190
インドネシアの回転機械のメンテナンス会社 PT. Turbindo Chikara Surya(現 PT. Ebara Turbomachinery Services Indonesia)を買収。
2015年3月4,827363236
熊本事業所内に半導体製造装置の生産工場及びドライ真空ポンプのサービス工場を増設竣工。
2016年3月4,862365173
この期から会計基準が日本基準からIFRSに変わりました。前後の数値は単純に比較できません
2017年3月4,761285206
2017年12月3,82016595
2018年12月5,092313183
2019年12月5,224356233
北中米におけるポンプの販売・サービス拠点として、メキシコにEbara Pumps Mexico, S.A. de C.V.を設立。
2020年12月5,225358242
トルコのポンプメーカVansan Makina Sanayi ve Ticaret A.S.とVansan Makina Montaj ve Pazarlama A.S.を傘下に持つCigli Su Teknolojileri A.S.を買収。
2021年12月6,032603436
2022年12月6,809695505
2023年12月7,593847603
2024年12月8,66798099911.3714
2025年12月9,5831,1381,11011.9766

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2025年12月期

売上高9,583億円のうち、営業利益として残るのは1,138億円11.9%。営業外の損益と税金を反映した純利益は766億円、売上の8.0%にあたる。営業利益率は業種中央値8.6%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金67.5%6,464億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金20.7%1,979億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益11.9%1,138億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
32.5%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比+3.2pt
11.9%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+1.0pt
8.0%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比+7.9pt
15.6%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
7.1%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
8.5%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2025年12月期は営業CFが408億円、投資CFが−912億円で、差し引きのフリーCFは−504億円この組み合わせは積極投資型にあたる。本業で稼ぎつつ、さらに資金を調達して大きな投資に踏み込んでいる。成長への布石の局面期末の手元現金は1,435億円で、売上の1.8ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月340−331339938
2014年3月26635−2533011,023
2015年3月113−159−70−46956
2016年3月215−143−9772912
2017年3月338−186−151152907
2017年12月442−791133631,391
2018年12月346−159−4641871,106
2019年12月267−241−20226953
2020年12月688−292−1443961,205
2021年12月729−314−2954151,365
2022年12月371−383−237−121,161
2023年12月700−356−473441,481
2024年12月1,009−486−3195231,710
2025年12月408−912168−5041,435

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2025年12月期の総資産は1.1兆円。このうち返さなくてよい自己資本が5,089億円で、自己資本比率は47.0%(業種中央値65.3%より薄い)

決算期総資産兆円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2013年3月0.501,9183,12837.0
2014年3月0.532,1503,15239.2
2015年3月0.572,4763,22841.9
2016年3月0.582,5043,29541.6
2017年3月0.592,7753,11046.1
2017年12月0.612,8483,28145.3
2018年12月0.592,8683,04847.3
2019年12月0.622,7133,44244.1
2020年12月0.642,8963,55244.9
2021年12月0.723,1234,07443.4
2022年12月0.833,6004,68043.5
2023年12月0.914,0995,04044.8
2024年12月1.014,7335,19747.1
2025年12月1.085,0895,60547.0

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2025年12月期の内訳
現金及び預金
1,435億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
3,193億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
5,605億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
85
/ 100
安定性自己資本比率31 / 40
収益力営業利益率24 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

機械 209社との比較

同じ機械の企業と並べると、いちばん上に来るのはROE209社中20位あたり、逆に低いのは配当利回り209社中172位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE上位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
15.6%/中央値 7.7%
P25 4.7%P75 11.1%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
11.9%/中央値 8.6%
P25 4.8%P75 12.6%
自己資本比率下位総資産のうち返済のいらないお金の割合
47.0%/中央値 65.3%
P25 51.4%P75 75.3%
売上成長率上位前期からの売上の伸び
10.6%/中央値 3.9%
P25 -1.7%P75 9.4%
配当利回り下位株価に対して1年で受け取る配当の割合
1.5%/中央値 2.9%
P25 1.8%P75 3.6%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥4,360で、1年前と比べて+44.7%過去52週の値幅のなかでは35%の位置にある。

¥4,360-4.6%1ヶ月-24.7%1年+44.7%時価総額2.0兆円
過去52週の値幅
安値¥2,973高値¥6,890

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)25.4倍
PER (会社予想)20.0倍
PBR1.59倍
配当利回り1.51%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価4921円は25日線(5509円)を約11%下回り、75日線(5706円)を約14%下回る。直近1か月で14.45%下落と急落、52週高値6890円から約29%下落。RSIは36と弱気圏で、200日線(4994円)を下回った。8月17日に891万株と大量の出来高を伴って下落、その後も売りが続き、テクニカルは悪化している。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準をほぼ妥当と判定しています(スコア 55/100)

PERは28.63倍、PBRは1.79倍と業界平均(PER23.18倍、PBR1.54倍)を上回り割高感がある一方、ROEは15.6%と高く収益性で評価できる。配当利回りは1.34%と業界平均2.66%を大きく下回り、株主還元は不十分。予想PER22.6倍を考慮すると成長期待を織り込んだ水準で、総合的にはほぼ妥当と判断。割安とは言えないが、高ROEを背景に業績拡大が続けば株価上昇の余地もある。一方で、利益成長に対して配当が伸び悩む点は注意。同業界平均と比較してPER・PBRがやや高めで、割安感は限定的。

指標この会社業種平均
PER (実績)25.4倍22.7倍
PER (予想)20.0倍
PBR1.59倍1.50倍
ROE15.6%7.0%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

半導体市場の成長とデータセンター需要の拡大が追い風となる一方、半導体サイクルの変動や競争激化による減速懸念がある。強気派は、生成AI向け半導体投資の増加と円安効果による収益拡大を期待する。弱気派は、半導体需要の調整局面入りや、中国市場の減速、競合他社の追随によるシェア低下を警戒する。

プラスに働く材料7
  • 半導体投資の拡大

    生成AI向け半導体需要が高く、CMP装置や真空ポンプの受注が増加。

  • データセンター需要

    冷却システムの需要が拡大し、新たな収益源として成長。

  • 円安による利益拡大

    海外売上比率が高く、円安が収益を押し上げる。

  • 営業利益が前期比16%増の1,138億円2026年Q2影響

    2025年12月期営業利益は1,138億円、前期比16%増の増益

  • 売上高が2年で26%増、9,583億円継続影響

    2025年12月期売上高は9,583億円と2年前から26%増加

  • 営業利益率11.88%に改善通年影響

    営業利益率は2024年12月期の11.31%から11.88%に上昇

  • 外国人保有比率52.4%で需給良好不定影響

    外国人持株比率は52.4%と高く、需給を支える

マイナスに働く材料7
  • 半導体サイクル懸念

    半導体市場は周期的であり、調整局面入りで設備投資が減速。

  • 中国市場の減速

    中国経済の不透明感が需要に影響を与える可能性。

  • 競争激化

    他社が追随し、価格競争やシェア低下のリスク。

  • PER34.25倍と割高な評価決算発表後影響

    株価5,686円、PERは34.25倍と高水準

  • 純利益の伸びが前期比7%増に鈍化通年影響

    2025年12月期純利益は766億円、前期比7%増にとどまる

  • 配当利回り1.04%と低位次回株主総会影響

    予想配当利回りは1.04%と低水準

  • 株価1年で98%上昇の過熱感不定影響

    株価は前年比98.1%上昇し、高値警戒感

次の決算で確かめる点
半導体関連売上高
半導体市場の動向が業績に直結するため。
受注残高
将来の売上を占う指標となるため。
海外売上比率
為替影響や市場分散度を確認するため。
データセンター関連売上
新規成長分野の進捗を測るため。

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり66で、前期から+7.3%いまの株価に対する利回りは1.51%。増配か配当維持が5年続いている。

年間配当
¥66
1株あたり
配当利回り
1.51%
いまの株価に対して
配当性向
64.8%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
5年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年12月933.4
2017年3月1233.323.7
2018年12月120.041.9
2019年12月120.036.3
2020年12月120.036.9
2021年12月33171.743.0
2022年12月3918.441.6
2023年12月4618.747.2
2024年12月5520.154.6
2025年12月597.364.8

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥66

株主

有価証券報告書より

2025年12月期末の株主数は延べ36,556人。区分でいちばん多いのは外国法人52.3%。グループ会社や銀行などの安定株主が33.2%を占め、残る66.8%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2020年12月%2021年12月%2022年12月%2023年12月%2024年12月%2025年12月%
外国法人48.245.944.547.448.552.3
金融機関34.529.832.033.331.930.8
個人・その他11.414.812.710.911.011.7
証券会社2.76.68.05.56.02.7
事業法人3.02.82.82.82.52.4
自己株式0.03.73.70.00.01.2
外国人個人0.10.10.10.10.10.1

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)16.87
02株式会社日本カストディ銀行(信託口)7.54
03いちごトラスト・ピーティーイー・リミテッド(常任代理人 香港上海銀行東京支店 セキュリティーズ・サービシズ・オペレーションズ)5.14
04BNYM AS AGT/CLTS NON TREATY JASDEC(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)2.39
05STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)2.34
06STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505301(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1.52
07JP MORGAN CHASE BANK 385781(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1.46
08BNYM AS AGT/CLTS 10 PERCENT(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)1.34
09日本証券金融株式会社1.12
10日本生命保険相互会社1.10

