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日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,061.95+295ドル円158.66-1NASDAQ26,217.83+118S&P 5007,666.6+35SOX 指数11,339.25+519/2終値

KOKUSAI ELECTRIC

KOKUSAI ELECTRIC CORPORATION6525 · Prime · 電気機器

半導体前工程の成膜・熱処理装置に特化。バッチALDで世界トップシェアを握る専門メーカー

概要

KOKUSAI ELECTRICは、半導体前工程の成膜(CVD・ALD)と熱処理に特化した専業メーカーである。2023年に東京証券取引所プライム市場に上場。バッチALD装置で世界シェア1位、枚葉プラズマトリートメント装置でも同1位を占める。2026年3月期の売上収益は2,351億円、従業員数は2,609人。日立国際電気から半導体装置事業を承継し、現在は独立した企業グループとしてグローバルに事業を展開する。

装置ビジネスとサービスビジネスの二軸構造

KOKUSAI ELECTRICの事業は、半導体製造装置の販売を中心とする「装置ビジネス」と、アフターサービスや消耗品販売からなる「サービスビジネス」に二分される。装置ビジネスでは、バッチ成膜装置(AdvancedAce®シリーズ、TSURUGI® 剱®シリーズ)や枚葉プラズマトリートメント装置(MARORA®)、熱処理装置を提供する。サービスビジネスでは、保守点検、消耗部品販売、有償修理、装置移設・改造、200mm以下のレガシー装置販売などを行い、リカーリング収益を生む。2026年3月期の販売実績は、製品が1,399億円、サービスが951億円であり、サービスが前期比27.4%増と成長している。

バッチALD装置で世界首位の競争力

同社の競争力の核心は、バッチALD(原子層堆積)技術にある。半導体デバイスの微細化・三次元化に伴い、高品質な薄膜形成と高い生産性の両立が求められる中、同社はバッチALD技術で顧客要求を満たす。TechInsights社の2025年調査によれば、バッチALD対応装置市場で売上高世界シェア1位を獲得している。また、枚葉プラズマトリートメント装置が属するPlasma Gate Modification Tools市場でも、Gartner社の2025年調査で世界シェア1位である。これらの技術は、温度制御、自動搬送、真空・ガス置換、成膜技術などの統合により実現されている。

半導体市況に連動する収益と主要顧客

業績は半導体デバイスメーカーの設備投資に大きく依存する。2026年3月期の売上収益は2,351億円(前期比1.6%減)、営業利益は418億円(同18.5%減)、親会社所有者帰属当期利益は301億円(同16.4%減)と減収減益となった。これは前期の中国DRAM向け投資の反動や製品構成変化、研究開発投資増等による。主要顧客はSamsung Electronics(売上比21.8%)、Taiwan Semiconductor Manufacturing(同13.4%)であり、特定顧客への依存度が高い。中長期では、AI需要拡大による先端ロジック・DRAM向け投資が成長を牽引すると見込む。

グローバルな生産・サービスネットワーク

同社グループは、国内連結子会社(国際電気セミコンダクターサービス)、米国(Kokusai Semiconductor Equipment Corporation)、欧州(Kokusai Semiconductor Europe GmbH)、韓国(Kook Je Electric Korea)、台湾(Kokusai Electric Asia Pacific)、中国(科意半導体設備(上海))など、7社の連結子会社で構成される。主要生産拠点は富山事業所で、1991年に操業開始。海外にはデモセンターやサービス拠点を配置し、半導体工場に近い場所で迅速なアフターサービスを提供する。装置のライフサイクル全体にわたるサポート体制が、サービスビジネスの拡大を支えている。

業界の中での役割は半導体前工程用成膜装置・熱処理装置の大手専門メーカーにあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
2,351億円
営業利益
418億円
営業利益率
17.8%
純利益
301億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01半導体前工程(成膜・熱処理)主力

半導体ウェーハ上に薄膜を形成する成膜装置(バッチCVD/ALD)と、熱処理(酸化・アニール・拡散・トリートメント)装置を提供。バッチALD装置で世界シェア1位。n枚葉プラズマトリートメント装置も世界シェア1位。顧客はロジック・メモリ等の半導体メーカー。

バッチALD技術で競合優位性の高いコア技術を保有

主要顧客半導体メーカー(有報では顧客名非開示)

主な製品・サービス4
バッチ成膜装置(AdvancedAce®シリーズ)世界シェア首位
最大200枚のウェーハを一括処理可能な成膜装置。温度制御・自動搬送・真空技術を結集し、高品質・高生産性を実現。LP-CVD、ALDに対応。
バッチ成膜装置(TSURUGI® 剱®シリーズ)
次世代3次元デバイス向けに新反応炉を採用。高品質・高生産性のバッチALDに対応したサーマルプロセス装置。
枚葉プラズマトリートメント装置(MARORA®)世界シェア首位
成膜後、プラズマや加熱で膜質を改善する装置。複雑な形状にも対応し、高生産性。低温成膜の需要拡大を受け成長。
熱処理装置(酸化・アニール・拡散)
バッチ成膜装置のプラットフォームで熱酸化、アニール、拡散プロセスに対応。プロセスに応じた反応炉をセット。

02半導体前工程(サービスビジネス)準主力

自社製装置のライフサイクル全般にわたるアフターサービスを提供。消耗部品販売、保守サービス、有償修理、装置移設・改造、レガシー装置販売等。安定的なリカーリング収益源。

主な製品・サービス3
消耗部品・保守サービス
装置の定期的な保守点検や消耗部品の交換・販売。装置の安定稼働を支える。
装置移設・改造
顧客要望に応じた装置の移設、プロセス変更、アップグレード等のサービス。
レガシー装置販売
200mm以下のウェーハ対応装置や中古装置を新規・中古で販売。パワーデバイス向けの高温アニール装置も提供。

製品と技術

最大200枚一括処理のバッチ成膜装置AdvancedAceシリーズ

AdvancedAce®シリーズは、ラージバッチプラットフォームに位置づけられ、最大200枚のウェーハを一括処理可能な成膜装置である。温度制御技術、自動搬送技術、真空・ガス置換技術、冷却技術、成膜技術を結集し、高品質かつ高生産性を実現する。LP-CVD(減圧化学気相成長)とALD(原子層堆積)の両プロセスに対応しており、同社の主力製品として半導体メーカーの量産ラインで広く使用されている。同市場における2025年の売上高世界シェアは1位である。

次世代三次元デバイス向けTSURUGI剱シリーズ

TSURUGI® 剱®シリーズは、三次元(立体)構造を持つ次世代デバイス向けに開発されたバッチ成膜装置である。新反応炉の採用により、従来よりも高品質な成膜と高い生産性を両立する。特にバッチALD技術に最適化されており、複雑な形状への均一な薄膜形成が求められる先進ロジックや3D NAND、DRAMの製造プロセスに対応する。同シリーズは、同社のバッチALDの競争力をさらに強化し、先端デバイス向け成膜の標準機となることを目指している。

膜質改善を実現する枚葉プラズマトリートメント装置MARORA

MARORA®は、成膜後にプラズマや加熱を用いて膜中の不純物を除去し、膜質を改善する枚葉処理装置である。半導体デバイスの微細化・複雑化に伴い、低温環境での成膜需要が増加しており、同装置は低温でも高品質な膜質を維持するソリューションとして需要を伸ばしている。複雑な半導体形状にも対応可能で、高い生産性を誇る。2025年時点で、Plasma Gate Modification Tools市場における世界シェア1位(Gartner社調べ)を獲得しており、バッチ成膜装置に次ぐ柱として成長が期待される。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

電気機器のなかでの位置

会社が挙げる強い分野

  • 世界シェア首位バッチ成膜装置(AdvancedAce®シリーズ)バッチALD対応装置市場で2025年売上高世界シェア1位半導体前工程(成膜・熱処理)
  • 世界シェア首位枚葉プラズマトリートメント装置(MARORA®)プラズマゲートトリートメントツール市場で2025年売上高世界シェア1位半導体前工程(成膜・熱処理)
  • 半導体前工程(成膜・熱処理)バッチALD技術で競合優位性の高いコア技術を保有

有価証券報告書(2026/3期)で会社自身が述べている位置付けです。第三者による調査ではありません。

半導体成膜装置で世界有数、高成長続く

KOKUSAI ELECTRICは半導体製造装置、特に成膜装置で世界有数のシェアを誇る。同業他社のイビデンは基板、SCREENは洗浄装置と異なり、成膜装置に特化することで競争優位を築いている。売上高は2000億円強で、営業利益率は20%前後と非常に高く、SCREENと並ぶ高収益体質だ。半導体需要の拡大と先端プロセスへの投資増加を背景に、需要は旺盛で、特にメモリ向け成膜装置に強みを持つ。ただし、特定領域への特化は需要変動の影響を受けやすく、顧客の投資計画に業績が左右される。

強み

  • 半導体成膜装置で世界トップクラスのシェアを持ち、顧客の生産効率向上に貢献。
  • 営業利益率20%前後と高く、強固な収益力を背景に研究開発を加速できる。
  • 先端プロセス向けのALDなど高度な成膜技術を持ち、競合他社に対する優位性が高い。
  • 主要半導体メーカーと長期的な取引関係を持ち、新製品の共同開発なども行う。

課題

  • 半導体メモリ市場に依存が高く、需要変動が業績に大きく影響する。
  • 成膜装置は東京エレクトロンやラムリサーチなどが競合し、技術競争が熾烈。
  • 半導体市場の成長鈍化時には需要が縮小するリスクがあり、新市場開拓が必要。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

半導体製造装置の時価総額近傍。太字がKOKUSAI ELECTRIC

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
16301小松製作所6.9兆円17.9倍
27751キヤノン6.2兆円11.8倍
36146ディスコ6.0兆円44.3倍
46920レーザーテック3.1兆円37.5倍
56361荏原製作所2.0兆円25.4倍
66525KOKUSAI ELECTRIC2.0兆円64.9倍
75334日本特殊陶業1.6兆円14.0倍
85333NGK1.5兆円25.0倍
97735SCREENホールディングス1.3兆円27.0倍
106856堀場製作所9,517億円22.1倍
117729東京精密7,116億円27.8倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(半導体製造装置)に従っています。

会社の歴史

沿革 18件

国際電気通信の工場を母体とした1949年の創業

1949年11月、国際電気通信株式会社の狛江工場を母体として、電気通信機器及び高周波応用機器の製造販売を目的に国際電気株式会社が設立された。同社は第二次世界大戦前から外地向け通信施設の建設保守を担っていた国際電気通信の総合自家用工場を引き継ぎ、通信機器メーカーとしてスタートした。設立直後の1950年代、日本政府の委託事業も継続し、技術基盤を蓄積した。

半導体製造装置市場に参入した1956年

1956年4月、ゲルマニウム及びシリコンの単結晶引上装置を受注し、半導体製造装置事業に進出した。これは後の成膜装置・熱処理装置事業の原点である。1961年9月には東京証券取引所に上場し、同年10月に市場第一部銘柄に指定された。上場後、半導体装置の開発を加速し、1971年には米国デラウェア州に現地法人(Kokusai Electric Co., of America)を設立、1977年にはドイツに欧州法人(Kokusai Electric Europe GmbH)を設立して海外展開を開始した。

