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日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,085.45+319ドル円158.62-2NASDAQ26,241.86+142S&P 5007,680.46+49SOX 指数11,350.08+619/2終値

ブラザー工業

BROTHER INDUSTRIES LTD.6448 · Prime · 電気機器

プリンター・複合機を軸に、産業用印刷・工作機械・ミシン・減速機など多角化するグローバル製造企業。

概要

ブラザー工業は、プリンターや複合機、家庭用ミシン、工作機械などを手がける総合電機メーカーである。2026年3月期の売上収益は8935億円、従業員約3万9500人。家庭用ミシンと小型プリンターで世界有数のシェアを持ち、印刷技術とモノづくりのDNAを軸に6事業を展開する。

6つの事業セグメントで構成される複合企業

ブラザーグループは、プリンティング・アンド・ソリューションズ事業、インダストリアル・プリンティング事業、マシナリー事業、ニッセイ事業、パーソナル・アンド・ホーム事業、その他事業の6つを報告セグメントとする。最大の事業は売上収益5706億円を計上するプリンティング・アンド・ソリューションズ事業で、プリンター、複合機、ラベルライター、スキャナーを扱う。インダストリアル・プリンティング事業(1393億円)は産業用印刷機器、マシナリー事業(830億円)は工作機械と工業用ミシン、ニッセイ事業は減速機と歯車、パーソナル・アンド・ホーム事業は家庭用ミシンをそれぞれ製造・販売する。2025年度よりネットワーク・アンド・コンテンツ事業を非継続事業に分類した。

オフィス向けプリンティングが収益の過半を占める

2026年3月期の連結売上収益8935億円のうち、プリンティング・アンド・ソリューションズ事業が5706億円(構成比63.9%)を占める。同事業の内訳は、通信・プリンティング機器が4983億円、ラベリングが722億円である。営業利益ベースでは同事業が581億円と全社の74.6%を稼ぎ出す。一方、成長投資対象のインダストリアル・プリンティング事業は売上1393億円だが営業損失17億円と低迷し、マシナリー事業は売上830億円で営業利益は非開示だが、増収効果により事業セグメント利益は前期比で改善した。

40以上の国と地域に広がるグローバルネットワーク

ブラザーグループは、40以上の国と地域に生産・販売・サービス・開発拠点を持つ。本社は愛知県名古屋市瑞穂区に置き、主要な生産拠点は日本、中国、ベトナム、台湾などに分散する。販売網は欧州、北米、アジア、中南米に広がり、各地域の需要に応じた製品供給とアフターサービスを展開する。2026年3月期の為替レートは1米ドル150.97円、1ユーロ174.54円であり、海外売上高比率は約70%と推定される。グローバル複合事業企業として、地域横断で技術や販売ノウハウを共有する体制を強みとする。

グループ会社を通じた事業ポートフォリオの拡充

ブラザーグループは、M&Aや新会社設立により事業領域を拡大している。2025年度には産業用大判プリンターを主力とするMUTOHホールディングス(現MUTOH株式会社)を連結子会社化し、インダストリアル・プリンティング事業を強化した。また、新たに株式会社BuddyBoardやXING Music Solutions Inc.を設立し、デジタル関連分野への投資を進める。さらに、ドミノ(Domino Printing Sciences)を傘下に持ち、産業用印刷・コーディング機器で欧州市場に強みを持つ。これらのグループ会社が各事業のグローバル展開を支える。

業界の中での役割はオフィス・産業用印刷機器、工作機械、ミシン、減速機などの製造・販売にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
8,935億円
営業利益
779億円
営業利益率
8.7%
純利益
676億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01オフィス向けプリンティング主力

プリンター、複合機、ラベルライター、ラベルプリンター、スキャナーを製造・販売。オフィスでの文書出力・ラベリング業務を支える。

主な製品・サービス3
プリンター・複合機
レーザー/インクジェットプリンター、FAX・スキャン機能付き複合機。オフィスの文書出力・通信の中核機器。
ラベルライター・ラベルプリンター
テープ印刷や業務用ラベル発行に対応する小型・大型ラベルプリンター。ファイル管理や物流・製造現場で使用。
スキャナー
ドキュメントスキャナー。書類の電子化、ペーパーレス化を支援する。

02産業用印刷準主力

産業用印刷機器の製造・販売。捺染・ラベル・電子回路向けなど特殊用途の印刷機を提供。

主な製品・サービス1
産業用印刷機器
捺染インクジェットプリンター、業務用ラベルプリンター、電子基板用印刷機など。工業製品への直接印刷や特殊メディアへの印刷に対応。

03工作機械・工業用ミシン準主力

マシナリー事業として、工作機械(タッピングマシン、マシニングセンタ等)と工業用ミシンの製造・販売。自動車・電機・アパレルなど多業種の生産現場に供給。

主な製品・サービス2
工作機械
タッピングマシン、マシニングセンタ、複合加工機。金属部品の穴あけ・切削加工に使用される精密工作機械。
工業用ミシン
縫製工場向け高速ミシン、自動縫合機。衣料・自動車シート・産業資材の縫製ラインで使用。

04減速機・歯車(ニッセイ事業)副次

減速機と歯車の製造・販売。産業機械の動力伝達部品として、幅広い製造業に供給。併せて不動産賃貸も行う。

主な製品・サービス2
減速機
遊星歯車減速機、ハーモニックドライブ減速機。ロボット・工作機械・搬送装置などの精密位置決めやトルク増幅に使用。
歯車
各種平歯車、はすば歯車、内歯車。産業機械・自動車・航空機向けに高精度な歯車を供給。

05家庭用ミシン(パーソナル・アンド・ホーム事業)副次

家庭用ミシンの製造・販売。縫製・刺繍機能を備えた機種を中心に、ホームユーザー向けに展開。

主な製品・サービス1
家庭用ミシン
家庭向けコンピュータミシン、刺繍ミシン。衣類の縫製や手芸・趣味の刺繍まで対応。

製品と技術

オフィス文書出力を支えるプリンターと複合機

プリンティング・アンド・ソリューションズ事業の主力製品は、レーザープリンター、インクジェットプリンター、およびFAX・スキャン機能を統合した複合機である。レーザー複合機・プリンターは欧州・中国を除く地域で販売が堅調であり、インクジェット複合機も各地域で伸長した。消耗品(トナー、インク)も価格対応により安定した収益を生む。さらに、ラベルライターやラベルプリンターはファイル管理や物流現場で使用され、本体と消耗品の両面で収益に貢献する。スキャナーはペーパーレス化需要に応える。

産業用印刷:ドミノとMUTOHが担う特殊印刷

インダストリアル・プリンティング事業は、産業用印刷機器を扱う。子会社のドミノはデジタルラベル印刷や段ボール印刷の分野で強みを持ち、消耗品販売が堅調である一方、設備投資需要の軟化が影響している。2025年に連結子会社化したMUTOHは産業用大判プリンターを主力とし、捺染やサイン・ディスプレイ用途に対応する。また、ガーメントプリンターではブラザー初のDTF(ダイレクト・トゥ・フィルム)プリンターを発売し、ラインアップを強化した。電子基板用印刷機も提供する。

金属加工と縫製を支える工作機械と工業用ミシン

マシナリー事業は、工作機械(タッピングマシン、マシニングセンタ、複合加工機)と工業用ミシンを製造・販売する。工作機械は自動車や一般機械市場向けに、中国・アジアを中心に設備投資需要が拡大し、2026年3月期の産業機器売上は前期比35.9%増の643億円となった。工業用ミシンはアパレル向けだが、米国関税政策の影響で設備投資が低調となり、売上は186億円と前期比6.6%減となった。両製品ともメカトロニクス技術を応用し、ブラザーのモノづくりDNAを体現する。

家庭用ミシン:世界トップクラスのシェアを維持

パーソナル・アンド・ホーム事業は、家庭用コンピュータミシンと刺繍ミシンを手掛ける。世界の家庭用ミシン市場でトップクラスのシェアを持つ。2026年3月期は、インフレや米国関税政策の影響で高級機の市況が軟調だったが、普及機・中級機が堅調に推移し、前期比で増収となった。コンピュータ制御による多様な縫い目や刺繍パターンを提供し、手芸・趣味のユーザーから衣類縫製まで幅広いニーズに対応する。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

電気機器のなかでの位置

プリント・縫製機で世界首位、内需依存低く堅調

ブラザー工業は家庭用・産業用ミシンとプリンターで世界市場を席巻する電気機器メーカー。同社はグローバル生産・販売網を活かし、特に欧米や新興国での需要を取り込んでいる。一方、同業他社であるキオクシアホールディングスやイビデンはメモリや半導体基板に特化し、市況変動の影響を受けやすい。ブラザー工業は多角化により安定した収益基盤を持ち、海外売上高比率が高く内需変動の緩衝材としているが、近年はサプライチェーン再編やデジタル化の進展による需要構造の変化に適応する必要がある。また、競争激化するプリンター市場ではシェア維持が課題であり、新興国での低価格競争や環境規制への対応が求められる。

強み

  • 家庭用・産業用ミシンで世界シェア首位を確保し、高いブランド力と技術力を誇る。
  • プリンター、工作機械、産業機器など幅広い製品を展開し、特定市場への依存を低減。
  • 売上高は2024/3期の8229億円から2026/3期8935億円へと順調に拡大。
  • グローバル展開により海外売上高比率が高く、内需変動の影響を緩和する。

課題

  • プリンター市場でキオクシアなどエレクトロニクス企業との競争が激しく、シェア維持が課題。
  • 原材料高や物流費増加が利益を圧迫する可能性があり、効率化が急務。
  • 欧州などで強化される環境規制に適合する製品開発・生産プロセス改革が必要。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

工作機械・FAの時価総額近傍。太字がブラザー工業

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
16594ニデック3.0兆円23.6倍
27013IHI2.8兆円17.1倍
36504富士電機1.9兆円19.5倍
45334日本特殊陶業1.6兆円14.0倍
56645オムロン1.3兆円35.9倍
66448ブラザー工業1.3兆円19.7倍
76841横河電機1.2兆円21.3倍
86724セイコーエプソン1.2兆円56.7倍
96506安川電機1.2兆円32.9倍
107701島津製作所1.2兆円18.8倍
116856堀場製作所9,517億円22.1倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(工作機械・FA)に従っています。

会社の歴史

沿革 8件

ミシン修理業から始まった1908年の創業

ブラザー工業の起源は、1908年4月に現在の愛知県名古屋市熱田区で創業された「安井ミシン商会」である。当初はミシンの修理と部品製造を手掛けていた。1925年11月には商号を「安井ミシン兄弟商会」に変更し、兄弟による経営が本格化する。この時期、国内のミシン市場は輸入品が主流であり、修理業から製造への転換を模索していた。

国産初の家庭用ミシンとBROTHER商標の確立

1928年1月、麦わら帽子製造用の環縫ミシン「昭三式ミシン」の販売を開始し、同時に商標を「BROTHER」と定めた。続いて1932年11月には家庭用ミシンの国産化に成功する。これは輸入品依存からの脱却を意味し、ブラザーの基盤技術となった。1934年1月、現在の名古屋市瑞穂区に「日本ミシン製造株式会社」を設立し、本格的な製造企業としてスタートした。

工業用ミシンと販売網の整備(1936~1941年)

1936年12月、工業用本縫ミシンの製造を開始し、家庭用から産業用へ事業を拡大する。1941年7月には国内販売会社として「ブラザーミシン販売株式会社(後のブラザー販売株式会社)」を設立し、製造と販売を分離する分業体制を構築した。これにより、戦時下でも安定的な供給網を確保するとともに、戦後の再建の基盤を築いた。

戦後初の輸出で国際展開の第一歩(1947年)

第二次世界大戦後、ブラザー工業は海外市場への進出を模索する。1947年5月、家庭用直線ミシンを上海向けに200台輸出した。これが同社初の輸出であり、グローバル展開の起点となる。戦後の復興期において、ミシンは貴重な外貨獲得手段でもあった。この輸出実績を足掛かりに、以後、海外販売拠点の設立や現地生産へと発展していく。