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近5
  • 2026-06-22
    エフエムアール エルエルシー(FMR LLC)
    変更報告
    6.10%
    +1.06pt
  • 2026-06-22
    フィデリティ マネジメント アンド リサーチ カンパニー エルエルシー(Fidelity Management & Research Company LLC)
    新規の大量保有報告
    3.57%
    +0.64pt
  • 2026-06-08
    エフエムアール エルエルシー(FMR LLC)
    変更報告
    5.04%
  • 2026-06-08
    フィデリティ マネジメント アンド リサーチ カンパニー エルエルシー(Fidelity Management & Research Company LLC)
    新規の大量保有報告
    2.93%
  • 2026-04-07
    エフエムアール エルエルシー(FMR LLC)
    新規の大量保有報告
    6.10%
    +1.06pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+363%、1株純資産は14期で+177%。直近期のROEは15.6%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月364029.110.945.6
2014年3月414489.615.866.0
2015年3月5151410.510.040.3
2016年3月1862,5917.212.727.5
2017年3月2142,6728.017.023.7
2017年12月942,7363.545.833.4
2018年12月1802,7966.613.741.9
2019年12月2422,8528.313.836.3
2020年12月2543,0368.613.236.9
2021年12月4633,39614.513.843.0
2022年12月5493,91015.08.641.6
2023年12月13188815.712.847.2
2024年12月1551,02516.215.954.6
2025年12月1661,11515.622.264.8

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

26名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は26名。2025/12期の役員報酬は総額1,831百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約8倍にあたる。

氏名役職年齢
浅見正男取締役会長 指名委員会委員66
細田修吾取締役 代表執行役社長 CEO兼COO60
大枝宏之取締役 取締役会議長 指名委員会委員69
西山潤子取締役 監査委員会委員69
藤本美枝取締役 報酬委員会委員59
長峰明彦取締役 監査委員会委員68
島村琢哉取締役 報酬委員会委員69
髙下貞二取締役 筆頭社外取締役 指名委員会委員72
沼上幹取締役 報酬委員会委員66
北本佳永子取締役 監査委員会委員61
永田修執行役 建築・産業カンパニープレジデント兼 Ebara Pumps Europe S.p.A.Chairman58
宮木貴延執行役 エネルギーカンパニープレジデント 兼 Elliott Company CEO 兼 嘉利特荏原ポンプ業有限公司董事長 兼 荏原エリオットエネルギーホールディングス株式会社Chairman 兼 CEO53
残りの役員14名を開く
氏名役職年齢
太田晃志執行役 インフラカンパニープレジデント 兼 荏原環境プラント株式会社代表取締役会長55
山田秀喜執行役 環境カンパニープレジデント 兼 荏原環境プラント株式会社取締役65
南部勇雄執行役 精密・電子カンパニープレジデント 兼 装置事業部長52
露木聖一執行役 精密・電子カンパニー(コンポーネント事業/技術統括/安全・環境・品質担当)兼 コンポーネント事業部長 兼 台湾荏原精密股份有限公司董事長 兼 合肥荏原精密機械有限公司董事長55
李承鏞執行役 精密・電子カンパニー 経営戦略統括部長62
渕田徹也執行役 CFO(経営企画/財務/会計/税務担当)兼 経営企画統括部長 兼 荏原(中国)有限公司董事長53
大﨑晃裕執行役 CHRO(人事/労務/人財開発/ウェルビーイング担当)兼 人事統括部長56
中山亨執行役 CRO(リスク管理/法務/内部統制/EHS担当)67
小和瀬浩之執行役 CIO(情報通信担当)兼 情報通信統括部長62
三好敬久執行役 CTO(技術経営戦略/研究開発/知的財産/生産プロセス革新・品質保証担当)兼 技術経営戦略統括部長63
須田和憲執行役 新事業開発統括部長60
立山美和執行役 サプライチェーン戦略統括部長58
長谷川隆代取締役 指名委員会委員66
甲斐正之執行役 インフラカンパニープレジデント57

役員報酬の内訳2025/12

役員の区分人数固定報酬百万円株式報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
執行役183881031,48182
取締役(社内)31143522174
社外取締役81052412916

