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超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,061.95+295ドル円158.65-1NASDAQ26,217.83+118S&P 5007,666.6+35SOX 指数11,339.25+519/2終値

湖北工業

KOHOKU KOGYO CO.,LTD.6524 · Standard · 電気機器

アルミ電解コンデンサ用リード端子の世界的ニッチトップ。車載・サーバー向け需要で成長。光部品では海底ケーブル用に強み。

概要

湖北工業は1959年設立の電気機器メーカーである。アルミ電解コンデンサ用リード端子と光ファイバ通信用光部品・デバイスを2本柱とし、2025年12月期の売上高は175億円、従業員数は1,710人。滋賀県長浜市に本社を置き、東京証券取引所スタンダード市場に上場する。リード端子では日系全メーカーに加え台湾・韓国・中国系にも供給。光部品では海底ケーブル向け光アイソレータで世界高いシェアを有する。

リード端子事業は設立当初からの祖業

リード端子事業は1959年の創業以来続く祖業である。アルミ電解コンデンサの主要部品である電極リード材を製造・販売し、日系のアルミ電解コンデンサメーカー全社に加え、台湾系、韓国系、中国系への取引を拡大している。すべての製造工程と装置・設備を自社開発し、溶接、プレス、洗浄、化成の一貫生産を実現。自動車(車載)向け品質規格IATF16949をグローバルで認証取得しており、車載業界からの信頼も厚い。売上高は2025年12月期に88億円。

光部品・デバイス事業は海底ケーブル用光アイソレータが中核

光部品・デバイス事業は2000年に開始した。中核製品は海底ケーブル用光アイソレータであり、1995年より製造販売している。要求される信頼性は最深8,000メートルの海底で25年間の無故障動作である。また、精密形状石英ガラスの製造技術と磁気光学材料の製造技術が強み。近年は高純度石英ガラス製品(SSG®)も強化しており、半導体関連などへ展開している。同事業の売上高は2025年12月期に86億円。

グループは7社の連結子会社で構成

当社グループは単体と7社の連結子会社で構成される。リード端子の販売はシンガポールのKOHOKU ELECTRONICS (S) PTE.LTD.、製造はマレーシアのKOHOKU ELECTRONICS (M) SDN.BHD.、中国の東莞瑚北電子有限公司と蘇州瑚北光電子有限公司が担う。光部品・デバイスは蘇州工場とスリランカのKOHOKU LANKA (PVT) LTD.、2024年に子会社化したエピフォトニクス株式会社およびEpiPhotonics USA, Inc.が製造販売する。

売上高は拡大傾向、収益性も改善

売上高は2017年12月期の65億円から2025年12月期の175億円へと拡大した。営業利益は2024年12月期に39億円、2025年12月期に46億円。親会社株主に帰属する当期純利益は同期間で3億円から30億円へ増加した。なお、2025年12月期の為替レートは1米ドル149.62円であった。

業界の中での役割は電子部品メーカー(アルミ電解コンデンサ用リード端子、光通信用光部品)。にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
175億円
営業利益
46億円
営業利益率
26.3%
純利益
30億円
2025/12 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2025/3期)より

事業別の売上と利益

2025/12
事業売上構成比利益利益率
リード端子 事業88億円50.3%8億円9.1%
光部品・デバイス事業87億円49.7%39億円44.8%

有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上とセグメント利益をそのまま掲載しています。全社費用・セグメント間取引の消去は含みません。

01電子部品(回路部品)主力

自動車(車載)やサーバー(AI含む)など幅広い用途で使われるアルミ電解コンデンサの主要部品であるリード端子(電極リード材)を製造・販売。日系全社に加え、台湾系・韓国系・中国系メーカーにも供給を拡大。創業以来の一貫生産体制と独自技術で安定品質を実現。

主な製品・サービス1
アルミ電解コンデンサ用リード端子
アルミ電解コンデンサの電極リード材。溶接、プレス、洗浄、化成の一貫工程による高品質が特徴。

02光通信機器準主力

光ファイバ通信機器や光モジュールに使用される光部品・光デバイスを製造・販売。特に海底ケーブル用光アイソレータを中核とし、高い信頼性が求められる分野で実績。

主な製品・サービス1
光アイソレータ
光の逆流を防ぐ光部品。海底ケーブル用は最深8,000メートルで25年間の耐久性が求められる。

製品と技術

溶接・プレス・化成の一貫工程で作るリード端子

リード端子はアルミ電解コンデンサの電極リード材である。当社は創業以来、すべての製造工程と装置・設備を自社開発し、溶接、プレス、洗浄、化成の一貫生産を独自に行う。特に異種金属の溶接技術と金属加工技術が強み。自動車のECU向けやAIサーバー向けなど、ハイブリッドタイプや導電性高分子タイプの高機能コンデンサに対応する製品を提供する。IATF16949認証を全グローバル拠点で取得。

海底8,000mで25年動作する光アイソレータ

光アイソレータは光の逆流を防ぐ部品で、海底ケーブルに不可欠である。当社は1995年から製造しており、最深8,000メートルの海底で25年間無故障という高い信頼性を要求される製品を供給する。世界で高い市場シェアを有する。また、マルチコアファイバ対応の小型化やモジュール化にも対応。関連技術としてファラデー回転子の製造も行い、データセンタ向け需要急増に対応して生産能力を増強した。

成型自由度高めるスラリーキャスト法の高純度石英ガラス

高純度石英ガラス製品(SSG®)は、当社独自のスラリーキャスト法で製造される。この方法は高い成型自由度と高純度を両立し、半導体製造装置部品、光ファイバ用プリフォーム、各種レンズ、バイオメディカル向けに採用が進む。2023年7月から紫外線用非球面レンズの量産を開始した。半導体関連市場からの引き合いが増加しており、生産能力増強とBCP体制整備を進めている。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

電気機器のなかでの位置

電子基板材料で堅調、高収益な中堅メーカ

湖北工業は電気機器業界に属し、電子基板向け材料などを手掛ける。売上高は2023年12月期135億円から2025年12月期175億円へ増加。営業利益率は24.5%から26.3%へ向上しており、高収益を誇る。同業のイビデンは大手電子部品メーカーで、当社は中堅だが、高い収益性で差別化している。特定の高付加価値材料に強みを持ち、市場での需要が堅調とみられる。

強み

  • 営業利益率25%超と業界平均を大きく上回る。
  • 売上高が年率10%前後で成長しており、需要が堅調。
  • 電子基板材料で高い技術力を有し、顧客から選ばれる。
  • 高収益により内部留保が厚く、財務基盤が強固。

課題

  • 特定の電子材料に依存しており、需要変動のリスクがある。
  • イビデンなどの大手や新興との競争が激しい。
  • 技術者確保が難しくなっており、成長の制約になる可能性。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

