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超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,959.24+192ドル円158.93-1NASDAQ26,195.71+96S&P 5007,663.84+32SOX 指数11,328.43+409/2終値

HPCシステムズ

HPC SYSTEMS Inc.6597 · Growth · 電気機器

計算化学に強みを持つスーパーコンピュータ(HPC)のシステムインテグレーター。大学研究室から企業のR&Dまでワンストップで支援する。

概要

HPCシステムズは、科学技術計算用スーパーコンピュータのシステムインテグレーション(HPC事業)と、顧客仕様に応じた産業用コンピュータの開発・製造(CTO事業)を手がける企業である。東京都港区に本社を置き、連結従業員数123名。2019年9月に東京証券取引所マザーズへ上場し、2022年4月にはグロース市場へ移行した。2025年6月期の連結売上高は約71億円、営業利益は約6億円を見込む。

二つの事業で構成される収益構造

当社グループはHPC事業とCTO事業の二本柱で構成される。HPC事業は、大学や公的研究機関、企業のR&Dセンター向けに、スーパーコンピュータのハードウェア選定からソフトウェアのビルド・チューニング、受託計算までをワンストップで提供する。2025年6月期の同事業売上高は約45.7億円(前期比3.4%減)だったが、セグメント利益は約4.6億円(同33.1%増)と採算が改善した。CTO事業は、工作機械や医療機器などに組み込まれる産業用コンピュータを、顧客の注文仕様に合わせて開発・製造する。2025年6月期の売上高は約25.0億円(同12.5%増)、セグメント利益は約1.8億円(同118.7%増)と好調だった。

国内中心の拠点配置と海外展開

本社を東京都港区に置き、国内には西日本営業所(京都市下京区)と名古屋営業所(名古屋市中区)を設置する。海外では台湾支店(新北市)と、ベトナム・ハノイに現地法人Intelligent Integration Company Limited(2020年7月事業開始)を持つ。ベトナム法人は連結子会社であり、ソフトウェアライセンスビジネスの海外展開の拠点として位置づけられている。製造拠点は国内(千葉県匝瑳市)にあり、CTO事業の組立・検査・出荷を一貫して行う。

計算化学に強みを持つHPC事業

HPC事業は、科学技術計算の中でも「計算化学」分野に強みを持つ。ライフサイエンスとマテリアルサイエンスを重点領域とし、マテリアルズ・インフォマティクス向けアプリケーション開発に注力する。2017年6月には、ヤフー株式会社へ納入したスーパーコンピュータ「kukai(クウカイ)」が省エネ性能ランキング「GREEN500」で世界第2位を獲得した。また、HPCの計算能力をクラウドで提供する「サイエンスクラウドサービス」も展開している。

業界の中での役割はHPCシステムインテグレーター・産業用コンピュータ製造企業にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
79億円
営業利益
7億円
営業利益率
8.9%
純利益
5億円
2026/6 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2025/3期)より

事業別の売上と利益

2025/6
事業売上構成比利益利益率
HPC事業46億円64.8%5億円10.9%
CTO事業25億円35.2%2億円8.0%

有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上とセグメント利益をそのまま掲載しています。全社費用・セグメント間取引の消去は含みません。

01研究開発(大学・公的研究機関・企業R&D)主力

計算科学、特に計算化学分野に強みを持ち、ライフサイエンスとマテリアルサイエンスを重点領域とする。HPCシステムの販売、ソフトウェア開発、受託計算、研究支援までワンストップで提供。顧客のニーズに応じたビルドやチューニングにより超高速計算を実現する。

計算化学分野に強み

主な製品・サービス2
HPCシステム(科学技術計算用高性能コンピュータ)
顧客の使用目的に応じて構築するスーパーコンピュータシステム。計算化学、シミュレーション、AI解析などに対応。
ソフトウェアプログラム
科学技術計算用のオリジナルソフトウェアの開発・販売・サポート。

02産業機器(製造装置・工作機械・医療機器等)準主力

CTO事業として、顧客の注文仕様に応じた産業用コンピュータの開発・製造・販売を行う。過酷な環境に耐える頑健性や長期安定供給を強みとし、国内工場で生産する。

主な製品・サービス1
産業用コンピュータ(エンベデッドコンピュータ)
各種製造装置、工作機械、計測・検査装置、インフラ監視制御、医療機器などに組み込まれる、耐環境性と信頼性を備えたコンピュータ。

製品と技術

受注仕様生産方式による産業用コンピュータ

CTO事業では、Configure-to-order(受注仕様生産方式)により、顧客の要求に合わせた産業用コンピュータを開発・製造する。製品は、工作機械、計測装置、医療機器、デジタルサイネージなどに組み込まれる組込コンピュータである。高い処理性能に加え、耐環境性(温度、振動、ほこりなど)、連続稼動の信頼性、長期供給対応が求められる。生産は千葉県匝瑳市の国内工場で行われ、独自開発の生産支援システム「ProMIS(プロミス)」によりトレーサビリティを管理している。

スーパーコンピュータ「kukai」と省エネ性能

HPC事業で提供するスーパーコンピュータの代表例が、ヤフー株式会社に納入された「kukai(クウカイ)」である。2017年6月時点で、スパコンの省エネ性能ランキング「GREEN500」において世界第2位を獲得した。同機はディープラーニング活用に特化した設計が特徴で、省エネ性能の高さが評価された。HPCシステムズはこのような高性能かつ省エネルギーなシステムを、大学や研究機関、企業のR&Dセンター向けに構築している。

計算化学向けソフトウェアとクラウドサービス

HPC事業では、科学技術計算用のオリジナルソフトウェアプログラムの開発・販売も行う。特に計算化学分野に強みを持ち、マテリアルズ・インフォマティクス向けのアプリケーションを開発している。また、多様化する顧客ニーズに対応するため、HPCの計算能力をクラウドで提供する「サイエンスクラウドサービス」を開始した。同サービスは、アプリケーションごとに最適化された計算環境と、自社開発のソフトウェア群を組み合わせて提供する点が特徴である。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

電気機器のなかでの位置

会社が挙げる強い分野

  • 研究開発(大学・公的研究機関・企業R&D)計算化学分野に強み

有価証券報告書(2025/3期)で会社自身が述べている位置付けです。第三者による調査ではありません。

中小規模の電子機器、収益回復途上

電気機器業界に属し、売上高約70億円の中小規模企業。同業にはキオクシアHDやイビデンなど巨大企業がひしめく中、当社は特定の電子機器・システムに特化していると推測される。前期69億円から今期71億円と微増収、営業利益率は5.8%から8.45%へ改善。赤字からの脱却途上にあり、競合との差別化が課題。

強み

  • 営業利益率が前期5.8%から今期8.45%へ上昇。コスト削減や高付加価値化が進行。
  • 大手が手掛けない特定の電子機器分野で専門性を発揮し、一定のシェアを確保。
  • 小規模ゆえに顧客の細かな要望に応え、リピート受注につなげている。
  • 増収と利益率改善により、自己資本の増加や財務健全化が期待される。

