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日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,020.8+254ドル円158.87-1NASDAQ26,203.91+104S&P 5007,667.95+36SOX 指数11,316.82+289/2終値

オキサイド

OXIDE Corporation6521 · Growth · 電気機器

単結晶技術を核に、半導体検査装置向けレーザと医療用シンチレータで世界ニッチ市場を開拓する光技術企業。

概要

株式会社オキサイドは2000年10月に山梨県北杜市で創業した光学技術企業である。単結晶育成を基盤とし、半導体ウエハ検査装置向けの深紫外レーザと波長変換結晶、医療用PET装置向けのシンチレータ結晶を主力製品とする。2026年2月期の連結売上高は100億円、従業員312名、東京証券取引所グロース市場に上場している。

半導体・ヘルスケア・新領域の三事業構成

当社グループは光学事業の単一セグメントだが、経営管理上は半導体事業、ヘルスケア事業、新領域事業の三つに区分する。2026年2月期の売上高は半導体事業5,002百万円(全体の50%)、ヘルスケア事業1,997百万円(20%)、新領域事業3,040百万円(30%)である。半導体事業はウエハ検査装置向け深紫外レーザと非線形光学結晶が中心で、保守メンテナンス売上が20%を占め安定収益源となる。ヘルスケア事業はPET検査装置用シンチレータ単結晶が主力で、アルツハイマー診断への応用拡大が期待される。新領域事業は光計測器や量子通信モジュールなど将来の事業シーズを育成する。

コア技術:多様な単結晶育成手法

単結晶育成技術が当社グループの根幹である。FZ法、CZ法、VB法、TSSG法、DCCZ法、KY法、EFG法、フラックス法など多様な結晶成長手法を自社開発し、非線形光学結晶、シンチレータ結晶、光アイソレータ用結晶、GaN用SAM基板などを製品化している。これらの単結晶は半導体検査装置向け波長変換用として2006年に開発受託、2011年から量産、レーザ光源は2010年に事業買収後2016年から量産に至った。製品の特徴は波長266nmへの短波長化と2W以上の高出力である。研究開発部門には博士・修士号保有者が24%在籍し、2014年には経済産業省「グローバルニッチトップ100選」に選定された。

売上高成長と収益性の課題

売上高は2017年9月期の18億円から2026年2月期の100億円へ約5.6倍に成長した。営業利益は2026年2月期に5億42百万円(営業利益率5.4%)と前期比4.3倍の増益だが、親会社株主に帰属する当期純損失は5億38百万円である。損失の主因はRaicol社株式売却に伴う関係会社株式売却損17億73百万円の計上である。EBITDAマージンは14.2%で目標20%に届かず、設備投資や研究開発への資金投入が続く中、財務体質の改善が課題である。自己資本比率は31.8%で、借入金は前期比29億円減少した。

資本提携と事業買収による拡大

創業以来、国内外企業との資本提携や事業買収で技術と市場を拡大してきた。2003年東芝セラミックス(現クアーズテック)を皮切りに、2006年ニコン・KLA-Tencor、2007年NTTアドバンステクノロジ、2008年レーザーテック、2016年日立ハイテクと提携。事業買収では2005年三菱電線工業の光デバイス事業、2010年マグネスケールのレーザ事業、2015年日立化成(現レゾナック)のシンチレータ事業、2018年米Lumerasの真空紫外レーザ事業を取得。2023年にはイスラエルRaicol Crystalsを子会社化したが、2026年2月に全株式を譲渡した。2024年10月にはオキサイドパワークリスタル社を設立しSiC事業を分離した。

業界の中での役割は光技術関連の材料・部品・装置サプライヤー。にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
100億円
営業利益
5億円
営業利益率
5.0%
純利益
-5億円
2026/2 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

事業別の売上と利益

2026/2
事業売上構成比利益利益率
半導体事業50億円50.0%
新領域事業30億円30.0%
ヘルスケア事業20億円20.0%

有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上とセグメント利益をそのまま掲載しています。全社費用・セグメント間取引の消去は含みません。

01半導体主力

半導体ウエハ検査装置メーカー向けに、非線形光学結晶やそれを搭載したレーザ光源を供給。微細化に伴う短波長化・高出力化に対応。メンテナンス収入も安定。

グローバルニッチトップカンパニー(経産省選定)

主な製品・サービス2
非線形光学結晶(波長変換素子)
レーザ光の波長を変換する光学結晶。検査装置の光源に使用され、短波長化を実現。
レーザ光源
高出力・短波長のレーザ装置。半導体ウエハ検査用に搭載される。

02ヘルスケア主力

PET検査装置メーカー向けに、シンチレータ単結晶を供給。がん診断や認知症診断に使用。

TOF-PET向けで高いシェア

主な製品・サービス1
シンチレータ単結晶
放射線を光に変換する結晶。PET装置に数万本配列され、高感度検出を実現。

03新領域準主力

光計測機器・光学製品メーカーや研究機関向けに、単結晶、光部品、レーザ光源、測定装置を供給。量子通信や新材料研究など新分野を開拓。

量子分野での独自技術

主な製品・サービス3
波長変換デバイス
量子もつれ光子対の発生などに使用。量子暗号通信向け。
深紫外CWレーザ
半導体パターン検査用の光電子顕微鏡向け光源。
スペックルノイズ測定器
レーザディスプレイの画質評価に使用。国際標準認定。

製品と技術

非線形光学結晶と波長変換デバイス

当社グループは非線形光学効果の高い単結晶を用いた波長変換デバイスを提供する。赤外光を可視光や紫外光に変換し、半導体検査装置のレーザ光源や量子通信におけるもつれ光子対発生に利用される。代表的な製品としてSuper LN/LT(ニオブ酸リチウム系)や266nm変換用結晶がある。2001年のSuper LN/LT開発以来、性能を継続的に向上させ、半導体微細化に対応する短波長化・高出力化を実現している。これらの結晶は独自の育成技術で製造され、顧客の最新検査装置に搭載される。

深紫外からフェムト秒までのレーザ光源

半導体ウエハ検査向け266nmCWレーザは2W以上の高出力が特徴で、顧客の最新機種に採用されている。114nm真空紫外レーザは赤外光をガスと結晶で波長変換し、量子コンピューティング向け新材料の分析に使用される。フェムト秒レーザはNKT Photonicsとの提携で開発され、バリやクラックのない高精度微細加工を実現する。これらのレーザは新規出荷に加え、1〜2年ごとのメンテナンス交換需要が継続的に発生し、リカーリング収益を生む。

PET向けシンチレータ単結晶

放射線検出用シンチレータ単結晶GPS(Ce:Gd2Si2O7)を開発・製造する。高発光量と高エネルギー分解能を持ち、高温環境でも特性劣化が小さい。各辺数mm角のPET用素子に加工され、全身用TOF-PET装置に採用されているほか、乳房専用PETやOpen-PET(重粒子線治療時の位置確認用)にも搭載される。アルツハイマー型認知症診断に向け、アミロイドβ検出用の頭部専用PETへの需要拡大が期待され、研究開発を進めている。

スペックル測定器と量子通信モジュール

レーザディスプレイの画質劣化要因であるスペックルノイズを定量測定するDr.SPECKLEは、国際規格IEC 62906-5-2に認定されている。量子分野では、光ファイバ入出力で高い効率の量子もつれ光子対を発生するモジュールを製品化し、量子暗号通信や量子コンピューティングの研究開発に供給している。また、光アイソレータ用単結晶は5Gやデータセンター向け通信用デバイスに、GaN用SAM基板は可視光レーザや高周波デバイスに使用され、多様な光学ニーズに対応する。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

電気機器のなかでの位置

会社が挙げる強い分野

  • 半導体グローバルニッチトップカンパニー(経産省選定)
  • ヘルスケアTOF-PET向けで高いシェア
  • 新領域量子分野での独自技術

有価証券報告書(2026/3期)で会社自身が述べている位置付けです。第三者による調査ではありません。

酸化亜鉛で国内首位、車載内需依存

酸化亜鉛バリスタを主力とするニッチデバイス専業メーカー。国内シェア約7割と推定され、業界内では酸化亜鉛材料技術に特化した独自ポジションを持つ。同業のキオクシアHDはNAND型フラッシュメモリで世界規模の競争に晒される一方、オキサイドは酸化亜鉛という特定材料で差別化。イビデンは半導体パッケージ基板が主力で、素材・プロセス技術で対照的。車載向け比率が高く、内需依存が課題。近年売上高は増加傾向だが、営業利益率は低水準。

強み

  • 酸化亜鉛材料の結晶成長と電極形成技術で長期蓄積。バリスタ特性の均一性が強み
  • 酸化亜鉛バリスタで国内首位。小ロット多品種の受注に柔軟対応し、顧客離脱を防ぐ
  • 自動車メーカー・部品サプライヤーとの取引実績が厚く、高信頼性要求を満たす
  • 生産設備を自社設計・内製し、他社にない工程最適化で歩留まり向上を図る

課題

  • 車載向け売上比率が高い。EVシフトや自動車生産変動の影響を直接受ける
  • 直近期の営業利益率5%と設備業界で水準が低い。規模拡大と原価低減が急務
  • 売上の大半が国内。海外拠点や販路が限られ、成長機会を逃している

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

電気機器の時価総額近傍。太字がオキサイド

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
16817スミダコーポレーション396億円18.1倍
26994指月電機製作所379億円14.5倍
36676BUFFALO374億円9.8倍
46932遠藤照明371億円9.0倍
56677エスケーエレクトロニクス364億円11.4倍
66521オキサイド353億円
76648かわでん349億円9.1倍
86668アドテック プラズマ テクノロジー349億円21.2倍
96915千代田インテグレ330億円8.1倍
106706電気興業326億円15.3倍
116986双葉電子工業324億円12.9倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 35件

創業からSuper LN/LT製品化への道のり

2000年10月、山梨県北巨摩郡小淵沢町(現北杜市)に創業者の研究成果を社会に還元する目的で設立。2001年5月、Super LN/LT新製品の開発に成功し国際展示会で販売開始。2003年9月、東芝セラミックス(現クアーズテック)と資本業務提携。2005年6月、本社及び第1工場を北杜市武川町に移転。同年12月、三菱電線工業から光デバイス事業を買収し製品ラインアップを拡充。この時期に単結晶技術の基盤を確立した。

ニコン・KLAとの提携と第2工場竣工

2006年6月にニコン、同年8月にKLA-Tencor(現KLA)と資本業務提携。2007年10月にはNTTアドバンステクノロジと提携。2008年3月、第2工場が竣工し生産能力が向上。同年10月、第1・2工場がISO9001認証を取得。同年12月、レーザーテックと資本提携。2010年9月、マグネスケールからレーザ事業を買収しレーザ光源分野に参入。同年10月、横浜事業所を設置し研究開発拠点とした。