アジア展開と事業基盤の拡充(1989〜1997年)

1989年2月、国内サービス子会社として国際電気システムサービス株式会社(現・国際電気セミコンダクターサービス)を設立。同年5月には富山事業所が操業を開始し、生産拠点を拡大した。1993年5月には韓国天安市に現地法人Kook Je Electric Koreaを設立、1996年9月には台湾に亜太國際電機(現Kokusai Electric Asia Pacific)を設立し、アジア市場への浸透を図った。1997年5月には米国子会社を再編し、半導体製造装置業務をKokusai Semiconductor Equipment Corporationに移行するなど、事業の専門性を高めた。

日立電子・八木アンテナとの合併による日立国際電気の誕生(2000年)

2000年10月、国際電気株式会社は日立電子株式会社及び八木アンテナ株式会社と合併し、株式会社日立国際電気に商号変更した。この合併により、通信・電子機器とアンテナ事業が加わり、事業範囲が拡大した。翌2001年4月には、国際電気システムサービスが通信・情報部門を日立電子システムサービスに営業譲渡し、残った半導体関連部門は国際電気セミコンダクターサービスとして独立した。合併後、半導体装置事業は日立グループ内で成膜技術に特化した展開が進められた。

日立製作所の連結子会社化と再編(2006〜2009年)

2006年5月、中国現地法人を科意半導体設備(上海)に商号変更し、中国市場での体制を強化。2008年5月には欧州現地法人を統合し、Hitachi Kokusai Electric Europe GmbHとした。2009年3月、株式会社日立製作所の連結子会社となった。これにより、日立グループの半導体製造装置事業の中核として、バッチ成膜技術の開発・販売に集中する体制が確立された。その後、2023年の再上場に至るまで、同社は日立グループの一部として事業を継続した。

年表18件を開く

1940年代

  • 1949年11月創業日本政府の委託により第二次世界大戦の終戦まで外地向け通信施設の建設保守業務を担当していた国際電気通信株式会社の総合自家用工場(狛江工場)を母体として、電気通信機器及び高周波応用機器の製造販売を主目的とする国際電気株式会社を設立

1950年代

  • 1956年4月ゲルマニウム、シリコン単結晶引上装置を受注し、半導体製造装置事業を開始

1960年代

  • 1961年9月上場国際電気株式会社が東京証券取引所に上場(同年10月 市場第一部銘柄に指定)

1970年代

  • 1971年3月創業アメリカのデラウェア州に現地法人Kokusai Electric Co., of Americaを設立
  • 1977年3月創業ドイツのデュッセルドルフに現地法人Kokusai Electric Europe GmbH(現 Kokusai Semiconductor Europe GmbH)を設立

1980年代

  • 1989年2月創業国際電気システムサービス株式会社(現 株式会社国際電気セミコンダクターサービス)を設立
  • 1989年5月富山事業所操業開始

1990年代

  • 1991年8月富山事業所・トレーニングセンター開設
  • 1993年5月創業大韓民国天安市に現地法人 Kook Je Electric Korea Co., Ltd.を設立
  • 1996年9月創業台湾に亜太國際電機股份有限公司(現 Kokusai Electric Asia Pacific Co., Ltd.)を設立
  • 1997年5月創業Kokusai Electric America, Inc.を持株会社に改組し、Kokusai Semiconductor Equipment Corporationを設立して半導体製造装置関連業務を移行

2000年代

  • 2000年10月M&A国際電気株式会社・日立電子株式会社・八木アンテナ株式会社が合併し、株式会社日立国際電気に商号変更
  • 2001年4月商号変更国際電気システムサービス株式会社が通信・情報部門を日立電子システムサービス株式会社に営業譲渡し、株式会社国際電気セミコンダクターサービスに商号変更
  • 2002年5月創業亜太國際電機股份有限公司(現 Kokusai Electric Asia Pacific Co., Ltd.)が、Kokusai Electric Asia Pacific Shanghai Ltd.(現 科意半導体没備(上海)有限公司(KE Semiconductor Equipment (Shanghai) Co., Ltd.))を設立
  • 2003年3月M&A米国現地法人Kokusai Semiconductor Equipment CorporationがKokusai Electric America, Inc.を吸収合併
  • 2006年5月商号変更Kokusai Electric Asia Pacific Shanghai Ltd.に追加出資し、Hitachi Kokusai Electric (Shanghai) Co., Ltd. (現 科意半導体没備(上海)有限公司(KE Semiconductor Equipment (Shanghai) Co., Ltd.))に商号変更
  • 2008年5月M&AKokusai Electric Europe GmbHとHitachi Kokusai Electric Europe GmbHが合併し、Hitachi Kokusai Electric Europe GmbHに商号変更
  • 2009年3月株式会社日立製作所の連結子会社となる

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。そのうち2項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 売上収益2029年3月期まで3,300億円以上
  • 調整後営業利益率2029年3月期まで30%以上

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    高付加価値製品の開発と生産性向上

    バッチALD技術やプラズマトリートメント技術を活かし、難易度の高い成膜と高い生産性を両立する製品の販売拡大と研究開発に注力する。

  2. 02

    サービスビジネスの拡充

    装置ライフサイクル全体にわたり、メンテナンス・修理・部品供給・改造等のサービスを拡充し、顧客ニーズに対応する。

  3. 03

    生産・開発体制の強化とDX推進

    需要拡大に対応するため生産・開発体制を拡充し、DXを活用した生産効率向上を図る。

  4. 04

    イノベーション創出と提案力強化

    バッチALDやプラズマトリートメント技術をLogic/Foundry・DRAM分野へ展開し、アドバンスドパッケージ分野への取り組みも強化する。技術と対話を通じて顧客課題の解決策を提案する。

  5. 05

    グループ運営の効率化と多様な人財の活用

    グループ運営モデルを刷新し、地域間連携と手法統一で経営効率化を図る。多様な人財が活躍できる職場環境を整備し、機動力を高める。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 3期分

グループ全体で2,609人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は961万円で、2期前と比べて+11.9%平均年齢は44.1歳、平均勤続年数は18.0年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2024年3月85844.519.92,483
2025年3月86344.519.72,5402,020
2026年3月96144.118.02,6091,602

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率7.0%
縦線は目安の30%
男性育休取得率82.9%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)78.3%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社7(国内 1 / 海外 6、うち連結子会社 7) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位10)
砺波事業所 — 富山県砺波市227億円
富山事業所 — 富山県富山市143億円
本社 — 韓国 天安市5,366百万円
本社 — 米国 デラウェア州1,984百万円
本店 — 東京都千代田区1,912百万円
横浜テクノロジーセンタ — 神奈川県横浜市神奈川区1,911百万円
本店 — 富山県富山市1,162百万円
寮/社宅等 — 富山県富山市803百万円
本社 — 中国 上海市438百万円
本社 — 台湾 新竹市204百万円
ほか2件の開示あり
主な関係会社
  • 国内
    株式会社国際電気セミコンダクターサービス
    富山県富山市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Kook Je Electric Korea Co., Ltd. (注)3,4
    韓国 天安市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    科意半導体没備(上海)有限公司(注)4
    中国 上海市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Kokusai Electric Asia Pacific Co., Ltd.
    台湾 新竹市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Kokusai Semiconductor Equipment Corporation (注)3
    米国 デラウェア州 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Kokusai Semiconductor Europe GmbH
    ドイツ エアクラート市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Kokusai Semiconductor Singapore Pte. Ltd.
    シンガポール · 連結子会社
    議決権100.0%

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は2,351億円営業利益418億円前期と比べると減収減益で、売上が-1.6%、利益が-18.5%。

売上高
-1.6%
2,351億円
営業利益
-18.5%
418億円
純利益
-16.4%
301億円
営業利益率
17.8%
前期比 -3.7%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高3,400億円2,351億円
営業利益794億円418億円
純利益555億円301億円
1株あたり配当¥65¥65

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

8期分

直近は2027年1Qで、売上は754億円、営業利益は159億円。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2024年2Q77713417.288
2024年3Q54010719.879
2024年4Q49157
2025年2Q1,14527423.9181
2025年4Q1,24423919.2179
2026年2Q1,17222719.4156
2026年4Q1,17919116.2145
2027年1Q75415921.1116

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 8期分

2019年9月期からの8期で、売上は1,258億円から2,351億円へ1.9倍に増えた。直近期の営業利益率は17.8%。

決算期売上高億円営業利益億円税引前利益億円営業利益率%純利益億円
2019年9月1,258−43−24
2020年3月67612079
2021年3月1,780505330
2022年3月2,454693513
2023年3月2,457559403
2024年3月1,808298224
2025年3月2,38951350821.5360
2026年3月2,35141840717.8301

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高2,351億円のうち、営業利益として残るのは418億円17.8%。営業外の損益と税金を反映した純利益は301億円、売上の12.8%にあたる。営業利益率は業種中央値6.9%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金58.8%1,383億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金23.4%551億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益17.8%418億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
41.2%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比+10.9pt
17.8%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+6.9pt
12.8%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比+6.5pt
14.5%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
8.4%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
9.7%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 8期分

2026年3月期は営業CFが488億円、投資CFが−170億円で、差し引きのフリーCFは318億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は565億円で、売上の2.9ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2019年9月235−24−54211340
2020年3月54246−261300380
2021年3月511−33−483478400
2022年3月736−33−357031,084
2023年3月300−78−2512221,061
2024年3月29−119−63−90926
2025年3月385−277−581108448
2026年3月488−170−215318565

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 8期分

2026年3月期の総資産は3,597億円。このうち返さなくてよい自己資本が2,193億円で、自己資本比率は61.0%(業種中央値61.0%より薄い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2019年9月2,7616292,13222.8
2020年3月2,6006981,90226.9
2021年3月2,7386492,08923.7
2022年3月3,5651,1952,37033.5
2023年3月3,7351,6092,12643.1
2024年3月3,7541,8741,88049.9
2025年3月3,4151,9621,45357.4
2026年3月3,5972,1931,40461.0

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
565億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
1,915億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
1,404億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
100
/ 100
安定性自己資本比率40 / 40
収益力営業利益率30 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

電気機器 224社との比較

同じ電気機器の企業と並べると、いちばん上に来るのは営業利益率224社中19位あたり、逆に低いのは配当利回り224社中215位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE上位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
14.5%/中央値 8.0%
P25 4.2%P75 12.1%
営業利益率上位売上のうち本業の利益として残る割合
17.8%/中央値 6.9%
P25 3.5%P75 11.6%
自己資本比率総資産のうち返済のいらないお金の割合
61.0%/中央値 61.0%
P25 48.2%P75 76.0%
売上成長率下位前期からの売上の伸び
-1.6%/中央値 4.1%
P25 -0.2%P75 9.4%
配当利回り下位株価に対して1年で受け取る配当の割合
0.8%/中央値 2.4%
P25 1.6%P75 3.3%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥8,327で、1年前と比べて+214.4%過去52週の値幅のなかでは60%の位置にある。

