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日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,085.45+319ドル円158.62-2NASDAQ26,241.86+142S&P 5007,680.46+49SOX 指数11,350.08+619/2終値

IHI

IHI Corporation7013 · Prime · 機械

重工4セグメントで社会インフラから航空宇宙まで手掛ける総合エンジニアリング企業

概要

IHI(株式会社IHI)は、1889年創業の日本の重工業メーカーである。航空エンジン、エネルギー関連設備(ボイラ・タービン)、社会インフラ(橋梁・水門)、産業機械(ターボチャージャー)などを手掛ける総合エンジニアリング企業。2026年3月期の売上収益は1兆6,434億円、従業員は約2.6万人。東京証券取引所プライム市場に上場(コード7013)。

4つの事業セグメントで構成される収益構造

IHIは、有価証券報告書において4つの報告セグメントを開示している。2026年3月期のセグメント別売上収益は、航空・宇宙・防衛が6,517億円(全体の39.7%)、産業システム・汎用機械が4,505億円(27.4%)、資源・エネルギー・環境が3,767億円(22.9%)、社会基盤が1,319億円(8.0%)である。営業利益では航空・宇宙・防衛が1,124億円と最大の稼ぎ手であり、産業システム・汎用機械が307億円で続く。資源・エネルギー・環境は59億円、社会基盤は37億円である。セグメント間の取引調整後、連結営業利益は1,655億円となった。航空・宇宙・防衛は民間エンジンのアフターマーケット事業や防衛向け大型案件が収益を牽引している。

連結子会社127社、持分法適用関連会社18社のグループ体制

IHIグループは、2026年3月31日現在、連結子会社127社、持分法適用関連会社18社で構成される。中核事業ごとに子会社が配置され、資源・エネルギー・環境ではIHI原動機、IHIプラント、インドネシアやマレーシアの現地法人が製造・販売を担う。社会基盤ではIHIインフラシステム(2026年4月にIHIインフラスクエアに商号変更)が橋梁・水門を、ジャパントンネルシステムズがシールドマシンを手掛ける。産業システム・汎用機械ではIHI運搬機械、IHI扶桑エンジニアリング、ドイツのIHI Hauzer Techno Coatingなどが含まれる。航空・宇宙・防衛ではIHIエアロスペース、IHIエアロマニュファクチャリングなどがエンジン製造・整備を担う。また米国、欧州、東南アジア、中国などに多くの現地法人を持ち、グローバルな事業展開を行っている。

ライフサイクルビジネスで安定収益を追求

IHIは、中長期方針において「ライフサイクルビジネスの拡大」を掲げている。これは、製品の販売だけでなく、据付後の保守・点検・部品交換・修理などを含むサービス事業を拡大し、安定的な収益基盤を築く戦略である。特に航空エンジン分野では、運航時間の増加を背景にアフターマーケット需要が拡大しており、鶴ヶ島工場では修理棟を新設して高付加価値部品の修理能力を強化している。また、原子力分野では、再稼働・再処理に伴うライフサイクル需要を取り込むことで安定収益を狙う。一方、資源・エネルギーや社会基盤の既存設備向けサービスも展開し、製品ライフ全般にわたる価値提供を志向している。

業界の中での役割は産業用機械・プラント・航空エンジンの総合メーカーにあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
1.6兆円
営業利益
1,655億円
営業利益率
10.1%
純利益
1,610億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01資源・エネルギー・環境主力

原動機(陸用・舶用)、カーボンソリューション(ボイラ、貯蔵設備)、原子力機器等の製造・販売・サービスを展開。発電プラントや環境対応設備を電力会社や産業向けに供給。

主な製品・サービス5
陸用原動機プラント
発電用ガスタービン・エンジンシステム。発電所向け。
舶用原動機
船舶用エンジンシステム。
ボイラ
火力発電用ボイラ、産業用ボイラ。
貯蔵設備
LNGタンク等のエネルギー貯蔵設備。
原子力機器
原子力発電所用機器。

02社会基盤主力

橋梁・水門、交通システム(新交通システム等)、シールドシステム(トンネル掘削機)、コンクリート建材等の製造・販売・サービス。公共インフラ向けに納入。

主な製品・サービス4
橋梁・水門
鋼橋・PC橋、水門設備等の社会インフラ製品。
交通システム
新交通システム、モノレール等の都市交通システム。
シールドシステム
トンネル掘削用シールドマシン。
コンクリート建材
プレキャストコンクリート製品等。

03産業システム・汎用機械主力

車両過給機、パーキングシステム、回転機械(圧縮機・分離装置・舶用過給機)、熱・表面処理、運搬機械、物流・産業システム等の製造・販売・サービス。産業機械として自動車・物流・製造業等に供給。

主な製品・サービス6
車両過給機(ターボチャージャー)
自動車エンジン用ターボチャージャー。過給により出力向上。
パーキングシステム
機械式駐車装置。
圧縮機
ガス・空気圧縮機。工場・プラント向け。
分離装置
遠心分離機等。化学・食品プラント向け。
運搬機械
クレーン・コンベヤ等の荷役運搬機械。
物流システム
自動倉庫・仕分けシステム等の物流ソリューション。

04航空・宇宙・防衛主力

航空エンジン、ロケットシステム・宇宙利用、防衛機器システムの製造・販売・サービス。航空機向けエンジン部品・エンジン全体、宇宙ロケット、防衛装備品を供給。

主な製品・サービス4
航空エンジン
民間・防衛用航空機エンジン及び部品。
ロケットシステム
宇宙ロケットの開発・製造。
宇宙利用
衛星等の宇宙関連機器。
防衛機器システム
防衛省向け装備品システム。

05その他(通信・電子・計測等)その他

通信機器、電子機器、電気計測装置、情報処理機器等の製造・販売・サービス。またグループ内サービス事業等も含む。

製品と技術

航空エンジン:民間向けPW1100G-JMなどに参画

IHIの航空宇宙・防衛セグメントの中核は、民間航空機向けジェットエンジンの製造・整備である。特にプラット・アンド・ホイットニー社と共同開発したPW1100G-JMエンジンは、エアバスA320neoシリーズに搭載され、高い燃費性能で知られる。IHIはこのエンジンのモジュール製造とアフターマーケット整備を担当する。2026年3月期には、出荷済みエンジンの追加検査プログラムが発生し、整備能力増強と地上駐機数低減に取り組んでいる。また、防衛向けエンジンやロケットシステムも手掛け、IHIエアロスペースが宇宙ロケットの開発・製造を、IHIエアロマニュファクチャリングがエンジン部品の量産を担う。

エネルギー設備:ボイラからアンモニア燃焼技術まで

資源・エネルギー・環境セグメントでは、火力発電用ボイラ、ガスタービン、LNG貯蔵設備などを供給する。ボイラは国内外の電力会社向けに納入実績があり、近年はカーボンニュートラル対応としてアンモニア混焼・専焼技術の開発に注力している。相生工場内にアンモニアガスタービン向け大型燃焼試験設備を新設し、燃料製造から貯蔵・輸送・利活用までのバリューチェーン構築を目指す。原子力機器では、再稼働需要に対応したライフサイクルビジネスを展開している。

橋梁・水門とシールドマシン:社会基盤を支える

社会基盤セグメントでは、鋼橋・PC橋や水門設備の設計・施工を手掛ける。IHIインフラシステム(現・IHIインフラスクエア)が中心となり、国内主要橋梁プロジェクトに参画している。また、シールドマシン(トンネル掘削機)はジャパントンネルシステムズが製造し、国内外のトンネル工事に供給。加えて、新交通システムやモノレールなどの都市交通システムも手掛ける。コンクリート建材事業は2025年度に譲渡したが、橋梁・水門分野では国内トップクラスのシェアを維持している。

車両過給機:自動車エンジンの性能を引き出すターボ技術

産業システム・汎用機械セグメントでは、自動車エンジン用ターボチャージャー(車両過給機)が重要な製品群である。ガソリン・ディーゼルエンジンの出力向上と燃費改善に貢献し、乗用車から大型商用車まで幅広く採用される。IHIの過給機技術は、小型化・高効率化で競争力を持ち、海外にも生産拠点を持つ。2026年3月期には需要拡大と販売価格改善により収益が改善した。また、舶用過給機や産業用圧縮機など回転機械も手掛け、IHIターボやIHI回転機械エンジニアリングが製造・サービスを担う。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

機械のなかでの位置

重工・インフラで国内首位級、海外比率拡大余地

IHIは大手重工メーカーとして国内インフラ・防衛・エネルギー分野で確固たる地位を占める。売上高は直近で1.6兆円超と同業他社を大きく引き離し、国内機械セクターの規模感で際立つ。ライバルである日本製鋼所が鉄鋼・鋳鍛鋼品で強みを持つ一方、当社は航空宇宙やプラントなど多角化が進み、社会インフラ全体を手掛ける総合力が特徴。直近の営業利益率は8.8%から10.1%へと改善傾向にあり、規模の経済と既存事業の収益性向上が寄与している。ただし、海外売上比率の開示が無く、グローバル展開の度合いは不明。三浦工業のようにボイラで内需中心の事業と比較すると、当社は国内向けが主体と推察され、海外市場でのプレゼンス強化が今後の焦点となる。

強み

  • 売上高1.6兆円超で国内機械業界のリーディングカンパニー
  • 航空宇宙、プラント、防衛など幅広い分野で収益基盤を構築
  • 営業利益率が8.8%から10.1%へ上昇し収益力が向上
  • 老朽化対策や防衛関連支出で安定した国内需要を享受

課題

  • グローバル売上比率の開示がなく海外市場での存在感が不明
  • 大型案件依存で景気変動の影響を受けやすい構造
  • 日本製鋼所など専門特化のライバルとの差別化が必要

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

専用機・建機・農機の時価総額近傍。太字がIHI

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
17011三菱重工業12.6兆円53.4倍
26301小松製作所6.9兆円17.9倍
36367ダイキン工業6.1兆円22.1倍
46326クボタ3.4兆円12.5倍
56594ニデック3.0兆円23.6倍
67013IHI2.8兆円17.1倍
76383ダイフク2.1兆円25.6倍
86361荏原製作所2.0兆円25.4倍
96504富士電機1.9兆円19.5倍
106586マキタ1.5兆円17.5倍
116448ブラザー工業1.3兆円19.7倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(専用機・建機・農機)に従っています。

会社の歴史

沿革 25件

幕命による造船所の創設から会社組織へ(1853-1889)

IHIの起源は、1853年のペルリ来航を契機に幕命により隅田川河口の石川島に設けられた造船所に遡る。1876年に平野富二の個人経営となり「石川島平野造船所」と称した。1889年には有限責任石川島造船所として法人化され、これが現在の会社設立とされる。1893年の商法実施に伴い株式会社東京石川島造船所と改称した。当初は官営から民営への移行期にあり、造船技術の国産化を担った。

戦時下の拡大と石川島重工業への改称(1939-1945)