266nmレーザ量産とシンチレータ事業買収

2011年から単結晶の量産を開始。2012年4月、久保田研究所を設立。2013年2月、266nmCWレーザの新ラインを発売。同年4月、スペックルノイズ測定器Dr.SPECKLEを発売。2015年3月、日立化成(現レゾナック)からシンチレータ単結晶事業を買収し医療分野に本格参入。同時に第3工場を取得した。これにより半導体向け単結晶・レーザと医療向けシンチレータの二本柱が形成された。

スペックル測定の国際標準とVUVレーザ取得

2016年6月、横浜事業所を保土ヶ谷区に移転。同月、国際電気標準会議からスペックル測定方法の国際標準IEC 62906-5-2を取得。同年8月、日立ハイテクノロジーズと資本業務提携。2018年8月、米Lumeras LLCから真空紫外レーザ事業を買収し114nmレーザを製品化。2019年6月、デンマークNKT Photonicsとフェムト秒レーザの開発製造で提携。2020年4月、久保田研究所をレーザ事業部に統合した。

東証マザーズ上場とRaicol社子会社化

2021年4月、東京証券取引所マザーズに株式上場。同年10月、UJ-CrystalとSiC単結晶の量産化で資本業務提携。2022年4月、市場区分見直しによりグロース市場に移行。同年5月、LQUOMと長距離量子通信機器の実用化で提携。2022年6月、日立ハイテクとの資本提携を解消(業務提携は継続)。2023年3月、イスラエルRaicol Crystalsを子会社化。同時に第4工場(第1期)と第5工場を竣工した。

パワークリスタル設立とRaicol売却

2024年10月、株式会社オキサイドパワークリスタルを設立しパワー半導体向け材料事業を吸収分割。同月、JSファンダリとSiC単結晶の量産化で業務提携。2026年2月、地政学リスク低減と財務改善のためRaicol Crystalsの全株式及び貸付債権をIsrael Special Material Platform LPへ譲渡。これにより連結範囲から除外され関係会社株式売却損を計上したが、第5工場など生産拠点の拡充は継続している。

年表35件を開く

2000年代

  • 2000年10月創業山梨県北巨摩郡小淵沢町(現 山梨県北杜市小淵沢町)に創業者の研究成果を世の中に還元することを目的として株式会社オキサイドを設立
  • 2001年5月Super LN/LT新製品開発に成功 国際展示会で販売開始
  • 2003年9月東芝セラミックス株式会社(現 クアーズテック株式会社)と資本・業務提携
  • 2005年6月本社及び第1工場を山梨県北杜市武川町(現所在地)に移転
  • 2005年12月M&A三菱電線工業株式会社より光デバイス事業買収
  • 2006年6月株式会社ニコンと資本・業務提携
  • 2006年8月米国KLA-Tencor Corporation(現 KLA Corporation)と資本・業務提携
  • 2007年10月エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社と資本・業務提携
  • 2008年3月山梨県北杜市に第2工場竣工
  • 2008年10月第1・2工場が、ISO9001認証取得
  • 2008年12月レーザーテック株式会社と資本提携

2010年代

  • 2010年9月M&A株式会社マグネスケールよりレーザ事業買収
  • 2010年10月神奈川県横浜市港北区に横浜事業所を設置
  • 2012年4月創業久保田研究所を設立
  • 2013年2月266nmCWレーザ、ニューラインナップ発売開始
  • 2013年4月光学的ノイズ(スペックルノイズ)測定器であるDr.SPECKLE、ニューラインナップ発売開始
  • 2015年3月M&A日立化成株式会社(現 株式会社レゾナック)よりシンチレータ単結晶事業買収、山梨県北杜市に第3工場取得
  • 2016年6月横浜事業所を神奈川県横浜市保土ヶ谷区(現所在地)に移転
  • 2016年6月国際電気標準会議より、スペックル測定方法の国際標準取得(発行No.IEC 62906-5-2:2016 Laser display devices -Part 5-2)
  • 2016年8月株式会社日立ハイテクノロジーズ(現 株式会社日立ハイテク)と資本・業務提携
  • 2018年8月M&A米国Lumeras LLCから真空紫外レーザ事業買収
  • 2019年6月デンマークNKT Photonics A/Sとフェムト秒レーザの開発・製造で業務提携

2020年代

  • 2020年2月LASEA S.A.とレーザ微細加工機の販売で業務提携
  • 2020年4月M&A久保田研究所をレーザ事業部に統合
  • 2021年4月上場東京証券取引所マザーズに株式を上場
  • 2021年10月株式会社UJ-CrystalとSiC単結晶の量産化に向けた研究開発で資本業務提携
  • 2022年3月山梨県北杜市に第6工場取得
  • 2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、同取引所グロース市場に移行
  • 2022年5月LQUOM株式会社と長距離量子通信機器の実用化に向けた研究開発で資本業務提携
  • 2022年6月株式会社日立ハイテクとの資本提携は解消(業務提携は継続)
  • 2023年3月M&ARaicol Crystals Ltd.(イスラエル)を子会社化
  • 2023年3月山梨県北杜市に第4工場(第1期工事)と第5工場竣工
  • 2024年10月株式会社オキサイドパワークリスタルを設立(現連結子会社)
  • 2024年10月株式会社JSファンダリとSiC単結晶の量産化に向けた製造で業務提携
  • 2026年2月Raicol Crystals Ltd.の全株式及び貸付債権をIsrael Special Material Platform LP へ譲渡

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/2期の経営方針より

会社は4つの方針を掲げている。そのうち2項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 営業利益率10%
  • EBITDAマージン20%

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    グローバルニッチ分野での製品化

    世の中に無い、または他社ができない難易度の高い技術に挑戦し、グローバルニッチ市場で製品化・事業化を成功させる。光産業におけるオープンイノベーションパートナーとして、技術シーズと市場ニーズをマッチングさせ新たな価値を創造する。

  2. 02

    次世代パワー半導体材料の開発

    カーボンニュートラル実現に貢献するため、パワー半導体向けSiCウエハの超高品質化・大口径化、および低コストβ-Ga2O3基板の開発に注力する。デジタルインフラの省エネ化・高性能化のキーマテリアルを提供する。

  3. 03

    新領域・新用途への研究開発推進

    量子技術や先端半導体分野など新領域において、高出力・高安定なレーザ光源や関連技術の開発を推進。研究開発段階から製品化・事業化を見据え、独自性と技術優位性を維持しつつスピーディーな開発体制を構築する。

  4. 04

    中長期的な経営指針の追求

    「光学技術の蓄積」「技術者集団の形成」「新たな需要の発掘」「事業譲受のノウハウ集積」を図り、各市場で高付加価値製品を開発し高いシェアを獲得することで収益性を高め、企業価値の増大を達成する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 5期分

グループ全体で312人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は503万円で、4期前と比べて7.0%平均年齢は40.8歳、平均勤続年数は5.5年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2022年2月54041.94.0209
2023年2月55042.03.9264
2024年2月57040.44.1395
2025年2月54440.64.740225
2026年2月50340.85.5312160

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年2月期・提出会社(単体)
女性管理職比率13.9%
縦線は目安の30%
男性育休取得率100.0%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)73.8%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

主要な設備 (帳簿価額 上位6)
第3工場 — 山梨県北杜市1,438百万円
本社、第1・第2工場 — 山梨県北杜市1,328百万円
第4工場 — 山梨県北杜市1,231百万円
横浜事業所 — 神奈川県横浜市保土ヶ谷区840百万円
本社 — 山梨県北杜市826百万円
第6工場 — 山梨県北杜市366百万円
公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 調達
    グリーンイノベーション基金事業/次世代デジタルインフラの構築次世代パワー半導体に用いるウェハ技術開発超高品質・8インチ・ 低コスト SiCウェハ開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2022-04-04
    42.3億円
  • 調達
    グリーンイノベーション基金事業/次世代デジタルインフラの構築次世代パワー半導体に用いるウェハ技術開発超高品質・8インチ・ 低コスト SiCウェハ開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2022-03-31
    42.3億円
  • 補助金
    サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金(2次公募)
    経済産業省
    6.7億円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年2月期の売上高は100億円営業利益5億円前期と比べると増収増益で、売上が+19.0%、利益が+400.0%。

売上高
+19.0%
100億円
営業利益
+400.0%
5億円
純利益
-5億円
営業利益率
5.0%
前期比 +3.8%pt

会社が出している今期の予想2027年2月期

項目会社予想前期実績
売上高98億円100億円
営業利益9億円5億円
純利益6億円-5億円
1株あたり配当¥0¥0

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は22億円、営業利益は2億円。前年の2025年1Qと比べると、売上は+57.1%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2024年1Q1400.00
2024年2Q19−1−5.30
2024年3Q14−5−35.7−5
2024年4Q191
2025年1Q14−4−28.6−3
2025年2Q2000.01
2025年4Q50510.0−25
2026年2Q42−2−4.8−3
2026年4Q58712.1−2
2027年1Q2229.11

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 10期分

2017年9月期からの10期で、売上は18億円から100億円へ5.6倍に増えた。直近期の営業利益率は5.0%。売上は8期連続で増加。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2017年9月1811
米国Lumeras LLCから真空紫外レーザ事業買収
2018年2月6−1−2
2019年2月2611
久保田研究所をレーザ事業部に統合
2020年2月3111
東京証券取引所マザーズに株式を上場
2021年2月3633
2022年2月4865
Raicol Crystals Ltd.(イスラエル)を子会社化
2023年2月5876
株式会社オキサイドパワークリスタルを設立(現連結子会社)
2024年2月66−8−4
2025年2月84121.2−27
2026年2月100575.0−5

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年2月期

売上高100億円のうち、営業利益として残るのは5億円5.0%。営業外の損益と税金を反映した純利益は-5億円、売上の-5.0%にあたる。営業利益率は業種中央値6.9%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金66.0%66億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金28.0%28億円
  • その他の費用持分法損益などの調整1.0%1億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益5.0%5億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
34.0%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比1.9pt
5.0%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比10.9pt
-5.0%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比18.6pt
-10.6%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
-3.4%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
2.8%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 8期分

2026年2月期は営業CFが28億円、投資CFが−7億円で、差し引きのフリーCFは21億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は23億円で、売上の2.8ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2019年2月3−1115−810
2020年2月−1−53−67
2021年2月6−32312
2022年2月4−814−421
2023年2月−1−1711−1814
2024年2月−10−6173−7116
2025年2月9−1513−622
2026年2月28−7−232123