¥8,327-2.7%1ヶ月+1.5%1年+214.4%時価総額2.0兆円
過去52週の値幅
安値¥2,607高値¥12,220

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)64.9倍
PER (会社予想)35.0倍
PBR8.65倍
配当利回り0.78%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は8月21日に8321円となり、1ヶ月で-8.64%下落しましたが、8月5日には8488円まで反発しました。25日移動平均線(8324.52円)とはほぼ同水準で、方向感は定まっていません。しかし52週高値12220円からは-31.9%下落しており、高値圏からの調整が続いています。7月29日には1300万株を超える出来高を伴い、6049円まで急落した後、8月5日以降は回復基調にあります。RSIは60.54と中立圏で、200日線(6756円)を上回っており、長期的な上昇トレンドは維持されています。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割高と判定しています(スコア 30/100)

PER 64.9倍は業界平均30.85倍の2倍超。PBR 8.64倍も平均2.64倍を大幅に上回る。ROE 14.5%と高いが、配当利回り0.78%は低く、平均2.29%を下回る。予想PER 35倍でも高水準。半導体製造装置の成長期待が織り込まれているが、現在のPER・PBRは割高と判断。

指標この会社業種平均
PER (実績)64.9倍30.8倍
PER (予想)35.0倍
PBR8.65倍2.58倍
ROE14.5%5.8%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

半導体製造装置の需要拡大と、同社の技術優位性が持続するかが投資論点。強気派は、生成AIや先端半導体の需要増で成膜装置の需要が拡大し、同社の高い技術力がシェア獲得につながると主張する。一方、弱気派は、半導体市況の変動や競争激化により、業績が不安定になるリスクを指摘。さらに、高いバリュエーション(PER63.29倍)が織り込み済みとみる向きもある。

プラスに働く材料7
  • 先端半導体需要の追い風

    生成AI向け先端半導体の需要拡大が、成膜装置の需要を牽引

  • 技術力による競争優位

    CVD・ALD分野で高い技術力を持ち、顧客との長期取引関係がある

  • 業績回復の勢い

    2025年3月期は売上高・利益が回復し、営業利益率21.47%を達成

  • 予想PER34.2倍と大幅改善期待決算発表後影響

    実績PER63.29倍に対し予想34.2倍、市場は増益予想

  • ROE14.5%と高い資本効率継続影響

    PBR8.67倍に対しROE14.5%

  • 売上高2351億円と高水準維持通年影響

    前期2389億円からほぼ横ばい、高水準

  • 営業利益率17.78%と高収益通年影響

    営業利益率17.78%、前期21.47%から低下も高水準

マイナスに働く材料7
  • 半導体市況依存の高さ

    半導体市況の変動が業績に大きく影響する

  • 競争激化

    他社の成膜装置参入により、価格競争やシェア低下が懸念

  • バリュエーションの割高感

    PER63.29倍は成長を織り込み済みで、失望リスクがある

  • 営業利益が95億円減益通年影響

    営業利益418億円、前期513億円から95億円減

  • 営業利益率が17.78%に低下通年影響

    営業利益率21.47%→17.78%、3.69pt低下

  • 実績PER63.29倍と割高不定影響

    実績PER63.29倍、予想でも34.2倍

  • 外国人持ち株比率66.31%と極めて高い継続影響

    外国人保有66.31%、海外マネー流出リスク

次の決算で確かめる点
成膜装置の受注高
将来の売上高を先行指標として示す
主要顧客の設備投資計画
半導体メーカーの投資動向が業績を左右
営業利益率
高付加価値製品の収益性を確認する

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり65で、前期から+0.0%いまの株価に対する利回りは0.78%。

年間配当
¥65
1株あたり
配当利回り
0.78%
いまの株価に対して
配当性向
37.7%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
0年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2025年3月3728.3
2026年3月370.037.7

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥65

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ34,694人。区分でいちばん多いのは外国法人66.3%。グループ会社や銀行などの安定株主が20.0%を占め、残る80.0%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2024年3月%2025年3月%2026年3月%
外国法人84.068.266.3
金融機関5.89.919.4
個人・その他8.117.78.6
証券会社1.42.35.2
自己株式2.11.9
事業法人0.81.90.6
外国人個人0.00.00.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)12.98
02KKR HKE INVESTMENT L.P. (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)10.37
03STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 (常任代理人 株式会社みずほ銀行)9.80
04BNYM AS AGT/CLTS 10 PERCENT (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)5.08
05Qatar Holding LLC4.84
06株式会社日本カストディ銀行(信託口)4.76
07THE CHASE MANHATTAN BANK, N.A. LONDONSECS LENDING OMNIBUS ACCOUNT (常任代理人 株式会社みずほ銀行))2.88
08JPMSPLC CLIENT ASSETS SK JPY (常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ)2.56
09JPモルガン証券株式会社2.05
10GIC PRIVATE LIMITED-C (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)1.94

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近2
  • 2026-07-15
    キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメント・カンパニー(Capital Research and Management Company)
    新規の大量保有報告
    10.17%
    -1.16pt
  • 2026-05-25
    ケイケイアール・エイチケーイー・インベストメント・エルピー(KKR HKE Investment L.P.)
    新規の大量保有報告
    0.00%
    -10.37pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 8期分

1株利益は8期で+1333%、1株純資産は8期で+244%。直近期のROEは14.5%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2019年9月−10273−3.7
2020年3月3430311.9
2021年3月14328249.0148.0
2022年3月22351955.7
2023年3月17569828.7
2024年3月9781112.843.313.8
2025年3月15584218.815.728.3
2026年3月12993914.538.937.7

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

10名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は10名。2026/3期の役員報酬は総額691百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約6倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
塚田和徳代表取締役 社長執行役員60333,968
柳川秀宏取締役 専務執行役員61215,008
中村正樹取締役40
鶴田雅明取締役691,972
佐々木摩美取締役65331
阿部剛士取締役64331
神谷勇二取締役(監査等委員)68318,233
熊谷均取締役(監査等委員)571,972
酒井紀子取締役(監査等委員)571,972
関根千津取締役(監査等委員)631,401

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円業績連動百万円株式報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)91713017647853
監査等委員5842711824
取締役(社内)5505010
社外取締役4454511

