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日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,085.45+319ドル円158.62-2NASDAQ26,241.86+142S&P 5007,680.46+49SOX 指数11,350.08+619/2終値

ニデック

NIDEC CORPORATION6594 · Prime · 電気機器

モータ専業から車載・家電・産業・工作機械へ拡大する世界最大級の総合モーターメーカー。HDD用モータで圧倒的シェア。

概要

ニデック(旧日本電産)は、モーター製造で世界トップクラスの企業である。1973年に京都市で創業し、HDD用スピンドルモータで世界シェアを確立。現在は車載、家電、産業用モータ、工作機械、電子光学部品など多岐にわたる製品を手掛ける。2025年3月期の連結売上高は2兆6078億円、営業利益率9.1%を記録し、従業員数は約10万4千人に上る。

六つの報告セグメントが示す事業の広がり

当社グループは、精密小型モータ(SPMS)、車載機器(AMEC)、家電・商業・産業用モータ(MOEN)、家電・商業用モータ(ACIM)、工作機械・産業機械、グループ会社事業の6セグメントで構成される。SPMSはHDD用モータを中心に世界トップシェアを有し、AMECは自動車の電動化に対応するモータやアクチュエータを供給する。MOENはエアコンや掃除機などの家電から産業機械まで幅広いモータをカバーし、ACIMはブラジル市場向けに白物家電用モータを現地生産する。機械事業ではCNC平面研削盤やトランスファープレスを手掛け、グループ会社事業は車載、家電、電子光学部品等を幅広く展開する。

全世界に広がる生産・販売ネットワーク

創業後まもなく米国に進出し、現在ではタイ、中国、台湾、シンガポール、フィリピン、ベトナム、韓国、インド、カンボジア、マレーシアなどアジア全域に生産拠点を持つ。欧州ではドイツ、フランス、イタリア、ポーランドに、北中米では米国、ブラジルに拠点を置く。連結子会社は342社に達し、各地域の需要に応じた地産地消を基本とする。2025年4月にはニデックモビリティとニデックエレシスを統合し、グローバルな横串機能の強化を図っている。

過去最高を更新した収益の推移

当社の売上高は2013年3月期の7093億円から拡大を続け、2025年3月期には2兆6078億円と過去最高を更新した。営業利益は同期間で1619億円から2381億円へ増加し、営業利益率は6.9%から9.1%に改善した。当期利益も1245億円から1644億円へ拡大。この成長は、HDD用モータの需要回復、AIデータセンター向け水冷モジュールの販売増、エネルギー関連の大型モータ需要拡大などが牽引した。2027年度を目標に売上高2.9兆円、営業利益率12%を掲げる新中期経営計画を策定している。

グループ会社事業が支える製品多様性

グループ会社事業セグメントには、ニデックモビリティ(車載モータ・アクチュエータ)、ニデックインスツルメンツ(精密モータ・スキャナ)、ニデックパワートレインシステムズ(パワートレイン)、ニデックアドバンステクノロジー(冷却モジュール)、ニデックコンポーネンツ(光学部品)などが含まれる。これらの子会社は、車載から家電、産業、電子光学に至るまで幅広い製品を製造し、グループ全体の総合力を高めている。特に2025年4月にはニデックモビリティとニデックエレシスを統合し、電子・電源制御領域の競争力強化を図った。

業界の中での役割はあらゆる産業向けモータと駆動システム、工作機械のグローバルサプライヤーにあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
2.6兆円
営業利益
2,381億円
営業利益率
9.1%
純利益
1,644億円
2025/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2025/3期)より

01HDD・ストレージ用モータ(SPMS)主力

HDD用モータを中心とする精密小型モータの製造販売。世界トップシェアを有し、データセンター・PC・家電等のストレージ機器に不可欠な部品を供給。

主な製品・サービス1
HDD用モータ世界シェア首位
ハードディスクドライブの回転駆動用スピンドルモータ。高精度・低振動・低消費電力を実現。HDDの記録密度向上に貢献。

02車載機器(AMEC)主力

自動車向けモータ・アクチュエータ・パワートレインシステムの製造販売。電動パワステ・EV駆動モータ・ブレーキ用・エンジン補機等、パワートレインの電動化・自動運転化に対応した製品を供給。

主な製品・サービス2
車載モータ
電動パワーステアリング用モータ、EV駆動用モータ、ABS・ブレーキ用モータ、エンジン冷却ファンモータなど。自動車の電動化・省燃費化に貢献。
車載アクチュエータ
ドアロック、シートリクライニング、バルブ駆動などに用いる小型アクチュエータ。快適性・安全性を向上。

03家電・商業・産業用モータ(MOEN)準主力

家電(エアコン・掃除機等)・商業設備(ATM・自動販売機等)・産業機械(コンベヤ・ポンプ等)向けモータを製造販売。欧州子会社を通じて汎用モータやドライブシステムも提供。

主な製品・サービス3
家電用モータ
エアコン室外機ファンモータ、掃除機用吸引モータ、洗濯機用DDモータ。省エネ・静音・コンパクト化に貢献。
商業・産業用モータ
ATM用紙送りモータ、自動販売機用コンプレッサモータ、工作機械スピンドルモータ、ロボット関節モータ。多様な用途に対応する高効率モータ。
ドライブシステム
モータを制御するインバータ、サーボアンプ。Nidec Control Techniques社製で、高機能なモータ制御を実現。

04家電・商業用モータ(ACIM)準主力

主にブラジル市場向けに家電・商業用モータ(洗濯機・冷蔵庫・空調用等)を製造販売。南米の白物家電市場向けに現地生産で供給。

主な製品・サービス1
家電用モータ(ACIM)
洗濯機、冷蔵庫、空調機など白物家電に組み込まれるACモータ、DCブラシレスモータ。ブラジル現地生産でコスト競争力を確保。

05電子・光学部品・各種機器(グループ会社事業)準主力

子会社群が車載、家電・産業用モータ、機器装置、電子・光学部品を幅広く製造販売。具体的には、車載用モータ・アクチュエータ(ニデックモビリティ)、精密モータ・スキャナ等(ニデックインスツルメンツ)、パワートレインシステム(ニデックパワートレインシステムズ)、冷却モジュール(ニデックアドバンステクノロジー)、光学部品(ニデックコンポーネンツ)など。

主な製品・サービス1
電子・光学部品
レンズ、撮像ユニット、レーザー走査光学系。プロジェクター、複合機、ドキュメントスキャナの光学エンジン向け。

06工作機械・産業機械副次

工作機械(CNC平面研削盤、門型マシニングセンタ等)と産業機械(プレス・専用機)の製造販売。ニデックマシンツール・ニデックミンスターが手掛ける。自動車・航空機・金型等の精密加工に使用。

主な製品・サービス2
工作機械
CNC平面研削盤、門型マシニングセンタ、複合加工機。金属・複合材料の高精度加工に使用。
産業機械
トランスファープレス、サーボプレス、組立専用機。自動車ボディパネル・部品の量産ラインに導入。

製品と技術

HDD用スピンドルモータ:精密小型モータの頂点

HDD用モータは、ニデックの創業以来の基幹製品である。ハードディスクドライブの回転駆動用スピンドルモータとして、高精度・低振動・低消費電力を実現。データセンター・PC・家電等のストレージ機器に不可欠な部品であり、世界トップシェアを有する。2024年度にはデータセンター向けのニアラインHDD需要が増加し、SPMSセグメントの売上を押し上げた。また、同セグメントではAIサーバ向け水冷モジュールを新分野として開拓し、精密加工技術とコスト競争力を活かした成長を目指している。

車載用モータとEVパワートレイン

車載セグメントでは、電動パワーステアリング用モータで世界No.1シェアを誇る。ブレーキ用モータ、EV駆動用モータ、電動オイルポンプなど、自動車の電動化・省燃費化に貢献する製品を幅広く供給する。欧州ではStellantisグループとの合弁会社ニデックPSAイーモーターズが2024年度にE-Axleの量産を開始。中国EV市場では激しい価格競争に対応するため、開発・調達の現地化や次世代E-Axleの開発を進めている。2025年4月にはニデックモビリティとニデックエレシスを統合し、電子・電源制御領域の競争力を高めた。

産業用モータとエネルギー関連ソリューション

家電・商業・産業用セグメントでは、エアコンや掃除機向けモータから、工場のコンベヤやポンプを駆動する大型産業用モータまでを手掛ける。近年はデータセンターの非常用電源向け発電機やバッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)などエネルギー分野の需要が拡大。インド・フランス・北中米で生産能力増強投資を実施している。また、Nidec Control Techniques社製のインバータやサーボアンプといったドライブシステムも提供し、モータ制御のトータルソリューションを強みとする。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

電気機器のなかでの位置

会社が挙げる強い分野

  • 世界シェア首位HDD用モータ世界シェア約85%HDD・ストレージ用モータ(SPMS)

有価証券報告書(2025/3期)で会社自身が述べている位置付けです。第三者による調査ではありません。

モーターで世界シェア首位、精密制御に強み

ニデックはモーターで世界シェア首位。同業のイビデンは電子部品、日清紡ホールディングスはモーターも手がけるが、ニデックは小型・精密モーターで圧倒的。売上高は2兆円を超え、自動車、家電、産業機器など幅広い分野に供給。EV向け駆動モーターやHDD用スピンドルモーターで高い競争力。近年はロボットやドローン向けも拡大。営業利益率は9%程度と改善傾向。課題は、需要変動の大きい市場への対応と、競争激化による価格圧力。

強み

  • 小型・精密モーターで世界シェアNo.1。
  • 自動車、家電、産業機器など多様な需要を取り込む。
  • 高効率・高性能モーターの開発で競争優位性。

課題

  • 市場サイクルにより売上が左右されやすい。
  • 新興国メーカーとの価格競争が激化。
  • EVシフトの進展に合わせた技術革新が必要。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

工作機械・FAの時価総額近傍。太字がニデック

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
16752パナソニック ホールディングス10.5兆円52.9倍
26301小松製作所6.9兆円17.9倍
36954ファナック5.6兆円32.1倍
46971京セラ5.3兆円34.2倍
56273SMC4.2兆円25.2倍
66594ニデック3.0兆円23.6倍
77013IHI2.8兆円17.1倍
86504富士電機1.9兆円19.5倍
95334日本特殊陶業1.6兆円14.0倍
106645オムロン1.3兆円35.9倍
116448ブラザー工業1.3兆円19.7倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(工作機械・FA)に従っています。

会社の歴史

沿革 45件

精密モータの開発から始まった1973年の創業

1973年7月、京都市西京区に日本電産株式会社(現ニデック)が設立された。当時は精密小型モータの開発・製造を主業務とし、1975年には京都府亀岡市に亀岡工場を開設した。初期の主力製品はHDD用スピンドルモータであり、高い技術力で世界シェアを獲得していく基礎を築いた。1984年には滋賀工場(現滋賀技術開発センター)を開設し、生産能力を拡大した。

株式上場とアジア生産拠点の拡充

1988年11月、京都証券取引所と大阪証券取引所の市場第二部に株式を上場。翌1989年にはシンガポールに、1990年にはタイに現地法人を設立し、アジアでの生産体制を整え始めた。1992年には中国大連に進出、同年台湾にも拠点を設置。1993年にはドイツに欧州法人を設立し、グローバル展開の基盤を固めた。1998年には東京証券取引所市場第一部に指定され、上場市場を拡大した。

M&Aによる事業多角化の推進(1997年〜2000年代)

1997年、トーソク(現ニデックパワートレインシステムズ)に資本参加し、自動車部品事業に参入。同年リードエレクトロニクス(現ニデックアドバンステクノロジー)にも出資した。1998年にはコパル(現ニデックプレシジョン)とコパル電子(現ニデックコンポーネンツ)を傘下に収め、電子光学部品分野を強化。2000年には安川電機の子会社ワイ・イー・ドライブに資本参加し、モータ技術の幅を広げた。2003年には三協精機製作所(現ニデックインスツルメンツ)に資本参加し、精密機器事業を拡大した。

欧米大手モータ事業の買収と統合

2006年12月、フランスValeoのモータ&アクチュエータ事業を買収し、欧州での車載モータ事業を本格化。2010年にはイタリアのAppliances Components Companiesの家電モータ事業と、米国Emerson Electricのモータ・コントロール事業を相次いで買収し、家電・産業用モータのグローバルシェアを拡大した。2012年にはイタリアAnsaldo Sistemi Industrialiを買収し、大型モータやドライブシステムのラインアップを強化した。これらの買収により、モータの種類と地域網を飛躍的に拡大した。

新興国への展開と工作機械事業の強化

2010年にはインドに現地法人を設立し、成長市場への足がかりを得た。2011年にはマレーシア、2012年にはカンボジアに生産拠点を設立し、アジアでの低コスト生産体制を拡充した。工作機械事業では、1995年に関連会社に資本参加した共立マシナリを皮切りに、2012年に米国のプレスの名門ミンスターマシンを買収し、ニデックミンスターとして事業を統合。2012年のアンサルド買収により産業用大型モータも強化し、多角化を一段と進めた。

新経営体制と収益構造転換への挑戦

2025年3月期、岸田光哉社長のもとで新経営体制がスタート。売上高・営業利益・当期利益で過去最高を達成した。しかし、中国EV市場の激しい価格競争やグループ内のコスト課題に対応するため、2027年度をターゲットとする新中期経営計画「Conversion2027」を策定。不採算事業の見直し、拠点統廃合、人員削減による高収益構造への転換、5本柱の事業領域への集中、真のグローバル体制の構築を掲げる。具体的な数値目標として、2027年度に売上高2.9兆円、営業利益3500億円(利益率12%)、ROIC12%を設定した。

年表45件を開く

1970年代

  • 1973年7月京都市西京区に日本電産㈱(現 ニデック㈱)を設立
  • 1975年2月京都府亀岡市に亀岡工場(1993年12月に閉鎖)を開設
  • 1976年4月米国セントポール市に米国日本電産㈱(現 ニデックアメリカ㈱)を設立

1980年代

  • 1984年2月米国トリントン市にニデック・トリンコーポレーション(現 ニデックアメリカ㈱)を設立
  • 1984年10月滋賀県愛知郡愛知川町(現 愛荘町)に滋賀工場(現 滋賀技術開発センター)を開設
  • 1988年11月上場京都証券取引所並びに大阪証券取引所市場第二部に株式を上場
  • 1989年3月シンガポール日本電産㈱(現 ニデックシンガポール㈱)を設立