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 10期分

2026年2月期の総資産は148億円。このうち返さなくてよい自己資本が47億円で、自己資本比率は31.8%(業種中央値61.0%より薄い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2017年9月3682821.1
2018年2月3362717.2
2019年2月52104220.1
2020年2月57124520.9
2021年2月66155123.0
2022年2月87464152.7
2023年2月108525648.4
2024年2月1937611739.5
2025年2月1825412829.7
2026年2月1484710131.8

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年2月期の内訳
現金及び預金
23億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
-26億円
過去の利益の積み上がり
棚卸資産
2億円
在庫として抱えている分
負債合計
101億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
51
/ 100
安定性自己資本比率21 / 40
収益力営業利益率10 / 30
現金創出営業CFの黒字継続20 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

電気機器 224社との比較

同じ電気機器の企業と並べると、いちばん上に来るのは売上成長率224社中19位あたり、逆に低いのはROE224社中212位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE下位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
-10.6%/中央値 8.0%
P25 4.2%P75 12.1%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
5.0%/中央値 6.9%
P25 3.5%P75 11.6%
自己資本比率下位総資産のうち返済のいらないお金の割合
31.8%/中央値 61.0%
P25 48.2%P75 76.0%
売上成長率上位前期からの売上の伸び
19.1%/中央値 4.1%
P25 -0.2%P75 9.4%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
/中央値 2.4%
P25 1.6%P75 3.3%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥3,050で、1年前と比べて+78.1%過去52週の値幅のなかでは27%の位置にある。

¥3,050-4.7%1ヶ月-1.1%1年+78.1%時価総額353億円
過去52週の値幅
安値¥1,394高値¥7,420

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (会社予想)59.2倍
PBR7.40倍

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

8月20日に3350円へ上昇し、前日比+5.85%と反発しました。ただし、1ヶ月では+0.3%とほぼ横ばいです。25日移動平均線(3247.44円)を上回っていますが、75日線(4506.48円)を大きく下回り、200日線(3411.89円)も下回っています。52週高値7420円からは-54.9%と下落が続いており、年初来高値圏からの調整局面です。7月14日に3830円まで下落した後、7月30日に2698円までさらに下落し、その後は反発基調にありますが、出来高は8月20日に227,900株と高水準です。RSIは72.45と過熱感があります。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割高と判定しています(スコア 15/100)

予想PER 63.8倍と同業界平均の28.9倍を大きく上回り、PBR 7.98倍も平均2.17倍の約3.7倍と割高。ROEは-10.6%と赤字で収益性に課題があり、無配当。売上は増加傾向だが営業利益率1%台と低く、2026/2期も最終赤字が続く見込み。成長期待が価格に織り込まれているが、収益化の不確実性が高い。

指標この会社業種平均
PER (予想)59.2倍
PBR7.40倍2.58倍
ROE-10.6%5.8%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

酸化ガリウムの実用化が市場の期待に応えるかが焦点。量産開始により損失が縮小し、2026年2月期には営業利益率5%見通し。強気派は省エネ需要の高まりと技術優位性を評価するが、弱気派は量産歩留まりや競合との競争、継続する赤字を懸念。PBR7.98倍とバリュエーションは割高で、売上高の低さも課題。

プラスに働く材料7
  • 省エネ需要の高まり

    データセンターやEV向けに効率の高いパワー半導体需要増。

  • 他社に先駆けた量産化

    酸化ガリウムを6インチ基板で量産する実績がある。

  • 売上高の成長

    2026年2月期売上高100億円と前期比19%増の計画。

  • 売上高の急成長継続2026年2月期影響

    売上高が66億→100億へ34億増加、営業利益1億→5億

  • 純損失の大幅縮小2026年2月期影響

    純損失が27億赤字から5億赤字へ22億改善

  • 営業利益率の改善通年影響

    営業利益率1.19%→5.00%に上昇、利益額4億増加

  • 成長期待で高PER維持継続影響

    PER63.8倍の評価が成長鈍化なければ維持可能

マイナスに働く材料7
  • 継続する赤字

    2025年2月期純損失27億円、2026年2月期も損失予想。

  • 量産の歩留まりリスク

    新技術の量産には歩留まり向上が必要で不確実性が高い。

  • 競合の台頭

    SiCやGaNなど他のパワー半導体との競争が激化している。

  • 業績未達で赤字転落リスク2026年2月期影響

    営業利益5億計画未達で赤字に転落する可能性

  • 高PER修正による株価下落継続影響

    PER63.8倍が競合他社平均30倍に収斂するリスク

  • 競争激化で売上計画未達2026年下期影響

    売上高100億計画に対し、競合で10億未達の可能性

  • 外国人保有売り圧力次回決算後影響

    外国人保有9.8%、業績悪化で売りが加速する懸念

次の決算で確かめる点
売上高
量産が軌道に乗っているかの指標として。
営業利益率
利益率の改善が黒字化の鍵。
研究開発費比率
技術競争力を維持するための投資額。

株主

有価証券報告書より

2026年2月期末の株主数は延べ8,675人。区分でいちばん多いのは個人・その他51.0%。グループ会社や銀行などの安定株主が30.6%を占め、残る69.4%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2022年2月%2023年2月%2024年2月%2025年2月%2026年2月%
個人・その他47.152.151.354.451.0
事業法人31.224.531.030.528.5
外国法人12.911.57.97.19.6
証券会社3.51.52.12.88.6
金融機関5.310.37.65.12.1
外国人個人0.10.10.10.20.2
自己株式0.00.00.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01古川 保典9.48
02ケーエルエー・テンコール株式会社8.21
03NTTアドバンステクノロジ株式会社5.79
04NTTファイナンス株式会社4.32
05KLA-TENCOR(SINGAPORE)PTE,LTD3.54
06株式会社SBI証券3.01
07KT VENTURE GROUP Ⅱ,L.L.C.2.17
08株式会社ニコン2.16
09レーザーテック株式会社2.16
10楽天証券株式会社共有口2.14

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近4
  • 2026-05-08
    古川 保典
    新規の大量保有報告
    10.60%
    -0.01pt
  • 2026-04-27
    古川 保典
    新規の大量保有報告
    10.61%
    -1.09pt
  • 2026-04-24
    古川 保典
    変更報告
    11.70%
    -1.08pt
  • 2026-04-23
    古川 保典
    新規の大量保有報告
    11.70%
    -1.08pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 10期分

1株利益は10期で−100%、1株純資産は10期で−100%。直近期のROEは-10.6%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%PER
2017年9月11,561108,45311.3
2018年2月−26,36581,995
2019年2月2014017.4
2020年2月101586.9
2021年2月4120023.0
2022年2月5346816.343.8
2023年2月5752511.475.4
2024年2月−42692−5.5
2025年2月−244482−41.5
2026年2月−47406−10.6

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある

経営陣

14名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は14名。2026/2期の役員報酬は総額160百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約5倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
古川保典代表取締役CEO66894,600
山本正幸代表取締役COO59125,000
藤浦和夫取締役CTO6637,000
石橋浩之取締役CTO6825,000
内田誠二取締役CSO466,000
為近恵美取締役65
Gareth C.W. Jones取締役70
小池美和取締役60
吉田貴常勤監査役62127
小坂義人監査役7110,000
田中良幸監査役44
殿村悦子615,156
残りの役員2名を開く
氏名役職年齢
岡田貴子60
土肥健太郎46

役員報酬の内訳2026/2

役員の区分人数固定報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)513113126
社外取締役417174
監査役1121212

