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日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,085.45+319ドル円158.62-2NASDAQ26,241.86+142S&P 5007,680.46+49SOX 指数11,350.08+619/2終値

セイコーエプソン

SEIKO EPSON CORPORATION6724 · Prime · 電気機器

インクジェットプリンターで世界トップクラス。独自のマイクロピエゾ技術を核に、オフィス・ホームから商業・産業印刷まで幅広く展開する。

概要

セイコーエプソンは、インクジェットプリンターやプロジェクター、ウオッチなどを手掛ける精密機器メーカーである。1942年に時計部品加工会社として創業し、現在は独自の「Micro Piezo」技術による高精細印刷を強みとする。2025年3月期の連結売上高は1兆3629億円、従業員数は7万4619人。東京証券取引所プライム市場に上場(2003年6月)。本社は東京都新宿区。

3つの報告セグメントで構成される事業構造

セイコーエプソンは、プリンティングソリューションズ、ビジュアルコミュニケーション、マニュファクチャリング関連・ウエアラブルの3つの報告セグメントで事業を展開する。2026年3月期のセグメント別売上収益は、プリンティングソリューションズが1兆295億円(全体の約73%)、ビジュアルコミュニケーションが1,814億円(約13%)、マニュファクチャリング関連・ウエアラブルが2,061億円(約15%)である。プリンティングソリューションズはオフィス・ホーム向けと商業・産業向けに分かれ、インクジェットプリンターや消耗品が主力。ビジュアルコミュニケーションは液晶プロジェクターとスマートグラスを扱う。マニュファクチャリング関連・ウエアラブルは産業用ロボット、水晶デバイス、半導体、ウオッチ、PCなどを含む多角的事業群である。

38の国と地域に広がる製造販売拠点

エプソングループは、日本国内に東北エプソン、秋田エプソン、宮崎エプソンなどの製造会社を持ち、海外では米国(Epson Portland)、英国(Epson Telford)、ブラジル、中国(天津エプソン)、インドネシア(PT. Indonesia Epson Industry)、フィリピン、タイ、マレーシアなどに製造拠点を配置する。販売網は北米、欧州、アジア、中東、オセアニア、インドなど38以上の国と地域に及び、Epson America、Epson Europe B.V.、Epson (China) Co., Ltd.などが地域統括会社として機能する。連結従業員数は7万4619人。

「省・小・精」の技術思想が生む競争力

エプソンの技術基盤は、「省・小・精」の思想に根ざしている。中核技術の一つが、圧電素子でインクを吐出する独自の「Micro Piezo」技術であり、高精細印刷を実現する。また、乾式オフィス製紙機に使われるドライファイバーテクノロジーは、使用済み紙から新たな用紙を製造する。プロジェクターでは3LCD技術を採用し、高輝度・高画質を提供する。さらに、ウオッチ分野では超微細・超精密加工技術や高密度実装技術を強みとし、水晶デバイスでは小型・高精度・低消費電力を追求する。これらの技術は、産業用ロボットや半導体など他分野にも応用されている。

新長期ビジョン「ENGINEERED FUTURE 2035」

2025年度までの長期ビジョン「Epson 25 Renewed」では、ROICやROEの目標未達などの課題が残った。これを受け、2026年度から2035年度までの新たな長期ビジョン「ENGINEERED FUTURE 2035」を策定した。10年間を3つのフェーズに分け、第1フェーズ(2026-2028年度)では収益基盤の変革と成長領域への資源集中投下を掲げ、2028年度にROIC 8.0%を目指す。具体的には、グローバルオペレーション改革による固定費圧縮や新興市場への積極投資を計画する。

業界の中での役割はプリンティング・ビジュアル・マニュファクチャリング分野のソリューションプロバイダー。にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
1.4兆円
営業利益
496億円
営業利益率
3.5%
純利益
182億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01オフィス・ホームプリンティング主力

オフィスや家庭向けに、インクジェットプリンター、シリアルインパクトドットマトリクスプリンター、カラーイメージスキャナー、乾式オフィス製紙機および消耗品を提供。独自のマイクロピエゾ技術とドライファイバーテクノロジーを強みとする。

主な製品・サービス5
インクジェットプリンター
オフィス・ホーム向けのインクジェットプリンター。独自のマイクロピエゾ技術により高精細印刷を実現。
シリアルインパクトドットマトリクスプリンター
伝票や帳票などの複写式印刷に適した、インパクト方式のプリンター。
カラーイメージスキャナー
書類や写真をデジタル化するためのスキャナー。
乾式オフィス製紙機
オフィスで使用済み紙から新たな用紙を製造する乾式製紙機。
消耗品
インクカートリッジ、トナーカートリッジなどプリンター用消耗品。

02商業・産業プリンティング主力

商業・産業向けに、インクジェットプリンター、インクジェットプリントヘッド、POSシステム関連製品、ラベルプリンター、デジタル印刷ソフトウエアソリューションおよび消耗品を提供。

主な製品・サービス6
商業・産業用インクジェットプリンター
商業印刷や産業用途向けの大判・高速インクジェットプリンター。
インクジェットプリントヘッド
プリンターの中核部品であるインク吐出ヘッド。他社プリンターへの搭載も可能。
POSシステム関連製品
小売業向けのPOSプリンターや周辺機器。
ラベルプリンター
物流・流通業向けのラベル印刷用プリンター。
デジタル印刷ソフトウエアソリューション
デジタル印刷ワークフローを最適化するソフトウエア。
消耗品
商業・産業用インクカートリッジなど。

03ビジュアルコミュニケーション準主力

ビジネス、教育、ホーム、イベント向けに液晶プロジェクターを、またスマートグラスを開発・製造・販売。独自のマイクロディスプレイ技術とプロジェクション技術を強みとする。

主な製品・サービス2
液晶プロジェクター
ビジネス・教育・ホーム・イベント向けの液晶プロジェクター。3LCD技術を採用。
スマートグラス
透過型ヘッドマウントディスプレイ。AR/VR用途に使用される。

04マニュファクチャリング関連準主力

産業用ロボット、水晶デバイス、半導体、金属粉末、表面処理加工などを手掛ける。精密メカトロニクス技術とセンシング技術を強みとし、各種産業向けにソリューションを提供。

主な製品・サービス7
産業用ロボット
高度な精密メカトロニクス技術を生かした組立・搬送用ロボット。
水晶振動子
民生機器・車載・産業機器向けの高精度水晶振動子。
水晶発振器
タイミングデバイスとして各種電子機器に使用される水晶発振器。
水晶センサー
物理量を検出する水晶センサー。
CMOS LSI
民生機器・車載向けの半導体集積回路。
金属粉末
電子部品材料などに使用される高機能金属粉末。
表面処理加工
各種産業分野向けに高付加価値表面処理を提供。

05ウエアラブル機器副次

ウオッチおよびウオッチムーブメントを開発・製造・販売。超微細・超精密加工技術や高密度実装技術、高精度センシング技術を強みとする。

主な製品・サービス2
ウオッチ
アナログ・デジタルウオッチ。GPSや心拍計などを搭載したスポーツウオッチも展開。
ウオッチムーブメント
ウオッチの駆動機構。他社ブランドにも供給。

06PC事業その他

国内市場において子会社を通じてPCの販売を行っている。

主な製品・サービス1
PC
デスクトップPC、ノートPCなど。国内市場向け。

製品と技術

独自のMicro Piezo技術を搭載したインクジェットプリンター

エプソンのインクジェットプリンターは、圧電素子を用いた独自のMicro Piezo技術が特徴である。この技術は、インク滴の大きさや吐出タイミングを精密に制御し、高精細な印刷を実現する。製品ラインアップは、家庭用の大容量インクタンクモデルからオフィス向けの高速機種まで幅広い。また、商業・産業向けには大判プリンターやプリントヘッドを提供し、他社プリンターへの搭載も可能なヘッド外販も行っている。消耗品としてインクカートリッジやインクボトルも販売する。

3LCD方式で高い色再現性を実現する液晶プロジェクター

ビジュアルコミュニケーション事業の中核製品である液晶プロジェクターは、3枚の液晶パネルを使用する3LCD方式を採用。これにより、高い色再現性と明るさを両立し、ビジネスプレゼンテーションから教育現場、ホームシアターまで幅広い用途に対応する。また、スマートグラス(透過型ヘッドマウントディスプレイ)も開発・販売しており、AR/VR用途に利用される。プロジェクターは中国市場や教育市場で販売されているが、2026年3月期は市場環境悪化により減収となった。

精密メカトロニクスを活かした産業用ロボットと水晶デバイス

マニュファクチャリング関連事業では、産業用ロボットを提供する。エプソンのロボットは、時計製造で培った精密メカトロニクス技術を応用し、組立や搬送用途で高い信頼性を持つ。また、水晶デバイスは、水晶振動子や水晶発振器、水晶センサーを民生機器から車載・産業機器向けに供給。小型・高精度・低消費電力を特長とし、タイミングデバイスとして電子機器に不可欠である。半導体(CMOS LSI)も民生・車載向けに製造している。

超微細加工技術が光るウオッチとウオッチムーブメント

ウエアラブル機器事業では、アナログ・デジタルウオッチとウオッチムーブメントを開発・製造・販売する。エプソンのウオッチは、GPSや心拍計などを搭載したスポーツウオッチが中心で、超微細・超精密加工技術と高密度実装技術を強みとする。ムーブメントは他社ブランドにも供給される。2026年3月期はインバウンド需要や新製品効果で増収となった。時計事業はオリエント時計の統合により、ブランドポートフォリオを拡充している。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

電気機器のなかでの位置

プリンタ大手、環境変化で収益性に課題

セイコーエプソンはプリンタやプロジェクターなどで世界有数のシェアを持つ電気機器メーカー。売上高は緩やかに増加し、2026年3月期には1兆4133億円を見込む。しかし、営業利益率は2025年3月期の5.51%から2026年3月期には3.51%へ低下見込みで、収益性の悪化が懸念される。同業のキオクシアホールディングスは半導体メモリで成長する一方、エプソンは成熟市場での競争激化に直面。イビデンなど電子部品メーカーとは異なる事業構造で、海外生産やコスト削減が課題。

強み

  • プリンタ分野で世界市場における高いシェアを有する。
  • インクジェット技術など独自の技術で製品差別化を図る。
  • 「エプソン」ブランドは世界的に認知され、信頼性が高い。
  • プリンタ以外にプロジェクター、半導体パッケージなど事業を展開。

課題

  • 営業利益率が低下傾向で、コスト管理や事業構造改革が必要。
  • 印刷需要の減少やオフィス向け需要の先細りに対応が必要。
  • アジア勢などとの価格競争が激しく、収益性を圧迫。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

工作機械・FAの時価総額近傍。太字がセイコーエプソン

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
16504富士電機1.9兆円19.5倍
25334日本特殊陶業1.6兆円14.0倍
36645オムロン1.3兆円35.9倍
46448ブラザー工業1.3兆円19.7倍
56841横河電機1.2兆円21.3倍
66724セイコーエプソン1.2兆円56.7倍
76506安川電機1.2兆円32.9倍
87701島津製作所1.2兆円18.8倍
96856堀場製作所9,517億円22.1倍
106845アズビル7,891億円19.3倍
116113アマダ7,789億円24.8倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(工作機械・FA)に従っています。

会社の歴史

沿革 36件

時計部品加工会社として創業した1942年

セイコーエプソンの起源は、1942年5月に時計部品の加工を目的として設立された有限会社大和工業である。1959年5月、株式会社第二精工舎諏訪工場より営業を譲り受け、有限会社諏訪精工舎に商号変更。同年9月には株式会社諏訪精工舎に組織変更した。1961年12月には国内製造会社として信州精器株式会社(後のエプソン株式会社)を設立し、時計製造の生産体制を拡充した。