電気機器の時価総額近傍。太字が湖北工業

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
16941山一電機1,642億円15.3倍
26804ホシデン1,544億円8.8倍
36707サンケン電気1,445億円
46866日置電機1,445億円19.4倍
56737EIZO1,333億円17.4倍
66524湖北工業1,256億円27.8倍
76741日本信号1,229億円9.7倍
86810マクセル1,194億円12.6倍
96914オプテックスグループ1,189億円14.5倍
106877OBARA GROUP1,158億円12.6倍
116652IDEC1,156億円28.1倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 23件

リード端子専業メーカーとして創業した1959年

1959年8月、滋賀県伊香郡高月町(現長浜市)の旧町庁舎で資本金50万円にて設立。アルミ電解コンデンサのリード端子の製造を目的とした。1961年5月には本社工場を新設移転。1974年8月にはリード端子専用の製造工場を増設し、専業メーカーとしての基盤を固めた。当初からすべての製造工程と設備を自社開発する方針が、後の競争力の源泉となる。

東南アジアへ生産拠点を拡大した1987年から1994年

1987年12月、シンガポールに製造子会社KOHOKU ELECTRONICS (S) PTE.LTD.を設立。1994年9月にはマレーシアに製造子会社KOHOKU ELECTRONICS (M) SDN.BHD.を設立。これにより、海外生産の足がかりを得た。1997年11月にはISO9001認証を取得し、品質管理を国際標準化。2005年8月にはISO14001認証も取得した。

光事業への参入と中国進出(2000年〜2002年)

2000年9月、光部品・デバイス事業を開始。同年12月には中国東莞に委託加工会社東莞瑚北電子廠を設立。2002年6月には中国蘇州に製造子会社蘇州瑚北光電子有限公司を設立し、リード端子に加えて光部品の製造も担うようになった。これにより、事業の2本柱体制が形成された。

FDK光デバイス事業の譲受とスリランカ進出(2015年)

2015年2月、FDK株式会社より光デバイス事業を譲り受けるとともに、FDK LANKA (PVT) LTD.を子会社化しKOHOKU LANKA (PVT) LTD.へ商号変更。この買収により、光アイソレータなど海底ケーブル向け製品の製造能力を拡大した。同年11月には自動車向け品質規格IATF16949(当時はISO/TS16949)を取得した。

東証上場と新たな成長領域への投資(2021年〜2025年)

2021年12月、東京証券取引所市場第二部に上場。2022年4月の市場区分再編で東証スタンダードに移行した。2023年7月には蘇州子会社を新工場に移転し、高純度石英ガラス事業として紫外線用非球面レンズの量産を開始。2024年4月にはPLZT薄膜技術を持つエピフォトニクス株式会社を子会社化。同年11月には宇宙通信分野向けにワープスペースと資本業務提携、2025年1月にはレーザシステム開発会社ARIEL Photonicsと提携した。

年表23件を開く

1950年代

  • 1959年8月創業滋賀県伊香郡高月町(現 滋賀県長浜市高月町)の高月町旧庁舎にてアルミ電解コンデンサの 部品であるリード端子の製造を目的として資本金50万円で湖北工業株式会社を設立

1960年代

  • 1961年5月滋賀県伊香郡高月町に本社工場を新設、移転

1970年代

  • 1974年8月リード端子専用の製造工場を本社工場に増設

1980年代

  • 1987年12月シンガポールに製造子会社KOHOKU ELECTRONICS (S) PTE.LTD.(現 販売会社)を設立

1990年代

  • 1991年7月本社管理事務・研究開発棟が完成
  • 1994年9月マレーシアに製造子会社KOHOKU ELECTRONICS (M) SDN.BHD.を設立
  • 1997年11月ISO9001認証取得
  • 1998年5月本社工場を増築

2000年代

  • 2000年9月光部品・デバイス事業を開始
  • 2000年12月創業中国(東莞)に委託加工会社東莞瑚北電子廠を設立
  • 2002年6月中国(蘇州)に製造子会社蘇州瑚北光電子有限公司を設立
  • 2005年8月ISO14001認証取得

2010年代

  • 2012年10月M&A東莞瑚北電子廠を子会社化し、東莞瑚北電子有限公司を設立
  • 2015年2月M&AFDK株式会社より光デバイス事業を譲り受けるとともにFDK LANKA (PVT) LTD.を子会社化し、KOHOKU LANKA (PVT) LTD.へ商号変更
  • 2015年11月ISO/TS16949(現 IATF16949)認証取得

2020年代

  • 2021年12月上場東京証券取引所市場第二部に株式を上場
  • 2022年4月東京証券取引所市場区分再編により「東証スタンダード」に移行
  • 2023年7月中国(蘇州)の製造子会社蘇州瑚北光電子有限公司を新工場に移転
  • 2023年7月高純度石英ガラス事業として、紫外線用非球面レンズの量産を開始
  • 2024年4月M&APLZT(チタン酸ジルコン酸ランタン鉛)薄膜形成技術を応用した技術を持つエピフォトニクス株式会社の全株式を取得し子会社化
  • 2024年11月宇宙通信分野向け光システム開発に向けて、株式会社ワープスペースと資本・業務提携
  • 2025年1月レーザシステム開発会社のARIEL Photonics Assembly Limited.と資本・業務提携
  • 2025年12月単結晶PLZT薄膜ウエハの販売を開始

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2025/12期の経営方針より

会社は4つの方針を掲げている。そのうち1項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 営業利益率10%以上

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    市場開拓による事業規模の拡大

    グローバルニッチトップ戦略のもと、リード端子事業では高機能コンデンサ向け新技術製品の採用拡大、光部品・デバイス事業では海底ケーブル向け光部品の売上拡大と宇宙通信分野への進出を進める。

  2. 02

    構造改革による収益力の強化

    不採算製品の価格是正、高付加価値製品の開発推進、自社開発設備による製造工程の高効率化、設備総合効率の改善を通じて安定的に営業利益率10%以上の体質確立を目指す。

  3. 03

    新たなGNT(グローバルニッチトップ)事業の創出

    独自技術のスラリーキャスト法による高純度石英ガラス製品(SSG®)の量産体制構築、PLZT光デバイスなど光電融合分野の開発、企業買収・事業提携による技術補完を推進する。

  4. 04

    未来を担う人材の育成と経営管理体制の強化

    従業員のキャリアアップ制度の充実、新しい拠点整備による人材確保と長期育成、ガバナンス強化、サステナビリティ推進による非財務活動の強化に取り組む。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 5期分

グループ全体で1,710人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は714万円で、4期前と比べて+4.2%平均年齢は44.7歳、平均勤続年数は12.6年。

単体の従業員がグループ全体の1割に満たないため、平均年収は持株会社の本社勤務者の数値です。グループ全体の水準とは異なります。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2021年12月68544.813.11,639
2022年12月64644.512.51,659
2023年12月63244.913.01,430
2024年12月66544.311.81,536254
2025年12月71444.712.61,710269