1990年代

  • 1990年8月タイ日本電産㈱(現 ニデックエレクトロニクスタイランド㈱)を設立
  • 1992年2月創業中国に日本電産(大連)有限公司(現 ニデックモータ(大連)有限公司)を設立
  • 1992年10月創業台湾日電産股份有限公司(現 ニデック台湾股份有限公司)を設立
  • 1993年4月創業ドイツに欧州日本電産(現 ニデックモーターズ アンド アクチュエーターズドイツ㈲)を設立
  • 1993年10月創業日本電産(香港)有限公司(現 ニデックモータ(香港)有限公司)を設立
  • 1995年2月共立マシナリ㈱(現 ニデックマシナリー㈱)に資本参加
  • 1995年12月フィリピン日本電産㈱(現 ニデックフィリピン㈱)を設立
  • 1997年3月トーソク㈱(現 ニデックパワートレインシステムズ㈱)に資本参加
  • 1997年4月㈱リードエレクトロニクス(現 ニデックアドバンステクノロジー㈱)に資本参加
  • 1997年5月京利工業㈱に資本参加
  • 1998年2月㈱コパル(現 ニデックプレシジョン㈱)並びにコパル電子㈱(現 ニデックコンポーネンツ㈱)に資本参加
  • 1998年9月上場東京証券取引所市場第一部上場、大阪証券取引所市場第一部に指定
  • 1998年10月㈱芝浦製作所(現 芝浦メカトロニクス㈱)、㈱東芝との3社共同出資で芝浦電産㈱(現 ニデックテクノモータ㈱)を設立
  • 1999年4月創業中国に日本電産芝浦(浙江)有限公司(現 ニデックテクノモータ(浙江)有限公司)を設立
  • 1999年12月韓国日本電産㈱(現 ニデック韓国㈱)を設立

2000年代

  • 2000年3月㈱安川電機の子会社、㈱ワイ・イー・ドライブ(現 ニデックテクノモータ㈱)に資本参加
  • 2001年9月上場ニューヨーク証券取引所へ上場(2016年5月まで)
  • 2002年4月創業中国に日本電産(浙江)有限公司(現 ニデックモータ(浙江)有限公司)を設立
  • 2002年6月創業中国に日本電産(東莞)有限公司(現 ニデックモータ(東莞)有限公司)を設立
  • 2003年4月創業中国に日本電産(上海)国際貿易有限公司(現 ニデック(上海)国際貿易有限公司)を設立
  • 2003年5月京都市南区に本社事務所を移転し、中央開発技術研究所を開設
  • 2003年10月㈱三協精機製作所(現 ニデックインスツルメンツ㈱)に資本参加
  • 2005年10月創業ベトナム日本電産会社(現 ニデックベトナム会社)を設立
  • 2006年2月創業中国に日本電産自動車モータ(浙江)有限公司(現 ニデック自動車モータ(浙江)有限公司)を設立
  • 2006年12月M&Aフランス・Valeo S.A.のモータ&アクチュエータ事業を買収し、Nidec Motors & Actuators(現 ニデックモーターズ アンド アクチュエーターズ㈱)を設立
  • 2007年2月M&Aシンガポール・Brilliant Manufacturing Ltd.(現 ニデックコンポーネントテクノロジー㈱)を買収
  • 2007年4月日本サーボ㈱(現 ニデックアドバンスドモータ㈱)に資本参加

2010年代

  • 2010年1月創業イタリア・Appliances Components Companies S.p.A.の家電モータ事業を買収し、日本電産ソーレモータ㈲を設立
  • 2010年2月M&Aタイ・SC WADO Co., Ltd.(現 ニデックダイキャスティング(タイランド)㈱)を買収
  • 2010年9月M&A米国・Emerson Electric Co.のモータ・コントロール事業を買収し、日本電産モータ㈱(現 ニデックモータ㈱)を設立
  • 2010年10月創業中国に日本電産(韶関)有限公司(現 ニデックモータ(韶関)有限公司)を設立
  • 2010年12月インド日本電産㈱(現 ニデックインド㈱)を設立
  • 2011年7月三洋電機㈱の子会社、三洋精密㈱に資本参加
  • 2011年12月創業マレーシアに Nidec Precision Malaysia Sdn. Bhd. を設立
  • 2012年3月カンボジアに SC Wado Component(Cambodia)Co., Ltd.(現 ニデックダイキャスティング(カンボジア)㈱)を設立
  • 2012年4月M&A日本電産シンポ㈱(現 ニデックドライブテクノロジー㈱)が、米国・The Minster Machine Company(現 ニデックミンスター㈱)を買収
  • 2012年5月M&Aイタリア・Ansaldo Sistemi Industriali S.p.A.(現 ニデックASI㈱)を買収
  • 2012年6月日本電産中央モーター基礎技術研究所(現 ニデック新川崎テクノロジーセンター)を開設

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2025/3期の経営方針より

会社は4つの方針を掲げている。そのうち4項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 連結売上高2027年度まで2.9兆円
  • 営業利益2027年度まで3,500億円
  • 営業利益率2027年度まで12%
  • ROIC(投下資本利益率)2027年度まで12%

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    高収益構造への転換

    不採算・ノンコア事業の見直し、材料費削減、品質向上により変動費を改善。拠点統廃合やプロセス改革で固定費削減と人員削減を断行。一方、システム・DX投資などに売上高の1%を戦略投資として確保し、高収益構造を確立する。

  2. 02

    事業5本柱への転換

    AI社会、サステナブルインフラ・エネルギー、産業生産効率化、Better Life、モビリティイノベーションの5領域に注力。既存事業の枠を超えたシナジーを追求し、地産地消と顧客目線のワン・ニデック活動へリソースを結集する。

  3. 03

    真のグローバル体制への転換

    CxO強化と執行役員スリム化でスピーディーな経営を実現。フェロー(高度技術者)と理事(次世代役員候補)を新設し、グローバルでリーンな体制を構築する。

  4. 04

    M&Aによる成長

    被買収企業と既存技術の掛け合わせで企業価値を最大化。工作機械事業では積極的なM&Aで製品ラインアップ拡充と海外シェア強化を進め、グローバルNo.1総合工作機械メーカーを目指す。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 9期分

グループ全体で104,285人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は760万円で、8期前と比べて+15.1%平均年齢は42.2歳、平均勤続年数は13.3年。

単体の従業員がグループ全体の1割に満たないため、平均年収は持株会社の本社勤務者の数値です。グループ全体の水準とは異なります。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月107,062
2018年3月107,554
2019年3月66139.09.4108,906
2020年3月61638.69.7117,206
2021年3月58838.710.3112,551
2022年3月64539.210.8114,371
2023年3月68740.011.8106,592
2024年3月72141.712.6101,112160
2025年3月76042.213.3104,285228

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2025年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率8.5%
縦線は目安の30%
男性育休取得率42.9%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)70.9%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社33(国内 11 / 海外 22) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位10)
MOEN — ニデックPSAイーモーターズ社(フランス キャリエール・ス・ポワシー)588億円
AMEC — ニデック自動車モータ(浙江)有限公司(中国 浙江省平湖市)475億円
AMEC — ニデックモータ(大連)有限公司(中国 遼寧省大連市)277億円
ACIM — ニデックグローバル・アプライアンス・ブラジル社(ブラジル サンタカタリーナ州)239億円
AMEC — ニデックモーターズ アンド アクチュエーターズポーランド㈲(ポーランド ニエポウォミツェ)234億円
ニデックパークC棟・中央開発技術研究所 — 京都府向日市224億円
SPMS
機械事業 — ニデックドライブテクノロジー㈱(京都府向日市)172億円
グループ会社事業 — ニデックプレシジョン㈱(東京都板橋区)129億円
グループ会社事業 — ニデックインスツルメンツ㈱(長野県諏訪郡下諏訪町)114億円
本社 — 京都市南区7,412百万円
全社
ほか7件の開示あり
主な関係会社
  • 海外
    ニデック エレクトロニクス タイランド㈱
    タイ パトンタニ県
    議決権100.0%
  • 海外
    ニデック自動車モータ(浙江)有限公司
    中国浙江省 平湖市
    議決権100.0%
  • 海外
    ニデックモータ㈱
    米国 ミズーリ州
    議決権100.0%
  • 海外
    ニデックグローバル・アプライアンス・ブラジル社
    ブラジル サンタカタリーナ州
    議決権100.0%
  • 国内
    ニデック マシンツール㈱
    滋賀県 栗東市
    議決権100.0%
  • 国内
    ニデック インスツルメンツ㈱
    長野県 諏訪郡 下諏訪町
    議決権100.0%
  • 海外
    ニデックモータ(香港)有限公司
    中国 香港
    議決権100.0%
  • 海外
    ニデック プレシジョンタイ㈱
    タイ パトンタニ県
    議決権100.0%
  • 海外
    ニデックベトナム会社
    ベトナム ホーチミン市
    議決権100.0%
  • 海外
    ニデックモータ(上海)有限公司
    中国 上海市
    議決権100.0%
  • 海外
    ニデックモータ(東莞)有限公司
    中国広東省 東莞市
    議決権100.0%
  • 海外
    Nidec Chaun-Choung Technology Corp
    台湾 新北市
    議決権86.3%
残りのグループ会社21社を開く
  • ニデック台湾股份 有限公司台湾 台北市100%
  • ニデックGPM GmbHドイツ テューリンゲン州100%
  • ニデックモータ(大連)有限公司中国遼寧省 大連市100%
  • ニデックモーターズ アンド アクチュエーターズドイツ㈲ドイツ バーデンヴィュルッテンベルグ州100%
  • ニデックモーターズ アンド アクチュエーターズ ポーランド㈲ポーランド ニエポロミーチェ市100%
  • ニデックASI㈱イタリア ロンバルディア州100%
  • Nidec Control Techniques Limitedイギリス ポーイス州100%
  • ニデックミンスター㈱米国 オハイオ州100%
  • ニデックモビリティ㈱愛知県 小牧市100%
  • ニデックテクノモータ(浙江)有限公司中国浙江省 平湖市100%
  • ニデックパワートレインシステムズ㈱神奈川県 座間市100%
  • ニデックパワートレインシステムズ(ベトナム)会社ベトナム ホーチミン市100%
  • ニデックアドバンス テクノロジー㈱京都府 向日市100%
  • ニデック コンポーネンツ㈱東京都 新宿区100%
  • ニデック セイミツモータ(東莞)有限公司中国広東省 東莞市100%
  • ニデックホールディング アメリカ㈱アメリカ ミズーリ州100%
  • ニデックプレシジョン㈱東京都 板橋区100%
  • 広州ニデック汽車駆動系統有限公司中国広東省 広州市51%
  • ニデックオーケーケー㈱兵庫県 伊丹市100%
  • Nidec PSA eMotors SASフランス イヴリーヌ県50%
  • Nidec Mobility Mexico S.de R.L.de C.V.メキシコ グアナファト州100%
国際子会社 (GLEIF登録 4社)
  • BRNIDEC GLOBAL APPLIANCE BRASIL LTDA
  • INNIDEC INDIA PRIVATE LIMITED
  • NLNIDEC EUROPE B.V.
  • USNidec Motor Corporation

国際的な法人識別子 (LEI) の親子関係データ。金融取引を行う子会社が中心で、全子会社の一覧ではありません。

公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 調達
    ロボット活用型市場化適用技術開発プロジェクトロボットのプラットフォーム化技術開発(ハードウェア)次世代FMSを実現する再利用性の高いハードウェアプラットフォーム開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2017-09-14
    3,579万円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2025年3月期の売上高は2.6兆円営業利益2,381億円前期と比べると増収増益で、売上が+11.1%、利益が+47.1%。

売上高
+11.1%
2.6兆円
営業利益
+47.1%
2,381億円
純利益
+32.0%
1,644億円
営業利益率
9.1%
前期比 +2.2%pt

四半期の推移

10期分

直近は2026年2Qで、売上は1.3兆円、営業利益は211億円。前年の2025年2Qと比べると、売上は+0.7%、営業利益は−82.6%。

対象期間売上高兆円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年2Q0.595178.8453
2023年3Q0.572804.9175
2023年4Q0.53−671
2024年1Q0.5760210.6640
2024年2Q0.595569.4421
2024年3Q0.595359.0398
2024年4Q0.59−74−1.2−214
2025年2Q1.291,2109.4756
2025年4Q1.311,1718.9888
2026年2Q1.302111.6312

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 13期分

2013年3月期からの13期で、売上は7,093億円から2.6兆円へ3.7倍に増えた。直近期の営業利益率は9.1%。売上は12期、純利益は2期の連続増加。

決算期売上高兆円営業利益億円税引前利益億円営業利益率%純利益億円
2013年3月0.71
2014年3月0.88
2015年3月1.03
2016年3月1.181,172899
2017年3月1.201,4131,110
2018年3月1.461,6331,308
2019年3月1.481,2981,100
2020年3月1.531,052585
2021年3月1.621,5291,219
2022年3月1.921,7001,358
2023年3月2.231,104370
2024年3月2.351,6192,0176.91,245
2025年3月2.612,3812,3339.11,644

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2025年3月期

売上高2.6兆円のうち、営業利益として残るのは2,381億円9.1%。営業外の損益と税金を反映した純利益は1,644億円、売上の6.3%にあたる。営業利益率は業種中央値6.9%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金79.4%2.1兆円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金8.3%2,177億円
  • その他の費用持分法損益などの調整3.1%806億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益9.1%2,381億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
20.6%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比+2.3pt
9.1%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+0.4pt
6.3%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比+1.8pt
9.8%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
5.0%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
5.4%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 10期分

2025年3月期は営業CFが2,844億円、投資CFが−1,473億円で、差し引きのフリーCFは1,371億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は2,462億円で、売上の1.1ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2016年3月1,477−954785233,059
2017年3月1,299−2,115958−8163,216
2018年3月1,756−1,139−1,1696172,659
2019年3月1,702−1,608−327942,423
2020年3月1,680−3,1151,285−1,4352,070
2021年3月2,192−1,006−1,3621,1862,195
2022年3月950−1,126−644−1761,997
2023年3月1,435−1,649−192−2141,861
2024年3月3,208−1,536−1,8161,6722,170
2025年3月2,844−1,473−8021,3712,462

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 11期分

2025年3月期の総資産は3.3兆円。このうち返さなくてよい自己資本が1.7兆円で、自己資本比率は51.8%(業種中央値61.0%より薄い)

決算期総資産兆円自己資本兆円負債兆円自己資本比率%
2015年3月1.350.750.6055.3
2016年3月1.380.760.6155.4
2017年3月1.680.850.8350.4
2018年3月1.770.930.8452.6
2019年3月1.881.000.8952.9
2020年3月2.120.951.1844.6
2021年3月2.261.101.1648.6
2022年3月2.681.291.3948.2
2023年3月2.861.351.5247.0
2024年3月3.161.631.5051.6
2025年3月3.321.721.5751.8