ミニプリンター事業への進出とEPSONブランドの誕生

1968年9月、諏訪精工舎はミニプリンター事業を開始。これが後のプリンター事業の原点となる。1973年11月には半導体事業に参入し、電子機器分野への多角化を進めた。1975年6月、非時計分野のカンパニーブランドとして「EPSON」を制定。同年4月には米国販売会社Epson Americaを設立し、海外市場への販売網を構築した。1976年7月には水晶デバイス事業を開始し、精密部品の分野にも進出した。

コンピュータ用プリンターとグローバル販売網の拡大

1978年12月、コンピュータ用プリンター事業を開始し、パソコン普及期に成長した。1980年代にかけて、ドイツ(1979年)、香港(1980年)、シンガポール(1982年)に販売会社を設立。1983年5月には国内販売会社エプソン販売を設立した。1985年1月には庄内電子工業(現東北エプソン)を設立し、国内製造拠点を強化。同年11月、エプソン株式会社を吸収合併し、商号をセイコーエプソン株式会社に変更した。

液晶プロジェクター事業と欧米製造拠点の開設

1987年1月、英国に製造会社Epson Telfordを設立。1989年1月には液晶プロジェクター事業を開始し、ビジュアルコミュニケーション分野に参入。同年9月、ドイツに半導体販売会社を設立。1990年1月にはオランダに地域統括会社Epson Europe B.V.を設立し、欧州統括体制を整えた。1993年1月には米国持株会社U.S. Epsonを設立、北米の事業を統括した。1994年7月にはインドネシアに製造会社を設立し、アジア生産拠点を拡大した。

株式上場と液晶ディスプレイ事業の再編

2003年6月、セイコーエプソンは東京証券取引所市場第一部に株式を上場。2004年10月、液晶ディスプレイ事業を会社分割し、三洋エプソンイメージングデバイスを設立。2005年10月には水晶デバイス事業を会社分割し、エプソントヨコム(現宮崎エプソン)を設立。2006年12月、三洋エプソンを完全子会社化しエプソンイメージングデバイスに商号変更したが、2010年4月に同事業の一部を譲渡。2017年2月に吸収合併により解散した。

オリエント時計の子会社化と時計事業の再編

2001年3月、オリエント時計株式会社を子会社化。2008年11月には公開買付けにより株式を追加取得し、2009年3月に株式交換で完全子会社化した。2017年4月、時計販売事業を吸収分割によりセイコーエプソンとエプソン販売が承継。2026年2月、オリエント時計を吸収合併し、ウオッチ事業の基盤を強化した。

年表36件を開く

1940年代

  • 1942年5月創業時計部品の加工などを目的として有限会社大和工業設立、ウオッチ事業開始

1950年代

  • 1959年5月商号変更株式会社第二精工舎(現 セイコーインスツル株式会社)諏訪工場より営業譲受、有限会社諏訪精工舎に商号変更
  • 1959年9月株式会社諏訪精工舎に組織変更

1960年代

  • 1961年12月創業国内製造会社信州精器株式会社(後のエプソン株式会社)設立
  • 1968年8月創業シンガポールに製造会社Tenryu(Singapore)Pte.Ltd.(現 Singapore Epson Industrial Pte. Ltd.)設立
  • 1968年9月ミニプリンター事業開始

1970年代

  • 1973年11月半導体事業開始
  • 1974年2月創業香港に製造会社Suwa Overseas Ltd.(現 Epson Precision(Hong Kong)Ltd.)設立
  • 1975年4月創業アメリカに販売会社Epson America, Inc.設立
  • 1975年6月非時計分野のカンパニーブランドとして「EPSON」ブランド制定
  • 1976年7月水晶デバイス事業開始
  • 1978年12月コンピュータ用プリンター事業開始
  • 1979年11月創業ドイツに販売会社Epson Deutschland GmbH設立

1980年代

  • 1980年10月創業香港に販売会社Epson Electronics Trading Ltd.(現 Epson Hong Kong Ltd.)設立
  • 1982年11月創業シンガポールに販売会社Epson Electronics(Singapore)Pte.Ltd.(現 Epson Singapore Pte. Ltd.)設立
  • 1983年5月創業国内販売会社エプソン販売株式会社設立
  • 1985年1月創業国内製造会社庄内電子工業株式会社(現 東北エプソン株式会社)設立
  • 1985年2月創業アメリカに製造会社Epson Portland Inc.設立
  • 1985年11月M&Aエプソン株式会社を吸収合併、セイコーエプソン株式会社に商号変更
  • 1987年1月創業イギリスに製造会社Epson Telford Ltd.設立
  • 1989年1月液晶プロジェクター事業開始
  • 1989年9月創業ドイツに販売会社Epson Semiconductor GmbH(現 Epson Europe Electronics GmbH)設立

1990年代

  • 1990年1月創業オランダに地域統括会社Epson Europe B.V.設立
  • 1993年1月創業アメリカに持株会社U.S. Epson, Inc.設立
  • 1993年11月創業国内販売会社エプソンダイレクト株式会社設立
  • 1994年7月創業インドネシアに製造会社P.T. Indonesia Epson Industry設立
  • 1996年2月創業中国に製造会社Suzhou Epson Quartz Devices Co., Ltd.(後のSuzhou Epson Co., Ltd.)設立(2011年7月に全持分譲渡)
  • 1996年11月創業アメリカに販売会社Epson Electronics America, Inc.設立(2018年4月にEpson America, Inc.により吸収合併)
  • 1998年4月創業中国に地域統括会社Epson(China)Co., Ltd.設立

2000年代

  • 2001年3月M&Aオリエント時計株式会社を子会社化
  • 2003年6月上場東京証券取引所市場第一部に株式上場
  • 2004年10月液晶ディスプレイ事業を会社分割し、三洋エプソンイメージングデバイス株式会社として営業開始
  • 2005年10月水晶デバイス事業を会社分割し、エプソントヨコム株式会社(現 宮崎エプソン株式会社)として営業開始
  • 2006年12月M&A三洋エプソンイメージングデバイス株式会社を株式の追加取得により完全子会社化し、エプソンイメージングデバイス株式会社に商号変更(2010年4月に中・小型液晶ディスプレイ事業に関する事業資産の一部を譲渡。2017年2月に当社を存続会社とする吸収合併により解散)
  • 2008年11月オリエント時計株式会社の株式を公開買付けにより追加取得
  • 2009年3月M&Aオリエント時計株式会社を株式交換により完全子会社化(2017年4月に時計販売事業を吸収分割により当社およびエプソン販売株式会社が承継。2026年2月に当社により吸収合併)

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は4つの方針を掲げている。そのうち5項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 売上収益2028年度まで15,000億円
  • ROIC2028年度まで8.0%
  • ROE2028年度まで10.0%
  • ROS2028年度まで8.0%
  • 産業領域 事業利益構成比2028年度まで60%

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    グローバルオペレーション改革による収益基盤変革

    投資規律の強化、IT基盤共通化、間接費削減、人員最適化、バックオフィス集約などを通じて固定費を圧縮。需要予測・供給計画機能の強化により在庫水準を適正化し、3年間累計260億円の収益改善を目指す。

  2. 02

    成長領域への資源集中投下と事業セグメント再編

    インクジェットソリューションズ、マイクロデバイス、エプソンアトミックスを成長エンジンと位置づけ積極投資。商業・産業印刷やロボティクスは本格成長に向けた基盤強化、オフィス・ホーム印刷とビジュアル・ライフスタイルは安定収益基盤として成長領域を支える。

  3. 03

    新興市場攻略と収益モデル変革

    伸長が見込まれる新興市場や成長余地の大きい国・地域への投資を積極化。現地パートナーとの連携強化や拠点機能拡充、業界別ソリューション提供強化、継続収益型ビジネスモデル拡大により収益モデルを変革する。

  4. 04

    精密技術とデジタル技術の融合による産業イノベーション

    プリントヘッドやタイミングデバイス、微細合金粉末などを中核に、電子部品、太陽光発電、バイオなど様々な産業プロセスに省・小・精の技術を実装。出資や共同開発も活用し応用領域を拡大する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で74,619人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は809万円で、9期前と比べて+4.8%平均年齢は42.9歳、平均勤続年数は18.1年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月72,420
2018年3月76,391
2019年3月77243.619.476,647
2020年3月74843.619.275,608
2021年3月71244.019.079,944
2022年3月76743.819.377,642
2023年3月81243.719.079,906
2024年3月80143.418.674,464
2025年3月79443.218.375,352100
2026年3月80942.918.174,61966

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率5.9%
縦線は目安の30%
男性育休取得率95.7%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)78.4%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社46(国内 20 / 海外 26、うち連結子会社 45) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位10)
広丘事業所 — 長野県塩尻市843億円
プリンティングソリューションズ その他
プリンティングソリューションズ ビジュアルコミュニケーション — Epson Precision (Philippines), Inc. (フィリピン・リパ)475億円
プリンティングソリューションズ — PT. Indonesia Epson Industry (インドネシア・ブカシ)201億円
酒田事業所 — 山形県酒田市200億円
マニュファクチャリング関連・ウエアラブル
マニュファクチャリング関連・ウエアラブル — Epson Precision (Thailand) Ltd. (タイ・チャチェンサオ)159億円
諏訪南事業所 — 長野県諏訪郡富士見町133億円
プリンティングソリューションズ ビジュアルコミュニケーション その他
プリンティングソリューションズ ビジュアルコミュニケーション マニュファクチャリング関連・ウエアラブル — Epson Engineering (Shenzhen) Ltd. (中国・深圳市)131億円
マニュファクチャリング関連・ウエアラブル — エプソンアトミックス㈱(青森県八戸市)123億円
富士見事業所 — 長野県諏訪郡富士見町114億円
マニュファクチャリング関連・ウエアラブル その他
プリンティングソリューションズ マニュファクチャリング関連・ウエアラブル — 秋田エプソン㈱(秋田県湯沢市)7,704百万円
ほか12件の開示あり
主な関係会社
  • 国内
    エプソン販売㈱ ※
    東京都新宿区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    宮崎エプソン㈱
    宮崎県宮崎市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    東北エプソン㈱
    山形県酒田市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    秋田エプソン㈱
    秋田県湯沢市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    エプソンアトミックス㈱
    青森県八戸市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    エプソンダイレクト㈱
    長野県塩尻市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    エプソンクロスインベストメント㈱
    東京都千代田区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    U.S. Epson, Inc. ※
    アメリカ ロスアラミトス · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    Epson America, Inc. ※
    アメリカ ロスアラミトス · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    Fiery, LLC ※
    アメリカ フリーモント · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Epson do Brasil Industria e Comercio Ltda.
    ブラジル サンパウロ · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    Epson Portland Inc.
    アメリカ ヒルズボロ · 連結子会社
    議決権100.0%
残りのグループ会社34社を開く
  • Epson Global Reinsurance, Inc. ※アメリカ ホノルル100%
  • Epson Europe B.V. ※オランダ アムステルダム100%
  • Epson (U.K.) Ltd.イギリス ワトフォード100%
  • Epson Deutschland GmbHドイツ デュッセルドルフ100%
  • Epson Europe Electronics GmbHドイツ ミュンヘン100%
  • Epson France S.A.S.フランス サン・トゥアン・シュル・セーヌ100%
  • Epson Italia S.p.A.イタリア ミラノ100%
  • Epson Como Printing Technologies S.r.l.イタリア コモ100%
  • Epson Iberica, S.A.U.スペイン バルセロナ100%
  • Epson MENA Regional Headquarters LLCサウジアラビア王国 リヤド100%
  • Epson Middle East FZCO ※アラブ首長国連邦 ドバイ100%
  • Epson Telford Ltd.イギリス テルフォード100%
  • Epson (China) Co., Ltd. ※中国 北京市100%
  • Epson Singapore Pte. Ltd.シンガポール100%
  • Epson Korea Co., Ltd.韓国 ソウル特別市100%
  • Epson Hong Kong Ltd.中国 香港100%
  • Epson Taiwan Technology & Trading Ltd.台湾 台北市100%
  • PT. Epson Indonesiaインドネシア ジャカルタ100%
  • Epson (Thailand) Co., Ltd.タイ バンコク100%
  • Epson Philippines Corporationフィリピン パシッグ100%
  • Epson Australia Pty. Ltd.オーストラリア ノースシドニー100%
  • Epson India Pvt. Ltd.インド バンガロール100%
  • Epson Precision (Hong Kong) Ltd.中国 香港100%
  • Epson Engineering (Shenzhen) Ltd.中国 深圳市100%
  • Tianjin Epson Co., Ltd.中国 天津市100%
  • Singapore Epson Industrial Pte. Ltd.シンガポール100%
  • PT. Epson Batamインドネシア バタム100%
  • PT. Indonesia Epson Industry ※インドネシア ブカシ100%
  • Epson Precision (Thailand) Ltd. ※タイ チャチェンサオ100%
  • Epson Precision (Philippines), Inc. ※フィリピン リパ100%
  • Epson Precision Malaysia Sdn. Bhd.マレーシア クアラルンプール100%
  • Epson Precision (Johor) Sdn. Bhd.マレーシア ジョホール100%
  • その他 41社
  • 持分法適用関連会社 2社
国際子会社 (GLEIF登録 1社)
  • NLEpson Europe B.V.