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2025年12月期・提出会社(単体)
女性管理職比率6.5%
縦線は目安の30%
男性育休取得率100.0%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)57.2%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社7(国内 2 / 海外 5、うち連結子会社 7) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位6)
本社工場 — 滋賀県 長浜市3,238百万円
リード 端子事業 光部品・デバイス 事業
蘇州工場 — 中国江蘇省蘇州市2,670百万円
スリランカ 工場 — スリランカカトゥナー ヤカ市1,249百万円
東莞工場 — 中国広東省東莞市945百万円
マレーシア 工場 — マレーシアセランゴール州839百万円
神奈川県 大和市60百万円
主な関係会社
  • 海外
    KOHOKU ELECTRONICS (S) PTE.LTD. (注)2
    シンガポール · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    KOHOKU ELECTRONICS (M) SDN.BHD. (注)2
    マレーシア セランゴール州 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    東莞瑚北電子有限公司(注)2
    中国 広東省東莞市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    蘇州瑚北光電子有限公司(注)2,5
    中国 江蘇省蘇州市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    KOHOKU LANKA (PVT) LTD. (注)2
    スリランカ カトゥナーヤカ市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    エピフォトニクス 株式会社(注)2
    神奈川県大和市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    EpiPhotonics USA, Inc.
    米国 カリフォルニア州 · 連結子会社
    議決権100.0%

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2025年12月期の売上高は175億円営業利益46億円前期と比べると増収増益で、売上が+10.1%、利益が+17.9%。

売上高
+10.1%
175億円
営業利益
+17.9%
46億円
純利益
-9.1%
30億円
営業利益率
26.3%
前期比 +1.8%pt

会社が出している今期の予想2026年12月期

項目会社予想前期実績
売上高222億円175億円
営業利益68億円46億円
純利益46億円30億円
1株あたり配当¥40¥40

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2026年2Qで、売上は100億円、営業利益は29億円。前年の2025年2Qと比べると、売上は+26.6%、営業利益は+61.1%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年1Q35822.96
2023年2Q35925.77
2023年3Q34617.64
2023年4Q312
2024年1Q34617.67
2024年2Q431227.911
2024年4Q822125.615
2025年2Q791822.86
2025年4Q962829.224
2026年2Q1002929.021

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 9期分

2017年12月期からの9期で、売上は65億円から175億円へ2.7倍に増えた。直近期の営業利益率は26.3%。売上は2期連続で増加。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2017年12月6543
2018年12月6054
2019年12月100145
2020年12月1122416
東京証券取引所市場第二部に株式を上場
2021年12月1464430
2022年12月1574431
2023年12月1353219
PLZT(チタン酸ジルコン酸ランタン鉛)薄膜形成技術を応用した技術を持つエピフォトニクス株式会社の全株式を取得し子会社化
2024年12月159394924.533
2025年12月175464526.330

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2025年12月期

売上高175億円のうち、営業利益として残るのは46億円26.3%。営業外の損益と税金を反映した純利益は30億円、売上の17.1%にあたる。営業利益率は業種中央値6.9%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金56.6%99億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金17.1%30億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益26.3%46億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
43.4%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比+19.4pt
26.3%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+11.2pt
17.1%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比+4.8pt
12.8%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
10.6%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
16.3%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 7期分

2025年12月期は営業CFが33億円、投資CFが−12億円で、差し引きのフリーCFは21億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は84億円で、売上の5.8ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2019年12月16−81831
2020年12月20−5−101535
2021年12月30−44626110
2022年12月28−19−26994
2023年12月36−10−1626104
2024年12月38−31−16798
2025年12月33−12−362184

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 9期分

2025年12月期の総資産は283億円。このうち返さなくてよい自己資本が234億円で、自己資本比率は82.8%(業種中央値61.0%より厚い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2017年12月87305735.0
2018年12月96336334.4
2019年12月126438334.0
2020年12月133587543.5
2021年12月2251517467.2
2022年12月2431836075.3
2023年12月2502014980.3
2024年12月2872345381.7
2025年12月2832344982.8

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2025年12月期の内訳
現金及び預金
85億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
175億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
49億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
100
/ 100
安定性自己資本比率40 / 40
収益力営業利益率30 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

電気機器 224社との比較

同じ電気機器の企業と並べると、いちばん上に来るのは営業利益率224社中6位あたり、逆に低いのは配当利回り224社中214位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE上位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
12.8%/中央値 8.0%
P25 4.2%P75 12.1%
営業利益率上位売上のうち本業の利益として残る割合
26.3%/中央値 6.9%
P25 3.5%P75 11.6%
自己資本比率上位総資産のうち返済のいらないお金の割合
82.8%/中央値 61.0%
P25 48.2%P75 76.0%
売上成長率上位前期からの売上の伸び
10.1%/中央値 4.1%
P25 -0.2%P75 9.4%
配当利回り下位株価に対して1年で受け取る配当の割合
0.8%/中央値 2.4%
P25 1.6%P75 3.3%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥4,830で、1年前と比べて+69.0%過去52週の値幅のなかでは41%の位置にある。

¥4,830-6.0%1ヶ月+4.8%1年+69.0%時価総額1,256億円
過去52週の値幅
安値¥2,805高値¥7,740

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)27.8倍
PER (会社予想)27.1倍
PBR4.91倍
配当利回り0.83%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は8月19日に4520円と、前日比8.32%の下落となりましたが、1カ月では0.99%の下落とほぼ横ばいです。25日移動平均線(4607円)を約2%下回っています。52週高値の7740円からは約42%下落しており、調整局面にあります。一方、52週安値2740円からは約1.7倍の水準で、年初来上昇率は57.59%です。出来高は8月19日に37万1200株と増加しており、売り圧力が強まっています。RSIは61.99と強気圏ですが、短期的な下落リスクが残ります。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準をやや割高と判定しています(スコア 30/100)

PER 35.96倍は業界平均27.16倍を上回り、PBR 4.50倍も平均1.91倍を大きく超過。ROE 12.8%は良好だが、PER・PBRの高さから株価は割高感がある。配当利回り0.8%は低水準で、増益期待が既に織り込まれている可能性がある。

指標この会社業種平均
PER (実績)27.8倍30.8倍
PER (予想)27.1倍
PBR4.91倍2.58倍
ROE12.8%5.8%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

半導体製造装置関連で高い収益性を誇るが、半導体市況の変動や技術変化への依存度が課題。強気派は、半導体の微細化・3D化に伴い装置部品の需要が増加すると期待。また、高い営業利益率やROE12.8%を評価。弱気派は、直近の売上減少(2023年12月期135億円)が示すように、半導体市況の低迷で業績が不安定。PER35倍超と割高感があり、先行き不透明な半導体市況を考慮すると割高リスクを指摘する。