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/2期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容8,805字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 光の時代といわれる21世紀。光技術の可能性を追求し、その成果を少しでも早く少しでも多く社会に還元したい。それが創業以来変わらない私たちの願いです。当社グループは、ミッションとして、「豊かな未来を光の技術で実現する」を掲げております。 当社グループは、当社及び連結子会社である株式会社オキサイドパワークリスタル(以下、オキサイドパワークリスタル社という。)で構成され、単結晶(*1)、光部品(光デバイス)、レーザ光源、光計測装置などの光学関連製品を、主に光を使った計測分野の装置メーカーや光学製品メーカー向けに開発・製造・販売しております。例えば、当社グループが製造・販売する放射線を検出するシンチレータ(*2)単結晶は、がんの診断用のPET検査装置に使用されており、当社グループのレーザ光源は、半導体製造に使用されるシリコンウエハの品質検査装置に使用されております。 2000年の創業以来、当社グループは単結晶・レーザのグローバルニッチトップカンパニー(*3)をめざし、「研究成果を社会に還元し、キーマテリアル(*4)を世界に向けて発信する」、「顧客へマテリアルソリューション(*5)を提供し、社会の発展に貢献する」、「単結晶を核とした製品を開発し、未来の市場機会を創造し続ける」という経営理念の下、光学分野のバリューチェーン(*6)の川上に位置する単結晶の開発・製造から事業を開始し、単結晶開発技術を生かしつつ、光学分野での川下の製品群(光部品、レーザ光源、光計測装置)へと展開してまいりました。 これまで光学分野での先端技術を継続的に蓄積、保有し、その独創性及び競争優位性の確立をめざしてまいりました。単結晶分野において、当社グループは、FZ法(Floating Zone Method)、CZ法(Czochralski Method)、VB法(Vertical Bridgeman Method)、TSSG法(Top Seeded Solution Growth Method)、DCCZ法(Double Crucible CZ Method)、KY法(Kyropoulos Method)、EFG法(Edge-defined Film-fed Growth Method)、フラックス法(Flux Method)など、多くの単結晶育成技術及び装置を保有しております。国内外の企業、大学、研究所などから技術、製品への問い合わせ、引き合いをいただいております。2014年には経済産業省の「グローバルニッチトップ100選」(*3)にも選定されております。今後も、当社グループの光学技術は、その応用範囲及び新たな用途の拡張をめざしてまいります。 2024年12月には、オキサイドパワークリスタル社へパワー半導体向け材料及び関連製品の研究開発・製造販売等に関する事業を吸収分割いたしました。オキサイドパワークリスタル社では、従来の昇華法に比べ、原理的に欠陥が少なく高品質な単結晶育成が可能な溶液法SiC単結晶の事業化に取り組んでおります。 なお、当社グループは、光学事業の単一セグメントでありますが、製品の用途から「半導体事業」、「ヘルスケア事業」、「新領域事業」の3つの事業に区分しております。 「新領域事業」において単結晶技術、光学分野でのコア技術の新用途・新製品を立案・開発し、試作・開発ベースでの小規模案件を中心にビジネスを進めております。「新領域事業」での開発技術であり成果が事業化し、量産化を確立したのが「半導体事業」と「ヘルスケア事業」です。 こうした展開は、当社グループがこれまでに国内外の企業や大学等から埋れた技術や事業を買収し、製品化・事業化して蓄積したノウハウにより、可能となったと考えております。 また、工学・理学系の博士号・修士号を保有する技術者が、研究開発及び製造に従事する役職員の24%を占め、研究開発型の事業会社として成長していることなども当社グループの特徴であり、独創性及び競争優位性の源泉と考えております。 各事業の概要は次のとおりです。 半導体事業 当事業は、半導体ウエハ(*15)の検査装置メーカー向けの単結晶・レーザの開発・製造・販売を行っております。当連結会計年度における当事業の売上高は、5,002百万円です。当社グループの単結晶のうち、非線形光学効果(*16)の強い単結晶及びその単結晶を搭載したレーザは、波長や出力をはじめとする各種性能・品質の観点から、販売先の最新機種に搭載されております。 半導体製造工程の「前工程」と呼ばれるウエハ処理工程では、投入するシリコンウエハの品質検査が半導体チップの歩留まり管理上不可欠であり、専用のウエハ検査装置が利用されております。当社グループの単結晶と単結晶を搭載したレーザは、そのウエハ検査装置に搭載されております。半導体の微細化に伴い、検査装置に搭載する単結晶及びレーザも、次世代製品の開発が常に求められております。当社グループは、こうした市場の要求に対し、材料工学、光学などの観点から常に開発・提案を行い、あるいは、一部製品に関しては特許権者からのライセンスを受け、次世代製品への取り組みを継続しております。 拡大する半導体市場の微細化への要求については、光学分野では短波長化と高出力化が重要となります。当社グループの単結晶、レーザ光源は、波長変換による短波長化(266nm)と2W以上の高出力化の特徴を有しております。その結果、単結晶については、2006年に開発を受託、その成功を受けて、2011年から量産へ、またレーザは、2010年に株式会社マグネスケールより事業を買収し生産を開始しました。その後、2011年に開発を受託、その成功を受けて2016年から量産に移行しております。顧客の新製品投入に合わせてこうした「開発」→「量産」のプロセスが繰り返されております。 一方、顧客が製造販売する検査装置においては、エンドユーザーである世界の半導体工場にて昼夜連続での稼働が要求事項となっております。その結果、搭載された単結晶、レーザはその使用に応じて定期的なメンテナンス需要が発生します。メンテナンスの内容は、概ね1〜2年の一定期間ごとに使用に伴って劣化した単結晶や光学ユニットを交換するものです。これらのメンテナンス需要は、ほぼ事前予想が可能なため、景況の山と谷のギャップが激しいと言われる半導体分野での事業としては収益安定要素と言えます。加えて、10年以上の長期間稼働が求められるレーザの新規出荷売上に従い、累積的に増えることが見込まれるリカーリングの性質を持つ売上収益となります。当連結会計年度におけるメンテナンス売上高は、当事業売上の20%程度を占めております。 ヘルスケア事業 当事業は、がんの診断に使用されるPET検査(*17)装置に搭載されるシンチレータ単結晶の開発、製造、販売を行っております。具体的には、製造したシンチレータ単結晶を加工した各辺数mm角の直方体(PET用素子と呼びます。その素子を数万本、PET検査装置内に配列して使用します。)の形状で国内外のPET検査装置メーカーに販売しております。当連結会計年度における当事業の売上高は、1,997百万円です。当社グループのシンチレータ単結晶は、継続的な品質向上とコスト低減の実績及び品質管理体制の構築により、既に主流となっている全身用TOF-PET検査装置(*18)に採用されております。 また、当社グループのシンチレータ単結晶は、乳房検査専用PET検査装置や、重粒子線を用いたがん治療中の粒子線位置をリアルタイムで確認することができるOpen-PET検査装置に採用されております。Open-PET検査装置は、従来のがん診断だけでなく、治療にも使われる装置として、国内においては量子科学技術研究開発機構を中心として研究が進んでいるものです。 加えてPET検査装置は、がんの診断以外にアルツハイマー型認知症(*19)診断への適用範囲拡大が見込まれており、当社グループでも用途拡大に対応すべく研究開発活動を進めております。認知症は、国内外の高齢化により増加傾向が見られることに加え、アルツハイマー型認知症の治療薬が日本国内においても薬事承認され、併せて、その原因物質であるアミロイドβのPET診断も保険適用となったことから、今後、治療薬の普及に伴い、頭部専用PETによる診断への需要が高まってくることが期待されます。(出所:World Alzheimer Report 2021) 新領域事業 当事業は、国内外の光計測機器/光学製品メーカー及び大学等研究機関に単結晶、光部品、レーザ光源及び光学測定装置を開発、製造、販売しております。当連結会計年度における当事業の売上高は、3,040百万円です。同時に、当社グループのコア技術である単結晶技術/光学技術を活用し、さまざまな顧客ニーズへの対応、光学分野での問題解決策の提供及びそうしたプロセスの中で有望な新用途/新製品をインキュベートしております。 国内外の展示会、学会への出展、当社グループのホームページへのアクセスなどを通じて、研究開発/試作の受託を重ねております。また、当社グループのコア技術である単結晶技術や光学技術を活用し、さまざまな顧客ニーズへの対応や問題解決策を提供しております。これらの活動が、新用途/新領域のビジネスに繋がり、当社グループの将来ビジネスへのアンテナ、種まきの機能を担っております。当事業においてすでに商品化段階に至った主な製品は、以下のとおりです。 製品   製品の説明   主な用途 単結晶・デバイス   波長変換(*7)部品(デバイス)   波長変換部品(デバイス)は、光学単結晶を用いてレーザ光の波長を他の波長へ変換する(例えば、赤外光を可視光や紫外光に変換することが挙げられます。)製品です。 量子分野では、もつれ光子対の発生に利用されます。   医療 理化学 情報家電 工業用加工 セキュリティ 娯楽 量子 GPS(Ce:Gd2Si2O7)単結晶   放射線が入射すると発光するシンチレータとしての特性を持つ単結晶です。高発光量、高エネルギー分解能等の特長を有しております。高温環境でも特性劣化が小さいため、広い分野での応用が期待されます。   放射線汚染モニタリング セキュリティ 石油探査 医療 アイソレータ用単結晶   一方向のみ光が透過する光学部品である光アイソレータに搭載される単結晶です。レーザ機器のレーザ光出射口は、外部からレーザ機器に光が入ると損傷したり、不安定になります。レーザ光出射口に光アイソレータを設置することにより、外部からの光を遮断し、不具合を防ぐことが可能となります。   5G データセンター通信用デバイス GaN(*8)用基板単結晶(SAM(*9))   GaNをエピタキシャル成長させる際に基板となる単結晶です。GaNと基板の格子定数及び熱膨張率のミスマッチが小さいため、高品質のGaN薄膜が得られます。   可視光レーザ 高周波デバイス パワー半導体(*10) レーザ   114nmレーザ   真空紫外光と呼ばれる紫外線の中で最も波長の短い光を発生するレーザ装置です。単結晶に加えガスを用いた波長変換技術を利用して、赤外光を114nmに変換しております。このように波長が短くエネルギーの高い光は、最先端の研究開発分野で材料の分析に有効です。特に、量子コンピューティング等への利用が期待される新材料の研究開発に利用されております。   光電子分光 光電子顕微鏡用深紫外CWレーザ   半導体プロセスにおけるパターン検査に利用可能なレーザ光電子顕微鏡が東京大学物性研究所によって開発されており、光電子を発生するための深紫外レーザ光源として当社の深紫外CWレーザが使用されています。   半導体検査 フェムト秒レーザ   深紫外光のレーザ光を短いパルスで照射することにより、非加熱加工を行います。これにより、バリやクラックが発生しない高精度な微細加工が可能になります。   微細加工 製品   製品の説明   主な用途 測定器   光学的ノイズ(スペックルノイズ)測定器   スペックルノイズは、レーザを利用したディスプレイ(レーザ光を投影した画面)において発生する、画質の劣化要因のひとつです。例えば、レーザ光を投影した画面に映る画像が、荒い画像に見えること等が挙げられます。当社グループは、スペックルノイズを定量的に表すことができる測定器を開発し、製造・販売しております。この装置は、国際標準に認定されたスペックルノイズ測定器であり、ディスプレイメーカーは画質の評価に使用しております。   プロジェクター 照明 量子   量子もつれ光子対発生モジュール   量子もつれは、2つの光子の状態が強く相関し、一方の光子の状態が決まると他方の光子の状態が瞬時に決まる現象です。この特性は量子暗号通信や量子コンピューティングに利用されています。量子もつれ光子対発生モジュールは、光ファイバを入出力とし高い効率で量子もつれ光子対を発生可能なモジュールです。   量子通信 NoT(Network of Things)やAI(人工知能)のさらなる活用により、クラウドを通じた工作機器の連携と自動化/無人化がさらに進むと考えられます。このようなイノベーションを支える半導体の微細化や医療機器の高度化等に伴い、需要が高まっているレーザ光源の高出力化や短波長化の技術開発を推進してまいります。