年表8件を開く

1900年代

  • 1908年4月現在の愛知県名古屋市熱田区に「安井ミシン商会」を創設、ミシンの修理並びに部品の製造開始

1920年代

  • 1925年11月商号変更商号を「安井ミシン兄弟商会」に変更
  • 1928年1月昭三式ミシン(麦わら帽子製造用環縫ミシン)の販売開始、商標を「BROTHER」と定める

1930年代

  • 1932年11月家庭用ミシンの国産化に成功
  • 1934年1月創業現在の愛知県名古屋市瑞穂区に「日本ミシン製造株式会社(後のブラザー工業株式会社)」を設立
  • 1936年12月工業用本縫ミシンの製造を開始

1940年代

  • 1941年7月創業国内販売会社として「ブラザーミシン販売株式会社(後のブラザー販売株式会社)」を設立
  • 1947年5月家庭用直線ミシンを、上海向けに200台輸出

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は4つの方針を掲げている。そのうち5項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 売上収益2027年度まで1兆円
  • 営業利益額2027年度まで1,000億円
  • ROE2027年度まで10%
  • 産業用領域の売上比率2027年度まで40%
  • TSR対TOPIX2027年度まで100%以上

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    事業ポートフォリオ変革の加速

    事業を4つのカテゴリー(成長事業、コア事業、収益性追求事業、収益性改革事業)に分類し、各事業の役割と重点指標を明確化。成長事業にはM&Aを含む積極的な成長投資を実行して非連続成長を実現し、コア事業では収益基盤の強化とビジネスモデル変革を進める。収益性追求・改革事業では利益率改善に注力する。

  2. 02

    産業用領域の成長強化

    産業用プリンター(IP事業)やマシナリー事業(工作機械・産業機器)などの産業用領域を注力領域に位置づけ、新製品投入や販売・サービス拠点の拡充、M&A(例:MUTOH社の子会社化)により事業拡大を図る。また、新規事業(例:BuddyBoardの独立)も推進する。

  3. 03

    プリンティング領域の変容と新たな柱の構築

    プリンティング&ソリューションズ事業(P&S事業)をコア事業とし、インクジェット・カラーレーザー新製品投入、マーケティング強化、つながるビジネス(サービスプラットフォーム)の拡大により、顧客利便性向上と消耗品販売促進を図る。事業の枠を超えた新たな柱を築く。

  4. 04

    財務戦略の強化と株主還元

    資本コストと株価を意識した経営を推進。成長投資として3年間でM&A・アライアンス中心に2,000億円規模を実行。株主還元は配当下限100円/年・配当性向40%目安、3年間で600億円の自己株式取得を含む1,400億円の還元を予定。ROE10%達成、TSR対TOPIX100%以上を目指す。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で39,495人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は805万円で、9期前と比べて+4.6%平均年齢は43.6歳、平均勤続年数は13.9年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月36,929
2018年3月38,628
2019年3月77042.415.237,769
2020年3月76242.715.437,697
2021年3月77043.015.538,741
2022年3月76743.315.041,215
2023年3月78443.514.541,653
2024年3月74643.514.340,538
2025年3月80443.614.242,801158
2026年3月80543.613.939,495197

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率7.1%
縦線は目安の30%
男性育休取得率102.4%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)77.3%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社97(国内 51 / 海外 46、うち連結子会社 39) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位10)
ブラザーインダストリーズ(フィリピン) (フィリピン バタンガス州)*3239億円
瑞穂工場 — 愛知県名古屋市瑞穂区162億円
プリンティング・アンド・ソリューションズ、パーソナル・アンド・ホーム、その他
㈱ニッセイ 本社工場(愛知県安城市)他4件 *2144億円
ニッセイ
ドミノU.K. (イギリス ケンブリッジ,リバプール)*3132億円
インダストリアル・プリンティング
ブラザーインダストリーズ(ベトナム) (ベトナム ハイフォン市)*3126億円
ブラザーインターナショナルコーポレーション(U.S.A.) — アメリカ合衆国 ニュージャージー州等118億円
プリンティング・アンド・ソリューションズ、インダストリアル・プリンティング、ニッセイ、パーソナル・アンド・ホーム
星崎工場 — 愛知県名古屋市南区104億円
プリンティング・アンド・ソリューションズ
本社 — 愛知県名古屋市瑞穂区7,711百万円
――
刈谷工場 — 愛知県刈谷市7,089百万円
インダストリアル・プリンティング、マシナリー
兄弟機械(西安)有限公司(中国陜西省 西安市)*35,605百万円
マシナリー
ほか14件の開示あり
主な関係会社
  • 国内
    ブラザーインターナショナルコーポレーション(U.S.A.)1
    アメリカ合衆国 ニュージャージー州サマセット · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ブラザーインターナショナルコーポレーション(U.S.A.)1
    アメリカ合衆国 ニュージャージー州サマセット · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    ブラザーインターナショナルコーポレーション(カナダ)
    カナダ ケベック州 モントリオール · 連結子会社
  • 海外
    ブラザーインターナショナルコーポレーション(カナダ)
    カナダ ケベック州 モントリオール · 連結子会社
  • 海外
    ブラザーインターナショナル(メキシコ)
    メキシコ メキシコシティ · 連結子会社
  • 海外
    ブラザーインターナショナル(メキシコ)
    メキシコ メキシコシティ · 連結子会社
  • 国内
    ブラザーインダストリーズ(U.S.A.)
    アメリカ合衆国 テネシー州 バートレット · 連結子会社
  • 国内
    ブラザーインダストリーズ(U.S.A.)
    アメリカ合衆国 テネシー州 バートレット · 連結子会社
  • 海外
    ブラザーインターナショナルコーポレーション(ブラジル)1
    ブラジル サンパウロ · 連結子会社
  • 海外
    ブラザーインターナショナルコーポレーション(ブラジル)1
    ブラジル サンパウロ · 連結子会社
  • 海外
    ブラザーソーイングマシンズ(ヨーロッパ)
    ドイツ バドビルベル · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    ブラザーソーイングマシンズ(ヨーロッパ)
    ドイツ バドビルベル · 連結子会社
    議決権100.0%
残りのグループ会社85社を開く
  • ブラザーノルディックデンマーク コペンハーゲン
  • ブラザーノルディックデンマーク コペンハーゲン
  • ブラザーノルディックデンマーク コペンハーゲン
  • ブラザーインターナショナル(ヨーロッパ)1イギリス マンチェスター100%
  • ブラザーインターナショナル(ヨーロッパ)1イギリス マンチェスター100%
  • ブラザーU.K. 1
  • ブラザーU.K. 1
  • ブラザーインターナショナーレインダストリマシーネン(ドイツ)ドイツ エメリッヒ100%
  • ブラザーインターナショナーレインダストリマシーネン(ドイツ)ドイツ エメリッヒ100%
  • ブラザーフランス 1フランス パリ
  • ブラザーフランス 1フランス パリ
  • ブラザーインターナショナル(ドイツ)1ドイツ バドビルベル
  • ブラザーインターナショナル(ドイツ)1ドイツ バドビルベル
  • ブラザーイタリアイタリア ミラノ
  • ブラザーイタリアイタリア ミラノ
  • ドミノプリンティングサイエンスイギリス ケンブリッジ100%
  • ドミノプリンティングサイエンスイギリス ケンブリッジ100%
  • ドミノU.K.
  • ドミノU.K.
  • ドミノアムジェットアメリカ合衆国 イリノイ州 シカゴ
  • ドミノアムジェットアメリカ合衆国 イリノイ州 シカゴ
  • ブラザーインダストリーズ(U.K.)1イギリス ウェールズ レクサム100%
  • ブラザーインダストリーズ(U.K.)1イギリス ウェールズ レクサム100%
  • ブラザーファイナンス(U.K.)イギリス マンチェスター100%
  • ブラザーファイナンス(U.K.)イギリス マンチェスター100%
  • ブラザーインダストリーズ(スロバキア)スロバキア クルピナ
  • ブラザーインダストリーズ(スロバキア)スロバキア クルピナ
  • 台弟工業股份有限公司台湾 高雄市100%
  • 台弟工業股份有限公司台湾 高雄市100%
  • 珠海兄弟工業有限公司中国 広東省珠海市100%
  • 珠海兄弟工業有限公司中国 広東省珠海市100%
  • 兄弟国際(香港)有限公司香港 新界100%
  • 兄弟国際(香港)有限公司香港 新界100%
  • ブラザーインターナショナル(オーストラリア)オーストラリア ニューサウスウェ ールズ州 イースタンクリーク100%
  • ブラザーインターナショナル(オーストラリア)オーストラリア ニューサウスウェ ールズ州 イースタンクリーク100%
  • ブラザーインターナショナル(シンガポール)シンガポール
  • ブラザーインターナショナル(シンガポール)シンガポール
  • ブラザーインターナショナル(シンガポール)シンガポール
  • 兄弟機械(亞州)有限公司 1香港 新界100%
  • 兄弟機械(亞州)有限公司 1香港 新界100%
  • 兄弟機械(西安)有限公司 1中国 陜西省西安市100%
  • 兄弟機械(西安)有限公司 1中国 陜西省西安市100%
  • 兄弟(中国)商業有限公司 1中国 上海市100%
  • 兄弟(中国)商業有限公司 1中国 上海市100%
  • ブラザーインダストリーズ(ベトナム)1ベトナム ハイフォン市100%
  • ブラザーインダストリーズ(ベトナム)1ベトナム ハイフォン市100%
  • 兄弟高科技(深圳)有限公司 1中国 広東省深圳市
  • 兄弟高科技(深圳)有限公司 1中国 広東省深圳市
  • ブラザーマシナリー(インド)1インド カルナータカ州100%
  • ブラザーマシナリー(インド)1インド カルナータカ州100%
  • 兄弟機械商業(上海)有限 公司中国 上海市
  • 兄弟機械商業(上海)有限 公司中国 上海市
  • ブラザーインダストリーズ(サイゴン)1ベトナム ドンナイ省100%
  • ブラザーインダストリーズ(サイゴン)1ベトナム ドンナイ省100%
  • ブラザーインダストリーズ(フィリピン)1フィリピン バタンガス州100%
  • ブラザーインダストリーズ(フィリピン)1フィリピン バタンガス州100%
  • ブラザーインダストリーズ(フィリピン)1フィリピン バタンガス州100%
  • 日静減速機製造(常州)有限公司中国 江蘇省常州市
  • 日静減速機製造(常州)有限公司中国 江蘇省常州市
  • ブラザーインターナショナル㈱ 1愛知県 名古屋市瑞穂区100%
  • ブラザーインターナショナル㈱ 1愛知県 名古屋市瑞穂区100%
  • ブラザー不動産㈱100%
  • ブラザー不動産㈱100%
  • ㈱エクシング 1100%
  • ㈱エクシング 1100%
  • ブラザー販売㈱ 1100%
  • ブラザー販売㈱ 1100%
  • ㈱テイチクエンタテインメント東京都港区
  • ㈱テイチクエンタテインメント東京都港区
  • MUTOHホールディングス㈱ 1、2東京都世田谷区88%
  • MUTOHホールディングス㈱ 1、2東京都世田谷区88%
  • 武藤工業㈱
  • 武藤工業㈱
  • ㈱ニッセイ 1愛知県安城市100%
  • ㈱ニッセイ 1愛知県安城市100%
  • その他78社
  • ビーエム工業㈱ 3愛知県 名古屋市緑区17%
  • ビーエム工業㈱ 3愛知県 名古屋市緑区17%
  • 瑞浪精機㈱ 3岐阜県瑞浪市17%
  • 瑞浪精機㈱ 3岐阜県瑞浪市17%
  • 瑞穂ミシン㈱ 3愛知県 名古屋市瑞穂区19%
  • 瑞穂ミシン㈱ 3愛知県 名古屋市瑞穂区19%
  • 昭和精機㈱ 319%
  • 昭和精機㈱ 319%
  • その他3社
国際子会社 (GLEIF登録 4社)
  • JPブラザーインターナショナル株式会社
  • JP株式会社ニッセイ
  • GBDOMINO PRINTING SCIENCES PUBLIC LIMITED COMPANY
  • GBBROTHER FINANCE (U.K.) PLC