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

ニュース

AI解説

今日の重要ニュースより

「今日の重要ニュース」でKOKUSAI ELECTRICを取り上げた解説を、新しい順に並べている。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容4,968字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 当社グループは、当社及び連結子会社7社で構成され、半導体製造装置の開発・製造・販売・保守サービスを中心にグローバルに事業活動を展開しております。当社グループは、半導体製造装置事業の単一セグメントであるため、ビジネスユニットごとに分類して記載いたします。 (1)装置ビジネス 当社グループでは、半導体の製造に使用する装置の製造及び販売を行っております。半導体の製造プロセスの概略図を(図-1)に示します。半導体は、シリコンウェーハ上に、回路を形成していく工程を繰り返して製造していきます。回路形成工程は、回路形成に必要な薄膜等を形成する成膜工程、成膜後に熱をかけて結晶サイズを揃える(アニール)等の熱処理工程、成膜上に回路を形成するパターニングを行うリソグラフィ工程、パターンに沿って膜を取り除くエッチング工程、各工程間でウェーハを洗浄する洗浄工程、各工程間での検査工程で構成されます。シリコンウェーハ上にこれらの工程を繰り返して回路を形成する製造工程を総称して前工程と呼んでおります。そして、前工程の工程ごとに高度な専用技術を要したさまざまな装置が使用されることで半導体が製造されます。当社グループでは、前工程における「成膜」工程の装置を主力製品として、また「熱処理」工程に用いられる装置の製造及び販売をしております。 図-1 半導体製造前工程と主な当社グループ適応製品 「成膜」工程とは、シリコンウェーハの回路形成における回路素材となるポリシリコン膜や絶縁膜等の薄膜を形成する工程を指します。当社グループでは、その成膜工程の中でLP-CVD製品のほかに、ALD(注1)に対応した製品を提供しております。 一方、「熱処理」工程とは、熱酸化(注2)膜を形成するプロセスや、成膜後に加熱して膜中の結晶サイズを揃える(アニール)プロセス、成膜後に注入した不純物を加熱して均一に拡散するプロセス、また、プラズマを用いて成膜後に膜質を改善する(トリートメント)プロセスなどを指します。当社グループでは、本工程に最適なプロセス技術にて装置提供を行っております。 これらの工程は、シリコンウェーハの回路形成において重要な役割を担うことから、各装置に、高度な技術と品質の信頼性の高い製品提供が必要となります。 当社グループが装置メーカーとして取り組んでいる最も重要な課題に、デバイス構造の複雑化を原因とする成膜プロセスの生産性の低下があります。三次元(立体)構造になるとデバイスの構造がより深く、複雑になります。それにより成膜が必要な表面積が拡大し、ガスの移動距離が長くなり、成膜に要する時間が増加するため、生産性の課題が顕在化します。また、デバイス構造の複雑化に伴い、難易度の高い高品質成膜が要求されており、ALDのニーズが高まっております。当社グループは、このニーズに高難易度成膜と高生産性の両立できるバッチALD技術で、顧客の厳しい要求仕様に応えております。このバッチALD技術は、当社のコア技術による競合優位性の高い技術となっており、当社グループは高いシェアを持続しております。 顧客からのニーズが高まっているALDはサイクリックなプロセスであり、そのプロセスの中でガスの流入や流出、また膜質を維持するために副産物の除去を行うため時間を要するプロセスになってしまうことが大きな課題になっております。ALD技術とバッチの組み合わせによる補完関係を実現した当社グループのバッチALD技術は、高難易度成膜と高生産性の両立を可能とするものであり、生産性に関するALDの問題の論理的な解決策となります。 次に当社製品について以下にご紹介いたします。当社の主な製品であるバッチ成膜装置は、2025年のバッチALD対応装置市場において売上高世界シェア1位(出典:TechInsights  Inc. “TI_ALD Tools_YEARLY” (April 2026))となっております。また、当社の枚葉プラズマトリートメント装置が属するPlasma Gate Modification Tools市場でも2025年の売上高世界シェア1位(出典: Gartner®, Market Share: Semiconductor Wafer Fab Equipment, Worldwide, 2025, Bob Johnson et al. Published 2 April 2026)(注3)となっております。 それぞれの製品についてご説明します。 ① バッチ成膜装置 バッチ成膜装置とは、数十枚以上のシリコンウェーハを一括処理することを可能とした成膜装置であり、高生産性が特徴となります。バッチ成膜装置には、高生産性を追究しウェーハ最大二百枚の一括処理に対応した「ラージバッチ」プラットフォーム(図-2 主要製品概要参照)と、複雑化する半導体構造への難易度が高い高品質成膜に対応し、ウェーハ最大百枚の一括処理に対応した「ミニバッチ」プラットフォームがあります。 このバッチ成膜装置のプラットフォームに使途に応じた反応炉をセットし、最適なプロセスを実現しております。「成膜」工程では、「LP-CVD」「ALD」など、「熱処理」工程では「熱酸化」「アニール」「拡散」などに適応しております。 なお、バッチ成膜装置の主力製品であるAdvancedAce®シリーズ及びTSURUGI® 剱®シリーズの概要は下記のとおりです。 ・AdvancedAce®シリーズ:当社のコア技術である温度制御技術、自動搬送技術、真空・ガス置換技術、冷却技術、成膜技術を結集することで、高品質な成膜性能と高生産性を実現し、バッチCVD技術とバッチALD技術に対応したサーマルプロセス装置。 ・TSURUGI® 剱®シリーズ:次世代デバイス、特に三次元(立体)デバイスに向けた成膜品質向上の市場ニーズにこたえるため、新反応炉を採用した成膜処理技術向上により、最新のバッチALD技術に対応し高品質・高生産性を備えたプロセス提供を可能にしたサーマルプロセス装置。 ② 枚葉プラズマトリートメント(膜質改善)装置 枚葉プラズマトリートメント装置は、成膜後にプラズマや加熱により膜中の不純物の除去や粒子を安定させることで膜質を改善させることを目的とした装置です。半導体デバイスの微細化、複雑化に伴い低温環境での成膜需要が高まる中で、低温環境でも膜質を維持するソリューションとして需要が拡大しております。 当社グループで製造・販売している枚葉プラズマトリートメント装置の「MARORA®」は複雑な半導体形状に対しても高い生産性と品質でのトリートメントが可能で、顧客からの需要を集めており、バッチ成膜装置に次ぐ柱として今後も成長させていく計画です。 (注1)当社グループでは、複数のガスをサイクリックに供給する工程を伴い、原子層レベルで成膜する手法を「ALD」と呼んでおります。 (注2)シリコン基板表面から内部にかけて高純度の酸化をする方法。熱酸化には、ドライ酸化、ウエット酸化などいくつかの方法があります。 (注3)GARTNERは、Gartner Inc.または関連会社の米国およびその他の国における登録商標およびサービスマークであり、同社の許可に基づいて使用しています。All rights reserved. Gartnerは、Gartnerリサーチの発行物に掲載された特定のベンダー、製品またはサービスを推奨するものではありません。また、最高のレーティング又はその他の評価を得たベンダーのみを選択するようにテクノロジーユーザーに助言するものではありません。Gartnerリサーチの発行物は、Gartnerリサーチの見解を表したものであり、事実を表現したものではありません。Gartnerは、明示または黙示を問わず、本リサーチの商品性や特定目的への適合性を含め、一切の責任を負うものではありません。本書に記載するGartnerのコンテント (以下「Gartnerコンテント」) は、Gartnerシンジケート・サブスクリプション・サービスの一部としてGartner, Inc.(以下「Gartner」)が発行したリサーチ・オピニオンまたは見解を表すものであり、事実を述べているものではありません。Gartnerコンテントの内容はいずれも、そのコンテントが発行された当時の内容であり、本書が発行された日の内容ではありません。また、Gartnerコンテントに記載されている見解は予告なく変更されることがあります。 図-2 主要製品概要 (2)サービスビジネス 当社グループでは、当社グループが製造・販売する半導体製造装置において部品販売・保守サービスをはじめとするアフターサービスの提供を行っております。半導体生産工場においては、半導体製造装置が年中無休で稼働しており、半導体製造装置に対し安定的な稼働とともに、耐久性が高い製品の提供が要求されております。当社グループにおいては、これら品質を担保した製品の提供を行っておりますが、これに加え、迅速、かつ、的確にアフターサービスを提供する体制が求められております。 当社グループでは、このような顧客の要望に応えるべく、より顧客の製造拠点に近い場所にて、サービス拠点を設置したうえで、優秀なエンジニアを配置するとともに、交換パーツを配備することで、装置トラブルに迅速、かつ、的確に対応可能な体制を整えております。 取り扱いサービス(役務提供を含む) ①   消耗部品等の部品販売、 保守サービス、有償修理 (現地修理/ユニット引取り修理/オーバーホール等) ②   装置の移設・改造 (プロセス変更/アップグレード等) ③   ウェーハサイズ200mm以下の レガシー装置(新規・中古)販売 ① 部品販売、保守サービス、有償修理 当社が製造・販売する主要製品に対し、保守メンテナンスするための製品の提供を行っております。加えて、半導体製造装置のための定期的な保守サービスを行っております。また、製品保証契約による修理サービスに加えて、故障時に有償で修理サービスを提供しております。 ② 装置の移設・改造 当社が提供する主要製品に対し、設置後に必要に応じて、装置の移設やプロセスの書き換え、アップグレード等のサービス等を提供しております。 ③ ウェーハサイズ200㎜以下の装置と中古装置の販売 当社はレガシー世代でのバッチ成膜装置を新規・中古いずれも顧客の要望に応じて適切に提供しております。2017年には、200mmバッチ成膜装置に、ウェーハサイズ300mmの先端装置技術を移植した新製品として競争力の高いバッチ成膜装置(VERTEX Revolution®)を市場投入して販売しております。また、SiCを含むパワーデバイス用途向けの販売が増加しており、当社は高温アニール技術を生かして差別化を図っております。 (注)2026年3月期のビジネス区分に基づく記載です。2027年3月期よりビジネス区分の変更を行い、サービスビジネス区分の「ウェーハサイズ200㎜以下の装置と中古装置の販売」と「アップグレード改造」を装置ビジネス区分に変更しました。 半導体設備投資サイクルの変動を受けにくく、かつ消耗品の販売等リカーリングな収益が発生するサービスビジネスは、安定的かつ高マージンな収益が期待されます。当社グループは装置のライフサイクル全体にわたってアフターサービスを提供し続ける体制を整えており、インストール台数の増加と各サービスの強化を通じてサービスビジネスも拡大しております。 また、国内連結子会社(株式会社国際電気セミコンダクターサービス)にて、成膜した後に膜の抵抗値を測定する測定検査装置や、他装置メーカー等向けに洗浄装置用の超音波発振器(水の中で振動させて洗浄に使用)ユニットを製品として製造・販売をしております。 当社グループの事業系統図は以下のとおりであります。 [事業系統図]
経営方針・対処すべき課題4,936字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。 (1)企業理念 当社グループは、ステークホルダーの皆様との対話をより一層深め、技術で未来を支えていく決意を込めた企業理念として「KOKUSAI ELECTRIC Way」を掲げております。 (2)経営方針 当社グループは、企業理念の実現に向け、半導体製造装置メーカーとして社会的責任を強く自覚し、事業活動とESGの取り組み(環境・社会課題の解決、ガバナンスの強化)の両側面から経済価値及び環境・社会価値を追求することにより、SDGsの達成に寄与するとともに、持続可能な社会の実現と当社グループの持続的な発展の両立をめざしてまいります。 (3)経営戦略 当社グループは、半導体製造プロセスの前工程における「成膜」工程に注力しており、バッチ成膜装置、枚葉プラズマトリートメント(膜質改善)装置で世界トップクラスのシェアを有しております。近年、半導体デバイスの進化に伴う多層化、微細化、複雑化、三次元化により、高品質な薄膜等を形成する高度な技術が必要とされています。これに対して当社グループは、難易度の高い成膜と高い生産性を両立するバッチALD(注1)技術や、高い生産性を維持しつつ形成された薄膜の膜質を改善するプラズマトリートメント技術を生かした高付加価値製品の販売拡大や研究開発に注力し、事業拡大を図ってまいります。また、装置のライフサイクル全体にわたって、メンテナンスや修理、部品供給、移設・改造などお客様のニーズに合わせたサービスの拡充を図るとともに、今後の需要拡大に対応するための生産体制及び開発体制の拡充、DXを活用した生産効率向上にも注力してまいります。 ESGの取り組みでは、設定した5つのマテリアリティに基づき、社会課題及び環境課題に向けた活動を推進してまいります。 また、ディスクロージャーポリシーに則り、ステークホルダーの皆様と積極的に対話を行ってまいります。 (注1)当社グループでは、複数のガスをサイクリックに供給する工程を伴い、原子層レベルで成膜する手法を「ALD」と呼んでいます。 (4)中期計画 当社グループは、2024年6月に中期経営計画を策定し、WFE(Wafer Fab Equipment:半導体製造装置市場)の市場規模および市場成長を前提として中期目標を設定いたしまた。その後、市場環境が大きく変化したことから、2026年5月に見直しを行い、2029年3月期までに当社グループの売上収益3,300億円以上、調整後営業利益率30%以上を達成することを目標としております。また、資本コストを意識しながら中長期的な視点で資本収益性を向上させるため、WACC(Weighted Average Cost of Capital:加重平均資本コスト)を上回るROIC(Return on Invested Capital:投下資本利益率)およびROE(Return on Equity:自己資本利益率)の目標を設定しています。詳細は、当社ウェブサイトに掲載の「2026年3月期(2025年4月~2026年3月)決算説明資料」(URL:https://www.kokusai-electric.com/ir)にて公開しております。 (5)経営環境 半導体製造装置市場に大きく影響する半導体デバイス市場の規模は、2016年の約3,500億ドルに対し、2022年には約6,100億ドルと1.7倍へ拡大しており、2023年から2030年まで年平均成長率14.5%で成長することが予想されております(注1)。半導体デバイス市場拡大の背景には、スマートフォンやパソコン等の電子機器の需要拡大や、AI、IoT、DX等の拡がりによるデータセンターの拡充や環境負荷低減への投資(GX)等の産業向けの需要拡大、主要国による産業支援策があります。足元の世界経済は、緩やかな成長基調にあるものの、依然として先行きに対する不透明な状況が続いており、スマートフォンやパソコン等の電子機器向け及び自動車・産業機器向けの需要回復は緩やかな動きになっています。しかしながら半導体デバイス市場では、生成AIの普及等を背景に先端DRAMに対する需要が増加しており、2025年以降需要が本格回復し、さらに2029年に向けて技術革新の継続・加速的により再び成長基調へ進むものと期待しています(注2)。 半導体製造装置市場は2016年の約370億ドルに対し、2022年には約980億ドルと2.6倍以上へ拡大しており、2023年から2030年まで年平均成長率9.9%で成長することが予想されております(注2)。足元では先端DRAM、先端ノード向けLogic/Foundry向けの設備投資が加速しており、NANDも2025年に入り回復の兆しが見られ、今後半導体デバイスの需要回復に伴って半導体製造装置の需要も回復するものと見ております。中長期的には、半導体デバイスの微細化、構造の複雑化、三次元化が進む中で、難易度の高い成膜と高い生産性を両立することのできる半導体製造装置へのニーズが高まると考えております。 (注1)出典:TechInsights Inc. Semiconductor Forecast (March 26) (注2)出典:TechInsights Inc. WAFER FAB EQUIPMENT (WFE) MARKET HISTORY AND FORECAST (2020 – 2031) (March 2026) 半導体デバイス/半導体製造装置の世界市場規模(単位:十億ドル) 2016年   2022年   2023年   2030年(予想) 半導体デバイスの 世界市場規模   355.4   613.7   558.6   1,441.3 半導体製造装置の 世界市場規模   37.0   98.1   99.4   192.0 出典:TechInsights Inc. Semiconductor Forecast (March 2026) 出典:TechInsights Inc. WAFER FAB EQUIPMENT (WFE) MARKET HISTORY AND FORECAST (2020 – 2031) (March 2026) (6)事業上及び財務上の対処すべき課題 当社グループを取り巻く事業環境は、AI関連の需要が半導体デバイスメーカーの投資を牽引しており、特に生成AIの活用拡大に伴うデータセンター用サーバー向けの需要が拡大しています。これを受けて、半導体デバイス市場では、生成AI用途の高性能Logic、DRAMを中心にデバイスの世代交代や生産規模拡大に向けた設備投資が高水準で推移し、NANDでも主にデバイスの世代交代に向けた設備投資が進んでいます。一方で、スマートフォンやパソコン等の民生電子機器向け及び自動車・産業機器向けの需要回復は緩やかであり、AI関連とは異なった需要の動きになっています。中長期的には、民生電子機器の需要回復・拡大に加え、AI、IoT、DX等の拡がりによるデータセンターのさらなる拡充やグリーントランスフォーメーションへの投資等により、半導体関連市場は大きな成長が見込まれています。 こうした状況をふまえ、当社グループは、前述の経営戦略に基づき、以下の重点施策を推進してまいります。 ① イノベーションによる高付加価値製品の継続的な創出とお客様のニーズを的確に捉えた開発体制の強化 今後加速されることが予測されるお客様の先端デバイス開発スピードに応えるため、イノベーションを創出し、難易度が高い成膜技術等を用いた当社が有する高付加価値製品の開発をさらに推進してまいります。この推進体制の一環として、韓国生産拠点のデモ評価エリアの拡張及び横浜テクノロジーセンタの設置を既に実施しており、また、今後米国デモセンターの新設(2027年1月操業)を予定しております。 ② イノベーションを創出し続ける企業文化の形成と技術と対話を通じたお客様への提案力の強化 これまで当社がNAND分野で培ってきたバッチALD(注1)やプラズマトリートメント(膜質改善)をはじめとする先端プラットフォーム・プロセス技術を、Logic/Foundry分野及びDRAM分野へと展開いたします。また、新分野への挑戦を加速させるため、アドバンスドパッケージ分野への取組みも継続して強化してまいります。このように、イノベーションを創出し続ける企業文化を当社グループ全体に根づかせ、今後も、コーポレートスローガンである「技術と対話で未来をつくる」に則り、対話を通じてお客様が抱える課題を深く理解し、技術を通じてその課題に対する解決策を積極的に提案してまいります。 ③ サービスビジネスのさらなる拡大 当社製品のライフサイクル全体でお客様のニーズに合わせたサービスを提供するため、部品販売・メンテナンスをはじめとする、当社グループ全体でのオペレーションの最適化を推進し、持続的な成長をめざしてまいります。 ④ グループ運営モデルの刷新による経営効率化の実行 お客様のグローバル展開の進展に伴い当社グループの一体運営強化の必要性が増していることから、当社グループ運営モデルを刷新し、地域間連携と手法統一を実行して経営の効率化を図ります。また、営業、設計、調達、生産及びサービス業務の全体最適を目的として、生産管理や顧客管理等のシステムの統合を含むDXの推進を加速してまいります。 ⑤ 多様な人財が活躍できる職場環境づくり 当社グループが持続的に成長・発展していくために、従業員一人一人の多様性を生かした新たな価値創出の機会を積極的に設け、その能力や才能を遺憾なく発揮できるよう、オープンな職場環境づくりをめざしてまいります。また、一人一人それぞれが、意思決定・意思伝達、実行に対する速度と精度を磨き上げ、当社グループ全体で機動力を高める企業文化の形成をめざしてまいります。 (7)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、企業の持続的な成長性、収益性を測定するため、売上収益、調整後営業利益率、調整後営業利益及び調整後親会社の所有者に帰属する当期利益を重要な経営指標として位置付けております。当該指標を重視する理由について、売上収益は事業成長の目安となること、調整後営業利益率は売上の増加割合に対する収益性の変化を確認する目安となるためであります。また、資本コストを意識しながら中長期的な視点で資本収益性を向上させるため、ROE(自己資本利益率)及びROIC(投下資本利益率)についても重要な経営指標として位置付けております。 なお、調整後営業利益及び調整後親会社の所有者に帰属する当期利益につきましては、経営成績の推移を把握するために以下の算式により算出しております。 ① 調整後営業利益 = 営業利益(IFRS)- その他の収益 + その他の費用 + 企業結合により識別した無形資産等の償却 + スタンドアローン関連費用 + マネジメントフィー + 売却関連費用 + 株式報酬費用(業績連動型株式報酬制度に係るものを除く) ② 調整後当期利益 = 当期利益- その他の収益 + その他の費用 + 企業結合により識別した無形資産等の償却 + スタンドアローン関連費用 + マネジメントフィー + 売却関連費用 + 株式報酬費用(業績連動型株式報酬制度に係るものを除く) - 持分法で処理されている投資の売却益 + ファイナンシング関連費用 + その他の金融費用 + 調整項目に対する税金調整額 - 税率変更に伴う一時的な税金費用の調整額 (注1)当社グループでは、複数のガスをサイクリックに供給する工程を伴い、原子層レベルで成膜する手法を「ALD」と呼んでいます。
事業等のリスク14,610字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主なリスク、リスク顕在化の可能性、顕在化の時期、連結業績への影響度及びリスクへの対応は、以下のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。 リスク項目マップ 分類   リスク項目   顕在化の 可能性   顕在化の 時期   影響度 政治・経済の動向   マクロ経済環境   中   中期~長期   大 市場環境の動向   市場ニーズ   中   中期~長期   大 他社との競合等   中   中期~長期   大 主要顧客への依存   中   中期~長期   大 海外事業   中   中期~長期   大 研究開発   低   長期   大 株式市場の動向   Kohlberg Kravis Roberts & Co. L.P.グループとの関係   低   短期   小 災害・パンデミック、 事件・事故   大規模災害等   中   長期   大 感染症の世界的流行   中   長期   大 サプライチェーン   調達・生産   高   中期~長期   大 品質問題   製造物・品質   低   中期   大 知的財産   知的財産   中   中期~長期   中 訴訟   訴訟等   低   中期~長期   小 環境   環境対応   低   中期~長期   中 人事管理   人材   高   短期~中期   中 コンプライアンス   コンプライアンス等   低   中期   中 情報セキュリティ   情報セキュリティ   高   中期~長期   大 財務・税務   為替   中   特定時期 なし   小 金利の変動   中   特定時期 なし   中 のれん及びその他の無形資産   低   特定時期 なし   大 (1)マクロ経済環境 (顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期~長期、影響度:大) 当社グループはグローバルに事業を展開しており、当社グループの業績は国内外の景気、経済動向、社会情勢及び地政学的リスク、各国の関税政策等に影響されます。例えば、半導体デバイスの急激な需要の増減や需給バランスの悪化によって、半導体デバイスメーカーの設備投資計画に大きな変更が生じれば、当社グループの調達、製造コスト、販売の計画に影響が生じる可能性があります。また、国際的な貿易摩擦や製品の国産化施策に伴う関税、貿易障壁、国産メーカー支援強化等の政策により、当社グループにおける製造コストの上昇、国を跨いだ輸送の遅延、販売機会の変化等が生じる可能性があります。また、ロシア・ウクライナ問題の長期化、世界的なインフレの長期化、インフレ抑制のための金利上昇、新興国の成長鈍化、中台関係の悪化、中東及び北朝鮮での地政学的リスクの増大等により世界経済が低迷する場合、当社グループの主要な販売地域にも影響を及ぼす可能性があります。加えて、「(10)感染症の世界的流行」に記載のとおり、感染症の世界的な感染拡大等が再度発生した場合、消費者行動及び事業活動を含む世界全体の経済活動に影響が生じる可能性があります。 当社グループは、マクロ経済環境について注視しながら事業運営を進めていく方針ですが、上記のような影響が生じた場合、当社グループの事業や経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 2023年3月期には、2022年10月7日付米国輸出管理規則(EAR)(注1)の改正公布により、米国製半導体製造装置について中国の特定の先端半導体メーカーへの輸出が禁止され、その後複数の中国の半導体メーカーが米国政府の発行する制裁リスト(Entity List)に掲載されました。また、日本においても、全世界向けを対象とした先端半導体製造装置の輸出規制に関する改正法令が2023年7月23日に施行されました。このような米中貿易摩擦は日本や他国にも波及し、中国の半導体デバイスメーカーのみならず他の大手半導体デバイスメーカーの投資計画に影響を及ぼすなど、今後の半導体業界にとっての大きなリスクであると懸念されます。 (注1):EAR=Export Administration Regulations(輸出管理規則) (リスクへの対応) 当社グループは、事業等のリスクについて、社長執行役員を委員長とするサステナビリティ委員会において総合的に管理・検討する体制のもと、各部門が必要な対応を行い、定期的に、また必要に応じて取締役会へ報告、審議する管理体制を整備しております。 また、当該リスクを軽減するため、市場動向や競合状況の調査・分析を行い、お客様との対話を通じてニーズを把握し、そのニーズに応えることのできる付加価値の高い製品・サービスを提供し続けるべく研究開発をはじめとする事業活動を推進しております。加えて、半導体デバイス別および地域別の売上構成バランスをより適正化すべく努めてまいります。 (2)市場ニーズ (顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期~長期、影響度:大) 半導体業界は技術革新が激しく、技術の変化により市場が大幅に成長する反面、需要と供給のギャップが急激に広がり供給過剰となり、半導体製品の値崩れ及び設備投資の抑制が発生することがあります。 半導体デバイス市場は事業構造上、不安定な性質を有しているため、将来においても市況が低迷する可能性があります。半導体デバイス市場と連動する半導体製造装置市場もこの不安定な市況を避けることは難しく、半導体市況に連動し当社グループの事業や経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。また、幅広い用途で半導体の利用が進んでおり、半導体を利用した新しい製品や技術の導入時期、消費者の嗜好の変化、業界の動向等が、半導体の需要や半導体メーカーの設備投資、研究開発計画に与える影響は大きくなっていることから、半導体の市場動向の予測は複雑化しております。3か月に1回程度更新される民間調査機関(TechInsights等)にて、WFE(Wafer Fab Equipment:半導体製造装置市場)CY年度予測が発表されます。市場動向から下方修正、又はマイナス成長予測に転じる場合があり、その予測どおりに主要顧客投資計画の見直しからの後ろ倒しや縮小・中止などが発生した場合には、当社業績に影響を与える可能性が生じます。また、主要顧客における予測していない事故や事態、半導体デバイス市場の想定を超える需要の悪化により当社グループの事業が影響を受ける可能性があるだけではなく、予測を上回る半導体の需要増に応じた半導体製造装置の需要の増加に対応できず、当社グループが市場の好況の恩恵を十分に享受できず、主要顧客との取引関係にも影響を与える可能性があります。 