国際的な法人識別子 (LEI) の親子関係データ。金融取引を行う子会社が中心で、全子会社の一覧ではありません。

公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 調達
    高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発AIエッジコンピューティングの産業応用加速のための技術開発RISC-Vシステム設計プラットフォームの研究開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2022-10-04
    2.6億円
  • 調達
    人工知能活用による革新的リモート技術開発状態推定AIシステムの基盤技術開発及び高度なXRにより状態を提示するAIシステムの基盤技術開発遠隔リハビリのための多感覚XR-AI技術基盤構築と保健指導との互恵ケア連携
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2021-09-03
    1,969万円
  • 調達
    高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発研究開発課題発掘のための先導調査研究RISCーVシステム設計プラットフォームの研究開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2021-08-27
    1,427万円
  • 補助金
    令和3年度産業技術実用化開発事業費補助金(サプライチェーン上不可欠性の高い半導体の生産設備の脱炭素化・刷新事業費補助金)一次公募(セイコーエプソン)
    経済産業省 · 2023-04-03
    6.9億円
  • 補助金
    令和3年度産業技術実用化開発事業費補助金(サプライチェーン上不可欠性の高い半導体の生産設備の脱炭素化・刷新事業費補助金)一次公募(セイコーエプソン)
    経済産業省 · 2022-06-14
    6.9億円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は1.4兆円営業利益496億円前期と比べると増収減益で、売上が+3.7%、利益が-34.0%。

売上高
+3.7%
1.4兆円
営業利益
-34.0%
496億円
純利益
-67.0%
182億円
営業利益率
3.5%
前期比 -2.0%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高1.5兆円1.4兆円
営業利益1,010億円496億円
純利益690億円182億円
1株あたり配当¥80¥80

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は3,672億円、営業利益は206億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+16.6%、営業利益は+4.6%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q3,359136
2024年1Q3,1481976.3202
2024年2Q3,237822.573
2024年3Q3,5362386.7150
2024年4Q3,219101
2025年2Q6,7423495.2233
2025年4Q6,8874025.8319
2026年2Q6,6743114.7187
2026年4Q7,4591852.5−5
2027年1Q3,6722065.6130

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は8,496億円から1.4兆円へ1.7倍に増えた。直近期の営業利益率は3.5%。売上は2期連続で増加。

決算期売上高兆円営業利益億円税引前利益億円営業利益率%純利益億円
2013年3月0.85281−89
2014年3月1.01780842
2015年3月1.091,3251,126
2016年3月1.09915458
2017年3月1.02675483
2018年3月1.10627418
2019年3月1.09720537
2020年3月1.0439777
2021年3月1.00449309
2022年3月1.13972923
2023年3月1.331,038750
2024年3月1.31701526
2025年3月1.367517845.5552
2026年3月1.414965003.5182

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高1.4兆円のうち、営業利益として残るのは496億円3.5%。営業外の損益と税金を反映した純利益は182億円、売上の1.3%にあたる。営業利益率は業種中央値6.9%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金64.6%9,125億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金29.5%4,170億円
  • その他の費用持分法損益などの調整2.4%342億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益3.5%496億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
35.4%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比3.4pt
3.5%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比4.6pt
1.3%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比5.8pt
2.2%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
1.2%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
2.8%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが1,124億円、投資CFが−656億円で、差し引きのフリーCFは468億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は2,886億円で、売上の2.5ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月446−414213321,847
2014年3月1,149−412−5667372,115
2015年3月1,088−327−5547612,453
2016年3月1,131−516−6726152,305
2017年3月969−758−2672112,218
2018年3月843−7470962,297
2019年3月770−827−494−571,752
2020年3月1,023−761−32621,962
2021年3月1,332−5742327583,040
2022年3月1,108−441−5186673,352
2023年3月613−616−793−32,674
2024年3月1,656−590−6541,0663,285
2025年3月1,381−1,508−451−1272,670
2026年3月1,124−656−3964682,886

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は1.5兆円。このうち返さなくてよい自己資本が8,535億円で、自己資本比率は55.6%(業種中央値61.0%より薄い)

決算期総資産兆円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2013年3月0.822,4595,76529.9
2014年3月0.913,6245,46539.9
2015年3月1.014,9435,12049.1
2016年3月0.944,6784,73549.7
2017年3月0.974,9224,82250.5
2018年3月1.035,1275,20749.6
2019年3月1.045,4024,98252.0
2020年3月1.045,0375,37248.4
2021年3月1.165,5096,10447.4
2022年3月1.276,6566,00852.6
2023年3月1.347,2746,14254.2
2024年3月1.418,1106,02157.4
2025年3月1.468,0486,51655.3
2026年3月1.538,5356,81255.6

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
2,886億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
5,699億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
6,812億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
74
/ 100
安定性自己資本比率37 / 40
収益力営業利益率7 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

電気機器 224社との比較

同じ電気機器の企業と並べると、いちばん上に来るのは配当利回り224社中100位あたり、逆に低いのはROE224社中192位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE下位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
2.2%/中央値 8.0%
P25 4.2%P75 12.1%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
3.5%/中央値 6.9%
P25 3.5%P75 11.6%
自己資本比率総資産のうち返済のいらないお金の割合
55.6%/中央値 61.0%
P25 48.2%P75 76.0%
売上成長率前期からの売上の伸び
3.7%/中央値 4.1%
P25 -0.2%P75 9.4%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
2.5%/中央値 2.4%
P25 1.6%P75 3.3%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥3,216で、1年前と比べて+72.6%過去52週の値幅のなかでは92%の位置にある。

¥3,216-3.0%1ヶ月+8.2%1年+72.6%時価総額1.2兆円
過去52週の値幅
安値¥1,844高値¥3,332

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)56.7倍
PER (会社予想)14.9倍
PBR1.19倍
配当利回り2.49%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は8月10日に3265円の高値をつけた後、調整しつつも25日移動平均線(3024円)を上回って推移。8月21日は3063円で、高値からは約6%下落したものの、52週高値(3310円)に迫る水準。年初来で約67%上昇し、上昇トレンドは継続中。出来高は8月6日と7日に300万株前後まで膨らみ、買い意欲の強さを示した。一方、8月18日以降は出来高が減少しており、短期的な勢いはやや鈍化している。25日線を下回る場面があれば、75日線(2837円)が次のサポートとして意識される。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準をほぼ妥当と判定しています(スコア 55/100)

実績PERは53.9倍と非常に高いが、予想PERは14.2倍と大きく低下し、将来の収益回復が織り込まれている。PBRは1.13倍と平均の2.65倍を下回り、資産価値に対しては割安感がある。ROEは2.2%と低く収益性は低迷しているが、配当利回りは2.62%と平均の2.29%を上回る。ただし配当性向は458.5%と極めて高く、減配リスクがある。これらを総合し、ほぼ妥当と判断した。

指標この会社業種平均
PER (実績)56.7倍30.8倍
PER (予想)14.9倍
PBR1.19倍2.58倍
ROE2.2%5.8%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

インクジェット技術で世界をリードするが、プリンター市場の成熟と競争激化が課題。強気派は、産業用プリンターやプリンテッドエレクトロニクスなど新分野の成長に期待し、環境配慮型インクで差別化を図る。一方、弱気派は、オフィス向け需要の構造的減少やインク消耗品ビジネスの競争による収益性低下を懸念し、今期予想の営業利益減益を材料視する。投資論点は、新規事業の育成が既存事業の減速を補えるかどうか。

プラスに働く材料7
  • 新分野の成長戦略

    産業用プリンターやプリンテッドエレクトロニクスは市場成長が期待され、収益の柱になりうる

  • 技術力の優位性

    「Micro Piezo」技術は高精細印刷で差別化を可能とし、競合が追随しにくい

  • 環境対応の追い風

    環境配慮型インクは企業のESGニーズに合致し、需要拡大の可能性

  • フォワードPER14.7倍が示す純利益807億円回復決算発表後影響

    時価総額1兆1,861億円÷14.7倍=約807億円の純利益が市場想定。現行182億円から大幅回復期待

  • 営業利益率5.51%回復で営業利益778億円2027年〜2028年影響

    売上高1兆4,133億円×5.51%=約778億円。2026年3月期の496億円から282億円増益

  • 売上高1兆4,133億円の増収基調が続く通年影響

    前期比504億円増収。固定費吸収で営業利益率の上昇が見込まれる

  • 配当利回り2.52%が下値を支える継続影響

    株価3,175円に対する配当利回り2.52%は投資家の買い支え要因

マイナスに働く材料7
  • 既存市場の縮小

    オフィス向けプリンター需要は構造的に減少しており、市場規模の縮小が続く

  • 収益性の悪化

    2026年3月期予想は営業利益率3.51%と過去2年から低下し、採算が悪化

  • 競争激化

    インクジェット市場では低価格競争が激しく、消耗品収益が圧迫される

  • 純利益182億円への落ち込みでEPSが激減継続影響

    前期比370億円減益。EPS減少で割高感が強まる

  • 営業利益率3.51%への低下が継続するリスク通年影響

    営業利益は751億円から496億円へ255億円減、更なる悪化があれば増益想定が崩れる

  • ROE2.2%は株主資本コストを下回る継続影響

    PBR1.18倍でもROE2.2%は低く、資本効率改善が見られない限り割高感が残る

  • 株価1年で70.5%上昇の反動不定影響

    上昇ピッチが速く、利益確定売りが株価を押し下げる可能性

次の決算で確かめる点
産業用プリンター売上高
新分野の成長度合いを測る鍵となる指標
売上高営業利益率
既存事業の収益性とコスト管理の成果を確認
プリンテッドエレクトロニクス受注高
将来の成長可能性を占う先行指標

