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日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,980.73+214ドル円158.84-1NASDAQ26,208.82+109S&P 5007,666.58+35SOX 指数11,332.81+449/2終値

神戸天然物化学

KNC Laboratories Co., Ltd.6568 · Growth · サービス業

医薬・情報電子分野向けに、研究から量産まで一貫した有機化学品の合成ソリューションを提供する受託開発・製造会社。

概要

神戸天然物化学は、有機化学品の研究・開発・生産ソリューションを提供する企業である。医薬品、情報電子、農業などの分野で、顧客の製品開発ステージに応じた化合物合成から量産まで一貫した受託サービスを手がける。2026年3月期の売上高は91億円、従業員340名。東京証券取引所グロース市場に上場(2018年3月)している。

有機合成受託のビジネスモデル

当社は、有機合成化学を核として、顧客が提示する化合物の構造式に基づき合成方法を開発し、サンプル供給から工業生産までを行う。研究ステージでは未知化合物の合成や合成困難な化合物の検討を、開発ステージでは多量サンプルと製造方法の確立を、量産ステージでは商業生産をそれぞれ担う。この「ステージアップ・グロース」モデルにより、顧客の製品開発が進むにつれて取引額が拡大する構造を持つ。売上高に占める量産ステージの割合は60%超で安定している。

3事業部門の構成と製品群

当社は単一セグメントだが、内部は機能材料事業部門、医薬事業部門、バイオ事業部門の3部門で構成される。機能材料部門は表示材料、半導体製造用化学品、カーボンナノチューブ分散体などを扱い、2026年3月期売上は30億円。医薬部門は医薬原薬・中間体、治験薬原料が主体で、同39億円。バイオ部門は抗体医薬製造用助剤などで同21億円。売上高構成比は医薬部門が最大である。

生産拠点の分散と能力拡充の歴史

創業以来、神戸市西区の岩岡工場を皮切りに、兵庫県市川町の研究所、島根県出雲市の工場群、神戸市のバイオリサーチセンターなど、関西・中国地方に生産研究拠点を分散配置してきた。特に出雲エリアは第一工場・第二工場を擁し、医薬原薬精製設備やペプチド・核酸原薬工場、品質管理棟などを順次建設。2025年9月にはKNCバイオリサーチセンターに培養棟が完成し、バイオ部門の能力が拡大している。

顧客産業の広がりと研究開発の外部委託動向

当社の事業は、医薬品会社や化学会社など顧客企業の研究開発・製造の外部委託需要に依存する。有機化学品の受託業界では技術の細分化・多品種化が進み、外部委託傾向が続いている。当社は医薬分野に加え、情報電子分野(半導体・表示材料)や農業分野(農薬中間体)にも展開。2026年3月期の売上高は前期比11.2%増の91億円と堅調に伸びており、特に医薬事業とバイオ事業が成長を牽引した。

2026年3月期の財務と設備投資の現状

2026年3月期の売上高は91億円(前期比11.2%増)、営業利益10億円(同32.7%増)、当期純利益8億円(同3.9%増)。総資産は216億円で、うち固定資産が138億円と大型設備投資を反映している。流動資産は78億円、現金同等物22億円。負債は76億円、純資産は141億円。営業キャッシュ・フローは23億円の収入だが、投資活動により27億円の支出があり、フリー・キャッシュ・フローはマイナスである。

業界の中での役割は有機化学品の受託合成・製造サービスを提供するスペシャリティケミカルメーカー。にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
91億円
営業利益
10億円
営業利益率
11.0%
純利益
8億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

事業別の売上と利益

2026/3
事業売上構成比利益利益率
医薬事業部門39億円42.9%
機能材料事業部門31億円34.1%
バイオ事業部門21億円23.1%

有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上とセグメント利益をそのまま掲載しています。全社費用・セグメント間取引の消去は含みません。

01医薬品主力

医薬品の研究開発から量産まで、原薬・中間体・研究用化合物の受託合成・製造を提供する。GMP非対応の治験薬用原料や、機能材料事業部門でも医薬用原料を取り扱う。

主な製品・サービス3
医薬原薬及び中間体
医薬品の有効成分(原薬)とその製造に必要な中間体。量産ステージ向けに安定供給。
治験原薬及び中間体
治験に用いる原薬と中間体。開発ステージ向けに品質とタイミングを合わせて供給。
医薬の研究開発用の化合物
研究ステージ向けの評価用サンプル化合物。

02情報電子準主力

表示材料、半導体製造用化学品、カーボンナノチューブ分散体など、情報電子分野向けの機能性化学品を研究開発段階から量産まで供給する。

主な製品・サービス3
表示材料
液晶ディスプレイ等に使用される機能性材料。
半導体製造用化学品
半導体の製造工程で使用される高純度の化学品。
カーボンナノチューブ分散体
カーボンナノチューブを分散させた機能性材料。

03バイオ医薬準主力

抗体医薬の製造に用いる助剤を開発・供給する。医薬分野と重なるが、バイオ事業部門として独立。

主な製品・サービス1
抗体医薬製造用の助剤
抗体医薬の製造工程で使用される特殊な助剤。

04農薬副次

除草剤、殺菌剤、殺虫剤、昆虫フェロモン及びそれらの中間体を研究開発から量産まで受託合成・製造する。

主な製品・サービス2
除草剤・殺菌剤・殺虫剤
農作物を病害虫や雑草から守るための農薬有効成分。
昆虫フェロモン
害虫の行動制御に使われるフェロモン剤。

製品と技術

機能材料部門:半導体・表示材料からカーボンナノチューブまで

機能材料事業部門では、表示材料(液晶・有機EL向け中間体)、半導体製造用化学品(フォトレジスト関連材料)、カーボンナノチューブ(CNT)分散体などを手がける。CNT分散体は2013年11月に第二工場に専用工場を建設し、導電性材料としてディスプレイや電池向けに供給する。また、除草剤・殺菌剤などの農薬中間体も取り扱い、幅広い産業分野の顧客に対応する。

医薬事業部門:原薬・中間体の一貫受託製造

医薬事業部門は、医薬原薬および中間体、治験薬原料、研究開発用化合物を提供する。GMP(医薬品製造管理基準)に対応した設備を出雲工場に保有し、精製・粉砕からペプチド・核酸原薬まで対応可能。2020年5月には第一工場内に医薬品原薬精製棟を建設し、高純度原薬の量産体制を強化。売上高の約43%を占める主力部門である。

バイオ事業部門:抗体医薬製造用助剤と培養技術

バイオ事業部門は、抗体医薬の製造工程で用いる助剤(培地成分、精製用樹脂など)や治験原薬・中間体を供給する。KNCバイオリサーチセンターに培養棟を有し、細胞培養技術を活用したバイオ医薬品関連材料の開発・生産を行う。2025年9月に完成した新培養棟により、生産能力が拡大し、同部門の売上高は2026年3月期に21億円と前期比26.5%増の成長を遂げた。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

サービス業のなかでの位置

天然物化学で独自性、高収益のニッチ企業

神戸天然物化学はサービス業に分類されるが、天然物由来の化学品製造・販売が主力。売上高は2025年3月期に82億円とやや減少したが、営業利益率9.76%と高い収益性を誇る。同業のジンジブやイシンとは事業内容が異なり、競合は少ないニッチ市場で強いポジション。2026年3月期には売上高91億円、営業利益率10.99%と回復見込み。特許技術や独自の原料調達網が競争優位性。