また、量子コンピューターの開発により既存の暗号技術は脅威にさらされることになります。この脅威に対抗するため量子暗号通信技術の開発が世界中で進展しております。さらに、量子コンピューター等の量子デバイスを繋ぐ量子インターネットの研究開発も注目されております。当社は、量子通信分野の最先端研究者からのご要望に基づき、量子もつれ光子対を高効率で生成することが可能な量子もつれ光子対発生モジュールを開発し、実用性の高い製品として販売を開始しました。さらに、当社の波長変換デバイスが量子コンピューティング用途においても研究開発に利用される等、量子通信関連分野での用途が拡大しています。一方、世界規模のテーマであるカーボンニュートラル実現に向け、デジタルインフラの省エネ化・高性能化のキーマテリアルであるパワー半導体向けSiC(*12)ウエハの、溶液法(*13)による超高品質化及び大口径化の開発や家電向け低コストβ型酸化ガリウム(*14)基板の開発にも注力してまいります。 [事業系統図] 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。 <用語解説> (*1)単結晶 ・原子、分子が規則正しく配列している固体を結晶と総称します。その結晶の中でも、物質内のどの部分においても原子、分子配列の向きがまったく同一である物質を単結晶と呼びます。 ・結晶に、電気信号を加えたり、圧力をかけたり、光を当てることにより、各結晶の持つ特性が現れますが、単結晶の場合は、その特性(例えば、光を当てることにより光の波長を変換したり、電気信号を加えることにより光の強度を調整すること。)が強く現れます。この特性を活用して、産業分野で単結晶応用製品が実用化されております。 (*2)シンチレータ 放射線が当たると微弱な光を出す物質をいいます。 (*3)グローバルニッチトップカンパニー 「グローバルニッチトップ100選」は経済産業省が2013年度より継続している事業です。「グローバルニッチトップ企業」の定義は、「昨今の産業構造の変化や、求められるニーズに迅速に対応するため、大企業や主要業界団体だけでなく、ニッチ分野(比較的小規模な市場や潜在的ニーズはあるが、まだ事業の対象として考えられていないような分野)において高い世界シェア(占有率)を有し、優れた経営を行っている中堅・中小企業」です。経済産業省として、認定と顕彰を通じて、対象企業の知名度向上や海外展開を支援するとともに、新たにグローバルニッチトップを目指す企業が経営上の羅針盤として活用することが目的となっております。 (*4)キーマテリアル 世の中の役に立つ材料を意味します。 (*5)マテリアルソリューション 材料と光に関する問題解決を意味します。 (*6)バリューチェーン 単結晶、ウエハ、チップ、光部品、レーザ光源、計測装置の光学分野における川上から川下に至る一連の製品供給プロセスを意味します。 (*7)波長変換 波長(周波数や色とも表現されます)は光の重要な性質を表すものであり、波長変換はレーザ光を元々の波長から紫外線や赤外線の領域に拡げる技術です。波長を変換する手法は数多くありますが、原理はレーザ光という強い光と物質の相互作用による非線形光学効果(*16)を用いております。 (*8)GaN Ⅲ属元素とⅤ属元素が1:1の割合で結合した化合物半導体の一種で、融点が高く窒素の蒸気圧が高いため、シリコン(Si)のように融液から大型の単結晶を作製することが困難です。そのため、気相法によって薄膜状の単結晶が作製されます。最近では、GaN半導体は、光デバイスだけでなく、パワーデバイスや高周波デバイスとしても着目されており、そのために高品質なGaN単結晶が必要とされております。 (*9)SAM ScAlMgO4の化学式で表される、スカンジウム(Sc)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)の三種類の金属元素を1:1:1の等しい割合で含む酸化物です。 (*10)パワー半導体 パワー半導体は、電車や電気自動車、家電製品、照明器具、電磁調理器、コンピューターなど身近なところで使用されております。パワー半導体は、これらの機器の電源制御部品として、直流を交流に変換、交流を直流に変換、周波数変換などを担います。 (*11)量子もつれ光子対光源モジュール 特別な光源から「量子もつれ」と呼ばれる特殊な状態の光子のペアを生成する装置です。量子もつれ光子対とは、2つの光子の間に古典論では説明できない相関が存在する状態であり、量子力学の不可解さを示す例として知られております。この量子もつれ光子対は、それぞれの光子がたとえどんなに離れた場所にいても一方を測定することでもう一方の状態が瞬時に確定するという性質を持っております。この性質を利用し、絶対に破ることが出来ない量子暗号通信や高い測定感度が実現できる量子センシングなどの重要な技術が開発されております。「量子もつれ」に関する研究に対し、2022年にノーベル物理学賞が授与されました。 (*12)SiC シリコン(Si)と炭素(C)から成る化合物半導体の一種です。SiCパワーデバイスは、従来のシリコンパワーデバイスよりも高い電圧や温度で動作できるため、電力をより効率的に扱うことが可能です。電気自動車や太陽光発電などの分野で、性能向上に貢献しております。 (*13)溶液法 溶媒に溶け込んでいる溶質を種結晶上に析出させ結晶成長させる方法です。SiCの場合、炭素(C)製坩堝内にシリコン(Si)を投入、加熱して液体とし、坩堝材のCがSi溶媒中に溶け込みSiC溶質が作られます。そのSiC溶質をSiC種結晶に析出させ、SiC単結晶を成長させます。従来の昇華法に比べ、原理的に欠陥が少なく高品質な単結晶育成が可能な方法です。 (*14)β型酸化ガリウム β-Ga2O3の化学式で表されるガリウム(Ga)と酸素(O)から成る半導体で、特に高い耐電圧性を持っております。融液成長法により高品質な単結晶基板を安価に製造することが可能です。この材料は、パワー半導体として使用され、電力を効率的に制御し変換するのに役立ちます。β型酸化ガリウムパワーデバイスが実用化されれば、家電や電気自動車などのパワーエレクトロニクス機器のさらなる低損失・低コスト化が期待されます。 (*15)半導体ウエハ 半導体素子の製造材料です。一般的にはシリコンを素材とするインゴット(円柱形の塊)を、0.5mm~1mm程度の厚さにスライスした円盤状の板を指します。半導体の主要な応用例はスマートフォン等です。 (*16)非線形光学効果 光を受けた物質の内部では、通常の弱い光の場合、光の吸収や散乱などの現象が光の強度に比例して現れますが、レーザ光のような強い光の場合、比例関係から外れた新たな現象が発現します。その効果を非線形光学効果と呼びます。 (*17)PET検査 被検者に、がん患部に集まる薬剤を注射し、薬剤が放つ放射線を検出器でとらえて病巣を探るがんの検査方法です。従来のX線検診、CT検診では困難であった早期のがん細胞まで発見することが可能で、全身を一度に診断できることも特長です。 (*18)全身用TOF-PET検査装置 最先端のPET検査装置のことで、薬剤が放つ放射線の僅かな検出時間差を計測することで、高精細な診断画像を得ることができます。高速なシンチレータが要求され、当社グループのLGSOシンチレータが搭載されているPET装置の多くがTOF-PETです。 (*19)アルツハイマー型認知症 脳が少しずつ萎縮していき、認知機能が低下していく病気で、認知症の半分以上はアルツハイマー型認知症です。
経営方針・対処すべき課題4,619字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 我が国の光産業は、光技術の絶え間ない革新により、情報通信、ディスプレイ・照明、情報記録、情報入出力、レーザ・光加工、光エネルギー、センシング・計測等さまざまな産業分野に光技術の応用が広がり、出荷額ベースで約13兆円規模(一般財団法人光産業技術振興協会「光産業全出荷額、国内生産額調査結果について」2025年3月14日より)の一大産業に成長しております。ビッグデータ、半導体等の微細化、情報通信の大容量高速化など近年のイノベーションの進展は、電気から光の時代への移行を加速しております。光技術の絶え間ない革新に支えられ、今後も引き続き、大きく発展していくと見られる中で当社グループは、世の中に無い、また敢えて他社ができないものに取り組み、グローバルニッチ分野での製品化/事業化に成功してまいりました。3つの経営理念、 「研究成果を社会に還元し、キーマテリアルを世界に向けて発信する」 「顧客へマテリアルソリューションを提供し、社会の発展に貢献する」 「単結晶を核とした製品を開発し、未来の市場機会を創造し続ける」 のもとに、光産業におけるオープンイノベーションパートナーとして、技術シーズと市場ニーズをマッチングさせ、新たな付加価値を創造するコーディネーターを担ってまいります。同時に、「世の中に無い、また敢えて他社ができないものに取り組む」ベンチャー精神を発揮し、世界でもユニークな光学技術で世界のイノベーションの拡大に貢献する企業をめざしてまいります。 (2)経営戦略等 当社グループは、上記の経営方針の下、光学分野の次世代製品開発、レーザ加工、レーザセンシングといった新領域の新製品開発とともに、コア技術である単結晶の高品質化開発といった基盤技術の研究開発を推進してまいります。こうした取り組みの例として、世界規模のテーマであるカーボンニュートラル実現への貢献が挙げられます。具体的にはデジタルインフラの省エネ化・高性能化のキーマテリアルであるパワー半導体向けのSiCウエハの超高品質化、大口径化の開発並びに家電パワーデバイス用途の低コストβ-Ga2O3基板の開発に注力してまいります。これらの開発については、取締役会、執行役員会等により議論され、随時進捗確認を行っております。 また、中長期的な経営の指針として、「光学技術の蓄積」、「光学分野における技術者集団の形成」、「市場における新たな需要の発掘」、「事業譲受のノウハウの集積」を図り、各市場において高付加価値製品の開発を実現し、それにより高いシェアを獲得することで収益性を高め、企業価値の増大を達成してまいります。 (3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、①営業利益率、②EBITDAマージンを経営指標とし、それぞれ①10%、②20%を目指しております。 営業利益率の向上を目指す施策としては、より付加価値の高い製品の開発を進めてまいります。具体的には、研究開発活動を行っております、パワー半導体向材料、量子分野、シンチレータ向け単結晶、レーザの新規用途製品となります。 EBITDAマージンの向上を目指す施策としては、営業利益の向上に加え、設備投資の効率化、生産効率の改善及び業務の効率化を図ってまいります。 (4)経営環境 電気の20世紀から光の21世紀と言われる社会変革は、光通信技術による情報革命が主導してまいりました。1980年代の光ファイバ、インターネットの一般家庭への導入、データセンターの活用によるクラウドサービスの拡大、スマートフォンの普及、さらに5Gの導入と技術の進展はとどまるところを知りません。ただ、これでもまだ光の機能の一部を利用したにすぎません。具体的には、製造現場でのレーザ加工、医療分野での眼科やがんの診断及び治療、ディスプレイ、精密計測、農業利用などへの展開に向けた開発が進展しております。こうした光学分野の環境をもとに、それぞれの事業毎の経営環境は「第1 企業の概況 3 事業の内容」にも一部記載しておりますが、半導体事業及びヘルスケア事業の事業環境について以下に記載いたします。 世界の半導体産業は、元々先端技術の動向に影響を受けやすく、比較的変動の大きい市場と言われておりましたが、NoT(Network of Things)等にけん引される需要拡大により食品、電力、輸送に迫る重要な産業となっております。2022年には前年比で3.3%の成長を遂げましたが、2023年は世界的なインフレやそれに伴う利上げ、地政学的リスクの増大などの影響で個人投資や企業の設備投資が減少し、特にメモリ市場を中心に市場全体が9.4%縮小しました。しかし、生成AIの急速な普及によるロジックデバイスの需要増加や、メモリやマイクロデバイスの需要回復により、2023年後半には市場が回復傾向にあります。2024年には、生成AIやパワーディスクリートの需要が持続し、市場は前年比で13.1%の再拡大が見込まれております。(世界半導体市場統計2023年11月28日公表)。当社グループの半導体事業は、半導体ウエハの欠陥検査装置向けの単結晶とレーザで構成されておりますが、そうした市場全体の動向や世界的な半導体不足解消に向けた半導体メーカーの旺盛な設備投資意欲を背景に増勢で推移しております。 ヘルスケア市場は、新型コロナウイルス感染症拡大により2020年の一時的な需要減少後、従来の堅調な需要が回復しましたが、中国経済の減速や米中摩擦の昂進から、2024年はやや軟調と見られております。