1939年2月、造船部門を拡張するため東京第一工場(現・江東区豊洲)を新設し、造船および製缶の操業を開始した。1945年6月には商号を石川島重工業株式会社に変更した。この時期は戦時体制下で船舶需要が高まり、生産能力を増強したが、終戦とともに事業環境は激変した。

ジェットエンジン参入と播磨造船所との合併(1957-1960)

1957年3月、航空機用ジェットエンジンの国産化を目指し田無工場を新設した。1960年12月、株式会社播磨造船所を合併し、商号を石川島播磨重工業株式会社に変更した。これにより、播磨の大型造船技術と石川島の機械技術が融合し、総合重工業メーカーとしての基盤が形成された。合併後の1962年には石川島芝浦精機と芝浦ミシンを合併し、多角化を進めた。

高度成長期の合併ラッシュで事業領域を拡大(1964-1968)

1964年2月に横浜第二工場を新設し重機械生産を強化。同年5月には名古屋造船株式会社と名古屋重工業株式会社を合併した。1967年10月に芝浦共同工業、1968年3月には株式会社呉造船所を合併。これにより、船舶、橋梁、産業機械など幅広い分野の生産能力を獲得し、国内有数の重工業企業に成長した。1969年4月には横浜第一工場を新設し、重量機器の生産を開始した。

航空宇宙分野への本格投資と事業譲受(1970-2000)

1970年10月、航空機用ジェットエンジン専用工場として瑞穂工場を新設した。1998年11月には相馬工場を建設し、生産能力を増強した。2000年7月、日産自動車から宇宙航空事業を譲り受け、株式会社IHIエアロスペース(現・株式会社IHIエアロスペース)として営業を開始した。これにより、ロケットシステムや衛星関連事業に参入し、航空宇宙分野を確立した。

船舶分社化と新潟原動機承継、商号変更(2002-2006)

2002年10月、船舶・海洋事業を分社化し、ジャパン マリンユナイテッド株式会社(JMU)を設立した。2003年2月には株式会社新潟鐵工所から原動機事業を承継し、新潟原動機株式会社(現・IHI原動機)を設立。2006年10月、商号を石川島播磨重工業株式会社から株式会社IHIに変更した。同時に本社を豊洲IHIビルに移転し、コーポレートブランドを刷新した。

2010年代の事業ポートフォリオ整理と構造改革

2010年1月、シールド掘進機事業をJFEエンジニアリングとの合弁会社ジャパントンネルシステムズに承継。2012年1月には株式会社扶桑エンジニアリング(現・IHI扶桑エンジニアリング)を完全子会社化し、産業機械分野を強化した。一方、事業ポートフォリオ改革として、2025年度には運搬機械事業やIHIアグリテックの芝草管理機器事業、IHI汎用ボイラ、IHI建材工業、新潟トランシス、明星電気などを譲渡。さらにJMUの持分一部を今治造船に譲渡し、議決権比率を20%に低下させた。

年表25件を開く

1880年代

  • 1889年1月創業当社は、1853年ペルリ渡来を動機として隅田河口の石川島に幕命により創設せられ、1876年、平野富二の個人経営となり石川島平野造船所と称し民営の第一歩を踏みだしていたが1889年会社組織に改め、有限責任石川島造船所を設立した。

1890年代

  • 1893年9月商法実施に伴い、株式会社東京石川島造船所と改称した。

1930年代

  • 1939年2月造船部門を拡張するため、東京第一工場(現 江東区豊洲)を新設し、造船関係及び製缶関係の 操業を開始した。

1940年代

  • 1945年6月商号を石川島重工業株式会社と改称した。
  • 1949年5月上場東京及び名古屋証券取引所に上場した。以後1958年3月までに、大阪(2013年7月東京証券取引所と現物市場を統合)、京都(2001年3月大阪証券取引所に吸収合併)、福岡、新潟(2000年3月東京証券取引所に吸収合併)、札幌及び広島証券取引所(2000年3月東京証券取引所に吸収合併)に上場した。

1950年代

  • 1957年3月航空機用ジェットエンジンを製作するため田無工場を新設した。

1960年代

  • 1960年12月M&A株式会社播磨造船所を合併し、商号を石川島播磨重工業株式会社と改称した。
  • 1962年11月M&A石川島芝浦精機株式会社及び芝浦ミシン株式会社を合併した。
  • 1963年4月創業当社とシンガポール経済開発局は、船舶の建造・修理を目的とするジュロン造船所を設立した。
  • 1964年2月重機械工場として横浜第二工場を新設した。
  • 1964年5月M&A名古屋造船株式会社及び名古屋重工業株式会社を合併した。
  • 1967年10月M&A芝浦共同工業株式会社を合併した。
  • 1968年3月M&A株式会社呉造船所を合併した。
  • 1969年4月重器工場として横浜第一工場を新設した。

1970年代

  • 1970年10月航空機用ジェットエンジン工場として瑞穂工場を新設した。

1990年代

  • 1998年11月航空機用ジェットエンジン工場として相馬工場を新設した。

2000年代

  • 2000年7月日産自動車株式会社より宇宙航空事業を譲り受け、株式会社アイ・エイチ・アイ・エアロスペース(現 株式会社IHIエアロスペース)として営業を開始した。
  • 2002年10月船舶・海洋事業を分社化し、株式会社アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッド(現 ジャパン マリンユナイテッド株式会社)として営業を開始した。
  • 2003年2月株式会社新潟鐵工所から原動機事業を承継し、新潟原動機株式会社(現 株式会社IHI原動機)(原動機事業)として営業を開始した。
  • 2006年2月江東区豊洲三丁目に新本社ビルとなる豊洲IHIビルが竣工し、本店移転の登記を行なった。
  • 2006年10月M&A石川島汎用機サービス株式会社(現 株式会社IHI回転機械エンジニアリング)を株式交換により完全子会社とした。商号を石川島播磨重工業株式会社から株式会社IHIに変更した。
  • 2008年3月M&A工業炉事業の拡大・発展のため、オランダのHauzer Techno Coating B.V.(現 IHI Hauzer Techno Coating B.V.)の株式を取得し子会社とした。栗本橋梁エンジニアリング株式会社の株式を取得し完全子会社とした。松尾橋梁株式会社の株式を取得し完全子会社とした。当社の橋梁・水門その他鋼構造物事業を松尾橋梁株式会社に承継させ、かつ栗本橋梁エンジニアリング株式会社を同社に吸収合併させた。同時に、松尾橋梁株式会社の商号を株式会社IHIインフラシステムに変更した。

2010年代

  • 2010年1月株式会社IHIインフラシステムが株式会社栗本鐵工所より水門等事業を譲り受けた。
  • 2010年1月シールド掘進機その他のトンネル建設機械事業について、ジャパントンネルシステムズ株式会社(2009年11月にJFEエンジニアリング株式会社と共同して子会社として設立)に吸収分割により承継させた。
  • 2012年1月上場株式会社扶桑エンジニアリング(現 株式会社IHI扶桑エンジニアリング)の株式を取得し 完全子会社とした。IHI運搬機械株式会社を完全子会社とした。(2012年3月に株式公開買付け実施)

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。そのうち1項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 営業利益率2028年度まで2026~2028年度の目安レンジ(数値明記なし)

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    中長期の方向性に基づく成長戦略

    2040年に向けた中長期の方向性を策定し、エアロスペース、エネルギー、インフラの3事業ドメインに注力する。特にエアロスペースとクリーンエネルギーへの資源配分を継続し、ライフサイクルビジネスで安定収益を拡大する。

  2. 02

    成長事業への先行投資と能力強化

    民間エンジン、防衛、原子力の成長事業に投資を集中し、生産能力の増強や技術開発を加速する。航空エンジンでは整備拠点の拡充、防衛では能力強化、原子力では国内外の需要獲得を目指す。

  3. 03

    育成事業の実用化推進

    アンモニアと宇宙事業を育成する。アンモニアでは製造から利活用までのバリューチェーン構築と燃焼技術開発を進め、宇宙では衛星コンステレーション構築などによる事業拡大を図る。

  4. 04

    安定収益事業のポートフォリオ改革

    資源・エネルギー、社会基盤、産業システムなどでは、既存アセットを活用したライフサイクルビジネスに注力し、効率的なキャッシュ創出を図る。低収益事業は改革を継続する。

  5. 05

    コンプライアンスとガバナンスの強化

    不適切行為の再発防止に向け、コンプライアンス意識の徹底、組織風土改革、不正防止の仕組みづくりにグループ一丸で取り組み、ステークホルダーの信頼回復を目指す。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で26,224人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は1,001万円で、9期前と比べて+31.2%平均年齢は42.4歳、平均勤続年数は15.2年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数
2017年3月29,659
2018年3月29,706
2019年3月76339.914.929,286
2020年3月79940.215.828,964
2021年3月76639.415.129,149
2022年3月73640.816.1
2023年3月79341.416.5
2024年3月83641.816.6
2025年3月81341.115.8
2026年3月1,00142.415.226,224

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率6.1%
縦線は目安の30%
男性育休取得率333.2%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)68.4%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

主要な設備 (帳簿価額 上位10)
本社(東京都江東区他) — 注2、3154億円
その他
鶴ヶ島工場 — 埼玉県鶴ヶ島市6,663百万円
航空・宇宙・防衛
堺工場 — 堺市堺区5,305百万円
社会基盤
富岡工場 — 群馬県富岡市5,210百万円
航空・宇宙・防衛
相馬工場 — 福島県相馬市5,133百万円
航空・宇宙・防衛
瑞穂工場 — 東京都西多摩郡4,269百万円
航空・宇宙・防衛
横浜工場 — 横浜市磯子区3,739百万円
資源・エネルギー・環境
米国2,289百万円
産業システム・汎用機械
スイス 他2,281百万円
産業システム・汎用機械
本社 — 長野県上伊那郡1,664百万円
航空・宇宙・防衛
ほか11件の開示あり
国際子会社 (GLEIF登録 6社)
  • JP株式会社IHIプラント
  • JP株式会社IHIインフラシステム
  • ITIHI CHARGING SYSTEMS INTERNATIONAL S.P.A.
  • GBIHI EUROPE LTD
  • DEIHI Charging Systems International GmbH
  • DESteinmüller Engineering GmbH