また、半導体製造装置メーカーの変更は、一般的にコストが高く、顧客である半導体メーカーが一度特定の半導体製造装置メーカーの装置を選択すると、当該半導体メーカーは同じ半導体製造装置メーカーの製品を利用し続ける傾向にあります。他の半導体製造装置メーカーの製品を利用している顧客が当社グループ製品に乗り換えることは必ずしも容易ではないため、他の半導体製造装置メーカーの製品を使用している潜在的な顧客に当社グループ製品を販売することができない場合、当社グループの売上及び市場シェアの拡大に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応) 「(1)マクロ経済環境」におけるリスクへの対応と同様です。 (3)他社との競合等 (顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期~長期、影響度:大) 当社製品は、他社装置と部分的に競合し、複数の競合メーカーとの競争関係にあります。当社グループでは、高性能・高生産性半導体製造装置で優位性を維持するとともに、当社のALD(注1)成膜技術、プラズマトリートメント技術、プリカーサ(成膜に使用するガス)開発や、排気技術の開発など、技術開発における優位性の維持に努めておりますが、技術革新、生産能力の拡充や生産性の改善等の実現が他社に遅れ、販売価格の前提となるコスト、性能、生産量が競合他社に劣る場合や、新たな競合メーカーが台頭した場合、受注高の減少及びシェアの低下により売上及び収益が悪化することにより、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応) 「(1)マクロ経済環境」におけるリスクへの対応と同様です。 (注1)当社グループでは、複数のガスをサイクリックに供給する工程を伴い、原子層レベルで成膜する手法を「ALD」と呼んでいます。 (4)主要顧客への依存 (顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期~長期、影響度:大) 半導体業界は、近年の激しい景気変動や技術競争から再編が進んでおり、プレイヤーが集約された市場環境となっております。当社グループにおいても、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ 生産、受注及び販売の実績」に記載のとおり、主要顧客に対する売上収益が連結売上収益の相当程度を占めております。当社グループは、リスクを軽減するため、主たる経営数値は当然のこととして、各種の経営指標についても継続的に管理するとともに、リスクをふまえた一定の目標に基づき適切な改善を行ってまいります。また、取引先に対し定期的な信用調査や信用リスクに応じた取引限度額を設定するなど、信用リスクの管理のための施策を講じておりますが、主要顧客各社の事業方針の変更、取引条件の変更、技術革新、業界動向、各国の関税政策、地政学的影響などの理由により取引量が縮小した場合や販売価格低下の圧力が強まった等の場合には、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが売掛債権を有する主要顧客の財政状態が悪化し、期限どおりの支払いを得られない場合には、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応) 「(1)マクロ経済環境」におけるリスクへの対応と同様です。 (5)海外事業 (顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期~長期、影響度:大) 当社グループは、グローバルに事業を展開しているため、海外の各国において以下のようなリスクがあります。これらの事象が発生した場合には、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループの売上収益の比率が高い国においては、「(1)マクロ経済環境」に記載のとおり、今後、地政学的問題や貿易摩擦などによって各国の国産メーカーへの支援強化等が実施される可能性があり、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。地域別の売上収益については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 21.売上収益」をご参照ください。 ・投資、輸出入、関税、公正競争、腐敗防止、環境、労働、租税その他事業活動に係る法令その他の公的規制及びその変更 ・社会的共通資本(インフラ)が未整備なことによる事業活動上の制約 ・政治的要因、社会的要因及び経済情勢の変動 ・テロ、戦争、自然災害、各種感染症等の発生による社会的混乱等 (リスクへの対応) 「(1)マクロ経済環境」におけるリスクへの対応と同様です。 加えて、技術的、取引上の契約事項の明確な記載と相互確認を行うとともに、海外事業に係る取引先、輸出先政庁との情報共有、輸出管理運用基準の遵守、輸出管理教育の受講、輸出管理部門、法務部門と担当部門の連携強化を図っております。 さらに、当社グループでは、海外グループ会社の社員は責任者を含め現地採用を進めており、日本からの社員が出張やリモートで現地を支援する体制を取っております。現地の情報を適時・的確に把握することで、リスクの早期発見と、リスク発現時の適切な対応に努めております。 (6)研究開発 (顕在化の可能性:低、顕在化の時期:長期、影響度:大) 当社グループを取り巻く半導体デバイス市場は、従来の携帯電話やパソコンなどのコンシューマー向けからデータセンターや5G、AIなどの高成長産業向けへと需要がシフトしながら急速に拡大しております。これに伴い、半導体デバイスは複雑な構造へのシフトが進んでおり、半導体製造装置はより難易度の高い技術と高い生産性の両立が求められ、半導体の世代ごとの開発に追従する厳しい技術開発競争下にあります。 当社グループにとって研究開発は重要課題の一つであり、積極的な投資によって顧客ニーズに応えうる付加価値の高い技術及び製品を提供し続けることを基本としておりますが、市場環境の変化に対応できない場合や製品競争力を維持できない場合、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応) 「(1)マクロ経済環境」におけるリスクへの対応と同様です。 (7)Kohlberg Kravis Roberts & Co. L.P.グループとの関係 (顕在化の可能性:低、顕在化の時期:短期、影響度:小) Kohlberg Kravis Roberts & Co. L.P.によって運営されているケイケイアール・エイチケーイー・インベストメント・エルピー(KKR HKE INVESTMENT L.P.)は、売却等により所有比率を低下させることが同社の方針と認識しておりますが、当社について他の一般株主と異なる利害関係を有しており、一般株主が期待する議決権の行使その他の行為を行わない可能性があります。 ケイケイアール・エイチケーイー・インベストメント・エルピー(KKR HKE INVESTMENT L.P.)は、2025年3月31日現在において当社発行済株式総数の23.5%を保有しておりましたが、2025年7月に証券会社を通じて所有株式の一部を売却したため、2026年3月31日現在における発行済株式総数の保有割合は10.4%に減少いたしました。これに伴い、KKR HKE INVESTMENT L.P.は当社のその他の関係会社ではなくなり、当社の筆頭株主でもなくなりました。その後、2026年5月にKKR HKE INVESTMENT L.P.は証券会社を通じて所有株式の全部を売却しております。これに伴い、本報告書提出日時点において、KKR HKE INVESTMENT L.P.は当社の主要株主ではなくなりました。 本報告書提出日現在において、当社の監査等委員でない取締役である中村正樹1名がKKRの日本法人である株式会社KKRジャパンから派遣されておりますが、2026年6月26日開催予定の定時株主総会終結の時をもってKKRからの取締役の派遣はなくなる予定です。 (リスクへの対応) 当社グループは、当該リスクを軽減するため、定期的に対話を行い、経営方針や中長期的な事業戦略および株主還元方針等を説明し、理解を得るようにしております。また、当該株主との取引等について、取引の合理性及び取引条件の妥当性を確認し、取締役会の承認を得ることとしております。 なお、当社は、Kohlberg Kravis Roberts & Co. L.P.とのMonitoring Agreementに基づき、同社より経営全般に関するコンサルティング、資金調達等に関する経営指導を受け、契約に基づくフィーを支払っておりましたが、2022年3月31日にMonitoring Agreementを解除いたしました。これにより、2023年3月期以降、当該契約に基づく対価の支払いは発生いたしません。 (8)大規模災害等 (顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期、影響度:大) 災害や人為的な原因等により電力、通信、交通等の社会的共通資本に関して重大な障害が発生した場合、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。特に、主要生産拠点である当社富山事業所ならびに砺波事業所において長期にわたり稼働が困難となった場合には、より重大な影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応) 当社グループの事業拠点は、国内及び海外に展開しており、生産及び販売活動に大きな影響を与える地震、津波、洪水、火災等の災害に備え、下記の対応を行っております。 ・富山事業所や砺波事業所における大規模災害発生を想定した、初期安全確保から生産稼働復旧に至る方針マニュアルの策定と運用 ・安全衛生リスク評価による予防安全装置の拡充継続・適切配分、ビジネスリスクアセスメントの見直し ・社員の安全が確保できない場合は緊急対応として屋外避難の実施 ・安全運転講習、ISO45001に基づく安全衛生管理、海外出張用安全衛生マニュアル等による継続的リスク指導 (9)感染症の世界的流行 (顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期、影響度:大) 新型コロナウイルスをはじめとする感染症の世界的な流行は、都市封鎖や外出の禁止、自粛による移動の制限、事業拠点の閉鎖、生産活動の制約、個人消費や設備投資等の減少、サプライチェーンの混乱、世界的な資本市場の散発的な乱高下や資金調達環境の悪化等を生じさせ、世界経済の悪化を招き、当社グループの事業や経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況、また、当社グループの顧客やサプライヤーの業務等にも影響を生じさせる可能性があります。 (リスクへの対応) 当社グループは、当該リスクを軽減するため、感染症流行時には感染防止対策を徹底するとともに、サプライチェーンの動向を注視し、支障が生じた際には対策本部を設置するなどして迅速な対応を行ってまいります。 また、顧客の生産拠点に近い地域にサービス拠点を設置し、エンジニアや交換パーツを配置しており、海外渡航が制限された場合でも、サービスを継続できる体制を整えております。 (10)調達・生産 (顕在化の可能性:高、顕在化の時期:中期~長期、影響度:大) 当社グループが使用する購入品資材等は、マルチベンダー化や継続的な仕入供給先への先行情報提供等により安定的な供給の確保に努めておりますが、供給の遅延・中断、急激な需要の増加、経済環境の悪化、地政学的リスクの影響等により、必要不可欠な購入品資材等の供給不足や市場価格の上昇が生じる可能性があります。また、当社グループ製品に使用する資材等の仕入先を変更する際には、顧客の事前承認が必要な場合がありますが、顧客からの要求仕様を満たすために必要な特定の仕入品は、顧客承認を得るまで特定の仕入先からしか入手できず、必要な購入品資材等が不足する可能性があります。また、特定の仕入先の被災、事故、倒産等による急な供給遅延・中断が発生し、顧客の事前承認を取得するまでの間に代替品に切替えることができない場合、当社グループの生産活動に影響が生じ、顧客への納期遅延や受注取り消し等により、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応) 当社グループは、当該リスクを回避するために下記の対応を行っており、例えば、仕入先から生産中止による供給停止を要望された場合でも、仕入先には通常1年前の申請を義務付けているため、仕入先からの供給を確保しつつ、代替品を選定するなど切り替えの準備を進め、顧客承認を取得した上で代替品に切替えております。 近年においては、購入品資材等の仕入価格の上昇が継続しております。当社グループでは、価格上昇妥当性精査に加え商品の高付加価値化や製品への価格転嫁等により仕入価格上昇の影響を吸収していく方針です。 ・ビジネスパートナーとの日常連携と仕入価格の適時妥当性評価 ・ビジネスパートナーミーティングの定例・臨時開催による市場および生産情報共有と協議 ・QCDE(Quality Cost Delivery Environment)定期評価の実施 ・重点ビジネスパートナーの経営監視の実施 ・取引先緊急対応MAPの作成(二次、三次取引先の把握) ・マルチベンダー化の継続的推進 ・購入品の高付加価値化及び製品への価格転嫁努力 (11)製造物・品質 (顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:大) 大規模なリコールや製造物賠償責任につながるような製品の欠陥が発生し多額の追加費用が発生することになった場合や、品質に問題が生じたことにより受注取り消しが発生した場合、当社グループの製品・サービスに対する顧客からの信頼が低下した場合、その他当社グループの製品の製造過程で問題が生じた場合(災害等により事業継続に支障が生じた場合、及びサプライヤーからの供給に問題が生じた場合等を含みます。)には、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応) 当社グループは、国際標準規格である品質マネジメントシステム(ISO9001)及び環境マネジメントシステム(ISO14001)により製品を製造しており、重大な品質問題を防ぐため以下の取り組みを行っております。また、当社グループの製品の製造過程で問題が生じた場合には対策本部を設置するなどして迅速な対応を行ってまいります。 ・製品安全設計の推進 ・継続的な製品品質向上策の推進 ・不具合発生時の是正・予防処置基準に準拠した原因追及、対策、再発防止策等の是正処置 (12)知的財産 (顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期~長期、影響度:中) 当社グループは、当社の技術及び製品の競争力強化の観点から事業運営において知的財産に関する取り組みが重要であると認識しており、当社グループの技術やノウハウを保護するため、知的財産権の確保に努めておりますが、第三者が当社グループの知的財産権を侵害する製品の販売等をすることにより当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。