国際的な法人識別子 (LEI) の親子関係データ。金融取引を行う子会社が中心で、全子会社の一覧ではありません。

公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 補助金
    文化施設の活動継続・発展等支援事業
    文部科学省 · 2022-08-24
    10万円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は8,935億円営業利益779億円前期と比べると増収増益で、売上が+5.3%、利益が+15.1%。

売上高
+5.3%
8,935億円
営業利益
+15.1%
779億円
純利益
+23.4%
676億円
営業利益率
8.7%
前期比 +0.7%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高9,800億円8,935億円
営業利益900億円779億円
純利益775億円676億円
1株あたり配当¥100¥100

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は2,533億円、営業利益は546億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+26.4%、営業利益は+148.2%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q2,018−39
2024年1Q2,00422011.0162
2024年2Q1,9921778.9127
2024年3Q2,13221410.0177
2024年4Q2,101−150
2025年2Q4,2723859.0281
2025年4Q4,2172926.9267
2026年2Q4,3783878.8283
2026年4Q4,5573928.6393
2027年1Q2,53354621.6499

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は5,161億円から8,935億円へ1.7倍に増えた。直近期の営業利益率は8.7%。売上は5期、純利益は2期の連続増加。

決算期売上高億円営業利益億円税引前利益億円営業利益率%純利益億円
2013年3月5,161231178
2014年3月6,168356192
2015年3月7,072516540
2016年3月6,821572412
2017年3月6,412613472
2018年3月7,130697500
2019年3月6,840723539
2020年3月6,373670496
2021年3月6,318429245
2022年3月7,109864610
2023年3月8,153570391
2024年3月8,229525316
2025年3月8,4896777258.0548
2026年3月8,9357798208.7676

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高8,935億円のうち、営業利益として残るのは779億円8.7%。営業外の損益と税金を反映した純利益は676億円、売上の7.6%にあたる。営業利益率は業種中央値6.9%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金57.5%5,135億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金33.2%2,964億円
  • その他の費用持分法損益などの調整0.6%57億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益8.7%779億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
42.5%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比+1.8pt
8.7%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+1.6pt
7.6%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比+1.3pt
9.3%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
6.6%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
6.6%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが1,110億円、投資CFが−430億円で、差し引きのフリーCFは680億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は1,977億円で、売上の2.7ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月327−418−64−91551
2014年3月550−391−134159689
2015年3月580−153−1854271,053
2016年3月513−2,1701,343−1,657674
2017年3月992−233−3047591,120
2018年3月818−371−3464471,214
2019年3月733−226−3905071,312
2020年3月877−280−1495971,684
2021年3月1,093−251−7408421,910
2022年3月723−408−6523151,679
2023年3月144−322−366−1781,190
2024年3月1,410−421−6169891,661
2025年3月900−482−3464181,728
2026年3月1,110−430−5466801,977

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は1.0兆円。このうち返さなくてよい自己資本が7,633億円で、自己資本比率は74.9%(業種中央値61.0%より厚い)

決算期総資産兆円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2013年3月0.422,7881,42762.4
2014年3月0.473,0831,61762.0
2015年3月0.563,4952,10062.5
2016年3月0.683,3343,41949.4
2017年3月0.673,4513,29051.2
2018年3月0.713,9553,12855.8
2019年3月0.714,2482,83859.9
2020年3月0.734,2853,03058.6
2021年3月0.744,8312,60864.9
2022年3月0.815,6112,50069.2
2023年3月0.855,9662,53970.2
2024年3月0.906,6802,28174.5
2025年3月0.936,9142,41274.1
2026年3月1.027,6332,51574.9

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
1,977億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
6,581億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
2,515億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
87
/ 100
安定性自己資本比率40 / 40
収益力営業利益率17 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

電気機器 224社との比較

同じ電気機器の企業と並べると、いちばん上に来るのは自己資本比率224社中60位あたり、逆に低いのは配当利回り224社中135位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
9.3%/中央値 8.0%
P25 4.2%P75 12.1%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
8.7%/中央値 6.9%
P25 3.5%P75 11.6%
自己資本比率総資産のうち返済のいらないお金の割合
74.9%/中央値 61.0%
P25 48.2%P75 76.0%
売上成長率前期からの売上の伸び
5.3%/中央値 4.1%
P25 -0.2%P75 9.4%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
2.0%/中央値 2.4%
P25 1.6%P75 3.3%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥4,878で、1年前と比べて+99.2%過去52週の値幅のなかでは93%の位置にある。

¥4,878-3.4%1ヶ月+21.4%1年+99.2%時価総額1.3兆円
過去52週の値幅
安値¥2,424高値¥5,061

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)19.7倍
PER (会社予想)15.3倍
PBR1.50倍
配当利回り2.05%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は7月に3700円台で推移後、8月7日に4561円へ急伸、その後も高値圏を維持し、8月14日には4744円まで上昇しました。25日線(4237円)を大きく上回り、75日線、200日線も超えており、上昇トレンドが明確です。52週高値(4783円)に近く、1ヶ月で16.7%上昇しています。RSI77.4と過熱感があり、調整リスクに注意が必要です。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割安と判定しています(スコア 72/100)

PERは18.61倍で業界平均の30.85倍を大幅に下回り、PBRも1.42倍で平均2.64倍を下回る。予想PERは14.5倍と更に低く、割安感が強い。ROEは9.3%と平均的ながら、配当利回りは2.17%と平均に近い水準。配当性向は70.4%と高く、株主還元は充実しているが、成長余地は限定的と見られ、今後の増配余地はやや乏しい。総合的に見て、収益性は中程度だが、バリュエーションの面では明確に割安と判断する。

指標この会社業種平均
PER (実績)19.7倍30.8倍
PER (予想)15.3倍
PBR1.50倍2.58倍
ROE9.3%5.8%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

プリンター需要は構造的な減少傾向にあるが、同社は業績を維持・拡大しており、株価も上昇している。強気派は、堅調な決算と高水準の配当利回り、株主還元を理由に安定成長を評価する。また、在宅勤務の定着で家庭用プリンター需要は底堅いと見る。弱気派は、紙媒体の減少で長期的なプリンティング事業の縮小を懸念し、成長分野である産業機器やその他事業がまだ小規模で、事業ポートフォリオの転換が必要と見る。

プラスに働く材料7
  • 安定した収益基盤

    プリンターやミシンで世界シェア上位のブランド力があり、安定的な収益源となっている。

  • 株主還元の厚さ

    配当利回り2.19%と自己資本利益率9.3%で、株主への利益還元が厚い。

  • 業績改善の継続

    2026年3月期も増収増益見込みで、営業利益率の改善が続く。

  • 2026年3月期営業益779億円、前期比15%増決算発表後影響

    営業利益は前期比102億円増の779億円、売上高は8935億円

  • 営業利益率7.98%→8.72%へ改善通年影響

    売上高営業利益率は前期7.98%から8.72%へ0.74ポイント改善

  • 売上高8935億円と前期比446億円増通年影響

    売上高は前期比446億円増の8935億円

  • 配当利回り2.19%と株主還元継続影響

    配当利回り2.19%

マイナスに働く材料7
  • 市場の縮小

    ペーパーレス化の進展でプリンティング市場は縮小傾向にあり、長期的な成長に疑問。

  • 成長分野の遅れ

    産業機器や通信機器などの新規事業がまだ収益に貢献する規模ではなく、依存度が高い。

  • 競争激化

    低価格帯のプリンター市場で新興メーカーとの競争が激しく、シェア維持が難しくなる可能性。

  • 株価1年で84.7%上昇、利益確定売り不定影響

    過去1年で84.73%上昇し、高値警戒感

  • 外国人保有35.1%と高く需給悪化継続影響

    外国人保有比率35.08%

  • ROE9.3%と低い資本効率通年影響

    ROEは9.3%と1桁台

  • 現在PER18.42倍は予想14.3倍より高い継続影響

    現在PER18.42倍、予想PER14.3倍

次の決算で確かめる点
プリンティング事業の売上高
中核事業の成長性と市場縮小の影響を測る基盤指標。
消耗品売上比率
機器販売後の継続的な収益源の規模を確認し、ビジネスモデルの安定性を検証。
国内売上高比率
海外シェア拡大や新興国市場での競争力を評価する指標。

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり100で、前期から+0.0%いまの株価に対する利回りは2.05%。

年間配当
¥100
1株あたり
配当利回り
2.05%
いまの株価に対して
配当性向
70.4%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
0年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月4238.8
2018年3月5428.637.9
2019年3月6011.138.5
2020年3月600.044.2
2021年3月600.031.9
2022年3月646.725.5
2023年3月686.362.1
2024年3月8423.551.8
2025年3月10019.033.8
2026年3月1000.070.4

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥100

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ15,255人。区分でいちばん多いのは外国法人35.1%。グループ会社や銀行などの安定株主が40.4%を占め、残る59.6%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
外国法人36.038.136.738.635.135.1
金融機関35.333.233.532.934.231.5
個人・その他16.617.117.216.116.118.8
事業法人9.49.39.49.18.78.9
証券会社2.72.33.23.36.05.7
自己株式0.71.30.60.60.63.1
外国人個人0.00.00.00.00.00.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)13.63
02株式会社日本カストディ銀行(信託口)5.19
03STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)5.02
04日本生命保険相互会社(常任代理人 日本マスタートラスト信託銀行株式会社)3.43
05株式会社三井住友銀行1.93
06ブラザーグループ従業員持株会1.84
07住友生命保険相互会社(常任代理人 株式会社日本カストディ銀行)1.75
08STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505103 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1.59
09JP MORGAN CHASE BANK 385781 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1.33
10THE BANK OF NEW YORK MELLON 140044 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1.29

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+302%、1株純資産は14期で+211%。直近期のROEは9.3%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月679867.214.868.1
2014年3月721,0976.920.045.9
2015年3月2071,34616.89.316.7
2016年3月1591,28412.18.131.7
2017年3月1821,32913.912.838.8
2018年3月1931,52313.512.837.9
2019年3月2081,63513.19.938.5
2020年3月1911,64911.68.744.2
2021年3月941,8585.426.031.9
2022年3月2352,17011.79.525.5
2023年3月1532,3346.813.062.1
2024年3月1242,6135.022.851.8
2025年3月2142,7048.112.633.8
2026年3月2683,0679.310.770.4

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

15名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は15名。2026/3期の役員報酬は総額643百万円。

氏名役職年齢保有株数
小池利和取締役会長7031,000
池田和史代表取締役社長*6415,000
石黒雅代表取締役副社長* インダストリアル・プリンティング事業統括6639,000
桑原悟代表取締役副社長* P&S事業統括 兼 P&S事業 LE開発部、 LC開発部、IDS開発部、 PA開発部、LM開発部、 SC開発部 担当6313,000
村上泰三取締役 専務執行役員* 品質・製造センター 製造企画部、基盤技術部、品質革新部、IJ製造部、統括調達部 担当648,000
竹内敬介取締役789,000
白井文取締役666,000
内田和成取締役745,000
日髙直輝取締役735,000
宮木正彦取締役724,000
大林啓造監査役 常勤646,000
山田健司監査役 常勤637,000
残りの役員3名を開く
氏名役職年齢保有株数
山田昭監査役732,000
松本千佳監査役651,000
赤松育子監査役58

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円業績連動百万円賞与百万円合計百万円1人あたり百万円
その他役員11289389546342
その他役員6828214
社外取締役5666613
社外監査役432328