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2025/12期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容1,298字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 当社グループは、当社、子会社108社(うち連結子会社 108社)、関連会社3社及び共同支配企業1社より構成されています。 当社を中心として5事業の各分野にわたり製造、販売、工事、保守、サービス等を行っています。主な事業内容と当社、主要な連結子会社及び関連会社並びに共同支配企業の機能及び分担は、以下のとおりです。なお、この事業区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.事業セグメント」に掲げるセグメント区分と同一です。 事業区分   対面市場   主要製品   機能・分担   当社、主要な連結子会社及び関連会社並びに共同支配企業 建築・産業   建築設備、産業設備   標準ポンプ(陸上ポンプ、水中ポンプ、給水ポンプ)、冷熱機械、送風機   製造、販売及び保守   当社㈱荏原風力機械荏原冷熱システム㈱EBARA BOMBAS AMÉRICA DO SUL LTDA.Ebara Pumps Europe S.p.A.EBARA PUMPS IBERIA, S.A.荏原冷熱システム(中国)有限公司Ebara Engineering Singapore Pte. Ltd.Vansan Makina Sanayi ve Ticaret A.S.EBARA HG Holdings Inc.EBARA PUMPS AMERICAS CORPORATION荏原機械(中国)有限公司 エネルギー   石油・ガス、電力、新エネルギー   カスタムポンプ、コンプレッサ・タービン、クライオポンプ、エキスパンダ   製造、販売及び保守   当社㈱荏原エリオット嘉利特荏原ポンプ業有限公司 (注)1Elliott CompanyElliott Ebara Singapore Pte. Ltd.荏原機械淄博有限公司 インフラ   水インフラ   カスタムポンプ(農業用ポンプ、排水ポンプ、上下水道ポンプ)、トンネル用送風機   製造、販売、運転及び保守   当社㈱荏原電産 環境   固形廃棄物処理   都市ごみ焼却プラント、産業廃棄物焼却プラント、水処理プラント   エンジニアリング及び工事    荏原環境プラント㈱荏原環境工程(中国)有限公司水ing㈱ (注)2 運転及び保守   荏原環境プラント㈱水ing㈱ (注)2 薬品製造及び販売   水ing㈱ (注)2 精密・電子   半導体製造   真空ポンプ、CMP装置、めっき装置、排ガス処理装置   製造及び販売   当社 販売及び保守   ㈱荏原フィールドテックEbara Technologies Inc.上海荏原精密機械有限公司Ebara Precision Machinery Korea Inc.台湾荏原精密股份有限公司Ebara Precision Machinery Europe GmbH その他       -   地域統括会社等   荏原(中国)有限公司 (注)   1.   ポンプの中国語表記は石の下に水です。 2.   持分法を適用した共同支配企業です。
経営方針・対処すべき課題12,602字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。 (1)経営方針 ① はじめに 当社グループは、持続的な成長を確かなものにするため、常に10年程度の長期的な展望が不可欠であると考えています。2020年に策定した長期ビジョン「E-Vision2030」のターゲット期間が残り5年となったことから、同ビジョン以降に顕在化した社内外の環境変化を10年先の展望に反映させ、新たな長期ビジョン「E-Vision2035」を策定しました。 ② E-Vision2030の進捗と課題 E-Vision2030の進捗については、社会・環境価値の提供及び経済価値の創出の両面で順調に進展しています。「6億人に水を届ける」や「CO₂約1億トン相当のGHG(Greenhouse Gas:温室効果ガス)削減」、「14Åへの挑戦」といったマテリアリティ解決に向けた取り組みが着実に進捗したほか、売上収益1兆円以上、ROIC10%以上といった経済価値についても想定を上回る水準で進捗しています。 一方で、既存事業については、「ソリューションプロバイダー」へのシフトを掲げ様々な試みを通じ、一定の成果を創出しましたが、今後に向けては課題が残る状況です。新規事業については、水素関連事業プロジェクト、新事業開発部門による様々な種まきにより新たなビジネスの芽が生まれており、この実現のため、2025年以降刈り取りを行っていく必要があります。経営基盤の面では、コーポレートの各機能は、CxO制導入により対面市場別カンパニーに機能軸の横ぐしを通す基盤を構築しました。機能別横ぐし施策を通じて、グループとしての価値向上に結びつけていくことが課題です。こうした状況を踏まえ、E-Vision2030で定めた価値創造ストーリーは、より解像度が高く、荏原らしいものへと進化させる必要性が認識されるようになりました。 ③ 価値創造ストーリーとスローガン Essential EBARA. Everywhere. 事業領域やコア技術の視点から、当社グループが「持続可能性」の解決に本業を通じて直接的に貢献できる立ち位置にあることを踏まえ、目指すべき「価値創造プロセス」の具体性と解像度を向上させるべく、改めて以下のとおり「価値創造ストーリー」を設定しました。 (2)2035年にありたい姿 ① 2035年にありたい姿とその実現のための事業ポートフォリオ 2035年にありたい姿として、グローバルエクセレントカンパニーとして、持続可能な社会の実現に欠かせない企業となっている状態を目指します。 ありたい姿実現のための事業ポートフォリオにおいては、当社独自のポートフォリオで事業間シナジーを創出しつつ、全体最適を追求し、事業の総和を超えた企業価値を創造します。具体的には、グローバルビジネスセグメント(精密・電子、エネルギー、建築・産業)は、会社を支える3本柱として、一定以上の事業規模と高い収益性・効率性を実現します。また、日本起点ビジネスセグメント(インフラ、環境)は、課題先進国としての日本におけるソリューション提供ノウハウを、世界の必要な地域にも価値として提供することを通じて、安定したビジネス基盤を構築します。 (参考)E-Vision2035事業ポートフォリオ ② 事業ポートフォリオの合理性 2035年にありたい事業ポートフォリオがグループの中長期的な企業価値最大化に資する合理的な構成であると、以下に基づき判断しています。今後においても、この構成が当社グループにとって最適解であり続けるかを常に検証し、事業環境の変化に応じて、ポートフォリオの入れ替えを含めた柔軟な経営判断を行う姿勢を保持します。 ③ ありたい姿実現のためのマテリアリティ E-Vision2035におけるマテリアリティは、本業を通じた“社会の持続可能性への貢献”と、そのための“事業基盤の強化”の観点から「持続可能な社会づくりへの貢献」「進化する豊かな生活づくりへの貢献」「環境マネジメントの徹底」「人材の活躍推進」「ガバナンスの更なる革新」の5項目とします。結果的にE-Vision2030のマテリアリティと同一の項目ですが、それぞれの概念がもつ普遍性に鑑み、継続して注力すべき課題として設定しています。 ④ 全社方針 (i)資源配分方針 資源配分については、過去に実施した成長投資の成果を刈り取りつつ、中長期的な企業価値最大化に資する成長分野に積極的に投資することで、回収・投資・成長の好循環を生み出すことを基本方針とします。上記前提のもと、成長投資については、目指す事業ポートフォリオ実現のため、精密・電子、エネルギー、建築・産業のグローバルビジネスセグメントに経営資源を優先的に投下します。併せて、グローバルで効率的なオペレーションを実現させるための基盤構築に投資します。 (ii)人事・情報システム・技術に関する方針 a.人事に関する方針:今後の当社グループに求められる人材像を「自らの意思で考え、行動するキャリアオーナーシップを発揮する“人財”」と定めます。このような個人と会社が互いに選び合い応え合う関係を通じて、価値創出の好循環の実現を目指します。その実現のために、個の成長と多様性を支えるグローバル人事基盤を整備するとともに、“人財”を「増やす」、「活かす」、「適切に評価する」ことを基軸とした環境を整備します。 b.情報システムに関する方針:AI技術と情報分析を新たなコア技術と位置づけIT機能を高度化させます。また情報基盤を整備し、オペレーショナルエクセレンスによって全体最適に寄与します。 c.技術に関する方針:流体解析・制御、振動・騒音制御、界面制御といったコア技術を掛け合わせることで社会・環境課題を解決していくとともに、事業の経験を通じ新たなコア技術を蓄積し、さらに新たな課題解決に活かす好循環を実現します。 (iii)事業方針 a.事業共通方針 各事業はそれぞれの対面市場に向き合い、データから価値を生み出す枠組みを高度化することで、システム全体の最適化を目指します。当該方針の下、対面市場別の当社製品インストールベースをビジネス上の資産とし、適切にマネジメントするために必要なデータを収集・分析・活用し、顧客の省エネ・脱炭素化のサポート、故障予兆管理・稼働保証等のサービスを提供するソリューションプロバイダーを目指します。また、積極的にM&Aや外部パートナーとの共創・協業を検討・推進していきます。 b.グローバルビジネスセグメント 精密・電子:半導体顧客の迅速な開発と効率的な生産を支える多様なソリューションを提供することで、先端半導体の発展に貢献するとともに、顧客の省エネ・脱炭素化をサポートし、サステナブルに進化するAI社会を支える業界で唯一無二の存在となります。 エネルギー:流体圧縮移送技術、アフターサービス、グローバルオペレーションを中核に据えた技術指向型ソリューションプロバイダーを目指します。人類の発展に資するエネルギー・基礎材料の安定供給に貢献すべく、既存市場において存在感と収益性を高めつつ、新エネルギー・サステナビリティ領域では、脱炭素化のトレンドをリードする技術・ソリューション開発を積極的に行い、収益基盤の一角として育成します。 建築・産業:「業界の『初』の要求を叶える機器・ユニットを届ける新機能メーカ」「既設を含む顧客設備に『初』の価値を提案する省エネ・省人化メーカ」「機器・技術の壁を越えて『初』のサービスを提供する安定稼働実現メーカ」の3つの姿を目指します。成長市場(データセンター・電子デバイス等)でトップの地位を獲得します。ポンプ・冷熱製品とIoT技術を組み合わせたソリューション提供による付加価値向上と、生涯収益を最大化するサービス事業への進化を図ります。同時に、継続的な事業・拠点の整理・統廃合と、高収益な分野・ビジネスモデルへの経営資源のシフトにより、事業構造全体を効率化します。 c.日本起点ビジネスセグメント インフラ:「水と共に」人を・生活を・社会を支え、未来を創ります。製品とサービスのイノベーションを通じて社会・産業インフラを効率的で強靭なものにします。国内は国土強靭化・老朽化対策等に貢献し、安定的な収益と揺るぎないブランド価値を確立します。海外はグローバル供給網全体の効率化を図り、収益の安定化とグローバルブランド価値の向上を実現します。 環境:廃棄物を高付加価値の資源に変える「アップサイクラー」として、リニア経済から循環経済への移行をリードします。中核事業の高収益化と資源循環、脱炭素、ネイチャーポジティブ領域へのドメイン拡大を目指します。