また、万が一、第三者が当社グループによって当該第三者の知的財産権を侵害しているとの見解を抱いた場合、当該第三者より、差止請求や損害賠償請求等の請求を受ける可能性があり、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応) 当社グループでは、当該リスクにより、当社の健全な事業活動の継続に支障をきたすことのないよう、研究開発部門、設計部門、法務部門、知的財産部門など関係部署が相互に連携し、より適切な知的財産権のポートフォリオを構築するよう努めております。また、当社グループでは、研究開発部門、設計部門、法務部門、知的財産部門など関係部署が相互に連携し、技術及び製品の開発を進めており、必要に応じて、外部の専門家等の助言を得ております。 (13)訴訟等 (顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期~長期、影響度:小) 当社グループは、法令及び契約等の遵守に努めておりますが、事業活動を進めていく上で取引先等から訴訟を受ける可能性や、訴訟に至らないまでも紛争に発展して請求等を受ける可能性があります。それらの訴訟等で当社グループが勝訴するという保証はなく、それらの訴訟等が当社グループの将来的な事業活動に影響を与える可能性があることは否定できません。また、さまざまな事情により、訴額の大きな訴訟等が提起された場合には、仮に損害賠償等の金銭の支払いが命じられる可能性が低いとしても、社会的な注目を集める結果、当社グループの社会的評価が低下する可能性があり、これにより当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応) 当社グループは、当社グループの事業活動に関する法令等の遵守はもとより、社会規範と企業倫理に則った透明性の高い経営を行うための行動を実践することを目的として、コンプライアンスの基本方針や体制などを定める会社規則を制定し、国内外の主要拠点における事業活動状況について、主にコンプライアンスの観点から把握するための体制として、コンプライアンス担当役員のもと本社の経営サポート部門を中心に構成するコンプライアンス委員会を設置しております。また、法令や企業倫理上疑義のある事項等を早期に発見し、速やかな対策を講じるための仕組みとして、当社グループのみではなく当社グループのステークホルダーも利用可能なコンプライアンス通報制度を設けております。 (14)環境対応 (顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期~長期、影響度:中) 当社グループは、法及び規制の遵守のために必要な経営資源を投入しておりますが、現在及び過去の生産活動に関わる環境責任に伴う費用負担や損害賠償が発生する可能性があり、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。 (リスクへの対応) 当社グループは、排水、排気、騒音、廃棄等における環境汚染に関するさまざまな環境法及び規制の適用を受けており、以下の対応を行っております。加えて、IFRS/S2号(International Financial Reporting Standards)における気候関連開示に沿い、気候変動におけるリスクと機会を特定するとともに、それらが事業や財務に与える影響を分析し、対応策を設けております。 ・ISO14001による環境管理、法規制・条例の把握 ・使用エネルギーの適正管理 ・排水・排気設備の日常点検 ・廃棄物委託業者の現地確認実施 ・化学物質の適切な管理(許可、登録、使用量管理、廃棄時WDS(Waste Data Sheet)の提供) ・顧客への製品の化学物質情報の提供 ・SBT(Near-term、Net-Zero)認定に沿ったGHG(温室効果ガス)排出量の削減 ・RE100(Renewable Energy 100%)認定に沿った再生可能エネルギーへの転換 (15)人材 (顕在化の可能性:高、顕在化の時期:短期~中期、影響度:中) 当社グループがグローバルな事業展開を進めるなか、イノベーションを創出し成長を続けるためには、国内外で多様な人材を確保・育成すること、多様性を生かす組織文化が重要となります。 少子高齢化の加速に伴う人材不足に起因して、必要な人材を継続的に採用・維持することができない場合や重要人材を喪失した場合には、人材不足による製品開発力の低下や顧客サポートの質の低下を招き、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応) 当社グループは、AI活用の推進により定常業務の効率化を図るとともに、国内外で必要な人材をタイムリーに確保するため、国内外で経験者採用を拡大するとともに、多様な人材が働きやすい職場づくりの推進、グループ・グローバル共通のラーニングマネジメントシステムの活用や社内教育プログラムの実践により戦略的に人材の確保・育成を図っております。 (16)コンプライアンス等 (顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:中) 事業を展開する各国の法令、規則の適用を受けるため、コンプライアンス体制や内部統制システムに内在する限界、法規制、法解釈の変更等により法規制等の遵守が困難になる可能性があります。また、貿易紛争により輸出規制や関税等が強化される可能性もあります。これらの規制を遵守できなかった場合には、業務への障害、罰則や課徴金の適用、法令違反に係る損害賠償請求、業務停止等の行政処分、当社グループに対する社会的評価・信用の低下等により、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。また、規制の強化によってそれを遵守するためのコストが大幅に上昇する可能性や、各国の競争法によって当社グループの事業の拡大が妨げられる可能性があります。 また、当社グループは、財務報告の適正性と信頼性を確保するための内部統制システムを構築しておりますが、さまざまな要因により内部統制システムが機能しなくなる可能性があります。このような事象に適切に対処できない場合、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応) 「(13)訴訟等」におけるリスクへの対応と同様です。 加えて、コンプライアンス教育により法令、規則の周知徹底を行うとともに、澱み・癒着を防止するために、管理部門、担当ビジネスパートナーの定期ローテーションを強化するとともに、内部監査による定期的なモニタリングを実施しております。 (17)情報セキュリティ (顕在化の可能性:高、顕在化の時期:特定の時期なし、影響度:大) 当社グループは、事業活動を通じて、機密情報、顧客情報、個人情報等を取得・保有、利用しており、それらが意図せず流出した場合、社会的信用の低下や、損害賠償の発生、製品競争力の低下等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、情報システム及び情報ネットワークを駆使しながら事業活動を行っており、サイバー攻撃、不正アクセス、自然災害、停電、機器類の故障、人為的ミスなどにより障害等が発生した場合には、業務の停滞や信用の低下が生じ、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応) 当社グループは、当該リスクへの対応として、情報セキュリティマネジメントに関する社内規程を定め、情報セキュリティ統括責任者を中心とした情報セキュリティ委員会を運営し、従業員対策とシステム対策の両面から継続的に改善しております。また、個人情報保護法への対応として、当社保有の情報資産保護のため、情報セキュリティ方針に基づく「情報セキュリティ事故発生時の連絡体制図」を定め、事故並びに事故の疑い時に迅速に対応できる連絡通報体制を構築しております。さらに、保護対象となる情報について、社内IDを使用したアクセス制限のほか、パスワードの設定・変更を定期的に見直すことにより管理を厳格化しております。 (18)為替 (顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:小) 当社グループにおける海外売上収益は高い水準で推移しております。また、当社グループの外貨建ての資産及び負債の評価は為替相場の変動により影響を受けております。為替相場の急激な変動によっては、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。 (リスクへの対応) 当社グループでは、海外での製品販売を円建としており、また、為替予約等の措置を講じることで、為替変動によるリスクを一定程度軽減させるよう努めております。 (19)金利の変動 (顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループは、一部の資金調達を金融機関からの変動金利による借入で行っております。 変動金利の借入は市場金利の動向に応じ支払利息が変動するため、金利上昇局面においては金融費用が増加し、当社グループの経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応) 金利変動リスクについては、借入金と手元資金のバランスを踏まえ、財務の健全性および資金効率の観点から、有利子負債水準の適切なコントロールに努めております。市場金利の動向や金融政策および資金調達環境を継続的にモニタリングし、資金需要を勘案して、借入金の返済や固定金利による調達およびデリバティブの利用の検討等、資金調達手段の多様化を図り、特定の金利環境に依存しない財務構造の構築に努めております。 (20)のれん及びその他の無形資産 (顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:大) 当社グループは、2018年5月に当社が日立国際電気の全株式を取得した際にLBOを用いた出資を行っております。これにより、のれん及びその他の無形資産が2026年3月期においてそれぞれ59,065百万円、44,389百万円計上されており、合わせて連結資産合計の28.8%を占めております。当社が連結決算において採用する国際会計基準では、当該のれん及び一部の耐用年数を確定できない無形資産については、償却を行わず、事業年度ごと又は減損の兆候が確認される場合において、減損テストを実施し、当社グループの事業の収益やキャッシュ・フロー創出力が低下したと認められる場合に減損損失を計上することが必要となり、これにより当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、日本において一般に公正妥当と認められる企業会計と異なり、前述のとおり、のれん及び耐用年数の確定ができない無形資産の償却を行わないため、当該のれん及びその他の無形資産について減損損失の計上が必要となる場合、日本において一般に公正妥当と認められる企業会計での減損損失の計上に比して計上額が多額となる可能性があります。 2026年3月期においては、減損テストの結果、将来キャッシュ・フローによる使用価値(回収可能価額)は帳簿残高を上回っており、減損損失の計上は不要と判断しております。しかしながら、仮に税引前の割引率が一定の場合、将来キャッシュ・フローの見積額が72.3%減少すると回収可能価額と事業価値の帳簿価額が等しくなる可能性があります。 (リスクへの対応) 当社グループでは、上記リスクを逓減するため、事業の収益力強化に努めており、主に以下の取り組みを実施しております。 ① 顧客関係性の向上による、利益の最大化とシェアの拡大 顧客エンゲージメントの最適化を推進するとともに、差別化技術開発を加速し、高付加価値製品の展開によるシェアの拡大、収益力強化に注力してまいります。 ② プロダクト・ライフサイクル・ビジネスの持続的成長 顧客へ納入した装置のアフターサービスは、装置販売の拡大とともに、重要な事業として強化に取り組み順調に拡大してきました。今後も、プロダクト・ライフサイクル・ビジネスをさらに高度化して、拡大展開を推進してまいります。 ③ 製品・アプリケーション別戦略によるPOR(注)獲得強化と収益拡大 アプリケーションごとの装置プラットフォームの最適化とターゲットの明確化によりPORの獲得を推進してまいります。顧客の要求に合致した技術開発と提案により、高収益である次世代新製品、新アプリケーションの拡販に取り組み、新PORの獲得とともに収益の拡大をめざしてまいります。 (注)Process Of Recordの略であり、「顧客の半導体製造プロセスにおける製造装置認定」のことを指します。