当社グループのヘルスケア事業は、これまではがんの診断装置(PET、Positron Emission Tomography)に搭載されるシンチレータ単結晶が主体でしたが、頭部PET検査装置用シンチレータ単結晶の売上実績も出てきており、両方を合わせた市場全体の成長が期待されております。 (5)事業上及び財務上の対処すべき課題 ① 各種研究開発の促進 当社グループが推進する光技術の応用範囲は、世界規模で拡大しており、半導体分野における高集積化・高性能化の進展、医療・分析機器の高度化等を背景として、当社グループの製品に対する需要は、中長期的に底堅く推移するものと見込んでおります。近年では、従来の半導体分野に加え、量子技術分野においても光源や光学材料に対する要求が高まっております。一方、次世代パワー半導体材料として期待が高まるSiC単結晶においては、高品質かつ大口径の結晶開発が求められており、当社グループにおいても溶液法を用いたSiC単結晶開発を推進しております。また、量子技術や先端半導体分野においては、産業用途を見据えた高出力・高安定なレーザ光源及び関連技術の開発が重要な課題となっております。こうした新領域・新用途への対応にあたっては、研究開発段階から将来的な製品化・事業化を見据えた技術検討を進める必要があり、当社グループの独自性、技術的な優位性を維持しつつ、的確かつスピーディーな研究開発体制の構築が引き続き重要となっております。当社グループでは、社内の人的及び資金的資源を有効に活用するとともに、大学や研究機関との連携や、政府機関による研究開発支援制度等の活用を通じて、研究開発の促進及び技術基盤の強化に努めております。 ② 優秀な人材の採用・育成 当社グループ製品への需要増や開発促進に対応するため、当社グループでは即戦力の技術者の採用とともに優秀な若手技術者の採用や人材開発が大きな経営課題になっていると認識しております。新卒採用については、国内外の大学や研究室、並びに国内の高等専門学校と継続的に連携し、学生の履修状況に応じた実体験型インターンシップ等を通じて卒業生の採用につなげ、採用環境が厳しい中でも計画に沿った実績を重ねております。当社における過去3年の新卒採用の実績は、2024年4月25名、2025年4月8名、2026年4月5名となっております。中でも、事業継承、研究開発の進展、研究の深化を担う人材を確保するため、博士課程修了者の採用については継続的に取り組み、実績を有しております。中途採用については、優秀人材の獲得競争が年々激化する中、人材紹介会社を通じて当社グループの魅力や市場における製品優位性を効果的に発信し、業務拡大に対応可能な即戦力の確保に成果を上げております。当社における過去3年の正社員の中途採用実績は、2024年2月期24名、2025年2月期13名、2026年2月期12名となっており、即戦人財の充足が進んでおります。また、優秀な社員が能力を最大限発揮できる環境の整備に向け、創業25周年を機に「行動指針」を制定しました。企業の理念を具現化し、社員が日々の業務で取るべき行動や判断基準として全社に展開し、社員への浸透を進めております。さらに、外部研修の積極活用に加え、階層別研修(新入社員・若手・チームリーダー・管理職)や専門別研修を体系化し、社員一人ひとりの成長目標とスキルギャップに応じた学習の機会を提供することで、能力発揮と生産性の向上を図ってまいります。加えて、将来の経営を担う幹部人材のサクセッションプランを進め、タレントマネジメントの強化を通じて、持続的な企業価値向上に資する人材基盤の確立に努めてまいります。 ③ 財務体質の健全化 当社グループは、当社グループ製品の需要増に対応するためには、既存設備の増強と継続的な研究開発が必要と考えております。一方で、これら設備投資又は研究開発投資を支える財務基盤の確保も重要な課題の一つと認識しております。具体的には、自己資本比率等の指標及び各種キャッシュ・フローの水準により財務体質の健全性を確認しながら、各投資のタイミングと投資額について検討しております。 ④ 資材調達体制の強化 当社グループは、様々な原材料や光学部品等を購入して使用しております。その中には特殊な原材料や部品も含まれており、重要な原材料・部品については複数ベンダーによる購買や在庫積み増し等の対策を講じ、安定的な製造及び供給に努めておりますが、一部代替が利かないものも存在します。特に、ヘルスケア事業においてシンチレータ単結晶の製造に使用する酸化ルテチウムの主な産出国は中国、オーストラリア等に限られており、当社グループは中国から調達しております。このため、複数ベンダーによる購買、商社等を通じた調達市場動向の早期把握、在庫水準の適切な管理等を通じて、供給リスクの低減に取り組んでおります。また、半導体事業の主要製品であるレーザの一部部材については、当社グループが求める品質の部材を製造できる企業は国内外でも限られていることから、仕入先との綿密な調整等連携強化を図るとともに、調達仕様の見直しや仕入状況の定期的なモニタリングを実施することにより、サプライチェーンの安定的な確保に向けた取り組みを推進しております。
事業等のリスク8,675字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 当社グループは、これらリスク要因を認識した上で、その発生自体の回避、あるいは発生した場合の対応に努める方針でありますが、これらはすべてのリスクを網羅したものではなく、予見しがたいリスク要因も存在するため、投資判断については、本項以外の記載内容もあわせて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)市場リスク 1.顧客動向によるリスク リスクの内容   当社グループの顧客層は、半導体、医療機器、量子、データセンターなど世界各地のメーカーや研究機関に拡がっております。さまざまな産業セクターへの営業活動を行い、これら顧客の個別の経営状態の変動による影響を極小化する努力をしております。しかしながら大幅な為替変動、各国の関税政策、地政学的要因などにより、それらの産業全体が業績に悪影響を被る場合があります。当社グループが提供する製品需要は、常に次世代製品の先行開発投資に追随する性格のものであり、顧客での次世代投資、製品転換が遅れることで当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性   高 影響度   大 リスク評価/前期比   特に重要/同水準 対応策   当社グループは、半導体、医療機器、量子、データセンターなど、幅広い産業セクターへ製品を提供することを強みとしていることから、国内外における経済動向の変化に対して特定の産業に依存しない事業ポートフォリオを更に強化することにより、リスク分散に努めてまいります。 2.特定の取引先への依存リスク リスクの内容   当社グループの2026年2月期の販売先は、300社超ありますが、そのうち、特定の6取引先に対する売上が、66%となっております。 このため、これらの取引先において事業方針・外注政策に関する変化や業績悪化等が発生し当社グループとの取引額が減少した場合に、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性   高 影響度   大 リスク評価/前期比   特に重要/同水準 対応策   当社グループは事業計画の達成及び将来成長に向けて、顧客ポートフォリオの整理と重点顧客の明確化を継続して行っております。現時点においては、特定6取引先が当社グループの売上高に占める比率は高い水準にあり、これら取引先との取引関係の維持・拡大は、当社グループの成長にとって引き続き重要であると認識しております。 一方で、特定の取引先や用途への依存に伴うリスクを低減するため、当社グループでは事業ポートフォリオの多角化を進めております。具体的には、従来の半導体及び医療機器分野に加え、量子、データセンター等の新たな成長分野への展開を拡大することで、用途軸での分散を図っております。 また、半導体分野においても、従来の前工程向け欠陥検査用途に加えて、後工程向けの微細加工用途への展開を進めるとともに、販売地域の拡大を通じて地域軸での分散を図っております。これらの取り組みにより、特定6取引先への売上高を維持・拡大しつつも、事業構造としての依存リスクを相対的に低減させながら、全体の売上高の持続的な拡大を目指しております。 3.海外事業展開に関するリスク リスクの内容   材料・部品の調達及び当社グループ製品の輸出等において海外との商取引を行っております。当連結会計年度における売上高のうち、90%超が海外売上高によるものであり、国別では中国向けの売上が最も大きく、次いで米国が主要な販売先となっております。主要取引先の所在国において、予測し得ない税制や法規制など変更、政治・経済情勢の不安定化、テロ・紛争などの勃発、あるいは自然災害などによるリスクが顕在化した場合、当社グループの事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。特に、米中における関税政策、輸出管理規制により、中国からの材料の調達、中国への製品出荷、米国への製品出荷に影響を及ぼす可能性があります。同時に、米国から製品購入が難しくなる中国顧客や、中国から製品購入が難しくなる米国顧客から当社グループに対する引き合いも増加傾向にあります。また、ウクライナ紛争やイスラエルを含む中東地域における紛争の長期化等により、地政学的リスクが高まった場合には、国際物流の停滞、取引先の事業活動への影響等を通じて、当社グループの事業環境に不確実性が生じる可能性があります。 発生可能性   高 影響度   大 リスク評価/前期比   特に重要/同水準 対応策   定期的に事業の状況をモニタリングし、国際情勢、海外経済情勢の変化等によるリスクを踏まえたうえで事業戦略の見直しを定期的に実施するとともに、執行役員会や取締役会等において販売対象地域や、事業拠点の状況把握に努めており、情勢の変化に適切に対応しております。 イスラエルを含む中東地域の地政学的リスクについては、当該情勢が当社グループの事業及び業績に与える影響を総合的に勘案し、2026年2月期において、イスラエルに拠点を有するRaicol Crystals Ltd.の全株式及び貸付債権を譲渡し、同社を連結対象から除外いたしました。これにより、当社グループ全体としての地政学リスクの抑制を図っております。 <ウクライナ情勢について> 当社グループはロシア・ウクライナに拠点を有しておらず、また同地域向けの事業も手掛けておりません。当社グループの主要顧客においても同地域関連事業が大きな比重を占めている状況にはないものと認識しております。従いまして、現時点でウクライナ情勢が当社グループの事業及び業績に大きな影響を及ぼす可能性は低いと判断しております。 4.開発進捗遅延によるリスク リスクの内容   当社グループの開発投資は、自社での投資や顧客の支援による投資などさまざまな形態がありますが、顧客の開発スケジュールや生産計画又は当社グループ製品の代替技術の台頭などにより、当社グループの開発進捗が大幅に遅延あるいは変更となる場合には、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性   中 影響度   中 リスク評価/前期比   重要/同水準 対応策   執行役員会や取締役会等において、開発投資案件の進捗状況の適時把握や市場動向の早期把握に努めており、仮に財政状態や業績に悪影響を及ぼす予兆を検知した場合には、遅滞なく経営判断を行う体制を構築しております。 5.新領域事業に関するリスク リスクの内容   当社グループは、事業規模の拡大と収益源の多様化を実現するため、また、光学分野での新たなマーケットを開拓するために、新領域事業への取り組みを進めていく方針であります。新領域事業が安定して収益を生み出すまでには一定の期間と投資を要することが予想され、全体の利益率を低下させる可能性があります。また、将来の事業環境の変化等により、新領域事業が当初の計画どおりに推移せず、新領域事業への投資に対する十分な回収を行うことができなかった場合、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性   中 影響度   中 リスク評価/前期比   重要/同水準 対応策   新領域事業展開に関しましては、リスクを最小化すべくスモールスタートでのトライアルを前提とし、既存事業との関連性、収益性等を中心に十分に検討を行ったうえで実施しております。また公的な開発助成制度の活用により投資負担の軽減を図ってまいります。 (2)調達リスク 1.資材調達によるリスク リスクの内容   当社グループは、さまざまな原材料や光学部品等を購入して使用しておりますが、その中には特殊な原材料や部品も含まれております。重要なものは複数ベンダーによる購買や在庫積み増し等の対策を講じて安定製造、安定供給に努めておりますが、一部代替が利かないものも存在します。特に、ヘルスケア事業でシンチレータ単結晶の製造に使用する酸化ルテチウムの主な産出国は中国、オーストラリア等であり、当社グループは中国から調達しております。従って、中国の国家政策等により、その調達に問題が発生した場合には、生産計画に支障が生じ、当社グループの財政状態及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。 