プラスに働く材料7
  • 半導体装置需要拡大

    半導体の微細化・3D化で部品需要増加

  • 高収益体質

    営業利益率24%超、ROE12.8%で資本効率良好

  • 成長期待

    2024年12月期以降、増収見通し

  • 営業利益46億円達成で収益性の高さ再確認2025/12決算発表後影響

    営業利益率26.3%は前期比1.8ポイント向上、高収益体質が継続

  • 売上高175億円計画達成で成長軌道定着2025/12通期影響

    売上高は前期比10%増、過去3年平均成長率約14%の成長継続

  • ROE12.8%維持で株主還元拡大期待次回株主総会影響

    自己資本利益率12.8%と高水準、配当性向28.7%から増配余地あり

  • 小型株の成長ストーリー再評価不定影響

    時価総額1071億円、過去1年62%上昇もPER成長率比で割高感薄れる

マイナスに働く材料7
  • 市況変動リスク

    半導体サイクルで業績が乱高下しやすい

  • PERの高さ

    PER36倍は業績変動を考慮すると割高

  • 売上減少の実績

    2023年は減収、収益が不安定

  • 純利益減少トレンドへの懸念2025/12決算影響

    営業利益増も純利益は30億円と前期比9%減、特別損失や税負担増が重し

  • 高PERバリュエーション修正リスク継続影響

    PER36倍は同業平均を大きく上回り、成長鈍化で20倍台への調整リスク

  • 大口売りによる需給悪化不定影響

    浮動株少なく大口売りで急落の可能性、外国人保有14.4%も変動リスク

  • 業績下方修正リスク2025/12期中影響

    市場想定以上のコスト上昇や受注減少で営業利益46億円未達の可能性

次の決算で確かめる点
売上高成長率
半導体市況の影響を受けるため
営業利益率
高収益維持の確認
顧客投資計画
主要顧客の設備投資動向が需要を左右

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり40で、前期から+10.0%いまの株価に対する利回りは0.83%。増配か配当維持が3年続いている。

年間配当
¥40
1株あたり
配当利回り
0.83%
いまの株価に対して
配当性向
38.5%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
3年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2022年12月1818.7
2023年12月209.124.3
2024年12月3050.025.9
2025年12月3310.038.5

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥40

株主

有価証券報告書より

2025年12月期末の株主数は延べ8,657人。区分でいちばん多いのは個人・その他76.7%。グループ会社や銀行などの安定株主が6.9%を占め、残る93.1%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年12月%2022年12月%2023年12月%2024年12月%2025年12月%
個人・その他63.160.481.076.476.7
外国法人5.411.613.311.914.3
金融機関3.36.13.38.66.0
証券会社8.42.31.12.42.1
事業法人19.919.51.30.70.9
自己株式1.90.00.00.00.4
外国人個人0.00.00.10.00.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01石井 太42.61
02アイエフマネジメント株式会社19.18
03株式会社日本カストディ銀行(信託口)3.00
04THE BANK OF NEW YORK 133652(常任代理人 株式会社みずほ銀行)2.64
05日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)1.93
06JP MORGAN CHASE BANK 380684(常任代理人 株式会社みずほ銀行)1.81
07STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505301(常任代理人 株式会社みずほ銀行)1.68
08JP MORGAN CHASE BANK 380613(常任代理人 株式会社みずほ銀行)1.19
09THE BANK OF NEW YORK MELLON 1440051(常任代理人 株式会社みずほ銀行)0.77
10湖北工業従業員持株会0.75

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 9期分

1株利益は9期で−97%、1株純資産は9期で−98%。直近期のROEは12.8%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2017年12月4,37542,11410.95.1
2018年12月4,95645,83611.33.9
2019年12月7359412.94.9
2020年12月7226631.14.7
2021年12月13657228.317.914.9
2022年12月11567818.318.018.7
2023年12月717439.923.524.3
2024年12月12186815.024.525.9
2025年12月11590512.826.938.5

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

10名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は10名。2025/12期の役員報酬は総額157百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約2倍にあたる。

氏名役職年齢
石井太代表取締役社長 CEO68
北川一清専務取締役 CEO補佐68
中村聖二取締役CFO61
澤木聖子取締役61
荒井昌幸取締役66
ディーター・ソンマーハルダー取締役64
栗山裕功取締役 監査等委員76
中村正哉取締役 監査等委員66
髙津靖史取締役 監査等委員72
梅山克啓61

役員報酬の内訳2025/12

役員の区分人数固定報酬百万円賞与百万円株式報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)107234911712
監査等委員314145
社外取締役314145
取締役(社内)4992
監査役3221
社外監査役2111