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり80で、前期から+0.0%いまの株価に対する利回りは2.49%。

年間配当
¥80
1株あたり
配当利回り
2.49%
いまの株価に対して
配当性向
458.5%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
0年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月6066.8
2018年3月623.353.0
2019年3月620.071.3
2020年3月620.0
2021年3月620.0
2022年3月620.018.6
2023年3月7216.135.0
2024年3月742.845.2
2025年3月740.029.5
2026年3月740.0458.5

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥80

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ40,824人。区分でいちばん多いのは金融機関36.9%。グループ会社や銀行などの安定株主が44.0%を占め、残る56.0%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
金融機関37.636.737.536.236.136.9
個人・その他28.727.127.425.726.126.7
外国法人17.220.820.424.325.422.6
自己株式13.413.413.913.814.314.2
事業法人13.012.310.89.68.17.1
証券会社3.53.13.94.24.26.7

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)19.78
02株式会社日本カストディ銀行(信託口)7.64
03セイコーグループ株式会社2.94
04JPモルガン証券株式会社2.28
05みずほ信託銀行株式会社 退職給付信託 みずほ銀行口 再信託受託者 株式会社日本カストディ銀行2.18
06エプソングループ従業員持株会1.83
07野村信託銀行株式会社(投信口)1.68
08STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 (常任代理人 株式会社みずほ銀行)1.65
09第一生命保険株式会社(常任代理人 株式会社日本カストディ銀行)1.23
10服部 悦子1.16

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近2
  • 2026-08-07
    野村證券株式会社
    新規の大量保有報告
    7.96%
    -1.05pt
  • 2026-05-21
    三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社
    新規の大量保有報告
    1.91%
    -0.29pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+214%、1株純資産は14期で+94%。直近期のROEは2.2%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月−501,375−3.621.0
2014年3月2351,01327.76.812.0
2015年3月3151,38226.36.843.9
2016年3月1281,3089.514.246.6
2017年3月1371,39710.117.166.8
2018年3月1191,4568.315.953.0
2019年3月1521,53410.211.171.3
2020年3月221,4561.552.6
2021年3月891,5925.920.1
2022年3月2671,92415.26.918.6
2023年3月2212,19410.88.535.0
2024年3月1592,4466.816.745.2
2025年3月1692,5126.814.129.5
2026年3月572,6642.233.8458.5

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

12名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は12名。2026/3期の役員報酬は総額414百万円。

氏名役職年齢保有株数
小川恭範取締役会長6486,846
吉田潤吉代表取締役社長6129,754
吉野泰徳取締役 執行役員 経営戦略本部長 兼 ビジュアルプロダクツ事業部長 兼 ロボティクス事業部長4720,999
深石明宏取締役 執行役員 営業本部長 兼 P商業・産業ソリューションズ事業部長6114,145
嶋本正社外取締役726,000
山内雅喜社外取締役654,100
三宅香社外取締役58400
川名政幸取締役 常勤監査等委員6225,800
村越進社外取締役 監査等委員765,100
大塚美智子社外取締役 監査等委員673,300
丸本明社外取締役 監査等委員692,700
渕上玲子社外取締役 監査等委員72

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円株式報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
監査等委員81994124130
監査等委員4818120
社外取締役3484816
社外取締役3444415