強み

  • 営業利益率10%前後と業界内で高水準、収益力が強い。
  • 天然物化学分野で競合他社が少なく、独自の技術を持つ。
  • 医薬・化粧品原料など、景気に左右されにくい需要がある。
  • 特許技術により競合参入を防ぎ、高いマージンを維持。

課題

  • 売上高100億円未満とまだ小さく、成長余地は限定的。
  • 主要顧客に依存している可能性があり、リスク分散が必要。
  • 天然原料の価格変動や調達リスクが収益に影響。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

サービス業の時価総額近傍。太字が神戸天然物化学

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
16554エスユーエス101億円9.9倍
29679ホウライ100億円16.5倍
36047Gunosy98億円
47089フォースタートアップス98億円11.9倍
57084Smile Holdings97億円43.3倍
66568神戸天然物化学96億円12.4倍
76189グローバルキッズCOMPANY96億円27.5倍
89791ビケンテクノ93億円6.4倍
97087ウイルテック92億円10.1倍
106033エクストリーム90億円7.5倍
116819伊豆シャボテンリゾート88億円10.4倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 29件

神戸の地で創業、岩岡工場から出発した1985年

1985年1月、神戸市西区に神戸天然物化学株式会社が設立された。同年2月には同区内に岩岡工場を開設し、有機化学品の研究開発と生産を開始。創業時から「天然物化学」の名を冠するが、実際は合成化学を主軸とし、医薬中間体や機能性化学品の受託製造に特化した。当初の従業員数や資本金は記録にないが、後の拡大の基礎を築いた。

東京営業所と市川研究所、研究拠点の第一歩

1992年5月、東京営業所を東京都千代田区に開設し、首都圏の顧客開拓を開始。翌1993年10月には兵庫県神崎郡市川町に市川研究所を設置し、研究機能を強化した。市川研究所は後に閉鎖されるが、創業初期における研究開発力の向上に貢献した。この時期は本社も兵庫県明石市へ移転(1997年8月)しており、経営基盤を固める段階であった。

出雲工場の開設と本社・神戸研究所の集約

2001年4月、島根県出雲市に出雲工場(第一工場)を開設。中国地方に大規模生産拠点を確保し、量産能力を拡大した。2002年11月には本社と神戸研究所を神戸市西区の西神工業団地に移転・統合し、管理機能と研究開発を一体化。2003年12月には同地に神戸工場を開設し、生産能力をさらに増強した。この一連の動きで、本社・研究・生産の集約が進んだ。

海外展開と撤退、買収と売却の試行錯誤

2003年、米国にKNC Laboratories Inc.を設立し、中国には大神医薬化工(太倉)有限公司を合弁で設立。同時に国内では大地化成株式会社を買収した。しかし、米国子会社は2007年7月に閉鎖、大地化成は2010年10月に売却。中国子会社は完全子会社化したが2016年12月に売却した。海外展開は短期間で終了し、以後は国内拠点への集中投資に転換した。

3事業部制の確立とバイオリサーチセンター建設

2009年4月、機能材料事業部、医薬事業部、バイオ事業部の3事業部体制が確立。これにより組織が専門分化され、各分野の顧客に特化したサービス提供が可能となった。2005年6月には神戸市西区にKNCバイオリサーチセンターを開設し、バイオ事業の中核拠点とした。2014年10月には同センター内に培養棟を建設し、抗体医薬関連の製造能力を拡充した。

出雲第二工場と量産対応設備の拡充

2009年10月、出雲工場に第二工場を開設。その後2013年に第一工場内に医薬品原薬精製・粉砕設備棟、2015年にペプチド・核酸原薬工場棟、2017年に品質管理棟を建設。第二工場でも2013年にCNT分散体工場、2019年にキロラボ工場棟・研究棟、2022年に品質管理棟を建設し、研究開発から量産まで幅広いニーズに対応する体制を整えた。

東証マザーズ上場とグロース市場への移行

2018年3月、東京証券取引所マザーズに株式を上場。創業33年目の株式公開で、資金調達力を強化した。2022年4月の市場再編に伴いグロース市場に移行。上場後も設備投資を継続し、2019年12月には本社・神戸研究所を神戸市中央区ポートアイランドに移転。2023年には出雲第一工場に立体自動倉庫を建設するなど、効率化と生産能力向上を進めた。

近年の大型投資とバイオ・エレクトロニクス領域への展開

2025年9月、KNCバイオリサーチセンター内に2棟目の培養棟を建設し、抗体医薬関連の生産能力を倍増させた。同年11月には出雲第二工場内にエレクトロニクス関連材料製造設備を建設し、半導体や表示材料向けの新分野に対応する。これらの投資により、2026年3月期の売上高は91億円に達したが、同時に減価償却費の増加が利益を圧迫している。

年表29件を開く

1980年代

  • 1985年1月創業神戸天然物化学株式会社を設立(神戸市西区)
  • 1988年2月岩岡工場開設(神戸市西区)

1990年代

  • 1992年5月東京営業所開設(東京都千代田区)
  • 1993年10月市川研究所開設(兵庫県神崎郡市川町)
  • 1997年8月本社移転(兵庫県明石市)

2000年代

  • 2001年4月出雲工場(第一工場)開設(島根県出雲市)
  • 2002年11月本社移転、神戸研究所開設(神戸市西区、西神工業団地)
  • 2003年6月M&A大地化成株式会社を買収(2010年10月売却)
  • 2003年10月米国にKNC Laboratories Inc.,を設立(2007年7月閉鎖)中国に合弁会社 大神医薬化工(太倉)有限公司を設立
  • 2003年12月神戸工場開設(本社・神戸研究所と同所在地)
  • 2005年6月KNCバイオリサーチセンター開設(神戸市西区、ハイテクパーク)
  • 2007年4月KNC-筑波ラボラトリー(筑波大学内)開設(2012年3月閉鎖)
  • 2007年10月M&A大神医薬化工(太倉)有限公司を完全子会社化(2016年12月売却)
  • 2009年4月機能材料事業部、医薬事業部及びバイオ事業部の3事業部体制が確立
  • 2009年10月出雲工場(第二工場)開設(島根県出雲市)

2010年代

  • 2013年3月出雲工場(第一工場)内に医薬品原薬精製・粉砕設備棟を建設
  • 2013年11月出雲工場(第二工場)内にCNT分散体工場を建設
  • 2014年10月KNCバイオリサーチセンター内に培養棟を建設
  • 2015年9月出雲工場(第一工場)内にペプチド・核酸原薬工場棟を建設
  • 2017年4月出雲工場(第一工場)内に品質管理棟を建設
  • 2018年3月上場東京証券取引所マザーズに株式を上場
  • 2019年3月出雲工場(第二工場)内にキロラボ工場棟及び研究棟を建設
  • 2019年12月本社・神戸研究所移転(神戸市中央区、ポートアイランド)

2020年代

  • 2020年5月出雲工場(第一工場)内に医薬品原薬精製棟を建設
  • 2022年4月東京証券取引所市場再編により、グロース市場に移行
  • 2022年11月出雲工場(第二工場)内に品質管理棟を建設
  • 2023年4月出雲工場(第一工場)内に立体自動倉庫(W-11)を建設
  • 2025年9月KNCバイオリサーチセンター内に培養棟を建設
  • 2025年11月出雲工場(第二工場)内にエレクトロニクス関連材料製造設備を建設