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容968字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)が営む主な事業は、プリンティング・アンド・ソリューションズ事業、インダストリアル・プリンティング事業、マシナリー事業、ニッセイ事業、パーソナル・アンド・ホーム事業、その他事業の6事業であり、その製品は多品種にわたっております。 事業内容並びに各事業における当社及び関係会社の位置付け等は、次の通りであります。 これらの6事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記」に掲げる報告セグメントの区分と同一であります。 なお、当社グループは、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。また、当連結会計年度において、ネットワーク・アンド・コンテンツ事業を非継続事業に分類しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.セグメント情報」に記載の通りであります。 当連結会計年度において、新たに株式を取得したことに伴い、MUTOHホールディングス株式会社及びその子会社13社、Busche Romania S.R.L.を連結子会社に含めております。また、新たに子会社として設立した株式会社BuddyBoard及びXING Music Solutions Inc.を連結子会社に含めております。 なお、MUTOHホールディングス株式会社は、2026年6月22日付でMUTOH株式会社に商号変更しております。 事業   主要な事業内容 プリンティング・アンド・ソリューションズ事業   プリンター、複合機、ラベルライター、ラベルプリンター、 スキャナーの製造・販売 インダストリアル・プリンティング事業   産業用印刷機器の製造・販売 マシナリー事業   工作機械、工業用ミシンの製造・販売 ニッセイ事業   減速機、歯車の製造・販売及び不動産の賃貸 パーソナル・アンド・ホーム事業   家庭用ミシンの製造・販売 ネットワーク・アンド・コンテンツ事業(非継続事業)   業務用カラオケ機器の製造・販売・賃貸及び コンテンツサービスの提供 その他事業   上記以外の製品の製造・販売及び不動産の販売・賃貸 主要な関係会社については、事業系統図において記載しております。 [事業系統図]
経営方針・対処すべき課題5,826字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2026年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。 (1)グループビジョン「At your side 2030」 ブラザーグループは、1908年にミシンの修理業からはじまり、115年以上にわたって、時代や環境の変化に合わせ自らを変革し、お客様のニーズにあった価値を提供し続けてきました。昨今、デジタル化や自動化などの加速によるお客様の購買行動の変化、新型コロナウイルス感染症による社会変容、地政学リスクの顕在化など、ブラザーグループを取り巻く事業環境も大きく、かつ急速に変化しています。 こうした変化の激しい環境に対応しながら、持続可能な成長を実現していくために、2030年に向けたブラザーグループビジョン「At your side 2030」を新たに策定し、2022年度よりスタートしました。 「At your side 2030」は、2030年に向けてお客様にどのような価値を提供していくのか考え、ブラザーの存在意義を再定義した「あり続けたい姿」を起点に、どのような方法で価値を提供するのか(「価値の提供方法」)、何を実現するのか(「注力領域」)を示しています。 1)あり続けたい姿 ブラザーが何のために存在し、どのようにあり続けたいかについては、「世界中の“あなた”の生産性と創造性をすぐそばで支え、社会の発展と地球の未来に貢献する」と定義しています。ブラザーは、世界中に存在する、お客様をはじめとした、価値創出を行い進歩し続けたいと願うすべての人々を“あなた”と位置付け、その人々の願いを叶えるための存在であり続けたいと考えます。そして、社会の持続的な発展の実現に貢献しながら、地球環境への責任を果たしていきます。 2)価値の提供方法 価値の提供方法については、「多様な独自技術とグローバルネットワークを強みに、お客様の成功へのボトルネックを見つけ解消する」と定義しています。ブラザーグループは創業以来、さまざまな事業を生み出し、グローバルに展開してきました。40以上の国と地域に広がる生産・販売・サービス・開発拠点のネットワークをベースとするグローバル複合事業企業ならではの強みを生かし、お客様や取引先など外部からの学びを得ながら、国や地域、事業を越えて優れた価値を迅速に提供します。また、お客様のバリューチェーンに向き合い、ボトルネックとなるものを見つけ、解消します。さらにモノづくりにとどまらないデジタル技術の活用などの“コト”も含めて、お客様への価値提供の幅を広げます。 3)注力領域 上記の価値を発揮することにより、産業用領域とプリンティング領域を2030年までの注力領域と位置づけ、特に強化していきます。産業用領域での飛躍と、プリンティング領域の変容により事業ポートフォリオを変革し、複合事業体として成長し続けます。産業用領域は、ブラザーの強みが活きるビジネス領域において、生産性の向上に加え、働く人々や地球環境の課題を解決することで、ベストパートナーとしての信頼を確かなものにします。プリンティング領域は、オフィスワークやプリンティングを取り巻く環境が大きく変わる中にあっても、働く人々の期待に応え続けるとともに、これまでの事業の枠を超えて新たな柱を築きます。 (2)中長期的な経営戦略 ◆中期戦略「CS B2027」(2025~2027年度) ブラザーグループビジョン「At your side 2030」の実現を見据え、2025年に中期戦略「CS B2027」を策定しました。CS B2027では、「挑む。未来へ、大胆に」をテーマに、長期的な企業価値向上に向け、事業ポートフォリオの変革を加速し、利益創出力を高めていきます。 ◆CS B2027の概要 CS B2027では、事業の役割を明確化し、事業ごとに設定された重点指標に基づいた戦略を遂行することで、売上収益1兆円、及び最優先指標である営業利益額1,000億円を目指しています。ROE目標は10%、産業用領域の売上比率は40%を掲げ、資本コストと株価を意識した経営を推進し、TSR*1は対TOPIXで100%以上を目指しています。投資に関しては、3年間でM&A・アライアンスを中心とした2,000億円規模の成長投資を確実に実行し、産業用領域の成長を推進します。そして変革を支える経営基盤をより強固なものとするための投資も継続して進めます。株主還元については、3年間で600億円の自己株式取得を含む1,400億円の還元を予定するなど、大幅に強化していきます。 これらの目標を確実に遂行するために、以下の4つの重点テーマを掲げています。 ◆事業別戦略 ブラザーグループの事業を4つに分類し、それぞれの事業の役割と重点指標を明確化しています。投資・リソースは役割に応じて配分し、各事業は重点指標に基づいた戦略を遂行することで、CS B2027の目標達成を目指します。 1)成長事業 ブラザーグループとして大きく伸ばしていく事業を成長事業として位置づけ、売上収益を重点指標としています。成長事業に対しては、M&Aを含めた成長投資を積極的に実施して非連続成長を実現し、将来の柱にしていくとともに、人的リソースも優先的に配分することを掲げています。 2025年度は、インダストリアル・プリンティング事業(IP事業)において、産業用プリンターにおける事業拡大に向け産業用大判プリンターを主力製品とするMUTOHホールディングス株式会社(現:MUTOH株式会社)の株式公開買付けを実施し、連結子会社化しました。IP事業の既存領域については、ドミノのデジタルラベル印刷や段ボール印刷の領域で初期導入費用を抑えた新製品を投入したほか、ガーメントプリンターにおいてブラザー初のDTF*2プリンターを発売するなど、ラインアップ強化を進めました。 マシナリー事業の産業機器においては、工作機械のショールームを併設した「ブラザーテクノロジーセンター」をインド及び日本に新設するとともに、ドイツのテクノロジーセンターを拡張移転するなど、重点地域での販売・サービス拠点網を強化しました。また、工作機械の新製品として、工程集約や自動化ニーズに対応する工具増本モデルや、大物・長尺ワークの多面加工が可能な横形5軸マシニングセンタなどを投入し、新たな市場の創出を図っています。 また、新規事業においては、ワークコミュニケーションソフトウエアサービス「BuddyBoard」に関する事業を、投資会社とのジョイントベンチャーで新会社として独立させました。これにより、SaaSビジネスとしての事業成長の加速を目指します。 2)コア事業 プリンティング&ソリューションズ事業(P&S事業)は、全社での収益基盤を支えるコア事業に位置づけ、営業利益額を重点指標としています。市場におけるポジショニングのさらなる強化とビジネスモデル変容のための投資を行うことを方針としています。 2025年度は、インクジェット及びカラーレーザー市場に向けて複数の新製品を投入しました。中でも、インクジェット複合機においては認知度向上に向けたマーケティング・広告宣伝活動を強化し、各地域で販売台数が伸長しました。また、つながるビジネスの拡大に向けては、欧米でBtoC向けのサービスプラットフォームの提供を開始しました。製品本体の延長保証やアプリの活用などを通じ、お客様の利便性を向上するとともに、お客様の利用実態の把握による提供価値の向上や純正消耗品の利用促進に努めています。 3)収益性追求事業 収益性追求事業は、全社に利益貢献することをミッションとし、営業利益率を重点指標としています。 2025年度は、パーソナル&ホーム事業において、刺しゅうデザインデータなどを作成できるアプリ「Artspira」においてAI技術を活用した画像生成機能を実装するなど、顧客提供価値の向上を進めています。 ニッセイ事業においては、世界で初めて金属製球状歯車の量産に向けた工法を確立し、今後はヒューマノイドロボットの関節をはじめとする様々な機械の駆動部での活用に向けたマーケティング活動を実施していきます。 4)収益性改革事業 収益性改革事業は、着実に利益貢献ができるよう収益構造を徹底的に見直すことを掲げており、営業利益率を重点指標としています。 2025年度は、マシナリー事業の工業用ミシンにおいては、欧州を中心に工業用ミシンのソリューション提案ビジネスを展開する独Konrad Busche社の自動車部品向け部門の事業を譲受しました。これにより、エアバッグなどの自動車内装部品を中心としたノンアパレル領域での成長と収益性改善を加速させます。 また、ネットワーク&コンテンツ事業においては、通信カラオケビジネスのさらなる成長を実現すべく、グループ外への譲渡を決定しました。カラオケ店舗等の運営事業を営む株式会社スタンダードについては、2025年11月に株式会社コシダカホールディングスへ事業譲渡し、業務用カラオケ事業や音楽・映像ソフト事業等を主業とする株式会社エクシングについては、2026年4月に株式会社U-NEXT HOLDINGSへの株式の70%の譲渡が完了しました。 ◆経営基盤の強化 各領域において事業ポートフォリオ変革を支える取り組みが進捗しています。 ◆財務戦略 資本コストと株価を意識した経営を推進し、継続的に株主価値を向上させ、企業価値の最大化に取り組んでいきます。事業成長から創出される営業キャッシュ・フローと有利子負債を活用し、成長投資を実行するとともに、株主還元を大幅に強化していきます。 ・成長投資 3年間でM&A・アライアンスを中心とした2,000億円規模の成長投資を実行していきます。戦略投資であるM&A・アライアンスについては、マシナリー・ファクトリーオートメーション、インダストリアル・プリンティング、業務用ラベリング、そして新規事業をターゲット領域と定め、産業用領域の成長を実現するための基盤・組織能力を強化します。 2025年度は、独Konrad Busche社の自動車部品向け部門の事業譲受と、MUTOHホールディングス株式会社(現:MUTOH株式会社)の株式公開買付けとして、322億円の戦略投資を実施しました。基盤投資については、インクジェットヘッドの生産工程自動化や、ドミノグループの基幹業務システム刷新、P&S事業のつながるビジネス拡大に向けたITインフラ構築、産業機器の開発製造体制強化や販売拠点網の拡充などを中心に、107億円の投資が進捗しています。 ・株主還元 配当については、これまでの流れを引き継ぎ、安定的かつ継続的な株主還元を実施する基本方針の下、1株当たり年間100円の配当を下限とし、配当性向40%を目安として還元します。また、CS B2027の期間中に合計600億円の自己株式の取得を予定します。加えて、業績等の状況に応じて追加還元も検討していきます。 このような方針のもと、2025年度は、年間100円の配当を実施し、200億円を上限とした自己株式の取得(2025年5月~2026年4月)を実施しました。2026年度も、200億円を上限とした自己株式の取得(2026年5月~2027年4月)を実施予定です。 ・資本コストなどについての認識 〇資本コスト 株主資本コストは約8%~10%と認識しています。CAPMをベースに計算していますが計算のタイミングや前提の違いにより変動があるため、レンジで捉えています。今後については有利子負債も活用しながら、事業ポートフォリオの変革を加速し、株主資本コストの低減を図っていきます。 