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容4,480字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 当社および当社の関係会社(以下「エプソン」という。)は、プリンティングソリューションズ事業、ビジュアルコミュニケーション事業およびマニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業などに係る各製品の開発、製造、販売およびこれらに付帯するサービスの提供を主な事業としております。 エプソンでは、事業部制による世界連結マネジメントのもと、開発活動については先行研究開発や製品開発を主に当社(本社研究開発部門および事業部研究開発部門)で行い、生産活動および販売活動については国内外の製造・販売関係会社を中心に展開しております。 各事業の内容と事業に携わる主要な関係会社は、次のとおりです。 なお、エプソンの報告セグメントは、「プリンティングソリューションズ事業」、「ビジュアルコミュニケーション事業」および「マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業」の三つとしております。各報告セグメントは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.セグメント情報」に掲げるセグメントの区分と同一です。 (プリンティングソリューションズ事業セグメント) 当セグメントは、オフィス・ホームプリンティング事業、商業・産業プリンティング事業から構成されており、独自のマイクロピエゾ技術のほか、ドライファイバーテクノロジーなどの強みを生かし、各製品の開発、製造、販売およびこれらに付帯するサービスの提供を行っております。 各事業の主な内容は、次のとおりです。 <オフィス・ホームプリンティング事業> 当事業では、オフィス・ホーム向けのインクジェットプリンター、シリアルインパクトドットマトリクスプリンター、カラーイメージスキャナー、乾式オフィス製紙機、およびこれらの消耗品などを取り扱っております。 <商業・産業プリンティング事業> 当事業では、商業・産業向けのインクジェットプリンター、インクジェットプリントヘッド、POSシステム関連製品、ラベルプリンター、およびこれらの消耗品、デジタル印刷ソフトウエアソリューションなどを取り扱っております。 なお、前記各事業に携わる主要な関係会社は、次のとおりです。 事業領域   主要製品等   主要な関係会社 製造会社   販売会社 オフィス・ホームプリンティング事業   オフィス・ホーム用インクジェットプリンター、シリアルインパクトドットマトリクスプリンター、カラーイメージスキャナー、乾式オフィス製紙機、およびこれらの消耗品 等   東北エプソン㈱ 秋田エプソン㈱ Epson Portland Inc. Epson do Brasil Industria e  Comercio Ltda. Epson Telford Ltd. Epson Como Printing Technologies S.r.l. Epson Engineering (Shenzhen) Ltd. Tianjin Epson Co., Ltd. PT. Epson Batam PT. Indonesia Epson Industry Epson Precision (Philippines), Inc.   エプソン販売㈱ Epson America, Inc. Epson do Brasil Industria e  Comercio Ltda. Epson Europe B.V. Epson (U.K.) Ltd. Epson Deutschland GmbH Epson France S.A.S. Epson Italia S.p.A. Epson Como Printing Technologies S.r.l. Epson Iberica, S.A.U. Epson Middle East FZCO Epson (China) Co., Ltd. Epson Singapore Pte. Ltd. Epson Korea Co., Ltd. Epson Hong Kong Ltd. Epson Taiwan Technology & Trading Ltd. PT. Epson Indonesia Epson (Thailand) Co., Ltd. Epson Philippines Corporation Epson Australia Pty. Ltd. Epson India Pvt. Ltd. 商業・産業プリンティング事業   商業・産業用インクジェットプリンター、インクジェットプリントヘッド、POSシステム関連製品、ラベルプリンター、およびこれらの消耗品、デジタル印刷ソフトウエアソリューション 等 Fiery, LLC (ビジュアルコミュニケーション事業セグメント) 当セグメントは、独自のマイクロディスプレイ技術やプロジェクション技術などの強みを生かし、ビジネス・教育・ホーム・イベント向けなどの液晶プロジェクターのほか、スマートグラスなどの開発、製造、販売およびこれらに付帯するサービスの提供を行っております。 なお、当事業に携わる主要な関係会社は、次のとおりです。 事業領域   主要製品等   主要な関係会社 製造会社   販売会社 ビジュアルコミュニケーション事業   液晶プロジェクター、スマートグラス 等   Epson Engineering (Shenzhen) Ltd. Epson Precision (Philippines), Inc.   エプソン販売㈱ Epson America, Inc. Epson do Brasil Industria e  Comercio Ltda. Epson Europe B.V. Epson (U.K.) Ltd. Epson Deutschland GmbH Epson France S.A.S. Epson Italia S.p.A. Epson Iberica, S.A.U. Epson Middle East FZCO Epson (China) Co., Ltd. Epson Singapore Pte. Ltd. Epson Korea Co., Ltd. Epson Hong Kong Ltd. Epson Taiwan Technology & Trading Ltd. PT. Epson Indonesia Epson (Thailand) Co., Ltd. Epson Philippines Corporation Epson Australia Pty. Ltd. Epson India Pvt. Ltd. (マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメント) 当セグメントは、マニュファクチャリングソリューションズ事業、ウエアラブル機器事業、マイクロデバイス事業他、PC事業から構成されており、以下の各製品の開発、製造、販売およびこれらに付帯するサービスの提供を行っております。 各事業の主な内容は、次のとおりです。 <マニュファクチャリングソリューションズ事業> 当事業では、高度な精密メカトロニクス技術のほか、高精度のセンシング技術やソフトウエア技術などの強みを生かし、生産性を革新する産業用ロボットなどの開発、製造、販売などを行っております。 <ウエアラブル機器事業> 当事業では、超微細・超精密加工技術や高密度実装技術のほか、高精度のセンシング技術などの強みを生かし、ウオッチ、ウオッチムーブメントなどの開発、製造、販売などを行っております。 <マイクロデバイス事業他> 当事業では、小型化・高精度化や低消費電力を特長とする各種デバイスを取り扱うほか、グループ内各事業のニーズに対応したデバイスの開発および製造を行っております。また、金属粉末事業や表面処理加工事業を展開しております。 [水晶デバイス] 民生機器・車載・産業機器向けなどに水晶振動子、水晶発振器、水晶センサーなどを提供しております。 [半導体] 民生機器・車載向けなどにCMOS LSIなどを提供しております。 [その他] 電子部品などの原材料として使用されるさまざまな高機能金属粉末の開発、製造、販売などを行っております。また、幅広い産業分野向けに高付加価値の表面処理加工を提供しております。 <PC事業> 当事業では、国内市場において子会社を通じてPCなどの販売を行っております。 なお、前記各事業に携わる主要な関係会社は、次のとおりです。 事業領域   主要製品等   主要な関係会社 製造会社   販売会社 マニュファクチャリングソリューションズ事業   産業用ロボット 等   Epson Engineering (Shenzhen) Ltd.   エプソン販売㈱ Epson America, Inc. Epson Deutschland GmbH Epson Italia S.p.A. Epson (China) Co., Ltd. Epson Korea Co., Ltd. Epson Hong Kong Ltd. Epson Taiwan Technology & Trading Ltd. ウエアラブル機器事業   ウオッチ、ウオッチムーブメント 等   秋田エプソン㈱ Epson Precision (Thailand) Ltd. Epson Precision (Johor) Sdn. Bhd.   エプソン販売㈱ Epson Europe B.V. Epson (China) Co., Ltd. Epson Hong Kong Ltd. マイクロデバイス事業 他   [水晶デバイス] 水晶振動子、水晶発振器、水晶センサー 等   宮崎エプソン㈱ Epson Precision (Thailand) Ltd. Epson Precision Malaysia Sdn. Bhd.   Epson America, Inc. Epson Europe Electronics GmbH Epson Singapore Pte. Ltd. Epson Korea Co., Ltd. Epson Hong Kong Ltd. Epson Taiwan Technology & Trading Ltd. [半導体] CMOS LSI 等   東北エプソン㈱ Singapore Epson Industrial Pte. Ltd. [その他] 金属粉末、表面処理加工   エプソンアトミックス㈱ Singapore Epson Industrial Pte. Ltd. PC事業   PC 等   ―   エプソン販売㈱ エプソンダイレクト㈱ 以上の事項を事業系統図によって示すと、おおむね次のとおりです。
経営方針・対処すべき課題5,707字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項については、当連結会計年度末現在における予想や一定の前提に基づくものであり、これらの記載は実際の結果と異なる可能性があるとともに、その達成を保証するものではありません。 (1)経営の基本方針 エプソンのあらゆる企業活動の中心にはパーパスがあります。エプソンのパーパス「『省・小・精』から生み出す価値で、人と地球を豊かに彩る」は、エプソンが社会に対してどのような価値を提供する存在であるかを定めるとともに、エプソンならではの存在意義と志を社内外に示したものです。そして、エプソンは、グループの価値観・行動様式を定めた「エプソンウェイ」の普遍的な考え方である経営理念を礎とし、ビジョンによりパーパスを実現することで社会へと新しい価値を提供します。これにより、将来にわたって持続的な成長と中長期的な企業価値向上を図ってまいります。 <理念構造> (2)前長期ビジョン「Epson 25 Renewed」(2021年度-2025年度)の振り返り ①主な成果 「Epson 25 Renewed」ではビジョンステートメントを「『省・小・精の技術』とデジタル技術で人・モノ・情報がつながる、持続可能でこころ豊かな社会を共創する」と定めました。このビジョンステートメントのもと取り組みを進め、さまざまな成果がありました。 ●インクジェット技術による成長 ・中国市場の攻略などインクジェットヘッド外販事業が大幅に成長 ●新興市場でのビジネスが拡大 ・大容量インクタンクモデルの売上収益が大きく伸長 ・インドで製造拠点を開設 ●構造改革の進展 ・プロジェクター、ウエアラブルプロダクツの収益性が改善 ●将来成長に向けた投資 ・将来成長戦略に向けFieryを買収 ・ドバイに販売会社を新設、中東・アフリカ地域をさらに強化 ●先進的なサステナビリティ活動の推進 ・グローバル全拠点の100%再生可能エネルギー化を達成 ・サステナビリティに対する取り組みへの高い外部評価 ②財務目標 「Epson 25 Renewed」では、2025年度の目標に対して、ROIC(※1)、ROE、ROSとも未達となりました。 目標   2025年度 目標(※2)   2025年度 実績 ROIC   7.0%以上   5.5% ROE   8.0%以上   2.2% ROS   7.0%以上   5.9% ※1 税引後事業利益/(親会社の所有者に帰属する持分+有利子負債) ※2 2024年4月更新 ③課題と対応 「Epson 25 Renewed」では、大きく二つの課題が残りました。 一つ目は、資本効率のさらなる改善です。コロナ禍を機に市場供給を優先したオペレーション体制としましたが、それ以降の市場変化に応じた対応が遅れ、資本効率が低下しました。さらに、物価上昇といったコスト上昇圧力等により収益が圧迫されました。 二つ目は、成長領域の立ち上げが遅れました。外部環境変化もありましたが、成長期待領域への資源配分が十分でなく、成長も未達となりました。 これらの課題も認識したうえで、新長期ビジョンを策定しました。 (3)新長期ビジョン「ENGINEERED FUTURE 2035」の考え方 エプソンは、2026年3月に、2035年に向けた新たな長期ビジョン「ENGINEERED FUTURE 2035」を策定しました。エプソンは、「省・小・精」の技術・思想を基盤として、精密技術と現場で培った知見を掛け合わせ、最適解を産業と社会に実装していくことを通して、「産業の生産性と信頼性を高め、持続可能な成長を実現すること」「学び・働き・暮らしに新たな価値を創出し可能性を広げていくこと」「人と地球がともに前に進み続けられるよう、社会価値と企業価値を同時に高めていくこと」を、「ENGINEERED FUTURE 2035」で目指す姿と定めています。 また、「ENGINEERED FUTURE 2035」では、10年間を三つのPhaseに分けました。 2026年度から2028年度までの中期経営計画をPhase 1と定め、成長に向けた事業基盤の変革を進めます。2029年度から2031年度はPhase 2として、Phase 1で構築した基盤をもとに成長モデルへの転換を加速し完了します。 2032年度から2035年度はPhase 3として、成長を生み続ける事業構造を確立します。 (4)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題 ①中期経営計画骨子 エプソンは、「Epson 25 Renewed」で顕在化した、資本効率の低下と成長領域への資源配分不足を優先的に対処すべき課題と認識しています。 これらの課題に対して、Phase 1においては「収益基盤の変革」と「成長領域への資源集中投下」を実行します。それにより、2028年度までにROIC 8.0%の達成を目指します。 (収益基盤の変革) グローバルオペレーション改革による効率化と、地域戦略・収益モデルの変革を一体で推進します。 効率化においては、本社・事業部における投資規律の強化、グローバルでのIT基盤共通化、主要海外製造拠点の間接費削減を進めるとともに、販売体制における人員最適化やバックオフィス機能の集約を推進します。さらに、需要予測・供給計画機能の強化および生産オペレーションの効率化を図り、在庫水準の適正化を進めます。 これらの取り組みにより、固定費の圧縮を中心に3年間累計で260億円の収益改善効果を見込むとともに、棚卸資産回転率の約0.5回転の改善を目指すことを通じて、投下資本の圧縮につなげていきます。 販売面においては、今後も伸長が見込まれる新興市場や成長余地が大きい国や地域へ積極的に投資を行うとともに、現地パートナーとの連携強化や拠点機能の拡充を図ります。加えて、業界ごとのニーズに最適なソリューション提供を強化していくとともに、継続的な収益が見込めるビジネスモデルを拡大し、収益モデルを変革します。 (成長領域への資源集中投下) 成長領域を再定義し、事業セグメントの再編を行うことで、各事業の役割を明確化し、資本効率を重視した経営資源配分を推進します。 