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2025年3月期の内訳
現金及び預金
2,462億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
1.3兆円
過去の利益の積み上がり
負債合計
1.6兆円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
83
/ 100
安定性自己資本比率35 / 40
収益力営業利益率18 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

電気機器 224社との比較

同じ電気機器の企業と並べると、いちばん上に来るのは売上成長率224社中47位あたり、逆に低いのは配当利回り224社中166位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
9.8%/中央値 8.0%
P25 4.2%P75 12.1%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
9.1%/中央値 6.9%
P25 3.5%P75 11.6%
自己資本比率総資産のうち返済のいらないお金の割合
51.8%/中央値 61.0%
P25 48.2%P75 76.0%
売上成長率上位前期からの売上の伸び
11.1%/中央値 4.1%
P25 -0.2%P75 9.4%
配当利回り下位株価に対して1年で受け取る配当の割合
1.6%/中央値 2.4%
P25 1.6%P75 3.3%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥2,480で、1年前と比べて-21.8%過去52週の値幅のなかでは49%の位置にある。

¥2,480-3.5%1ヶ月-8.8%1年-21.8%時価総額3.0兆円
過去52週の値幅
安値¥1,797高値¥3,186

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)23.6倍
PBR1.62倍
配当利回り1.61%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は8月21日に2627円と、直近1日で+0.31%と小幅に上昇。1ヶ月では+2.78%と堅調。25日線(2643円)をほぼ横ばいで、75日線(2674円)は下回る。200日線(2370円)は上回っており、中期的なトレンドは上向き。52週高値3296円に対しては約20%下。出来高は8月19日に458万株と増加し、売買が活発。RSIは52.83と中立圏で、方向感は定まらない。もっとも、8月17日には2815円まで上昇しており、戻りが続いている。200日線からの乖離は約11%で、上昇余地。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準をほぼ妥当と判定しています(スコア 50/100)

PERは25.12倍で業界平均30.54倍を下回り、割安感がある。PBR1.72倍は平均2.58倍を大きく下回る。ROEは9.8%で平均並みかやや低いが、売上・利益とも増加基調。配当利回り1.52%は平均2.32%を下回るが、配当性向83.3%は高く、今後の増配余地。総合的にほぼ妥当。

指標この会社業種平均
PER (実績)23.6倍30.8倍
PBR1.62倍2.58倍
ROE9.8%5.8%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

ニデックの投資論点は、モーター需要の構造変化の中で、既存のHDD用モーターの成熟とEV・ロボット向けの新規需要がどこまで成長を牽引するか。強気派は、EV駆動モーターの需要拡大と、買収による事業ポートフォリオの再編(例えば、車載関連企業の買収など)が収益成長につながると見る。2025年3月期は売上高2兆6078億円、営業利益率9.13%と増収増益予想で、その勢いを評価する。一方、弱気派は、HDD用モーターの需要減が構造的な逆風であり、EV転換の実績がまだ収益に十分寄与していないと指摘。買収に伴うのれん償却や統合コストも重荷で、ROE9.8%も過去の伸びに比べ低水準と懸念する。成長の質と規模の持続性が論点。

プラスに働く材料7
  • EV用モーターの成長

    電動化シフトで車載モーター需要が急増し、売上の拡大が期待される。

  • 積極的なM&A戦略

    買収で市場への食い込みを加速し、シナジーによる収益向上を見込む。

  • 業績の増益基調

    2025年3月期予想は増収増益で、収益モメンタムが継続。

  • 営業利益2381億円と前期比47%増通年影響

    営業利益は1619億円から2381億円へ762億円増加。大幅増益が続く

  • 売上高26078億円と前期比11.1%増通年影響

    売上高は2606億円増の26078億円。拡大基調

  • 営業利益率9.13%と2.23ポイント改善通年影響

    営業利益率は6.90%から9.13%へ上昇。収益性改善

  • 純利益1644億円と前期比32%増通年影響

    純利益は399億円増の1644億円。増益率32%

マイナスに働く材料7
  • HDD市場の縮小

    データストレージ技術の変化で、主力HDD用モーターの需要が減退。

  • M&Aのリスク

    高額買収ののれん償却や統合リスクが利益を圧迫する懸念。

  • 資本効率の低さ

    ROE9.8%は高くない水準で、株主価値向上はまだ不十分。

  • PER25.84倍と割高水準継続影響

    PER25.84倍。増益率鈍化時は評価修正

  • ROE9.8%と資本効率の低さ継続影響

    ROE9.8%と1割未満。資本効率改善が課題

  • 配当利回り1.47%と低い通年影響

    配当利回り1.47%。株主還元が不十分

  • 株価が1年で5.64%下落し弱含み継続影響

    株価は1年で5.64%下落。業績と逆行で上値が重い

次の決算で確かめる点
車載用モーター売上高
EVシフトの進捗と新規需要の獲得状況を確認するため。
営業利益率
収益性の持続性とM&A効果を測る重要指標。
M&A関連の特別損失
買収統合のコストがどれほど利益に影響するか把握するため。

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり40で、前期から+6.7%いまの株価に対する利回りは1.61%。増配か配当維持が8年続いている。

年間配当
¥40
1株あたり
配当利回り
1.61%
いまの株価に対して
配当性向
83.3%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
8年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月21322.9
2018年3月2411.8168.3
2019年3月2610.563.9
2020年3月299.5109.0
2021年3月304.384.5
2022年3月338.384.2
2023年3月357.752.1
2024年3月387.131.7
2025年3月406.783.3

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥40

株主

有価証券報告書より

2025年3月期末の株主数は延べ172,143人。区分でいちばん多いのは金融機関37.9%。グループ会社や銀行などの安定株主が44.9%を占め、残る55.1%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2020年3月%2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%
金融機関37.036.937.738.837.537.9
外国法人35.735.833.128.026.526.5
個人・その他19.919.821.724.826.726.3
事業法人6.76.76.46.66.97.0
自己株式1.71.72.63.53.53.7
証券会社0.60.91.11.62.32.3
外国人個人0.10.00.00.00.10.1

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01日本マスタートラスト信託銀行㈱(信託口)13.11
02永守 重信8.30
03㈱日本カストディ銀行(信託口)5.07
04㈱京都銀行(常任代理人 ㈱日本カストディ銀行)4.16
05エスエヌ興産合同会社3.40
06㈱三菱UFJ銀行2.49
07日本生命保険相互会社(常任代理人 日本マスタートラスト信託銀行㈱)2.21
08明治安田生命保険相互会社(常任代理人 ㈱日本カストディ銀行)2.15
09STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001(常任代理人 ㈱みずほ銀行)1.87
10㈱滋賀銀行(常任代理人 ㈱日本カストディ銀行)1.48

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近1
  • 2026-05-13
    オアシス マネジメント カンパニー リミテッド(Oasis Management Company Ltd.)
    新規の大量保有報告
    6.78%
    +0.04pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 11期分

1株利益は10期で−6%、1株純資産は11期で−41%。直近期のROEは9.8%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2015年3月2,53877.7
2016年3月1521,28611.925.4134.5
2017年3月1871,42713.828.3322.9
2018年3月2211,57514.737.1168.3
2019年3月1861,69411.437.663.9
2020年3月991,6176.056.4109.0
2021年3月10493612.064.484.5
2022年3月1161,11411.441.884.2
2023年3月321,1712.8101.152.1
2024年3月1081,4208.428.331.7
2025年3月1431,4989.817.483.3

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

11名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は11名。2025/3期の役員報酬は総額271百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約7倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
永守重信代表取締役グローバルグループ代表(取締役会議長)8298,948,000
岸田光哉代表取締役社長執行役員 最高経営責任者664,000
小部博志取締役会長771,897,000
落合裕之取締役(常勤監査等委員)673,000
吉井浩社外取締役(常勤監査等委員)60
佐藤慎一社外取締役69
小松弥生社外取締役67
酒井貴子社外取締役541,000
山田文社外取締役(監査等委員)59
豊島ひろ江社外取締役(監査等委員)58
梅田邦夫社外取締役(監査等委員)72

役員報酬の内訳2025/3

役員の区分人数固定報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)317617157
社外取締役760609
取締役(社内)2404020