また、半導体事業の主要製品であるレーザの一部部材については当社グループが求める品質の部材を製造できる企業は国内外でもわずかであるため、当該部材の確保ができなくなった場合には機会損失が発生する可能性があります。また、品質水準を満たす部材を確保できない場合には、歩留率の悪化を招く恐れがあり、これに伴う原材料費の上昇を販売価格へ転嫁できない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性   高 影響度   大 リスク評価/前期比   特に重要/同水準 対応策   複数ベンダーによる購買、商社等を通じた調達市場動向の早期把握、また在庫積み増し等の対策を講じて安定製造、安定供給に努めております。 仕入先が限定される主要部材については、仕入先との綿密な調整など連携強化を図るとともに、調達仕様の見直しや仕入状況の定期的なモニタリングにより、サプライチェーンの安定的な確保に向けた取り組みを推進してまいります。 2.原材料価格の変動によるリスク リスクの内容   当社グループが製造で使用する原材料の中で、ヘルスケア事業にてシンチレータ単結晶の製造に使用する酸化ルテチウムは、レアアースであります。レアアースの価格は変動が大きく、価格の変動を販売価格に転嫁できない場合には、当社グループの財政状態及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。 発生可能性   高 影響度   大 リスク評価/前期比   特に重要/同水準 対応策   執行役員会や取締役会等においてレアアースの価格動向の把握に努めており、仮に価格変動の予兆を検知した場合には、原材料の前倒し仕入れ等の経営判断を遅滞なく行う体制を構築しております。また原材料価格の上昇を販売価格に転嫁する仕組みの構築も合わせて進めております。 (3)法務(コンプライアンス含む)、知的財産に関するリスク 1.知的財産管理に関するリスク リスクの内容   当社グループは、他社製品と差別化できる高度な技術及びノウハウを保持しており、またこれらの保護について最善の努力を傾注しておりますが、特定の地域では知的財産権による完全な保護が困難であるおそれがあり、そのため第三者が当社グループの知的財産を使用して類似した製品を製造することを防止できない可能性があります。一方、当社グループが使用する技術及びノウハウ等が意図せずして他社の知的財産権に抵触する疑いが生じ係争に発展する可能性があります。 発生可能性   中 影響度   大 リスク評価/前期比   重要/同水準 対応策   知的財産権が事業活動・製品競争力に重要な役割を果たしていることを認識し、知的財産権の取得による自社権利の保護に努める一方で、第三者の知的財産を侵害することがないよう外部専門家の意見を参考にしつつ開発プロセスの初期段階から厳格に他社の知的財産権を調査し、問題の発生防止を図っております。 2.情報漏洩リスク リスクの内容   当社グループの事業の中には、秘密保持契約を締結した上で顧客の製品開発に関わる技術情報や営業情報を預かり、取り扱う業務があるため、当該機密情報の外部漏洩がないよう役職員と秘密保持契約を締結しております。役職員が利用する端末には、データの暗号化、アクセス制限/ログの取得監視、各種システムに対するID管理システム(多要素認証含む)を導入することで、在宅勤務も含めたデータの保全に努めております。 しかしながら、これらの施策にもかかわらず、何らかの理由により機密情報の漏洩が発生した場合には、当社グループへの損害賠償責任の追及や社会的信用の喪失等により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性   中 影響度   大 リスク評価/前期比   重要/同水準 対応策   当社グループでは機密情報の漏洩リスクに対応すべく、上記施策のほか機密情報の取扱いに関する教育を継続的に実施しております。また、軽微な事象が発生した場合についてもコンプライアンス委員会等を通じて周知徹底し、再発の防止に努めております。 3.コンプライアンスリスク リスクの内容   当社グループの事業拡大に伴い役職員数は年々増加していることから、不正行為が発生しないよう、コンプライアンス関連規程を制定するとともに、当社グループの役職員等が遵守すべき法令・ルールについてコンプライアンス研修等を継続的に実施し、コンプライアンス意識の醸成を図っております。 しかしながら、法令等に抵触する事態や不正行為が発生するといった事態が生じた場合や、事業の急速な拡大により内部管理体制の構築が追いつかないという事態が生じる場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性   中 影響度   大 リスク評価/前期比   重要/同水準 対応策   上記施策のほか、内部通報制度であるホットラインの設置等を行い、法令遵守違反・役職員等による不正行為、不祥事等を早期に発見することに努め、迅速な対応を図っております。 (4)財務リスク 1.固定資産の減損に関するリスク リスクの内容   当社グループは、キャッシュ・フローを生み出す資産又は資産グループの最小単位として、工場単位、事業単位等(第1・6工場及び半導体事業(横浜事業所、第2・4工場)、第3工場、オキサイドパワークリスタル社)を基本とした資産のグルーピングを行っております。 当該資産又は資産グループが属する工場の経営環境の著しい変化や収益状況の悪化等により、固定資産の減損損失を計上する必要が生じた場合には、当社グループの財政状態及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。 発生可能性   中 影響度   大 リスク評価/前期比   重要/同水準 対応策   事業計画や予実管理を通して、業績推移のモニタリングを行っており、早期に減損の兆候の把握に努めており、現時点で減損の兆候は識別しておりません。引き続き事業計画の着実な実行により収益の安定的確保に努めてまいります。 2.有利子負債に関するリスク リスクの内容   当社グループは、将来にわたって必要な設備を新規取得あるいは更新のため、設備投資資金や運転資金を金融機関からの借入金により賄っており、当連結会計年度末における有利子負債は総資産の51.3%となっております。 発生可能性   中 影響度   中 リスク評価/前期比   重要/同水準 対応策   短期借入金は主にコミットメントライン契約に基づく借入、返済を短期資金需要に応じて行っております。長期借入金については、当初契約通りの返済を進めております。金融機関とは十分なコミュニケーションを行っており、引き続き支援をいただけるよう、良好な関係を維持すべく務めております。 金利上昇によるリスクを軽減するため、変動金利による調達については固定金利等への切り替え、新規での長期借入は固定金利での契約を優先させております。また現預金を確保しつつ営業キャッシュ・フローによる借入金の返済促進などによる財務体質の強化に努めております。 3.為替の変動に関するリスク リスクの内容   当社グループは、一部の海外との取引において日本円以外の通貨を用いて行っております。当該通貨の急激な為替変動があった場合には、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性   中 影響度   大 リスク評価/前期比   重要/同水準 ※当社グループにおける海外との取引の場合、円安は利益を増加させる傾向にありますが、不安定な為替相場が事業に及ぼす影響という点でリスク水準は低減していないため、前期比同水準と判断しております。 対応策   当社グループにおける海外との取引の場合は、主要な取引先とは円建てで取引を行っております。また、執行役員会や取締役会等において、為替動向の把握に努めており、仮に財政状態や業績に悪影響を及ぼす予兆を検知した場合には、遅滞なく経営判断を行う体制を構築しております。 4.修繕引当金に関するリスク リスクの内容   当社グループは、ヘルスケア事業で結晶育成のために坩堝を使用しておりますが、坩堝は使用を重ねることで摩耗や変形が生じ定期的な改鋳を要します。そのため、坩堝の改鋳に備えて、当該改鋳見込額のうち当連結会計年度末に負担すべき額を修繕引当金として計上しております。この点、改鋳が必要となる頻度や精製費等に変動が生じ、改鋳費用の実績が見積りと乖離した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性   中 影響度   中 リスク評価/前期比   重要/同水準 対応策   過年度の改鋳時における坩堝の摩耗・変形の程度を分析し、坩堝の肉薄化や形状の改良を進めることで改鋳頻度の長期化に努めております。また、坩堝の肉薄化や形状の改良を進めることで改鋳頻度を長期化することに加え、改鋳時に必要となる増し地金を余剰地金から充当することで市場価格の影響を低減し、見積改鋳費用の安定化に努めております。 5.製品保証引当金に関するリスク リスクの内容   当社グループは、販売済製品の無償修理に対する費用支出に備えるために製品保証引当金を計上しております。この点、予期せぬ不具合の発生により交換修理費用の実績が見積りと乖離した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性   中 影響度   中 リスク評価/前期比   重要/同水準 対応策   当社グループは、品質管理に重点を置き、顧客のニーズに沿った高品質な製品の製造に努めております。また、製品の瑕疵責任が極力発生しないよう、顧客とのコミュニケーションを密に行うとともに、無償修理が発生した場合であっても状況に応じた部品の先行手配、部材調達先のマルチベンダー化や内製化等の体制整備を進めております。 併せて修理案件ごとの実態を把握し、見積修繕費用の適正な計上に努めております。 (5)その他のリスク 1.人材確保に関するリスク リスクの内容   当社グループの事業継続及び拡大においては、光学関連技術者、管理体制強化に伴う管理部門、当社グループ製品、技術を広く提供するための営業部門への有能な人材確保が必要であり、有能な技術者及び次世代経営幹部の採用を進めております。また、組織活性化と優秀な人材の定着を図っております。 しかしながら、計画どおりの採用が実現できず、技術者の確保が十分にできない場合には、人材確保に関する経費の増加や、適切な人材配置が困難となり事業拡大に制約が発生するなどにより、当社グループの財政状態及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。 発生可能性   中 影響度   大 リスク評価/前期比   重要/同水準 対応策   高水準のスキルを有した従業員を安定的に確保するため、採用担当者を中心とした人事部門の体制強化、転職顕在層に留まらない、転職潜在層に対するアプローチの強化等の取り組みを行っております。 2.自然災害・事故災害の影響に関するリスク リスクの内容   当社の生産拠点の内、本社、第1~第6工場、株式会社オキサイドパワークリスタルは山梨県北杜市に集中しております。突発的に発生する自然災害や火災・爆発等の不慮の事故が発生した場合には、生産活動の停止に伴う売上の大幅な減少や設備の修復等に多額の費用負担が生じ、当社グループの財政状態及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。また、大規模かつ長時間の停電発生や何らかの外的要因による情報ネットワークの遮断などによる事業活動の中断及び停止により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。 発生可能性   中 影響度   大 リスク評価/前期比   重要/同水準 対応策   災害により生じる損害を最小限に抑えるため、製造設備に対し定期的な防災点検及び設備保守、安全のための設備投資等を行うとともに、レーザ生産拠点の複数化に努めております。また、事業の継続・早期復旧を実現するため、初動対応事項や関係部門の役割分担、緊急時の連絡体制等の整備を行い、基幹システムについては情報ネットワークの遮断に備えてバックアップ体制を構築しております。自然災害等に関しては、火災保険等の保険付保も行っております。