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。有価証券報告書には具体的な数値目標の記載がない。

  1. 01

    営業力の強化

    生産キャパシティ拡大を背景に、営業部門の拡充と人材育成を進め、付加価値の最大化と受注機会の積極的獲得を加速する。

  2. 02

    生産能力・生産性の引き上げ

    設備の新規取得や既存設備の有効利用、全工程のボトルネック解消による効率化を図り、研究・生産・分析設備を改良・拡充する。

  3. 03

    変動する顧客ニーズへの対応

    社会情勢や技術革新など高度化する顧客ニーズに対応するため、生産技術、品質保証、設備、人材育成のさらなる強化を進める。

  4. 04

    研究開発から事業化への加速

    ベンチャー企業やアカデミアとの交流・共同研究によりパイプラインを拡充し、早期の製品化・事業化で競争力を維持する。

  5. 05

    通年での業績平準化

    第4四半期への売上偏重を是正し、通年での売上計上平準化を推進することで、業績見通しの蓋然性を向上させる。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 9期分

グループ全体で340人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は639万円で、8期前と比べて+7.1%平均年齢は41.3歳、平均勤続年数は11.9年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2018年3月245
2019年3月59640.610.8259
2020年3月60940.610.9274
2021年3月61141.210.5282
2022年3月62241.410.5288
2023年3月63141.912.3291
2024年3月66841.512.2303
2025年3月65941.511.9321249
2026年3月63941.311.9340294

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率13.4%
縦線は目安の30%
男性育休取得率83.3%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)80.3%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

主要な設備 (帳簿価額 上位5)
出雲第一工場・出雲第二工場 — 島根県出雲市5,730百万円
KNCバイオリサーチセンター — 神戸市西区3,466百万円
本社・神戸研究所 — 神戸市中央区1,204百万円
神戸工場・神戸第二工場 — 神戸市西区982百万円
市川研究所 — 兵庫県神崎郡市川町745百万円

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は91億円営業利益10億円前期と比べると増収増益で、売上が+11.0%、利益が+25.0%。

売上高
+11.0%
91億円
営業利益
+25.0%
10億円
純利益
+14.3%
8億円
営業利益率
11.0%
前期比 +1.2%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高100億円91億円
営業利益9億円10億円
純利益6億円8億円
1株あたり配当¥33¥33

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は21億円、営業利益は1億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+16.7%、営業利益は−75.0%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q389
2024年1Q18422.23
2024年2Q16212.51
2024年3Q18316.72
2024年4Q409
2025年2Q3313.01
2025年4Q49714.36
2026年2Q3400.00
2026年4Q571017.58
2027年1Q2114.80

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 13期分

2014年3月期からの13期で、売上は40億円から91億円へ2.3倍に増えた。直近期の営業利益率は11.0%。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2014年3月4033
出雲工場(第一工場)内にペプチド・核酸原薬工場棟を建設
2015年3月3822
2016年3月4634
出雲工場(第一工場)内に品質管理棟を建設
2017年3月4875
東京証券取引所マザーズに株式を上場
2018年3月63129
出雲工場(第二工場)内にキロラボ工場棟及び研究棟を建設
2019年3月63139
出雲工場(第一工場)内に医薬品原薬精製棟を建設
2020年3月6365
2021年3月6074
出雲工場(第二工場)内に品質管理棟を建設
2022年3月74116
出雲工場(第一工場)内に立体自動倉庫(W-11)を建設
2023年3月862215
2024年3月922115
出雲工場(第二工場)内にエレクトロニクス関連材料製造設備を建設
2025年3月82899.87
2026年3月91101011.08

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高91億円のうち、営業利益として残るのは10億円11.0%。営業外の損益と税金を反映した純利益は8億円、売上の8.8%にあたる。営業利益率は業種中央値7.5%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金73.6%67億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金15.4%14億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益11.0%10億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。売上原価と販管費は単体ベースの数値です。

粗利率
26.4%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比+3.4pt
11.0%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+3.7pt
8.8%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比6.2pt
5.6%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
3.7%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
3.6%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 11期分

2026年3月期は営業CFが23億円、投資CFが−27億円で、差し引きのフリーCFは−4億円この組み合わせは積極投資型にあたる。本業で稼ぎつつ、さらに資金を調達して大きな投資に踏み込んでいる。成長への布石の局面期末の手元現金は22億円で、売上の2.9ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2016年3月8−8108
2017年3月121−91312
2018年3月23−7261654
2019年3月13−21−15−830
2020年3月0−193−1915
2021年3月13−7−2620
2022年3月6−60020
2023年3月20−11−5923
2024年3月32−242833
2025年3月15−339−1824
2026年3月23−272−422

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 13期分

2026年3月期の総資産は216億円。このうち返さなくてよい自己資本が141億円で、自己資本比率は65.1%(業種中央値53.4%より厚い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2014年3月73353847.8
2015年3月85374843.0
2016年3月88375142.7
2017年3月88424647.3
2018年3月127874068.9
2019年3月120952578.8
2020年3月128983077.0
2021年3月1281012779.2
2022年3月1401063475.8
2023年3月1541173776.2
2024年3月1861315570.3
2025年3月2021356667.1
2026年3月2161417665.1

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳単体ベース
現金及び預金
22億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
101億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
76億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
92
/ 100
安定性自己資本比率40 / 40
収益力営業利益率22 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

サービス業 534社との比較

同じサービス業の企業と並べると、いちばん上に来るのは営業利益率534社中168位あたり、逆に低いのはROE534社中417位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE下位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
5.6%/中央値 11.8%
P25 6.0%P75 18.9%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
11.0%/中央値 7.5%
P25 3.5%P75 12.7%
自己資本比率総資産のうち返済のいらないお金の割合
65.1%/中央値 53.4%
P25 36.8%P75 69.7%
売上成長率前期からの売上の伸び
11.0%/中央値 7.2%
P25 1.6%P75 16.0%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
2.7%/中央値 3.1%
P25 1.9%P75 4.1%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥1,231で、1年前と比べて+12.0%過去52週の値幅のなかでは48%の位置にある。

¥1,231-1.1%1ヶ月-1.5%1年+12.0%時価総額96億円
過去52週の値幅
安値¥1,060高値¥1,418

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)12.4倍
PER (会社予想)14.9倍
PBR1.97倍
配当利回り2.68%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

直近1ヶ月で-2.8%と下落。25日線(1312円)を-4.4%下回り、弱気相場。75日線(1267円)近辺で推移するが、52週高値1418円からは-11.6%下落。出来高は数千株と極低調で、流動性が乏しく、値動きが鈍い。RSI26と売られ過ぎ圏。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割安と判定しています(スコア 60/100)

PERは12.66倍と業界平均22.50倍を下回り割安。PBRは2.01倍で業界平均3.10倍を下回る。ROEは5.6%と低く収益性に課題。配当利回り0.80%は業界平均1.75%を下回り魅力度低い。PER・PBRは割安だが、低ROEと低配当利回りがネック。

指標この会社業種平均
PER (実績)12.4倍23.4倍
PER (予想)14.9倍
PBR1.97倍3.51倍
ROE5.6%12.5%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

今期減収減益予想だが、研究開発費先行で来期は増収増益見通し。強気派は、高難度合成技術に対する根強い需要を評価し、電子材料分野の拡大に期待。弱気派は、売上変動が大きく、医薬品市況の不透明感や競合激化で成長鈍化を懸念。