国際的な法人識別子 (LEI) の親子関係データ。金融取引を行う子会社が中心で、全子会社の一覧ではありません。

公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 調達
    グリーンイノベーション基金事業/燃料アンモニアサプライチェーンの構築アンモニアの発電利用における高混焼化・専焼化ガスタービンにおけるアンモニア専焼技術の開発・実証/アンモニア専焼ガスタービンの研究開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2022-02-22
    73.1億円
  • 調達
    経済安全保障重要技術育成プログラム/航空機エンジン向け先進材料技術の開発・実証1400℃級CMC量産実証研究
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2023-08-04
    29.7億円
  • 調達
    グリーンイノベーション基金事業/次世代航空機の開発電力制御、熱・エアマネジメントシステム及び電動化率向上技術開発電力制御及び熱・エアマネジメントシステム技術開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2024-05-20
    29.4億円
  • 調達
    バイオジェット燃料生産技術開発事業 一貫製造プロセスに関するパイロットスケール試験 高速増殖型ボツリオコッカスを使った純バイオジェット燃料生産一貫プロセスの開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2017-06-15
    11億円
  • 調達
    経済安全保障重要技術育成プログラム/航空機の設計・製造・認証等のデジタル技術を用いた開発製造プロセス高度化技術の開発・実証航空機の設計、認証、生産プロセスの革新とプロセス統合
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2023-08-23
    6.5億円
  • 調達
    航空機用先進システム実用化プロジェクト次世代電動推進システム研究開発電動ハイブリッドシステム
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2020-07-28
    4.1億円
  • 調達
    経済安全保障重要技術育成プログラム/船舶向け通信衛星コンステレーションによる海洋状況把握技術の開発・実証海洋DX推進・海洋状況把握に向けた超小型衛星コンステレーションシステムの開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2023-05-10
    2億円
  • 調達
    次世代火力発電等技術開発次世代火力発電技術推進事業アンモニア混焼火力発電技術の先導研究/液体アンモニア直接噴霧ガスタービンシステムの研究開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2019-07-02
    1.4億円
  • 調達
    次世代火力発電等技術開発次世代火力発電技術推進事業アンモニア混焼火力発電技術の先導研究/微粉炭ボイラにおけるマルチバーナ対応アンモニア混焼技術の研究開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2019-07-02
    1.4億円
  • 調達
    部素材の代替・使用量削減に資する技術開発・実証事業/重希土類を使用しない高性能磁石等の開発/重希士類を使用しない小型超高速回転モーター駆動システム用磁石の開発と動作実証
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2020-11-17
    1億円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は1.6兆円営業利益1,655億円前期と比べると増収増益で、売上が+1.0%、利益が+15.3%。

売上高
+1.0%
1.6兆円
営業利益
+15.3%
1,655億円
純利益
+42.9%
1,610億円
営業利益率
10.1%
前期比 +1.2%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高1.8兆円1.6兆円
営業利益2,500億円1,655億円
純利益1,720億円1,610億円
1株あたり配当¥23¥23

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は3,745億円、営業利益は732億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+25.5%、営業利益は+722.5%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q4,065175
2024年1Q2,985893.056
2024年2Q1,718−1,659−96.6−1,432
2024年3Q3,96453213.4280
2024年4Q4,559414
2025年2Q7,57577310.2393
2025年4Q8,6936627.6734
2026年2Q7,1376949.7559
2026年4Q9,29796110.31,051
2027年1Q3,74573219.5535

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は1.3兆円から1.6兆円へ1.3倍に増えた。直近期の営業利益率は10.1%。売上は2期、純利益は2期の連続増加。

決算期売上高兆円営業利益億円税引前利益億円営業利益率%純利益億円
2013年3月1.26362334
2014年3月1.30532331
2015年3月1.4656591
2016年3月1.549715
この期から会計基準が日本基準からIFRSに変わりました。前後の数値は単純に比較できません
2017年3月1.4922052
2018年3月1.5921483
2019年3月1.48657399
2020年3月1.2629282
2021年3月1.11276131
2022年3月1.17876661
2023年3月1.35649445
2024年3月1.32−723−682
2025年3月1.631,4351,3858.81,127
2026年3月1.641,6551,85510.11,610

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高1.6兆円のうち、営業利益として残るのは1,655億円10.1%。営業外の損益と税金を反映した純利益は1,610億円、売上の9.8%にあたる。営業利益率は業種中央値8.6%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金76.9%1.3兆円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金14.8%2,427億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益10.1%1,655億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
23.1%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比+1.4pt
10.1%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+2.8pt
9.8%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比+20.6pt
28.4%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
6.6%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
5.1%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが1,214億円、投資CFが−184億円で、差し引きのフリーCFは1,030億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は1,551億円で、売上の1.1ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月743−610−31133721
2014年3月392−623114−231626
2015年3月636−746334−110925
2016年3月953−355−4755981,036
2017年3月654−290−2193641,159
2018年3月990−480−5735101,073
2019年3月464−793165−329927
2020年3月425−856969−4311,457
2021年3月364−405−237−411,208
2022年3月1,142279−1,2151,4211,455
2023年3月541−523−240181,247
2024年3月621−517−261041,388
2025年3月1,776−588−1,1621,1881,368
2026年3月1,214−184−9791,0301,551

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は2.4兆円。このうち返さなくてよい自己資本が6,522億円で、自己資本比率は26.9%(業種中央値65.3%より薄い)

決算期総資産兆円自己資本億円負債兆円自己資本比率%
2013年3月1.362,9931.0621.1
2014年3月1.503,6261.1323.1
2015年3月1.693,5961.3320.4
2016年3月1.723,3341.3818.6
2017年3月1.693,3761.3618.8
2018年3月1.633,5021.2819.9
2019年3月1.823,0791.5116.9
2020年3月1.872,8021.5915.0
2021年3月1.833,0081.5316.4
2022年3月1.883,8211.5020.3
2023年3月1.944,3121.5122.2
2024年3月2.103,7601.7217.9
2025年3月2.244,8171.7321.5
2026年3月2.436,5221.7526.9

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
1,551億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
4,416億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
1.7兆円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
68
/ 100
安定性自己資本比率18 / 40
収益力営業利益率20 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

機械 209社との比較

同じ機械の企業と並べると、いちばん上に来るのはROE209社中3位あたり、逆に低いのは自己資本比率209社中203位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE上位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
28.4%/中央値 7.7%
P25 4.7%P75 11.1%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
10.1%/中央値 8.6%
P25 4.8%P75 12.6%
自己資本比率下位総資産のうち返済のいらないお金の割合
26.9%/中央値 65.3%
P25 51.4%P75 75.3%
売上成長率前期からの売上の伸び
1.0%/中央値 3.9%
P25 -1.7%P75 9.4%
配当利回り下位株価に対して1年で受け取る配当の割合
0.9%/中央値 2.9%
P25 1.8%P75 3.6%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥2,600で、1年前と比べて+21.2%過去52週の値幅のなかでは19%の位置にある。

¥2,600-5.0%1ヶ月-9.7%1年+21.2%時価総額2.8兆円
過去52週の値幅
安値¥2,095.714高値¥4,698

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)17.1倍
PER (会社予想)16.1倍
PBR3.96倍
配当利回り0.88%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は8月21日に2673円と、前日比-3.45%と反落しました。25日移動平均線(2815円)を約5%下回る軟調な展開です。52週高値4698円からは約43%下落しており、長期トレンドは弱気です。8月5日には2691円まで急落し、出来高も4902万株と異常な水準に達しました。その後は2800円台を回復する場面もありましたが、上値は重く、売り圧力が続いています。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割高と判定しています(スコア 30/100)

PERは17.59倍で業界平均23.18倍を下回るが、PBRは4.07倍と業界平均1.54倍を大きく上回り割高。ROEは28.39%と非常に高いが、配当利回りは0.86%と業界平均2.66%を下回る。予想PER16.5倍を考慮しても、PBRの水準が割高感を強めており、株価はやや過熱気味。高ROEがPBRを正当化する可能性もあるが、配当の低さがマイナス。

指標この会社業種平均
PER (実績)17.1倍22.7倍
PER (予想)16.1倍
PBR3.96倍1.50倍
ROE28.4%7.0%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

構造改革による収益改善が進む一方、航空エンジン需要の回復と再エネ事業の成長が今後の焦点。強気派は、航空需要の回復基調で部品事業の収益が拡大し、2026年度の営業利益率10%超を見込む。昨年の純損失からのV字回復を評価。一方弱気派は、過去のプロジェクト損失リスクや、エネルギー事業の低採算、橋梁・船舶の受注変動を懸念する。また、ROE28%と高いが、PBR4.5倍と株価が上昇した後の調整リスクもある。論点は、構造改革の成果が持続的な成長に結び付くか。

プラスに働く材料7
  • 航空需要の回復

    国際旅客需要の回復で航空エンジン部品の出荷が増加見通し

  • 構造改革の進展

    不採算事業の整理により2025年度営業利益率8.82%と改善

  • 再エネ分野での成長

    再生可能エネルギー関連案件の拡大で新たな収益源を開拓

  • 26/3期営業利益は前期比15%増の1,655億円決算発表後影響

    営業利益は前期比220億円増の1,655億円、売上高16,434億円で利益率10.07%

  • 純利益1,610億円と黒字幅が拡大決算発表後影響

    純利益は前期比483億円増の1,610億円、24/3期の赤字から25/3期に黒字転換

  • 営業利益率10%超で高収益構造に転換通年影響

    営業利益率は25/3期8.82%から26/3期10.07%へ1.25ポイント改善

  • ROE28.39%と資本効率の高さ継続影響

    ROE28.39%はPBR4.46倍の裏付け、自己資本の有効活用が評価材料

マイナスに働く材料7
  • プロジェクト損失の再来

    過去に大規模損失を出しており、大型案件での損失リスクが根強い

  • エネルギー事業の低採算

    電力設備は競争激化で採算性が低く、改善ペースは緩慢

  • 株価の過熱感

    PBR4.5倍と水準が高く、業績変動で株価調整の可能性

  • 26/3期売上高は前期比1%増と頭打ち決算発表後影響

    売上高は16,434億円と前期比166億円増、25/3期の23%増から急減速

  • 配当利回り0.84%と低水準継続影響

    配当利回りは0.84%と低く、増配期待が乏しければ売られやすい

  • 外国人の持ち株比率44.86%と高依存継続影響

    外国人持ち株比率44.86%、リスク回避時に売り圧力が強まる

  • PBR4.46倍と高い株価評価継続影響

    PBR4.46倍はROE28%を考慮しても割高感、調整余地

次の決算で確かめる点
航空エンジン関連売上
航空エンジン関連売上
受注残高
今後の売上確実性と事業の安定性を示すため
営業利益率
構造改革の成果が持続しているか確認するため

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり23で、前期から+16.7%いまの株価に対する利回りは0.88%。増配か配当維持が5年続いている。

年間配当
¥23
1株あたり
配当利回り
0.88%
いまの株価に対して
配当性向
15.2%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
5年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2018年3月538.6
2019年3月10112.352.5
2020年3月7−28.6
2022年3月1040.122.8
2023年3月1328.626.6
2024年3月1411.1
2025年3月1719.920.2
2026年3月2016.715.2

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥23

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ240,986人。区分でいちばん多いのは外国法人44.8%。グループ会社や銀行などの安定株主が28.3%を占め、残る71.7%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
外国法人25.526.529.022.738.544.8
金融機関41.340.534.032.231.325.7
個人・その他27.925.027.735.322.724.7
事業法人3.83.53.74.53.42.6
証券会社1.44.55.55.14.12.1
自己株式3.61.81.81.81.81.7
外国人個人0.10.00.10.10.10.1

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)14.65
02THE CHASE MANHATTAN BANK, N.A. LONDONSECS LENDING OMNIBUS ACCOUNT (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)7.01
03株式会社日本カストディ銀行(信託口)5.64
04STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)3.44
05IHI共栄会1.66
06J.P. MORGAN BANK LUXEMBOURG S. A. 384513 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1.55
07IHI従業員持株会1.41
08JP MORGAN CHASE BANK 385781 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1.22
09JP MORGAN CHASE BANK 385642 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1.22
10第一生命保険株式会社1.12