具体的には、インクジェットソリューションズ事業、マイクロデバイス事業、エプソンアトミックス(微細合金粉末)事業を中核とする「プレシジョンイノベーションセグメント」を成長エンジンと位置付け、積極的な投資により競争優位性の強化と事業拡大を図ります。また、「インダストリアル&ロボティクスセグメント」はPhase 2での本格成長を見据えた戦略領域として位置付け、商業・産業プリンティング事業およびロボティクス事業において事業基盤の強化を進めます。 一方、「オフィス・ホームプリンティングセグメント」および「ビジュアル&ライフスタイルセグメント」は、安定的な収益基盤として位置付け、効率化と収益性向上を通じて、成長領域への投資を支える役割を担います。 ②事業戦略 <プレシジョンイノベーションセグメント> 当セグメントは、Phase 1で特に売上・利益成長を期待している領域です。 付加価値の高い産業用途の成長市場における事業群であり、プリントヘッドを中心としたインクジェットソリューションズ事業、タイミングデバイスを中心としたマイクロデバイス事業、微細合金粉末による高機能金属材料の開発、製造、販売を行うエプソンアトミックス事業から構成されます。 インクジェットソリューションズ事業は、熱を使わず、材料を必要な場所に必要な量だけ正確に吐出できるエプソンのインクジェット技術であるマイクロピエゾによって、電子部品、太陽光発電装置、バイオなどの幅広い産業プロセスを変革できるポテンシャルがあると認識しています。さらに、ハードウェアとしてのプリントヘッドの提供のみならず、長年の商品開発のなかで培った駆動制御、インク、画像処理といった周辺技術もソリューションとして提供することができます。また、応用領域を拡大するため、自社の取り組みに加えて、出資や共同開発なども積極的に活用することでさらなる成長を目指します。 マイクロデバイス事業は、AIや自動運転などのモビリティを中心として大容量・高速演算、高速通信の需要の急速な進展に伴い、大きな機会が生まれています。エプソンは、水晶の製造技術と半導体のロジック設計を組み合わせた高精度なタイミングデバイスを作り出せる強みを持っています。そのため、高精度・低消費電力・小型化をすべて統合設計して実現し、技術進化をさせることが可能です。こうした特徴を生かして市場開拓を進めていきます。 <インダストリアル&ロボティクスセグメント> 当セグメントは、競争優位にある商業・産業印刷やロボティクス応用をさらに強化し、需要創出も自らしながら、Phase 2に向かってさらなる成長を期待する領域です。 商業・産業プリンティング事業は、完成品として高生産機を中心にラインアップを充実させるとともに、ソリューション提供の強化により、お客様のアナログ印刷からデジタル印刷への転換を後押ししていきます。 ロボティクス事業は、エプソンの強みであるセンシングと制御技術に加え新たにAI技術なども統合することで、製造業種にとどまらずさまざまなサービス領域や省人化需要に対して、長くお使いいただけるビジネスモデルを提供します。こうした活動のなかでお客様との緊密な関係を作り上げ、将来の成長につながる事業基盤を形成していきます。 <オフィス・ホームプリンティングセグメント> 当セグメントは、効率的な事業オペレーションを追求しながら、安定収益基盤としてエプソンの成長セグメントへの投資を支える領域です。また、当セグメントは、エプソンに大きな三つの強み・資産をもたらしています。 ・全世界の市場稼働台数をベースにしたB2C、B2Bのお客様基盤 ・新興市場での成長とエプソンブランドへの信頼 ・高い生産能力を背景にしたグローバルサプライチェーンの競争力 オフィス・ホームIJP事業は、大容量インクタンクモデルを中心としてインクジェットの応用により新たな市場を作り上げた実績をベースに、オフィスや特定用途向けにおいてもインクジェットへの転換を着実に進めています。また、成長余地が大きい国や地域への展開を継続して、新興市場では市場伸長率以上の成長を目指し、シェアを高めていきます。さらに、こうした販売力に加え、現地での企画設計力、ソリューション提案力を磨き、継続的な需要充足のためのビジネスモデルを提供していきます。 <ビジュアル&ライフスタイルセグメント> 当セグメントは、独自性の高い技術を生かした収益基盤としての領域です。 ビジュアルプロダクツ事業は、市場そのものの成長課題はありますが、教育やプロジェクションマッピングや没入感のある体験などプロジェクション技術が必要とされる領域にさらに特化して需要を開拓することで、高い市場シェアを維持することを目指します。さらに、構造改革を完遂させることで、これまで以上に安定的に利益を創出していきます。 ウエアラブルプロダクツ事業はエプソンにとって大切な祖業としての位置付けです。独自性の高い技術力を生かした商品力・ものづくりを磨き上げるとともに、オペレーションを効率化し収益性を向上させていきます。 ③財務目標 エプソンは、Phase 1で掲げた事業基盤の変革という目的を踏まえ、2028年度の目標を次のとおりといたします。 目標   2025年度 実績   2028年度 目標 売上収益   14,133億円   15,000億円 ROIC   5.5%   8.0% ROE   2.2%   10.0% ROS   5.9%   8.0% 産業領域 事業利益構成比(※3)   45%   60% ※3 4事業セグメント利益合算値に占める同領域の構成比 ④キャッシュ・アロケーション エプソンは、財務健全性を維持しながら成長投資と株主還元を両立させていきます。 2026年度から2028年度までの3年間で営業活動によるキャッシュ・フローは約5,600億円(※4)を見込みます。その原資を、戦略投資も含め、プレシジョンイノベーションセグメントやインダストリアル&ロボティクスセグメントといった成長領域へ積極的に投下します。株主還元については、DOE(株主資本配当率)3%を配当の下限とします。また、今後3年間で合計800億円の自己株式の取得を予定しており、積極的な還元を図ります。 ■中期経営計画Phase 1キャッシュ・アロケーション ※4 研究開発費控除前 (5)「環境ビジョン2050」の考え方 エプソンは、以下のとおり持続可能な社会の前提である環境への取り組みに関するビジョン「環境ビジョン2050」を策定し、2050年に達成する目標と、その実現に向けた取り組みを定めています。 項目   内容 ビジョン ステートメント   2050年に「カーボンマイナス」と「地下資源(※5)消費ゼロ」を達成し、持続可能でこころ豊かな社会を実現する 達成目標   2030年:1.5℃シナリオ(※6)に沿った総排出量削減 2050年:「カーボンマイナス」、「地下資源(※5)消費ゼロ」 アクション   ●商品・サービスやサプライチェーンにおける環境負荷の低減 ●オープンで独創的なイノベーションによる循環型経済の牽引と産業構造の革新 ●国際的な環境保全活動への貢献 ※5 原油、金属などの枯渇性資源 ※6 SBTイニシアチブ(Science Based Targets initiative)のクライテリアに基づく科学的な知見と整合した温室 効果ガスの削減目標
事業等のリスク11,307字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクは次のとおりです。これらのリスクについては、リスク要因になる可能性があると考えられる事項を記載していますが、すべてのリスクを網羅したものではなく、有価証券報告書提出日現在では想定していないリスクや重要性が低いと考えられるリスクも、今後、エプソンの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 また、エプソンは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避および発生した場合の対応に努める方針ですが、係る施策等が成功する保証はなく、効果的に対応できない場合には、エプソンの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在においてエプソンが判断したものです。 (1)リスク管理体制 エプソンは、「内部統制システムの基本方針」に基づき、子会社を含むグループ全体のリスク管理の総括責任者を社長とし、グループ共通のリスク管理については本社主管部門が各事業部門および子会社と協働してグローバルに推進し、各事業固有のリスク管理については事業部長が担当事業に関する子会社を含めて推進する体制としています。リスク管理統括部門は、グループ全体のリスク管理全般をモニタリングおよび是正・調整し、リスク管理活動の実効性を確保しています。これらのリスク管理体制は、エプソングループリスク管理基本規程で定めています。 贈収賄・腐敗行為・カルテル等の不正行為に加え、情報の透明性、知的財産の保護、公正な競争、内部通報者の保護、責任ある鉱物調達、プライバシー保護等、RBA(Responsible Business Alliance)行動規範に基づく幅広い倫理的リスクを重要な経営課題と認識しています。 これらのリスクは、内部統制フレームワーク「COSO(※1)」やリスクマネジメント国際規格「ISO 31000」を参考にしたリスク評価により優先度を定め、エプソングループオペレーションに重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクを「全社重要リスク」、事業オペレーションに重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクを「事業重要リスク」、また子会社オペレーションに重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクを「子会社重要リスク」として特定しています。その特定した重要リスクに対し、制御計画の立案・実行と進捗状況のモニタリングを定期的に行っています。制御活動の有効性については、「全社重要リスク」は四半期ごとに、「事業重要リスク」「子会社重要リスク」は半期ごとに定期評価を実行していることに加え、常にリスク環境のモニタリングに努め、重大化しうる変化を認識した場合には、リスクを分析・評価し、必要に応じて重要リスクとして扱うよう制御計画を見直し、実効性の確保に努めています。また、社長はリスク管理に関する重要事項を半期ごとに取締役会に報告しています。さらには、株主、顧客、従業員、取引先、地域社会、環境等、グループ内外の多様なステークホルダーに対して説明責任を果たすとともに、リスク管理の透明性と実効性の向上に継続的に取り組んでいます。 ※1 Committee of Sponsoring Organizations of the Treadway Commission :ビジネスの倫理観を高め、 内部統制を実施し、企業統治等を目的とした組織委員会 ■ リスク管理体制 ■ 重要リスクの選定 ■ 重要リスク制御活動の管理サイクル (2)事業等のリスク ①プリンターの売上変動による経営成績等への影響について 2026年3月期におけるプリンティングソリューションズ事業セグメントの売上収益1兆295億円は、エプソンの連結売上収益1兆4,133億円の約7割を占めており、そのなかでもオフィス・ホーム市場向けのほか、商業・産業向けのインクジェットプリンターを中心とする各種プリンターと、これらの消耗品が売上収益および利益の多くを占めています。従って、これらのプリンターおよび消耗品の売上収益が変動した場合には、エプソンの経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ②他社との競合について (販売における影響) エプソンの主力製品であるプリンターやプロジェクターをはじめとする製品全般について、他社との競合の激化により、販売価格の低下や低価格品への需要のシフトおよび販売数量の減少等の影響を受けることがあります。 エプソンでは、これらの状況に対して、各市場での顧客ニーズに対応した製品や高付加価値製品およびサービスの提供に取り組むとともに、設計・開発の効率化やコストダウン等により製造コストの削減に努め、係る販売価格の低下や低価格品への需要のシフトおよび販売数量の減少等に対処していく方針です。 しかしながら、今後、これらの施策が成功する保証はなく、エプソンが係る販売価格の低下等に効果的に対応できない場合には、エプソンの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (テクノロジーにおける影響) エプソンの販売する一部の製品については、他社のテクノロジーと競合しており、例えば、次のような事例があります。 ・インクジェットプリンターにおけるエプソンのマイクロピエゾ方式(※2)と他社のサーマルインクジェット方式(※3)との競合 ・プロジェクターにおけるエプソンの3LCD(三板透過型液晶)方式(※4)と他社のDLP方式(※5)等との競合ならびにエプソンのプロジェクターと他社のFPD(フラットパネルディスプレイ)(※6)との競合 エプソンは、これらのエプソンの製品において採用している方式について、現時点では競合他社の方式に対する技術的な競争優位性があると考えていますが、消費者によるエプソンの技術に対する評価が変化した場合や、エプソンの技術と競合するほかの革新的な技術が出現した場合等には、エプソンの技術的な競争優位性が損なわれ、エプソンの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ※2 マイクロピエゾ方式とは、ピエゾと呼ぶ圧電素子を伸縮させて、インク滴をノズルから噴射させるエプソン独自のインクジェット技術をいいます。 ※3 サーマルインクジェット方式とは、インクに熱を加えることで発生する気泡の圧力により、インク滴を噴射する技術をいいます。なお、バブルジェット方式といわれることもあります。 ※4 3LCD(三板透過型液晶)方式とは、ライトバルブに高温ポリシリコンTFT液晶パネルを用いる方式であり、光源から出射された光を特殊な鏡を使って赤・緑・青の3原色に分離し、各色専用のLCDで映像をつくった後、無駄なく再合成し投影します。 ※5 DLP方式とは、表示デバイスにDMD(Digital Micromirror Device)を用いる方式です。DMDとは、ミクロンサイズの微極小な鏡が多数並んだ半導体で、一つの鏡が1画素に対応し光源からの光を反射することで映像を投影します。なお、DLPおよびDMDは、米国テキサス・インスツルメンツ社の登録商標です。 ※6 FPDとは、薄型・平坦な画面の薄型映像表示装置の総称です。 (新たな競合の発生) エプソンは、現在、高度な技術力、豊富な資金力または強固な財務基盤を有する大企業あるいは市場における認知度、供給力または価格競争力を有する国内外の企業との間で競合関係にありますが、これらに加え、将来、ほかの企業が、ブランド力、技術力、資金調達力、マーケティング力、販売力および低コストの生産能力等を生かしてエプソンの事業領域へ新規参入してくる可能性もあります。 ③経営環境の急激な変化等について エプソンは、長期ビジョン「ENGINEERED FUTURE 2035」のもと、各戦略等に基づく諸施策を展開しており、技術的な競争優位性を確立することが競争力を高めるために重要な要素であると考えています。創業当時からの独自の強みである「省・小・精」の技術を源泉とする「マイクロピエゾ」「マイクロディスプレイ」「センシング」「ロボティクス」等の独自のコア技術とデジタル技術等の製品技術およびこれらを支える基盤技術を進化させることにより、顧客ニーズに対応した製品の開発・製造・販売およびサービスの提供を行っています。 エプソンが経営資源を集中しているこれらの事業領域における製品の属する市場は、一般的に技術革新の速度が速いとともに製品ライフサイクルが短く、また、世界景気の変動やデジタル化の進展等に伴うエプソンの主要市場における需要・投資動向が、エプソンの製品の販売に影響を及ぼす可能性があるほか、現在推進している長期ビジョンや事業戦略およびこれらで定められた各種の施策が必ずしも実現または成功する保証はありません。 このような事業環境のもと、エプソンでは、引き続き各市場や顧客のニーズの把握に努め、製品市場予測による中・長期的な研究開発や投資を行うほか、開発・設計のプラットフォーム化等により、既存製品から新製品への迅速かつ円滑な移行等にも取り組んでいく方針です。 しかしながら、今後、市場でのニーズや技術革新の変化に適切に対応できない場合、他社との競争が激化した場合、景気後退等により需要が回復しない場合および主要市場における急激な需要変動に適切に対応できない場合等には、エプソンの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ④第三者によるインクジェットプリンター用消耗品の販売について インクジェットプリンターの主な消耗品であるインクカートリッジ等は、エプソンの売上収益および利益にとって重要なものとなっています。