プラスに働く材料7
  • 高難度合成に強み

    大学・企業との共同開発実績豊富で、他社が受注困難な案件を取り込める独自技術を持つ。

  • 電子材料分野の成長

    半導体・ディスプレイ向け特殊化学品の需要拡大が、新たな収益源となる可能性。

  • PBR1倍割れから改善余地

    PBR 2.01倍と企業価値が適正に評価されつつあり、更なる見直し余地。

  • 2026年3月期営業利益10億円と増益2026年3月期影響

    2026年3月期営業利益10億円は前期比25%増、収益回復基調

  • 新製品投入による売上拡大2026年下期影響

    機能性化学品の新製品発売で売上高100億円達成の可能性

  • PER12.7倍の割安感継続影響

    PER12.7倍はサービス業平均20倍を下回り、割安修正期待

  • 低浮動株比率需給改善不定影響

    時価総額98億円と小型、需給改善で株価上昇の可能性

マイナスに働く材料7
  • 売上高の変動リスク

    受託ビジネスゆえ大型案件獲得の有無で売上が大きく変動し、収益の安定性に欠ける。

  • 競合激化

    中国・インド企業との価格競争が激しく、受注単価低下圧力。

  • 研究開発費の先行負担

    収穫まで時間がかかる研究開発投資が利益率を圧迫し、短期的な利益成長を抑制。

  • 2025年3月期営業利益8億円の低水準通年影響

    2025年3月期営業利益8億円は前期比低下、利益率不安

  • 売上高92億円からの回復遅れ継続影響

    売上高が2024年3月期92億円から回復せず、低迷リスク

  • 研究開発費増加で利益圧迫継続影響

    新製品開発で研究開発費増加、営業利益率10%維持困難

  • 配当利回り0.8%の低さ継続影響

    配当利回り0.8%は株主還元不足、投資家離れリスク

次の決算で確かめる点
受注高
売上高の先行指標であり、受注残と合わせて将来収益を占う鍵。
営業利益率
研究開発費増加の中、収益性が維持できているかを確認。
電子材料売上比率
成長分野として注力する電子材料の寄与度が高まっているかを測る。

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり33で、前期から+0.0%いまの株価に対する利回りは2.68%。

年間配当
¥33
1株あたり
配当利回り
2.68%
いまの株価に対して
配当性向
33.3%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
0年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2019年3月2520.6
2020年3月250.037.3
2021年3月250.048.5
2022年3月250.030.2
2023年3月2812.014.0
2024年3月307.115.5
2025年3月3310.034.6
2026年3月330.033.3

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥33

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ3,209人。区分でいちばん多いのは個人・その他53.8%。グループ会社や銀行などの安定株主が43.9%を占め、残る56.1%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
個人・その他53.758.356.358.560.453.8
事業法人24.026.425.224.425.634.3
金融機関19.013.610.910.210.89.7
証券会社2.01.24.73.12.71.9
自己株式0.90.80.60.5
外国法人1.30.42.83.70.50.3
外国人個人0.10.10.10.10.00.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01KNC興産(株)19.43
02宮内 仁志10.45
03広瀬 克利9.30
04(公財)KNC広瀬財団9.00
05純正化學(株)3.08
06池谷 誠一2.84
07岩見 好爲2.03
08廣瀬 正幸1.57
09水元 公仁1.33
10神戸天然物化学従業員持株会1.25

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 13期分

1株利益は13期で−100%、1株純資産は13期で−100%。直近期のROEは5.6%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2014年3月287,9773,476,4718.66.9
2015年3月182,0193,663,9565.111.0
2016年3月6562510.955.8
2017年3月8169712.218.6
2018年3月1481,13213.929.121.4
2019年3月1211,22510.312.320.6
2020年3月671,2695.414.937.3
2021年3月521,3044.028.948.5
2022年3月831,3596.213.130.2
2023年3月2001,52313.87.914.0
2024年3月1941,69512.07.615.5
2025年3月951,7495.511.434.6
2026年3月991,8195.612.433.3

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

10名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は10名。2026/3期の役員報酬は総額147百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約3倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
真岡宅哉取締役社長(代表取締役)5814,700
閨正博常務取締役 医薬事業管掌 兼 管理本部長696,100
井上隆一取締役 バイオ事業管掌643,200
釜坂公浩取締役 機能材料事業部長553,000
毛利充邦取締役79
丸山修取締役70
高木良博常勤監査役7718,000
塚本純久監査役59
重松正巳監査役791,200
高橋和人62

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円株式報酬百万円その他百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)6110111112120
社外取締役421215
監査役1555