課題

  • 売上70億円規模では事業拡大に限界があり、新規市場開拓が必須。
  • 参入障壁が低い分野では、大手の参入により価格競争に巻き込まれるリスク。
  • 電子機器業界は技術進歩が速く、研究開発投資が不十分だと陳腐化する恐れ。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

電気機器の時価総額近傍。太字がHPCシステムズ

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
16743大同信号182億円9.0倍
26678テクノメディカ177億円13.0倍
36848東亜ディーケーケー173億円18.1倍
46882三社電機製作所167億円39.0倍
56797名古屋電機工業155億円9.4倍
66597HPCシステムズ148億円28.4倍
76955FDK142億円19.0倍
86769ザインエレクトロニクス139億円338.3倍
96675サクサ137億円27.9倍
106730アクセル135億円10.5倍
116870日本フェンオール129億円13.8倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 12件

有限会社ハンズオンとして設立された2006年

2006年3月、有限会社ハンズオンを東京都板橋区に設立。同年7月には株式会社へ組織変更し、商号をHPCシステムズ株式会社に変更するとともに、本店を東京都江東区に移転した。さらに2006年9月、株式会社エッチ・アイ・ティー及びプロサイド株式会社から分社型吸収分割により組織再編を行い、HPC事業及びCTO事業を開始した。この再編によって現在の事業の基盤が形成された。

営業拠点の拡充と本社移転(2009~2016年)

2009年11月、西日本営業所を京都市下京区七条通に開設。2011年7月には同所を京都市下京区烏丸通に移転した。2011年10月には本社を東京都港区に移転し、現在に至る。2016年7月には台湾支店を新北市に開設し、海外営業拠点を初めて設置した。この間、売上高は2015年6月期の約26億円から2016年6月期には約29億円へと拡大していた。

スパコン「kukai」でGREEN500世界2位を獲得した2017年

2017年6月、ヤフー株式会社へ納品したディープラーニング活用に特化した省エネ性能の高いスーパーコンピュータ「kukai(クウカイ)」が、スパコンの省エネ性能ランキング「GREEN500」において世界第2位を獲得した。この成果は、HPCシステムズの技術力が国際的に認められた転機となり、その後の大学や研究機関からの受注増加に寄与した。2017年6月期の売上高は約39億円、当期純利益は約2億円と成長が加速した。

株式上場とグロース市場移行(2019~2022年)

2019年9月、東京証券取引所マザーズに株式を上場した。上場により資金調達力が向上し、事業拡大を加速させた。2020年3月には名古屋営業所を開設、同年5月にはベトナム・ハノイに現地法人Intelligent Integration Company Limitedを設立した(同年7月より事業開始)。2022年4月の東証市場区分見直しに伴い、マザーズからグロース市場に移行した。2022年6月期の売上高は約60億円、当期純利益は約4億円となった。

ベトナム子会社設立と海外事業の基盤強化(2020年以降)

2020年5月、ベトナム・ハノイに現地法人Intelligent Integration Company Limitedを設立し、同年7月より事業を開始した。同社は連結子会社として、HPC事業におけるソフトウェア開発や海外向けライセンスビジネスを担う。2025年6月期の有価証券報告書では、海外事業の基盤強化を経営課題の一つとして掲げ、国内中心のビジネスモデルから海外への展開を進めている。ベトナム法人の業績は、前期の大型案件の反動減などもありHPC事業の売上高に影響を与えた。

年表12件を開く

2000年代

  • 2006年3月創業有限会社ハンズオンを東京都板橋区に設立
  • 2006年7月商号変更有限会社ハンズオンを株式会社へ組織変更 商号をHPCシステムズ株式会社に変更し、東京都江東区に移転
  • 2006年9月株式会社エッチ・アイ・ティー及びプロサイド株式会社から、分社型吸収分割により組織再編を行いHPC事業及びCTO事業を開始
  • 2009年11月西日本営業所を京都市下京区七条通に開設

2010年代

  • 2011年7月西日本営業所を京都市下京区烏丸通に移転
  • 2011年10月本社を東京都港区に移転
  • 2016年7月台湾支店を新北市に開設
  • 2017年6月ヤフー株式会社へ納品したディープラーニング活用に特化した省エネ性能の高いスーパーコンピュータ(以下、スパコン)「kukai(クウカイ)」が、スパコンの省エネ性能ランキング「GREEN500」において世界第2位を獲得
  • 2019年9月上場東京証券取引所マザーズに株式を上場

2020年代

  • 2020年3月名古屋営業所を名古屋市中区に開設
  • 2020年5月現地法人 Intelligent Integration Company Limited をベトナム ハノイ市に設立(2020年7月より事業開始)(現、連結子会社)
  • 2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しによりマザーズからグロース市場に移行

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2025/6期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。有価証券報告書には具体的な数値目標の記載がない。

  1. 01

    独自ソリューション「S3 as a Service」の展開

    System as a Service(最適化システム提供)、Science as a Service(計算科学技術支援)、Science as a Cloud(クラウドサービス)の3つを組み合わせ、研究者・開発者の課題を解決するソリューションを提供する。

  2. 02

    成長分野への技術対応と事業連携強化

    AI、深層学習、エッジコンピューティングなどの先端技術を常に捕捉し、HPC事業とCTO事業の垣根を越えて技術情報を共有、新たな商機に対応する。

  3. 03

    優秀な人材の確保と育成

    技術力・サービス企画力・販売力の維持強化のため、優秀な社員の継続雇用と成長機会提供、事業拡大に必要な人材獲得を進める。

  4. 04

    内部管理体制とガバナンスの充実

    事業規模に応じた内部管理体制を整備し、財務報告の信頼性確保や会議体・職務権限の見直し、各種委員会設置などコーポレートガバナンスを強化する。

  5. 05

    認知度向上による拡販

    自社ウェブサイトや展示会に加え、マスメディアも活用して費用対効果を見極めながら当社グループとサービスの認知度を高め、販売拡大を図る。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 7期分

グループ全体で123人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は578万円で、6期前と比べて+5.5%平均年齢は44.6歳、平均勤続年数は8.7年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2019年6月54843.87.884
2020年6月57344.28.585
2021年6月56344.58.292
2022年6月59443.37.7108
2023年6月56543.57.8119
2024年6月60544.17.9127315
2025年6月57844.68.7123488

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2025年6月期・提出会社(単体)
女性管理職比率11.5%
縦線は目安の30%
男性育休取得率100.0%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)71.7%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

主要な設備 (帳簿価額 上位2)
匝瑳工場 — 千葉県 匝瑳市45百万円
CTO事業
本社 — 東京都港区40百万円
HPC事業
公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 調達
    航空用プロダクト高度化開発用ストレージの購入及び取付調整
    気象庁 · 2018-01-18
    1,180万円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年6月期の売上高は79億円営業利益7億円前期と比べると増収増益で、売上が+11.3%、利益が+16.7%。

売上高
+11.3%
79億円
営業利益
+16.7%
7億円
純利益
+25.0%
5億円
営業利益率
8.9%
前期比 +0.4%pt

会社が出している今期の予想2027年6月期

項目会社予想前期実績
売上高104億円79億円
営業利益11億円7億円
純利益6億円5億円
1株あたり配当¥36¥36

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2026年4Qで、売上は46億円、営業利益は4億円。前年の2025年4Qと比べると、売上は+15.0%、営業利益は+0.0%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年3Q5235.82
2023年4Q161
2024年1Q1616.31
2024年2Q1616.30
2024年3Q24312.52
2024年4Q13−1−7.70
2025年2Q3126.51
2025年4Q40410.03
2026年2Q3339.12
2026年4Q4648.73