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近3
  • 2026-06-05
    キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメント・カンパニー(Capital Research and Management Company)
    新規の大量保有報告
    6.95%
    -1.54pt
  • 2026-06-04
    三井住友信託銀行株式会社
    新規の大量保有報告
    0.00%
    -0.22pt
  • 2026-04-23
    キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメント・カンパニー(Capital Research and Management Company)
    新規の大量保有報告
    8.49%
    -1.15pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+566%、1株純資産は14期で+212%。直近期のROEは28.4%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月2319712.412.536.8
2014年3月2252,23710.519.358.0
2015年3月592,2402.695.8
2016年3月102,0620.5240.414.6
2017年3月342,0601.6103.2
2018年3月542,1032.661.538.6
2019年3月2591,99611.810.352.5
2020年3月541,8852.823.4
2021年3月882,0254.525.5
2022年3月6336119.46.722.8
2023年3月4240710.911.326.6
2024年3月−64355−16.9
2025年3月10645526.313.920.2
2026年3月15261528.420.715.2

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

2026/3期の役員報酬は総額942百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約8倍にあたる。

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円賞与百万円株式報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)94161818874883
社外取締役912212214
監査役3727224

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容3,901字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 当社及び当社の関係会社(連結子会社127社、持分法適用関連会社18社(※)(2026年3月31日現在))においては、資源・エネルギー・環境、社会基盤、産業システム・汎用機械及び航空・宇宙・防衛の4つの事業を主として行なっており、その製品は多岐にわたっています。各事業の主な事業内容及びグループ各社の位置付け等は次のとおりです。 なお、次の4事業は第5「経理の状況」1連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記「6.セグメント情報」に記載の報告セグメントの区分と同一です。 (※)前連結会計年度まで持分法適用関連会社の社数に含めていたジャパン マリンユナイテッド㈱を親会社とする㈱JMUアムテック等3社並びに海祥海運㈱を親会社とするKAISHO MARINE S.A.等6社については、当連結会計年度から、親会社のみを社数として含めることとしました。このため、持分法適用関連会社の社数は、前連結会計年度末の27社から9社減少し18社となっています。 (資源・エネルギー・環境) 当事業においては、原動機(陸用原動機プラント、舶用原動機)、カーボンソリューション(ボイラ、貯蔵設備)、原子力(原子力機器)等の製造、販売、サービスの提供等を行なっています。 [主な関係会社] ㈱IHIプラント、㈱IHI原動機、ニコ精密機器㈱、青森プラント㈱、 JURONG ENGINEERING LIMITED及びその子会社19社、 PT IHI POWER SERVICE INDONESIA、NIIGATA POWER SYSTEMS(SINGAPORE)PTE. LTD.、 IHI POWER SYSTEM MALAYSIA SDN.BHD.、Steinmüller Engineering GmbH及びその子会社1社、 IHI Power Generation Corporation及びその子会社3社、 IHI Terrasun Solutions Inc.、IHI Energy Solutions Inc. (注①)(注②)(注③)(注④) (社会基盤) 当事業においては、橋梁・水門、交通システム(注⑤)、シールドシステム、コンクリート建材(注⑥)等の製造、販売、サービスの提供等を行なっています。 [主な関係会社] ㈱IHIインフラシステム(2026年4月1日付で㈱IHIインフラスクエアに商号変更。注⑦)、 ジャパントンネルシステムズ㈱、㈱三越、JIMテクノロジー㈱、㈱IHIセグメント(注⑧)、 IHI INFRASTRUCTURE ASIA CO.,LTD.、IHI California Inc.、I&H Engineering Co.,Ltd.、 Terratec Limited及びその子会社4社(注⑨) (産業システム・汎用機械) 当事業においては、車両過給機、パーキング、回転機械(圧縮機、分離装置、舶用過給機)、熱・表面処理、運搬機械(注⑩)(注⑪)(注⑫)、物流・産業システム(物流システム、産業機械)等の製造、販売、サービスの提供等を行なっています。 [主な関係会社] IHI運搬機械㈱(2026年4月1日付で㈱IHIパーキングスクエアに商号変更。)、 ㈱IHI扶桑エンジニアリング、㈱IHI機械システム、㈱IHIフォイトペーパーテクノロジー、 ㈱IHI物流産業システム、セントラルコンベヤー㈱、㈱IHI回転機械エンジニアリング、 ㈱IHIターボ、㈱IHIアグリテック、㈱IHIターボサービス、㈱IHI回転機械製造、 IHI Hauzer Techno Coating B.V.及びその子会社4社(注⑬)、IHI Press Technology America,Inc.、 Indigo TopCo Limited及びその子会社22社、 IHI Charging Systems International GmbH i.L.、IHI Charging Systems International S.p.A、 IHI寿力圧縮技術(蘇州)有限公司、長春富奥石川島過給機有限公司及びその子会社1社、 IHI Turbo America Co.、IHI TURBO(THAILAND)CO.,LTD.、IHI VTN GmbH及びその子会社3社、 江蘇石川島豊東真空技術有限公司、IHI DALGAKIRAN MAKINA SANAYI VE TICARET A.S.、 石川島寿力回転科技製造(蘇州)有限公司 (注⑭)(注⑮)(注⑯) (航空・宇宙・防衛) 当事業においては、航空エンジン、ロケットシステム・宇宙利用、防衛機器システム等の製造、販売、サービスの提供等を行なっています。 [主な関係会社] ㈱IHIエアロスペース、㈱IHIエアロスペース・エンジニアリング、 ㈱IHIエアロマニュファクチャリング、㈱IHIキャスティングス、㈱IHIジェットサービス、 ㈱IHIマスターメタル、㈱アイ・エヌ・シー・エンジニアリング、 IHI‐ICR,LLC.、IHI Aero Engines US Co.,Ltd. (注⑰) (その他) 当事業においては、通信、電子、電気計測、情報処理などの機器・装置等の製造、販売、サービスの提供等並びにサービス業を行なっています。 [主な関係会社] ㈱IHIエスキューブ、㈱IHIトレーディング、㈱IHIビジネスサポート、 ㈱IHI検査計測、高嶋技研㈱、豊洲エネルギーサービス㈱、そうまIグリッド(同)、 IHI do Brasil Representações Ltda.、IHI ENGINEERING AUSTRALIA PTY.LTD.、IHI Europe Ltd.、 石川島(上海)管理有限公司、IHI ASIA PACIFIC PTE.LTD.、IHI Americas Inc.、IHI(CANADA)LTD.、 IHI Power System(Thailand)Co.,Ltd.(注③)、IHI ASIA PACIFIC(Thailand)CO.,LTD.(注⑯) (注⑱) (注)①. 寿鉄工㈱(資源・エネルギー・環境)は、株式を譲渡したことに伴い当社の関係会社ではなくなりました。 ②. IHI E&C International Corporation(資源・エネルギー・環境)及びその子会社1社は、清算結了により消滅しました。 ③. IHI Power System(Thailand)Co.,Ltd.(資源・エネルギー・環境)は、グループ内の位置付けを(その他)に変更しました。 ④. IHI SOLID BIOMASS MALAYSIA SDN.BHD.(資源・エネルギー・環境)は既に清算手続きを進めており、重要性が乏しくなったため、連結の範囲から除外しました。 ⑤. 交通システム事業の主要な関係会社であった新潟トランシス㈱(社会基盤)は、株式を譲渡したことに伴い当社の関係会社ではなくなりました。 ⑥. コンクリート建材事業の主要な関係会社であった㈱IHI建材工業(社会基盤)は、株式を譲渡したことに伴い当社の関係会社ではなくなりました。 ⑦. ㈱IHIインフラ建設(社会基盤)は㈱IHIインフラシステム(社会基盤)に吸収合併されて消滅しました。 ⑧. 新規設立に伴い、新たに連結の範囲に含めています。 ⑨. Terratec Limited(社会基盤)の子会社のうち、1社を新規設立に伴い新たに連結の範囲に含め、1社は清算結了により消滅しました。 ⑩. 西日本設計㈱(産業システム・汎用機械)は、株式を譲渡したことに伴い当社の関係会社ではなくなりました。 ⑪. ㈱IUKクレーン(産業システム・汎用機械)は、株式を譲渡したことに伴い当社の関係会社ではなくなりました。 ⑫. 台灣石川島運搬機械股份有限公司(産業システム・汎用機械)は、株式を譲渡したことに伴い当社の関係会社ではなくなりました。 ⑬. IHI Hauzer Techno Coating B.V.(産業システム・汎用機械)の子会社のうち、1社は清算結了により消滅しました。 ⑭. ㈱IAT朝日(産業システム・汎用機械)は、株式を譲渡したことに伴い当社の関係会社ではなくなりました。 ⑮. ㈱IHI汎用ボイラ(産業システム・汎用機械)は、株式を譲渡したことに伴い当社の関係会社ではなくなりました。 ⑯. IHI ASIA PACIFIC(Thailand)CO.,LTD.(産業システム・汎用機械)は、グループ内の位置付けを(その他)に変更しました。 ⑰. 明星電気㈱(航空・宇宙・防衛)は、株式を譲渡したことに伴い当社の関係会社ではなくなりました。 ⑱. IHI INC.(その他)は、清算結了により消滅しました。 [主な関係会社及び事業系統] 各事業における当社及び主な関係会社の位置付けは、次のとおりです。 ※セグメントを構成する連結子会社を、上表に記載しています。なお、各連結子会社のセグメントにおいて果たす機能について、製造・販売・エンジニアリング・据付・サービスの5つに分類して表示しています。 ※複数の機能を果たす子会社の場合、その機能を並べて表示できない会社については、会社名の右横に≪製≫ ≪販≫≪エ≫≪据≫≪サ≫として表示しています。 ※上表の連結子会社は、2026年3月31日現在のものです。