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2025/12期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容1,471字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 (1) 当社グループの事業内容について 当社グループは、当社及び連結子会社7社により構成されており、主な事業は、アルミ電解コンデンサ用リード端子の製造・販売を行うリード端子事業と、光ファイバ通信網用光部品の製造・販売を行う光部品・デバイス事業であります。 なお、上記事業の区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントと同一の区分であります。 ① リード端子事業 当事業においては、自動車(車載)・サーバー(AI含む)等の情報通信機器を中心に、産業機械やアミューズメント機器・家電製品を含めた極めて広い用途に使用されるアルミ電解コンデンサの主要構成部品であるリード端子(電極リード材)の製造・販売を行っております。当該事業は1959年設立当初からの祖業であり、日系のアルミ電解コンデンサメーカー全社に加え、台湾系・韓国系・中国系への取引拡大を進めております。 創業当時から全ての製造工程と装置・設備の開発・設計を自社独自で行い、「溶接」、「プレス(金型)」、「洗浄」、「化成」の一貫生産工程と独自開発したコア技術を掛け合わせることでばらつきの無い安定した品質を実現するとともに、現在では本社と海外3工場に同じ仕様の一貫工程の装置・設備を配置し、十分な供給能力を保持しております。また、アルミ電解コンデンサの特性向上と工程での歩留まり向上に寄与する技術商品を数多く開発することで、各アルミ電解コンデンサメーカーから高い評価を獲得し、各市場からのアルミ電解コンデンサの需要拡大に伴い、当社リード端子の市場シェアも大きく拡大しております。これらに加え、技術商品関係の国際特許を多く保有しております。自動車(車載)向け品質規格IATF16949をグローバルで認証取得しており、車載業界からも高い信頼を得ております。 ② 光部品・デバイス事業 当事業においては、今日の情報通信に欠かせない光ファイバ通信機器や光モジュールに使用される「光部品」及び「光デバイス」を製造・販売しており、特に1995年より製造販売の高い信頼性(要求事項:最深8,000メートルの海底で25年間故障せず機能し続けること)が求められる海底ケーブルに使用される光アイソレータが中核の商品になります。 また、当該事業は、長きにわたり培ってきた精密形状石英ガラスの製造技術、磁気光学材料の製造技術ノウハウに裏打ちされた素子、及び一貫生産による精密組立技術を強みとし、競合他社との差別化を図っております。 なお、当社グループの当該事業に係るグループ各社の位置付けは次のとおりであります。 KOHOKU ELECTRONICS (S) PTE.LTD.は、リード端子の販売を行っております。 KOHOKU ELECTRONICS (M) SDN.BHD.は、リード端子の製造及び販売を行っております。 東莞瑚北電子有限公司は、リード端子の製造及び販売を行っております。 蘇州瑚北光電子有限公司は、リード端子の製造及び販売、並びに光部品・デバイスの製造及び販売を行っております。 KOHOKU LANKA (PVT) LTD.は、光部品・デバイスの製造を行っております。 エピフォトニクス株式会社は、光部品・デバイスの製造及び販売を行っております。 EpiPhotonics USA, Inc.は、光部品・デバイスの製造及び販売を行っております。 以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。
経営方針・対処すべき課題3,933字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針 当社グループは、グローバルニッチトップの複合体を成す、すなわち国内外の小規模市場を一体的に捉えたグローバル市場において高いシェアと確固たる地位を築く、という成長シナリオに主眼を置き、次の指針に沿った事業活動を展開しております。 ① 経営ビジョン オンリーワン企業の実現に資する研究開発、技術開発等を遂行していき、高収益事業を構築していく。 ② 中期経営基本方針 ⅰ.市場開拓による事業規模の拡大 ⅱ.構造改革による収益力の強化 ⅲ.新たなGNT(グローバルニッチトップ)事業の創出 ⅳ.未来を担う人材の育成 ⅴ.グローバル経営管理体制の強化 ③ 目標とする経営指標 当社では、中期経営基本方針に基づき、2028年12月期に向けて以下の経営指標について目標を設定し、企業価値の向上に取り組んでおります。 (2) 経営環境 各事業セグメントにおける経営環境は以下の通りであります。 ① リード端子事業 (自動車関連市場) 自動車関連市場において、EV、PHV等の電動化や、ADAS(先進運転支援システム)に代表される自動運転機能の高度化や安全性の向上等の動きを背景に、ECU(電子制御装置)が100個以上搭載されるなど自動車用エレクトロニクス市場は成長を続けています。こうした中、ECU等に搭載されるアルミ電解コンデンサについては、小型高容量化、漏れ電流特性、耐リップル電流(低抵抗)特性等、様々な高機能化のニーズが急速に高まっております。当社は、リード端子における重要な要素技術である異種金属の溶接技術や金属加工技術を得意とし、高い品質水準をベースに、アルミ電解コンデンサのハイブリッドタイプ、導電性高分子タイプ、EDLC(電気二重層キャパシタ)等、高機能コンデンサの特性向上とコンデンサ製造工程での歩留まり向上に寄与する新技術製品において高い評価を頂いており、自動車市場(駆動系)やAIサーバー向けにおいては高い市場シェアを占める等、市場をリードしております。また、それ以外を含めたアルミ電解コンデンサ市場全体でも相対的に高い市場シェアを持ち、市場の変化・変動に柔軟に対応できる総合的な安定供給力を有していると考えております。当社のリード端子は、創業当時から全ての製造工程と装置・設備を自社設計・開発するなど、長年にわたって蓄積してきたリード端子の製造技術に裏打ちされた圧倒的な品質と技術の優位性を有しております。今後ますます高機能、高信頼性が求められる分野において、技術開発力をさらに強化し、製品の競争力、安定供給体制で市場をリードしてまいります。 (情報通信機器市場等、自動車関連以外の市場) 自動車関連以外の市場においても、通信関係や電子機器の高機能化に伴い、アルミ電解コンデンサの高機能化のニーズが今後高まると考えております。 特に生成AI・データセンタ市場においては、高度な情報処理を支えるGPU(画像処理半導体)に代表されるAI半導体の性能向上と半導体の消費電力増大に対応する電力容量を供給する電源・電子回路を構成する電子部品の高機能化が求められています。こうした中、自動車市場向けと同様に、アルミ電解コンデンサのハイブリッドタイプ、導電性高分子タイプのニーズが急速に高まっており、当社の特長である高機能製品の採用がグローバル市場において増加しております。 一方で、民生機器市場の一部においては、自動車市場、情報通信機器市場と比較して汎用化が進んでおり、価格競争が加速しております。こうした市場については、品質や信頼性、安定供給といった高付加価値分野に的を絞りながら、自社開発設備を軸とした製造工程のさらなる高効率化を進め、価格競争力を高めてまいります。 ② 光部品・デバイス事業 (海底ケーブル市場) 世界的な情報通信容量の拡大に伴い、大陸間の情報通信インフラとしての海底ケーブルの重要性が高まっております。また、生成AI・データセンタの増加に伴うデータセンタ間の情報通信等の拡大ニーズがますます高まる傾向にあり、海底ケーブルの敷設件数が増加しております。さらに、敷設件数の増加に加えて、海底ケーブルごとの通信容量の拡大が同時に求められる中で、光ファイバーペア数の増加による光部品の小型化、モジュール化、さらにはマルチコアファイバへの対応等、当社製品に対する技術進化が求められております。 当社では、海底ケーブル向け光部品市場の主力製品である光アイソレータにおいて、世界で高い市場シェアを持ち、海底で25年間にわたってメンテナンスフリーで動作可能な高い信頼性を実現しており、顧客である海底ケーブル敷設会社との間で、高い信頼を背景に蓄積してきた技術力に基づくパートナーシップを構築しております。今後も大手通信事業者や海底ケーブル敷設会社等、次世代通信技術の開発を進めるお客様との連携を強化し、プラットフォーム作りに関わることでさらなる技術進化をリードしてまいります。 (高純度石英ガラス部品市場) 石英ガラス市場において、半導体関連、光ファイバ、医療機器等の分野で耐熱性、光透過性、耐化学特性等に優れた高純度石英ガラスの需要が高まっています。また、半導体製造装置の高機能化、光ファイバ用プリフォームの形状の多様化等に伴い、様々な分野で様々な形状の高純度石英ガラスが求められる状況となっています。こうした中、当社独自の製造方法であるスラリーキャスト法で作製する高純度石英ガラス製品(SSG®)は、高い成型の自由度と高純度を両立した石英ガラス製品として注目を集めています。当社では、重点分野である半導体関連、光ファイバ用プリフォーム、各種レンズ、バイオメディカルでの採用に向けて製品ラインアップの拡充に加えて、生産能力の増強、BCP体制の整備等、安定供給体制の構築に注力してまいります。 