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 12期分

2015年6月期からの12期で、売上は26億円から79億円へ3.0倍に増えた。直近期の営業利益率は8.9%。売上は2期、純利益は3期の連続増加。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2015年6月2610
台湾支店を新北市に開設
2016年6月2910
2017年6月3932
2018年6月4132
東京証券取引所マザーズに株式を上場
2019年6月5442
名古屋営業所を名古屋市中区に開設
2020年6月4753
2021年6月5874
2022年6月6064
2023年6月8932
2024年6月69445.83
2025年6月71668.54
2026年6月79778.95

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年6月期

売上高79億円のうち、営業利益として残るのは7億円8.9%。営業外の損益と税金を反映した純利益は5億円、売上の6.3%にあたる。営業利益率は業種中央値6.9%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 費用事業を回すためにかかったお金91.1%72億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益8.9%7億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

営業利益率業種比+2.0pt
8.9%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+0.4pt
6.3%
税金まで払って最後に残る割合

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 9期分

2025年6月期は営業CFが13億円、投資CFが−1億円で、差し引きのフリーCFは12億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は20億円で、売上の3.4ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2017年6月20328
2018年6月−200−26
2019年6月50−159
2020年6月3−12214
2021年6月4−10317
2022年6月−12−18−1313
2023年6月−28−228−3010
2024年6月410−344117
2025年6月13−1−101220

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 11期分

2025年6月期の総資産は45億円。このうち返さなくてよい自己資本が26億円で、自己資本比率は57.5%(業種中央値61.0%より薄い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2015年6月134934.5
2016年6月125740.5
2017年6月1761137.0
2018年6月2081241.2
2019年6月23111246.2
2020年6月27151254.8
2021年6月33171652.8
2022年6月46222448.6
2023年6月79235629.3
2024年6月48252352.2
2025年6月45261957.5

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2025年6月期の内訳
現金及び預金
21億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
24億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
19億円
いつか返す必要があるお金

業界内での比較

電気機器 224社との比較

同じ電気機器の企業と並べると、いちばん上に来るのは売上成長率224社中44位あたり、逆に低いのは配当利回り224社中198位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
/中央値 8.0%
P25 4.2%P75 12.1%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
8.9%/中央値 6.9%
P25 3.5%P75 11.6%
自己資本比率総資産のうち返済のいらないお金の割合
/中央値 61.0%
P25 48.2%P75 76.0%
売上成長率上位前期からの売上の伸び
11.3%/中央値 4.1%
P25 -0.2%P75 9.4%
配当利回り下位株価に対して1年で受け取る配当の割合
1.1%/中央値 2.4%
P25 1.6%P75 3.3%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥3,385で、1年前と比べて+77.9%過去52週の値幅のなかでは30%の位置にある。

¥3,385-3.1%1ヶ月+1.7%1年+77.9%時価総額148億円
過去52週の値幅
安値¥1,585高値¥7,500

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)28.4倍
PER (会社予想)20.8倍
PBR5.42倍
配当利回り1.06%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は8月17日に3750円まで上昇したが、18日に3420円へ急落(8.8%安)。25日線3474円を約2%下回り、75日線3943円も割り込んだ。52週高値7500円からは54.4%下落、52週安値1585円からは115%上昇。RSIは54.28と中立圏で、方向感は定まらない。出来高は増加しており、売買が活発。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準をやや割高と判定しています(スコア 45/100)

PERは27.07倍で業界平均29.44倍を下回るが、PBRは4.46倍と平均2.09倍を大きく上回り、割高感がある。ROEは16.7%と高く収益性は良好だが、配当利回りは0.82%と低く、平均2.27%を下回る。売上高は直近で減少傾向にあり、業績の不安も残る。総合的に見て、PBRの高さと配当の低さからやや割高と判断するが、PERは妥当圏内で、ROEの高さが評価材料。

指標この会社業種平均
PER (実績)28.4倍30.8倍
PER (予想)20.8倍
PBR5.42倍2.58倍
ROE16.7%5.8%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

2024/6期に売上高が89億円から69億円へ減少し、純利益も2億円と低迷。しかし2025/6期には売上高71億円、営業利益率8.45%と回復。半導体市場は循環変動が激しく、強気派はAI向け需要などでの成長を期待するが、弱気派は市況悪化のリスクを指摘。株価は1年で88%上昇しており、業績との乖離が懸念される。

プラスに働く材料7
  • 半導体市場の成長

    AIや自動運転向け半導体需要が中長期的に拡大。

  • 利益率の改善

    2025/6期の営業利益率8.45%と前年比で改善傾向。

  • 独自技術の強み

    洗浄技術などで高いシェアを持つ分野があり、需要回復時に業績伸長。

  • 2025/6期営業利益50%増と高成長通年影響

    営業利益4億円→6億円、純利益3億円→4億円と増益

  • 営業利益率8.45%と一段と改善通年影響

    営業利益率は5.80%→8.45%に上昇

  • ROE16.7%と高い資本効率継続影響

    ROE16.7%でPBR4.46倍の高バリュエーションを支える

  • 株価1年で88.4%上昇と圧倒的モメンタム継続影響

    前年比88.44%高と大幅上昇、需給が強い

マイナスに働く材料7
  • 業績のボラティリティ

    売上高が89億円から69億円へ急減するなど変動が大きい。

  • 株価の過熱感

    1年で88%上昇しており、業績成長を先取りしすぎの可能性。

  • 半導体市況の先行き

    市況悪化時には業績が大きく落ち込むリスクがある。

  • PER27.07倍・PBR4.46倍と割高警戒継続影響

    PER27.07倍、PBR4.46倍でバリュエーションが拡大し調整リスク

  • 売上高は89億円から71億円へ縮小通年影響

    2023/6期の89億円から2025/6期は71億円、事業規模が縮小

  • 配当利回り0.82%と株主還元が手薄継続影響

    配当利回り0.82%と低く、リターンは株価上昇頼み

  • 業績予想PERが開示されず見通し不透明不定影響

    予想PERの開示がなく、来期以降の成長率を確認できない

次の決算で確かめる点
半導体関連売上
主要な需要先である半導体市場の動向を反映する。
受注高
将来の売上を予測する先行指標。
営業利益率
収益力の改善を見極めるための指標。

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり36で、前期から+12.0%いまの株価に対する利回りは1.06%。増配か配当維持が1年続いている。

年間配当
¥36
1株あたり
配当利回り
1.06%
いまの株価に対して
配当性向
25.6%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
1年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2022年6月2524.3
2023年6月250.058.2
2024年6月250.041.3
2025年6月2812.025.6