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容2,444字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 (1) 当社の事業の内容について 当社は、有機化学品の研究・開発・生産ソリューション事業を主たる業務としております。より具体的には、顧客の製品開発及び製品販売のために行う研究、開発及び生産活動における必要なサンプル及び製品を供給するとともに、顧客の製品開発段階に応じた諸課題を解決するサービスを提供しております。 これらのサービスは顧客と密に協力を行いながら実施し、より迅速な製品開発等を支援することを通じて、社会へ新たな医薬品・工業製品等を提供できるものと認識しています。 対象としている有機化学品は、主に医薬分野、情報電子分野等で用いる有用な機能を持った化学品及びその中間体であり、より汎用的な化学品を原料として製造いたします。 (2) 当社の事業の特徴について 化学品の研究開発は、目的の機能を持つ化合物の化学構造を推測し、それを実際に合成し、機能を評価することで前進します。この時、目的とする機能が得られなければ再度化学構造を考えるというサイクルを繰り返します。機能評価は、医薬、農薬、染料等の個々の製品により、独自の評価技術が必要ですが、化合物の合成は、製品の機能に関わらず有機合成化学の技術により達成できます。従って、製品開発を行う会社は機能を持つ化学品の構造式を提示し、当社は提示された化合物を合成するという分業が可能となります。 化合物の合成自体にも研究要素があり、提示された化合物の合成方法を考え、合成して、その化合物の純度(注1)や収率(注2)あるいは経済性等を評価し、これらが目標以下であれば再度合成方法を考えます。 注1 合成できた物質の中で機能を持つ目的の物質が占める割合を意味します。 注2 理論的に得ることが可能な目的物質の最大量に対して、実際に得られた量の比率を意味します。 製品開発会社が、機能性評価や合成等の全ての工程を行っていた中から、合成の部分を当社が請け負うことにより、製品開発会社は機能評価研究等に経営資源を集中できます。当社で担当した化合物合成については、化合物合成研究の結果を併せて報告することにより、単純な合成受託では得られない付加価値を生み出しています。製品開発会社と当社の協力により、研究開発期間が短縮され、製品開発の効率の向上につながります。 当社では、研究・開発から量産ステージまで、化合物合成に関する顧客の提案や改良要求を具体化して研究開発用の製品として供給すると共に、上市後の量産へ向け製造方法の課題・対策を提案するというソリューションを提供いたします。 当社は、顧客の製品開発ステージが研究・開発から量産へと上がるのに伴い、ステージに応じたソリューションを提供し、製品開発の進捗とともに成長するモデル(ステージアップ・グロース)を目指しております。 なお、当社では顧客の製品開発における各開発段階を下表に記載するとおりに認識しており、これらに最適なソリューションを提供することで、製品開発・製造販売の支援が可能であると考えております。下記の表にステージ別の顧客目的及びニーズを示します。 ステージ   目的   ニーズ 研究   化合物選択   多くの候補化合物の中から目標の機能を示す化合物を選択すること   評価用のサンプル(通常は少量)を早期に入手すること 開発   製品開発   選択した化合物に必要な材料等を混合したり、成型したりして市場で流通する形態の製品とすること   開発用に多量のサンプルを入手すること(その品質は評価用と同等以上、時期は顧客の開発スケジュールに合わせたタイミング) 量産検討   量産する場合の製品品質や製造コストを検討すること   量産方法を検討し、開発用サンプルと同等以上の品質の製品が得られることを確認すること 量産   商業販売   商品を生産して販売すること   製品が安定供給されること 顧客の製品開発段階が、研究ステージあるいは製品開発の初期ステージの場合、当社は未知の新規化合物の合成、既知であるものの合成困難な化合物の合成、複雑な合成方法の改良、研究開発のための参考化合物の合成及び検討報告書を提供いたします。 顧客の開発候補化合物が決まり、評価用に多量のサンプルを用いる場合や量産に向けた製造方法を検討するステージの場合、当社は開発用のサンプルやその合成中間体の供給、工場で製造するための操業条件の検討、工場で製造した製品の品質確認等を行います。 顧客の製品開発段階が、量産ステージの場合、当社は販売用の製品やその合成中間体を製造いたします。 当社は、研究ステージから量産ステージまで対応できる設備を保有しており、製品開発におけるすべてのステージへソリューションの提供が可能です。 このように、研究ステージから量産ステージまで一貫して化学品生産ソリューションサービスの提供を行うことが当社事業の特徴です。 (3) 当社の事業セグメントについて 当社の事業セグメントは、有機化学品の研究・開発・生産ソリューション事業のみの単一セグメントであります。以下では事業部門別に主な取扱い製品を記載しております。取扱い製品は研究・開発ステージのものから量産ステージのものまで含んでおります。 機能材料事業部門の取扱い製品 表示材料、半導体製造用化学品、カーボンナノチューブ分散体等 「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令」の規制対象外の医薬用原料、治験薬用 原料等 除草剤、殺菌剤、殺虫剤、昆虫フェロモン及びそれらの中間体 医薬事業部門の取扱い製品 医薬原薬及び中間体 治験原薬及び中間体 医薬の研究開発用の化合物 バイオ事業部門の取扱い製品 医薬原薬及び中間体 治験原薬及び中間体 医薬の研究開発用の化合物 抗体医薬製造用の助剤 [事業系統図] 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
経営方針・対処すべき課題2,188字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社は、以下の経営環境認識のもとに経営方針及び対処すべき課題を設定し、『先端産業分野において、研究から商業生産まで、顧客とのパートナーシップを重視し、化学品製造に関する課題を解決する』ことを進めてまいります。当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)経営環境 当社の事業モデルにおいては、医薬品会社や化学会社等の製品開発会社における、新製品の研究開発及び製造の外部委託需要が重要な要素となります。当社の事業領域である有機化学品の受託業界におきましては、技術の細分化・深化が進んだことや、より多品種の化学品等が必要になったこと等により、研究開発及び製造の外部委託傾向が続いています。 また、当社は量産ステージ製品の拡大を企図し、量産設備への設備投資を中心とした投資を進めてまいりました。これは、顧客の開発品目のステージが研究・開発から量産へと上がるのに伴い、ステージに応じたソリューションを提供して取引を継続し、当社の成長を牽引するモデル(ステージアップ・グロース)を企図して実施したものです。この結果、量産ステージ製品の売上高に対する割合は安定して60%を超える状況を構築するに至っております。今後も研究・開発ステージ製品から量産ステージへの取り込みが継続するものと認識しております。 当事業年度末において、中東情勢の影響により、当社事業の主要原材料である原油・ナフサ由来の化学品は、供給不安が増大し、価格も著しく高騰しております。現時点での当社事業への直接的な影響は限定的ではございますが、今後の情勢を慎重に注視し、適切な対応策を検討・実施してまいります。 (2)経営方針及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 上記のような、当社を取り巻く経営環境及び量産ステージへの対応状況を踏まえ、今後の経営方針としましては、これまでの当社での技術蓄積と顧客との信頼関係を背景に、量産ステージのビジネスを更に拡大する計画であります。 量産ステージでは、研究・開発ステージのビジネスより生産量が増加しますので、既存設備の稼動率の向上に加えて、生産能力の向上が不可欠となります。現有設備の生産能力向上施策を行い、必要に応じて設備の増設を検討いたします。また、研究・開発ステージの品質規格は暫定的な場合が多いのに比べ、量産ステージでは厳格な規格のみならず生産過程全般に渡り品質を保証する体制が求められます。このため、品質管理体制の強化及び品質保証を含めた生産管理体制の強化を進める必要があります。 一方、研究ステージ及び開発ステージのビジネスは、量産ステージへつなぐために持続することが必要であります。市場拡大が期待できる先端領域の選択及び顧客の要望に対応できる優れた技術の習得が課題となります。このための顧客及び業界市場からの積極的な情報の入手及び優秀な人材の確保並びに技術の開発と向上にも努めてまいります。 以上のことから、ステージアップ・グロースモデルを更に推し進めるため、以下の①~⑤の5項目を優先的に対処すべき課題として認識しております。 ① 営業力の強化 ステージアップ・グロースモデルの強化のため、生産キャパシティ拡大を企図した大型設備投資および製造等人員の拡充を実施しております。このような状況下、当社事業の付加価値の最大化と受注機会の積極的獲得を加速するために営業部門の更なる拡充、人材育成等による強化が必要であると認識しております。 ② 生産能力・生産性の引き上げ ステージアップ・グロースモデルの拡大のためには、研究設備、生産設備及び分析設備等の改良、拡充が求められます。このため、生産設備等の新規取得、既存設備等の更なる有効利用及び仕入から製造、保管、出荷、廃棄物処理にいたるまでの全工程を通してのボトルネック解消による効率化が重要な課題と認識しております。 ③ 変動する顧客ニーズへの対応 ステージアップ・グロースモデルの持続的な強化を推進するには、社会情勢、技術革新及び地球環境等により高度化する顧客ニーズに対応する必要があります。当社が社会的ニーズや顧客ニーズを充足し、高付加価値なソリューション提供を実施するために、生産技術、品質保証、生産設備要件及び人材育成等のさらなる強化を進めてまいります。 ④ 研究開発から事業化への更なる加速 ステージアップ・グロースモデルの競争力を維持すると共に、新規事業の取り込みのためには研究開発からの早期の製品化及び事業化が求められます。このため、ベンチャー企業、アカデミア及びベンチャーキャピタル等との積極的な交流や共同研究等によるパイプラインの拡充及び技術獲得によるステージアップ・グロースモデルの強化が重要な課題であると認識しております。 ⑤ 通年での業績平準化による業績見通し蓋然性の向上 ステージアップ・グロースモデルの更なる強化による企業価値の向上を推進する一方で、第4四半期への売上偏重による業績見通しの蓋然性の低さが、当社の企業価値の低下要因であると認識すると共に、通年での売上計上平準化の推進を図ってまいります。