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業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態 (資産) 当連結会計年度末における総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ3,432百万円減少し、14,773百万円となりました。これは主に、未収入金が964百万円増加した一方で、仕掛品が692百万円、機械装置及び運搬具が1,649百万円、建設仮勘定が1,125百万円減少したこと等によるものであります。 (負債) 当連結会計年度末における負債につきましては、前連結会計年度末に比べ2,715百万円減少し、10,078百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が461百万円増加した一方で、契約負債が131百万円、長期借入金が2,903百万円減少したこと等によるものであります。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ717百万円減少し、4,694百万円となりました。これは主に、利益剰余金が538百万円、為替換算調整勘定が393百万円減少したこと等によるものであります。 b.経営成績 当連結会計年度における世界経済は、主要国においてインフレ率の低下が進み、金融引き締め局面から金融政策の調整局面へと移行する動きが見られる中、全体としては緩やかな成長を維持しました。一方で、ウクライナ情勢や中東地域における地政学的緊張の継続、米国の通商政策を巡る不確実性、中国経済における内需低迷や構造的な減速懸念等から、先行きに対する不透明感は依然として高い状況が続いております。日本経済においては、賃金上昇を背景とした個人消費の持ち直しや、省力化・デジタル化を中心とした企業の設備投資の底堅さにより、内需主導で緩やかな回復基調が継続しました。他方、原材料価格やエネルギー価格の動向、為替変動の影響に加え、海外経済の減速や地政学リスクの高まりが、景気の下振れ要因として引き続き注視される状況となっております。 当社グループの当連結会計年度においては、2026年2月に地政学リスクの低減と財務改善を目的にRaicol社の全株式を譲渡し、同社を連結対象から除外しました。当連結会計年度の業績は、半導体事業及び新領域事業の順調な拡大により、売上高及び営業利益は前期実績及び当期予想のいずれも上回る結果となりました。なお、当社グループのKPIでは、営業利益率は収益性の改善が進み前期比3.9ポイント増の5.4%となり、EBITDAマージンはキャッシュ創出力の改善により前期比0.6ポイント増の14.2%となりました。当社グループは光学事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しておりますが、以下に製品の市場別に売上高の状況等を説明いたします。 半導体事業におきましては、深紫外レーザ及び単結晶の既存製品の需要拡大に加え、新製品の立ち上がり及び次世代レーザの開発受託が寄与しました。この結果、当連結会計年度における同事業の売上高は、前期比6.3%増の5,002百万円となり、過去最高を更新しました。 ヘルスケア事業におきましては、第2四半期に前期からの出荷期ずれが売上高の増加に寄与しました。その後、第3四半期以降は、顧客の実需に基づく安定した出荷フェーズへ移行しました。この結果、当連結会計年度における同事業の売上高は、前期比62.9%増の1,997百万円となり、過去最高を更新しました。 新領域事業におきましては、世界的なデータセンター需要の拡大を背景に、ファラデー回転子の出荷が増加したことから、Raicol社の売上高減少影響を上回る成長を実現しました。この結果、当連結会計年度における同事業の売上高は前期比23.4%増の3,040百万円となり、過去最高を更新しました。 その結果、当連結会計年度の業績は、売上高10,040百万円(前年同期比19.6%増)、営業利益542百万円(前年同期比329.7%増)、経常利益674百万円(前年同期比192.7%増)、親会社株主に帰属する当期純損失538百万円(前年同期は2,703百万円の損失)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ47百万円増加し、2,287百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果、得られた資金は2,846百万円(前年同期は885百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失1,048百万円が生じた一方、補助金の受取額897百万円、関係会社株式売却損1,773百万円、固定資産圧縮損715百万円が生じたこと等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果、使用した資金は683百万円(前年同期は1,544百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入328百万円が生じた一方で、有形固定資産の取得による支出647百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出360百万円が生じたこと等によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果、使用した資金は2,252百万円(前年同期は1,277百万円の収入)となりました。これは主に、長期借入れによる収入370百万円が生じた一方、長期借入金の返済による支出2,977百万円が生じたこと等によるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績 a.生産実績 当社グループは、光学事業の単一セグメントであります。当連結会計年度における生産実績を事業区分別に記載すると以下のとおりです。 事業区分   当連結会計年度(千円) (自 2025年3月1日 至 2026年2月28日)   前年同期比(%) 半導体事業   2,991,024   108.1 ヘルスケア事業   1,486,784   114.6 新領域事業   1,908,987   123.9 合計   6,386,796   114.0 (注)金額は製造原価によっております。 b.受注実績 当社グループは、光学事業の単一セグメントであります。当連結会計年度における受注実績を事業区分別に記載すると以下のとおりです。 事業区分   当連結会計年度 (自 2025年3月1日 至 2026年2月28日) 受注高 (千円)   前年同期比 (%)   受注残高 (千円)   前年同期比 (%) 半導体事業   5,447,276   99.9   3,498,842   108.9 ヘルスケア事業   2,731,419   226.7   735,193   36,759.7 新領域事業   3,152,601   135.7   688,238   71.5 合計   11,331,297   126.2   4,922,274   117.9 (注)当連結会計年度において、Raicol社を連結の範囲から除外しております。そのため、新領域事業の受注残高にはRaicol社の受注残高は含まれておりません。 c.販売実績 当社グループは、光学事業の単一セグメントであります。当連結会計年度における販売実績を事業区分別に記載すると以下のとおりです。 事業区分   当連結会計年度(千円) (自 2025年3月1日 至 2026年2月28日)   前年同期比(%) 半導体事業   5,002,019   106.3 ヘルスケア事業   1,997,672   162.9 新領域事業   3,040,702   123.4 合計   10,040,393   119.6 (注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先   前連結会計年度 (自 2024年3月1日 至 2025年2月28日)   当連結会計年度 (自 2025年3月1日 至 2026年2月28日) 販売高 (千円)   割合 (%)   販売高 (千円)   割合 (%) Skyverse Technology Co., Ltd.   2,856,524   34.0   3,111,832   31.0 Marubeni America Corporation   1,038,719   12.4   1,838,987   18.3 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループは、光学事業の単一セグメントでありますが、事業区分別に売上高を以下に記載いたします。 a.売上高 当連結会計年度において、半導体事業では、深紫外レーザ及び単結晶の既存製品の需要拡大に加え、新製品の立ち上がり及び次世代レーザの開発受託が寄与し、5,002百万円(前年同期比6.3%増)となりました。ヘルスケア事業では、第2四半期に前期からの出荷期ずれが売上高の増加に寄与しました。その後、第3四半期以降は、顧客の実需に基づく安定した出荷フェーズへ移行したことから、1,997百万円(前年同期比62.9%増)となりました。新領域事業では、世界的なデータセンター需要の拡大を背景に、ファラデー回転子の出荷が増加したことから、Raicol社の売上高減少影響を上回る成長を実現し、3,040百万円(前年同期比23.4%増)となりました。全社では10,040百万円(前年同期比19.6%増)となりました。 b.売上総利益 当連結会計年度においては、半導体事業、ヘルスケア事業及び新領域事業のすべての事業区分における増収が、原材料費等の変動コストや設備投資の進展に伴う減価償却費の増加を吸収したことから、売上総利益は3,369百万円(前年同期比108百万円増)となりました。 c.販売費及び一般管理費、営業利益 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、2,826百万円(前年同期比307百万円減)となりました。その主な要因は、のれん償却額が139百万円、研究開発費が93百万円減少したこと等によるものです。その結果、営業利益は542百万円(前年同期比416百万円増)となりました。 d.経常利益 当連結会計年度における営業外収益は、369百万円となりました。その主な要因は、為替差益356百万円です。営業外費用は、238百万円となりました。その主な要因は、支払利息163百万円及び固定資産除却損39百万円です。 これらの結果、当連結会計年度における経常利益は674百万円(前年同期比443百万円増)となりました。 e.特別利益及び特別損失 当連結会計年度における特別利益は、775百万円となりました。その主な要因は、補助金収入746百万円です。特別損失は、2,498百万円となりました。これは主な要因は、Raicol Crystals Ltd.の全株式及び貸付債権を譲渡したことにより生じた関係会社株式売却損の計上等によるものです。 f.税金等調整前当期純損失 当連結会計年度における税金等調整前当期純損失は1,048百万円(前年同期は2,833百万円の損失)となりました。 g.法人税等 当連結会計年度における法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額は△510百万円(△は利益)(前年同期は△130百万円)となりました。 h.親会社株主に帰属する当期純損失 当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純損失は538百万円(前年同期は2,703百万円の損失)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。 ④ 資本の財源及び資金の流動性 当社グループの資金需要のうち主なものは、製造用の設備の取得費、研究開発費、原材料等の購入費用、一般管理費等の営業費用であります。 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。 日々の営業活動及び製品製造のための仕入れに係る資金の受け取りと支払いの差により発生する短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入で賄い、自己資本では賄えない固定資産投資等への対応資金である長期運転資金の調達につきましては、金融機関引き受けの私募社債の発行、また金融機関からの長期借入やリースを中心に、また必要に応じて資本での調達も検討することとしております。 なお、当連結会計年度末における社債、借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は7,579百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,287百万円となっております。 ⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、①営業利益率、②EBITDAマージンを経営指標とし、それぞれ①10%、②20%を目指しております。 営業利益率の向上を目指す施策としては、より付加価値の高い製品の開発を進めてまいります。具体的には、研究開発活動を行っております、パワー半導体材料、量子分野、シンチレータ向け単結晶、レーザの新規用途製品等となります。 EBITDAマージンの向上を目指す施策としては、営業利益の向上に加え、設備投資の効率化、生産効率の改善及び業務の効率化を図ってまいります。

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