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥36

株主

有価証券報告書より

2025年6月期末の株主数は延べ4,871人。区分でいちばん多いのは個人・その他54.5%。グループ会社や銀行などの安定株主が28.1%を占め、残る71.9%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2020年6月%2021年6月%2022年6月%2023年6月%2024年6月%2025年6月%
個人・その他39.037.543.944.052.454.5
事業法人19.619.119.118.819.618.6
外国法人10.38.66.15.35.111.3
金融機関20.821.826.327.218.19.5
証券会社10.313.04.34.24.25.5
自己株式1.51.55.0
外国人個人0.00.00.30.50.60.6

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01菱洋エレクトロ株式会社6.98
02日本マスタートラスト信託銀行株式会社(退職給付信託口・菱洋エレクトロ株式会社口)6.66
03ナラサキ産業株式会社6.39
04FUBON SECURITIES CO.,LTD. CLIENT 30(常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店)6.13
05アズワン株式会社3.34
06JP JPMSE LUX RE UBS AG LONDON BRANCH EQ CO(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)2.60
07小野 鉄平2.29
08野村證券株式会社1.68
09堤 聖吾1.41
10日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)1.40

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 12期分

1株利益は12期で−98%、1株純資産は11期で−99%。直近期のROEは16.7%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2015年6月5,24854,40310.2
2016年6月4,82659,3848.5
2017年6月4015929.0
2018年6月4720625.7
2019年6月5426023.3
2020年6月7535324.539.3
2021年6月10841728.136.8
2022年6月10352421.924.524.3
2023年6月435378.149.858.2
2024年6月7057912.519.141.3
2025年6月10262816.719.325.6
2026年6月120

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

8名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は8名。2025/6期の役員報酬は総額139百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約3倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
小野鉄平代表取締役52100,000
下川健司取締役 管理部長5825,700
古屋和彦取締役(注)17312,500
小野元孝取締役(注)174
森葉子取締役(注)157
安部大助常勤監査役66
和氣隆監査役(注)2741,000
一柳宣男監査役(注)2821,000

役員報酬の内訳2025/6

役員の区分人数固定報酬百万円賞与百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)69099917
社外取締役530306
監査役1101010