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 ① リード端子事業 リード端子事業におきましては、引き続き収益構造の改善を進め、安定的に営業利益率10%以上を維持できる体質を確立していきます。 従来から不採算製品の価格是正や高付加価値製品の開発と採用拡大に努めてまいりましたが、高機能化が進むアルミ電解コンデンサの技術ニーズを先取りした新製品の開発やレーザ溶接等、新しい製造技術の開発に注力していきます。また、設備総合効率の改善を主軸とした生産効率の改善を進めると共に、自動車市場向けをはじめグローバル化が進む海外市場への営業体制の強化を進めてまいります。 ② 光部品・デバイス事業 光部品・デバイス事業におきましては、引き続き主力である海底ケーブル向け光部品市場において、新製品の開発と売上の拡大に努めてまいります。海底ケーブルにおいては、生成AIやクラウドサービスの進化等の情報通信の増大を背景として、中長期的な視点での技術革新が進んでおり、次世代技術であるマルチコアファイバ技術への対応等、10年或いはそれ以上先を考慮した研究開発を進めてまいります。また、海底ケーブル向け光部品市場で蓄積してきた高い信頼性を活かし、今後拡大が進むと考えられる宇宙通信分野向けの製品開発に努めてまいります。さらには、生成AI・データセンタをはじめとして進化が期待される光電融合の分野においても、超高速通信向けに期待されるPLZT光デバイスの開発を進め、長期的視点に立った技術開発を進めてまいります。 ③ コア技術を活かした新しい事業分野への取組 新しい事業分野への取組も積極化してまいります。これまで開発を進めてきた当社独自のスラリーキャスト法を用いた高純度石英ガラス製品(SSG®)については、半導体製造装置メーカー、光ファイバメーカー等からの引き合いが増加しており、本格的な量産体制の構築に取り組んでまいります。 さらに、宇宙通信分野や、生成AI・データセンタ分野については、これまで培ってきた高品質・高信頼性製品の強みを活かして製品開発を進めてまいります。さらに、企業買収・事業提携等による技術補完やマーケティング力強化についても積極的に取り組んでまいります。 ④ 人材育成及び経営管理体制の強化 中長期の成長を支える経営体制作りとして、従業員のキャリアアップ制度の充実や新しい拠点整備等、人材確保と長期人材育成への仕組み作りを進めてまいります。さらに、ガバナンスの強化や社会貢献等、非財務に関する活動を引き続き強化し、持続可能な社会実現への貢献と、さらなる企業価値の向上に取り組んでまいります。 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、持続的な成長と株主価値の向上に資するため、売上高営業利益率、ROIC、ROEといった指標の改善に努めることとしており、こうした指標の改善に向けた内部指標として、設備総合効率をはじめとする様々な指標を設定し、継続的に管理しております。また、事業部門別の改善指標の充実と分析の強化を進めており、事業部門ごとの経営効率改善に取り組んでまいります。 また、非財務に関する活動についても積極的な取組を行っております。2024年2月から全社横断組織としてサステナビリティ推進委員会を設置し、CO2排出量削減をはじめとした環境保全活動や、働きやすさ、ダイバーシティの観点からの指標を取り入れ、改善に取り組んでまいります。
事業等のリスク4,574字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下の通りであります。これらのリスクは、全てのリスクを網羅したものではなく、予測し難い事業等のリスクが存在するものと考えております。当社では、様々なリスクに対応するために、定期的にリスクマネジメント委員会を開催する等、リスクの把握とその軽減策を講じるよう努めております。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)  海外事業について 当社グループは、売上高全体に占める海外向けの比率が高く、アジア地域に複数の生産拠点を配置することによりサプライチェーンを構築しております。それに伴い、対象国の経済動向、社会情勢及び政治状況の変化や自然災害等に伴うリスクが存在します。こうしたリスクの顕在化により当社グループ子会社が営む事業の遅延、中断及び中止等、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループにおいては、当該リスクを軽減するために、各事業の特性を踏まえた複数拠点での生産対応、また非常時に備えた製品及び主要材料等の在庫保有や自家発電設備の設置等、各拠点の事情に応じた対策を進めており、安定供給と事業保全の両立を図っております。 (2)  為替相場の変動について 当社グループは、売上高全体に占める海外向けの比率が高く、外貨取引及び保有に伴う為替変動リスクを抱えております。急激な為替相場の変動が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、当該リスクを軽減するために、外貨建の債権債務のポジションを掌握し、受取外貨による外貨支払を基本線としつつ、必要に応じて外貨の円転及び外貨の購入等を機動的に実施しております。 (3)  原材料等の価格変動・安定調達について 当社グループは、アルミ線をはじめとした原材料等を仕入れており、材料価格の変動の影響を受ける可能性があります。リード端子事業につきましては、材料価格の変動を販売価格に反映させることにより価格変動リスクの低減に努めております。光部品・デバイス事業につきましては、レアアースが含まれた原材料を一部で使用しているほか、一部の原材料については特定の仕入先への依存度が高く、原材料の調達の影響を受ける可能性があります。また、様々な事故や自然災害の発生に伴うサプライチェーンの混乱や倒産等による調達先からの原材料等の安定調達に支障が出た場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、調達先に対して定期的に監査等の調査を行うと共に、調達ルートの複数化を進める等、安定調達に努めております。 (4) 価格競争について 当社グループは、グローバルニッチ市場において競争力の高い製品の提供に努めておりますが、一定の競合他社が存在しております。競合他社の価格政策等によって価格競争が激化した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、高付加価値製品の開発を進めると共に高い市場シェアを維持しており、非価格競争を以て経営成績等への影響を最小限にすべく対応しております。 (5) 特定顧客への依存について 当社グループは、光部品・デバイス事業に属する海底ケーブル関連製品において、高水準のマーケットシェアを維持しております。しかしながら、市場参加者が限定的であるという市場構造であるため、特定の取引先への依存度が高いというリスクを抱えております。そのため、当該市場の需給環境や主要取引先との取引量に大きな変化が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループといたしましては、長年培ってきた顧客基盤の維持に努めると共に、新規事業の創出や新分野及び新市場の開拓を進めてまいります。 (6)  天候・自然災害等について 当社グループは、多くの生産設備を有しており、地震や風水害等の予期せぬ自然災害等、また不測の事態や火災等の事故が発生した場合には、生産能力の著しい低下等が生じる可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、当該リスクを軽減するために、各生産拠点において、生産設備の定期的な災害防止検査・点検の実施、止水、耐震対策等を順次進めることにより生産設備の保全に努めております。 (7)  研究開発について 当社グループは、既存製品及び新製品の研究開発等により技術力の向上を図っておりますが、競合他社との開発競争の激化等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、当社が競争優位性を持つ分野に研究開発リソースを絞り込む「ニッチトップ戦略」により、市場における技術優位性の維持に努めております。 (8)  製品の品質について 当社グループは、IATF16949やISO9001等の各種品質標準の認証取得に加えて、当社グループが定めた品質方針に基づき、業界をリードする高い品質の実現に注力しております。しかしながら、何らかの原因により当社製品に欠陥が生じた場合や、製造物責任による高額な賠償金の支払い義務、品質不良に起因する高額な間接的損害が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、当該リスクを軽減するために、継続して品質管理体制の強化に努めるとともに、付保状況の見直しや、国内外PL(製造物賠償責任)保険への加入を進めております。 (9)  人材確保について 当社グループが企業の価値を永続的に高めていくためには、研究開発や製造、マネジメントをはじめ、各部署に必要な人材の確保が不可欠であります。企業間の採用動向や労働人口の変化が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、当該リスクを軽減するために、新人・中途採用を問わず計画的・継続的な人材採用や育成、福利厚生の充実等の対策を行っております。 (10) 他社との提携の成否について 当社グループは、持続的な事業の成長を果たすため、必要に応じて社外から新たな技術の獲得や、業務提携、またM&Aの可能性があると考えております。