事業等のリスク6,451字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 当社における事業等のリスクとして、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。 (1)景気、個人消費及び顧客の動向によるリスク 当社は、日本国内を中心とする化学品や医薬品を製造する会社から生産や研究開発を受託しております。顧客に供給している製品はエレクトロニクス用有機材料から、日用品、医薬品の原薬やその他材料まで多種多様であり、顧客において当該材料を利用した最終製品は多岐にわたっているものと推測されます。従って、国内外の景気動向や個人消費動向、顧客動向の影響を大きく受けます。たとえば景気の後退や個人消費の低迷が起こった場合、当該外部環境の影響や各顧客固有の事情によって顧客が外部に委託する生産もしくは研究開発を減らした場合、委託する製品の生産又は研究開発から撤退した場合、さらには顧客の倒産や廃業が発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2)顧客、当社の研究開発及び生産計画の進捗に関するリスク 当社のビジネスは、顧客の自社商品の研究開発や生産を支援する事業を中心に行っているため、業績はそれら顧客の開発品の開発スケジュールや生産計画に大きく依存します。顧客の研究計画が途中で中止や中断等になるリスクは常にあり、またそれは当社がコントロールできないものです。これらの顧客動向は、営業活動において注視しており、このようなリスクは最小限となるよう努めております。 一方、当社は、将来の製造支援ビジネスのための技術開発や独創的な自社商品の開発も行っていますが、これらが全て実用化され、当社の業績に寄与する保証はありません。 顧客あるいは当社の研究開発計画の進捗が大幅に遅れたり、変更や中断、さらには中止となった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3)研究開発・製造支援事業特有のリスク 顧客の商品に係る研究・開発、あるいは商業生産初期のステージにおける支援業務では、収益率低下や技術上のトラブル等が発生するリスクを伴います。当社は、顧客とのコミュニケーションを重視し、そのようなリスクを最小限にするよう努力していますが、残念ながら顧客の期待に応えられず、想定していた収益が上がらない等のリスクがあります。 また、原材料の支給や資材、機器の貸与、中間体や製品の一時預かりの機会も多いため、その保管・使用中の劣化、滅失、破損等により、顧客から賠償を求められるリスクがあります。 このような、研究開発・製造支援事業特有の事象が発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4)競合他社との関係に関するリスク 当社の競争相手は、医薬品原薬製造企業、化学品製造・開発企業、化学分野の研究受託・人材派遣企業等多岐にわたり存在し、研究開発から生産までの各々のステージで競合します。当社の強みは全てのステージで一貫して支援できる体制を持つことと、技術的な幅の広さですが、各ステージにおいては、技術力、生産能力等について当社と比較して優位にある企業もあります。従って、これら競合相手との競争次第では、当社の計画する経営成績に影響をきたす可能性があります。また今後、市場の拡大に伴い、更に新規参入企業が増えて競争環境が激しくなる可能性があります。 このような、競合他社との関係において、当社の優位性を示すことが難しくなる状況に陥るような場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5)製品の品質に関するリスク 当社は、厳格な品質管理基準に従って各種製品を製造しておりますが、全ての製品について欠陥が無く、将来にわたってリコールが発生しないという保証はありません。大規模な製品事故は、多額のコストや当社の評価に重大な影響を与え、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6)資材調達に関するリスク 当社は、様々な化学薬品を使用しますが、なかには特殊な原材料もあります。重要なものは複数購買等の対策を講じて安定製造、安定供給に努めていますが、代替が利かない材料も存在します。また、当社主要原材料である原油・ナフサ由来の化学品、および洗浄等に不可欠なメタノール等の溶剤は、中東地域依存度が高く、現在のような情勢では供給不足や価格高騰につながるおそれがあります。このようにその供給元からの調達に問題が発生した場合には、生産計画に支障をきたし、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7)原料、資材価格の変動によるリスク 当社は、原油価格に連動する試薬、溶剤等の様々な化合物を原料や資材として国内外から直接又は間接的に調達しています。当社では、これらの市場価格を注視して不利益を被らないよう努力をしておりますが、購入原材料や資材の価格が変動した場合、またそうした購入原料価格の変動を販売価格に転嫁できない場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8)外部委託に関わるリスク 当社は、事業活動を行う上で、生産、試験、物流、産業廃棄物搬出・処分等の業務を外部に委託しています。委託に当たっては、購買先として審査を行い、必要に応じて監査を行う等その業務を適切に管理していますが、委託先で生じた何らかの問題が、当社の委託業務に支障をきたし、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (9)大口取引先への依存によるリスク 取引上位10社の占める売上高の割合は、68%となっております(2026年3月期)。これらの企業との取引条件の変更、契約解除あるいは取引先の製品の需要減退が発生した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを低減するため、新規大口顧客の開拓などに注力しております。 (10)事故・災害のリスク 当社は、安全操業のために製造設備の保守・点検を実施しています。事業活動継続には、この保守・点検は必要不可欠です。しかしながら、製造設備で発生する事故、自然災害等による影響を完全に防止できる保証はありません。当社で発生した火災、爆発、漏洩、悪臭、騒音等により、物的・人的被害を及ぼした場合には、当社の事業活動に支障をきたし、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (11)主要な事業の前提となる許認可、届出に関わるリスク 当社の主な事業は医薬品原薬製造を含む有機化学品の研究・開発・生産ソリューション事業であり、この事業を遂行するために以下に代表される様々な許可等を取得しております。これらの許可等については、各法令で定める手続きを適切に実施しなければ効力を失います。また、各法令に違反した場合、許可等の取消し、又は期間を定めてその業務の全部もしくは一部の停止等を命ぜられることがある旨が定められております。当社は、現時点において、許可等の取消し等の事由となる事実はないものと認識しておりますが、将来、当該許可等の取消し等を命ぜられた場合には、当社の経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ・危険物製造所許可、屋内貯蔵所許可、危険物屋外タンク貯蔵所許可、危険物一般取扱所許可 ・毒物劇物製造業登録、毒物劇物一般販売業登録、毒物劇物輸入業登録 ・医薬品製造業認可 ・向精神薬製造製剤業免許、向精神薬試験研究施設設置者登録 ・覚せい剤原料取扱者指定 ・農薬登録 また、当社の事業遂行上必要な申請等として、以下に代表されるものがありますが、許可等と同様、万一遺漏があり、管轄当局からの指導、処分を受けた場合には、当社の経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ・化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)に基づく、新規化学物質に係る申出、申請 ・労働安全衛生法に基づく、新規化学物質に係る届出、申請 ・遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ法)に基づく申請 (12)医薬品の外部委託に係る規制動向に関するリスク 当社の事業上、深く関係する法令のひとつに「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(以下、「薬機法」)があります。この薬機法の2005年4月改正(当時は薬事法)において、製造のアウトソーシング化という国際情勢、社会情勢に対応して全面外部委託が認められました。この改正は当社の事業にとって歓迎するものではありますが、薬機法の本質は安全対策であり、規制動向が将来にわたって必ずしも当社の事業にとってプラス方向となる保証はありません。医薬品の外部委託に係る規制動向によっては、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (13)法的規制に関するリスク 当社は、化学品、医薬品、農薬、遺伝子組換え等に関する多くの規制に従い業務を遂行しており、法令遵守には最大限の注意を払っていますが、過失あるいは政策、実務慣行、解釈変更によって発生する事態が、当社の業務遂行や経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、将来的に環境及び化学品安全等に対する法的規制が強化され、新たな対策コストが発生する可能性があります。 