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2025/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容1,792字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 当社グループ(当社、連結子会社342社、持分法適用関連会社4社を中心に構成)は、精密小型モータ、車載用製品、家電・商業・産業用製品、機器装置、電子・光学部品等の製造・販売を主な事業内容としています。 当社は、IFRS会計基準に準拠して連結財務諸表を作成しており、関係会社の範囲についてもIFRS会計基準の定義に基づいています。セグメント区分に関しては、6つの報告対象セグメントにより構成されています。 各セグメントの内容は次のとおりです。なお、このセグメント区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」の連結財務諸表注記に掲げるセグメントをはじめ、本有価証券報告書の当連結会計年度に関するセグメントの区分と全て同一です。また、第2四半期連結会計期間より報告セグメントの区分を変更しています。詳細は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.セグメント情報」に記載のとおりです。 名称   主要製品   主要な会社 SPMS   HDD用モータ及びその他小型モータ   当社、ニデックエレクトロニクスタイランド㈱、ニデックモータ(香港)有限公司、ニデックプレシジョンタイ㈱、ニデックベトナム㈱、ニデック(上海)国際貿易有限公司、ニデックモータ(東莞)有限公司、ニデックCCI股份有限公司、ニデック台湾股份有限公司 AMEC   車載用製品   ニデック自動車モータ(浙江)有限公司、ニデックGPM GmbH、ニデックモータ(大連)有限公司、ニデックモーターズ アンド アクチュエーターズドイツ㈲、ニデックモーターズ アンド アクチュエーターズポーランド㈲、ニデック(上海)国際貿易有限公司、ニデック台湾股份有限公司 MOEN   家電・商業・産業用製品   ニデックホールディングアメリカ㈱、Nidec ASI㈱、Nidec Control Techniques Limited ACIM   家電・商業・産業用製品   ニデックグローバル・アプライアンス・ブラジル社 機械事業   機器装置、工作機械   ニデックマシンツール㈱、ニデックミンスター㈱ グループ会社事業   車載用製品、家電・商業・産業用製品、機器装置、電子部品及びその他小型モータ、その他   ニデックモビリティ㈱、ニデックインスツルメンツ㈱、ニデックテクノモータ(浙江)有限公司、ニデックパワートレインシステムズ㈱、ニデックパワートレインシステムズ(ベトナム)会社、ニデックアドバンステクノロジー㈱、ニデックコンポーネンツ㈱ 当社グループの主要な製品の内容に係る当社及び主要な連結子会社の位置づけは次のとおりです。 主要な製品の内容   主要な会社 精密小型モータ   HDD用モータ   当社、ニデックエレクトロニクスタイランド㈱、ニデックモータ(香港)有限公司、ニデックプレシジョンタイ㈱ その他小型モータ   当社、ニデックモータ(香港)有限公司、ニデックベトナム㈱、ニデック(上海)国際貿易有限公司、ニデックモータ(東莞)有限公司、ニデックCCI股份有限公司、ニデック台湾股份有限公司、ニデックインスツルメンツ㈱、ニデックコンポーネンツ㈱ 車載   当社、ニデック自動車モータ(浙江)有限公司、ニデックGPM GmbH、ニデックモータ(大連)有限公司、ニデックモーターズ アンド アクチュエーターズドイツ㈲、ニデックモーターズ アンド アクチュエーターズポーランド㈲、ニデック(上海)国際貿易有限公司、ニデック台湾股份有限公司、ニデックモビリティ㈱、ニデックパワートレインシステムズ㈱、ニデックパワートレインシステムズ(ベトナム)会社 家電・商業・産業用   ニデックホールディングアメリカ㈱、Nidec ASI㈱、Nidec Control Techniques Limited、ニデックグローバル・アプライアンス・ブラジル社、ニデックテクノモータ(浙江)有限公司 機器装置   ニデックマシンツール㈱、ニデックミンスター㈱、ニデックインスツルメンツ㈱、ニデックアドバンステクノロジー㈱ 電子・光学部品   ニデックインスツルメンツ㈱、ニデックコンポーネンツ㈱ その他       ニデックインスツルメンツ㈱ [事業系統図]
経営方針・対処すべき課題6,249字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。 (1)会社の経営の基本方針 当社は2027年度をターゲットとする新中期経営計画(Conversion2027)を策定しました。2025年度より事業再編・拠点統廃合・人員削減等収益構造の抜本的転換を図り利益率の改善を実現するため、3つの観点で強力に「転換」を実行していきます。 ①高収益構造へ「転換」 変動費については、不採算・ノンコア事業の見直しにより収益性の高い事業ポートフォリオへの転換に加え、技術力により材料費の更なる削減や品質の作り込みを加速します。固定費については、拠点統廃合やプロセス抜本変革(PSI/MRP等)により製造間接中心に人員削減を断行します。一方で、システム・DX投資、先行開発投資、自動化投資には売上高の1%を目途に戦略投資枠を確保し、高収益構造を確立します。 ②成長を支える「事業5本柱」へ「転換」 市場動向を踏まえた5つの注力事業領域を「事業5本柱」として明示し、①AI社会を支える、②サステナブル・インフラとエネルギーの追求、③産業の生産効率化、④より良い生活の追求(Better Life)、⑤モビリティイノベーションの各領域で、既存事業の枠を超えてシナジーを追求します。各地域の需要に応じて地産地消をベースにビジネスを展開し、顧客目線の”One Nidec”活動へリソースを結集します。 ③真のグローバル体制へ「転換」 チーフオフィサー制(CxO)の強化と執行役員のスリム化を図り、よりスピーディーな経営体制を実現します。高度な技術・技能・知識を有する「フェロー」と次世代の役員候補者である「理事」を新設し、グローバルでリーンな体制を構築します。 新中期経営計画(Conversion2027)の業績目標は次のとおりです。 2027年度 ①連結売上高 2.9兆円 ②営業利益 3,500億円(営業利益率 12%) ③ROIC(投下資本利益率) 12% (2)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略 経営の基本方針を踏まえた経営環境及び経営戦略については次のとおりです。 ①精密小型モータ 精密小型モータ事業にはHDD用モータ事業とその他小型モータ事業があります。HDDは主にPCやサーバをはじめとした多くの情報機器に用いられていますが、その心臓部を担うのがHDD用モータです。タブレットやスマートフォン等の新しいIT端末の普及によりPC用途のHDDは今後大きな市場拡大を望めませんが、一方で5G通信の拡がりにより画像や動画等の高画質・高容量化、ソーシャルメディアやゲームの普及といったビッグデータ化は益々加速すると考えられます。それに伴うストレージ需要の拡大により、今後もサーバ用途等ではHDD用モータ需要は安定して継続すると見込まれます。2024年度ではデータセンター向けのニアラインHDDの需要が増加したことで売上高が増加しました。 その他小型モータに関しては当社が手掛けてきた光ディスク用やOA機器用モータは中長期トレンドとして需要が減少しています。そこで成長事業として新しく取り組んでいるのがAIサーバ向け水冷モジュールです。今後拡大が見込まれるAIは膨大なデータを基に学習処理を行うため、AI向け半導体演算装置(CPU/GPU)が高い熱を発します。AIの発展に伴い、空冷式に対して格段に高い冷却能力を持つ水冷モジュールの需要が高まっており当社では生産キャパシティの拡大、パーツの内製化、次世代製品の開発等に取り組んでいます。また、電動二輪車向けモータの開発にも取り組んでいます。四輪車同様、二輪車でも電動化の波が押し寄せており、駆動ユニット向けモータ需要の大幅拡大が今後期待できる市場と認識しています。最大の市場であるインドにて、インドの二輪車メーカー向けの営業活動に注力し、既に複数のトップメーカーへ製品を供給しています。その他のAV・IT・OA・通信機器や家電・産業機器等多岐にわたる分野においても新たな活用の場を開拓し、持続的な成長につなげていきます。 ②車載 車載オーガニック(既存事業)においては、「CASE革命」に伴う自動車部品の電動化といった市場の変化の追い風を捉え、世界No.1シェアを誇る電動パワステ用モータやブレーキ用モータをはじめとした車載用モータに加え、電動オイルポンプや電動ウォーターポンプ等の車載製品を提供し、更なる市場シェアの獲得と、売上・利益の成長を強力に推進していきます。また、欧米オペレーションに強みを持つ家電産業事業本部(ACIM)と統合することで地域毎の強力な横串機能によりオペレーション(調達、生産、物流)を統合し競争力強化を図っています。更に、拡大する電子・電源制御領域において、ニデックモビリティとニデックエレシスを統合することで協業・知見集約を図り、更なる競争力の強化を進めます。 EVトラクションモータ事業においては、激しい価格競争の進展によって健全な競争環境が失われつつある中国EV市場において、開発や部品調達の更なる現地化による徹底したコスト削減、次世代のE-Axle開発等、中国EV市場の競争に対応するための施策を実行しています。一方、欧州ではStellantisグループとの合弁会社であるニデックPSAイーモーターズが2024年度にE-Axleの本格的な量産を開始し、連結業績への算入も始まっており、材料費・外注費の改善や品質の向上を通して収益性の向上を図っています。また、車載事業全般においては組織の枠を超えた一体化の取り組みを継続しており、一貫した戦略を基にしたシナジーにより市場に更なる価値を提供してまいります。 ③家電・商業・産業用 現在、世界の電力使用量の約半分をモータが占めていると言われており、特に産業用モータによる消費量が大きいことから、より高効率なモータへの置き換えが急務となっています。当社は、家電関連では、洗濯機、乾燥機、食洗機用モータや冷蔵庫用のコンプレッサー及びコンプレッサー用のモータ等を手掛けており、効率に優れるブラシレスDCモータへの置き換え需要の更なる高まりに応えていきます。また、家電需要の新興国への拡大も中期的に期待されます。商業部門ではエアコン向けモータやECの配送センターで使用されるロボット向けのモジュール等を提供し、産業部門では農業、ガス、鉱業、上下水道、海洋といったマーケットを中心に事業を展開しています。特に、データセンターに必要不可欠な非常用電源向けの発電機、社会インフラ更新に伴う大型モータの需要が増大しており、これらの事業においては付加価値の高いメンテナンス事業にも注力しています。また各国の発電・送電事業者に向けたバッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)の需要も高まっています。再生可能エネルギーの増加と共に、当社BESS関連ビジネスは今後も大きな成長が期待されます。ブラジルの航空機メーカーEMBRAER社との合弁会社を設立したeVTOL(電動垂直離着陸機)向けモータも移動インフラの変化と共に今後の成長が期待される分野です。 ④機器装置 機械事業本部は、主に減速機事業・プレス事業・工作機械事業に分かれます。減速機事業については、先進国を中心に広がる少子高齢化による労働力不足が今後の需要を拡大させると考えられ、中でも成長が期待される協働ロボット用減速機の開発・生産に注力していきます。プレス機事業については、プレス機、送り装置等の周辺機器を揃え、日本・アメリカ・スペイン他に生産拠点を持ち、グローバルで幅広い製品をワンストップで供給できる体制を整えています。工作機械事業については、現在の製品ポートフォリオとして、マシニングセンタ・旋盤・歯車機械・大型汎用工作機械が揃い、多くのお客様にワンストップで製品・サービスを提供できる体制が整っています。当社は新製品・新技術の開発を通じて新市場を開拓し、2030年度までにグローバルNo.1の総合工作機械メーカーとなることを目指しています。 ⑤M&A 上記の目標を達成するために、当社では被買収企業と既存の技術を掛け合わせることで企業価値を最大化し、更なる成長を図っています。特に機械事業本部では、グローバルNo.1の総合工作機械メーカーを目指すためM&Aを積極的に行っています。2021年8月に高精度・高効率の歯車加工技術を持つ三菱重工工作機械株式会社(現 ニデックマシンツール)を買収し工作機械事業に参入して以降、2022年2月にマシニングセンタの老舗であるOKK株式会社(現 ニデックオーケーケー)、2023年2月に横中ぐり盤の世界トップメーカーであるPAMA社、2023年12月に旋盤の専門メーカーである株式会社TAKISAWAを買収しました。これら一連の買収により製品ラインアップの拡充と海外市場におけるシェア強化を図っています。また、2024年10月にプレス周辺機器製造、販売等を事業内容とするLinear Transfer Automation Inc.及び同関連会社を買収したことで、プレス機本体と前後工程の周辺ライン一式というトータルシステムのソリューション提供が可能になり売上拡大が期待できます。 ⑥ESG 当社事業の持続性を担保する取り組みとして「脱炭素社会の実現」「人権の尊重・適正な労働慣行の浸透」「国際競争力が高い人材の確保・育成」を含む5つの重要分野(マテリアリティ)において改善活動を進めており、それらの成果は役員報酬に反映されます。「脱炭素社会の実現」を例に挙げると、2040年度までにスコープ1・2のCO2排出量を、2050年度にはサプライチェーンのCO2排出量(Scope3)をネットゼロ状態にする長期目標を設定しており、そこへ至る道程には、2030年度までにスコープ1・2排出量を42%削減(2022年度比)し、スコープ3排出量を25%削減(2022年度比)する中間目標を据えています。この中間目標は国際的気候変動イニシアティブであるSBTi (Science-based Target initiative)の検証を経ており、当社は再生可能エネルギーの導入や省エネ活動、ならびに軽薄短小技術を活かした省資源・省エネルギー製品の開発を目標到達の主軸としています。 今後、当社は「中長期の方向性」を明確化するため、市場動向を踏まえた5つの注力事業領域を「事業5本柱」として位置付け、①AI社会を支える、②サステナブル・インフラとエネルギーの追求、③産業の生産効率化、④より良い生活の追求(Better Life)、⑤モビリティイノベーションの各領域でニデック各社の強みを活かし、協業とシナジーの発揮によりビジネス機会を獲得し事業拡大を目指すとともに、顧客目線・要望を意識し、既存事業の枠を超えてグループ内の強み・価値を提供していきます。 (3)会社の対処すべき課題 1.第三者委員会の設置及びその他の社内調査等の趣旨及び経緯 当社は、当社の連結子会社で、家電・車載事業統括本部 家電産業事業本部配下の NIDEC FIR INTERNATIONAL S.R.L.(以下、「FIR社」)に関する貿易取引上の問題を認識し、国際貿易法及び関税法の経験を有する第三者の専門家に調査を依頼しました。当社は、FIR社製造のモータについて、原産国申告に誤りがあり、未払関税の発生につながった可能性を認識しました。受領した調査の状況報告に基づき、当社は第三者の専門家とともに、社内の更なる調査・検討を行いこの問題への対処を進めていました。また、FIR社に関する貿易取引上の問題及び関税問題に関し調査を進めていた際に、2025年7月22日に、当社の子会社であるニデックテクノモータ株式会社(以下、「テクノ」)から当社の監査等委員会に対し、その中国子会社であるニデックテクノモータ(浙江)有限公司において、2024年9月下旬にサプライヤーからの値引きに相当する購買一時金(金額1,000万元、約2億円)に関して不適切な会計処理が行われた疑いがある(以下、「テクノ事案」)との報告がありました。これを受け、当社は、当社の監査等委員会の監督の下、テクノ事案を解明するため、社外の弁護士、公認会計士その他の外部専門家を起用してデジタルフォレンジック手続を含む社内調査を行っていました。その調査の過程で、テクノ以外の当社及びそのグループ会社においても、当社及びグループ会社の経営陣の関与又は認識の下で、資産性にリスクのある資産に関して評価減の時期を恣意的に検討しているとも解釈しうるなど、不適切な会計処理が行われていたことを疑わせる資料が複数発見されました。上記に鑑み、これまでの外部専門家を起用した当社の監査等委員主導の調査体制には限界があり、会社から独立した第三者委員会による客観性のある調査を行う必要があると判断し、2025年9月3日に日本弁護士連合会の定める「企業不祥事における第三者委員会ガイドライン」に準拠した第三者委員会を設置することを決定しました。 また、上述のデジタルフォレンジック手続を含む貿易取引上の問題及び関税問題に関する調査の過程において、ニデックエレシス株式会社(現ニデック株式会社車載事業本部インバータ事業部)において、過年度の中国への輸出取引に際して、中古品の無償取引における申告価格を正当な理由なく適正金額より低く関税申告していたことが疑われる事案が発見されました。本件については、社内調査の一環として外部専門家による追加調査を依頼しています。 さらに、当社のスイス連結子会社が必要な登録をせずに輸出取引を行っていた事案について適切な対応がなされていなかった疑いがFIRの貿易取引上の問題及び関税問題に関する調査の過程において発見され、また、内部通報において当社の中国連結子会社が過年度を含む連結会計年度に源泉所得税を意図的に過少申告していたことが疑われる事案を認識したため、事実確認を含めて必要な対応を進めています。 (注)FIR社に関する貿易取引上の問題の詳細につきましては、インターネット上の当社ウェブサイトに掲載されている2025年6月26日付プレスリリースをご参照ください。(https://www.nidec.com/jp/corporate/news/2025/news0626-01/) 2.今後の対応及び会計処理の方針 当社は、第三者委員会による調査及びその他の社内調査等の一環としての外部専門家による調査に対し、全面的に協力していきます。現時点において、第三者委員会による調査及びその他の社内調査等は継続中です。調査の結果、不適切な事象が判明し次第、原因の究明と分析、再発防止策の策定及び実施を迅速に行います。また、過年度及び当年度の財務諸表に訂正すべき重要な虚偽表示が識別された場合には、過年度及び当年度の有価証券報告書の訂正等を含め、適切な対応を行う方針です。その際には、訂正の内容、影響額等を速やかに開示します。