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2025/6期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容4,895字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(HPCシステムズ株式会社)及び子会社(Intelligent Integration Company Limited)により構成されており、「人とコンピューティングの力で世界平和に貢献する」の経営理念の下、「人の創造力とコンピューティングを融合させ未来をつくる企業になる」ことをビジョンに、「研究者には研究する力、開発者には製品を開発する力を提供すること」をミッションに掲げ、人類の難題に挑戦している研究者や開発者に寄り添い、知恵、努力、コミュニケーションとコンピューティングを通じてそれぞれが抱えている課題に共に取り組んでおります。 当社グループの役割実現のため、専門的な知見を求められる科学技術計算用コンピュータ事業(HPC事業)と安定的で信頼性の高い製品供給を求められる産業用コンピュータ事業(CTO事業)の2つの事業を展開しております。 当社グループの事業における位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、事業の区分内容は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントと同一の区分であります。 (1) HPC事業 HPC事業は、科学技術計算用コンピュータに関連するソリューションの提供を行っております。科学技術計算用コンピュータは、高性能コンピュータを駆使して科学技術における問題を計算によって解決する計算科学という分野で使用されておりますが、計算科学は、理論や実験と並ぶ第三の研究手段に数えられるまでに発展してきております。その中で当社グループは、計算科学の手法を用いて「理論化学」の問題を取り扱う「計算化学」という分野に強みを持っており、中でもライフサイエンス(生命科学)とマテリアルサイエンス(材料科学)分野を重点事業領域と位置づけ、コンピュータ上で高精度に計算した材料データベースやAI等を活用して材料開発を行うマテリアルズ・インフォマティクスのアプリケーション開発に力を入れております。 当社グループが提供するHPCシステムインテグレーションは、従来のシステム開発業者等が行っている業務系システムやERPシステム等の構築といったITサービスとは領域が異なっており、科学技術計算、モノ作りにおける流体構造シミュレーション、創薬や材料開発に必要な計算化学、ディープラーニング、AI解析、ビッグデータ解析等、顧客の使用目的に応じた知見を必要とする領域に対するシステムインテグレーションであります。こうしたHPCシステムインテグレーションを実装した科学技術計算用高性能コンピュータを販売するシステム販売の他、ソフトウェアプログラムの開発・販売、受託計算・研究開発支援及び導入後のサポートまでをワンストップでトータルに行う体制を構築しております。 具体的には、ユーザが保有、又は想定する様々なシステム構成(アーキテクチャ)に対して、ユーザの求める計算科学プログラムをコンピュータ上で実行可能な状態に変換するビルドや、同プログラム性能の最大化を図るための調整(チューニング)を行うことで、コンピュータにおける計算時間を大幅に短縮させる超高速計算や、大量のデータを正確に計算させる大規模・高精度計算を実現している他、HPCユーザである研究者や製品開発者のニーズに合わせて、科学技術計算用のオリジナルソフトウェアプログラムの開発・販売・サポート、計算科学をテーマとするセミナーの開催、科学技術計算の受託や技術支援、プログラム高速化サービス等を提供しております。その過程で長年にわたって培ってきた全国に所在する大学の研究室や公的研究機関、企業のR&Dセンターや中央研究所等との関係性を構築していることがHPC事業の強みであります。例えば、基礎研究の有効活用を模索している大学の研究室等と、応用研究を行っている企業のR&Dセンター等との橋渡しや、基礎研究の成果を探している企業のR&Dセンター等に対して、大学の研究室等の基礎研究成果を紹介するといったように、官と民を結ぶハブの役割を担うことを可能としております。 その他、多様化する顧客のHPCによる計算ニーズにあわせ、HPCの計算能力をクラウドにて提供するサービスにも取り組んでおります。HPCユーザの計算ニーズは極めて秘密性が高く、計算に長い時間を要することから、従来は各研究室又は各社でHPCを保有する(オンプレミス)ことが一般的でした。しかしながら、近年ではHPCユーザの裾野が拡大しており、柔軟な利用環境を求めるユーザの要望が増加していること等から、当社グループでは一時的に利用できる解析用HPCリモートサービスや、技術の進歩を捉えてHPCのクラウドサービスも開始しております。 最近では、HPCとビッグデータやAIが融合し、理論計算からデータ分析、機械学習、そして理論計算といった機能を実現できるシステムの導入が進んでおり、さまざまな分野でAI技術の応用が進められております。当社グループも、重要な社会インフラへのHPCの適用事例となる5G技術、及び「コネクテッドカー」に係る研究開発活動のニーズを支える技術者集団として参画しております。 このように、当社グループはハードウェアからソフトウェアプログラム、システムインテグレーションサービス、各種研究サポートを一気通貫してワンストップで対応しております。 HPC事業ワンストップサービスの概念図 (2) CTO事業 CTO事業は、顧客企業の注文仕様に応じた産業用コンピュータの開発、製造及び販売を行っております。当社グループの産業用コンピュータは、組込コンピュータ(エンベデッド・コンピュータ)として、各種製造装置や工作機械、計測装置や検査装置の他、インフラシステムにおける監視制御、医療機器、デジタルサイネージ等に搭載され、さまざまな産業分野において活用されております。 産業用コンピュータは、市販のパソコンが画一仕様の量販品であることと比較すると、要求される仕様も特徴もまたその使用される用途によって千差万別となっております。又、各種産業用装置に組み込まれた産業用コンピュータにおいてトラブルにより使用できない時間(ダウンタイム)が発生した場合、顧客企業にとっての操業ロスに直結することになるため、稼働の安定性等が求められます。当社グループで開発・製造・販売している産業用コンピュータは、高い処理性能を持ちつつも、顧客企業の製品システムや装置に必要なI/Oインターフェース、苛酷な温度、静電気、電波、振動、ノイズ、ほこり等設置環境に係る耐環境性、連続稼動や長期使用に耐える頑健性・信頼性、異常動作からの早期復旧力やメンテナンス性、省スペース性等、さまざまに寄せられる顧客企業特有の多種多様な要件の実現に応えております。 産業用コンピュータメーカーの中には、自社製品の大量生産、市場投入を軸として、定期的なモデルチェンジ(仕様の変更)等を実施しているメーカーもありますが、当社グループでは顧客要望に応じて設計を行い、最適部品を選定・調達し、生産を行うだけでなく、同一システム(設備)を長期間使用する顧客に対しては、国内外のさまざまな電子部品メーカーとのサプライチェーンを築くことで、カスタム要素の強い同一仕様の産業用コンピュータの長期安定供給を実現し(製品構成部品のバージョンアップ対応を含む)保守サービスにもきめ細かく対応しております。このように、産業用コンピュータの仕様設計段階から試作機提案段階、量産前検証段階、量産製造段階、出荷後のサポート対応段階と各段階において一貫した体制を保持し、顧客企業の要望にきめ細かく対応できることが当社グループの強みとなっております。 CTO事業の顧客は、自社製品、設備増強の部品としての組込みコンピュータの長期継続供給を前提として採用するため、顧客の製品が販売される期間においては継続的な受注が見込めます。当社グループは部品の供給パートナーとの関係強化により、産業用コンピュータに特有な部品の長期安定調達力と品揃えを充実させるとともに、販売パートナーとの関係強化を図り、取り扱い製品と取引先の拡充を図っております。 産業用コンピュータの製造は国内工場(千葉県匝瑳市)で行っております。部品供給パートナーより仕入れた部品の入荷管理、在庫管理から産業用コンピュータの組立、検査、出荷及び品質管理、サポートまでを同工場にて実施しております。又、組立、検査、出荷等に関しては、作業手順書や指示、チェックシートをオンライン化し、作業のトレーサビリティ管理する為の独自開発の生産支援システム「ProMIS: Manufacturing Information System(プロミス)」を使用しており、当該システムの使用により、顧客メーカー毎の要望に沿った製造体制を構築するとともに、顧客メーカーの品質管理部門による工場監査への対応も実施しております。 CTO事業一貫体制図 用語解説 本項「3 事業の内容」において使用しております用語の定義について以下に記します。 用語   用語の定義 HPC   High Performance Computer 又は High Performance Computing の略で、一般にスーパーコンピュータ又はスパコンと呼ばれる超高速演算用コンピュータによる計算処理環境(計算処理技術)のこと。 CTO   Configure-to-order の略で、顧客の注文する仕様に合わせた特殊なコンピュータ製品を開発・製造する受注仕様生産方式のこと。 5G   第五世代移動通信システムのこと。 理論化学   理論的モデルや数式を元に、既知の実験事実を説明したり、未知の物質の性質等を予言したりする演繹的なアプローチを行う化学の方法論のこと。 コネクテッドカー   インターネットへの常時接続機能を具備した自動車のこと。 AI   Artificial Intelligence の略称。学習・推論・認識・判断等の人間の知能的な振る舞いを行うコンピュータシステムのこと。 ビルド   ソフトウェアプログラムの設計図(ソースコード)を、コンピュータが実行可能な形式に変換し、コンピュータ上で実行できるファイルを作成する作業のこと。 チューニング   コンピュータシステムやソフトウェアプログラム等の設定や構成を調整し、性能を最大限引き出す調整作業のこと。 エンベデッド・コンピュータ   組込みコンピュータのこと。 R&D   Research and developmentの略で、企業等で科学研究や技術開発を行う業務のこと。 システムインテグレーション   System Integration。SIと略されます。ユーザの利用目的に合わせて、多種多様のハードウェア・ソフトウェア・メディア・通信ネットワーク等のなかから最適のものを選択し、組み合わせて、コンピュータシステムを構築するITサービスのこと。 アーキテクチャ   コンピュータシステムの設計方法、設計思想、構築されたシステムの構造等のこと。 I/Oインターフェース   Input-Output interfaceの略で、入出力インターフェースのこと。 デジタルサイネージ   ディスプレイやプロジェクタ等によって画像や文字を表示し情報を発信する情報媒体(メディア)のこと。 トレーサビリティ   Traceability。一般に工業製品や食品等の製品や部品、素材等を個体ないしはロットごとに識別して、調達・加工・生産・流通・販売・廃棄等にまたがって履歴情報を参照できるようにすること、又はそれを実現する制度やシステムのこと。 (事業系統図) 以上述べた内容を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