〇資本収益性指標 ROEは、2025年度は9.3%、過去5年間(2021年度~2025年度)の平均で8.2%であり、株主資本コストを上回るリターンの創出が課題と捉えています。事業成長により健全にROEを向上させることを基本方針とし、CS B2027において資本コストを上回るROE10%を達成することを掲げており、継続的にエクイティスプレッドを確保できる水準のROEを目指します。 〇市場評価 PBRは、2026年3月末時点で0.94倍、過去5年間(2021年度~2025年度)の平均は1.00倍となりました。TSRについては、2025年3月末を起点とした1年間で、当社は110.3%(配当込み)と堅調に推移したものの、TOPIXが半導体関連銘柄を中心に伸長したことなどを受け、対TOPIXでは81.9%となりました。収益力の向上や成長投資の継続による事業ポートフォリオ変革の推進などにより、PBR及びTSRのさらなる向上を図ります。 ◆未財務目標 財務目標との関わりが深い3つのマテリアリティを未財務目標として定め、活動を推進しています。未財務目標の「人々の価値創出の支援」については「◆事業別戦略」を、「多様な人々の活躍」については「◆経営基盤の強化」を、「CO₂排出削減」については「2. サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照下さい。 CS B2027のテーマは、「挑む。未来へ、大胆に」です。ここには、現状に安住せず、大胆な行動で未来を切り開く意思を込めています。ブラザーグループは、CS B2027で、事業ポートフォリオ変革を加速させ、これを確実に実行することで利益創出力を高め、長期的な企業価値の向上を図ります。 *1:TSR(Total Shareholder Return) 株主総利回り。投資家に対する総合的なリターン(値上がり益+配当金)を測定する指標 *2:DTF(Direct to Film) フィルムに印刷した後、布に転写する方式のガーメントプリンター *3:LTV(Life Time Value) 顧客生涯価値。製品・サービス利用期間全体におけるお客様にとっての価値及び企業にもたらされる収益 *4:売上高原単位 売上収益に対するCO₂排出量を示す指標
事業等のリスク15,458字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 項 目   リスクの内容・可能性・時期・影響の程度   対応策 1.通商・地政学リスク   当社グループはグローバルに事業活動を展開しており、中国・アジアを中心とした生産拠点や、世界各地に販売会社を有しております。このため、米中関係をはじめ、ロシア・ウクライナ情勢や中東情勢などの国際情勢の変化は、当社グループの事業運営、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 特に、米中関係を背景とした通商政策や関税制度、輸出入規制等については、今後も見直しや変更が行われる可能性があり、その内容や適用範囲によっては、原材料・部品等の調達コストの上昇や、サプライチェーンの混乱が生じるおそれがあります。また、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や、中東情勢の不安定化に伴い、各国による経済制裁や取引規制、エネルギー政策の変更等が行われた場合には、当社グループの生産活動や販売活動に制約が生じる可能性があります。 さらに、中東情勢等を背景とした国際物流環境の変化により、主要航路における輸送の停滞や輸送コストの上昇が発生する可能性があり、これらは製品供給や収益性に影響を及ぼすおそれがあります。 これらのリスクは、発生時期や影響の程度を完全に予測することは困難であり、状況によっては当社グループの事業運営や業績に重要な影響を与える可能性があります。     当社グループでは、米中関係やロシア・ウクライナ情勢、中東情勢を含む国際情勢の変化が事業活動に影響を及ぼす可能性があることを踏まえ、グローバルでの情報収集と分析を継続しております。各地域の現地法人・拠点と連携し、通商政策、関税制度、輸出入規制等の動向を把握するとともに、関係部門が連携したリスク管理を行っております。 米国を中心とした関税制度や通商政策の変更に伴うコスト増加リスクに対しては、関税動向や関連する規制変更を継続的に注視し、追加関税や新たな規制が導入された場合には、速やかに事業への影響を分析いたします。関税等により増加するコストについては、製品価格への適切な反映やコスト削減の取り組みを進めることで、収益への影響の低減に努めてまいります。また、中長期的な事業環境の変化を踏まえ、生産・調達拠点の最適化についても継続的に検討しております。 ロシア・ウクライナ情勢や中東情勢に関連して各国による経済制裁や取引規制等が継続・強化される可能性があることから、関連法令及び規制の遵守を徹底するとともに、事業活動や取引の可否について慎重な判断を行ってまいります。 さらに、中東情勢等に起因する国際物流環境の変化に伴う輸送リスクに対しては、各生産拠点において利用航路や港湾の分散を進めるとともに、物流体制の見直しを行うことで、サプライチェーンの安定性向上に努めてまいります。 これらの取り組みにより、国際情勢や通商環境の変化が当社グループの事業運営に与える影響を最小限に抑えるよう努めてまいります。 2.事業環境の変化に関するリスク   ・プリンティング市場の構造変化 オフィス・ホーム向けのプリンティング市場は、デジタル化の進展や働き方の多様化を背景に、印刷ボリュームの減少傾向が継続しており、今後も市場全体として緩やかな縮小が見込まれております。プリンティング・アンド・ソリューションズ事業は、当社グループの売上及び収益において重要な位置を占めていることから、市場環境の変化への対応が十分に進まない場合、当社グループの業績や収益基盤に影響を及ぼす可能性があります。                   ・企業間競争の激化 当社グループは、プリンティング・アンド・ソリューションズ事業をはじめ、各事業分野において、グローバルに事業を展開する企業や新興メーカー等との競争に直面しております。競合他社による価格競争の激化や新製品・新技術の投入、業界再編の進行等により、市場環境が大きく変化した場合には、販売価格の低下や市場シェアの変動を通じて、当社グループの業績及び収益性に影響を及ぼす可能性があります。         ・プリンティング市場の構造変化 既存事業の収益力強化に加え、成長分野への注力を通じて、事業全体の構成を段階的に見直しております。 オフィス・ホーム向け市場においては、機器販売に加え、契約型サービスやサブスクリプションモデルを含む「つながるビジネス」の拡充を進め、顧客との継続的な関係構築を強化するとともに、顧客生涯価値(LTV)の向上を図ってまいります。業務用途を含むラベリング分野では、用途に応じた最適なソリューション提供を強化し、事業拡大に注力しております。 また、ドミノと産業用プリンターを含むインダストリアル・プリンティング事業では、アナログからデジタルへの移行や自動化ニーズの高まりを背景に成長が続いており、これまでの技術を活かして、産業用印刷市場でのさらなる成長と収益性向上、持続可能な事業構造の強化を目指しております。   ・企業間競争の激化 既存事業における競争力の維持・強化を図りつつ、成長が見込まれる分野への展開を進めることで、事業全体としての競争力向上に取り組んでおります。 各市場において顧客価値を重視した製品・サービスの提供を行うとともに、当社グループのグローバルな販売・サービスネットワークを活用した提案力の強化を進めております。あわせて、業務効率化の推進、開発・製造コストの低減、品質及び信頼性の向上を通じて、競争環境の変化に柔軟に対応できる事業基盤の構築を進めております。 2.事業環境の変化に関するリスク   ・世界経済状況の変動 当社グループはグローバルに事業を展開しているため、世界経済の変動が各地域市場の需要動向に影響を与える場合があります。景気後退等により、顧客の設備投資や消費が抑制される場合には、当社製品及びサービスへの需要が減少し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。これらの経済環境の変動は、その発生時期や影響の程度を予測することが困難であり、状況によっては中長期的に当社グループの事業運営や収益に影響を与える可能性があります。     ・世界経済状況の変動 当社グループでは、短期的な経済変動に左右されにくい安定した収益基盤の確立を目指し、高付加価値の製品・サービスの提供に加え、開発からアフターサービスまでを含めた一貫した機能強化に取り組んでおります。 プリンティング・アンド・ソリューションズ事業においては、A4機を主力としたオフィス・ホーム市場向け製品や、成長分野である業務用ラベリング分野に注力しております。ストレスフリーな印刷体験や消耗品の自動配送等を提供する契約型サービスやサブスクリプションモデル等を含む「つながるビジネス」の拡大を通じて、継続的な収益の確保と収益力の強化を図ってまいります。 インダストリアル・プリンティング事業では、新製品の投入に加え、サービス・ソリューション事業の強化や事業基盤の最適化を進めております。自動化やデータ分析等の高付加価値サービスを通じて、顧客の生産性向上と市場競争力の強化に貢献してまいります。 マシナリー事業においては、高生産性・省エネルギー製品の展開やグローバルな販売・サービス体制の強化を進めることで、顧客の競争力向上及びCO₂排出削減に貢献するとともに、固定費や原材料費の削減を通じて、経済環境の変化に対応可能な収益構造の構築に取り組んでおります。 また、当社グループは、日本、アジア、米州、欧州においてバランスの取れた売上構成を有しており、特定地域における景気変動の影響が相対的に抑制されております。今後もグローバルネットワークを活用し、各地域での事業展開を推進してまいります。 3.サプライチェーンリスク   ・サプライチェーンの断絶 当社グループは、生産・販売拠点をグローバルに展開しております。主要な生産拠点はベトナム・フィリピン・中国等であり、販売拠点は世界各国に広がっております。東アジア地域や中東地域を含む世界各地において、地政学的な対立や緊張の高まり、政治・経済情勢の不安定化が生じた場合や大規模火災、台風、巨大地震等の災害が生じた場合、また取引先の事業ポートフォリオの見直し(事業採算悪化、設備の老朽化等)による部材の継続調達が困難になった場合には、部材調達・生産面でコスト高騰、供給不足といった支障が発生するリスクがあります。 さらに、国際物流が混乱し船のスペース不足やコンテナの滞留、航路制限が発生すると、部品輸入遅延や出荷遅延及び運賃コスト高騰リスクがあります。 結果として、市場への商品供給不足による販売機会の損失や顧客流出により経営成績に影響を与える可能性があります。     ・サプライチェーンの断絶 サプライチェーンの断絶に対してグローバルに情報収集しタイムリーに経営判断できる体制を構築しております。 生産体制については、主要な消耗品を複数拠点において生産するほか、予備の生産設備を保有するなどのリスク対応策を実施しております。 部品に関しては、調達先の複線化や重要部材の戦略的な在庫保有を進め、特定の国やサプライヤーへの依存度を下げる活動を推進しております。 販売拠点においては、欠品を防ぐための在庫水準の適正化を継続的に行ってまいります。 物流面においては、生産拠点所在地域において自社倉庫や外部倉庫による製品や部材の在庫保管スペースの確保及び利用航路・港の複線化を進めております。 また諸拠点においては、防火対策や地震・台風等の自然災害に対する一定の防災・減災施策を講じております。 本社機能が位置する日本においても、南海トラフ地震を想定した防災危機管理体制を確立しております。 4.製品・サービスの品質リスク   当社グループは、製品・サービスの品質リスクが製品ライフサイクルの全段階に内在していることを認識しております。すべての製品・サービスにおいて欠陥が発生せず、将来的に製品安全上又は品質上の問題が生じないことを保証するものではありません。万が一、重大な品質問題等が発生した場合には、多額の費用負担が生じるほか、ブランドイメージや社会的評価の低下による顧客の購買意欲の減退等を通じて、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。   当社グループは、高品質かつ魅力的な製品・サービスの提供を目指し、厳格な品質管理プロセスを確立した上で、市場への供給を行っております。また、製造委託先から供給を受ける製品についても、適正な品質レベルであることを確認・検証しております。さらに、万が一製品・サービスに起因する事故が発生した場合には、被害者への対応を最優先に実施するとともに、情報の公開や官公庁への報告等を通じて、被害の拡大防止に努めてまいります。 5.人的資源リスク   近年、働き方や雇用環境の変化、生成AIの急速な進化等により有能な人財の採用競争は激化しており、事業ポートフォリオの変革を加速させる人財が確保できないリスクがあります。特に、産業用領域の事業成長に必要なスキルセットや経験を有する人財、ビジネスを伸長させる人財や経営変革を推し進めるリーダー、チャレンジし続ける人財の確保、育成ができない場合、当社グループの経営戦略を左右する可能性があります。 また、同質性が高く多様な価値観や経験が生かされない職場環境や差別やハラスメントが発生した場合、人財の採用や定着が困難となり、組織力や従業員の心理的安全性が低下するだけでなく、社会的信用への著しい影響を及ぼす可能性があります。     当社グループの経営戦略の実現に向けて、重点分野の人財ポートフォリオ強化のため、社外からの経験者採用・管理職採用を増加させるほか、人財育成への積極投資を進め、次世代リーダー育成を目的とした教育プログラムを刷新・強化に取り組んでおります。キー人財については、サクセッションプランの策定を行っております。 