インクカートリッジ等のインクジェットプリンター用消耗品については、第三者によりエプソンのプリンター向けに供給される製品が存在しています。これらの第三者による製品は、一般的にエプソンの純正品よりも廉価で販売されており、また、先進国市場と比較して新興国市場においてより流通している状況にあります。 エプソンは、こうした第三者によるインクジェットプリンター用消耗品の販売について、純正品としての高い品質の訴求のほか、大容量インクタンクを搭載したモデルの販売等、各市場における顧客ニーズに的確に対応したインクジェットプリンターを提供し、顧客の利便性をさらに高めることにより、引き続きお客様価値の実現を図っていく方針です。また、エプソンが保有するインクカートリッジに関する特許権および商標権の侵害に対しては、適宜、法的措置を講じていく方針です。 しかしながら、これらの施策が必ずしも有効である保証はなく、将来において第三者による製品の販売が拡大し、純正品のシェア低下に伴う販売数量の減少や、これに対応するための販売価格の引下げ等により、インクカートリッジ等の売上収益および利益が減少した場合には、エプソンの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤海外での事業展開について エプソンは、グローバルに事業を展開しており、2026年3月期の連結売上収益のうち8割以上は海外における売上収益が占めています。エプソンは、中国、インドネシア、シンガポール、マレーシアおよびフィリピン等のアジア地域をはじめ、アメリカやイギリス等にも生産拠点を有し、販売会社も世界各地域に設立しています。また、2026年3月末における海外従業員数はエプソンの全従業員数の7割以上を占めています。 エプソンでは、こうしたグローバルな事業展開は地域ごとの市場ニーズを的確に捉えたマーケティング活動を可能とし、また、製造コストの削減およびリードタイムの短縮によるコスト競争力の確保等、事業上の多くのメリットがあると考えています。一方で、海外における製造・販売に関しては、各国政府の製造・販売に関する諸法令・規制、社会・政治および経済状況の変化、輸送の遅延、電力・通信等のインフラの障害、為替制限、熟練労働力の不足、地域的な労働環境の変化、各国における税制改正および税務当局による税務執行の不確実性、保護貿易諸規制、各種地政学的リスク、そのほかエプソンの製品の輸出入に対する諸法令・規制等、海外事業展開に不可避のリスクがあります。 ⑥特定の仕入先からの部品等の調達について エプソンは、第三者から一部の部品等を調達していますが、一般的に長期仕入契約を締結することなく継続的な取引関係を維持しています。また、エプソンは、部品等に関して複数社からの調達を原則としていますが、特定の部品等については、他社からの代替調達が困難であるため、1社のみからの調達となる場合があります。エプソンでは、品質の維持・改善やコスト低減活動等に調達先と共同で取り組むこと等により、安定的かつ効率的な調達活動を展開していく方針ですが、仮にこれらの調達先からの供給の不足や供給された部品等の品質不良等により、製造・販売活動に支障をきたした場合には、エプソンの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦品質問題について エプソンの製品保証の有無および内容は顧客との個別の契約により異なります。エプソンの製品に不良品または規格に適合しないものがあった場合には、エプソンは当該製品の無償での交換または修理等、不良品を補償するコストを負担し、また、当該製品が人的被害または物的損害を生じさせた場合には、製造物責任等の責任を負う可能性があります。 このほか、エプソンの製品の性能に関し適切な表示または説明がなされなかったことを理由として、顧客等に対し責任を負う場合や、改良のためのコストが発生する可能性があります。さらに、エプソンの製品にこのような品質問題が発生した場合には、エプソンの製品への信頼性を損ない、顧客の喪失または当該製品への需要の減少等により、エプソンの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧知的財産権について エプソンにとって、特許権およびそのほかの知的財産権は競争力維持のために非常に重要です。エプソンは、自らが必要とする多くの技術を自社開発してきており、それを国内外において特許権、商標権およびそのほかの知的財産権として、あるいは他社と契約を締結することにより、製品および技術上の知的財産権を設定し保持しています。また、知的財産権の管理業務に人員を重点的に配置し、知的財産権の強化を図っています。 しかしながら、次に想定されるような知的財産権に関する問題が発生した場合には、エプソンの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ・エプソンが保有する知的財産権に対して異議申し立てや無効請求等がなされる可能性、その結果、当該知的財産権が無効と認められる可能性 ・第三者間での合併または買収の結果、従来、エプソンがライセンスを付与していない第三者がライセンスを保有し、その結果、エプソンが知的財産権の競争優位性を失う可能性 ・第三者との合併または買収の結果、従来、エプソンの事業に課せられなかった新たな制約が課せられる可能性およびこれらを解決するために支出を強いられる可能性 ・エプソンが保有する知的財産権が競争優位性をもたらさない、またはその知的財産権を有効に行使できない可能性 ・エプソンまたはその顧客が第三者から知的財産権の侵害を主張され、その解決のために多くの時間とコストを費やし、または経営資源等の集中が妨げられることになる可能性 ・第三者からの侵害の主張が認められた場合に多額の賠償金やロイヤリティの支払い、該当技術の使用差し止め等の損害が発生する可能性 ・エプソンの従業員等により発明等に対する報酬に関する訴訟が提起され、その解決のために多くの時間とコストを強いられる可能性、その結果、多額の報酬の支払いが決定される可能性 ⑨環境問題について エプソンは、国内外において製造過程で発生する廃棄物および大気中への排出物等について、さまざまな環境規制に対応した活動が求められています。さらに、国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)にて採択されたパリ協定により、世界的な気候変動への対応に関心が高まるなか、企業としてもより高い削減目標を掲げて取り組む必要性が増しています。 係る状況のもと、エプソンは、2050年に「カーボンマイナス」と「地下資源(※7)消費ゼロ」の達成を目指す「環境ビジョン2050」に基づき、環境負荷を低減した製品の開発・製造、環境技術の開発、使用エネルギー量の削減、使用済み製品の回収・リサイクル・再生利用の推進、国際的な化学物質規制(主に欧州のRoHS指令やREACH規則)への対応および環境管理システムの改善等、多くの側面から環境保全活動に取り組んでいます。GHGの排出削減目標に関しては、2050年のネットゼロ目標とその達成に向けた2030年の総排出量削減目標についてSBTi(Science Based Targets initiative)の承認を受けるとともに、再生可能エネルギー100%活用の維持や省エネ活動等、中長期に向けた削減活動を推進しています。 こうした活動の結果、エプソンのGHG排出量は着実に減少しています。詳細な数値は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)気候変動(TCFD) ④ 指標及び目標」をご参照ください。なお、2021年11月に完了した国内拠点の再生可能エネルギー転換の維持に加え、2023年12月海外拠点の転換完了により、以降の電力起因によるスコープ2排出量はゼロとなります。 エプソンでは、これまで重大な環境問題が発生したことはありませんが、将来において環境問題が発生し、損害の賠償や浄化等の費用負担、罰金または生産中止等の影響を受ける可能性、あるいは新しい規制が施行され多額の費用負担が必要となるリスクがあり、このような事態が実現した場合には、エプソンの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ※7 原油・金属等の枯渇性資源 ⑩人材の確保について エプソンの高度な新技術・新製品の開発・製造には、国内外における優秀な人材の確保が重要ですが、これらの人材の獲得競争は激しいものとなっています。エプソンは、役割に基づいた処遇制度の導入、人材育成、ダイバーシティの取り組み、働き方改革と健康経営の推進および現地人材の積極的な登用等により、多様な人材がその能力を発揮できる風土づくりや働きやすい環境づくりを推進し優秀な人材の確保に努めていますが、仮にこれらの人材を十分に採用または雇用し続けることができない場合や、技術等の継承が適切にできない場合には、エプソンの事業計画の遂行等に影響を及ぼす可能性があります。 ⑪為替変動について エプソンの売上収益の相当部分は、米ドルおよびユーロ等の外貨建てとなっています。エプソンは、海外調達の拡大および生産拠点の海外移転等を進めたことにより、現状、米ドル建ての費用は米ドル建ての売上収益を上回る状況となっていますが、一方でユーロ建ての売上収益は依然としてユーロ建ての費用よりもかなり多い状況にあります。また、これら以外の外国通貨についても、全般的に売上収益が費用をかなり上回っています。エプソンは、為替変動リスクをヘッジするために為替予約取引等を行っていますが、米ドル、ユーロおよびこれら以外の外国通貨の日本円に対する為替変動は、エプソンの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ⑫年金制度について エプソンの設けている確定給付型の制度として、確定給付企業年金制度および退職一時金制度があります。 エプソンは、確定給付型の退職年金制度について、年金資産の運用収益率の低下や受給権者の増加といった状況を踏まえ、今後の環境変化に適応するとともに、将来にわたり安定的に維持運営することを目的として2014年4月に制度改定を実施しましたが、年金資産の運用成績の変動および退職給付債務の数理計算の基礎となる割引率の見積り数値の変動等が発生した場合には、エプソンの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ⑬法規制および関係当局等による調査について エプソンは、グローバルに事業を展開しており、各国・各地域および各事業におけるさまざまな法規制や関係当局等による調査の対象になる場合があります。例えば、エプソンは、現在、私的独占の禁止および公正取引の確保に関する法律等、国内外の独占禁止法令に基づく手続の対象となっているほか、今後、公的機関等を含む新規顧客への営業活動の強化にあたり、これらの活動に関係する各種の法規制やコンプライアンス(法令遵守)への対応が一層求められることがあります。 このような状況を踏まえ、エプソンでは従来、コンプライアンスを重要な経営方針の一つとして位置付け、適宜、未然防止・制御活動(RBA(Responsible Business Alliance)加盟による労働者保護や環境保全活動のさらなる促進を含む)を展開していますが、今後も海外の競争法関係当局が特定の業界等を対象に調査または情報収集を行うことがあり、その一環としてエプソンも市場状況および販売方法一般に関する調査等を受けることがあります。また、腐敗防止法規制、広告・表示規制、個人情報保護・プライバシー規制のほか、安全保障貿易管理等において、関係法令等への抵触またはそのおそれが生じることや、より厳格な法規制の導入や関係当局による法令運用の強化が行われることがあります。 これらの関連法規の違反があった場合や関係当局による調査・手続が実施された場合には、エプソンの販売活動に支障が生じ、またはエプソンの社会的信用を損なうこと、もしくは多額の制裁金が課されることがあるほか、事業活動に制約が生じるおそれがあるとともに、係る法規制を遵守するための費用が増加すること等により、エプソンの経営成績や今後の事業展開等に影響を及ぼす可能性があります。 有価証券報告書提出日現在、エプソンに対する法規制等に基づく調査は、次のとおりです。 フランスにおいて販売されるインクジェットプリンター製品に関し、2017年に同国の消費者団体による消費者保護法に基づく申し立てがなされ、当局による調査が開始されています。なお、同消費者団体が主張するような製品の寿命を短くしているという意図はなく、エプソンは、今後とも品質や環境を重視し、お客様のニーズに合わせた設計をしてまいります。 現時点において係る調査の進展、結果および終結の時期ならびにそのエプソンの経営成績および今後の事業展開等への影響を予測することは困難です。 ⑭重要な訴訟について エプソンは、各事業セグメント等に関する各製品の開発、製造、販売およびこれらに付帯するサービスの提供を主な事業として、国内外においてさまざまな事業活動を展開しています。その事業の特性上、知的財産権、製造物責任、独占禁止法、環境規制等に関連して訴訟が提起される場合や、法的手続が開始される可能性があります。 有価証券報告書提出日現在、エプソンに係争している重要な訴訟は、次のとおりです。 当社の連結子会社であるEpson Europe B.V.(以下「EEB」という。)は、2010年にベルギーにおける著作権料徴収団体であるLa SCRL REPROBEL(以下「REPROBEL」という。)に対して、マルチファンクションプリンターに関する著作権料の返還等を求める民事訴訟を提起しました。その後、REPROBELがEEBを提訴したことにより、これら二つの訴訟は併合され、係る訴訟の第1審ではEEBの主張を棄却する判決がなされましたが、EEBはこれを不服として上訴する方針です。 現時点において上記の訴訟の結果および終結の時期を予測することは困難ですが、訴訟または法的手続の結果によっては、エプソンの経営成績や今後の事業展開等に影響を及ぼす可能性があります。 ⑮財務報告に関する内部統制について エプソンは、財務報告の信頼性に関する内部統制の構築および運用を重要な経営課題の一つとして位置付け、グループを挙げて関係会社の管理体制等の点検・改善等に取り組んでいます。しかしながら、常に有効な内部統制システムを構築および運用できる保証はなく、また、内部統制システムに本質的に内在する固有の限界があるため、今後、上記の対応が有効に機能しなかった場合や、財務報告に関する内部統制の不備または開示すべき重要な不備が発生した場合には、エプソンの財務報告の信頼性に影響が及ぶ可能性があります。 ⑯他社との提携について エプソンは、事業戦略の選択肢の一つとして、他社と業務提携等を行うことがあります。しかしながら、当事者間における提携等の見直しに伴い、提携関係が解消される可能性があるほか、提携内容の一部変更が行われる可能性があります。また、提携等による事業戦略が必ずしも想定どおり成功し、エプソンの経営成績等に寄与する保証はありません。 ⑰自然災害・感染症等について エプソンは、研究開発、調達、製造、物流、販売およびサービスの拠点を世界に展開していますが、これらの地域において予測不可能な自然災害、新興感染症の流行、調達先罹災によるサプライチェーン上の混乱、戦争・テロ等が発生した場合には、エプソンの経営成績や事業展開等に影響を及ぼす可能性があります。 これらのうち、特にエプソンの主要な事業拠点が所在する長野県中部は、糸魚川静岡構造線に沿った活断層帯がある等、地震発生リスクが比較的高い地域であるため、エプソンでは、設備の耐震構造強化のほか、防災訓練等の地震防災計画やBCP(事業継続計画)の策定等により、係る災害に伴う影響の軽減に向けた対応を可能な範囲において行っています。また、BCPを適切に維持・改善するためのサプライチェーンBCM(事業継続マネジメント)を推進しています。 しかしながら、長野県中部に大規模な地震が発生した場合には、これらの施策にも関わらず、エプソンが受ける影響は甚大なものになる可能性があります。なお、エプソンは、地震により発生する損害に対しては地震保険を付保しているものの、その補償範囲は限定されています。 ⑱情報セキュリティーについて エプソンでは、情報システムにおいてネットワークの利用範囲の拡大や利用頻度の増加が続いており、その重要性が増しています。また、グローバルな事業活動を通じて顧客の個人情報や取引先の機密データを扱っています。セキュリティー上の脅威が年々増しているなか、コンピュータウイルスの感染、顧客データの漏洩、社内重要基幹システムの障害発生、サイバー攻撃、AIの誤用に起因する情報漏洩・第三者の権利侵害、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)における風評被害等が発生した場合には、エプソンの経営成績や事業展開等に影響を及ぼす可能性があります。 これに対しエプソンでは、全従業員に情報セキュリティー教育を実施しているほか、サイバーセキュリティー対策に関する方針を定めたグランドデザインを策定・制定し、各種施策を実施し対策を講じています。また、グローバルでのセキュリティー事故への対応体制の確立、サイバーセキュリティー対策についての対応計画の策定と対策の実施、製品セキュリティーの強化等に取り組んでいく方針です。