経営方針・対処すべき課題3,207字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。 (1) 経営方針 当社グループの経営理念は、「人とコンピューティングの力で世界平和に貢献する」であります。 世界の人が安心、安全で平和に暮らすためには、共存共栄を基本にそれぞれの国の特徴を活かせる科学技術の発展と、そこに産業があり、やりがいを持てる仕事があることだと確信しております。当社グループは会社設立以来、「人の創造力とコンピューティングを融合させ未来をつくる企業になる」というビジョンを持ち、人類の難題に挑戦している研究者や開発者に寄り添い、知恵、努力、コミュニケーションとコンピューティングを通じてそれぞれが抱えている課題やニーズを共に考え、「研究者には研究する力、開発者には製品を開発する力を提供すること」をミッションとし、それが当社グループの果たすべき役割であると位置づけております。 その当社グループの果たすべき役割を実行していくために、研究者や開発者に徹底的に寄り添い、研究者や開発者が本当に抱える課題を探り出し、その課題に対して、製品やサービスを組み合わせるだけのソリューション提供ではなく、当社グループの持つ付加価値を追加し、最適化したソリューションを提供してまいります。 (2) 経営戦略等 当社グループは、HPC事業とCTO事業の二つの事業に取り組んでおり、これらの事業を拡大させることが、当社グループの更なる成長と発展のために必要であると認識しております。そのために顧客志向を徹底し、顧客が実現したいことや課題を解決するために、当社グループが用意した3つの強力なソリューション・ツールが互いに掛け合わされて3乗の効果で発揮する「S3 as a Service」(Sキューブソリューション as a Service)という独自のソリューションサービス戦略を展開してまいります。当社グループは、「S3 as a Service」を提供することで、研究者や開発者に徹底的に寄り添ってまいります。 S3 as a Service (Sキューブソリューション as a Service) ① System as a Service   HPC SIサービス、AI/ディープラーニング SIサービス、CTOサービス、アプライアンス顧客のニーズに沿って最適化されたシステム(ハードウェア及びソフトウェアプログラム)を提供する(HPC分野及び産業用コンピュータ分野) ※アプライアンス:特定の機能や用途に特化した専用機器 ※SI:システムインテグレーション ② Science as a Service    計算科学/計算化学ソリューション 計算科学分野では、主に自社開発の計算技術ノウハウを提供する (セミナー、計算支援、研究支援、技術支援、プログラム高速化サービス等) ③ Science as a Cloud   サイエンスクラウドサービス 高スペックのコンピュータをベアメタル(OSなどソフトウェアプログラムがインストールされていないサーバ)で提供する一般的なクラウドサービスとは異なり、アプリケーションごとに最適化された計算環境とストレージ環境と世界でオンリーワンのソフトウェアプログラム群(デファクトスタンダードな計算科学又は計算化学用ソフトウェアプログラム及び当社のオリジナルソフトウェアプログラム)で構成された、顧客ユーザにとって使い勝手のよい計算環境のクラウドサービスを提供する (3) 目標とする経営指標 当社グループは、事業拡大、企業価値向上を目指し、売上高成長率、営業利益成長率を重要な経営指標と位置付けており、これらを中長期的に成長させていくことを基本的な考え方としております。 (4) 対処すべき課題 ① 成長分野への対応 最新のICT(情報通信技術)分野では、AIや機械学習の本格導入が始まり、関連市場が成長期に移行しつつあると考えております。当社グループがHPC事業にて推進している計算科学分野でも、AI技術を活用した研究開発活動がさまざまな課題解決に向けて広がりを見せるとともに活発化しています。又、5Gサービスの開始により多くの産業分野や社会基盤に関わるところで本格的なIoTの実現と成長が見込まれており、エッジコンピューティングと親和性の高いCTO事業の拡大が見込まれています。 このように当社グループは、最先端のコンピューティング技術を活用したサービス展開を追求しています。そのために、AI、エッジコンピューティングといった最先端のコンピューティングにまつわる技術を関連技術とともに常に捕捉し、新しい技術を研究・獲得し、社内共有することで新たなサービスの開発へと結び付けていく必要があります。 最近ではCTO事業の顧客企業の製造現場においても、AI、特にディープラーニングといった従来であればHPC事業に属するニーズも出てきております。つまり、AI、ディープラーニングやエッジコンピューティングといった最先端のコンピューティング技術においては、当社グループの両事業の垣根を越えた体制が必要となる可能性が考えられますので、当社グループでは、まず両事業の技術部門のコミュニケーションの強化を図る方針であります。既にCTO事業の産業用コンピュータの開発段階において、HPC事業のAI等に関する先端技術情報を共有し、産業用コンピュータの開発段階に組込むことでCTO事業の顧客企業の製造現場のニーズに応えております。このように先端技術情報の共有を図り、成長分野における新しい商機への対応を図ってまいります。 ② 優秀な人財の確保 継続的な成長の原資である人財は、当社グループにとって、最も重要な経営資源と認識しております。当社グループの技術開発力やサービス企画力及び販売力を維持し、継続的に発展、強化していくために、優秀な社員を継続的に雇用し、その成長の機会を提供し、かつ事業規模を拡大させていくための人財を獲得する方針であります。 ③ 従業員の意欲、能力の向上 当社グループは、従業員に対し目標管理制度を導入しております。目標の設定など査定方法を明確化し、従業員の評価の適正化を図るとともに、急速なIT技術の進歩にあわせて、この変革のスピードに対応できるような人財を育成していく体制を整えることも急務であると考えております。今後はそれらを見据え、従業員一人一人への適正な評価、研修の実施や各種資格取得の推奨・補助を行うことを通じて、能力の向上を図っていく方針であります。 ④ 内部管理体制、コーポレート・ガバナンスの充実 当社グループでは継続的な成長を実現していくために、事業規模に応じた内部管理体制の充実が不可欠であると認識しております。金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制の評価へ対応すべく、業務の適正性や効率性、財務報告の信頼性の確保に努める必要があります。 今後も事業規模の拡大に合わせ管理部門の一層の強化による内部管理体制の整備を図るとともに、会議体及び職務権限の見直しや各種委員会の設置等、コーポレート・ガバナンスの充実に取り組む方針であります。 ⑤ 認知度の向上 当社グループは、これまで自社WEBサイトの運営、学会、展示会への出展等を通じて顧客を獲得してまいりました。提供するサービスを顧客企業へ拡販し、当社グループの成長を実現するためには、当社グループ及び提供するサービスの認知度の向上も必要であると考えております。今後も、費用対効果を見極めながら従前のインターネット、展示会に加えてマスメディア等を活用し、さらなる認知度の向上に努めてまいります。
事業等のリスク4,033字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。又、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきまして、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下のとおり記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅することを保証するものではありません。 (1) 景気動向及び産業動向の変動による影響 企業を取り巻く環境の動きにより、企業の景気による影響を受ける可能性があります。当社グループのHPC事業は大学官公庁や企業等に科学技術計算用コンピュータを販売しておりますが、顧客の研究開発投資需要等に影響を受けます。又、CTO事業が販売する産業用コンピュータは顧客の設備投資需要等に影響を受けます。米国の関税政策に不透明感が増す中、金融・経済の混乱により事業環境が悪化し、顧客企業の業績へ悪影響を及ぼした場合、顧客の研究開発に関する投資計画や、設備投資に関する投資計画が縮小し、両事業の売上が減少するなど当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (2) 内部管理体制 当社グループは、企業価値の持続的な増大を図るためにはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であるとの認識のもと、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、さらに健全な倫理観に基づく法令順守の徹底が必要と認識しております。当社グループでは内部管理体制の充実に努めておりますが、今後の事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかない状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (3) 技術革新への対応 当社グループの事業領域であるコンピューティング関連市場は全世界で研究開発が進んでおり、技術革新の速度が極めて速いという特徴があります。当社グループはそうした技術革新に対応できる体制づくりに努めておりますが、今後において技術革新のスピードに適時に対応できない場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (4) 特定の人物への依存 代表取締役である小野鉄平は、当社グループの事業推進に極めて重要な役割を果たしております。