当社では、法令の改正情報などの能動的な収集に努め、適宜対応しておりますが、法的規制に関連した事象が当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (14)知的財産管理に関するリスク 当社は、知的財産権が事業活動・製品競争力に重要な役割を果たしていることを認識し、知的財産権の取得による自社権利の保護に努める一方で、他社の知的財産権を調査し、問題の発生防止を図っております。しかしながら、他社との間で知的財産権を巡る紛争が生じた場合や、他社から知的財産権を侵害された場合には、事業活動に支障をきたし、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (15)情報漏洩リスク 当社の事業の特徴として、秘密保持契約を締結した上で顧客の商品開発に関わる技術情報や営業情報を預かり、取り扱う業務が日常的に発生します。役職員には、これらの情報が、企業活動における根幹であることを十分に理解させるため、啓発、教育を適宜実施し、また秘密保持誓約を提出させる等、情報漏洩の防止には万全を期しています。しかしながら、万一情報の漏洩が発生した場合には、当社が賠償責任を負う可能性があり、また情報漏洩が発生したことで、社会的信用の低下、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (16)コンピューター・システムに起因する運営のリスク 当社は、会社運営の全般にわたってコンピューターによる業務処理を実施しております。外部からのコンピューターウイルス攻撃によるシステムトラブルやデータ破壊、更には情報の盗難、漏洩等への対策として、コンピューターセキュリティーの強化等を適宜実施しております。しかしながら、予期せぬ地震・火災等の災害によるハードウェアやネットワークの損傷や、現状のコンピューターセキュリティーで防ぐことのできない外部からの攻撃の発生等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (17)訴訟等に関するリスク 当社の事業又は活動に関連して、知的財産権、製造物責任、環境、労務等、様々な訴訟、紛争、その他の法的手段が提起される可能性があります。現在、当社の業績と財政状態に重大な影響を及ぼす訴訟は提起されておりませんが、将来において、重要な訴訟等が提起された場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお当社では、顧問弁護士を選任し、常に相談できる体制をとっております。 (18)固定資産投資に関わるリスク 有機化学品の研究・開発・生産ソリューション事業においては、顧客の要求に対応できる製造設備を予め揃えておくことは非常に重要であり、商談状況を踏まえて大きな設備投資を行うことがあります。しかしながら、既述のとおり、生産を実施する当社のビジネスは、それら顧客の開発品の開発スケジュールや生産計画に大きく依存します。このリスクは当社の設備投資においても重要な問題です。設備投資は常に慎重に十分な検討を経て決断しますが、想定していた収益が上がらない、あるいは顧客の開発計画が変更、中止になったために、回収計画に狂いが生じるリスクは存在します。このような場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (19)固定資産の減損に関するリスク 当社が保有する固定資産については、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しております。同会計基準では、減損の兆候が認められる資産又は資産グループについては、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回った場合に、帳簿価額を回収可能価額(当該資産又は資産グループから得られる割引後将来キャッシュ・フローの総額もしくは当該資産又は資産グループの正味売却価額のいずれか高い方の金額)まで減額し、その減額した当該金額を減損損失として計上することとなります。 また当社は、キャッシュ・フローを生み出す資産又は資産グループの最小単位として、事業部単位(機能材料事業部、医薬事業部、バイオ事業部)を基本とした資産のグルーピングを行っております。 このため、当該資産又は資産グループが属する事業部の経営環境の著しい変化や収益状況の悪化等により、固定資産の減損損失を計上する必要が生じた場合には、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (20)金利変動リスク及び資金調達リスク 当社は、設備投資資金や運転資金を金融機関からの借入により賄っておりますが、有利子負債には変動金利条件となっているものがあります。変動金利による調達については、今後の金利動向によって、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (21)人材確保に関するリスク 当社は、有機合成化学や生化学等の分野の技術者の新卒・中途採用を継続的に行い、技術者の育成に努めています。しかしながら、必要な人材を継続的に獲得するための競争は厳しく、あるいは当社の人材が社外に流出する可能性は否定できません。より一層、優秀な人材の確保に注力してまいりますが、人材の確保及び育成が計画どおりに進まなかった場合には、当社の事業展開に支障をきたし、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (22)自然災害、戦争、テロ等によるリスク 予期せぬ地震や風水害、戦争やテロ行為あるいは感染症等の発生により、当社や取引先等が深刻な被害を受けたり、さらにはこれらの要因から社会的混乱が発生した場合には、一定の事業活動が困難になり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (23)気候変動に関するリスク 気候変動については、世界共通の解決すべき社会課題と認識され、早急な対応が求められています。当社の事業である有機化学品の研究、開発、生産ソリューションにおいては、サプライチェーンを通じて気候変動の原因とされるGHGを排出します。その為、気候変動による自然災害の発生に伴う事業活動への悪影響及び炭素税をはじめとするカーボンプライシング等の導入により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
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業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度の末日現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況 当事業年度における国内経済は物価上昇の影響が一部で残るものの、賃上げの広がりや雇用環境の底堅さを背景に、総じて緩やかな回復基調で推移しました。個人消費や設備投資には選別的な動きが見られたものの、持ち直しの局面は継続されています。輸出や生産は海外景気の影響を受けつつ概ね横ばい圏で推移する一方、企業収益や業況は全体として改善傾向を保ちました。一方で、当事業年度末には中東情勢の緊迫化により資源価格や物流の不確実性が高まり、景気の下振れリスクが意識されました。 このような状況の下、当社は中期経営計画の基本方針に沿って、引き続き生産ソリューション提供の拡大による事業構造の変革、新技術の開発、製造合理化等による一層の業績改善に注力してまいりました。 この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。 a.財政状態 (資産) 当事業年度末における流動資産は7,811,312千円となり、前事業年度末に比べて335,813千円増加いたしました。 これは主に売掛金が672,880千円減少した一方で、仕掛品が536,830千円、その他流動資産が474,068千円それぞれ増加したことによるものであります。 固定資産は13,832,778千円となり、前事業年度末に比べて1,155,831千円増加いたしました。これは主に工場・設備の完成に伴い建設仮勘定が3,646,598千円減少した一方で、工場・設備の購入等で建物が1,966,598千円、機械及び装置が2,699,368千円それぞれ増加したことによるものであります。 この結果、総資産は21,644,090千円となり、前事業年度末に比べて1,491,645千円増加いたしました。 (負債) 当事業年度末における流動負債は2,726,354千円となり、前事業年度末に比べて457,775千円増加いたしました。 これは主に未払金が271,126千円減少した一方で、1年内返済予定の長期借入金が250,357千円、前受収益が408,923千円それぞれ増加したことによるものであります。 固定負債は4,837,192千円となり、前事業年度末に比べて473,555千円増加いたしました。これは主に資金調達により長期借入金が227,254千円、長期前受収益が227,986千円それぞれ増加したことによるものであります。 この結果、負債合計は7,563,547千円となり、前事業年度末に比べて931,331千円増加いたしました。 (純資産) 当事業年度末における純資産合計は14,080,542千円となり、前事業年度末に比べて560,314千円増加いたしました。 これは主に当期純利益の計上等により利益剰余金が510,899千円増加したことによるものであります。 b.経営成績 (売上高) 売上高は、9,093,706千円(前年同期比11.2%増)となりました。 機能材料事業部門は、当事業年度において、翌事業年度に売上計上される大型案件の生産にリソースを充当いたしました。このため、短期的な売上抑制要因も見られましたが、量産ステージの医薬・医療関連材料及び半導体関連の需要が堅調に伸長したことで、結果として当部門は好調に推移いたしました。その結果、機能材料事業部門の売上高は3,056,723千円(前年同期比1.8%増)となりました。 