経営方針・対処すべき課題3,386字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは、社会とともに発展するよき企業市民であることを第一義とし「技術をもって社会の発展に貢献する」、「人材こそが最大かつ唯一の財産である」との経営理念のもと、2040年に向けて策定した「中長期の方向性」で掲げた「世界中の人々の安心・安全、豊かな暮らしを根幹から支える」の実現に向けて、日本の産業力・国力を再び世界トップレベルに高めるための一翼を担い、世界各国の経済・国家・エネルギーの安全保障に貢献することを目指していきます。 (2)会社の経営戦略及び経営指標 <中長期の方向性> 当社グループは、2023年度を初年度とする3か年の中期経営計画「グループ経営方針2023」に基づく取り組みを進め、構造改革に一定の目途をつけることができました。2026年度からは、2040年に向けて策定した「中長期の方向性」の実現に向けて、飛躍的な成長ステージへと移行してまいります。 事業ドメインは、当社グループが技術・事業の両面で強みを発揮できる分野として、エアロスペース、エネルギー、インフラの3つに注力します。特にエアロスペースとクリーンエネルギー分野は当社グループ全体の成長を実現するため、大胆なリソースシフト・資源配分を継続します。従来エネルギー分野と産業インフラ・社会インフラ分野は、ライフサイクルビジネスを中心とする安定的な収益基盤として拡大させていきます。これらの取り組みにより、安定的にキャッシュを創出し、長期視点での持続的な成長を実現していきます。 ・価値創造プロセスによる持続的な成長の実現 当社グループが長期にわたって培ってきた事業モデルである、圧倒的に強い技術をつくり、参入障壁の高い市場を創出するというサイクルを回しながら、グローバル化・軍民両用(デュアルユース)化などにより事業を拡大・拡張していきます。 ・ライフサイクルビジネスの拡大による安定的な収益基盤の確保 ライフサイクルを通じた価値提供や新たなバリューチェーンの創造に取り組むことで、「自動化・省人化」「CO₂削減」「その他、新たなお客さま価値」などの観点から提供する価値を創出し、成長を加速していきます。 <中長期に向けたロードマップ> ※1:2025年度実績 ※2:2026~2028年度における営業利益率の目安レンジ ※3:投資CFとは一致しない(研究開発費を含み、資産売却は含まないため) 2026年度から2028年度までの3か年を先行投資及び財務基盤強化に注力する期間(フェーズ1)と位置付け、2029年度以降のフェーズ2では、営業利益・営業キャッシュ・フローの拡大を実現します。2032年度以降のフェーズ3では、先行投資を回収するとともにフリーキャッシュ・フローの大幅な拡大を実現し、これまでの延長線上にはない飛躍的な成長を実現していきます。 ① 成長事業:民間エンジン・防衛・原子力 民間向け航空エンジン分野においては、世界の航空機需要の拡大が見込まれる中、当社グループは、民間向け航空エンジンにおける小型~大型・超大型クラスに至るベストセラーエンジンの開発・量産事業に参画しています。今後の需要増加が期待されるアフターマーケットでの事業拡大を目指し、整備事業では、自動化やDXの高度化等による生産性向上を図ることで、高品質なサービスを迅速に提供する体制の構築を進めています。民間向け航空エンジンの整備拠点の一つである鶴ヶ島工場においては、高品質なサービスを迅速に提供する取り組みを進めるとともに、修理棟を新たに建設し、付加価値の高い部品修理需要の取り込みを拡大していきます。また、成長が見込まれる防衛関連事業の拡大に向け、生産能力の強化や必要な技術開発を一層加速します。さらに、原子力分野においては、再稼働・再処理に係る国内のライフサイクルビジネス需要を確実に取り込むことで安定的にキャッシュを創出するとともに、グローバルでの新設需要の拡大を追い風に、海外新設案件の獲得によるトップライン成長の実現に向けて、生産能力の増強を進めていきます。 ② 育成事業:アンモニア・宇宙 アンモニア分野においては、当社グループの技術力を活かし、燃料の製造から貯蔵・輸送及び利活用に至るまでのバリューチェーン構築を推進することで、カーボンフリー社会の実現に貢献していきます。当社相生工場内に新設したアンモニアガスタービン向け大型燃焼試験設備による燃焼器開発など、今後もアンモニアガスタービンの実用化に向けて取り組みを進めていきます。宇宙分野においては、安全保障や公共及び商業利用を目的とする衛星データ提供に向けた衛星コンステレーション構築の取り組みなど宇宙関連事業の拡大を図っていきます。 ③ 安定収益事業:資源・エネルギー・環境、社会基盤、産業システム・汎用機械の各分野 市場成長が見込まれ、かつ当社の強みを発揮できる事業については、既存アセットや既設ストックを最大限活用したライフサイクルビジネスに注力することで、効率的かつ安定的なキャッシュ創出を図っていきます。一方で、収益性・効率性の低い事業については、引き続き事業ポートフォリオ改革を進めることにより、継続的な成長を実現していきます。 フェーズ1では、安定配当を基本方針として、1株当たり配当を持続的に成長させます。営業キャッシュ・フローが伸長するフェーズ2以降は、株主還元の更なる拡大を目指します。 (3)会社の対処すべき課題 ・成長機会の獲得に向けた先行投資 当社グループのさらなる成長に向け、成長を牽引する民間エンジン・防衛・原子力といった成長事業を主な対象として、キャパシティ拡充に向けた投資を実行していきます。また、将来の事業の柱として期待されるクリーンエネルギー分野の育成事業や、市場成長が見込まれ資本効率の高い事業への戦略的な経営資源のシフトを実行していきます。 ・財務基盤の強化 財務健全性は改善傾向にありますが、成長・育成事業への投資原資を確保するために営業キャッシュ・フローの強化に取り組むと同時に、事業ポートフォリオ改革や資産売却等を通じて自己資本の増加を図り、財務基盤を強化していきます。 ・ステークホルダーからの期待に応え、信頼を得るための不断のリスクマネジメント及びガバナンスの強化 本年6月2日公表のとおり、当社の連結子会社である株式会社IHIエアロスペース(以下、「IHIエアロスペース」という。)が、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下、「JAXA」という。)から、JAXAとの機材装置の保全業務に関する契約等において、事実と異なる報告に基づく費用請求が確認されたことを理由として、5か月間の競争参加資格停止処分を受けました。これまでに、IHIエアロスペースが、JAXAから受注した前述の業務の一部において、作業未了にも関わらず完了したとする報告を行ない、当該報告に基づいて費用を請求していたことが判明しています。 当社は、このような不適切行為があったことを厳粛に受け止めており、お客さまをはじめとするステークホルダーの皆さまに、多大なるご迷惑とご心配をおかけしておりますことを、深くお詫び申しあげます。 当社は、当事業年度においても再発防止策の実行やコンプライアンスの徹底に取り組んできましたが、取り組みを進める中でこうした新たな事象が確認される等、まだまだ不十分な点があることを痛切に認識しており、改善に向けての取り組みは依然として道半ばにあるものと考えています。 当社グループが持続的な成長を遂げるためには、ステークホルダーの皆さまからの期待に応え、信頼を得ることが大前提となります。関係するすべてのステークホルダーの皆さまからの信頼を早期に回復するべく、同様の事案を二度と起こさぬよう、コンプライアンス意識の再徹底、組織風土の改革、及び不正を起こさせない仕組みづくりに、グループ一丸となって取り組んでいきます。
事業等のリスク9,289字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 (1)リスク管理に関する当社グループの基本方針 当社グループでは、リスク管理を経営の最重要課題の一つと捉え、グループ全体で強化に取り組んでいます。 リスク管理の基本目的は、事業の継続、役員並びに従業員とその家族の安全確保、経営資源の保全、社会的信用の確保です。そして、次のとおり行動指針を定め、これに沿ったリスク管理を行なっています。 ①IHIグループの事業継続を図ること ②IHIグループの社会的評価を高めること ③IHIグループの経営資源保全を図ること ④ステークホルダーの利益を損なわないこと ⑤被害が生じた場合には、速やかに回復を図ること ⑥事態が発生した場合には、責任ある行動をとること ⑦リスクに関する社会的要請を反映すること (2)当社グループのリスク管理体制 当社グループは、リスク管理全般に関わる重要事項を検討する機関として、CEOを議長とするリスク管理会議を設置し、取り組み方針や年次計画の策定とその進捗状況の確認、課題の抽出及び是正措置などの重要事項を検討しています。リスク管理会議の内容は取締役会に報告され、取締役会は、リスク管理の目標を達成するための体制の整備、及びその運用に関して監視・監督・評価を行なっています。 また当社グループでは、実効性の高いリスク管理を行なうため、第1線(事業領域・SBU・関係会社)・第2線(本社部門)・第3線(内部監査部)の役割と責任を明確化したリスク管理体制を構築しています。 このような体制のもと、当社グループは事業年度ごとに「IHIグループリスク管理活動方針」を定めています。第1線(事業領域・SBU・関係会社)は、この方針に沿って主体的・自立的にリスク管理活動を進め、第2線(本社部門)は、専門性を生かした情報提供や教育を実施し、第1線を支援するとともに、リスク管理活動の実施状況のモニタリングを行なっています。また、第3線(内部監査部)は、当社グループのリスク管理体制の整備状況及び運用状況について監査を行なっています。 (3)2026年度のリスク管理活動 2026年度の「IHIグループリスク管理活動方針」では、重点テーマとして次の事項について注力することとしています。また、不安定さが常態化する社会環境のもと、当社グループ全体として対処すべき新たなリスクを適時に捉え、リスク管理会議で対応方針を検討し、能動的かつ組織的なリスク管理を行なってまいります。 ・コンプライアンス・品質保証 ・貿易管理 ・セキュリティ (4)事業等のリスク 事業の状況、設備の状況、経理の状況に記載した事項のうち、当社グループの業績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。当社グループは、以下のリスクを認識した上で、必要なリスク管理体制を整え、リスク顕在化の回避及びリスク顕在化時の影響の極小化に最大限努めています。 ① 社会的責任 a. コンプライアンス 当社グループは、社会とお客さまと共に持続的な成長を遂げるためには、ステークホルダーからの期待に応え、信頼を得ることが重要と考えており、この考え方に基づいて、私たちが実践すべきことを「IHIグループ基本行動指針」にまとめ、役員・従業員の遵守を求めています。また、コンプライアンスの重要性を浸透させるため、毎年5月10日の「コンプライアンスの日」や社長年頭挨拶などで、社長をはじめとする経営幹部から繰り返し、コンプライアンスの徹底を求めるメッセージを発信しています。 体制面では、リスク管理会議の下部機関となる全社委員会組織としてコンプライアンス委員会を設置し、コンプライアンスに関わる重要な方針を審議・立案し、活動を推進しています。 さらに、すべての役員・従業員などによる、法令、社内規定や社内外のルールに対する違反やそのおそれのある行為などを未然にあるいは早期に把握し、適切な是正を図るための内部通報制度として、「IHIグループ コンプライアンス・ホットライン」を運用しています。 しかしながら、一部の役員・従業員による法令違反等が生じた場合、過料や課徴金、追徴課税等による損失や営業停止等の行政処分による機会逸失を被る、あるいはそれに伴う社会的評価の低下によって当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループにおいては、2024年度に、当社子会社において相次いで不適切事案等が発覚しました。これを踏まえ、当社グループは、再発防止策の実行やコンプライアンスの徹底に取り組んでいるところでしたが、直近においても、株式会社IHIエアロスペースが、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下、「JAXA」という。)から受注した業務の一部において事実と異なる報告を行ない、不当な費用請求を行なったとして、JAXAより競争参加資格停止処分を受けました。 新たに確認された事象を受け、改めて、当社グループとして、当社社長をはじめとする経営幹部からメッセージを発信し、経営層、管理職、新入社員など各層に合わせたコンプライアンス教育プログラムの展開、人財ローテーションの活性化、職場ごとの対話活動などを行ない、不適切行為に対して声が上がらない組織風土から、従業員一人ひとりがコンプライアンスを自分事として意識し、自律的に問題を解決できる組織風土へと変革していくことを目指して取り組んでまいります。 b. 環境保全 当社グループには、製造工程で、大気・水質・土壌汚染等の原因となりうる物質を使用している事業所・子会社等があります。これらの物質の管理には万全の注意を払い、万一外部に漏洩した場合においてもその拡大を最小限に抑えるための対策を講じています。しかしながら、想定外の事態が発生した場合には、社会的評価の低下を招くとともに損害賠償責任が生じ、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 c. 人権・ダイバーシティ 当社グループの事業基盤を維持し、将来の成長につなげていくために、事業活動全般にわたり人権を尊重した上で、多様な個性や価値観を有する人財が活躍できる組織風土の醸成を図っています。また、人権諸課題の解決に向け、人権リスクを把握し、リスク低減策を講じてモニタリングする人権デュー・ディリジェンスの仕組みを構築し、当社グループのみならず、調達先や取引先における対応状況を確認しています。併せて、多様な人財が活躍できる働き方や職場づくりに向けたダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)の推進活動を行なうとともに、社内におけるその取り組み状況をモニタリングしています。 しかしながら、当社グループの事業活動において、人権の侵害や人権を軽視した事象が発生した場合、社会的信用の喪失、あるいはお客さまとの取引停止や損害賠償責任が発生する可能性があります。