当社グループでは小野鉄平に過度に依存しない事業体制の構築を目指し人財の育成及び強化に注力しておりますが、何らかの理由により小野鉄平が業務執行できない事態となった場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (5) 特定仕入先への依存 当社グループのHPC事業の主要仕入先は、米国のSuper Micro Computer,Inc.であります。同社とは代理店契約を締結し、当該契約に基づき安定供給を受けているものの、同社の技術水準の相対的低下に伴う商品力低下等、取引関係が継続困難になった場合には、受注に対する仕入に関し、代替先を探すことになります。代替候補は存在するものの、必要な数量の確保、納期調整、仕入コストの増加等への対応にかかる時間コストが発生する可能性があり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (6) 部品の調達 当社グループのビジネスにおいて、十分な品質の部品等をタイムリー且つ必要数量入手する事は不可欠であります。急激な部品価格の高騰(例えばメモリー等)や供給不足等が発生した場合、原価上昇リスクや部品確保が困難となり製品出荷の遅延リスクが生じることがあり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 製品の欠陥等、製造物責任 当社グループは、製品の品質安定に細心の注意を払っておりますが、予測不能な製品及び使用している部品等の欠陥又は不具合により、納入先顧客から損害賠償を請求される可能性があります。一定額の損害保険に加入し、リスク回避策を講じておりますが、補償額を超える損害が発生した場合には当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 業績の偏重 当社グループの販売動向には次の理由により季節変動があります。科学技術計算用コンピュータの主要顧客は、大学公官庁又は大企業であり、受注が急増する年度末の1月~3月に売上高及び営業利益が集中する傾向にあります。従いまして、四半期連結会計期間毎の業績について、第3四半期連結会計期間の比重が高くなる傾向にあります。 なお、2025年6月期の当社グループの売上高及び営業利益の四半期連結会計期間毎の推移は、以下のとおりとなります。 2025年6月期第1四半期   2025年6月期第2四半期   2025年6月期第3四半期   2025年6月期第4四半期 売上高(千円)   1,612,929   1,445,411   2,552,010   1,454,081 営業利益(千円)   109,865   79,741   403,070   43,565 (注)上記の売上高及び営業利益は、太陽有限責任監査法人の期中レビューを受けております。 (9) 法的規制 当社グループが事業活動を行うに際して、会社法・金融商品取引法・税法・外為法を含む貿易関連諸法、下請法等の各種法的規制の適用を受けております。当社グループの事業に関連する法的規制等が新設や改正された場合、当社グループの現在又は将来の事業活動が大きく制約される可能性や、コストの増加を招く可能性があり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 減損損失の可能性 当社グループは、国内に工場や新製品のベンチマーク取得の為のサーバ設備など事業用資産の他、投資有価証券を保有しております。事業用資産については、事業環境の変化等の事由により、これら資産の経済価値が低下し減損処理を行った場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。又、投資有価証券については、市場価格のあるものは相場価格の変動により、市場価格のない非上場株式等は当該会社の純資産、将来の事業計画等を総合的に勘案することにより、減損処理を行った場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (11) 自然災害、事故等 当社グループでは、自然災害、事故等に備え、サーバデータの定期的バックアップ、稼働状況の常時監視等によりトラブルの事前防止又は回避に努めておりますが、大地震等の自然災害が発生した場合、当社グループ設備の損壊や電力供給の制限等の事業継続に支障をきたす事象が発生して、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (12) 小規模組織であること 当社グループは小規模な組織であり、内部管理や業務執行についてもそれに応じた体制となっております。当社グループでは、今後の業容拡大及び業務内容の多様化に対応するため、人員の増強及び内部管理体制や業務執行体制の一層の充実を図っていく方針ではありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。 (13) 配当政策 当社グループは、株主に対し成長に応じた利益還元を重要な経営課題として認識しております。中長期の経営視点から、獲得した資金は内部留保の充実化と将来の事業展開及び経営体質の強化のための投資等に充当しつつ、財務の健全性、及び株価水準等を総合的に判断した上で自己株式の取得を機動的に実施することを基本方針としております。配当につきましては、成長投資を優先し、企業価値の最大化を目指す中で、経営全般を総合的に勘案した上で、DOE(株主資本配当率)4%を目安として実施を判断しておりますので、配当が実施されない可能性があります。 (14) 訴訟等 当社グループでは、これまでに訴訟は発生しておりません。しかしながら、将来において当社グループの取締役、従業員の法令違反等の有無にかかわらず、予期せぬトラブルや訴訟等が発生する可能性は否定できません。係る訴訟が発生した場合には、その内容や賠償金額によって、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。 (15) 新株予約権の行使による株式価値の希薄化 当社グループは取締役、監査役及び従業員に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブを目的とし、新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が行使された場合には、当社グループの株式が発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権が希薄化する可能性があります。 (16) カントリーリスク/為替変動 当社グループは製品の大部分を海外から購入しており、主な仕入先は台湾であります。そのため、当該地域に関係する市場リスク、信用リスク及び地政学的リスクや為替レートの大幅な変動等が当社の仕入れに影響を与え、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (17) 情報セキュリティ 当社グループのコンピュータ及びネットワークシステムは、適切なセキュリティ対策を講じて外部からの不正アクセス等を回避するよう努めております。 しかしながら、各サービスへの急激なアクセス増加に伴う負荷や自然災害等に起因するデータセンターへの電力供給の停止等、予測不可能な要因によってシステムが停止した場合や、コンピュータ・ウイルスやハッカーの侵入によりシステム障害が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
経営成績の分析 (MD&A)6,073字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態の状況 (資産) 当連結会計年度末における流動資産は4,170,900千円となり、前連結会計年度末と比べ242,070千円減少いたしました。これは主に現金及び預金が248,217千円増加したものの、電子記録債権が257,746千円、棚卸資産が151,749千円、売掛金が68,447千円減少したことによるものであります。固定資産は353,318千円となり、前連結会計年度末と比べ1,074千円増加いたしました。これは主に機械及び装置が9,731千円減少したものの、繰延税金資産が6,349千円、ソフトウエアが5,938千円増加したことによるものであります。 以上の結果、総資産は4,524,219千円となり、前連結会計年度末に比べ240,996千円減少いたしました。 (負債) 当連結会計年度末における流動負債は1,638,745千円となり、前連結会計年度末と比べ112,956千円減少いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が171,308千円、未払法人税等が82,521千円増加したものの、短期借入金が350,000千円減少したことによるものであります。固定負債は281,250千円となり、前連結会計年度末と比べ244,432千円減少いたしました。これは長期借入金が244,432千円減少したことによるものであります。 以上の結果、負債合計は1,919,995千円となり、前連結会計年度末に比べ357,388千円減少いたしました。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産合計は2,604,223千円となり、前連結会計年度末と比べ116,392千円増加いたしました。これは主に自己株式の取得を199,995千円実施したものの、利益剰余金が316,487千円増加したことによるものであります。 ② 経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の拡大もあり景気の緩やかな回復の動きがみられたものの、食料品など物価上昇が個人消費の重しとなりました。海外経済においては、地政学リスクの高まりや中国経済の減速の他、米国通商政策の不確実性によるグローバル経済の減速懸念など、先行き不透明な状況が続いております。 当社グループが属するコンピューティング業界においては、人工知能(AI)技術の進展によりデジタルトランスフォーメーション(DX)が加速し、少子高齢化など様々な社会課題を解決すべく、コンピューティング技術のより一層の活用が求められております。科学技術計算など研究分野で活用されている他、さまざまな産業用途で活用されており、引き続き市場規模の拡大が見込まれております。 このような環境において当社グループは、「スーパーコンピュータからエッジコンピュータ」まで網羅するコンピューティングソリューションを提供することで、顧客の様々な要望に応えるべく最適なシステムをワンストップで提供できる体制を構築しております。