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超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,980.73+214ドル円158.84-1NASDAQ26,208.82+109S&P 5007,666.58+35SOX 指数11,332.81+449/2終値

エブレン

EBRAINS,INC.6599 · Standard · 電気機器

産業用コンピュータの設計・製造に特化したメーカー。社会インフラや産業機器に組み込まれるバックプレーンやボードコンピュータを供給。

概要

エブレンは、産業用コンピュータの基幹部品であるバックプレーンやボードコンピュータの設計・製造を専門とする企業である。東京都八王子市に本社を置き、中国蘇州に子会社を持つ。2026年3月期の連結売上高は約40億円、従業員106名。産業インフラや社会インフラに組み込まれるコンピュータを手がけ、通信・医療・半導体製造装置・交通など幅広い分野に製品を供給している。

バックプレーンを中核とした事業構成

エブレンの主力製品はバックプレーンである。これはCPUボードやI/Oボードなど複数の回路基板を相互に接続し、信号伝送と電力供給を行うユニットで、産業用コンピュータの「脊髄」に例えられる。顧客の要求に合わせたカスタム品が中心だが、VMEなど標準規格準拠品も販売する。バックプレーン単体だけでなく、電源やファンを組み込んだシステムラックや、コンピュータ・プラットフォーム全体の受託設計・製造も行う。年々、完成品に近いユニット供給の需要が増加している。

5分野にわたる応用市場

売上は応用分野別に5つに区分される。計測・制御分野(半導体製造装置、FA機器)が最大で、2026年3月期は売上構成比57.3%を占めた。次いで交通関連(鉄道信号、ITS)19.0%、電子応用(医療機器、HPC)8.1%、防衛・その他8.6%、通信・放送6.9%と続く。AIサーバー投資拡大に伴う電力関連案件の増加や、防衛分野の新規成約が成長を牽引する一方、半導体製造装置分野では設備投資延期の影響を受けている。

日本・中国の2拠点体制

エブレンは単一セグメントの企業だが、連結子会社として中国江蘇省蘇州市に蘇州惠普聯電子有限公司を持つ。2002年に設立されたこの現地法人は、製造・販売および部材調達の拠点として機能する。日本国内の本社・八王子事業所に加え、大阪事業所と上野事業所(旧タンバック)を有する。グループ全体で部材を相互融通し、スケールメリットと安価で高品質な調達を実現している。

堅調な収益構造と財務基盤

2026年3月期の連結売上高は39.93億円(前期比0.8%減)だが、営業利益は5.30億円(同14.2%増)と増益を達成した。価格転嫁の進展が利益を押し上げた。純資産は51.04億円で自己資本比率は高い。現金同等物は20.65億円と潤沢で、さらに余剰資金の一部を長期性預金に振り替えている。従業員106名という小規模ながら、利益率の高いビジネスモデルを維持している。

業界の中での役割は産業用電子機器・コンピュータの設計・製造を担うOEM/ODMサプライヤー。にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
40億円
営業利益
5億円
営業利益率
12.5%
純利益
4億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01計測・制御主力

半導体製造装置、半導体測定器(テスタ)、FA機器、ロボットなどに使用されるコンピュータを供給。特に高品質・高信頼性が要求される分野。

主な製品・サービス2
バックプレーン
各種ボードを接続する基板。高信頼性が求められる産業機器に使用。
ボードコンピュータ
CPUボードやI/Oボードなどの回路基板。計測・制御機器の頭脳として機能。

02通信・放送準主力

基地局通信装置、ブロードバンド関連装置(光ネットワーク)、放送映像装置などに使用される産業用コンピュータを供給。

主な製品・サービス2
バックプレーン
各種回路基板を接続し信号伝送と電力供給を実現する基板。産業用電子機器に広く使用される。
ボードコンピュータ
CPUボードやI/Oボードなど、コンピュータの機能を実現する回路基板。

03電子応用準主力

医療機器(CT、MRI、超音波診断装置等)、HPC(スーパーコンピュータ)、サーバーなどに使用されるコンピュータ機器を供給。

主な製品・サービス1
システムラック
ボードコンピュータを収納する筐体。電源やファンを内蔵し、完成品として納入も可能。

04交通関連準主力

ITS(高度道路交通システム)、列車搭載装置、車両・船舶・航空機搭載装置などに使用される産業用コンピュータを供給。

主な製品・サービス1
バックプレーン
各種ボードを接続する基板。過酷な環境下での動作が要求される交通システムに使用。

05防衛・その他副次

軍用車両・船舶・航空機搭載装置、監視カメラシステム、組立機械・装置などに使用される産業用コンピュータを供給。

主な製品・サービス1
コンピュータシャーシ
産業用コンピュータを収納する筐体。防塵・放熱など過酷な環境に対応。

製品と技術

バックプレーンとシステムラック

エブレンの核心製品はバックプレーンである。顧客仕様に合わせたカスタム設計が多く、日本を代表する大手電子機器メーカーや機械メーカーに納入される。バックプレーンを筐体に組み込み、電源やファン、配線を施したシステムラックも提供する。同社は自社開発のプレスフィットマシンEPM566を用いてコネクタを自動圧着し、高品質と短納期を実現している。バックプレーン単体から完成品まで、顧客の求める構成レベルで供給できる点が強みである。

ボードコンピュータとSoM製品

システムソリューション事業部が担当するボードコンピュータは、CPUや記憶装置、入出力回路を1枚の基板に集約した製品である。2017年にIoT用CPUボード、2018年にZYNQ SoMボード(System on Module)、2020年にRaspberry Pi Edge Computerを製品化した。これらは半導体製造装置や医療機器のほか、エッジコンピューティング分野で使用される。顧客がCPU開発に専念できるよう、周辺回路設計からボード完成までを請け負う。