また、経営における意思決定の場に多様性が欠如した場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 d. 関係会社の統制 当社グループは、グループ経営を通じてお客さまに対し高い価値を提供することに取り組んでいます。そのためには、当社グループの各社が、各国・各地域の各種法令や社会的規範に従って事業を行なうだけでなく、適切なグループ経営を推進する必要があります。しかしながら、当社グループの各社が、他に示す各種のリスクに対する不適切な対応を行なうことにより、お客さまに対する損害又は当社グループへの評価の低下を生じさせ、結果として当社グループの業績や社会的信用に対して悪影響を及ぼす可能性があります。 e. 安全衛生 当社グループは事業所及び建設現場における安全衛生管理に万全の対策を講じていますが、万一不測の事故・災害等が発生した場合には、生産活動に支障をきたし、その結果として当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、各種損害保険等に加入する等の対策を講じていますが、大規模な事故や災害が生じた場合、損害のすべてを保険求償できない可能性があります。 ② 外部環境変化への備え a. 競争環境と事業戦略 当社グループは、本年5月8日に公表した「中長期の方向性」の中で、2040年に向けたIHIグループとしてのありたい姿を定義しました。当社グループが技術・事業の両面で強みを発揮できる分野としてエアロスペース、エネルギー、インフラの3つの事業ドメインを定め、世界各国の経済・国家・エネルギーの安全保障に貢献することを目指していきます。 b. 他社との連携・M&A 当社グループは営業協力、技術協力、生産協力や事業合弁の形で多くの他社との共同事業活動を行なっています。また、成長市場への事業展開の加速、要素技術の補完、シナジーの創出などを目的としたM&Aなども有効に活用しています。しかし、経済環境の変化、法的規制、予期せぬ費用増加等の影響により、当初期待された効果を出せない可能性があります。また、当初期待した効果を享受できないと判断された場合は、他社との連携による共同事業の中断、解消を決断する可能性があり、その結果として当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 c. カントリーリスク 当社グループは、調達・生産・輸出・販売・建設等の事業活動をグローバルに展開しています。各国・各地域の政治・経済・社会状況等の変化に起因して、国家間や各国内における紛争の拡大、テロや労働争議の発生、政情不安、デフォルト等により事業の継続が困難になるリスクや、為替取引の凍結や送金停止、及びこれらの影響を受けた取引先等に対する債権の回収不能、投資資産の接収等のリスクが顕在化した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、これらのリスクに対し、個別のプロジェクト単位では貿易保険の付保を徹底するほか、グループ単位では、リスク情報の収集や情報共有の体制構築・見直し、事業継続計画(BCP)の作成・見直し等の体制強化に努めています。 本項目については、足元における中東情勢の悪化、長期化するロシアによるウクライナへの軍事侵攻、米中の政治的対立や経済安全保障問題の拡大等、不確実性が一層高まっていると認識しています。 d. 経済安全保障 当社グループを取り巻く事業環境は、中東における軍事衝突や米中の政治的対立、輸出規制等による国家の経済的威圧や、関税措置等に伴う貿易環境の変化、サイバー攻撃の高度化などにより大きく変化しています。 当社グループは、社内の取引審査や取引先スクリーニングにより経済安全保障に関するリスクの軽減に努めていますが、日本を含む各国の政策や法規制に反する取引を行なった場合や、経済安全保障に関する課題への対応が不十分であった場合には、当社グループの評価や社会的信用が棄損されるおそれがあります。 加えて、複雑化する国際情勢の影響により、当社グループが輸出規制等の規制の対象となった場合には、販売機会の逸失や事業の停止、サプライチェーンの断絶が発生し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、経済安全保障に関するリスク軽減の一環としてセキュリティ強化に取り組んでおり、従来のサイバーセキュリティ対策にとどまらず、人的情報漏洩対策や物理的セキュリティ対策の強化も進めています。 e. 自然災害・疾病・紛争・テロ 当社グループは、新型コロナウイルスのような大規模な感染症の拡大、地震・洪水等の激甚災害、テロ等の犯罪行為等によって業務遂行が阻害されるような事態が生じた場合であっても、その影響を最小限に抑えるべく、規定や事業継続計画(BCP)を見直すとともに、南海トラフ地震等による広域災害も想定した訓練等を実施するほか、適切な保険を付保しています。しかし、想定規模を超える災害が発生した際には事業を適切に遂行できず、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ③ 経営リソース a. 人財リスク 当社グループの事業基盤を維持し、将来の成長につなげていくためには、事業活動に必要な人財の獲得、定着、育成、適正配置が必要になります。外部人財の獲得や変革人財等のキーパーソンとなりうる人財の確保・育成ができなかった場合、適正な配置を実行できなかった場合には、当社グループの将来の成長、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 b. 財務活動 (a)為替動向 外貨に対して円が上昇した場合は外貨建輸出工事における円換算後の入金額は目減りし、下落した場合は現地通貨建の海外調達において円換算支出額の増加を招く等、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼします。そのため、外貨建資産と負債のポジションの不均衡に対して、一定の方針に基づき為替予約やマリーの徹底によるリスクヘッジに努めていますが、想定以上の為替変動が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (b)金利動向 金利が上昇した場合、当社グループの支払利息が増加し金融収支が悪化します。また、財務活動において借入、又は社債発行の条件が悪化する可能性があり、資金調達に悪影響を与え、ひいては当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (c)資金調達・格付 当社グループの借入金にはシンジケート・ローンが含まれており、自己資本と利益に関する財務制限条項が付されています。業績の悪化等により同条項に抵触した場合、同ローンの借入れ条件の見直しや期限前弁済義務が生じる可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、格付機関が当社グループの格付を引き下げた場合、当社グループの財務活動において不利な条件で取引をせざるを得ない、あるいは一定の取引ができなくなる可能性があり、資金調達に悪影響を与え、ひいては当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (d)保証債務等 当社グループは、事業活動を営む上で必要かつ合理的と確認したものについて、債務の保証等を行なっていますが、経済環境悪化の長期化や事業の失敗等により債務者の財政状態が悪化した場合、保証の履行を債権者より求められる可能性があります。 保証債務等に係る情報は、第5「経理の状況」1連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記「41.偶発債務」に記載しています。 (e)税務 繰延税金資産の計算は、将来の課税所得に関する予測・仮定を含めて個別に資産計上・取崩を行なっていますが、将来の課税所得の予測・仮定が変更され、繰延税金資産の一部ないしは全部が回収できないと判断された場合、当社グループの繰延税金資産は減額され、その結果、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、国境をまたぐ当社グループ会社間の取引価格の設定においては、適用される移転価格税制の遵守に努めていますが、税務当局と見解の相違が生じた場合、追徴課税や二重課税が生じることにより、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (f)与信管理 当社グループは、世界中のお客さまに製品・サービスを提供しており、その多くが掛売りとなっています。当社はこれに対し、グループ全体で与信管理体制の強化と債権保全の徹底に努めているものの、重要なお客さまが破綻し、その債権が回収できない場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 2023年5月に航空会社が破産申請したことにより、当社が民間向け航空エンジンの国際共同事業会社を通じて参画しているエンジンプログラムにおいて、当社が間接的に保有する営業債権の一部が回収不能となる可能性が生じました。本件を受けて、当社グループでは、債権回収リスクを低減するため債権管理の高度化に向けた取り組みを進めています。 c. 情報セキュリティ 当社グループは、技術情報及び事務管理情報並びにそれらを処理するための情報システムを、事業活動に不可欠な経営リソースの一つと認識し、情報セキュリティに関する各種規程の整備、技術的・組織的対策、従業員への教育・啓発等を通じて、情報セキュリティ対策の強化に継続的に取り組んでいます。しかしながら、サイバー攻撃の高度化・巧妙化、情報機器や文書の紛失・盗難、委託先やサプライチェーンを起点としたセキュリティ事故及びシステム障害等により、情報漏洩や業務停止等の事態が発生する可能性があります。これらの事態が発生した場合、当社グループの社会的信用の低下、損害賠償の発生、復旧対応に伴う費用の増加等を通じて、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ④ 企業活動・エンジニアリング a. 研究開発 当社グループの研究開発活動に係る情報は、第2「事業の状況」6研究開発活動に記載されています。これら研究開発活動は事業の性格上、多額の投資とともに長期の開発期間が必要とされるという特性があります。そのため、実用化機会の逸失や事業戦略・市場動向との不整合等により十分な成果に結びつかず、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 b. 知的財産管理 当社グループは保有する知的財産の適切な保全に努めています。しかし、第三者による当社グループ製品・サービスの模倣や解析調査等技術的に当社グループに影響を与えるような動きを完全に防止することが困難な場合があります。 また、当社グループが将来に向けて開発している製品・サービスが、意図せず他社等の知的所有権を侵害してしまう場合や、従業員の発明に対して適切な対応を取らなかったとみなされた場合に損害賠償等を求められ、その結果として当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 c. プロジェクト管理 当社グループは、大型プロジェクト、大型投資のいずれも、初期計画がその後の成否に大きな影響を与えると考えています。特に新規性の高い事業やしばらく実施していなかった事業の場合、初期計画による影響は顕著です。それらのことを踏まえ、受注・投資前の審査プロセス体制を整備してプロジェクトリスク管理を行なっています。 大型プロジェクトでは、個別にお客さまと受注契約を締結した後に製品を生産する場合が多く、受注契約締結前に多面的な社内審査を行なっています。しかし、契約締結後に当初想定できなかった紛争等の地政学リスクの顕在化によるエネルギー価格の高騰、資機材価格や輸送コストの急激な変動、サプライチェーンの途絶、為替相場の変動などの経済環境の変化や検討不足、予期しないトラブル、JV等のパートナー企業の経営悪化等により見積コストを上回る工事の発生、お客さまから要求された性能・納期の未達によるペナルティーの支払い、追加費用の発生等の可能性があり、その結果として当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、お客さま都合による受注契約の取り消しのケースでは、受注契約条件の中で違約金条項を設定する等そのリスク回避に最大限努力しているものの、必ずしも支出したコストの全額を回収できない可能性があり、その結果として当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 大型投資では、投資前に採算性やリスクの観点から投資実行計画の社内審査を行なっています。しかし、投資の意思決定時に想定できなかった経済環境や市場の変化、自社やパートナーに起因するトラブル等による目標投資効率の未達や損失計上の可能性があり、その結果として当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 大型プロジェクト、大型投資とも、受注・投資前の審査においては、社内・外の有識者と本社の審査部門との連携による多面的・複合的なリスクレビューの実施、受注後・投資開始後においては、各事業領域のリスク管理部門とも連携しながら、当初計画どおりに進んでいるか、新たな事象やリスクへの対応がなされているかなどのモニタリングの継続・強化に取り組むなど、引き続き徹底したプロジェクトリスクマネジメントを実施していきます。 