事業等のリスク17,135字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 (1)リスク管理体制と運用状況 NIDECグループでは、グローバルな事業展開における多様なリスクに対し、中長期的な視点と日常的な視点の両方から、事業継続の確保を図っています。そのために、以下に示すとおり、リスク事象の調査・評価、現状対策の実効性確認、改善策の実施といった一連の仕組みを整備しています。 図1 全社リスク管理体制図 上記管理体制図に掲載された組織等の役割は、以下のとおりです。 ・取締役会 事業年度の冒頭にリスク管理委員会からリスク管理についての基本方針の報告を受け、適正なリスク管理活動を指導・助言します。また、リスク管理に関する責任体制を定めた「リスク管理規程」の改廃に係る承認を行い、リスクガバナンス体制の実効性確保を図ります。 ・リスク管理委員会 リスク管理担当役員を委員長とし、業務執行上の意思決定機関である経営会議のメンバーで構成され、リスク管理方針・施策の決定、取締役会への報告・建議を行います。 ・リスク管理担当役員 全社的なリスク管理を統括し、リスク管理委員会の運営、リスク管理状況の監視、必要な資源配分の検討を行います。 ・リスク管理室 リスク管理委員会の常設事務局として、リスク管理に関する企画立案、各リスク管理者、リスク統括責任部署との間における連絡調整等を担当します。 ・リスク管理者 事業所長、部門長及びリスク管理委員会が別途定める者を担当業務領域についてのリスク管理者とし、その担当業務領域におけるリスク管理の責任を負います。 ・リスク管理統括部署 後述するリスク評価活動の結果を踏まえて決定されたリスク管理領域の本社主管部署をリスク管理統括部署とし、その担当役員をリスク統括責任者とします。リスク管理統括部署は、それぞれの担当領域に係るリスクについてリスク管理者から報告を受け、その対応を支援し、モニタリングします。 (2)リスク調査・評価活動 リスク管理室より依頼を受けた本社・グループ会社・事業本部のリスク管理者は、全社リスク管理フロー図(図2)、リスク調査・評価活動階層(図3)に基づき、定期的に事業に影響を及ぼすリスク事象の調査・評価を行います。対象とするリスク事象は、経営戦略リスク、事業運営リスク、ガバナンスリスク、偶発的リスクの4つに分類されます。 図2 全社リスク管理フロー図 上記フロー図内の主なアクションの概要は、以下のとおりです。 ・リスク特定 リスク管理室により任命されたリスク管理者が、毎年度、事業に影響を及ぼす可能性のあるリスク事象を洗い出します。 ・リスク評価 当該リスク管理者は、洗い出されたリスク事象について、全社共通の指標に則り発生可能性と影響度を評価の上、リスクレベルを特定します(図4参照)。リスク評価に当たっては、事象毎にリスクシナリオを検討し、潜在リスクの把握に努めます。 ・追加リスク低減措置 特にリスクレベルが「重大」「高」の場合、現行のリスク管理活動に追加するリスク低減策を立案、実施します。 ・モニタリング リスク管理委員会で決定したNIDECの経営成績、株価、財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスク(後述 項番(3)参照)については、KRI (Key Risk Indicator)を定め、モニタリングします。 ・改善 リスク低減策の実施状況を確認の上、必要に応じて改善策を講じます。リスク管理活動の結果を分析し、リスク管理体制や運用状況の継続的な改善を図ります。 図3 リスク調査・評価活動階層 リスク調査・評価に当たっては、現状のリスク管理活動とリスク低減対策の実施状況を確認のうえ、残存リスクのモニタリングを行い、結果をほかの階層の施策に相互利用しています。例えば、L2で特定されたリスクについてはL3でも内容を確認し、その中にL3主導で改善しなければならない全グループ共通の課題を発見した場合は適宜L3のリスク管理活動に反映する等、階層別リスク管理活動を相互に関連づける動きを進めています(図3参照)。 図4 リスクレベル特定マトリックス リスクレベルはリスク対策実施後の残存リスクに対して、発生の可能性と結果の重大性を5段階に分類した上で図4のマトリックスにあてはめ、重大・高・中・低の4段階で評価します。「重大」、「高」に特定されたリスク事象は、追加のリスク低減措置の検討が必須となっており、年度末に低減措置の実施状況をリスク管理室が確認し、課題があればリスク管理委員会に報告されます。 (3)事業等のリスク 前掲のリスク評価活動の結果を踏まえて特定された、NIDECの経営成績、株価、財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、次のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてNIDECが判断したものです。 リスク項目   リスクレベル   前年との比較評価 1) 経営戦略リスク ① 政治・経済状況の変動に係るリスク   高   - ② 技術環境・産業構造の変化に係るリスク   高   増大 ③ 競合に係るリスク   高   - ④ 先行投資に係るリスク   高   - ⑤ M&Aに係るリスク   重大   - 2) 事業運営リスク ① 高度な専門性を有した人材の採用・保持に係るリスク   中   増大 ② 研究開発に係るリスク   中   低減 ③ 製品の品質に係るリスク   重大   - ④ 原材料・部品調達に係るリスク   中   増大 ⑤ 知的財産権に係る訴訟リスク   中   - ⑥ 情報セキュリティに係るリスク   高   - ⑦ 人権に係るリスク   中   - ⑧ 為替に係るリスク   高   - ⑨ 金利の変動に係るリスク   高   - ⑩ 資金の流動性に係るリスク   高   - ⑪ 繰延税金資産の不確実性に係るリスク   中   低減 3) ガバナンスリスク ① 経営継承に係るリスク   高   - ② 内部統制に係るリスク   重大   - ③ 適正決算に係るリスク   重大   - 4) 偶発的リスク ① 自然災害・人的災害に係るリスク   中   - ② 気候変動に係るリスク   高   - 上記の各リスク内容、主要な対応策については、次ページ以降をご参照ください。 1)経営戦略リスク ①政治・経済状況の変動に係るリスク リスク内容 NIDECは、世界40カ国以上に300社を超えるグループ会社を有し、海外売上高比率が約9割に達する等、グローバルに事業を展開しています。そのため、事業を展開する各国・地域における政治・経済情勢の変動が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。特に、近年の米中間の通商問題に代表される保護主義的な貿易政策の台頭、特定国によるレアアース等の重要な原材料に関する輸出規制、更には国家間の緊張の高まりや地域紛争といった地政学的リスクの顕在化は、以下のような形で当社グループに影響を与える可能性があります。・製品・サービスに対する需要の変動・原材料・部品の調達難や価格高騰・サプライチェーンの寸断や非効率化・製造・物流コストの上昇・為替レートの急激な変動・事業活動の制限や停止これらの事象が複合的に発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 主要な対応策 上記のリスクによる影響を最小限に抑えるため、以下の対応策を講じています。・事業ポートフォリオの最適化と市場分散特定の国・地域への過度な依存を避け、各市場の特性に応じた事業戦略を展開します。また、成長市場への積極的な進出や製品・技術開発による事業領域の多角化を推進し、リスクの分散を図ります。・地営地開/地産地消体制(メイド・イン・マーケット戦略)の推進主要市場において、開発・生産・販売・サービスまでの一貫体制を構築し、現地顧客のニーズに迅速に対応すると共に、関税等の貿易障壁や地政学的変動による影響を低減します。・サプライチェーンの強靭化と多元化重要部品や原材料については、特定の調達先に依存しないよう、複数購買化や代替サプライヤーの開拓を常時進めます。また、生産拠点の最適配置や在庫管理の高度化を通じて、サプライチェーン全体の柔軟性と耐性を向上させ、不測の事態にも対応できる体制を構築します。・情報収集体制の強化と迅速な意思決定各国・地域の政治・経済動向、通商政策、法規制の変更等に関する情報を適時的確に収集・分析し、経営判断に活かす体制整備に取り組みます。必要に応じて、生産拠点の移管や事業戦略の機動的な見直しを検討します。 ②技術環境・産業構造の変化に係るリスク リスク内容 急速な技術革新や産業構造の変化は、NIDECのビジネスモデルに深刻な影響を与える可能性があります。特に、AIの進化や自動運転技術の進展に伴い、従来の製品に対する需要が急激に減少する可能性があります。例えば、電動モータやセンサ技術の進化が、従来の機械部品の需要を脅かすことが考えられます。また、競争が激化する中で、新たな市場プレイヤーの台頭や技術の急速な進化が、NIDECの市場シェアを脅かす要因となる可能性があります。これらの変化に対して適切に対応できない場合、売上や利益の減少を招く恐れがあります。 主要な対応策 技術環境・産業構造の変化に対して適切な措置を取れるよう、以下の対応策を講じています。・研究開発部門の強化次世代技術の開発に注力することで、新たな市場ニーズに迅速に対応します。・外部技術の導入や共同開発の促進他社との戦略的提携やアライアンスを積極的に進め、競争力を高めます。特に、スタートアップ企業との連携を強化し、革新的な技術を迅速に取り込む体制を整えます。・顧客ニーズの把握顧客ニーズの変化を的確に把握するためのマーケティングリサーチを強化し、製品ポートフォリオの見直しを行います。・技術者の力量向上社内の技術者や専門家による定期的なワークショップを開催する等最新技術に関する知識を全社で共有し、技術環境の変化に対する柔軟性を高めます。 ③競合に係るリスク リスク内容 NIDECは、事業を行う様々な市場で激しい競争にさらされており、特に車載、家電市場においては、新興国の地場メーカーの台頭で競争が激化する傾向が継続しており、以下のような状況において、NIDECの競争力や収益性が低下する可能性があります。・競合他社がNIDECの技術開発を上回る速度で新製品を投入し、市場での優位性を確保する場合・原材料価格の急騰や供給網の混乱によりコスト削減が困難になり、価格競争において不利な立場に置かれる場合・競合他社が新たなビジネスモデルやサービスを導入し、顧客の選択肢が増加することで、NIDECの製品に対する需要が減少する場合・業界の再編成が進み、競合他社の合併や提携によって、NIDECの競争環境が一層厳しくなる場合・国際市場において、地域特有の規制やニーズに適応できず、競争力を失う場合 主要な対応策 市場動向を踏まえた以下5つの注力事業領域を設定し、グループ内の協業・シナジーの最大化を図ることで競争優位性を確保します。・AI社会を支える・サステナブル・インフラとエネルギーの追求・産業の生産効率化・より良い生活の追求 ー Better Life・モビリティ・イノベーション5つの注力事業領域別の当社の取組は、統合報告書2024の8~10頁をご参照ください。(https://www.nidec.com/jp/sustainability/integrated-report/2024/) ④先行投資に係るリスク リスク内容 NIDECは、需要の拡大を予測した場合、受注に先駆けて生産設備を拡張したり、リードタイムを考慮して部品や材料を先行発注することがあります。これには以下のリスクが伴います。・需要が予測を下回った場合、固定資産の稼働率が低下し、減価償却費の増加や過剰在庫の発生による棚卸資産の評価減が生じ、経営成績に悪影響を及ぼすリスク・競合他社の新製品や技術革新により、当社の製品が市場で競争力を失う可能性があり、その結果として市場シェアが減少するリスク・経済環境の変化や顧客のニーズの変動により、計画した投資が期待したリターンを得られないリスク・需要を過小に見積り必要な設備投資を行わなかった場合、顧客の要求を満たせずシェアを失うリスク 主要な対応策 持続可能な成長を目指し、以下の対応策を講じています。・ROIC(投下資本利益率)経営ROICを経営指標のひとつとして導入し、ROIC12%以上の達成を目標に掲げ、収益性と資本効率の両面から改善活動を推進します。・投資判断に資する新たな仕組みの導入投資判断に当たり、相対的に収益率の高い事業分野や将来の成長が見込める分野を明確にし、事業により創出した資金を最適に配分できるよう、事業ポートフォリオ戦略を支える新たな体制を構築します。 ⑤M&Aに係るリスク リスク内容 NIDECは、事業の成長に必要な技術、製品、販売網、顧客基盤を所有する他社の買収や他社への資本提携を通じて大幅な成長を達成していきました。買収や出資活動を継続的に成功させることは、NIDECの事業戦略を達成する上で極めて重要な要素です。市場が急速に変化する中で、ビジネスモデルの転換に必要な技術を適確に選択・買収することが出来なかった場合に、市場の成長スピードに追随できなくなる可能性があります。また、適切な買収や出資の対象会社を見つけることができない場合、そのことがNIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。買収した資産に関して、買収した事業の効率的な統合により得られる将来の収益力を適切に反映したものと考えていますが、事業環境の悪化等により予想どおりの収益が得られないと判断された場合、NIDECはこれらの資産について減損を認識しなければならず、NIDECの経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。更に、同意なき買収等の新たな買収施策を講じることにより、当社買収方針に対するネガティブキャンペーン等によるレピュテーションリスク発生の可能性があります。 主要な対応策 M&Aリスク低減のため、以下の対応策を講じています。・買収対象企業は、当社事業戦略に沿った企業を選定・事前調査を徹底し適正価格で買収・買収後の迅速かつ徹底したPMI・当社の経営理念や経営手法を全従業員に深く浸透させ、当社グループ入りによるシナジー効果を創出しながら、買収対象企業の企業価値を向上してのれん減損リスクを極小化・M&A活動に係るメディアコミュニケーション等の広報戦略の事前準備 2)事業運営リスク ①高度な専門性を有した人材の確保・保持に係るリスク リスク内容 NIDECは、目指す姿である「100年を超えて成長し続けるグローバル企業」、「人類が抱える多くの課題を解決する世界No.1のソリューション企業集団」を実現するためには、高度な専門性をもつ優れた人材、グローバルに活躍できる人材の確保が不可欠であると考えています。人材の流動化や少子高齢化等により人材の獲得競争の激化が懸念される中、これらの人材を確保できなければ、競争優位性を失い、事業成長に悪影響を及ぼす可能性があります。また、優秀な人材の流出が続く場合、独自技術の流出や長期的な競争力の低下を招く恐れもあります。 主要な対応策 高度な専門性を有した人材の採用・保持のため、以下の対応策を講じています。・戦略的な人材採用事業部門の要望を適切に吸い上げ、ターゲットを明確にした採用計画を策定しています。特に新卒採用においては大学や専門機関との連携の強化や、部門とも協力したインターンシッププログラムを通じて優秀な人材の早期獲得を行っています。・キャリア開発支援上司・若手向けキャリア研修やキャリアプランシートを活用した上司とのキャリア面談を通じて、社員のキャリア開発を支援しています。また、社内公募等の機会を定期的に設け、社員の自律的なキャリア形成を後押ししています。・スキル開発支援社員の現在や今後の業務に役立つ知識・スキルの習得を支援するためのプログラムを導入し、社員のスキル開発を支援しています。・グローバル人事戦略コミッティ事業・地域の枠を超えた適所適材を実現すべく、専門性を有した人材の発掘・開発等グローバルに優先すべき人事課題や施策について、事業・地域の人事キーパーソンが集まり、議論・推進しています。 ②研究開発に係るリスク リスク内容 急速な技術革新が求められる事業環境にあって、NIDECが市場の変化や技術トレンドを適切に把握できず、研究開発の成果を市場に迅速に投入できなければ、競合他社に対して劣位に立たされ、製品の競争力が低下し、売上の減少や市場シェアの喪失を招く可能性があります。また、研究開発活動が期待通りの成果を上げられなかった場合、企業全体の成長戦略に深刻な影響を及ぼし、経営成績や財政状態に悪影響を及ぼすリスクが高まります。 主要な対応策 研究開発に係るリスク低減のため、以下の対応策を講じています。