ケミカルリサイクル(ICFG技術)を社会実装し、資源循環処理の重要プレーヤーとなります。 d.新規事業 水素エネルギー領域のソリューションで世界トップシェアを獲得し、未来の水素社会の構築に貢献します。加えて、その他の水素利活用領域をはじめ、航空・宇宙や医療・バイオ、フードテック領域などの有望市場において、新たなビジネスを確立します。 (ⅳ)E-Vision2035で目指す、社会・環境価値と経済価値 E-Vision2035の中では、「グローバルエクセレントカンパニーとして、持続可能な社会の実現に欠かせない企業になる」ことを10年後のありたい姿として設定し、世の中に社会・環境価値を提供しつつ、同時に経済価値の最大化を目指します。 [社会・環境価値の代表例] 脱炭素社会 ・エネルギートランジションをリードする ・CO₂約2.5億トン相当のGHG(温室効果ガス)を削減 安心・安全なくらし ・気候変動に伴う水害リスクから人々の生活を守る ・世界で8億人に水を届ける 進化する豊かなくらし ・半導体製造における高集積化とサステナビリティを支え、AI社会の進展に貢献する [経済価値] 売上収益 :2兆円以上 営業利益率:20%以上 ROIC :20%以上 ROE  :25%以上 企業価値向上の目安:時価総額6兆円規模 (3)中期的な経営戦略と目標とする経営指標 ① E-Plan2028の位置付け E-Plan2028は、E-Vision2035実現に向けた最初の3か年を担う中期経営計画として、2035年の「ありたい姿」からのバックキャストと、E-Plan2025の振り返りから見えた課題を踏まえて策定しました。 ② E-Plan2025の総括 全社指標及び事業別指標については一部課題が残る項目もあるものの、全般に良好な進捗となりました。 [全社] 指標       E-Plan2025目標   2025年度実績 収益性   営業利益率   10%以上   11.9% ROIC   10%以上   11.9% ROE   15%以上   15.6% 成長性   売上収益CAGR   7%以上   12.1% 健全性   D/Eレシオ   0.3~0.5(管理目安)   0.44 財務方針   成長投資(3か年)   成長投資 1,800~2,250億円研究開発投資 650億円   成長投資 1,748億円研究開発投資 619億円 基盤投資(3か年)   500~850億円   818億円 株主還元(3か年)   連結配当性向35%以上機動的な自己株式取得   連結配当性向35%以上維持自己株式取得200億円 [事業別] 指標       E-Plan2025目標   2025年度実績 収益性 営業利益率   精密・電子   17%以上   16.9% エネルギー   12%以上   11.9% 建築・産業   7%以上   6.3% インフラ   6%以上   8.2% 環境   7%以上   13.3% 成長性 売上収益CAGR   精密・電子   15%以上   15.5% 建築・産業   6%以上   7.7% [非財務] 指標   E-Plan2025目標   2025年度実績 環境(E)   CDP評価(気候変動カテゴリ)   B以上を維持   A- Scope 1,2 GHG排出量(CO2換算)   2018年比32%削減   149千t排出(2018年度比46.3%削減) (速報値) Scope 3/削減貢献量/他(バリューチェーン)(注)1   バリューチェーンにおけるGHG排出量の合理的測定手法の確立   バリューチェーンにおけるGHG排出量の合理的測定手法の確立とそれぞれの指標に対する目標設定 社会(S)   競争し、挑戦する風土へ変革し、多様な社員が働きやすさを感じて活躍できる環境づくりを目指す・グローバルエンゲージメントサーベイ   83以上   81 グローバルモビリティの向上を目指す・Global Key Position(GKP)における非日本人社員比率(連結)   30%以上   26% 男女の賃金差異解消 ①GKP女性ポジション比率(連結) ②女性基幹職比率(単体)   ①8%以上②8%以上   ①8%②8.6% 性別に関係なく仕事と育児を両立できる企業風土を醸成・男性育児休業取得比率(単体)   100%   100% 障がいのある社員の活躍促進・障がい者雇用比率(単体+グループ適用会社4社)   2.6%以上   2.57% サプライヤ向けの人権DDの結果に基づく必要な施策の実施   国内外サプライヤへのCSR調査・教育と実地改善を通じた人権DD推進による事業継続リスクの最小化 ガバナンス(G)   取締役会のパフォーマンスの深化とG to Vへの貢献   取締役会実効性評価:評価プロセス(注)2 100%実施社外取締役支援活動:社外取会議12回/視察2回社外取締役によるステークホルダーとの対話:2件 (注)1. 2023年11月に表記変更。 WBCSD (World Business Council For Sustainable Development)が2023年3月に発行した、 Guidance on Avoided Emissionsを踏まえ、バリューチェーンにおける目標の記述に 「削減貢献量/他」を追記しました。「他」には、当社グループ製品が無害化する GHG排出係数の高い排ガスのCO₂換算相当量などを含んでいます。 2. 評価プロセス:質問票、議長による個別インタビュー、取締役の自己評価・相互評価、 議長の評価、課題の抽出、結果の開示 [5つの重点領域] 評価   評価理由 対面市場・顧客起点   ◎   対面市場別組織は概ね定着し、製品横断の受注が増加するなど統合シナジーが発現。顧客起点での開発(例:建築・産業のセットメーカ営業等)も端緒につくも刈り取りは今後の課題である 新たな価値創発   〇   水素関連事業プロジェクト、マーケティング部門による新規事業探索、建築・産業におけるEBARAメンテナンスクラウド等、顧客に入り込んだ新たな価値創出について萌芽がみられるも十分ではない。さらに顧客との共創が求められる グローバル事業基盤の確立   〇   拠点の新設・統廃合を進め、グローバルでの製造・サービス体制の最適化を推進した 経営インフラの高度化   △   ROIC経営による投資判断は深化した一方、ERPは計画より遅延しており早期挽回を図る。CxO制による機能軸運営は導入を完了し、具体的成果創出のフェーズへ移行する ESG経営の更なる進化   〇   E(環境)はScope1,2に関するGHG削減目標を達成した。また、製品・サービスを通じた顧客のGHG削減に貢献した。S(社会)は、社会課題解決に向けた事業展開を推進したほか、人材の活躍促進に向けGKP比率向上やHCM(注)1 導入、サクセッションプランの再構築を推進した。また、サプライチェーン人権DDを実施した。G(ガバナンス)は2023年にコーポレートガバナンス・オブ・ザ・イヤーを受賞も、事業拡大に伴うグループガバナンス体制の再構築、下請法違反事案等の再発防止に向けた内部統制強化が課題である (注)1. HCM:Human Capital Management ③ E-Plan2028における事業環境 E-Plan2028における事業環境は以下のように認識しています。 精密・電子(市場CAGR:CMP・ドライポンプ8.0%):生成AIが市場を牽引し、AIサーバー向け投資が加速し、先端パッケージング技術の重要度が増します。米中対立によるサプライチェーンの二極化が進む一方、インド等の新市場が台頭します。また、半導体工場においては、省エネやPFAS規制への対応ニーズが増加します。 エネルギー(市場CAGR:LNG6.0%、エチレン3.0%):低炭素燃料であるLNGは、液化・輸送・再ガス化に至るプロセス全般で堅調な需要が継続します。水素・アンモニア・CCUS等の新市場が本格形成され、脱炭素市場が拡大します。また、設備の老朽化・人員不足を背景に、保守・遠隔監視等の省人化ニーズが増大します。 建築・産業(市場CAGR:建築・産業向けポンプ3.5%):生成AIの普及により、データセンターの冷却需要が急増します。グローバル市場は緩やかに成長する一方で、中国市場は低迷が続きます。国内の人手不足を背景に、設備のIoT化やメンテナンス省人化のニーズが高まります。 インフラ(市場CAGR:国内ポンプEPC 横ばい):新たな国土強靭化中期計画が始まり、インフラ老朽化に伴う更新需要がさらに大きく高まります。インフラDXにより、維持管理分野でのAIやロボット等を活用した自動化・省人化が進展します。 環境(市場CAGR:一般廃棄物焼却施設の新設 横ばい):国内の一般廃棄物処理施設の老朽化に伴う延命化対策が進む一方、建替案件は広域化などにより、長期的に漸減します。廃棄物処理分野においては、循環経済(サーキュラーエコノミー)への移行が促進されます。 ④ E-Plan2028のテーマ・基本方針 2025年度は5期連続で過去最高の連結業績を達成しましたが、各カンパニーにおいては個別最適の追求が進む一方、急激な事業拡大に対応した共通基盤の整備に課題があります。全体最適による成長余地がある中で、その実現に向けた経営インフラの拡充が必要な局面にあることを踏まえ、E-Plan2028のテーマ及び基本方針を以下のとおり定めます。 ⑤ 事業別基本方針 精密・電子:ドライ真空ポンプ・CMP・パッケージめっきで市場シェアトップを目指し、テープ研磨装置等、新装置市場の確立・シェア拡大を図ります。他セグメントのコア技術も含めたOne Ebaraでのユニークなソリューション・パッケージ提案による競合との差別化を図ります。 エネルギー:脱炭素社会の実現をリードし、エネルギー市場向けのアンモニア、CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)、水素、SAF(持続可能な航空燃料)、地熱、そして遠隔監視・故障予知などサステナビリティ領域への取り組みを推進します。また、世界の人口増加、生活水準向上に不可欠な、エネルギーの安定供給を支え、COTC(Crude Oil to Chemicals:原油から化学品へ)を含めたエチレンを中心とした石油化学分野でのリーディングポジションを確立します。これらを実現するため、人材開発、技術製品開発、DX領域への重点的な投資を積極的に行い、競争力を確保・強化します。 建築・産業:マーケットインの視点でポンプ・冷熱機器等のソリューションを提供しつつ、成長産業(データセンター・電子デバイス市場)で新市場を開拓し、迅速に供給体制を確立します。積極的にサービス事業を展開するため、各種機器・サービスを一体で提供し、メンテナンスクラウドを中心に新しいビジネスモデルを展開します。これらを支えるグローバルな製販/地域間連携体制とSCM最適化に向け、ERP活用など事業基盤のデジタル化を進め、組織の連携と業務の効率化・変革を推進します。同時に、事業・拠点の整理・統廃合を進め、事業全体の効率性を改善します。 インフラ:国内はトップシェア維持と、守りのDXによる業務効率化・ロスコスト削減で生産性を最大化し収益力を高めます。国内インフラ老朽化、気象災害、インフラDX等の社会的要請に対しプレゼンスの強化に向けた製品・サービス開発体制の強化と市場投入の迅速化を図ります。海外は拠点との連携深化と安定収益市場へのアクセス拡大で事業規模を拡大します。 環境:既存中核事業(EPC/DBO、O&M)では、官需・民需の案件パイプラインの確実な形成による安定受注と、自働化・予兆保全によるO&Mの更なる収益性向上を図ります。既存事業と並行して、リニア経済から循環経済への移行を捉え、ICFG技術、資源循環、脱炭素に資する技術・サービスの社会実装に向けた取組みを強化し、新規事業領域を通じた成長の道筋を明確にします。 ⑥ コーポレートの基本方針 全事業オペレーションを一段高い視座から俯瞰して全体最適を追求します。その実行機能を、全社全体最適の実現を通じて企業価値を高める「純粋な本社機能」と、専門サービス提供・業務支援/代行を通じカンパニーを支援する「本社の拡張機能」の2つとして定義します。「純粋な本社機能」を強化しグループ経営を牽引します。また、「本社の拡張機能」は、受益者のニーズを踏まえて実施します。 ガバナンス:コーポレートガバナンスにおいて、取締役会はサステナビリティ経営を重視し、「執行」と両輪となって、将来を見据えた議論を一層強化します。グループガバナンスにおいては、事業の成熟度と市場の特性に応じた適切な権限委譲を通じて対面市場の対応力を高めるとともに、グループ会社の取締役選任プロセスを含む株主エンゲージメントと取締役会を通じた経営への関与により、執行としてのグループ会社監督機能の強化を進め、グループ全体のリスクを低減します。 成長投資の管理・推進:成長投資の確実な実行に向け全社的な検証プロセスを強化します。特に新規事業開発予算及び精密・電子セグメント中心の研究開発費予算は、戦略的な設定とモニタリングにより投資機会を逸することなく計画を完遂します。 EBARAソリューションプラットフォーム構築:世界中に展開されている製品群の運転データを「共通資産」と捉え、事業や製品の枠を超えて価値に変えていくための「全社的なデータ活用環境」を構築します。 ⑦ 財務方針 E-Plan2028をさらなる成長期間と捉え、過去に実施した成長投資の成果を刈り取りつつ、中長期的な企業価値最大化に資する成長投資を優先的に実施します。残余のキャッシュは原則として株主還元に振り向け最適な資本構成を保ちます。 投資戦略と規律:投資の優先順位は、EVA=(投下資本)×(ROIC-WACCスプレッド)の増加を判断基準とし、営業活動キャッシュフローを考慮のうえ、投資総額を決めます。 財務規律:格付「A」維持を前提とし、D/Eレシオ0.4~0.5かつ月商1.5~2か月の現預金保持を規律とします。 株主還元方針:配当は連結配当性向35%以上を維持しつつ、必要な投資を行い且つ財務規律の範囲内であることを前提に、ROE目標に沿った適正な自己資本水準への調整として自己株式の取得を継続的に実施していきます。これらをふまえ、3年間累計のフリーキャッシュフロー(資産売却・圧縮によるキャッシュインフローを除く)の100%以上となるよう株主還元(配当・自己株式取得)を実施します。 ⑧ 目標指標 財務数値目標及び管理目安 [全社] 分類   指標   2025年度実績   2028年度目標 収益性・効率性   ROIC(WACC)   11.9%(5.0~6.0%)   13.0%以上(8.0~9.0%) ROE   15.6%   18.0%以上 営業利益率   11.9%   14.5%以上 規模・成長性   売上収益   9,582億円   1.2兆円規模 健全性   D/E レシオ   0.44   0.4~0.5(管理目安) 手元現預金水準(月商)   1.85か月   1.5~2.0か月(管理目安) [事業別] 分類   指標   2025年度実績   2028年度目標 収益性・効率性   事業別ROIC(事業別WACC) - 精密・電子   21.0%(7.0~8.0%)   25.0%以上(9.5~10.0%) - エネルギー   12.2%(4.5~5.0%)   15.0%以上(8.0~8.5%) - 建築・産業   5.5% (4.5~5.0%)   8.5%以上 (6.0~6.5%) - インフラ   10.3%(4.0~4.5%)   12.5%以上(6.0~6.5%) - 環境   19.1%(4.7~5.2%)   13.0%以上(6.5~7.0%) 営業利益率 - 精密・電子   16.9%   20.0%以上 - エネルギー   11.9%   14.5%以上 - 建築・産業   6.3%   9.0%以上 - インフラ   8.2%   9.0%以上 - 環境   13.3%   8.5%以上 規模・成長性   売上収益CAGR   (FY2022-2025)   (FY2025-2028) - 精密・電子   15.5%   15.0%以上 - エネルギー   14.9%   8.0%以上 - 建築・産業   7.7%   8.0%以上 [サステナビリティ] マテリアリティ   提供する社会・環境価値(2035年度)   KPI(2028年度)   目標 M1持続可能な社会づくりへの貢献   8億人に水を届ける(注)1   (建築・産業)水の供給状況   75%(2035年の提供価値に対する達成率) 気候変動に伴う水害リスクから人々の生活を守る   (インフラ)浸水回避換算流域面積(注)2   7,800ha(2026年~2028年の累計) 脱炭素化に伴うエネルギートランジションをリードする   (エネルギー)サステナビリティ向け(注)3 受注構成比(製品事業)   20% CO₂削減と炭素の資源循環に寄与する技術を社会実装する   (環境)ICFG®/EUP®(ガス化)の受注   1件以上 (環境)ICFG®技術(油化)開発・社会実装進捗状況   油化技術の確立 CO₂約2.5億トン相当のGHGを削減する(2023年~2035年の累計)(注)4   当社製品・サービスによるGHG削減量(CO₂換算)(注)5   6,500万t削減(2023年~2028年の累計) 責任ある調達活動   重要サプライヤにおけるCSR調達要件適合率   75% M2進化する豊かな生活づくりへの貢献   “ダウンタイムゼロ“で世界の快適な暮らしの“流れ“を止めない   (建築・産業) 遠隔監視サービスへの接続機器台数の成長率(EBARAメンテナンスクラウド、RISSA、RISS、JES)   50%以上 (2025~2028年のCAGR) 半導体製造における高集積化とサステナビリティを支え、AI社会の進展に貢献する(注)6   (精密・電子)半導体の微細化7Å世代の半導体製造技術に対応した要素技術の開発進捗率   75%(注)7 M3環境マネジメントの徹底   事業活動に伴う環境負荷の最小化   CDP評価(気候変動)   リーダーシップレベル(A、A-)を継続 GHG(Scope 1,2)排出量(CO₂換算)   46%削減(2018年比) GHG(Scope 1,2)主要事業の 売上収益あたり排出量 (排出原単位)(CO₂換算)   66%削減(2018年比) GHG(Scope 3)カテゴリ11排出量(CO₂換算)   20%削減(2021年比) 水使用原単位   継続的な改善 国内における廃棄物の再資源化率   95%以上の維持 M4人材の活躍推進   多様な人財の活躍促進   Global Key Position(GKP)を占める多様性女性ポジション比率(連結)国籍に関する多様性指標(連結)     11.0%グローバルカンパニーとしての遜色のない水準 女性管理職比率(国内)   11.0% 男性育児休業取得率(国内)   100% 障がい者雇用比率(国内 単体+グループ適用会社5社)   2.80% 安全・安心・健康な職場環境の推進   グローバルエンゲージメントサーベイスコア   85 死亡事故・重大災害ゼロ   0件 健康経営優良法人の認定(注)8 (国内)   認定取得 M5ガバナンスの更なる革新   コーポレートガバナンスの実践   取締役会の実効性評価の実施と課題対応    議長インタビュー、自己・相互評価、議長評価、課題抽出・改革等 社外取締役を支える活動の実施   社外取締役会議、事業所視察、勉強会等 社外取締役とステークホルダーとの対話の実施   継続的な対話 (注)1. E-Vision2030で目指した価値提供「6億人に水を届ける」の更新 2. 2026〜2028年に新規・更新受注を目指す排水ポンプの総能力を基に試算した24時間連続稼働時に、浸水を床下浸水基準(50cm)以下に抑制可能な面積(東京都23区の約13%に相当) 3. CO2、アンモニア、水素、SAFなど 4. E-Vision2030で目指した価値提供「CO₂約1億トン相当の温室効果ガスを削減する」の更新 5. 当社製品の導入前後で削減できるGHG排出量をCO₂換算で算定。一部WBCSDのガイダンスを参照して算定した削減貢献量を含む 6. E-Vision2030で目指した価値提供「14Åへの挑戦」の更新 7. 7Å世代半導体製造技術の開発が完了し、商用化され、世の中の豊かな生活を支えている状態を2035年の目標と設定 8. 経産省と健康経営会議が主催する健康経営会議優良法人ホワイト500の維持および健康経営銘柄の認定 ⑨ E-Plan2028期間におけるキャッシュ・アロケーション 更なる成長に向けた投資へ経営資源を優先的に配分し、残余のキャッシュは原則として株主還元に振り向け最適な資本構成を保持します。
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会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 (1) 当社のリスクマネジメントの体制 荏原グループのリスク管理活動を統括し、審議、改善指導・支援を行う機関として、リスクマネジメントパネル(RMP)を設置しています。RMPを中心としたリスクマネジメントの体制は下掲の図のとおりです。RMPは代表執行役社長を議長とし、全執行役により構成しています。また、リスク管理における監督機能を発揮するために非業務執行の取締役が陪席し、必要に応じて助言等を行っています。RMPの審議状況は取締役会に報告され、取締役会が情報を的確に捉えて、監督機能を発揮できる体制を整備しています。あわせて、リスク対応の重要度に応じ全社的に対応が必要な場合には代表執行役社長を本部長とする対策本部を立ち上げ、全社で迅速に報告・連絡・判断をとるようにしています。 当社グループの事業活動に関するリスクについては、執行役の職務分掌に基づき各執行役がそれぞれに管理し、重要事項については経営会議で審議します。事業活動を通じたサステナブルな社会・環境の構築にかかるリスクについてはサステナビリティ委員会で審議します。RMPはリスク管理活動を統括し、当社グループ全体のリスク対応体制を整備し、リスク対応活動を支援します。 これらの執行会議体とガバナンス体制の全体像は「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」及びウェブサイトを参照ください。 https://www.ebara.com/jp-ja/ir/governance/Basic-Policy-and-Framework/ (2)事業継続マネジメント 大地震や大規模な感染症などの発生時において、国民の生命・財産にかかわる重要な施設の機能継続や早期復旧を支援するために製品・サービスを提供することは、当社グループの重要な責務であると認識しています。 この認識のもと、事業継続マネジメントシステムを構築し、組織体制や計画をまとめています。 当該体制においては、代表執行役社長を本部長とした統括本部を設置し、初動活動から事業継続及び事業復旧まで一貫して全社の活動情況を把握し、全社的な指示や情報発信を行っています。「初動活動」においては、地域毎に設置した現地本部が避難、救助、消火等を含む社員等の安全確保や資産の保全に関する活動を指揮します。「事業継続及び事業復旧活動」においては、重要業務の継続及び速やかな復旧を各カンパニーが指揮する体制としています。 2024年8月に南海トラフ地震臨時情報が発表されたことを受け、改めて災害対応の重要性を認識するために、国内主要拠点長を対象にシナリオ非提示型の大規模地震対応訓練を実施しました。