d. 調達・物流 当社グループはキーとなる主要部品を自社グループ内で製造するよう努めている一方で、複数のグループ外調達先より原材料・部品・サービスの供給を受けています。主要な原材料・部品の市況動向については日頃から情報収集や調達先との対話を通じて安定調達に努めるとともに、調達先の品質・納期等の管理を徹底し、特定の調達先への過度の集中・依存を避けるべく調達先の分散化等を進め、リスクの低減に取り組んでいます。しかしながら、資機材価格の急激な変動、需給バランスの変化や国際情勢の急変に加え、激甚災害や大規模な感染症の拡大に伴う当社グループのサプライチェーン途絶等の問題が生じた場合、コストアップ、納期遅延等の問題が生じる可能性があります。また、人権尊重への取り組みや、サステナブルな社会を実現するためにCSR調達を推進していく過程で、調達コストが上昇する可能性があり、その結果として当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 e. 設計・製造 当社グループは、各地に生産拠点を有しています。それらの拠点が所在する地域において、激甚災害、新型コロナウイルスのような大規模な感染症の拡大、国際情勢の急激な変化に伴う生産遅延・停止・サプライチェーンの途絶、あるいは生産活動に影響を与える資機材の入手困難・電力制限などが生じ、かつその影響がBCPの想定範囲を超えた場合、それらの拠点における生産能力が損なわれ、その結果として当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 f. 品質保証 当社グループは、お客さまの満足、安全、安心を実現する製品・サービスを提供するために、お客さま要求を含む要求事項の反映や計画段階で想定されるリスクへの対応も含んだ品質マネジメントシステムを構築し品質を保証する仕組み・体制を整備しています。しかし、品質保証に関わる想定外の事態が発生した場合には、お客さまの評価や社会的評価の低下を招くとともに損害賠償責任が生じ、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
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業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.経営成績の状況 当連結会計年度の世界経済は、一部地域では景気持ち直しの動きに足踏みがみられたものの、総じて底堅く推移しました。欧州経済はエネルギーをはじめとするコスト高や中国における内需減速の影響から低迷し、中国経済も不動産市場の停滞を背景に低調な推移が継続しました。一方、米国経済は中東関与などの政策運営を巡る不確実性の影響を受けつつも、AI関連投資や堅調な雇用環境が下支えとなりました。わが国経済については、物価上昇の影響を受けながらも、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調が継続しています。 当社グループの主力事業である航空・宇宙・防衛事業において、航空機需要が中長期的に増加することが見込まれる中、民間向け航空エンジンでは、運航時間の増加などを背景に、アフターマーケット事業が拡大しています。防衛事業では、地政学的リスクの高まりが続く中、防衛力強化政策を背景に、継続して大型案件への受注対応を進めています。今後見込まれる民間向け航空エンジンや防衛事業、宇宙事業の需要拡大に応えていくため、リソース確保を含む生産能力の増強とともに、世界トップレベルの生産効率実現に向けた取り組みを進めています。 出荷済みのPW1100G-JMエンジンに関する追加検査プログラムについては、引き続きプログラムパートナーとともに整備能力増強を図り、地上駐機数の低減に向けた対応を進めています。お客さまであるエアラインへの負担軽減及び信頼回復に取り組んでまいります。 中核事業におけるライフサイクルビジネスは、中長期的に安定的な成長が見込まれるため、当社グループの収益への貢献や投資原資の創出を図るべく、引き続き拡大に向けて取り組みます。 事業ポートフォリオ改革の主要な取り組みとして、当連結会計年度においては、産業システム・汎用機械事業の一部であった運搬機械事業や株式会社IHIアグリテックの芝草・芝生管理機器事業及び株式会社IHI汎用ボイラのほか、社会基盤事業の一部であった株式会社IHI建材工業及び新潟トランシス株式会社、航空・宇宙・防衛事業の中で気象・防災・宇宙事業を担っていた明星電気株式会社について、譲渡を完了しました。また、当社持分法適用会社であるジャパン マリンユナイテッド株式会社(以下、「JMU」という。)の持分の一部を今治造船株式会社(以下、「今治造船」という。)へ譲渡しました。JMUにおける議決権比率は、今治造船:30%・JFE(※):35%・IHI:35%から、今治造船:60%、JFE:20%、IHI:20%となりました。(※:JFEホールディングス株式会社) 上記に加え、社会基盤事業において、橋梁・水門事業を担う株式会社IHIインフラシステムと株式会社IHIインフラ建設が、2025年11月1日に統合しました。両社の強みと人財を融合し、社会課題の解決に向けた体制構築を進め、橋梁・水門業界における国内トップクラスの地位確立と、グローバルな成長のループ構築によって更なる成長を目指します。 当社はこれまで、環境変化に強い事業体質への転換と成長を目指し、事業ポートフォリオ改革に取り組んできました。今後は、持続的な高成長を実現するステージへと移行し、長期的な視点から更なる飛躍を図っていきます。 このような事業環境下において、当社グループの当連結会計年度の受注高は前期比11.6%増の1兆9,547億円となりました。 売上収益については、中核事業における事業譲渡に伴う減収や前期の大型工事進捗の反動はありましたが、防衛事業や民間向け航空エンジンの拡大に加え、車両過給機での需要拡大・販価改善などにより、1.0%増の1兆6,434億円となりました。 損益面では、民間向け航空エンジンでの整備費用の増加や研究開発費等販管費の増加、資源・エネルギー・環境事業での一部海外事業の採算悪化等の影響はあったものの、原子力の採算性向上のほか、車両過給機の構造改革費用の前期反動や運搬機械事業及び投資不動産の譲渡益計上もあり、営業利益は220億円増益の1,655億円となりました。税引前利益は、為替円安の影響や持分法投資利益の増加により470億円増益の1,854億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は、482億円増益の1,609億円です。 当連結会計年度の報告セグメント別の業績は以下のとおりとなりました。 (単位:億円) 報告セグメント   受注高   前連結会計年度   当連結会計年度   前年度比 前連結 会計年度   当連結 会計年度   前年度比 増減率 (%)   (2024.4~2025.3)   (2025.4~2026.3)   増減率(%) 売上収益   営業損益   売上収益   営業損益   売上収益   営業損益 資源・ エネルギー・環境   3,703   6,247   68.7   4,114   161   3,767   59   △8.4   △63.1 社会基盤(※1)   1,504   1,332   △11.4   1,460   △42   1,319   37   △9.6   - 産業システム・ 汎用機械   4,844   4,607   △4.9   4,848   108   4,505   307   △7.1   185.0 航空・宇宙・防衛 (※2)   7,199   7,031   △2.3   5,557   1,227   6,517   1,124   17.3   △8.4 報告セグメント 計   17,251   19,219   11.4   15,980   1,454   16,108   1,528   0.8   5.1 その他   755   811   7.4   772   168   843   358   9.2   113.2 調整額   △495   △483   -   △484   △187   △518   △232   -   - 合計   17,511   19,547   11.6   16,268   1,435   16,434   1,655   1.0   15.3 (注)金額は単位未満を切捨て表示し、比率は四捨五入表示しています。 (※1)前連結会計年度に「社会基盤」に含まれていた都市開発は「その他」に組み替えて表示しています。 (※2)売上収益及び営業損益には、出荷済みのPW1100G-JMエンジンに関する追加検査プログラムの為替変動による影響が、前連結会計年度で+9億円、当連結会計年度で△50億円含まれています。 当連結会計年度の報告セグメント別の事業環境は以下のとおりです。 <資源・エネルギー・環境> 中東情勢の緊迫化を受けたエネルギー供給上の地政学的リスクやインフレの常態化、米国の政策変更等による天然ガス回帰など不確実な情勢が続く中で、エネルギーの安定供給を確保するためのエネルギー安全保障の重要性が高まっています。一方、中長期的な対応としてのカーボンニュートラル社会の実現へ向けた大きな潮流は変わっていません。今後、経済成長だけでなくデータセンターやAI活用の拡大による電力・エネルギー需要の増大が見込まれる中、安定供給とカーボンニュートラルを両立させる原子力拡大の動きも強まっています。 このような事業環境のもと、受注高は、アジア拠点EPCやカーボンソリューションでの大型案件の受注をはじめ、エネルギー分野の需要拡大により、すべてのSBUで増加しました。 売上収益は、原子力の拡大や、中型機種の販売増による原動機の増収はあったものの、アジア拠点EPCやカーボンソリューションの前期大型工事に進捗の反動などにより減収となりました。 営業利益は、原子力や原動機での増収及び採算性向上による増益はありましたが、事業構造改革費用の計上や海外事業での採算悪化により減益となりました。 <社会基盤> インフラの老朽化や気候変動による自然災害の激甚化への対応として国土強靭化計画が引き続き推進されています。道路ネットワーク機能強化や流域治水の推進に加え、橋梁をはじめとする既設インフラにおける予防保全型の維持管理や計画的な更新も進められています。一方、建設分野における人手不足は依然として深刻であり、建設業における時間外労働の上限規制の適用を背景として、省人化・自動化技術の導入やDXの推進を通じた生産性向上への取り組みが引き続き重要となっています。 このような事業環境のもと、受注高は、橋梁・水門で増加しましたが、交通システムやコンクリート建材の譲渡の影響により、減少しました。 売上収益は、シールドシステムでの大型工事進捗等による増収はありましたが、コンクリート建材や交通システムの譲渡の影響のほか、橋梁・水門での前期大型工事進捗の反動もあり減収となりました。 営業利益は、交通システムの譲渡による減益はありましたが、コンクリート建材事業の譲渡に関連する構造改革費用の前期計上による反動や橋梁・水門の採算性向上により増益となりました。 <産業システム・汎用機械> 中国によるレアアース輸出規制や中東情勢の緊迫化を背景に地政学リスクは一段と高まっており、エネルギー価格の乱高下と物流コストの高騰は常態化しています。国際サプライチェーンは安全保障リスクを踏まえた再編が進み、事業を取り巻く環境は引き続き不透明な状況が見込まれます。一方で、EVの普及ペースは鈍化しているものの産業界におけるカーボンニュートラルへのニーズは依然として高い状況にあり、先進国で進行する労働生産人口減少に伴う人手不足とともに、産業分野における中長期な構造的トレンドとなっています。 このような事業環境のもと、受注高及び売上収益は、車両過給機の販売台数増加や販価改善の効果はあったものの、運搬機械等の譲渡影響や回転機械の海外需要減少などの影響により、いずれも減少及び減収となりました。 営業利益は、熱・表面処理での事業構造改革費用の計上などはありましたが、前期の車両過給機での事業構造改革費用計上の反動影響に加え、当期における車両過給機の販価改善や運搬機械の譲渡益の計上などにより、増益となりました。 <航空・宇宙・防衛> 民間向け航空エンジン事業では世界の旅客需要が堅調に伸びる中、アフターマーケットでの収益が拡大を継続しています。また、防衛予算の増額、宇宙産業の市場拡大の流れを受け、防衛・宇宙事業においても、新たな価値創造を図り競争力向上を目指していきます。各事業とも中長期的な市場成長が見込まれる一方で、足元では、中東情勢の悪化や中国における輸出規制などを背景に、地政学的リスクはかつてない速度で変化し、サプライチェーンの混乱や物価高騰などの影響が生じています。当社グループは、環境の変化に打ち勝つ事業体質構築に向け、デジタル基盤の活用等による生産効率改革や業務構造改革をさらに推進し、成長を加速していきます。 このような事業環境のもと、受注高は、前期の防衛の大型工事受注の反動などにより減少となりました。 