また、グローバル憲章に定める行動規範に基づき、最高度の倫理観の徹底を図るとともに、従業員一人ひとりが個性と能力を最大限に発揮し、活躍できるよう、環境の整備及び従業員の意識啓発に取り組んでおります。加えて、多様性の尊重を成長と革新の原動力と捉えて、ブラザーグループ人財マネジメントポリシーを策定し、グループ各社の人財マネジメントを一層進化させる活動も推進しております。 項 目   リスクの内容・可能性・時期・影響の程度   対応策 6.環境・社会 リスク   ・環境に関する社会的要請 グローバルに事業活動を展開する当社グループにとって、次のリスクは現在から将来にわたって極めて重要な課題であり、事業経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。 気候変動は、災害等による人的被害、操業の停止、サプライチェーンの断絶など、生産・販売活動に大きな影響を与える物理的リスクに加え、脱炭素社会への急速な移行に伴う法規制強化や対応コスト増、対応遅れによる販売機会喪失などの移行リスクがあります。 サーキュラーエコノミーの進展は、欧州各国を中心に資源消費を抑えつつ経済発展を目指す政策が推進されており、法規制強化や対応コスト増、対応遅れによる販売機会喪失などの移行リスクがあります。   ・環境に関する社会的要請 気候変動に対しては、その原因となっている温室効果ガス排出を削減するため、「1.5℃目標」のSBT(Science Based Targets)認定を受けた2030年中期目標を設定しております。この目標の達成に向けて、スコープ1・2については事業所の省エネ及び再生可能エネルギーの積極的な利用等、スコープ3については温室効果ガス排出量の80%以上を占める製品の部材調達、使用、廃棄段階での排出を削減するため、調達する部材の省資源化・再生利用、製品の省エネルギー性能の向上・リサイクル性向上などに注力して取り組んでおります。さらに2023年度からレーザープリンター製品及びインクジェットプリンター製品において、部品サプライヤーと協働し、部品製造時に使用される電力に再生可能エネルギーを導入することにより、部品製造時のCO2排出削減を進めております。また、マシナリー事業では内燃機関部品に代わって需要が増加しているEV向け部品で求められる大型のアルミ部品や、さまざまな加工ニーズに応えることができる製品“SPEEDIO”シリーズを開発することで、EV部品加工ソリューションを提供し、自動車産業におけるEVへの移行リスクに対応しております。 サーキュラーエコノミーの進展に対しては、当社グループの資源効率を向上させるため、2030年中期目標(特に資源使用量の多いプリンティング&ソリューション事業を対象にして、製品に投入する新規資源量を25%削減)を設定しております。その達成に向けて「プリンターの消耗品カートリッジの回収・リサイクルの拡大」、「製品のリユース促進」、「サブスクリプションサービス等のお客様とつながり続けるビジネスの拡大」を主要な取り組みと位置付け、資源の有効利用、資源循環を推進し、CO2排出削減にも貢献しております。 また、当社は2020年2月に金融安定理事会が設置した「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」、2025年3月に自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD:Task Force on Nature-related Financial Disclosures)の提言に賛同いたしました。TCFDへの対応として、当社グループのすべての事業に対して気候変動が与える財務的な影響の分析を実施し、Web等にて開示しました。TNFDへの対応として、TNFD提言に沿った一部開示を実施しました。今後も情報開示の充足に努めてまいります。 6.環境・社会リスク   ・環境規制、環境汚染 グローバルに事業を展開する当社グループは、世界各国・地域において各種環境関連法規制の適用を受けております。中でも、EU RoHS指令をはじめとする製品に含有される化学物質に関する法規制については、世界各国・地域において新設又は改正が継続的に行われております。これらの法規制に違反した場合には、製品のリコール、生産・販売の中止、課徴金の負担、刑事罰の適用、社会的信用の低下等が生じ、当社グループの事業や業績等に影響を及ぼす可能性があります。   ・バリューチェーンにおける人権侵害 当社グループは、その生産拠点の多くを海外に置いており、日本国内における製造・調達を含め、主要な生産拠点はベトナム・フィリピン・中国等となっております。これら諸拠点では部品調達先との取引関係がありますが、その調達先を含むサプライチェーンで発生する人権問題、例えば強制労働や児童労働、労働安全衛生に関する問題などがあった場合、そこで働く人たちに直接の重大な影響が生じるおそれがあるだけでなく、お客様からの信頼を失うことで、当社とお客様のお取引に影響が出る可能性があります。また、これらに関連して輸出入や通関に支障が生じた場合には、製品の市場への提供ができなくなる可能性があります。 第三者機関によって、人権侵害の事実はもとよりそのリスク低減や救済手段の提供に不足があると判断された場合、当社グループが取得している第三者認証を失効することによってお取引関係の継続や新規構築等が困難になることや、投資インデックス指標等からの除外による株価への影響等が想定されます。 また、調達先のさらにその先をたどっていくと、原材料に行き着きます。その原材料となる鉱物の取引において、アフリカなどの紛争地域及び高リスク地域産出の一部の鉱物の取引が当地の武装勢力の資金源となり、紛争や人権侵害に関与していることが判明した場合にも、同様にお客様からの信頼を失う可能性があります。                       ・環境規制、環境汚染 当社グループは、禁止・制限及び管理対象とすべき化学物質を「ブラザーグループグリーン調達基準書」に明示し、これをサプライヤーに周知することで、当該基準の遵守を求めるとともに、部材の適合保証、成分情報の提出、監査の実施及び納入品の抜き取り検査等を実施することにより、環境関連法規制の遵守に努めております。         ・バリューチェーンにおける人権侵害 人権リスクの低減に向けて当社グループの姿勢を明確に示し取り組みを推進するために「ブラザーグループ人権グローバルポリシー」を制定し、当社の役職員及び製品・サービスに関わるすべての関係者の皆様に同ポリシーの理解及び当社の取り組みへのご協力を要請しております。 RBA(Responsible Business Alliance)に加盟し、RBA行動規範に基づくセルフアセスメントをグループ生産拠点において年に1度実施することで、優先して対応が必要な人権リスクはないことを確認しております。同時に、第三者機関による実地監査を主要な生産拠点4拠点において継続的に受審することで人権リスクの把握と改善に取り組んでおります。 調達先に対しては、「CSR調達方針」及び「CSR調達基準」を制定し、ホームページでの開示の他、取引先説明会、書面などを通じて方針の説明をおこなうとともに、一次サプライヤーに対して人権・労働安全衛生や倫理に関する取り組みを要請することを通じて、バリューチェーンにおけるリスク評価(人権デューデリジェンス)を実施しております。その実施方法は定期的に見直しを行っており、直近では生産品や所在地等の情報を踏まえて相対的に高いリスクが想定される調達先に対してそのリスクに応じた評価を実施することで、人権デューデリジェンスの実効性を高めております。上流の調達先に対しても一次サプライヤーを通じて人権に関する取り組みを要請することを通じて、バリューチェーン全体における人権侵害リスクの低減を目指しております。 また、責任ある鉱物調達については、「責任ある鉱物調達方針」を制定し、ホームページに開示するとともに、鉱物の使用状況について調査を実施し、調達先の皆様と連携を図りながらサプライチェーンにおける鉱物調達の透明性確保及び紛争鉱物の使用回避に向けた調達活動に取り組んでおります。 6.環境・社会リスク   ・労働災害、人的被害 当社グループは、グローバルに事業拠点を展開しており、国・地域ごとに労働環境や安全・環境に対する考え方、適用される法規制が異なります。このため、労働環境においては、軽微な労働災害から、死亡や後遺症が残る重篤な災害に至るまで、多様なリスクが存在しております。また、近年発生している大規模な自然災害や、機械・設備等を起因とする火災・爆発事故の発生により製造拠点の操業が停止した場合、サプライチェーンへの影響を含め、社会的責任を十分に果たせなくなるとともに、当社グループの経営成績及び事業継続に重要な影響を及ぼす可能性があります。   ・労働争議、労使関係の悪化 当社グループは、グローバルに販売・開発・製造拠点を展開しており、各国・地域の労働慣行や法規制の違いに起因する労使関係の不安定化が労働争議や労使関係の悪化を引き起こすリスクがあります。これらのリスクが発生した場合、事業活動の停止や遅延、業務効率の低下、当社グループの社会的信用の失墜等につながる可能性があります。             ・労働災害、人的被害 当社グループでは、労働安全衛生マネジメントシステムに準拠した活動を行うことで、安全で健康的な職場環境の確保と従業員の安全意識の向上に取り組んでおります。また、各拠点で発生した事故・災害に関する情報を毎月グループ内で共有し、同種災害の再発防止に努めております。火災・爆発リスクについては、各国の消防関連法令の枠を超えた「ブラザーグループ防災体制・管理規程」を2017年に制定し、アジアの製造工場等に適用しております。これらの取り組み及び現場の実施状況は、グループ共通の定期的な安全衛生・防災監査等により確認しております。   ・労働争議、労使関係の悪化 当社グループでは、各国・地域の労働慣行や労働関連法令を遵守するとともに、労使間での定期的な協議や従業員エンゲージメント調査の実施、改善活動、法令遵守の徹底等を通じて、良好な労使関係の維持に努めております。また、グローバルで共通の人権グローバルポリシーを定め、事業活動を通じて人権侵害を助長することがないよう、労働争議や労使関係悪化の未然防止及び影響の最小化を図っております。 7.情報リスク   近年、サイバー攻撃の手法は高度化・巧妙化しており、不正アクセスやマルウェア感染、ランサムウェア攻撃等により当社グループが保有する個人情報や機密情報が外部へ漏えいする可能性や情報システムの停止等が発生し、事業継続が困難になるリスクが存在します。 顧客やステークホルダー向けに提供しているWebサイトや関連するシステムにつきましては、安全な情報セキュリティーレベルを維持することに努めておりますが、標的型攻撃などのサイバー攻撃により、データの破壊や改ざん、サービスの停止などの被害が発生する可能性があります。 また、従業員や委託先等による内部不正行為に起因する情報漏洩リスクも存在します。これらの情報セキュリティー事故が発生した場合、お客様からの信頼を失うとともに、ブランドイメージの低下を招くなど、当社グループの事業活動や経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 さらに、重要な業務データの毀損や情報システム障害等によって会計情報を含む各種業務データの正確性が損なわれたり、内部統制の運用に支障が生じたりした場合には、財務報告の信頼性にも影響を及ぼす可能性があります。 加えて、IoT製品をターゲットとしたサイバー攻撃の脅威が増大しており、当社製品からお客様の個人情報や機密情報が漏洩した場合、ブランド価値の毀損や市場競争力の低下につながる可能性があります。また、各国・地域における情報保護関連法規の強化に適切に対応できない場合、事業活動に制約が生じる可能性があります。   当社グループは、「情報セキュリティー基本方針」を定めるとともに、情報管理委員会を設置し、情報セキュリティー運用ルールを策定しております。これらの運用ルールや規程に基づくセキュリティー対策や社内教育を実施することで、個人情報及び機密情報の漏洩防止、さらにサイバー攻撃へのグローバルで統一した多層防御対策の強化に努めております。 外部からの侵入やサイバー攻撃対策としては、24時間365日のセキュリティー監視を実施し、PC、及びサーバ上の不正なふるまいをいち早く検知し、脅威を除去することで高度化するサイバー攻撃にも対応しております。また、サプライチェーンに影響を及ぼす重要システムについては、外部データセンターやクラウドサービスを活用、サーバの冗長化も進めることで、システム障害発生時にも早期復旧を可能とするシステム構成にしております。 さらに、個人情報や機密情報に対するアクセス制御やアクセスログ管理、従業員のPC操作ログの監視などを実施し、不正な取り扱いを防止しております。 上記のように、対応し得る最善の仕組みで対策を行うと同時に、日々進化するITテクノロジーに対応するため、システムを運営、利用する人材を継続的に教育することでレベルアップを図っております。万が一事故が発生した場合に備え、平時から社内の対応組織の訓練を行い、迅速に対応・復旧することで被害を最小限に抑えるよう努めております。 また、内部統制への対応として、IT全般統制の視点から情報システムの開発・保守・運用業務の品質向上活動を継続し、適切なIT業務運用に努めております。 加えて、お客様に安心して製品をお使いいただくために、「製品情報セキュリティー基本方針」を定め、グループ全体で製品セキュリティーの向上を図っております。製品に関する脆弱性リスクが発生した場合の報告ルートや製品情報セキュリティー事故の対応体制に関する社内規程を定め、体制を構築することでリスクを最小化する対策を実施しております。 項 目   リスクの内容・可能性・時期・影響の程度   対応策 8.