・グループシナジーの推進研究開発活動においてもグループシナジーを追求し、高度化、スピード化を図っています。ニデック新川崎テクノロジーセンター、ニデック製品技術研究所台湾センターにおけるモータ全般の要素技術研究、ニデックけいはんなテクノロジーセンターにおける生産技術の進化に主軸を置く研究開発等はその一例です。・技術戦略コミッティの設置研究開発機能のグループ横串となる技術戦略コミッティを中心に、市場・技術・顧客動向の予測と要求に沿った新製品・ソリューションの開発に係る課題の見える化、対応をモニタリングし、One NIDECで研究開発に係るリスク管理に当たります。 ③製品の品質に係るリスク リスク内容 近年、顧客の製品品質に対する要求レベルが高度化してきています。安全で高品質な製品を提供できない場合、製品自体の故障のみならず物損や人命に係る事故へ繋がる可能性があります。このような問題がNIDECの製品を原因として発生した場合、顧客からの求償要求や訴訟、リコールや行政処分に繋がる恐れがあり、その結果として、不良品回収・修理等の損失費用支払い、ブランドイメージの悪化による販売の落込みが発生し、財務的な負担や人的資源の喪失によってNIDECの経営に深刻な悪影響を与えることが懸念されます。 主要な対応策 製品の品質に係るリスク低減のため、以下の対応策を講じています。・品質保証体制の構築による品質ガバナンスの強化NIDECグループ全体の品質保証を統括するCQO(Chief Quality Officer)とその実働部隊であるグローバル品質統括本部を設置し、CQOを頂点として事業本部及びグループ各社の品質保証責任者を繋ぐ品質保証体制を構築することによって、品質面でのガバナンス強化を図っています。・品質横串活動の推進NIDECグループ全体の品質保証部門が参加する品質会議を定期的に開催し、品質状況や好事例及びトラブル事例等を共有することを通じて、継続的かつ全社的な改善活動を推進しています。・国際規格に準拠した品質マネジメントシステムの構築と運用製品に応じた国際規格(ISO9001、IATF16949等)に基づいた品質マネジメントシステムを構築、運用することにより、製品品質の維持・向上を図っています。 ④原材料・部品調達に係るリスク リスク内容 NIDECは、製品の製造に必要な原材料及び部品の多くを外部から調達していることから、それらの需給環境が極端に悪化すると生産計画や納期にも深刻な影響を与える恐れがあります。また、原材料の種類や部品の使用条件等に関わる各国政府政策の変更や、顧客による調達方針の変更により、原材料・部品調達に支障をきたす可能性があります。 主要な対応策 原材料・部品調達に係るリスク低減のため、以下の対応策を講じています。・サプライヤーのマルチソース化特定の供給先に依存しない体制を構築しています。これにより、特定の原材料や部品の供給が途絶えた場合も、ほかの供給元から迅速に調達できるようにしています。尚、サプライヤー選定に当たっては、環境、人権、労働環境、資源入手可能性への配慮を事前確認しています。・突発的な需要変動への対応重要な原材料については、長期契約を締結し、価格変動や供給不足のリスクを軽減しています。更に、在庫管理の最適化を図り、必要な資材を適切に確保することで、突発的な需要変動にも対応できるよう努めています。 ⑤知的財産権に係る訴訟リスク リスク内容 NIDECは、自社技術及びその他の知的財産を、特許権、意匠権、商標権、著作権、営業秘密等の知的財産権として保護しています。しかし、以下のようなリスクが存在します。・当社が第三者の知的財産権を侵害し、事業の差し止め、損害賠償、特許使用料を求められるリスクがあります。・第三者により当社の知的財産権が侵害されることで、事業活動が阻害され、競争力が低下するリスクがあります。・各国の法制度の違いにより、既存の知的財産権が無効になる等で十分に事業が保護されないリスクがあります。 主要な対応策 知的財産に関連するリスクを最小限に抑えるため、以下の対策を講じています。・製品開発の初期段階から第三者の知的財産権に対する包括的かつ継続的な調査を徹底し、第三者の知的財産権を侵害するリスクの排除を行っています。必要に応じ、外部の法律事務所と連携し、迅速かつ適切な対応を図っています。・当社の独自技術保護による競争力維持のため、コア技術に関する積極的な知的財産権の取得、維持管理、他社製品の監視、事業活動の保護対応を行うと共に、従業員に対する情報管理教育を徹底、機密情報の流出を防止しています。・各国の知的財産権の法制度に応じた適切な知的財産権の取得、維持管理を行うことで、国際的な事業の保護を強化しています。これらの対策により、NIDECは知的財産に関連するリスクを最小限に抑え、持続的な事業成長を目指します。 ⑥情報セキュリティに係るリスク リスク内容 NIDECは、顧客、取引先、従業員に関する機密情報や個人情報を広範に取り扱っています。これらの情報を適切に取り扱うことは、競争上の優位性を確保し、顧客との信頼関係を維持するために不可欠です。情報の管理を巡ってはサイバー攻撃被害や内部の者による不正行為、あるいは人的ミス等により生じる情報セキュリティリスクが存在します。特に情報漏洩が発生した場合NIDECは法的責任を負う可能性があり、これにより多額の賠償金や罰金が発生する恐れがあります。また顧客や取引先からの信頼を失うことで、売上の減少や市場シェアの低下を招き、企業のブランドイメージにも深刻な影響を与えることになります。このような事態はNIDECの持続的成長や経営の安定性に重大なリスクをもたらすことになります。 主要な対応策 情報セキュリティに係るリスク低減のため、以下の対応策を講じています。・グループ横断のセキュリティ管理体制の構築(情報セキュリティ専任チームの設置、情報セキュリティ委員会による活動の監視、情報セキュリティ管理責任者及び情報セキュリティ推進責任者の設置)・社員に対する情報セキュリティ教育の実施・サイバー攻撃の標的にされやすいVPN(Virtual Private Network;仮想専用通信網)機器の脆弱性点検と是正措置の実施・サイバー攻撃被害を想定した初期動作と対応体制、組織間のコミュニケーション等をあらかじめ定めた「インシデント対応マニュアル」の整備と定期的な訓練の実施 ⑦人権に係るリスク リスク内容 人権に関する社会的責任が重視されている昨今、特に労働環境、サプライチェーンにおける強制労働や児童労働、差別問題がクローズアップされており、これらの問題に対する企業の姿勢も企業価値を測る評価項目となっています。人権問題への社会的責任を果たさない企業に対する評価は厳しく、これらの問題への対策が不十分な場合には法的制裁やブランド価値の棄損、売上や市場シェアへの影響が懸念されます。 主要な対応策 NIDECは、国際ガイドラインに基づき人権尊重の重要性を認識し、強制労働や児童労働の禁止、差別の排除、適切な労働条件の確保に取り組むと共に、サプライチェーンを活かしてビジネスパートナーやサプライヤーも含めた取り組みを行っています。具体的な活動は以下のとおりです。・「NIDECグループ人権基本方針」の策定・更新・啓発2021年には「NIDECグループ人権基本方針」を策定し、全役員と従業員、ビジネスパートナーやサプライヤーにも周知し、遵守を促しています。また、2024年には社会情勢等を踏まえ、本基本方針を改定し、常に企業として必要な取り組みの見直しを行っています。・人権影響評価の実施人権影響評価を実施し、事業活動に関連する人権への影響の特定・評価に努めています。2023年度には、NIDECグループの約300拠点に人権に関するセルフアセスメント(SAQ)を実施しています。またサプライヤーに対しても人権に関する設問を含んだSAQを行い、2024年度は1000を超えるサプライヤーから回答をいただきました。この回答結果から、特に人権を中心とした詳細な評価、分析を実施しました。分析からリスクが大きいと判断したサプライヤーに対しては、個別のヒアリングや調査を行い改善活動につなげると共に、人権に関する教育資料を展開しサプライヤーの理解促進を行っています。・人権への取組体制整備定期的なモニタリングや教育・研修を通じて職場環境の改善や人権意識の向上を図り、問題発生時には迅速に是正・救済に取り組む体制を整えています。また、社長を議長とするサステナビリティ推進会議及び担当部門により構成される人権分科会の日々の活動を通じて、負の影響の停止・防止・軽減を図っています。人権分科会の取り組みは取締役で構成されるサステナビリティ委員会により監督されており、定期的に報告されています。また、サステナビリティ委員会への報告事項はサステナビリティ委員長より、取締役会に報告されます。 ⑧為替に係るリスク リスク内容 当社の事業はグローバルに展開しており、売上の多くが日本円以外の通貨(米ドル、ユーロ、中国元、タイバーツ等)で構成されています。このため、為替レートの変動は当社の業績に直接的な影響を及ぼす可能性があります。特に円高が進行した場合、海外での売上が円換算で減少し、結果として営業利益や当期利益が圧迫されることになります。また、海外子会社の業績を連結財務諸表に統合する際、為替変動による影響が大きく、特に新興市場における通貨の不安定さがリスク要因となります。更に、外貨建ての資産や負債の変動が為替差損益を引き起こし、財務状況に悪影響を与えることも懸念されます。 主要な対応策 為替リスクを軽減するため、以下の対応策を講じています。・売上と仕入の外貨建て取引を相殺し、ナチュラルヘッジを活用します。・定期的に為替リスクの状況をモニタリングし、必要に応じて取引通貨の見直しを実施しています。・海外市場における多様な通貨での取引を行い、特定通貨への依存度を低下させることでリスク分散を図ります。 ⑨金利の変動に係るリスク リスク内容 NIDECは、固定金利や変動金利の長期債権、短期債権、及び有利子負債を保有しており、これらの金利の変動が資金調達コストや投資収益に重大な影響を及ぼす可能性があります。金利が上昇する場合、借入コストが増加し、これが直接的に利益率やキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす恐れがあります。 主要な対応策 金利変動リスク低減のため、以下の対応策を講じています。・金利スワップや金利オプション等のデリバティブ商品を活用し、予測可能な資金調達コストを確保します。・定期的に金利の動向をモニタリングし、資産及び負債の構成を見直すことでリスクの分散を図ります。また、金利に敏感な資産や負債の比率を最適化します。・長期的な資金計画においては、複数のシナリオを想定したストレステストを実施し、金利変動に対する耐性を評価することで、迅速な意思決定を支援します。・経済動向や金融政策の変化を注視し、必要に応じて資金調達戦略を柔軟に見直します。 ⑩資金の流動性に係るリスク リスク内容 NIDECは、事業の成長や運営に必要な資金を、主に金融機関からの借入や資本市場からの調達に依存しています。金融市場の変動や経済環境の不確実性により、金融機関による貸付条件の厳格化や、資金調達の機会が制限されるリスクがあります。特に、グローバルな経済状況が悪化した場合、信用格付けの低下や投資家のリスク回避行動が強まり、必要な資金を適切な条件で調達できない可能性が高まります。このような状況下では、運転資金の不足や設備投資の遅延が生じ、結果として事業の成長戦略や競争力に深刻な影響を及ぼすことがあります。また、資金調達コストの上昇や資金繰りの悪化が、財務状況の悪化を招く懸念もあります。 主要な対応策 資金の流動性リスク低減のため、以下の対応策を講じています。・資金調達の多様化銀行融資や社債発行等の資金調達手段を検討し、資金源を広げます。特に、長期的な資金計画を策定し、短期的な資金需要に対するリスクを軽減するためのストレステストを定期的に実施します。・運転資金の効率的な管理在庫管理や売掛金の回収プロセスを見直すことで、キャッシュ・フローを安定化させ、急な資金需要にも迅速に対応できる体制を構築します。・信用格付けの維持・向上財務健全性を重視した経営を推進し、透明性の高い財務報告を行います。・グローバルなキャッシュ・マネジメント・システム各地域の余剰資金を集約することで、資金の効率的な配分を図ります。 ⑪繰延税金資産の不確実性に係るリスク リスク内容 NIDECは、繰延税金資産が将来の課税所得から回収可能であるかどうかを継続的に評価する必要があります。経済情勢の変化や業績の悪化、又は新たな規制の導入があった場合、繰延税金資産の回収可能性が大きく影響を受ける可能性があります。このため、当社が繰延税金資産の一部又は全てについて回収不能と判断するリスクが存在し、その結果、利益が減少することが予想されます。特に、競争の激化や市場の変動が影響を及ぼす要因となり、当社の財務健全性に対する圧力が高まることが懸念されます。 主要な対応策 繰延税金資産の不確実性リスク低減のため、以下の対応策を講じています。・繰延税金資産の回収可能性に関する定期的な評価を実施し、業績や市場動向に応じた引当金の見直しを行うためのフレームワークを整備します。・税務戦略の策定においては、将来の課税所得の見込みを精緻に分析し、シナリオプランニングを通じてリスクを可視化します。・専門の税務アドバイザーと連携し、最新の税制改正や業界動向に基づいた情報収集を強化し、迅速な意思決定を支援する体制を構築します。 3)ガバナンスリスク ①経営継承に係るリスク リスク内容 NIDECの継続的な成功は主にNIDECの創業者である永守重信氏の能力と手腕に依存してきました。様々な経済的・政治的なリスクが顕在化している昨今の状況下において、NIDECの創業精神でもある「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」という成長を牽引する原動力となる新たなリーダーを輩出することができない場合、そのことがNIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 主要な対応策 NIDECでは創業者依存から脱却し、集団経営体制の強化を図るため、グループ全体の重要ポストの可視化を進め、経営幹部候補人材の「発掘・開発・動機付け」に力を注いでいます。具体的な取り組みは以下のとおりです。・発掘経営幹部がサクセッションプラン(後継者計画)の妥当性を議論し、安定・継続的な組織運営に努めています。更に、当社の社長ポストをはじめとした特に重要な一部のポストについては、2022年11月に「指名委員会」を設置し、経営層(取締役・執行役員)の選任に繋がる仕組みを構築しています。また、次世代の経営幹部候補を発掘すべく、サクセッションプランを参考に、特に地域や事業を跨いで開発すべき人材の特定をグローバル人事戦略コミッティを中心に進めています。・開発それぞれの事業本部の中での人材開発を基本としつつも、特に地域や事業を跨いで開発すべき人材については、更なる開発施策を提供しています。(例)企業再建や抜擢登用等のタフアサインメント当社理念や経営マインドの浸透を目的とした創業者による育成塾グローバル企業のトップとして高いレベルの経営知識習得を目的としたグローバル経営大学校※グローバル経営大学校については、グローバル人事戦略コミッティ発足後、更なる改善に向けて取り組みの見直しを進めています。・動機付け経営幹部及び幹部候補人材の発掘・開発のみにとどまらず、動機付けを行うことも、集団経営体制の強化を図る上で重要となります。上記の開発施策の提供のほか、各種報酬の仕組みの定期的な見直し等を通じて動機付け・定着を図っています。更に2025年4月1日付けで役員体制の見直し及びチーフオフィサー制の強化を実施しています。CxOを中心に新たにグローバル本社体制を構築し、創業者の強いリーダーシップによる経営から仕組み化された組織機能体制とすることで、各事業部門リーダーと各機能リーダー(CxO)が連携して、今後の様々な事業課題の解消に向けてスピーディーかつ大胆な改革を推進していく経営体制とします。 ②内部統制に係るリスク リスク内容 (過年度の開示すべき重要な不備)当社グループは、コンプライアンス遵守、財務報告の適正性確保を達成するために内部統制システムを整備し、運用してまいりましたが、過年度決算において当社の連結子会社において、連結決算手続における当社グループの連結子会社間取引を伴う売上高等の連結調整の一部について調整対象を誤認し、売上高が過大に計上されていることが判明し、2023年3月期及び2024年3月期の決算・財務報告プロセスの内部統制上、開示すべき重要な不備に該当すると判断しました。当社は、財務報告に係る内部統制の重要性を十分に認識しており、前連結会計年度末における財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備を是正するために、以下の再発防止策を実行し、内部統制の改善状況を確認してまいりました。(1)他の関連した問題の識別や会計処理及び表示の改善を行うための、過年度に開示した書類及び訂正された連結財務諸表に含まれる連結決算仕訳に対しての詳細なレビューの実施(2)連結決算手続に係る方針の更新、連結子会社間取引に関連する調整対象案件を特定する際に必要な正確かつ網羅的な情報を把握するための体制の強化、並びに連結決算処理に対する検証及び承認権限者による承認手続に重点を置いた研修の実施(3)当社及び子会社の経理財務責任者による連結決算手続に対する包括的なモニタリング機能の強化及び決算・財務報告プロセスにおける連結子会社間取引の調整に関する査閲・承認手続の強化その結果、前連結会計年度末における開示すべき重要な不備について、当社は当連結会計年度において、開示すべき重要な不備が解消し、当該内部統制の評価結果は有効であると判断しました。当社は、再発防止の取り組みを今後も継続的に実行し、内部統制の強化を図ってまいりますが、内部統制に本質的に内在する固有の限界があるため、今後、上記の対応が有効に機能しなかった場合には、当社グループの財務報告の信頼性に影響が及ぶ可能性があります。