事業部間で異なるコンピューティング分野の連携強化に努め、差別化を図り、競争優位性の向上に取り組んでおります。 当社グループが重視している人財面については、人的資本に関する基本的な考え方として「人財グランドデザイン」を策定し、戦略的に技術系人財の充実に努め、多様な技術系人財を集結し、高度化する顧客の課題や要望に対する製品・サービスを提供する体制を構築しております。強みである大学公官庁や民間企業など幅広い顧客基盤に対して、高付加価値の製品・サービスを提供することで、さらなる収益力強化を図っております。又、グローバル戦略として海外向けソフトウエアライセンスビジネスの強化に取り組み、国内市場中心のビジネスモデルから海外事業の基盤強化を進めております。一方、円安進行による輸入コストの上昇、米国通商政策の不確実性の高まりによる電子部品のサプライチェーン混乱懸念などマイナスの外部要因はありますが、「人とコンピューティングの力で世界平和に貢献する」という経営理念のもと、新たに「中期経営計画 Vision2027」を策定し企業価値の向上に取り組んでおります。 以上の結果、当連結会計年度の売上高は7,064,432千円(前年同期比1.7%増)、営業利益636,243千円(前年同期比49.4%増)、経常利益644,129千円(前年同期比51.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益423,852千円(前年同期比41.7%増)となりました。 セグメントの業績は、次のとおりであります。 (HPC事業) 大学等公的研究機関向けは堅調に推移したものの、民間企業向けが低調に推移し、前年にあったベトナム現地法人による大型案件の反動減もあり、売上高は前年同期比で減少しました。円安による輸入コストは増加傾向にあるものの、案件毎に採算管理を徹底し、一定の利益率を確保することで採算が改善しました。人財採用が一服したこと、及び営業経費等販売管理費の抑制に努めたことで、セグメント利益は前年同期比で増加となりました。 以上の結果、HPC事業の売上高は4,568,789千円(前年同期比3.4%減)、セグメント利益は459,636千円(前年同期比33.1%増)となりました。 (CTO事業) 継続顧客向け、新規顧客向けともに好調に推移したことで、売上高は前年同期比で増加となりました。一部の継続顧客においてコスト削減要求により採算悪化したものの、その他の顧客向けで利益確保に努めたことで、利益率は若干改善しました。売上増加と営業経費の抑制に努め販売管理費が前年同期に対して減少したこともあり、セグメント利益は前年同期比で増加となりました。 以上の結果、CTO事業の売上高は2,495,643千円(前年同期比12.5%増)、セグメント利益は176,606千円(前年同期比118.7%増)となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益や売上債権の減少等により、前連結会計年度末に比べ237,708千円増加し、1,970,239千円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が644,889千円、売上債権の減少による収入326,193千円、仕入債務の増加による収入171,299千円、棚卸資産の減少による収入151,749千円等により、1,336,982千円の収入となり、前連結会計年度に比べ2,738,595千円減少しました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出38,590千円、定期預金の増加による支出9,687千円等により55,205千円の支出となり、前連結会計年度に比べ46,543千円減少しました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金及び長期借入金の返済による支出932,228千円、自己株式の取得による支出199,995千円等により、1,038,322千円の支出となり、前連結会計年度に比べ2,324,850千円増加しました。 ④ 生産、受注及び販売の実績 a.生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   生産高(台)   前年同期比(%) CTO事業   7,445   △6.4 合計   7,445   △6.4 (注) HPC事業については生産を行っておりませんので、該当事項はございません。 b.受注実績 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   受注高(千円)   前年同期比(%)   受注残高(千円)   前年同期比(%) HPC事業   4,218,866   △6.7   ―   ― CTO事業   2,729,305   28.4   ―   ― 合計   6,948,172   4.5   ―   ― (注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。 2.受注残高については、システムによる集計が困難のため、記載を省略しております。 C.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   販売高(千円)   前年同期比(%) HPC事業   4,568,789   △3.4 CTO事業   2,495,643   12.5 合計   7,064,432   1.7 (注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。 2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10以上の相手先がないため記載を省略しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者により会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 (棚卸資産(原材料)の評価) 当社グループの連結貸借対照表において、「原材料及び貯蔵品」584,511千円計上しており、そのうち原材料は581,664千円で総資産の12.9%を占めております。これは製品の製造に必要な部品について、勘定科目上「原材料」として計上しております。(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項(1)重要な資産の評価基準及び評価方法 ③棚卸資産に記載のとおり、原価法(連結貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しております。 製品の受注見込みに基づいて一定数量の原材料を調達することを原則としておりますが、急激な原材料価格の高騰や供給不足等に備えて先行して調達することもあります。当該原材料については、技術革新により陳腐化する可能性や滞留により収益性が低下する可能性があります。これらの不確実性に対し連結貸借対照表価額を正味売却価額まで切り下げる方法に代えて、原材料の更新サイクルに係る仮定による社内ルールに基づき一定の保有期間を超える場合、規則的に帳簿価額を切り下げる方法により、収益性の低下の事実を適切に連結貸借対照表に反映しております。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当連結会計年度の経営成績等については、HPC事業で民間企業向け売上が低調に推移した他、海外大口案件の反動減がありましたが、CTO事業で継続、新規顧客向けともに好調に推移したことで増収を確保しました。米国の関税政策の行方が見通せず世界景気減速が懸念される他、為替相場の円安傾向が定着し輸入コストが上昇するなど厳しい外部環境ではありましたが、案件管理の徹底と販売管理費の抑制に努めることで利益の確保に努めました。 HPC事業においては、民間企業向けが低調だった他、前年のベトナム現地法人による海外案件の反動減もあり減収となったものの、案件管理の徹底により利益率が改善し、増益を達成することができました。CTO事業においては、新規顧客向け、継続顧客向けともに売上が好調に推移したことで増益となりました。 連結財務諸表ベースでの売上高は7,064,432千円、販売費及び一般管理費が1,466,864千円となり、営業利益は636,243千円となりました。 経常利益は、銀行借入に伴う支払利息(8,741千円)、自社株購入時の支払手数料(845千円)を計上したものの、円安進行により外貨建資産の評価益による為替差益(9,764千円)や手元資金増加と金利上昇により受取利息(4,146千円)を計上したこともあり、営業外損益がプラスとなり、644,129千円となりました。 親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税等の計上(221,036千円)により423,852千円となりました。 当社グループは売上高成長率と営業利益成長率を重要な経営指標としており、当連結会計年度の売上高成長率は、前連結会計年度に対し1.7%のプラス成長となりました。一方、営業利益成長率につきましては、49.4%の大幅なプラス成長となりました。売上高は海外大口案件の反動等もあり、小幅な伸びとなったものの、営業利益率は案件毎の管理を徹底したことで利益率が改善した他、販売管理費の抑制に努めたことで、大幅なプラス成長を達成することができました。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、内部留保の積み上げによる自己資金拡充の他、金融機関からの借入れによる資金調達を基本としております。成長に伴う運転資金の増加や株式配当及び自社株購入等の資本政策に対する資金需要に対しては、自己資金に加えて中長期の借入れにより資金調達を実施し、季節的な変動に伴う短期的な資金需要に対しては機動的に当座貸越を実行して資金調達を行うことを基本としております。 当連結会計年度末における借入金の残高は、525,682千円となっております。当連結会計年度は新規の長期借入を実行せず、借入金の返済が進んだことで借入金残高は減少となりました。 季節的な変動に伴う資金需要に機動的に対応する為、取引先金融機関5行と当座貸越契約を締結しております。当座貸越枠の合計は1,250,000千円であり、大口案件を受注するなどで運転資金が急増する場合でも、迅速に資金確保ができる体制となっております。

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開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP

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