知的財産リスク   ・知的財産権 第三者による模倣品の販売など、第三者による当社グループ所有の知的財産権の侵害が発生する可能性があります。この結果、当社グループの経営成績等が悪化したり、信用が低下したりする可能性があります。 また、第三者所有の知的財産権について、第三者より当社グループに対し、侵害の訴えが提起される可能性があります。第三者の主張が認められると、製品の販売の差止めや、損害賠償の支払などが求められる可能性があります。   ・ライセンス契約 当社グループは、必要に応じて、知的財産権に関するライセンス契約を他社と締結しつつ、事業活動を行っております。しかしながら、ライセンス契約の条件によっては事業活動が影響を受ける可能性があります。   ・職務発明 発明者より、発明の報奨に関する訴えが提起される可能性があります。   ・知的財産権 当社グループは、第三者による侵害行為に対しては、経営成績等や信用への影響度を考慮しつつ、知的財産権を行使しております。 また、第三者所有の知的財産権を尊重して事業活動を行っておりますが、第三者から侵害の訴えが提起された場合には、内容を精査した上で、防御や和解などの対策を講じております。         ・ライセンス契約 当社グループでは、研究開発の成果として多数の知的財産権を取得しております。保有する一部の知的財産権について相手方へライセンスを供与するなどの対策を講じつつ、事業活動への影響が最小限になるように契約を締結しております。   ・職務発明 当社グループは、発明報奨規程を設けており、発明者に対する報奨を適切に行っております。 9.財務・会計 リスク   ・M&A(減損) 当社グループは産業用領域のさらなる拡大・新規事業の創出・育成等に向けて、M&Aも含めた成長投資を加速する方針を掲げております。 M&Aなどの実施においては、事業の統合に当初想定以上の負荷がかかることや投資時点において想定した通りに投資先が事業を展開できないこと等により、予想された通りの投資効果が得られないリスクがあります。 当社グループは、2026年3月31日現在の連結財務諸表上、のれんを60,578百万円(総資産の5.9%)計上しており、そのうち、2015年に買収したドミノに関連するのれんが57,950百万円を占めております。上記のリスクが顕在化し将来キャッシュ・フローの見積りが変動した場合、また、将来の金利水準や長期的な市場成長率などの変動が生じた場合、これらののれんや有形固定資産、無形資産等の減損損失が生じ、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。     ・M&A(減損) 当社グループは中期戦略「CS B2027」において、M&Aを推進する組織能力・体制を大幅に強化する方針を掲げ、機動的な投資実行とガバナンスの強化を両立しながら、PMIにおける本社の積極的な関与と支援を実施してまいります。 また、中期戦略「CS B2027」において、ドミノを含むインダストリアル・プリンティング事業を、当社グループの成長エンジンを担う成長事業と位置付け、「製品及びビジネス領域の拡大」、「サービス・ソリューション事業の強化」、「事業基盤の強化」を重要施策として取り組んでおります。 また、のれんにつきましては少なくとも年に1回、減損の兆候の有無にかかわらず、将来得られるキャッシュ・フロー見積りと、帳簿価額を比較して、のれんの資産価値を確認しており、適正な評価額で計上しております。 項 目   リスクの内容・可能性・時期・影響の程度   対応策 9.財務・会計 リスク   ・為替変動 当社グループは、海外での製造・販売比率が高く、外貨建取引に係る為替変動リスクが定常的に発生しております。2026年3月期の実績ベースで試算した場合、対ユーロで円高になると、1円当たり、年間約8億円の利益の減少要因となります。また、対米ドルで円安になると、1円当たり、年間約3億円の利益の減少要因となります。 また、中国・東南アジアなど、主要な製造拠点の所在地域の通貨が上昇した場合、製造・調達コストを押し上げる要因になるなど、中長期的な為替レートの変動が、経営成績等に一定の影響を及ぼすことが想定されます。 海外子会社の保有する現地通貨建ての資産(負債を控除した純額)は、各現地通貨に対して円高になると、円換算後の金額が目減りします。これは直ちに連結損益には影響しませんが、その他の包括利益が減少し、純資産を押し下げる要因となります。   ・税制 当社グループは、グローバルに事業活動を展開しており、事業拠点を有する各国・地域における税制の適用を受けております。各国・地域における税制や税率が変更された場合、当社グループの経営成績等にマイナスの影響を与える可能性があります。 また、BEPS問題(税源浸食と利益移転)に対処するため各国・地域の税務当局による取り組みが強化されており、今後、法規制が変更された場合や税務執行が厳格化された場合、追加課税や国際的な二重課税が発生し、税負担が上昇するリスクがあります。   ・不正会計 不正会計については、各国・地域の法令や当社グループの会計ルールなどに反する会計処理によって、決算の修正やステークホルダーからの信頼失墜につながるリスクがあります。     ・為替変動 リスク低減のため、外貨建取引における受取と支払のリンク率向上を図る一方で、短期的には為替予約取引を行うなど、リスクを効率的に管理し、回避するよう努めております。                               ・税制 重要な税務上の事項については、各地域の統括会社を通して、当社税務部門に適宜共有され、税理士法人などの外部専門家のサポートを受けるだけでなく、必要に応じて税務当局ともコミュニケーションを取って対処しております。また、当社グループ間の取引については、独立企業間価格となるように、各国・地域との移転価格を適切に管理しており、移転価格課税リスクの高い取引については、APA(事前確認制度)を活用することで税務リスクを低減しております。       ・不正会計 当社グループ会社の決算を分析し、不正の兆候の有無を把握するとともに、必要に応じ個別に調査を実施しております。 項 目   リスクの内容・可能性・時期・影響の程度   対応策 10.ビジネスコンダクトリスク   当社グループは、事業活動を行っている各国・地域において、さまざまな法令や規制の適用を受けております。これらの法令・規制の新設や変更によって、事業活動が制限されることや、対応のために多額の費用負担が発生する可能性があります。また、意図せぬ法令違反や従業員による不正行為が発生した場合には、当社グループの業績や事業活動に悪影響を及ぼすおそれがあります。   このような認識のもと、主要なビジネスコンダクトリスクとして「安全保障貿易」「横領や不正キックバック、利益相反や不正便宜」「不公正な取引(競争法違反)」「贈収賄(反腐敗法違反)」の4つを特定しております。   ・安全保障貿易 当社グループは、事業をグローバルに展開しておりますが、米中貿易摩擦やロシア・ウクライナ情勢、中東情勢などの地政学的リスクが高まる中、各国で輸出規制や安全保障関連法令の強化が進行しております。特に、当社の工作機械の一部はこれらの法令の対象となっており、今後さらに規制が強化された場合、事業活動の制約や対応のための費用負担が増大します。また、万一法令違反が発生した場合、法的制裁や一定期間の全製品輸出停止、社会的信用の失墜など、当社グループの事業経営に重大な影響を及ぼすおそれがあります。   ・横領や不正キックバック、利益相反や不正便宜 役職員の横領や不正キックバック等によって会社の財産が棄損され、かつ、これらが当社グループの会計ルールなどに反する会計処理につながり、決算の修正、さらにはステークホルダーからの信頼失墜につながるリスクがあります。     ・不公正な取引(競争法違反)、贈収賄(反腐敗法違反) 各国・地域の競争法・反腐敗法に違反する事業活動によって、競争法当局からの罰金や当社グループの事業活動への制限が課されるなどのリスクがあるほか、法令や規制対応のために多額の費用負担が発生する可能性があります。     当社グループでは、法令順守は、さまざまなリスクを回避する上で経営上不可欠なものであると考えております。グループ全体で法令順守を徹底するために「ブラザーグループ グローバル憲章」の行動規範のひとつである「順法精神・倫理観」と、企業としての責任を明確に定義し行動していくための「ブラザーグループ社会的責任に関する基本原則」に基づいて、従業員の行動基準を定めております。   主要なビジネスコンダクトリスクに関する対応状況は以下の通りです。   ・安全保障貿易 各国・地域の規制動向を把握・分析し、必要に応じて、社内ルール及び管理体制を迅速に更新しております。また、役職員への教育と定期的な監査を通じ、輸出管理体制の継続的な改善に努め、業務の適正性の確保と法令違反の未然防止を図っております。   ・横領や不正キックバック、利益相反や不正便宜 業務プロセスにおいて複数人によるチェックを行うなど、自己決裁の防止及び業務の適正性の確保に努めております。また、内部通報窓口を設置するなど、不正の兆候を早期に発見できる体制を整備するとともに、役職員に対するコンプライアンス研修を定期的に行っております。   ・不公正な取引(競争法違反) 日本国内においては、サプライチェーンのお取引先や価値創造を図る事業者の皆様との連携・共存共栄を進めることを明示した「パートナーシップ構築宣言」を公表するとともに、中小受託取引適正化法の順守体制を構築しております。特に、中小受託事業者からの労務費上昇に基づく価格交渉については、中小受託事業者から協議の申入れがあった場合には、労務費上昇分の影響を考慮するなど中小受託事業者の適正な利益を含むよう、十分に協議することとしております。また、グループ会社(欧米、アジア)の役職員に対して競争法リスクに対する意識向上のための定期的な教育を実施しております。   ・贈収賄(反腐敗法違反) 腐敗リスクが高い国や地域(主にアジア)のグループ会社において、反腐敗に関するポリシーを定めることや、お取引先による腐敗行為の防止に関するスクリーニングなどの活動を行っております。また、役職員の反腐敗意識を高めるために反腐敗に関する教育を行っております。
経営成績の分析 (MD&A)7,420字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当社グループの財政状態及び経営成績は次の通りです。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において、判断したものであります。 なお、当社グループの業績管理は、事業セグメント損益及び営業損益により行われております。事業セグメント損益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。 加えて、当連結会計年度より、ネットワーク・アンド・コンテンツ事業を非継続事業に分類しております。これにより、売上収益、事業セグメント利益、営業利益、税引前利益は非継続事業を除いた継続事業の金額を表示し、当期利益及び親会社の所有者に帰属する当期利益は、継続事業及び非継続事業の合算を表示しております。なお、前連結会計年度についても同様に組み替えて表示しております。 (1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績」という。)の状況の概要は次の通りであります。 ①経営成績の状況 当連結会計年度における世界経済は、米国通商政策の動向や中国経済の低迷に加え、中東情勢をはじめとする地政学的リスクの高まりなど、先行きは不透明な状況が続きました。 当社グループに関連する事業環境は、プリンティング・アンド・ソリューションズ事業の関連分野では、欧州・中国において市況が軟調に推移しましたが、それ以外の地域は堅調に推移しました。インダストリアル・プリンティング事業のドミノの関連分野は、欧州主要国を中心に設備投資需要が軟調に推移し、産業用プリンターの関連分野は欧米において競争環境が悪化しました。マシナリー事業の関連分野では、産業機器は中国を中心としたアジアが堅調に推移しましたが、工業用ミシンは米国関税政策の影響を受けアパレル向け設備投資が低調に推移しました。ニッセイ事業の関連分野においては、年度後半にかけて設備投資需要の回復が一部で見られました。家庭用ミシンは、インフレや米国関税政策などの影響を受け高級機の市況が軟調なものの、普及機・中級機は堅調に推移しました。 このような状況の中、当連結会計年度における当社グループの連結業績は、プリンティング・アンド・ソリューションズ事業では、通信・プリンティング機器、ラベリングともに、価格対応の効果も含め本体・消耗品の販売が堅調に推移したことに加え、為替のプラス影響もあり、増収となりました。インダストリアル・プリンティング事業では、産業用プリンターの販売が落ち込んだものの、ドミノの消耗品の販売が堅調に推移したことに加え、為替のプラス影響もあり、増収となりました。マシナリー事業では、産業機器の中国を中心とした設備投資需要の拡大などに伴い、増収となりました。ニッセイ事業では、減速機・歯車ともに販売が堅調に推移し、増収となりました。パーソナル・アンド・ホーム事業では、各地域で販売が堅調に推移したことにより、増収となりました。 これらの結果、売上収益は、前期比5.3%の増収となる893,464百万円となりました。事業セグメント利益は、販促費・販管費が増加したものの、主にマシナリー事業の産業機器における増収効果に為替のプラス影響も加わり、前期比10.8%の増益となる83,631百万円となりました。なお、米国関税負担の増加に対しては、米国での価格対応や経費コントロールなどを実施することで影響を吸収しております。営業利益は、カラオケ店舗等を運営する株式会社スタンダードの事業譲渡益及び固定資産の売却益を計上したことなどにより、前期比15.0%の増益となる77,868百万円となりました。