M&Aの実現や業務提携等には、多額の投資を必要とすることに加えて、知的財産権や人的な問題等が発生する場合があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、当該リスクを軽減するために、M&Aや業務提携にあたりましては技術面だけでなく、財務・法務等に係る総合的なデューデリジェンスを実施し、対象会社のリスクを適切に把握のうえ実行してまいります。 (11) 情報セキュリティについて 当社グループは、事業経営に関わる多岐にわたる重要機密情報を有しておりますが、標的型攻撃やランサムウェア等、増加・深刻化するサイバー攻撃による当該情報の漏洩や業務の停止が発生することで、当社グループにおける調達体制、生産体制、物流体制、販売体制等、事業活動の継続に影響が生じる場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、当該リスクを軽減するために、「情報セキュリティ基本方針」等の情報管理に関する規程を定め、また従業員に対して情報管理に関する教育を行うと同時に、グループ各拠点のいずれにおいて情報セキュリティに関する問題が発生しても、損害を最小限にとどめて供給責任を果たしうる体制の構築及び管理ソフトウェアの導入を推進する等、情報管理体制の強化に努めております。 (12) 知的財産権について 当社グループは、弛まぬ研究開発を重ね、競争優位性の源泉たる技術の蓄積を図り、知的財産権としての権利化を進め、法的保護に努めておりますが、知的財産権の不正利用や他社との特許紛争等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、当該リスクを軽減するために、管理する知的財産権に関して、第三者による権利の侵害リスク調査や他社に対する特許侵害回避のための専門家との連携等、調査の充実と適切な判断を行う体制を構築しております。 (13) コンプライアンスについて 当社グループは、当社グループが事業を展開する国又は地域において、環境法令等多くの法令・公的規制による影響を受けております。そのため、法令等の重要な変更が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、万一、各種法令諸規則に抵触する行為が発生し、コンプライアンス上の問題に直面した場合には、監督官庁等からの処分、訴訟の提起、係争中事案の進展、社会的信用の失墜等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、当該リスクを軽減するために、各種法令や諸規則が遵守されるよう全ての役員及び従業員に対してコンプライアンスの徹底を行っております。具体的には、コンプライアンス研修等の実施や、コンプライアンス管理規程の制定、コンプライアンス委員会の設置・運営等により、コンプライアンスの風土醸成と全社的推進を図っております。 (14) 固定資産の減損について 当社グループは、工場、機械設備等多くの固定資産を保有しております。業績変動等を理由に減損の兆候が生じ、固定資産の減損を行う必要が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (15) 特定人物への依存について 当社の代表取締役社長CEOである石井太氏は、当社グループの研究開発や営業政策の他、様々な経営判断に対して高い知見を有しており事業運営において極めて重要な役割を担っております。当社グループは、取締役会や経営会議等において役員及び従業員への情報共有を行うことで経営管理体制の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により業務遂行が困難になった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (16) 大株主について 当社の代表取締役社長CEOである石井太氏及び同氏の資産管理会社であるアイエフマネジメント株式会社が、当事業年度末現在で発行済株式総数の61.8%を所有しております。同氏は、安定株主として一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針であります。同氏は、当社の代表取締役社長CEOであることから、当社といたしましても安定株主であると認識しておりますが、将来的に何らかの事情により同氏により当社株式が売却された場合には、当社株式の市場価格及び流通状況に影響を及ぼす可能性があります。
経営成績の分析 (MD&A)6,133字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況 当連結会計年度における世界経済は、日本や米国で回復傾向が続くなど明るさが見られましたが、中国や欧州では夏以降回復が鈍化するなど一進一退の状況が続きました。米国においては、前半は堅調な雇用情勢や個人消費に支えられ、景気は堅調に推移しましたが、夏以降は関税率引上げに伴う影響や景気の先行きに対する不透明感が高まり、物価上昇率の低下や雇用者数の鈍化がみられました。 中国においては、工業生産の回復や自動車販売台数の増加等、いくつかの指標が改善しましたが、個人消費の低迷や設備投資の落ち込み等により、厳しい状況が続きました。 日本においては、雇用環境の改善やインバウンド需要の拡大等により景気は緩やかな改善が続きましたが、米国通商政策による輸出の停滞等の影響や、物価上昇に伴う個人消費の伸び悩みも見られました。 電子部品業界においては、自動車市場では、日本における自動車生産がプラスに転じ、また中国でのEV販売が大きく伸びるなどしましたが、一方で欧州市場での回復は弱い状態が続き、また中国EV市場での価格競争の激化や半導体の調達難による生産調整等のプラス要因とマイナス要因が併存する状況が続きました。また、中国での不動産不況を背景にした消費の低迷等により、民生機器市場については厳しい状況が続きましたが、生成AIの普及やデータセンタ投資の活発化等により情報通信機器市場が引き続き好調に推移し、電子部品市場は全体として緩やかな回復傾向となりました。 こうした中、当社では中期経営計画の達成に向けて、リード端子事業における高付加価値製品の拡販、歩留まり改善を柱とした生産工程の効率化や不採算受注の改善、光部品・デバイス事業における次世代製品の開発や製造工程の自動化、グローバル市場における顧客サポート体制の強化等、売上拡大と収益構造の改善に継続して取り組みました。また、半導体関連市場向けに引き合いが増加している高純度石英ガラス製品(SSG®)の量産体制の構築等、中長期的な成長に向けての施策も推し進めました。 当連結会計年度の経営成績は、売上高は17,454百万円(前期比9.6%増)、営業利益は4,624百万円(前期比17.4%増)、経常利益は4,547百万円(前期比6.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,992百万円(前期比8.0%減)となりました。当連結会計年度における期中平均レートは、1米ドル当たり149.62円となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。 (リード端子事業) 当連結会計年度におけるリード端子事業の売上高は8,802百万円(前期比4.7%増)、セグメント利益(営業利益)は766百万円(前期比90.0%増)となりました。 自動車用エレクトロニクス市場では、前半は昨年からの欧州自動車市場における調整が続き、また春以降は米国関税政策の影響を受けましたが、中国でのEV、PHVの普及が進むなど、全体では緩やかな回復基調となりました。一方、民生機器市場においては、中国での不動産不況の影響等により市場の調整が続きましたが、情報通信機器市場については、生成AI・データセンタへの投資等、IT需要の拡大により好調に推移しました。 こうした中、自動車関連市場、情報通信機器市場等を中心としたアルミ電解コンデンサの高機能化ニーズを先取りしたリード端子の高付加価値製品の拡販に注力し、採用が進みました。生産体制については、引き続き中国東莞工場での生産能力増強等、海外生産拠点における生産再編を進めたほか、各工場において歩留まり改善等の生産効率改善への取組を強化しました。また、収益構造の改善を加速するため、ROIC指標を用いた経営の効率化を進め、資産の圧縮と有効活用等、投下資本に対する収益改善策に努めました。加えて、高効率・高精度を実現する次世代溶接技術として、レーザ溶接技術の開発にも引き続き取り組みました。 (光部品・デバイス事業) 当連結会計年度における光部品・デバイス事業の売上高は8,651百万円(前期比15.0%増)、セグメント利益(営業利益)は3,857百万円(前期比9.1%増)となりました。 海底ケーブル向け光デバイス製品では、期初においては一部プロジェクトのスケジュール変更や小型製品への切り替えに伴う既存製品の在庫調整による短期的な調整が見られましたが、春以降売上は順次増加傾向をたどりました。また、情報通信容量の拡大ニーズを背景にした新しい海底ケーブルプロジェクトの増加や、技術革新等に対応した光アイソレータの小型製品の採用が進みました。その他の製品については、生成AIの普及拡大によるデータセンタ投資の活発化に伴い、ファラデー回転子の需給逼迫が続いたため生産能力を増強し、受注増加への対応を進めました。加えて、更なる技術革新のニーズに対応した光デバイスの複合製品・モジュール製品の開発を進め、一部顧客へのサンプル供給を開始しました。