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業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態 当連結会計年度末の資産合計は、3,597億円となり、前連結会計年度末に比べ181億円増加しました。主な内容として、現金及び現金同等物は下記②キャッシュ・フローの状況に記載のとおり118億円増加しました。有形固定資産は、米国デモセンター設立に伴う投資等により71億円増加しました。一方で、営業債権及びその他の債権は49億円減少、無形資産は償却等により32億円減少しました。 当連結会計年度末の負債合計は、1,404億円となり、前連結会計年度末に比べ50億円減少しました。主な内容として、借入金は返済により114億円、未払法人所得税は支払い等により63億円減少しました。一方で、改造案件に伴う前受金の受領等により、契約負債は124億円増加しました。 当連結会計年度末の資本は2,193億円となり、前連結会計年度末に比べ231億円増加しました。主な内容として、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上等により利益剰余金が209億円増加し、自己株式の処分により資本の控除項目である自己株式が20億円減少しました。 b.経営成績 当連結会計年度における世界経済は、緩やかな成長基調にあるものの、欧州や中東における地政学リスクの長期化、中国経済の低迷、新たな輸出規制や関税政策による各国貿易摩擦への影響、物価上昇による消費の下振れ懸念など、依然として先行きに対する不透明感が続いております。 当社グループを取り巻く事業環境は、前期に引き続きAI関連の需要が半導体デバイスメーカーの投資を牽引しており、特に生成AIの活用拡大に伴うデータセンター用サーバー向けの需要が拡大しております。これを受けて、半導体デバイス市場では、生成AI用途の高性能Logic、DRAMを中心にデバイスの世代交代や生産規模拡大に向けた設備投資が高水準で推移し、NANDでも主にデバイスの世代交代に向けた設備投資が進んでおります。一方で、スマートフォンやパソコン等の民生電子機器向け及び自動車・産業機器向けの需要回復は緩やかであり、AI関連とは異なった需要の動きになっております。中長期的には、民生電子機器の需要回復・拡大に加え、AI、IoT、DX等の拡がりによるデータセンターのさらなる拡充やグリーントランスフォーメーションへの投資等により、半導体関連市場は大きな成長が見込まれております。 こうした状況において、当連結会計年度における当社グループの売上収益は、前連結会計年度と比べて、NAND向け装置販売に加え、主にDRAM向けのアップグレード改造(新規装置の代替として既存装置の性能や機能を向上させる改造)が伸長しました。一方で、前期に活発だった中国でのDRAM向け設備投資が落ちついた影響により、全体の売上収益は2,351億円(前連結会計年度比1.6%減)となりました。また、生産工場の稼働率低下や製品構成の変化、将来に向けた研究開発などの先行投資の影響により、利益についても前連結会計年度と比べて減少し、営業利益は418億円(同18.5%減)、税引前利益は407億円(同19.8%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は301億円(同16.4%減)と、減収減益となりました。 なお、当社グループは、半導体製造装置事業による単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は565億円となり、前連結会計年度末の448億円と比べて118億円の増加となりました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、前期に比べ103億円増加し、488億円の収入となりました。主なキャッシュ・フローの増加要因としては、売上収益増加に伴う当期利益の計上301億円によるものであります。一方で主な減少要因は、法人所得税の支払い189億円によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、主として有形固定資産の取得による支出等により、170億円の支出となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、主として長期借入金の返済、配当金の支払いにより、215億円の支出となりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績 a.生産実績 当社グループは半導体製造装置事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。 セグメントの名称   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 金額(百万円)   前年同期比(%) 半導体製造装置事業   208,781   103.0 (注)1.金額は販売価格によっております。 b.受注実績 当社グループは半導体製造装置事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の受注実績は次のとおりであります。 セグメントの名称   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 受注高 (百万円)   前年同期比(%)   受注残高 (百万円)   前年同期比(%) 半導体製造装置事業   264,277   117.5   164,806   121.5 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。なお、当社グループは半導体製造装置事業のみの単一セグメントであるため、製品・サービス別の販売実績を示しております。 区分   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 販売高(百万円)   前年同期比(%) 製品   139,950   85.2 サービス   95,129   127.4 合計   235,079   98.4 (注)1. 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおり  であります。 相手先   前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 金額(百万円)   割合(%)   金額(百万円)   割合(%) Samsung Electronics Co., Ltd.   31,806   13.3   51,258   21.8 Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd.   30,827   12.9   31,495   13.4 CXMT Corporation   48,759   20.4   - (注2)   - (注2) (注)2. 当連結会計年度において連結売上収益の10%未満であるため、記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 ① 重要性がある会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたって、過去の実績や状況を踏まえ、合理的と考えられるさまざまな要因を考慮した上で、見積り及び判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」及び「同 4.重要な会計上の見積り及び判断」をご参照ください。 ② 経営成績等の状況に関する分析・検討内容 (売上収益) 半導体デバイス市場では前期に引き続きAI関連の需要が半導体デバイスメーカーの投資を牽引しており、生成AI用途の高性能Logic、DRAMを中心にデバイスの世代交代や生産規模拡大に向けた設備投資が高水準で推移し、NANDでも主にデバイスの世代交代に向けた設備投資が進んでおります。こうした状況において、NAND向け装置販売に加え、主にDRAM向けのアップグレード改造が伸長したことにより当社の装置売上収益は1,400億円(前期比85.2%)となりました。また、サービス売上収益は951億円(前期比127%)となり、前期に活発だった中国でのDRAM向け設備投資が落ちついた影響により売上収益全体では、2,351億円(前期比98.4%)となりました。 (営業利益) 売上収益の減少により売上総利益が減少しました。また、中長期的な成長に向けた研究開発費等の販売費及び一般管理費の増加により、営業利益は418億円(対売上収益比率17.8%)となりました。 (税引前利益) 長期借入金の利息支払い等金融費用の発生(15億円)等により、当連結会計年度の税引前利益は407億円(対売上収益比率17.3%)となりました。 (親会社の所有者に帰属する当期利益) 法人所得税費用が106億円計上となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は301億円(対売上収益比率12.8%)となりました。 財政状態及びキャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」及び「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 ③ 資本の財源及び資金の流動性について 当社グループでは、運転資金については、内部留保により調達することを基本としております。設備資金については、案件の都度、手持ち資金でまかなえるか、又は長期借入金にて調達するかを検討しており、必要に応じて外部からの資金調達を行うこととしております。 なお、子会社の資金調達については、グループ資金の効率性確保の観点から原則として当社が実施し、当社から当社グループ子会社に貸付を実施します。当社グループでは、グループ資金を当社が集中して管理し、グループ全体としての資金の効率的な調達・運用を実現しております。 ④ 経営成績に重要な影響を与える要因 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。 当連結会計年度の売上収益は2,351億円、営業利益は418億円であり、営業利益率は17.8%となりました。調整後営業利益は476億円、調整後当期利益は341億円となりました。 当社グループを取り巻く事業環境は、前期に引き続きAI関連の需要が半導体デバイスメーカーの投資を牽引しており、特に生成AIの活用拡大に伴うデータセンター用サーバー向けの需要が拡大しております。これを受けて、半導体デバイス市場では、生成AI用途の高性能Logic、DRAMを中心にデバイスの世代交代や生産規模拡大に向けた設備投資が高水準で推移し、NANDでも主にデバイスの世代交代に向けた設備投資が進んでおります。一方で、スマートフォンやパソコン等の民生電子機器向け及び自動車・産業機器向けの需要回復は緩やかであり、AI関連とは異なった需要の動きになっております。中長期的には、民生電子機器の需要回復・拡大に加え、AI、IoT、DX等の拡がりによるデータセンターのさらなる拡充やグリーントランスフォーメーションへの投資等により、半導体関連市場は大きな成長が見込まれております。 ⑥ 経営者の問題意識と今後の方針 経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。 (参考情報) 当社グループは、経営成績の推移を適切に把握するために、調整後営業利益及び調整後当期利益を算出しております。これらは国際会計基準(IFRS)により規定された指標ではなく、当社の業績を評価する上で、通常の営業活動の結果として投資家が有用と考える財務指標であり、上場準備のために発生する上場関連費用、上場後には発生しないと見込まれるマネジメントフィー等の非経常的なものについて除外しております。 (1)調整後営業利益 (単位:百万円) 第7期   第8期   第9期   第10期   第11期 自2021年4月1日 至2022年3月31日   自2022年4月1日 至2023年3月31日   自2023年4月1日 至2024年3月31日   自2024年4月1日 至2025年3月31日   自2025年4月1日 至2026年3月31日 営業利益   70,652   56,064   30,745   51,320   41,836 -その他の収益   △231   △270   △679   △348   △508 +その他の費用   1,235   1,562   487   253   368 (調整額) +企業結合により識別した無形資産等の償却   6,368   6,369   6,369   5,907   5,905 +スタンドアローン関連費用(注3)   1,024   353   223   317   - +マネジメントフィー (注4)   308   -   -   -   - +売却関連費用(注5)   9   -   -   -   - +株式報酬費用(業績連動型株式報酬制度に係るものを除く)   56   173   694   304   △5 調整額 計   7,765   6,895   7,286   6,528   5,900 調整後営業利益(注1)   79,421   64,251   37,839   57,753   47,596 (2)調整後当期利益 (単位:百万円) 第7期   第8期   第9期   第10期   第11期 自2021年4月1日 至2022年3月31日   自2022年4月1日 至2023年3月31日   自2023年4月1日 至2024年3月31日   自2024年4月1日 至2025年3月31日   自2025年4月1日 至2026年3月31日 当期利益   51,339   40,305   22,374   36,004   30,099 -その他の収益   △231   △270   △679   △348   △508 +その他の費用   1,235   1,562   487   253   368 (調整額) +企業結合により識別した無形資産等の償却   6,368   6,369   6,369   5,907   5,905 +スタンドアローン関連費用(注3)   1,024   353   223   317   - +マネジメントフィー (注4)   308   -   -   -   - +売却関連費用(注5)   9   -   -   -   - +株式報酬費用(業績連動型株式報酬制度に係るものを除く)   56   173   694   304   △5 +調整項目に対する税金調整額   △2,685   △2,507   △2,172   △1,970   △1,764 -税率変更等に伴う一時的な税金費用の調整額(注6)   △1,857   -   -   1,836   - 調整後当期利益(注2)   55,566   45,985   27,296   42,303   34,095 (注)1.調整後営業利益は以下の算式により算出しております。 調整後営業利益 = 営業利益(IFRS)- その他の収益 + その他の費用 + 企業結合により識別した無形資産等の償却 + スタンドアローン関連費用 + マネジメントフィー + 売却関連費用 + 株式報酬費用(業績連動型株式報酬制度に係るものを除く) 2.調整後当期利益は以下の算式により算出しております。 調整後当期利益 = 当期利益 - その他の収益 + その他の費用 + 企業結合により識別した無形資産等の償却 + スタンドアローン関連費用 + マネジメントフィー + 売却関連費用 + 株式報酬費用(業績連動型株式報酬制度に係るものを除く) + 調整項目に対する税金調整額 - 税率変更等に伴う一時的な税金費用の調整額 3.スタンドアローン関連費用は、国際会計基準の導入、適時開示体制構築及び内部統制体制構築等の上場関連の一時的な費用であります。 4.マネジメントフィーはKohlberg Kravis Roberts & Co. L.P.とのMonitoring Agreementに基づく報酬であります。 5.売却関連費用は、Applied Materials, Inc.との事業統合に向けた準備費用及び事業再編等に関わる一時的な費用であります。 6.第10期の税率変更等に伴う一時的な税金費用の調整額は、連結子会社間における事業譲渡に伴う一時的な費用であります。 7.調整後営業利益及び調整後当期利益につきましては、国際会計基準により規定された指標ではなく、当社の業績を評価する上で、通常の営業活動の結果として投資家が有用と考える財務指標であり、上場準備のために発生するスタンドアローン関連費用、上場後には発生しないと見込まれるマネジメントフィー等の非経常的なものについて除外しております。

EDINET提出の有価証券報告書から自動抽出。表は文字起こしのため崩れることがあります。

開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は IFRS

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