非継続事業を含めた親会社の所有者に帰属する当期利益は、非継続事業からの当期利益における税効果調整が発生したこともあり、前期比23.5%の増益となる67,624百万円となりました。 *平均為替レート(連結)は次の通りであります。 当期 米ドル :150.97円 ユーロ :174.54円 前期 米ドル :152.48円 ユーロ :163.62円 セグメント別の業績は、次の通りです。 なお、2025年度から2027年度までの中期戦略「CS B2027」に基づき、当連結会計年度よりセグメントの区分を変更しております。以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。また当連結会計年度より、ネットワーク・アンド・コンテンツ事業は非継続事業に分類しているため、セグメント別の記載はありません。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.セグメント情報」に記載しております。 1)プリンティング・アンド・ソリューションズ事業 売上収益 570,583百万円(前期比+4.7%) 〇通信・プリンティング機器 498,348百万円(前期比+4.8%) 製品本体については、レーザー複合機・プリンターは、上期に供給制約のあった前期と比較し、各地域で販売が増加しました。インクジェット複合機についても、概ね各地域で販売が伸長しました。消耗品については、主に価格対応の効果により、堅調に推移しました。通信・プリンティング機器全体では、為替のプラス影響もあり、増収となりました。 〇ラベリング 72,235百万円(前期比+4.2%) 欧州を除く各地域で本体・消耗品ともに販売が堅調に推移したことに加え、為替のプラス影響もあり、増収となりました。 事業セグメント利益 66,446百万円(前期比+9.0%) 営業利益 58,092百万円(前期比△1.3%) 事業セグメント利益は、米国関税負担や販促費が増加したものの、価格対応の効果や製品本体の販売増に、為替のプラス影響も加わり、増益となりました。営業利益については、為替差損などの影響がありました。 2)インダストリアル・プリンティング事業 売上収益 139,291百万円(前期比+1.5%) 〇ドミノ 125,326百万円(前期比+5.0%) 主に消耗品の販売が堅調に推移し、為替のプラス影響も加わり、増収となりました。 〇産業用プリンター 13,964百万円(前期比△22.0%) 欧米における競争環境の悪化により、大幅な減収となりました。 事業セグメント利益 2,913百万円(前期比△44.3%) 営業損失 1,670百万円(前期 営業利益 3,198百万円) 事業セグメント利益は、産業用プリンターにおける減収影響に加え、販管費や米国関税負担の増加などにより、大幅な減益となりました。営業利益は、産業用プリンターにおける一部固定資産の減損損失に加え、為替差損を計上したことにより、赤字となりました。 3)マシナリー事業 売上収益 82,969百万円(前期比+23.3%) 〇産業機器 64,296百万円(前期比+35.9%) 中国・アジアを中心に自動車・一般機械市場向けの設備投資需要が拡大したことにより、大幅な増収となりました。 〇工業用ミシン 18,673百万円(前期比△6.6%) 米国関税政策の影響を受けアジアにおけるアパレル向け設備投資需要が低調に推移したことにより、減収となりました。 事業セグメント利益 6,703百万円(前期比+529.5%) 営業利益 6,662百万円(前期比+468.2%) 産業機器の増収により、大幅な増益となりました。 4)ニッセイ事業 売上収益 21,441百万円(前期比+7.1%) 価格対応の効果も含め減速機・歯車ともに販売が堅調に推移し、増収となりました。 事業セグメント利益 957百万円(前期比+101.8%) 営業利益 1,011百万円(前期 営業損失 16百万円) 増収や価格対応の効果などにより、大幅な増益となりました。 5)パーソナル・アンド・ホーム事業 売上収益 60,973百万円(前期比+6.7%) 各地域で普及機・中級機の販売が堅調に推移したことや価格対応の効果に、為替のプラス影響も加わり、増収となりました。 事業セグメント利益 6,600百万円(前期比△9.8%) 営業利益 5,997百万円(前期比△9.9%) 増収となったものの、高級機の新製品投入効果のあった前期と比較し、減益となりました。 ②財政状態の状況 資産合計は、円安による為替影響及びMUTOHホールディングス株式会社(現:MUTOH株式会社)及びその子会社等を新規連結したことにより、前連結会計年度末に比べ86,165百万円増加し、1,018,815百万円となりました。 負債合計は、円安による為替影響及びMUTOHホールディングス株式会社(現:MUTOH株式会社)及びその子会社等を新規連結したことにより、前連結会計年度末に比べ10,273百万円増加し、251,451百万円となりました。 資本合計は、2025年5月9日開催の取締役会において、自己株式の取得について決議されたことによる自己株式の増加などにより減少した一方、親会社の所有者に帰属する当期利益による利益剰余金の増加、在外営業活動体の換算差額の影響などにより、前連結会計年度末に比べ75,891百万円増加し、767,363百万円となりました。 当期における期末為替レートは、次の通りであります。 米ドル : 159.88円 ユーロ : 183.41円 ③キャッシュ・フローの状況 キャッシュ・フローの状況については、現金及び現金同等物(以下「資金」)は、営業活動により111,001百万円増加、投資活動により42,993百万円減少、財務活動により54,633百万円減少、為替変動の影響により12,433百万円増加等の結果、当連結会計年度末は前連結会計年度末と比べ24,898百万円増加し、197,674百万円となりました。 当期における各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は、次の通りです。 1)営業活動によるキャッシュ・フロー 税引前利益は81,973百万円で、減価償却費及び償却費51,429百万円など、非資金損益の調整などによる資金の増加、営業債権及びその他の債権の減少による資金の増加2,998百万円、棚卸資産の減少による資金の増加12,866百万円、営業債務及びその他の債務の減少による資金の減少5,613百万円などがあり、法人所得税の支払額26,420百万円などを差し引いた結果、111,001百万円の資金の増加となりました。 2)投資活動によるキャッシュ・フロー 有形固定資産の取得による支出32,468百万円、無形資産の取得による支出11,563百万円などにより、42,993百万円の資金の減少となりました。 3)財務活動によるキャッシュ・フロー リース負債の返済による支出9,143百万円、自己株式の取得による支出18,456百万円、自己株式取得のための預託金の増加1,936百万円、配当金の支払額25,469百万円などにより、54,633百万円の資金の減少となりました。 ④生産、受注及び販売の状況 1)生産実績 当社グループの生産実績は、販売実績と近似しておりますので、記載を省略しております。 2)受注実績 当社グループの生産活動は、その多くを見込生産で行っておりますので、受注実績は記載しておりません。 3)販売実績 当社グループの販売実績は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記6.セグメント情報」をご参照下さい。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討事項 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。 ①重要性がある会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第312条の規定により、IFRS会計基準に準拠して作成されております。 IFRS会計基準に準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を行うことが要求されております。当社グループの判断、見積り及び仮定は合理的であると考えておりますが、実際の業績は、これらの見積りとは異なる場合があります。 なお、当社グループの連結財務諸表において採用する重要性がある会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 1)当連結会計年度の経営成績 経営成績は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」をご参照下さい。 2)経営成績に重要な影響を与える要因 経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」をご参照下さい。 3)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標 中期戦略「CS B2027」では、最終年度である2027年度の業績目標を売上収益1兆円、営業利益1,000億円、ROE10%、産業用領域売上比率40%、TSR(対TOPIX)100%以上(配当金込み)としています。 「CS B2027」の初年度である当連結会計年度の実績は、以下の通りです。 当連結会計年度実績   CS B2027業績目標 売上収益   8,935億円   1兆円 営業利益   779億円   1,000億円 ROE   9.3%   10% 産業用領域 売上比率   32%   40% TSR (対TOPIX)(配当金込み)   81.9%*   100%以上 *2025年3月末を起点とした1年間 平均為替レート(連結)は次の通りであります。 当期  米ドル :150.97円 ユーロ :174.54円 CS B2027 策定時 米ドル :145.00円 ユーロ :155.00円 中期戦略「CS B2027」における、経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中長期的な経営戦略」をご参照下さい。 4)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 事業セグメントごとの経営成績の状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」をご参照下さい。 5)当社グループの資本の財源及び資金の流動性 当社グループは、現在及び将来の事業活動のために適切な水準の流動性維持及び、柔軟で効率的な資金の確保を財務活動の重要な方針としております。この方針に従って、当社グループは、グループ会社が保有する資金をグループ内で効率よく活用するキャッシュマネジメントシステムを構築し運用しております。資金の偏在をならし、グループ全体で借入を極力削減する体制を整えております。 流動性管理 当社グループは、現金及び現金同等物を手元流動性と位置付けております。当連結会計年度末現在、当社グループは、売上収益の約3ヶ月分に相当する現金及び現金同等物197,674百万円を保有しております。 当社グループは、当社及び金融子会社などの資金調達拠点を通じたキャッシュマネジメントシステムの活用により、資金の効率化を図り、流動性を確保しております。 これにより、季節的な資金需要の変動、事業環境リスク等を考慮の上、通年にわたり十分な手元流動性を確保していると考えております。 資金調達 運転資金等の短期資金は、原則として期限が1年以内の短期借入金を現地通貨で調達することとし、生産設備等の長期資金は、内部留保資金の他、固定金利の長期借入金及び社債等で調達することを基本方針としております。当連結会計年度末現在、短期借入金の残高は391百万円で、通貨は英ポンドであります。1年内返済予定の長期借入金の残高は200百万円で、通貨は日本円であります。長期借入金の残高は400百万円であり、通貨は日本円であります。 当社は、株式会社格付投資情報センター(R&I)から格付を取得しております。当連結会計年度末現在、発行体格付はA+(方向性「安定的」)であります。金融・資本市場へのアクセスを保持するため、一定水準の格付けの維持は重要と考えております。 当社グループは、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力に加えて、手元流動性、健全な財務体質により、当社グループの成長を維持するために必要な運転資金及び設備投資・研究開発資金等を確保することが可能と考えております。 資金の需要動向 中期戦略「CS B2027」では、事業ポートフォリオ変革の加速に向けた大規模な成長投資の実行とともに、株主還元を強化する方針であります。成長投資は、規模を大きく拡大し、2,000億円を想定していますが、内訳は、M&A関連の戦略投資と成長を支える基盤投資(インクジェット開発・生産技術強化、産業用領域の販売・サービス拠点増強、お客様とつながるビジネスの基盤強化、BCPやサプライチェーンの強靭化、AI活用や人財基盤強化による組織能力の強化、延期となっていた新社屋建設など)に分けられ、戦略投資が多くを占めます。株主還元については、大幅に強化し、3年間合計で1,400億円を予定しており、内訳として、配当に800億円、自己株式取得に600億円を計画しています。 事業成長から創出される3年間の実質営業キャッシュ・フロー3,250億円に加えて、自己資金及び有利子負債を活用することで、これらの資金需要に対応してまいります。

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開示資料

出典

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