(当連結会計年度の開示すべき重要な不備)また、当社の連結子会社において、製造したモータの原産国申告の誤りに伴う未払関税額の過少計上が判明し、2025年3月期の全社的な内部統制及び経理決算プロセスの内部統制上、開示すべき重要な不備に該当すると判断しました。当社としましては、財務報告に係る内部統制の重要性を十分に認識しており、開示すべき重要な不備を是正するために、当社グループにおいて、以下の再発防止策を速やかに策定、実行することで財務報告の信頼性を確保しましたが、今後開示すべき重要な不備が再度発生した場合には、当社グループの財務報告の信頼性に影響が及ぶ可能性があります。 ②内部統制に係るリスク 主要な対応策 当社は、コンプライアンス重視の経営を行っていくほか、財務報告に係る内部統制の整備及び運用を重要な経営課題のひとつとして位置付け、グループを挙げて関係会社の管理体制等の点検・改善等に取り組むことにより、これらのリスクの回避及び最小化に努めております。また、2025年3月期の全社的な内部統制及び決算プロセスの内部統制上識別した開示すべき重要な不備を是正するため、以下の対応策を策定しています。なお、第三者委員会による調査及びその他の社内調査等の結果、以下の対応策に変更が生じる可能性があります。 (1)コンプライアンス最優先の意識/企業風土の醸成・当社取締役会から当社グループ内に対する明確なメッセージの発信・人事処分を通じたコンプライアンスを最優先にした対応の必要性の周知徹底・法務コンプライアンス部門の機能強化・権限強化(2)組織・体制の強化・貿易コンプライアンス体制の強化・グローバルガバナンス体制の強化(3)手順・規程・仕組みの改善・当社グループのレポーティングラインの改善・当社グループの法務コンプライアンス部門間の情報共有・内部統制の適切な整備(4)人事処分・適切な人事処分の実施 ③適正決算に係るリスク リスク内容 当社は、当社及びグループ会社の経営陣の関与又は認識の下で、資産性にリスクのある資産に関する評価減の時期の恣意的な調整などの連結財務諸表全体又は財務諸表全体に重要な影響を及ぼす可能性のある不適切な会計処理の疑義を認識したため、当社から独立した第三者委員会による客観性のある調査を行う必要があると判断し、2025年9月3日に日本弁護士連合会が定める「企業不祥事における第三者委員会ガイドライン」に準拠した第三者委員会を設置しました。また、これとは別に、当社は、貿易取引及び関税に係る諸問題等の社内調査等を実施しています。現時点において、第三者委員会による調査及びその他の社内調査等は継続中であり、調査により虚偽表示が識別された場合には、連結財務諸表又は財務諸表に重要かつ広範な影響を及ぼす可能性があります。第三者委員会による調査及びその他の社内調査等の詳細につきましては、連結財務諸表の「連結財務諸表注記」(第三者委員会による調査及びその他の社内調査等について)及び財務諸表の「注記事項」(第三者委員会の調査及びその他の社内調査等について)に記載しています。 主要な対応策 当社は、第三者委員会による調査及びその他の社内調査等の一環としての外部専門家による調査に対し、全面的に協力してまいります。現時点において、第三者委員会による調査及びその他の社内調査等は継続中です。第三者委員会等からの調査報告書を受領次第、再発防止策の策定及び実施を迅速に行います。また、過年度及び当年度の財務諸表に訂正すべき重要な虚偽表示が識別された場合には、過年度及び当年度の有価証券報告書の訂正等を含め、適切な対応を行う方針です。その際には、訂正の内容、影響額等を速やかに開示します。 4)偶発的リスク ①自然災害・人的災害に係るリスク リスク内容 NIDECが事業を展開する国内外の地域において、自然災害(地震、台風、洪水等)や人的災害(戦争、紛争、テロ等)は、企業活動に深刻な影響を及ぼす可能性があります。特に、主要な製造拠点やサプライチェーンが集中する地域で大規模な災害が発生した場合、製品の生産や供給が停滞し、顧客への納品遅延や生産コストの上昇を招く恐れがあります。また、これに伴い、企業のブランドイメージや顧客信頼度が低下し、長期的な収益に悪影響を与える可能性があります。 主要な対応策 自然災害・人的災害に係るリスク低減のため、以下の対策を講じています。・リスクモニタリング世界の各拠点に設置したリスク管理者を中心に、事業継続を妨げる要因の早期の察知と的確な対応に努めています。・リスク分散生産拠点の地理的分散やサプライチェーンの二重化により、災害発生時の影響を最小限に抑えることに努めています。・リスク転嫁損害保険を付保し、損害発生時の財務的な影響の低減を図ります。・事業継続管理事業の中断に備え、「BCP(Business Continuity Plan: 事業継続計画)基本方針」を整備し、国内外の拠点で訓練を実施しています。 ②気候変動に係るリスク リスク内容 気候変動は、企業の持続可能性や競争力に対する重大な脅威であり、特に製造業においてはその影響が顕著です。以下に挙げるリスク事象の現実化はNIDECの財務状況に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。気候変動に係るリスクの詳細及び対応策につきましては「第2 事業の状況  2サステナビリティに関する考え方及び取組(参考)事業インパクトの大きい気候変動リスク・機会及び対応策」をご参照ください。 主要な対応策 「第2 事業の状況  2サステナビリティに関する考え方及び取組(参考)事業インパクトの大きい気候変動リスク・機会及び対応策」をご参照ください。
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業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度の連結財務諸表については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の見直しが反映された後の金額によっています。 (1)重要性のある会計方針及び重要な見積り 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定により、IFRS会計基準に準拠して作成しています。 この連結財務諸表の作成において、連結決算日における資産・負債の金額と連結会計年度の収益・費用に影響を及ぼす見積り・判断・仮定が必要となります。これらの実際の結果は見積り・判断・仮定と異なる場合があります。 もし会計上の見積りが行われる時点で高い不確実性に対する見積りを作成しなければならない場合、その会計上の見積りは、直近の会計期間にて合理的に見積った見積りや、該当する発生期間において合理的に見積ることができる場合とは異なり、財政状態やその変化、経営成績に重要な影響を与えると予想されます。 重要性のある会計方針及び重要な見積りの詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性のある会計方針 4.重要な会計上の見積り、判断及び仮定」に記載しています。 (2)経営成績の状況 岸田光哉が社長に就任し、新経営体制がスタートして1年が経過しました。One Nidecをキーワードにグループ間で横串を通してシナジーを創出しながら成長していく全体最適の経営、すなわちグループ一体化経営の実現を目指して、技術・製品・人材のグローバルベースでの融合をはじめ各種の施策を強力に推進する体制を整えてきました。 製品グループ別については、まず精密小型モータはニアライン用途を中心にHDD用モータの需要が回復し、収益を押し上げました。また、新分野となるAIデータセンター向け水冷モジュールは来る次世代GPU仕様サーバ向けを含め、精密モータの開発・生産で培った精密加工技術とコスト競争力を活かし、部品供給も含め付加価値の高い戦略商材の生産体制を整備し、顧客ニーズを満たす収益性の高い事業ポートフォリオへの転換を加速しています。車載はEVトラクションモータ関連事業においてBEV市場の拡大鈍化と価格競争の激化をいち早く察知し昨年度に他社に先駆けて収益性最優先へ戦略転換を行い、不採算機種の受注制限の徹底と部品単体ビジネスへの転換を推進しています。また、車載オーガニック(既存事業)は欧州市場の冷え込み等の影響を受けながらも高度な電動化の波が強くなる中、モータ及び周辺部品の需要を着実に取り込み拡販活動を展開しています。なお、2025年1月1日より欧米のマネジメント・オペレーションと生産・購買・人事等の横串機能が充実している家電産業事業本部(ACIM)に車載オーガニック(既存事業)の統合を進め、車載オーガニック事業運営の最適化を進めています。更に2025年4月1日付でニデックモビリティとニデックエレシスを経営統合しました。両社のリソース一体化を図り、強力なソリューションを提供できる体制作りを加速していきます。家電・商業・産業用は、データセンターの非常用電源向けの発電機やグリーンイノベーションの進展に伴うバッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)、社会インフラ更新に伴う大型モータの需要が拡大しています。これらの旺盛な需要に応えるためにインド・フランス・北中米にて生産能力の増強投資を鋭意進めると共に、バリューチェーンの下流領域の保守・点検等のリカーリングビジネスも強化しています。機器装置ではグループ全体の上流での品質の作り込みに直結する工作機械を強化しています。生産体制の集約や営業・サービスの一体運営によるシナジー効果が結実しつつある中、市場も景気変動サイクルにおける低迷期を経て上昇トレンドへの兆しが出始めています。このように新経営体制の下、グループ一丸となってスリー新(新市場、新製品、新顧客)活動を強化した結果、当連結会計年度の売上高、営業利益、税引前当期利益、当期利益のいずれにおいても過去最高を更新しました。 更に、当社は2027年度をターゲットとする新中期経営計画(Conversion2027)を策定しました。2025年度より3つの「転換(Conversion)」として、①高収益構造へ「転換」・②成長を支える「事業5本柱」へ「転換」・③真のグローバル体制へ「転換」を設定し、事業ポートフォリオの見直し、拠点統廃合、製造間接中心に人員削減、戦略投資の推進等により収益構造の抜本的転換を図り利益率の改善を目指します。 当連結会計年度における主な経営成績は次のとおりです。 (単位:百万円) 前連結会計年度   当連結会計年度   増減額   増減率 売上高   2,347,159   2,607,813   260,654   11.1% 営業利益   161,856   238,116   76,260   47.1% (利益率)   (6.9%)   (9.1%)   -   - 税引前当期利益   201,669   233,309   31,640   15.7% 継続事業からの当期利益   125,395   160,872   35,477   28.3% 非継続事業からの当期損失   △44   △204   △160   - 親会社の所有者に帰属する当期利益   124,455   164,365   39,910   32.1% 当期の継続事業からの連結売上高は、前期比11.1%増収の2兆6,078億13百万円となり、過去最高を更新しました。各事業分野・市場において順調に推移し、精密小型モータではニアライン用途を中心にHDD用モータが回復したことやAIデータセンター向け水冷モジュールをはじめとする新分野での売上高が増加しました。また、家電・商業・産業用では発電機やバッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)等のエネルギー分野を中心に売上高が増加したほか、車載及び機器装置における新規連結の影響も含め、売上高が拡大しました。 営業利益は、精密小型モータにおけるHDD用モータの回復、新分野となる水冷モジュールの売上拡大、家電・商業・産業用におけるエネルギー分野を中心とした需要拡大が収益改善を牽引しました。一方、家電・商業・産業用及び機器装置において、分散拠点の合理化や生産体制の集約等を推進したことに伴うコスト負担もありましたが、ニデックPSAイーモーターズの連結子会社化に伴う段階取得に係る差益を計上したこと、また前期においてEVトラクションモータ関連事業にて構造改革を計上した影響も含め、前期比47.1%増益の2,381億16百万円となり、過去最高を更新しました。 税引前当期利益は、為替差損約141億円を計上した影響も含め、前期比15.7%増益の2,333億9百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比32.1%増益の1,643億65百万円となり、いずれも過去最高を更新しました。 当期の対米ドル平均為替レート(1ドル当たり152.58円)は前期比約6%の円安、対ユーロ平均為替レート(1ユーロ当たり163.75円)は前期比約4%の円安となりました。 なお、当期の売上高、営業利益への為替影響は下記のとおりです。 - 売上高:前期比約1,007億円の増収 - 営業利益:前期比約67億円の増益 セグメント別の経営成績は次のとおりです。 (単位:百万円) 総売上高   営業損益 前連結会計年度   当連結会計年度   増減額   前連結会計年度   当連結会計年度   増減額 SPMS   333,328   395,588   62,260   25,958   41,130   15,172 AMEC   339,748   350,854   11,106   △55,694   △3,004   52,690 MOEN   463,509   577,907   114,398   61,285   70,319   9,034 ACIM   437,990   467,776   29,786   42,646   40,647   △1,999 機械事業   207,084   220,924   13,840   28,353   17,828   △10,525 グループ会社事業   634,636   665,057   30,421   75,582   87,589   12,007 調整及び消去/全社   △69,136   △70,293   △1,157   △16,274   △16,393   △119 連結   2,347,159   2,607,813   260,654   161,856   238,116   76,260 (注)1.総売上高は外部顧客に対する売上高とセグメント間の売上高の合計です。 2.第2四半期連結会計期間より報告セグメントの区分を変更しています。詳細は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.セグメント情報」に記載のとおりです。 「SPMS」の総売上高は3,955億88百万円(前年度比622億60百万円増)となりました。これは、HDD用モータ及びAIサーバ向け水冷システムをはじめとする新分野の売上高の増加によるものです。営業利益は411億30百万円(前年度比151億72百万円増)となりました。これは増収の影響に加えて、ニアライン向けHDDモータやAIデータセンター向け水冷モジュールをはじめとする製品構成良化の影響によるものです。 「AMEC」の総売上高は3,508億54百万円(前年度比111億6百万円増)となりました。これは、世界各国の先進安全装置や自動運転に向けた高度な電動化の波が強くなる中、電動パワーステアリング用モータや電動ブレーキブースター用モータ等の需要を取り込んだことによる車載オーガニック(既存事業)売上高の増加及び為替影響による増収です。営業損益は当期に構造改革費用を計上した結果、30億4百万円の営業損失となりました。 「MOEN」の総売上高は5,779億7百万円(前年度比1,143億98百万円増)となりました。これは、発電機等及びグリーンイノベーション関連需要の増加及び為替影響、並びにニデックPSAイーモーターズ連結子会社化の影響によるものです。営業利益は703億19百万円(前年度比90億34百万円増)となりました。これは、増収による影響、固定費の大幅低減、原価改善による増益及びニデックPSAイーモーターズ連結子会社化による段階取得に係る差益の計上等の影響によるものです。 「ACIM」の総売上高は4,677億76百万円(前年度比297億86百万円増)となりました。これは、商業・産業用モータ等の売上増加及び為替影響による増収です。また、営業利益は406億47百万円(前年度比19億99百万円減)となりました。これは、欧州を中心とする分散拠点の合理化等を推進したことに伴う一時的なコスト負担の増加によるものです。 「機械事業」の総売上高は2,209億24百万円(前年度比138億40百万円増)となりました。これは、新規連結の影響による増収です。営業利益は178億28百万円(前年度比105億25百万円減)となりました。これは、前年同期に不動産売却益等の一過性収益があったことに加え、工作機械関連各社の生産体制集約等に伴う一時的な費用発生や生産能力低下によるものです。 「グループ会社事業」の総売上高は6,650億57百万円(前年度比304億21百万円増)となりました。これは、ニデックインスツルメンツやニデックプレシジョンの売上増加によるものです。営業利益は875億89百万円(前年度比120億7百万円増)となりました。これは、売上の増加によるものです。 製品グループ別の経営成績は次のとおりです。 (単位:百万円) 売上高   営業損益 前連結会計年度   当連結会計年度   増減額   前連結会計年度   当連結会計年度   増減額 精密小型モータ   415,709   487,889   72,180   37,474   58,370   20,896 車載   580,909   664,623   83,714   △31,192   25,780   56,972 家電・商業・産業用   966,082   1,052,655   86,573   114,874   118,305   3,431 機器装置   298,375   314,591   16,216   43,169   37,914   △5,255 電子・光学部品   81,839   84,404   2,565   13,214   14,039   825 その他   4,245   3,651   △594   349   207   △142 消去/全社   -   -   -   △16,032   △16,499   △467 連結   2,347,159   2,607,813   260,654   161,856   238,116   76,260 「精密小型モータ」製品グループの売上高は、前期比17.4%増収の4,878億89百万円となりました。HDD用モータの売上高は、ニアライン用途を中心とした高付加価値ゾーンでの増加を主因に、前期比41.9%増収の1,002億19百万円となりました。その他小型モータの売上高は、AIデータセンター向け水冷モジュールをはじめとする新分野での売上高が増加した結果、前期比12.3%増収の3,876億70百万円となりました。営業利益は、増収の影響に加えて、ニアライン向けHDDモータやAIデータセンター向け水冷モジュールをはじめとする製品構成良化の影響も含め、前期比55.8%増益の583億70百万円となりました。 なお、当期の売上高、営業利益への為替影響は下記のとおりです。 - 売上高:前期比約173億円の増収 - 営業利益:前期比約12億円の増益 「車載」製品グループの売上高は、車載オーガニック(既存事業)において、世界各国の先進安全装置や自動運転に向けた高度な電動化の波が強くなる中、電動パワーステアリング用モータや電動ブレーキブースター用モータ等の需要を取り込み、前期比14.4%増収の6,646億23百万円となりました。営業利益は、車載オーガニック(既存事業)において、欧州市場の冷え込みに加え、家電産業事業本部(ACIM)の下で抜本的な改善対策に着手したこと、EVトラクションモータ関連事業においては、量産化途上にあるニデックPSAイーモーターズを新規連結化した影響、中国市場での収益性最優先への戦略転換に伴う構造改革の効果に加え、継続的に原価低減や固定費の削減を粘り強く実施した結果、前期比569億72百万増益の257億80百万円となりました。 なお、当期の売上高、営業利益への為替影響は下記のとおりです。 - 売上高:前期比約232億円の増収 - 営業利益:前期比約19億円の減益 「家電・商業・産業用」製品グループの売上高は、データセンターの非常用電源向け発電機やグリーンイノベーションの進展に伴うバッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)や社会インフラ更新に伴う大型モータの需要が拡大しており、前期比9.0%増収の1兆526億55百万円となりました。営業利益は、収益性の改善を目指して欧州を中心とする分散拠点の合理化や生産体制の集約等を進めた結果、先行して一時的なコスト負担が発生したものの、発電機やバッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)をはじめエネルギー分野の拡大に伴う製品構成の良化や為替の影響も含め前期比3.0%増益の1,183億5百万円となりました。 なお、当期の売上高、営業利益への為替影響は下記のとおりです。 - 売上高:前期比約521億円の増収 - 営業利益:前期比約68億円の増益 「機器装置」製品グループの売上高は、新規連結による影響や液晶ガラス基板搬送用ロボットの増収を主因に、前期比5.4%増収の3,145億91百万円となりました。営業利益は、前年同期に不動産売却益等の一過性収益があったことに加え、景気変動サイクルに伴う高収益の半導体検査装置の売上減少や、工作機械関連各社の生産体制集約等に伴う一時的な費用発生や生産能力低下により、前期比12.2%減益の379億14百万円となりました。 なお、当期の売上高、営業利益への為替影響は下記のとおりです。 - 売上高:前期比約63億円の増収 - 営業利益:前期比約5億円の増益 「電子・光学部品」製品グループの売上高は、前期比3.1%増収の844億4百万円、営業利益は前期比6.2%増益の140億39百万円となりました。 なお、当期の売上高、営業利益への為替影響は下記のとおりです。 - 売上高:前期比約19億円の増収 - 営業利益:前期比約1億円の増益 「その他」製品グループの売上高は、前期比14.0%減収の36億51百万円、営業利益は、前期比40.7%減益の2億7百万円となりました。 (3)財政状態の状況 NIDECの現金及び現金同等物は、当連結会計年度末は2,462億39百万円であり、前連結会計年度末は2,170億5百万円で292億34百万円増加いたしました。この主な要因は、営業キャッシュ・フローが2,844億28百万円の収入となった一方で、有形固定資産の取得等による投資キャッシュ・フローが1,472億55百万円の支出と、財務キャッシュ・フローが801億93百万円の支出となったことによります。また、手元現金の有効活用のため、日本、中国及び米国等各地域内においてキャッシュマネジメントシステム(CMS)を活用したグループ間での余剰資金活用を継続しており、更に各国を結ぶCMSを既に導入し、全世界ベースでCMS網を拡大させています。なお、当連結会計年度末時点において、現金及び現金同等物の約65%を日本以外の子会社で保有しています。 NIDECの資金の効率化を高めるため、海外子会社を含めたグループ間のノーショナルプーリングシステムを特定の金融機関と構築しており、特定の金融機関に対する預入総額を上限に参加会社は借入を行っています。そのため、現金及び現金同等物に含まれる銀行預金には、単一の会計単位として認識したノーショナルプーリングシステムにおける預入金及び借入金の純額が含まれています。 グループ会社間での送金には、一部の特定された状況下において制限事項があります。特定地域における送金制限は、資金の効率的なグループ内移動、特に海外子会社から当社への送金を妨害する場合がありますが、後述の継続的なキャッシュ・フロー、外部借入を通じて流動性の需要を満たすように努めています。なお、この制限によるNIDECの流動性や財政状態、経営成績への重大な影響はございません。 短期借入金は前年度比507億56百万円増加の937億10百万円となりました。当連結会計年度末時点での短期借入金は主に銀行からの円建の借入で構成されています。当連結会計年度末時点ではコマーシャル・ペーパーの残高はありません。 1年以内返済予定長期債務は前年度比207億21百万円増加の1,638億49百万円となりました。これは主に1年内予定長期借入金への振り替えにより214億80百万円増加、1年内返済予定社債への振り替えにより1,314億95百万円の増加、1年内返済予定社債の償還により1,300億円減少したことによります。当連結会計年度末時点での1年以内返済予定長期債務は主に、無担保社債で構成されています。 長期債務は前年度比363億30百万円減少の3,784億87百万円となりました。これは主に1年以内返済予定長期社債への振り替えにより1,314億95百万円の減少、借入により717億87百万円の増加、新規連結により465億42百万円増加したことによります。当連結会計年度末時点での長期債務は主に、銀行からの円建の借入及び無担保社債で構成されています。 社債について、期末時点で連結財政状態計算書に含まれる額面総額は次のとおりです。 銘柄   発行月   額面総額   償還期限   資金使途 第11回無担保社債(社債間限定同順位特約付) (グリーンボンド)   2019年11月   200億円   2026年11月   電気自動車向けトラクションモータの製造 ユーロ建無担保普通社債 (グリーンボンド)   2021年3月   5億ユーロ   2026年3月   電気自動車向けトラクションモータの製造 第13回無担保社債(社債間限定同順位特約付)   2022年7月   300億円   2025年7月   社債の償還及び短期借入金の返済 第14回無担保社債(社債間限定同順位特約付)   2022年7月   200億円   2032年7月   社債の償還及び短期借入金の返済 第15回無担保社債(社債間限定同順位特約付)   2022年11月   200億円   2025年11月   社債の償還及び短期借入金の返済 第16回無担保社債(社債間限定同順位特約付)   2022年11月   500億円   2027年11月   社債の償還及び短期借入金の返済 なお、ユーロ建無担保普通社債を除く上記社債は2019年3月に関東財務局長へ提出した2019年4月5日から2020年4月4日の期間に有効となる3,000億円の社債発行登録書及び2020年4月に関東財務局長へ提出した2020年4月9日から2021年4月8日期間に有効となる3,000億円の社債発行登録書及び2022年4月に関東財務局長へ提出した2022年4月9日から2024年4月8日の期間に有効となる6,000億円の社債発行登録書を基に発行しています。本発行登録は、資金調達手段の多様化による財務安定性の向上を企図し、金融機関からの間接金融による資金調達等と合わせて、NIDECの必要資金を機動的に調達できる体制を構築することを目的としています。NIDECの無担保資金調達の大部分は、当社が調達した後、それぞれのグループ会社の資本要件を満たすために貸与しています。NIDECは、資金調達コストの低減及び十分な信用枠を維持し、グループ会社全体の機動的な資金を確保いたします。 NIDECは、将来のM&A、研究開発活動、設備投資のために追加融資を検討しています。また、今後もM&A、研究開発活動、及び設備投資を機動的に行う基盤構築のため、追加的な資金を得ることを検討しています。 有価証券報告書の提出日現在において、2025年5月28日から2026年5月27日の期間に13百万株及び350億円を上限とする自己株式取得が決議されています。なお、2024年5月27日から2025年5月26日の期間に10百万株及び350億円を上限とする自己株式取得が決議されています。当プログラムにおいて2024年5月27日から2025年3月31日の期間に約78億円で2,920,300株を取得しています。なお、2024年1月25日から2024年5月24日の期間に4百万株及び110億円を上限とする自己株式取得が決議されています。当プログラムにおいて2024年1月25日から2025年3月31日の期間には自己株式の取得はありませんでした。 NIDECは、これらの資金源と営業活動から得るキャッシュ・フロー及び未実行の与信枠は、将来の資金需要に十分対応するものであると考えています。 NIDECの資産合計残高は、前期末(2024年3月末)比1,555億84百万円増加の3兆3,152億93百万円となりました。これは主にニデックPSAイーモーターズの支配権を獲得したことにより、有形固定資産が545億74百万円増加、営業債権及びその他の債権が293億32百万円増加、無形資産が299億21百万円増加したことによります。 負債合計残高は、前期末比700億12百万円増加の1兆5,715億円となりました。これは主に売上高の増加に伴い営業債務及びその他の債務が486億41百万円増加し、ニデックPSAイーモーターズの支配権を獲得したことにより有利子負債が351億47百万円増加したことによります。 ワーキングキャピタル(流動資産-流動負債)は5,617億87百万円で前年度比202億76百万円の減少となりました。また、売上債権(営業債権及びその他の債権)回転率(売上高÷売上債権)は3.7で、前年度比0.2ポイントの増加となりました。棚卸資産回転率(売上原価÷棚卸資産)は3.7で、前年度比0.4ポイントの増加となりました。 親会社の所有者に帰属する持分は、856億68百万円増加の1兆7,171億49百万円となりました。これは主に利益剰余金が1,186億1百万円増加し、在外営業活動体の換算差額を主因にその他の資本の構成要素が246億20百万円減少したことによります。親会社所有者帰属持分比率は51.8%(前期末51.6%)となりました。 (4)キャッシュ・フローの状況 ①資金需要の状況 NIDECの資金需要は、主に設備投資・研究開発費・材料購入のための支払・従業員への給料、賃金やその他人件費の支払・M&A・関係会社に対する投資・長期及び短期債務の返済・自己株式の取得があります。当連結会計年度末時点において、NIDECは営業債務及びその他の債務を5,765億93百万円、短期借入金を937億10百万円、1年以内返済予定長期債務を含む長期債務を5,423億36百万円保有しています。 当連結会計年度の設備投資による支払は1,207億11百万円であり、翌連結会計年度は1,400億円を計画しています。また、当連結会計年度末の固定資産購入契約残高は153億51百万円です。 当連結会計年度の研究開発活動に係る支出額(無形資産に計上された開発費の支出額を含む)は1,024億85百万円であり、翌連結会計年度も同水準の金額発生を計画しています。 当連結会計年度に、NIDECは下記の会社を買収完了しています 会社名   地域   主要な事業内容 Linear Transfer Automation Inc.   北米   プレス周辺機器製造・販売・サービス等 Linear Automation USA Inc.   北米   プレス周辺機器製造・販売・サービス等 Presstrader Limited   北米   プレス周辺機器製造・販売・サービス等 NIDECは今後も子会社への追加投資と新たな買収の機会を模索し続けます。 ②資金調達の状況 NIDECの必要資金については、営業活動によるキャッシュ・フローに加えて、良好な取引関係にある複数の金融機関からの借入や、6,000億円の国内社債発行登録枠及び1,000億円のコマーシャル・ペーパー発行枠に基づく社債の発行等により調達を行っており、資金調達手段の多様化を図っています。なお、グループ会社については原則として金融機関からの資金調達を行わず、統括会社のキャッシュマネジメントシステム等を利用したグループ内ファイナンスにより、資金調達の一元化と資金効率化を継続して推進しています。 (5)生産、受注及び販売の実績 ①生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 セグメントの名称   金額(百万円)   前年度比(%) SPMS   291,247   102.0 AMEC   297,386   110.4 MOEN   507,084   110.0 ACIM   430,094   104.3 機械事業   183,970   103.9 グループ会社事業   701,870   107.9 合計   2,411,651   106.9 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。 2.第2四半期連結会計期間より報告セグメントの区分を変更しています。詳細は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.セグメント情報」に記載のとおりです。 ②受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 セグメントの名称   受注高(百万円)   前年度比(%)   受注残高(百万円)   前年度比(%) SPMS   393,545   118.5   27,393   107.1 AMEC   346,016   101.4   13,582   82.8 MOEN   638,719   134.8   402,353   117.3 ACIM   459,505   113.8   62,907   94.7 機械事業   209,686   98.5   106,664   96.0 グループ会社事業   453,102   103.2   78,215   91.9 合計   2,500,573   113.5   691,114   106.7 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。 2.第2四半期連結会計期間より報告セグメントの区分を変更しています。詳細は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.セグメント情報」に記載のとおりです。 ③販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 セグメントの名称   金額(百万円)   前年度比(%) SPMS   391,265   118.4 AMEC   348,685   103.0 MOEN   573,921   124.8 ACIM   462,269   108.0 機械事業   213,386   104.4 グループ会社事業   618,287   105.5 合計   2,607,813   111.1 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。 2.第2四半期連結会計期間より報告セグメントの区分を変更しています。詳細は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.セグメント情報」に記載のとおりです。

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開示資料

出典

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