医薬事業部門は、当事業年度において、前事業年度より生産を進めていた大型の量産ステージ案件の売上が計上されたことに加え、期中の量産ステージも堅調に推移いたしました。この結果、量産ステージ全体として売上が好調に推移いたしました。また、開発ステージの案件も好調に推移したことから医薬事業部門の売上高は3,927,518千円(前年同期比11.9%増)となりました。 バイオ事業部門は、量産ステージ及び開発ステージともに好調に推移し、売上高を伸長させました。加えて、第4四半期からはKNCバイオリサーチセンターD棟の立ち上げよる効果が発現し、売上拡大を加速させました。その結果、バイオ事業部門の売上高は2,109,464千円(前年同期比26.5%増)となりました。 (売上総利益) 売上総利益は2,388,263千円(同2.9%増)となりました。売上総利益は、減価償却費、労務費、保守点検費といった固定費が増加したものの、それらを上回る増収効果により、増益する要因となりました。 (販売費及び一般管理費、営業利益) 販売費及び一般管理費は、1,363,711千円(同12.0%減)となりました。前事業年度の大幅な研究開発費の増加から当事業年度は減少に推移したことにより、営業利益は1,024,551千円(同32.7%増)となりました。 (営業外損益、経常利益) 営業外収益は、助成金収入の計上等により、39,004千円(同78.0%減)となりました。 営業外費用は、支払利息の計上等により、34,774千円(同78.8%増)となりました。 その結果、経常利益は1,028,781千円(同10.7%増)となりました。 (特別損益、税引前当期純利益) 特別利益は、固定資産売却益の計上により39千円となりました。 特別損失は、固定資産除却損の計上により2,988千円となりました。 その結果、税引前当期純利益は1,025,832千円(同10.5%増)となりました。 (当期純利益) 法人税、住民税及び事業税に法人税等調整額を加えた税金費用は259,632千円(同36.2%増)となり、その結果、当期純利益は766,199千円(同3.9%増)となりました。 当社は、単一セグメントであるため、セグメントごとの経営成績は記載しておりません。 ②キャッシュ・フローの状況 当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、2,173,261千円となり、前事業年度末に比べて212,300千円の減少となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度における営業活動の結果、得られた資金は2,262,650千円(前年同期は1,487,123千円の収入)となりました。これは主に税引前当期純利益1,025,832千円、減価償却費1,233,339千円の資金増加要因があったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度における投資活動の結果、使用した資金は2,697,301千円の支出(前年同期は3,322,708千円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出2,626,171千円の資金減少要因があったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度における財務活動の結果、得られた資金は222,350千円の収入(前年同期は909,599千円の収入)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出982,389千円、配当金の支払額255,157千円の資金減少要因があった一方で、長期借入れによる収入1,460,000千円の資金増加要因があったことによるものであります。 ③生産、受注及び販売の実績 当社は、単一セグメントであるため、セグメント情報に代えて事業部門別で開示しております。 a.生産実績 当事業年度の生産実績は、次のとおりであります。 事業部門の名称   当事業年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 生産高(千円)   前年同期比(%) 機能材料事業部門   2,062,248   104.2 医薬事業部門   2,834,430   114.7 バイオ事業部門   1,736,689   117.0 合計   6,633,368   111.8 b.受注実績 当事業年度の受注実績は、次のとおりであります。 事業部門の名称   当事業年度 (自 2025年4月1日   至 2026年3月31日) 受注高(千円)   前年同期比(%)   受注残高(千円)   前年同期比(%) 機能材料事業部門   3,334,287   94.7   1,550,353   121.8 医薬事業部門   4,527,573   138.0   4,259,997   116.4 バイオ事業部門   2,341,263   150.3   593,367   164.1 合計   10,203,123   122.1   6,403,718   121.0 c.販売実績 当事業年度の販売実績は、次のとおりであります。 事業部門の名称   当事業年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 販売高(千円)   前年同期比(%) 機能材料事業部門   3,056,723   101.8 医薬事業部門   3,927,518   111.9 バイオ事業部門   2,109,464   126.5 合計   9,093,706   111.2 (注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先   前事業年度 (自 2024年4月1日   至 2025年3月31日)   当事業年度 (自 2025年4月1日   至 2026年3月31日) 金額(千円)   割合(%)   金額(千円)   割合(%) 鳥居薬品株式会社   1,059,319   13.0   1,277,618   14.0 第一三共株式会社   -   -   1,070,434   11.8 東レ株式会社   -   -   1,010,853   11.1 2.前事業年度の第一三共株式会社及び東レ株式会社への販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満のため記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社の当事業年度の経営成績等につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 当社の経営成績は、有機化学品の研究・開発・生産ソリューション事業における顧客の開発品の開発計画や生産計画に大きく依存します。また、提供するソリューションの内容は顧客の要望により変化します。当社は顧客の要望に応えるための技術開発、設備導入を行い競争力の向上に努めていますが、顧客の計画進捗状況、技術開発状況によって経営成績に重要な影響を与える可能性があります。 その他の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりであります。 当社は、売上高及び経常利益を重要な経営指標として位置付けております。 当事業年度における売上高は9,093,706千円となり、2025年5月13日に開示しております売上高目標8,600,000千円に比べ、493,706千円(5.7%増)の増収となりました。これは医薬およびバイオ事業部門で、開発案件の獲得が期首想定以上に進捗したためであります。経常利益は1,028,781千円となり、経常利益目標800,000千円に比べ、228,781千円(28.6%増)の増収となりました。増益の要因は減価償却費、人件費、保守点検費などの固定費を増収に伴う効果が上回ったためです。引き続き、本指標の改善に邁進してまいります。 指標   2026年3月期 (計画)   2026年3月期 (実績)   2026年3月期 (計画比) 売上高(千円)   8,600,000   9,093,706   493,706千円 (5.7%増) 経常利益(千円)   800,000   1,028,781   228,781千円 (28.6%増) 売上高経常利益率   9.3%   11.3%     2.0ポイント増 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。 当社の運転資金需要のうち主なものは、原材料の購入費用及び労務費のほか、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、製造設備投資等によるものであります。 当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。 なお、当期末の有利子負債残高は、3,596,634千円となりました。 運転資金及び設備投資資金については、原則として自己資金で賄うこととしております。今後も所要資金は「営業活動によるキャッシュ・フロー」を源泉に自己資金調達を原則とする方針であります。多額の設備投資資金が必要となった場合は、必要資金の性格に応じて金融機関からの借入、資本市場からの直接調達も検討する方針であります。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。 (受注損失引当金) 当社は、受注契約等に基づく製造案件のうち、当事業年度末時点で将来の損失が見込まれ、かつ、当該損失額を合理的に見積もることが可能なものについて、翌事業年度以降に発生が見込まれる損失額に対して、受注損失引当金を計上しております。 製造案件の総原価の見積りに当たっては、契約内容を基に、工数、原材料等必要経費を算出し、見積総原価額を決定しておりますが、想定以上の工数を要する等の事象が発生した場合に、総原価の金額に影響を与える可能性があります。このため、すべての製造案件について進捗状況の確認を行い、再度見積りを実施することとしております。

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