売上収益は、民間向け航空エンジンのスペアパーツの販売増や防衛事業の拡大により増収となりました。 営業利益は、防衛の拡大及び採算改善のほか、民間向け航空エンジンでのスペアパーツの販売増加や前期の貸倒引当金計上の反動はありましたが、民間向け航空エンジンでの整備費用の増加や研究開発費等販管費の増加などの影響により、減益となりました。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 b.資産及び負債、資本の状況 当連結会計年度末における総資産は2兆4,285億円となり、前連結会計年度末と比較して1,881億円増加しました。主な増加項目は、営業債権及びその他の債権で692億円、主な減少項目は、売却目的保有資産で234億円です。 負債は1兆7,470億円となり、前連結会計年度末と比較して152億円増加しました。主な増加項目は、営業債務及びその他の債務で1,142億円、主な減少項目は、返金負債で423億円です。有利子負債残高はリース負債を含めて4,898億円となり、前連結会計年度末と比較して248億円減少しました。資金流動性については十分な水準を確保しています。 資本は6,815億円となり、前連結会計年度末と比較して1,728億円増加しました。これには、親会社の所有者に帰属する当期利益1,609億円が含まれています。 以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末の21.5%から26.9%となりました。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比較して182億円増加し、1,550億円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは1,213億円の収入超過(前連結会計年度は1,776億円の収入超過)となりました。これは、法人所得税の支払は増加したものの、利益の増加に加え営業債務の増加があったためです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは184億円の支出超過(前連結会計年度は588億円の支出超過)となりました。これは、固定資産の売却や有価証券の売却による収入があった一方で、設備投資を進めたことにより支出が増加したためです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは978億円の支出超過(前連結会計年度は1,162億円の支出超過)となりました。これは、主に借入金の返済による支出があったためです。 (注)この項に記載の金額は単位未満を切捨て表示し、比率は四捨五入表示しています。 ③生産、受注及び販売の状況 a.生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 セグメントの名称   金額(百万円)   前年度比(%) 資源・エネルギー・環境   372,407   △9.2 社会基盤   129,911   △13.1 産業システム・汎用機械   424,519   △11.8 航空・宇宙・防衛   799,276   43.9 報告セグメント 計   1,726,113   8.1 その他   67,958   32.7 合計   1,794,071   8.9 (注)1. 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引を相殺消去しています。 2. 金額及び比率は単位未満を四捨五入表示しています。 b.受注状況 当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 セグメントの名称   受注高 (百万円)   前年度比(%)   期末受注残高 (百万円)   前年度末比(%) 資源・エネルギー・環境   624,747   68.7   698,590   59.6 社会基盤   133,270   △11.4   224,660   3.5 産業システム・汎用機械   460,787   △4.9   168,967   △18.0 航空・宇宙・防衛   703,179   △2.3   656,612   8.4 報告セグメント 計   1,921,983   11.4   1,748,829   19.2 その他   81,157   7.4   19,508   △5.4 調整額   △48,398   -   -   - 合計   1,954,742   11.6   1,768,337   18.9 (注)1. 各セグメントの受注高は、セグメント間の取引を含んでおり、調整額でセグメント間取引の合計額を消去しています。 2. 各セグメントの受注残高は、セグメント間の取引を相殺消去しています。 3. 金額及び比率は単位未満を四捨五入表示しています。 c.販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 セグメントの名称   金額(百万円)   前年度比(%) 資源・エネルギー・環境   376,720   △8.4 社会基盤   131,926   △9.6 産業システム・汎用機械   450,526   △7.1 航空・宇宙・防衛   651,718   17.3 報告セグメント 計   1,610,890   0.8 その他   84,348   9.2 調整額   △51,836   - 合計   1,643,402   1.0 (注)1. 販売実績は売上収益をもって示します。 2. 金額はセグメント間の取引を含んでおり、調整額でセグメント間取引の合計額を消去しています。 3. 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりです。 相手先   前連結会計年度   当連結会計年度 金額(百万円)   割合(%)   金額(百万円)   割合(%) 一般財団法人 日本航空機エンジン協会   268,806   16.5   332,088   20.2 防衛省   137,627   8.5   185,784   11.3 4. 金額及び比率は単位未満を四捨五入表示しています。 (2)経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ①重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、IFRS会計基準に準拠して作成されています。連結財務諸表の作成に当たり、見積りが必要となる事項については、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行なっています。 詳細については、第5「経理の状況」1連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記「3.重要性のある会計方針」、及び注記「4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しています。 ②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループ及びセグメントごとの経営成績の状況は(1)経営成績等の状況の概要の①財政状態及び経営成績の状況に記載のとおりです。 当社グループは、2023年度を初年度とする3か年の中期経営計画「グループ経営方針2023」に基づく取り組みを進めてきました。不確実性が高い経営環境が継続する中でも持続的な高成長を実現する事業へ変革していくことを目指し、成長をけん引する航空エンジン・ロケット分野の成長事業と、将来の事業の柱として期待されるクリーンエネルギー分野の育成事業、市場成長が見込めてかつ資本効率の高い事業への戦略的な経営資源のシフトを進めるため、事業ポートフォリオ改革を実行しました。 「グループ経営方針2023」の最終年度となった2025年度は、売上収益・営業利益ともに過去最高を達成しました。営業利益率・ROICについては「グループ経営方針2023」に掲げた経営目標を達成し、1株当たり当期利益(EPS)も大きく成長しました。一方で、CCCは未達となり、キャッシュ・フロー創出力については未だ課題として残りました。 2026年度からは、持続的な高成長を実現するステージに移行し、当社グループが取り組むべき社会課題と成長を実現するための事業戦略を改めて明確化し、2040年に向けて、長期視点で大きな飛躍の実現に挑戦していきます。 2023年度 (2024年3月期)実績   2024年度 (2025年3月期)実績   2025年度 (2026年3月期)実績   グループ経営方針2023 2025年度経営目標 ROIC     △4.9%     10.5%    11.0%    8%以上 営業利益率     △5.3%   (7.0%)     8.8%    10.1%     7.5% CCC     107日   (132日)     94日   (115日)    97日   (109日)     100日 (注)各指標の算出方法は次のとおりです。 ・ROIC :(1-法定実効税率)×(営業利益+受取利息+受取配当金) ÷(親会社の所有者に帰属する持分+有利子負債の金額) ・CCC  :運転資本÷売上収益×365日 ・運転資本:営業債権+契約資産+棚卸資産+前払金-契約負債-営業債務-返金負債 ・2023年度~2025年度の括弧内の数字は、出荷済みのPW1100G-JMエンジンに関する追加検査 プログラム及び海外連結子会社における訴訟の和解合意による損失の影響を除いたものです。 ③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 a.財務戦略の基本的な考え方 当社グループは、事業基盤の強化やキャッシュ創出力向上の取り組みを通じて得られた自己資金を原資として、財務基盤の拡充と株主還元のバランスを取りながら、事業変革のための投資を進めていくことを財務戦略の基本方針としています。 2025年度のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが1,213億円の収入となり、投資活動によるキャッシュ・フローは184億円の支出となりました。合計したフリー・キャッシュ・フローは1,029億円となり、前連結会計年度に対して158億円減少しました。 引き続き当社グループは、収益性・キャッシュ創出力を重視した経営施策を着実に実行し、成長・育成事業への最適な資金配分により、持続的な高成長を実現する企業体質への変革を実現し、企業価値向上へつなげていきます。 出荷済みのPW1100G-JMエンジンに関する追加検査プログラムに係る支出が発生することや、稼ぐ力がキャッシュ・フローに結び付いていないことから、営業キャッシュ・フローの強化は喫緊の課題です。運転資本の圧縮を進め、キャッシュ・フロー改善につなげていきます。 b.資金調達の方針 当社グループの運転資金、投資向け資金等の必要資金の財源については、主として営業活動によるキャッシュ・フローで獲得した資金を財源とすることを原則としています。必要に応じて、短期的な資金については金利の上昇に留意しつつ銀行借入やコマーシャル・ペーパーなど、設備資金・投融資資金等の長期的な資金については、日銀の政策変更による本邦金利上昇を見据えながら既存借入金及び既発行債の償還時期等を総合的に勘案し、長期借入金や社債等によって調達しています。 外部からの資本・資金調達については、関連するリスクを適切にコントロールした上で、資本コストを最小化する調達を実現することを資金調達の基本方針としています。 また、当社グループ内部では、グループガバナンスの向上、資金効率の向上及び資本コストの低減を図り、企業価値向上に寄与するため、グループ一体となった資金調達・資金収支管理を実施しており、当社と国内子会社間、また海外の一部地域の関係会社間ではキャッシュ・マネジメント・システムによる資金融通を行ない、グループ内の流動性確保、資金効率向上に努めています。 c.資金需要、資金調達及び流動性の分析 当社グループの主な資金需要は、事業活動に必要な運転資金、成長事業創出のための研究開発費及び設備投資等です。 当連結会計年度末の有利子負債残高はリース負債を含めて4,898億円となり、前連結会計年度末に対して248億円減少しました。 当連結会計年度末の現金及び現金同等物は1,550億円であり、前連結会計年度末と比較して182億円増加しています。手元資金の流動性については現金及び現金同等物に加え、主要銀行とのコミットメントライン契約や当座貸越枠、コマーシャル・ペーパーなど多様な調達手段を保有し、上記現金及び現金同等物と合わせて引き続き十分な流動性を確保しています。 (注)この項に記載の金額は単位未満を切捨て表示しています。

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開示資料

出典

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IR資料の開示履歴 (TDnet)
  • 決算説明資料2026年度(2027年3月期)第1四半期決算説明資料(IFRS)2026-08-05

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