さらに、次世代の技術革新に向けて、海底ケーブルのマルチコアファイバ化に対応した光アイソレータ、ファンイン/ファンアウト(※)デバイス等、新製品の開発に取り組みました。 新規事業として強化を進めている高純度石英ガラス製品(SSG®)については、半導体関連の石英部品の引き合いが増加する中で、継続して拡販活動とサンプル供給に努めたほか、生産能力の増強等、将来の需要増に備えた安定供給体制の整備を進めました。そのほか、衛星光通信市場へ進出に向けて、光部品・デバイスの宇宙での環境試験や、衛星光通信における市場調査と顧客開拓に取り組みました。 ※ ファンイン/ファンアウト(製品) マルチコアファイバの各コアとシングルコアファイバのコアを接続する光部品。「ファンイン」とは複数の入力を一つの出力にまとめること、また「ファンアウト」は一つの入力を複数の出力に分岐することです。例えば、1本の光ファイバケーブルに複数のコアを内蔵するマルチコアファイバを海底ケーブルとして使用する際、数十キロメートルごとに設置する光中継器内で、一旦シングルコアファイバへ分岐して光信号を増幅した後に再度一つの出力にまとめ直す場合に使われます。 ② 財政状態の状況 (資産) 流動資産は前連結会計年度末に比べ1,303百万円減少し、17,027百万円となりました。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産が1,131百万円増加した一方で、現金及び預金が809百万円、有価証券が1,400百万円、原材料及び貯蔵品が232百万円減少したことによるものであります。 固定資産は前連結会計年度末に比べ938百万円増加し、11,291百万円となりました。これは主に、工具、器具及び備品(純額)が178百万円、投資有価証券が1,096百万円増加した一方で、のれんが291百万円減少したことによるものであります。 この結果、総資産は前連結会計年度末に比べ365百万円減少し、28,319百万円となりました。 (負債) 流動負債は前連結会計年度末に比べ360百万円減少し、2,584百万円となりました。これは主に、買掛金が261百万円増加した一方で、1年内返済予定の長期借入金が208百万円、未払法人税等が463百万円減少したことによるものであります。 固定負債は前連結会計年度末に比べ15百万円減少し、2,293百万円となりました。これは主に、繰延税金負債が20百万円増加した一方で、リース債務が40百万円減少したことによるものであります。 この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ376百万円減少し、4,877百万円となりました。 (純資産) 純資産は前連結会計年度末に比べ11百万円増加し、23,441百万円となりました。これは主に、利益剰余金が2,182百万円増加した一方で、資本剰余金が2,261百万円減少したことによるものであります。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は8,417百万円となりました。 当連結会計年度における活動ごとのキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、3,343百万円の収入となりました。主な資金増加要因は、税金等調整前当期純利益4,387百万円、減価償却費973百万円、減損損失310百万円、棚卸資産の減少額355百万円、主な資金減少要因は、売上債権の増加額1,131百万円、法人税等の支払額1,861百万円であります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、1,197百万円の支出となりました。主な資金増加要因は、定期預金の払戻による収入1,083百万円、主な資金減少要因は、定期預金の預入による支出258百万円、有形固定資産の取得による支出781百万円、投資有価証券の取得による支出1,266百万円であります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、3,646百万円の支出となりました。主な資金減少要因は、長期借入金の返済による支出208百万円、自己株式の取得による支出2,490百万円、配当金の支払額809百万円であります。 ④ 生産、受注及び販売の実績 a. 生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   金額(百万円)   前期比(%) リード端子事業   6,674   △1.0 光部品・デバイス事業   3,022   +35.4 合計   9,696   +8.0 (注) 金額は、製造原価によっております。 b. 受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   受注高 (百万円)   前期比 (%)   受注残高 (百万円)   前期比 (%) リード端子事業   8,802   +4.7   -   - 光部品・デバイス事業   9,988   +70.6   4,198   +46.7 合計   18,790   +31.8   4,198   +46.7 (注) リード端子事業については、受注から出荷(売上計上)までの期間が数日と非常に短いことから、受注残高の集計には含めず、販売実績をもって受注高としております。 c. 販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   販売高(百万円)   前期比(%) リード端子事業   8,802   +4.7 光部品・デバイス事業   8,651   +15.0 合計   17,454   +9.6 (注) 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。 相手先   前連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)   当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) 販売高(百万円)   割合(%)   販売高(百万円)   割合(%) Alcatel Submarine Networks UK Ltd.   2,796   17.6   3,483   20.0 SubCom,LLC   3,268   20.5   2,872   16.5 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当連結会計年度における経営成績の状況の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載しております。また、当連結会計年度における財政状態の状況の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載しております。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 a. キャッシュ・フロー 当連結会計年度のキャッシュ・フローの詳細につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッ シュ・フローの状況」に記載しております。 b. 資本の財源及び資金の流動性 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料等の仕入費用や生産子会社の製造費用、及び販売費及び一般管理費の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は設備投資等によるものであります。 当社グループは、事業運営上必要な運転資金及び設備投資資金については、自己資金にて賄うことを基本方針としております。また、一部はグループ会社間で融資を行っております。 ③ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について 当社グループでは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標を事業別営業利益と設定しております。前連結会計年度及び当連結会計年度の数値については、次のとおりとなっております。 指標   前連結会計年度(自 2024年1月1日  至 2024年12月31日)   当連結会計年度(自 2025年1月1日  至 2025年12月31日) 事業別営業利益 (リード端子事業) (百万円)   403   766 事業別営業利益 (光部品・デバイス事業) (百万円)   3,536   3,857 ④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。 当社グループの連結財務諸表で採用する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 ⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について 経営成績等に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載しております。 ⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について 経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

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