また、執行役と各カンパニーのRO(Risk Officer)を対象に有事対応能力の強化を目的としたBCP訓練を実施しました。災害対応における優先順位づけの重要性等の気づきを得る一方、本社が被災した際の代替本部への権限移譲が不明確であるなどの課題が明らかとなったことから、当該課題への対応を進めています。 (3)リスク分析と当社グループの重要リスク 当社グループの事業等に関するリスクについて、中長期的な社会情勢や市場環境の変動をシナリオプランニングによって分析しています。また、足下の当社グループを取り巻くリスクについては、事業特性に照らし想定し得るリスクの中から当社グループにとっての発生可能性、影響度及び対策後の残存リスクを分析する「全社リスクアセスメント」を3年ごとに実施しており、2025年はその実施年でした。また、近年は社会情勢の変化が著しいため、中間年でもグループ重要リスクを見直すために簡易的なリスクアセスメントの実施方法を検討し、2026年以降に実施することとしました。 2025年に実施したリスクアセスメントでは、前回用いたリスク目録に加えて、第三者的視点としてISO 26000(社会的責任)やGRI(Global Reporting Initiative)スタンダード等を参照し、リスクの網羅性を高めた上で、当社グループの事業運営において想定される約110のリスク項目を作成しました。当社グループにとっての影響度と発生可能性がともに大きいもの、さらに対策の十分性を評価した上で、全執行役及びカンパニー企画部門責任者等へのアンケートとヒアリングを行い、グループ重要リスク10項目を特定しました。あわせて、主管部門や報告先執行会議体などのリスク対応体制を再整備し、RMPに報告しました。なお、2025年2月20日に公正取引委員会から下請代金支払遅延等防止法に基づく勧告を受けたことにより、改めて法令遵守の重要性を認識し、コンプライアンスリスクを選定しています。 全社共通のグループ重要リスクと、当社が対面している市場別のリスクは、以下の表の通りです。 ① 全社共通のリスク №   項目   影響度×起こりうる可能性   リスク内容   当社の対策 1   人材リスク   中×大   ・事業ごとに求める人材像の多様化・専門化による採用戦略立案及びキャリア展望構築の困難化による、要員計画の未達。・働き方の多様化や部下の成長支援など管理職の負担の急増とマネジメントスキル高度化によるチーム運営の質の低下や離職の増加。   ・事業別の採用環境に即した統合的採用戦略の再構築と、社内公募制度等の活用によるグループ内人材の最適配置。また、人材の定着・成長を促す処遇制度や教育体系の継続的な強化・見直し。・管理職の負担軽減とマネジメント教育の拡充や心理的安全性の醸成と健全な組織風土の構築。 2   国際情勢・地政学上のリスク   中×中   ・政治情勢や国際関係の変化に関する戦略的情報の収集・活用体制の未確立による事業への悪影響。・国際機関の影響力低下を背景とした地域紛争の増加及び各国に展開する当社グループ拠点の安全への影響。   ・政治情勢や国際関係の変化に係る専門的な分析及び事業への影響評価を可能とする体制の構築と経済安全保障施策の推進。・有事に備えたリスクシナリオの策定と、安全確保策の策定。 3   サプライチェーンリスク   中×大   ・保護主義の高まりや地域紛争の増加による市場アクセスの制限やサプライチェーンの分断・不安定化。・サプライヤの高齢化による事業承継リスク及び中小企業等保護に係る規制強化への対応不足。・当社グループの経済活動が人権問題に波及する認識不足。   ・サプライヤの地政学的分散や多重化の戦略的実施。事業承継リスクを加味した中長期かつ強靭なサプライチェーンの構築。・人権デュー・ディリジェンス等への対応強化と社内教育の充実。 4   気候変動・自然災害   大×小   ・当社グループ及び当社製品における脱炭素化への対応遅れによる国際市場での競争力低下及びビジネス機会の喪失。・気象災害の激甚化等の自然災害による当社事業場やサプライチェーンへの直接的な損害の発生。   ・長期的・多様なシナリオ分析に基づくリスクと機会の予測と対策を実施。→気候関連シナリオ分析については当社ウェブサイト「気候関連開示(TCFD提言)」※1を参照ください。・荏原グループの2050年カーボンニュートラルに向けた施策の着実な推進。→詳細は当社ウェブサイト「荏原グループのカーボンニュートラル」※2を参照ください。・国内地震対策を中心とした事業継続計画から、海外グループ会社を含めたオールハザード型の事業継続計画への転換。 5   市況等の変化リスク   中×中   ・為替変動や金利上昇等による業績への影響。・半導体産業を始めとしたビジネスサイクルの短期化による需要変動への対応遅れによる市場シェア喪失。   ・対面市場別5カンパニー制によるリスク分散の継続、及びサービス・ソリューション事業の強化による安定的な収益基盤の拡大。・景気変動に対応した生産体制の構築と意思決定の迅速化。 6   技術革新・研究開発の失敗   大×小   ・変化の激しい市場環境において、技術革新を支える人材不足や研究開発と事業戦略との連携不足による顧客要求への対応遅延や競争優位性の喪失。・チャレンジ精神に溢れる人材不足による新たな付加価値の創出不全。   ・研究開発活動に関する知識・ノウハウの形式知化及びAI活用による開発効率と質の向上。事業部門トップとの連携強化。・技術者・研究者のローテーションや社外共創・協業を通じた異文化・価値創造体験を増やし、次代を担う「失敗を恐れない人材」の育成。 7   サイバーセキュリティリスク   中×中   ・外部からのサイバー攻撃、自社や委託先での人為的過失に加え、自然災害やインフラ障害など不測の事態により、重要な業務やサービスの長時間停止、機密情報・個人情報の漏洩、重要データの破壊・改ざんが発生する可能性、及びサプライチェーン全体に影響が及ぶリスクの誘発。   ・多層的な技術的防御策の導入、及びISO 27001準拠レベル体制整備とそのPDCAサイクルの定着。・情報セキュリティに関する人材の確保、及び攻撃トレンドの変化(アカウント乗っ取り型攻撃の増加等)に対する継続的な教育と訓練実施による防御力の向上。・グループ社員のセキュリティ・リテラシーの向上。・サプライチェーン管理能力強化 8   M&Aリスク   中×小   ・デュー・ディリジェンスで買収対象会社の財務状況及び事業運営に重大な影響を及ぼす不適切な事項を発見できないことによる、当社への悪影響。・買収後の統合プロセスの不備・遅滞に伴う、期待したシナジーの未達。   ・案件実行の迅速化及びM&Aに関する知見の集約と人材育成を図る専門部署の設置。ならびに各領域の専門家による不適切事象の精査。・カンパニーとコーポレートの担当部門間連携による、円滑な統合に向けた推進体制の構築とその進捗の確認。 9   品質リスク   中×小   ・ベテラン社員の知識・ノウハウに過度に依存した製品開発が続くことで、退職による製品品質への負の影響。・自社基準や組織の論理に基づく判断の恣意性による品質不正の誘発。   ・過去データやノウハウなどをデジタルで見える化・共有化による品質保証プロセスの変革・技術者倫理教育・ガバナンスの徹底及び、早期の予防・未然防止を徹底する品質重視文化の醸成。 10   コンプライアンスリスク   中×小   ・法令遵守に対する意識の希薄化や制度の形骸化による当社役員や従業員による重大な法令違反等。損害賠償等による経済的損失、行政処分による受注機会の逸失及び社会的評価の低下。   ・当社グループに大きな影響を与える法令の整理と主管部門の明確化、ならびに法令変更時等の予兆段階からの把握と影響調査とエスカレーション体制の運用による早期対応の徹底。・部下への適切な指導・監督を可能とする組織体制の適正化、報告・相談が咎められない文化の醸成。 注1.気候関連開示(TCFD提言):https://www.ebara.com/jp-ja/sustainability/think/tcfd/ 2.荏原グループのカーボンニュートラル: https://www.ebara.com/jp-ja/sustainability/environment/carbon-neutrality/ ② 対面市場別リスク セグメント   対面市場   主要製品   主なリスク   当社の対策 建築・産業   建築設備・産業設備    標準ポンプ(陸上ポンプ、水中ポンプ、給水ポンプ)、冷熱機械、送風機   ・需要増加地域での規制強化と価格競争激化・人口減少地域での建築設備需要減による市場縮小に伴う収益悪化・輸出規制及び制裁への対応を含めたコンプライアンスリスク   ・製品開発による差別化、S&S事業への注力や業務効率化による競争優位性の確保・グローバル市場でのリソースの戦略的最適化・継続的なコンプライアンス教育と内部監査の実施 エネルギー   石油・ガス 電力 新エネルギー    カスタムポンプ、コンプレッサ・タービン、クライオポンプ・エキスパンダ   ・石油価格の変動により、急激な需要変動が発生・脱炭素社会への移行により、客先の需要動向が変化・景気後退時に受注量や販売価格が下落し、生産能力の余剰が発生する等、損益を圧迫する一方、景気好転時にはサプライチェーン起因を含む生産能力不足等が生じ、シェアを低下させるリスク・輸出規制及び制裁への対応を含めたコンプライアンスリスク   ・水素等、次世代エネルギー関連事業の促進・需要の変化に対し、先行指標の確認等による、高い予測精度での投資計画の策定・実施とリソース管理・需要の変化に対し、リードタイム短縮や設計・製造の自動化等、効率化による損益分岐点の低下・需要の変化に対し、S&S事業比率の上昇による安定収益の確保・継続的なコンプライアンス教育と内部監査の実施 インフラ   水インフラ カスタムポンプ(農業用ポンプ、排水ポンプ、上下水道ポンプ)、トンネル用送風機   ・海外市場での規制強化と価格競争激化・公共事業特有のコンプライアンスリスク   ・製品開発による差別化、S&S事業への注力や業務効率化による競争優位性の確保・グローバル市場へのリソースのシフト・継続的なコンプライアンス教育と内部監査の実施 環境   固形廃棄物処理   都市ごみ焼却プラント、産業廃棄物焼却プラント   ・人口減少と循環経済への移行による焼却処理する廃棄物の減少・労働市場の縮小による、施設オペレーションの人材不足の懸念・公共事業特有のコンプライアンスリスク・リチウムイオン電池の発火等が原因の施設火災   ・新技術やライフサイクルアセスメント(LCA)などによる差別化、業務効率化による競争優位性の確保・継続的なコンプライアンス教育と内部監査の実施・火災の予防および早期検知と拡大防止をソフトとハードの両面で強化 精密・電子   半導体製造    真空ポンプ、CMP装置、めっき装置、排ガス処理装置     ・半導体需要の変動に伴う、客先の投資・稼働の変化や需給不均衡による収益・シェアへの影響リスク・輸出規制への対応を含めたコンプライアンスリスク・半導体業界の人財獲得競争による人材不足リスク   ・先行指標の確認等による、高い予測精度での投資計画の策定・実施とリソース管理・リードタイム短縮や設計・製造の自動化等、効率化推進による損益分岐点の低下・S&S事業の拡充による安定収益の確保・継続的なコンプライアンス教育と内部監査の実施・人材戦略の再構築及びエンゲージメント向上施策の推進 (4)顕在化したリスクへの対応状況 経営に重要な影響を及ぼす恐れのある、全社的に対応が必要な事態が発生した場合には、リスク対応体制として代表執行役社長を本部長とする対策本部を立ち上げ、全社で迅速に報告・連絡・判断ができるようにしています。161期に顕在化したリスク及びその対応としては以下のとおりです。 ① 法令遵守等のコンプライアンスリスクへの対応 当社は2025年2月20日に公正取引委員会から下請代金支払遅延等防止法(以下、下請法)に基づく勧告を受けました。下請法やその他関連する法令遵守に向けた再発防止とサプライヤとのより健全な関係構築に向けて「全社公正調達推進プログラム」に注力しました。具体的には、型管理の適正化、取引の適正化(支払遅延、代金減額、買いたたき、受領拒否、割引困難な手形の交付・受取拒否、協議に応じない一方的な代金決定等の防止)、価格転嫁への適正な対応、関連する業務プロセスや社内規程・制度の見直しや整備を実施しています。また、施策の履行状況については、RMPに対し定期的に報告を行い、実効性のあるモニタリング体制を維持しています。 下請法(2026年1月より製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律)に関連する法令のみならず、当社グループが遵守すべき最新の法令を把握し、コンプライアンス経営を一層深化させるために、「法令改定対応委員会」を新設しました。法改正情報の早期捕捉および影響分析に基づき、必要に応じてタスクフォースを組織することで、適時適切な法令改正への対策を講じる体制としています。さらに、CRO(Chief Risk Officer)の主導により改正法の法令遵守方針を定め、各事業責任者およびグループ会社への周知徹底と、モニタリングに努めております。 ② 地政学上のリスクへの対応 2025年4月から米中経済対立、米国関税政策、その他地政学上の懸念事項に対する、定期的な執行役等による情報共有および対策協議を実施しています。2025年6月のイスラエル・イランの両国間の緊張激化に際しては、駐在員及びその家族の退避方針を検討しました。国際情勢が大きな転換期を迎えるなか、貿易管理部門の機能を拡張し、経済安全保障施策の推進と経済制裁に対するコンプライアンス体制を整備しました。今後はリスクシナリオの策定やサプライチェーンへの影響分析などを通じ、当社グループの事業の戦略的不可欠性・自律性の実現を図っていきます。 ③ 環境及び労働安全における課題への対応 2025年に当社事業所内で発生した事故の中には、重大な事態につながりかねない事案も見られました。これを受け、部門横断的な調査および検証を実施した結果、工程の進捗を優先するあまり工事審査の通過自体が目的化し、施工の計画・実施段階における安全意識が希薄化していることが判明しました。安全性の向上に向けた抜本的な改革を実施するため、2026年にEHS(Environment, Health & Safety:環境・衛生・安全)を統合的に推進する部署を設置しました。今後は、グループ全体で一貫した施策を展開し、安全を優先する組織文化の醸成を図ります。 ④ 国内における巨大地震への対応 2025年12月9日に「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が発表されたことを受け、対象となる地域(1道6県)の勤務者に対し、地震への備えの再確認や迅速な避難態勢の準備を指示しました。特に津波避難対策特別強化地域の拠点では在宅勤務を原則とし、本社と防災担当者との常時連絡体制を整えました。特別な注意の呼び掛け期間の終了に伴い、業務遂行上の支障がないことを確認した上で、同月16日より通常体制へ移行しました。なお2025年8月に改訂された「南海トラフ地震臨時情報 防災対応ガイドライン(内閣府)」を参考に、2つの地震情報で齟齬が生じないよう、社内ガイドラインを作成しております。
経営成績の分析 (MD&A)8,519字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。 (1)経営成績 (単位:百万円) 前連結会計年度   当連結会計年度   増減額   増減率 (%) 受注高   860,579   949,683   89,103   10.4 売上収益   866,668   958,285   91,617   10.6 営業利益   97,953   113,802   15,848   16.2 売上収益営業利益率 (%)   11.3   11.9   -   - 親会社の所有者に帰属する当期利益   71,401   76,633   5,232   7.3 基本的1株当たり当期利益 (円)   154.62   166.31   11.69   7.6 当連結会計年度における我が国経済は、個人消費や企業の設備投資が持ち直し、景気は緩やかな回復傾向が継続しました。世界経済は、中国経済の停滞による下振れリスクはあるものの、持ち直しの動きがみられました。一方で、米国の政策動向、米中の対立による半導体輸出管理規制強化、ウクライナ情勢や中東情勢などの地政学リスクには注視が必要な状況です。 このような環境の下、当社グループは2023年を初年度とした3か年の中期経営計画「E-Plan2025」において、「顧客起点での価値創造」をテーマに対面市場別組織へ移行し競争力の強化を図り、経営指標の達成に向けた各種施策への取り組みを進めてきました。 当連結会計年度の受注高は、「エネルギー」においては、大型案件のあった前期を下回りました。一方で、「環境」においては、大型案件の受注があり前期を上回りました。「精密・電子」においては、生成AI向け等、半導体需要の回復により、一部顧客の工場稼働率の上昇や増産投資の再開を受けて前期を上回りました。この結果、全社の受注高は前期比で増加となりました。売上収益は全セグメントで増収となり、営業利益は「精密・電子」「環境」「インフラ」が寄与したことに加え、前期に「建築・産業」で計上したのれんの減損損失が生じなかったため増益となりました。 これらの結果、当連結会計年度における受注高は9,496億83百万円(前期比10.4%増)、売上収益は9,582億85百万円(前期比10.6%増)、営業利益は1,138億2百万円(前期比16.2%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は766億33百万円(前期比7.3%増)となり、いずれの項目においても過去最高額を更新しました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。 (単位:百万円) セグメント   受注高   売上収益   セグメント損益 前連結 会計年度   当連結 会計年度   増減率(%)   前連結 会計年度   当連結 会計年度   増減率(%)   前連結 会計年度   当連結 会計年度   増減率(%) 建築・産業   244,401   249,285   2.0   238,182   241,938   1.6   10,341   15,251   47.5 エネルギー   222,743   194,777   △12.6   210,434   217,845   3.5   28,008   25,943   △7.4 インフラ   60,559   62,973   4.0   51,118   57,143   11.8   3,697   4,680   26.6 環境   71,594   135,392   89.1   87,438   97,864   11.9   8,445   13,003   54.0 精密・電子   260,059   303,447   16.7   278,378   342,267   23.0   50,133   57,773   15.2 報告セグメント計   859,359   945,875   10.1   865,552   957,059   10.6   100,625   116,652   15.9 その他   1,220   3,808   212.2   1,115   1,225   9.9   △2,826   △2,294   - 調整額   -   -   -   -   -   -   153   △556   - 合計   860,579   949,683   10.4   866,668   958,285   10.6   97,953   113,802   16.2 <建築・産業> 建築設備市場は、日本、中東、欧州は回復傾向にあるものの、その他の地域は弱含んでいます。受注高は、国内ではサービス&サポート需要の取り込みが寄与し、海外では中国は低迷したものの北米のデータセンター向けが堅調だったことにより、前年度を上回りました。売上収益は、国内ではサービス&サポートが好調で、海外では中国は低迷したものの北米、中東、欧州が堅調だったことにより増収となりました。セグメント利益は、増収効果に加え、トルコの子会社Vansan社に係るのれんの減損損失の計上がなくなったことにより、増益となりました。 これらの結果、受注高は前期から48億83百万円増の2,492億85百万円、売上収益は37億56百万円増の2,419億38百万円、営業利益は49億9百万円増の152億51百万円となりました。 <エネルギー> 石油化学市場は全体的に落ち着いて推移した一方、LNG市場は北米において顧客の投資マインドが回復傾向にあります。受注高は、製品については、石油化学案件の減少により前年度を下回ったものの、中国の電力向けは堅調に推移しました。サービス&サポートについては、フィールドサービスやパーツの減少により前年度を下回りました。売上収益は、製品については前年度を下回ったものの、サービス&サポートは中東、アジアで堅調に推移したことにより、増収となりました。セグメント利益は、主に固定費の増加により減益となりました。 これらの結果、受注高は前期から279億66百万円減の1,947億77百万円、売上収益は74億11百万円増の2,178億45百万円、営業利益は20億64百万円減の259億43百万円となりました。 <インフラ> 受注高は、国内の公共ポンプ市場の更新・補修に対する需要が堅調に推移したことに加え、海外では南米や北米の大型案件を受注したことにより、前年度を上回りました。売上収益は、国内公共向け、海外ともに受注残を順調に消化し増収となりました。セグメント利益は増収効果により増益となりました。 これらの結果、受注高は前期から24億13百万円増の629億73百万円、売上収益は60億24百万円増の571億43百万円、営業利益は9億83百万円増の46億80百万円となりました。 <環境> 受注高は、ごみ処理施設の延命化や改修の大型案件4件を受注し、前年度を上回りました。売上収益は、O&M(Operation & Maintenance プラントの運転管理・メンテナンス)の増加により増収となり、セグメント利益も増収効果と収益性改善により増益となりました。 これらの結果、受注高は前期から637億97百万円増の1,353億92百万円、売上収益は104億25百万円増の978億64百万円、営業利益は45億57百万円増の130億3百万円となりました。 <精密・電子> 半導体市場は、顧客の工場稼働率は生成AI向け需要を中心に引き続き回復傾向であるものの、増産投資の本格的な再開は当初の想定より遅れています。また、中国の半導体市場は従来の勢いが落ち着いたものの一定の規模を維持しました。受注高及び売上収益は、CMP、コンポーネントの需要回復により、製品、サービス&サポートともに前年度を上回りました。セグメント利益は、増収効果により、増益となりました。 これらの結果、受注高は前期から433億87百万円増の3,034億47百万円、売上収益は638億88百万円増の3,422億67百万円、営業利益は76億40百万円増の577億73百万円となりました。 <セグメント別の事業環境と事業概況> セグメント   2025年12月期の事業環境   2025年12月期の事業概況と受注高の増減率 (注)1 建築・産業    <海外>・北米は建設コストの高騰、労働力不足が引き続き重荷となり、市場の停滞が続いている。・欧州はエネルギー供給の不安定さや地政学リスクが投資意欲を抑制し、建築設備市場は低迷が続いている。・中国は不動産市場の調整が継続し住宅・商業分野の民間投資は抑制され、建築設備市場は減退している。 <国内>・建築設備市場は、建設コスト上昇の影響により建築着工棟数は減少傾向にあるが、サービス市場での需要は引き続き増加傾向である。・産業市場は、脱炭素化を見据えた設備投資の検討や事業構造の転換など中長期で大きな変化が想定されるが、足元では堅調に推移している。一方で、国内外の製造業・建設業の不振により鉄鋼需要が減退し、さらに輸入材の増加によって国内鉄鋼業界が低迷して、設備投資が停滞している。   <海外>・欧米及びアジア地域では受注が堅調に推移しているが、中国の景気減退により、受注高は前期を下回る。 <国内>・サービス&サポートの受注が堅調に推移しており、受注高は前期を上回る。 エネルギー    ・製品分野は、オイル&ガス市場は中東地域の需要が増加傾向にある一方、石油化学市場は全体的に落ち着きがみられる。LNG市場では北米において顧客の投資マインドが回復傾向にあり、中国の電力市場も引き続き活発に推移している。・サービス分野は、メンテナンスの需要が一巡し通常レベルに戻る兆しがみられるが、足元では堅調に推移している。    ・製品の受注高は、前期を下回る。・サービス分野の受注高は、前期を下回る。 インフラ   <海外>・水インフラ市場は、東南アジアは経済成長によるポンプ需要が牽引し、北米においては施設の老朽化による整備などが進み需要は堅調に推移している。中国は、政府の財政出動による公共投資において減速傾向もみられるが、一定の需要は継続している。 <国内>・社会インフラの更新・補修に対する投資は、堅調に推移している。・公共向け建設市場は、例年どおりに推移している。既存設備のアフター関連は堅調な需要が継続している。   <海外>・水インフラの受注高は前期並み。 <国内>・公共向けの受注高は総合評価案件やアフターサービスの受注拡大などの施策の継続的な取り組みにより堅調に推移しており、前期を上回る。 環境(注)2   ・公共向け廃棄物処理施設の新規建設需要は例年どおりに推移している。・既存施設のO&Mの発注量は例年どおり推移している。・民間向けの木質バイオマス発電施設や廃プラスチックなどの産業廃棄物処理施設は、一定の建設需要が継続している。   ・大型案件の受注により、EPCは横ばいながらO&Mが大きく伸び、前期を大きく上回る。[大型案件の受注状況]・公共向け廃棄物処理施設の基幹的設備改良工事(2件)・公共向け廃棄物処理施設の基幹的設備改良工事及び長期包括運営契約(2件) 精密・電子    ・顧客の工場稼働率は、生成AI向け需要を中心に引き続き回復傾向であるものの、増産投資の本格的な再開は当初の想定より遅れている。     ・製品受注は、ロジック/ファウンドリ向けが好調に推移、メモリ向けは前期を上回ったものの顧客の本格的な投資再開は2026年以降を見込む。また、顧客の工場稼働率の回復に伴い、サービス&サポート受注も前期を上回る。 (注)   1.   矢印は受注高の前期比の増減率を示しています。 +5%以上の場合は 、△5%以下の場合は 、±5%の範囲内の場合は で表しています。 2.   EPC(Engineering, Procurement, Construction)   ………プラントの設計・調達・建設 O&M(Operation & Maintenance)   ………プラントの運転管理・メンテナンス 生産、受注及び販売の状況は以下のとおりです。 ① 生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。 セグメントの名称   生産高(百万円)   前期比(%) 報告セグメント 建築・産業   235,367   3.1 エネルギー   205,926   0.9 インフラ   52,728   7.7 環境   23,376   2.2 精密・電子   248,503   15.5 報告セグメント計   765,902   6.5 その他   218   △8.8 合計   766,120   6.4 ② 受注状況 当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。 セグメントの名称   受注高(百万円)   前期比(%)   受注残高(百万円)   前期比(%) 報告セグメント 建築・産業   249,285   2.0   75,789   10.3 エネルギー   194,777   △12.6   213,790   △10.6 インフラ   62,973   4.0   83,453   8.5 環境   135,392   89.1   384,675   11.7 精密・電子   303,447   16.7   151,591   △19.3 報告セグメント計   945,875   10.1   909,300   △0.8 その他   3,808   212.2   2,719   1,882.1 合計   949,683   10.4   912,020   △0.6 ③ 販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。 セグメントの名称   販売高(百万円)   前期比(%) 報告セグメント 建築・産業   241,938   1.6 エネルギー   217,845   3.5 インフラ   57,143   11.8 環境   97,864   11.9 精密・電子   342,267   23.0 報告セグメント計   957,059   10.6 その他   1,225   9.9 合計   958,285   10.6 (注)   上記①から③の金額は、いずれも販売価格によっており、セグメント間取引消去後の金額です。 (2)財政状態 ① 資産 当連結会計年度末における資産総額は、前年度末に比べて現金及び現金同等物が275億46百万円、棚卸資産が82億65百万円減少した一方、有形固定資産が560億40百万円、営業債権及びその他の債権が388億97百万円、のれん及び無形資産が76億76百万円、その他の流動資産が75億65百万円増加したことなどにより、771億15百万円増加し、1兆822億1百万円となりました。 ② 負債 当連結会計年度末における負債総額は、前年度末に比べて契約負債が262億80百万円、営業債務及びその他の債務が192億76百万円減少した一方、社債、借入金及びリース負債が743億3百万円、その他の流動負債が86億44百万円、引当金が32億円増加したことなどにより、407億85百万円増加し、5,605億34百万円となりました。 ③ 資本 当連結会計年度末における資本は、配当金を277億18百万円支払い、自己株式を200億77百万円取得した一方、親会社の所有者に帰属する当期利益766億33百万円を計上し、在外営業活動体の換算差額が75億円増加したことなどにより、前年度末に比べて363億29百万円増加し、5,216億66百万円となりました。親会社の所有者に帰属する持分は5,088億75百万円で、親会社所有者帰属持分比率は47.0%となりました。 (3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 ① キャッシュ・フロー 営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益は前期比11.1%増の1,109億77百万円となったものの、営業債権及びその他の債権の増加、契約負債の減少、営業債務及びその他の債務の減少等により、407億55百万円の収入超過(前期比601億84百万円の収入減少)に留まる結果となりました。 投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出922億14百万円などにより、912億32百万円の支出超過(前期比426億77百万円の支出増加)となりました。 営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローを合わせたフリー・キャッシュ・フローは、504億76百万円の支出超過(前期比1,028億62百万円の収入減少)となりました。 財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金及び長期借入金が純額で886億62百万円増加したこと、配当金の支払い277億18百万円、自己株式の取得による支出200億77百万円、社債の償還による支出150億円などにより、168億36百万円の収入超過(前期比487億52百万円の収入増加)となりました。 以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前年度末から275億46百万円減少し、1,434億85百万円となりました。 ② 財務戦略の基本方針 当社グループは、E-Plan2028において中長期的な企業価値最大化に資する成長投資を優先的に実施し、残余のキャッシュは原則として株主還元に振り向け最適な資本構成を保つことを財務戦略の基本方針とします。現在の事業推進に必要十分と考える「シングルAフラット」(注)の信用格付け維持を基本とし、D/Eレシオを財務規律として0.4~0.5倍を基準に負債の活用を図ります。株主還元について、配当は連結配当性向35%以上を維持しつつ、必要な投資を行い且つ財務規律の範囲内であることを前提に、ROE目標に沿った適正な自己資本水準への調整として自己株式の取得を継続的に実施していきます。これらをふまえ、3年間累計のフリーキャッシュフロー(資産売却・圧縮によるキャッシュインフローを除く)の100%以上となるよう株主還元(配当・自己株式取得)を実施します。 (注)1.格付投資情報センター(R&I)による格付 ③ 資金調達について 当社グループは、事業を行う上で必要となる運転資金や成長のための投資資金として、営業キャッシュ・フローを主とした内部資金だけでなく金融機関からの借入や社債の発行などの外部資金を有効に活用していきます。D/Eレシオは0.4~0.5を基準に負債の活用を進めます。 また、現金・預金等の水準(手元流動性)については、連結売上収益の1.5~2か月分を目安に適正水準の範囲でコントロールする方針です。これに加えて、金融リスク等不測の事態に対応するためのコミットメントライン契約や季節要因等の手元資金変動に対応するための当座貸越契約を締結することで、代替流動性を確保しています。なお、グループ内の資金効率を高めるため、資金を当社に集中する制度を運用しています。 契約の種別並びに当連結会計年度末の借入未実行残高は次のとおりです。 種別   金額 当座貸越契約   550億円 コミットメントライン契約   1,000億円 借入実行高   700億円 借入未実行残高   850億円 (4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、IFRS会計基準に基づいて作成されています。連結財務諸表の作成にあたり、期末時点の状況をもとに、種々の見積りと仮定を行っていますが、それらは連結財務諸表、偶発債務に影響を及ぼします。 詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりです。

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