経営成績の分析 (MD&A)6,230字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況 当連結会計年度における世界経済は、米国関税政策の影響や直近の中東情勢等により、不確実性の高い環境下で推移しました。地域別の動向では、国内経済は緩やかな回復基調のもと推移しました。米国経済は個人消費が底堅く、堅調さを維持しました。欧州経済はエネルギー価格の高止まりや地政学的要因の影響を受け、成長鈍化基調で推移しました。中国経済は政策下支えを背景に、総じて安定した推移となりました。 今後の経済環境についても、地政学的リスクや各国の通商政策の動向等から不透明な状況が続くものと見込まれることから、引き続き市場動向や経済情勢を注視してまいります。 このような状況のなか、売上収益は、プリンティングソリューションズ事業セグメントやマニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメントの増収等により1兆4,133億円(前期比3.7%増)となりました。 事業利益は、増収や為替のプラス影響があった一方で、米国関税による影響等を受けた費用増が生じ838億円(同6.5%減)となりました。また、営業利益は連結子会社であるFieryののれんの一部に減損損失を計上したこと等から496億円(同34.0%減)となり、税引前利益は500億円(同36.2%減)となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は182億円(同67.0%減)となりました。 なお、当連結会計年度の米ドルおよびユーロの平均為替レートはそれぞれ150.69円および174.74円と前期に比べ、米ドルは1%の円高、ユーロは7%の円安に推移しました。 (単位:億円) 前連結 会計年度   当連結 会計年度   増減金額   増減率   主な増減理由 売上収益   13,629   14,133   503   3.7%   [売上収益] プリンティングソリューションズ事業セグメント+494 ビジュアルコミュニケーション事業セグメント△224 マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメント+246 [事業利益] プリンティングソリューションズ事業セグメント△43 ビジュアルコミュニケーション事業セグメント△168 マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメント+140 売上原価   △8,699   △9,125   △426   - 売上総利益   4,930   5,008   77   1.6% 販売費及び 一般管理費   △4,034   △4,170   △135   - 事業利益(※1)   896   838   △58   △6.5% その他の営業収益・ その他の営業費用   △145   △342   △197   -   のれんの減損損失の計上によるその他の営業費用の増加等 営業利益   751   496   △255   △34.0% 金融収益・金融費用   33   5   △28   -   受取利息の減少等 税引前利益   784   500   △284   △36.2% 法人所得税費用   △232   △318   △86   -   一部の繰越欠損金について繰延税金資産を認識していないことによる増加等 当期利益   552   182   △370   △67.0% 親会社の所有者に 帰属する当期利益   552   182   △370   △67.0% ※1 事業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しています。 報告セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。 (プリンティングソリューションズ事業セグメント) オフィス・ホームプリンティング事業の売上収益は、オフィス・ホームIJP本体の販売が堅調に推移したこと等により前期に対して若干の増収となりました。ジャンル別の本体販売数量は、インクカートリッジモデルが減少する一方、大容量インクタンクモデルは中東・アフリカの新興国市場やアジア、南米等を中心に増加しました。オフィス共有IJPの本体販売数量は、新興国市場を中心に拡販が進展し若干の増加となりました。オフィス・ホームIJP消耗品の売上収益は、大容量インクタンクモデルのインクボトルおよびオフィス共有IJPのインクの販売が増加した一方、大容量インクタンクモデルへのシフトもありインクカートリッジの販売減が大きく、前期並みとなりました。 商業・産業プリンティング事業の売上収益は、増収となりました。商業・産業IJPの完成品ビジネスは、案件の獲得や新製品の投入効果等により増収となりました。プリントヘッド外販ビジネスは、中国市場での軟調な需要が継続したこと等により前期並みとなりました。また、小型プリンター他の売上収益は、主に北米や欧州、国内向けの販売が堅調であったことにより増収となりました。 プリンティングソリューションズ事業セグメントのセグメント利益は、増収や為替のプラス影響があった一方で、米国関税によるマイナス影響が大きく、減益となりました。 以上の結果、プリンティングソリューションズ事業セグメントの売上収益は1兆295億円(前期比5.0%増)、セグメント利益は1,206億円(同3.4%減)となりました。 なお、Fiery社に係るのれんの減損損失の計上額は259億円であります。これは、同社が手がける商業印刷および産業印刷市場において、米国における関税政策の影響等を背景に設備投資の抑制が進む等、市場環境が想定以上に悪化しており、このような状況を踏まえ事業計画を慎重に見直したことによるものです。 (ビジュアルコミュニケーション事業セグメント) ビジュアルコミュニケーション事業セグメントの売上収益は、中国市場の悪化に加え、欧米を中心とした教育市場での販売減の影響が大きく、減収となりました。 ビジュアルコミュニケーション事業セグメントのセグメント利益は、減収によるマイナス影響が大きく、大幅な減益となりました。 以上の結果、ビジュアルコミュニケーション事業セグメントの売上収益は1,814億円(前期比11.0%減)、セグメント利益は123億円(同57.8%減)となりました。 (マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメント) マニュファクチャリングソリューションズ事業の売上収益は、中国や東南アジアで需要が拡大し増収となりました。 ウエアラブル機器事業の売上収益は、国内におけるインバウンド需要に伴う販売増や、新製品の投入効果等により増収となりました。 マイクロデバイス事業の売上収益は、増収となりました。水晶デバイスの売上収益は、販売の拡大が継続するなかで大幅な増収となりました。半導体の売上収益は、一部顧客で需要回復があり、増収となりました。 マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメントのセグメント利益は、マニュファクチャリングソリューションズ事業やマイクロデバイス事業を中心とした増収の影響が大きく、大幅な増益となりました。 以上の結果、マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメントの売上収益は2,061億円(前期比13.6%増)、セグメント利益は108億円(前期はセグメント損失32億円)となりました。 なお、マニュファクチャリングソリューションズ事業において、将来の成長に向けて製品・ソフト等の競争力強化の投資は継続し市場シェアの伸長もみられるものの、主要販売地域における市場回復が想定より緩やかであり、また一部主要顧客の投資動向に未だ不確実性が残っている等収益性の改善に一定の時間を要することから、減損損失13億円を計上しました。 (調整額) 報告セグメントに帰属しない基礎研究に関する研究開発費や新規事業・本社機能に係る収益、費用の計上等 により、報告セグメントの利益の合計額との調整額が△598億円(前期の調整額は△611億円)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、主に当期利益182億円や減価償却費及び償却費の計上、減損損失及び減損損失戻入益の計上といった要因により1,124億円の収入(前期は1,381億円の収入)となりました。 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形資産の取得による支出といった要因により656億円の支出(前期は1,508億円の支出)となりました。 財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の償還や配当金の支払いによる支出といった要因により396億円の支出(前期は451億円の支出)となりました。 以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、為替変動の影響を合わせ、前連結会計年度末から216億円増加し2,886億円となりました。 ③生産、受注及び販売の実績 a.生産実績 エプソンの生産実績は、販売実績と近似しているため、記載を省略しております。 b.受注実績 エプソンでは、製品の性質上、原則として見込生産を行っているため、該当事項はありません。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 セグメントの名称   販売実績(百万円)   前期比(%) プリンティングソリューションズ事業   1,029,483   105.0 ビジュアルコミュニケーション事業   181,388   89.0 マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業   196,868   114.3 報告セグメント計   1,407,740   103.8 その他   5,511   80.2 合計   1,413,251   103.7 (注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。 2.総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点によるエプソンの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項については、当連結会計年度末現在における予想や一定の前提に基づくものであり、これらの記載は実際の結果と異なる可能性があるとともに、その達成を保証するものではありません。 ①経営成績等 (財政状態) 当連結会計年度末における資産合計は、主にのれんの減損損失の計上により、のれん及び無形資産が減少した一方で、現金及び現金同等物や売上債権及びその他の債権、棚卸資産が増加したこと等により前連結会計年度末に対して784億円増加し1兆5,349億円となりました。 負債合計は、主に社債、借入金及びリース負債の増加等により、前連結会計年度末に対して297億円増加し、6,812億円となりました。 親会社の所有者に帰属する持分合計は、主に配当金の支払いを行った一方で、在外営業活動体の換算差額を主因としたその他の包括利益や親会社の所有者に帰属する当期利益182億円の計上等があったこと等により、前連結会計年度末に対して488億円増加し8,535億円となりました。 (経営成績) 経営成績につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。 (キャッシュ・フローの状況) キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。 ②資金の源泉および流動性 当連結会計年度後1年間の設備投資計画金額は850億円であり、所要資金につきましては、内部資金によりまかなう予定です。セグメントごとの設備投資計画金額につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。なお、上記設備投資計画金額には、リースによる設備投資を含めております。 エプソンでは、設備投資等の事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用および金融機関からの借入と社債の発行により資金を調達しております。 有利子負債の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度と比較して67億円増加し、2,315億円となりました。現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度と比較して216億円増加し、2,886億円となり、手元流動性は十分に確保しております。 また、有事に備えた財務基盤強化の一環として、2020年5月に主要行との間で、環境評価融資商品のコミットメントライン契約を締結し、2023年5月に契約を更新しておりますが、当連結会計年度末における当該コミットメントライン契約に基づく借入実行残高はありません。 なお、エプソンは、株式会社格付投資情報センターから信用格付を取得しており、当連結会計年度末において、A(シングルA)となっております。 ③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 エプソンは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、「省・小・精」の技術・思想を基盤として、精密技術と現場で培った知見を掛け合わせ、最適解を産業と社会に実装していくことを通して、「産業の生産性と信頼性を高め、持続可能な成長を実現すること」「学び・働き・暮らしに新たな価値を創出し可能性を広げていくこと」「人と地球がともに前に進み続けられるよう、社会価値と企業価値を同時に高めていくこと」を、新長期ビジョン「ENGINEERED FUTURE 2035」で目指す姿と定めています。 「ENGINEERED FUTURE 2035」で目指す姿を達成するために、10年間を三つのPhaseに分け、2026年度から2028年度までの中期経営計画をPhase 1と定めています。Phase 1においては「収益基盤の変革」と「成長領域への資源集中投下」を実行し、2028年度までにROIC 8.0%の達成を目指します。 さらに、持続可能な社会の前提である環境への取り組みに関するビジョン「環境ビジョン2050」を策定し、2050年に「カーボンマイナス」と「地下資源(※2)消費ゼロ」の達成を目指しています。 ※2 原油、金属等の枯渇性資源 なお、当該長期ビジョンの実現に向けて設定した財務目標は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。 ④重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定 エプソンの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定によりIFRS会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。 なお、エプソンの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積りおよび見積りを伴う判断」に記載しております。

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出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は IFRS

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IR資料の開示履歴 (TDnet)
  • 決算説明資料2026年度(2027年3月期)第1四半期 決算説明会資料2026-08-05

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