自社開発の生産・検査設備

エブレンは製品の生産工程で使用する自動組立装置や検査装置を内製している。代表的なものはプレスフィットマシンEPM566で、様々なサイズや厚さのプリント基板とコネクタに対応する。バックボードテスターEBC802はバックプレーンの電気検査を行う装置である。これらの自社開発設備により、多品種少量生産への柔軟な対応と品質の安定化を実現している。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

電気機器のなかでの位置

電子部品製造の中小企業、安定経営ながら規模やや小

当社は電子部品の製造・販売を手掛ける企業で、売上高は約40億円と一定の水準を維持。営業利益率は12.5%と安定した収益力を示す。同業のキオクシアホールディングスやイビデンは半導体関連で大規模な事業を展開しており、当社は規模で大きく劣る。電子部品業界は需要変動の影響を受けやすいが、当社は堅実な経営で収益を維持している。

強み

  • 営業利益率12.5%と安定した利益率を維持し、収益基盤が強固。
  • 過去3期連続で売上高40億円と安定した売上を確保している。
  • 特定の電子部品に特化することで、競争力を発揮している可能性がある。
  • 中小規模ながら安定した収益を上げ、財務健全性が高いと推測される。

課題

  • 3期連続で売上高40億円と横ばいであり、成長性に課題。
  • キオクシアなど大手に対し、規模・技術力で劣る。
  • 電子部品市場は需要変動が激しく、業績に影響を与える可能性。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

電気機器の時価総額近傍。太字がエブレン

時価総額で並べると、掲載11社のなかで5番目にあたる。

#企業時価総額PER
16778アルチザネットワークス65億円33.2倍
26964サンコー63億円10.2倍
36699ダイヤモンドエレクトリックホールディングス60億円25.9倍
46837京写54億円68.6倍
56599エブレン51億円13.9倍
66612バルミューダ51億円
76771池上通信機49億円11.5倍
86757OSGコーポレーション48億円42.8倍
93856Abalance48億円0.6倍
106943NKKスイッチズ48億円15.8倍
116647森尾電機48億円6.9倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 25件

産業用コンピュータ専門メーカーとしての創業

1973年10月、産業用コンピュータ機器の設計・製造を目的に東京都中野区東中野で設立された。当時はパソコン普及前で、産業用コンピュータは社会インフラや産業インフラに組み込まれる頭脳として成長市場だった。1977年に本社を中野区中央に移転し、1980年には八王子事業所を開設。1985年には入間事業所を設け、生産能力を拡大した。

VMEバックプレーン開発と本社移転

1986年2月、VME規格のバックプレーンとバスラックを開発・販売開始した。これがエブレンのコア技術となる。同年7月、本社を八王子事業所に移転。1987年にはバックボードテスターEBC802を開発し、品質検査の自動化を進めた。1994年にはプレスフィットマシンEPM566を開発。これはコネクタを自動圧着する装置で、以降自社生産設備の中核となる。

品質認証取得と中国進出

2000年9月にISO-9001認証を取得し、品質管理体制を整備。2001年3月には大阪事業所を開設し、西日本での営業拠点とした。2002年9月、事業拡大のため中華人民共和国江蘇省蘇州市に現地法人蘇州惠普聯電子有限公司を設立し、生産を開始した。2004年にはISO-14001認証も取得し、環境マネジメントにも対応。中国拠点はその後も生産・調達の重要拠点として機能する。

子会社タンバックの統合とシステムソリューション強化

2011年6月、株式会社タンバックを連結子会社化。タンバックはシステムソリューション事業を有しており、ボードコンピュータの開発設計能力を補強した。2015年4月にはタンバックを吸収合併し、システムソリューション事業部(上野事業所)として一体化。2016年2月に上野事業所を荒川区東日暮里に移転し、開発体制を強化した。これによりバックプレーンからボードコンピュータまで一貫した受託が可能となった。

IoT・エッジコンピューティングへの展開

2014年6月、スーパーコンピュータ用メニーコアプロセッサの周辺回路設計を開始。2017年5月にはIoT用CPUボード、2018年2月にはZYNQ SoMボード、2020年7月にはRaspberry Pi Edge Computerを相次いで開発・販売した。これらは1枚のボードで動作する小型コンピュータで、IoTやエッジコンピューティング分野の需要を取り込むための製品群である。

株式上場とスタンダード市場への移行

2020年6月、東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)に株式を上場。創業から47年での上場となった。2022年4月の市場再編に伴い、JASDAQスタンダードから東証スタンダード市場へ移行した。上場後も売上高は40億円前後で推移し、安定した収益を計上している。2026年3月期は増益を達成し、経営基盤の強化を進めている。

年表25件を開く

1970年代

  • 1973年10月創業産業用コンピュータ機器の設計・製造を目的として、東京都中野区東中野にて当社設立
  • 1977年4月業容拡大のため、本社を東京都中野区中央に移転

1980年代

  • 1980年3月東京都八王子市小宮町に八王子事業所を開設
  • 1985年10月埼玉県入間市寺竹に入間事業所を開設
  • 1986年2月VME規格のバックプレーン、バスラックを開発し、販売を開始
  • 1986年7月本社を東京都中野区中央から八王子事業所に移転
  • 1987年4月バックボードテスターEBC802を開発し、運用を開始

1990年代

  • 1994年4月プレスフィットマシン(バックプレーン組立時にコネクタを自動で圧着する装置。)EPM566を開発し、運用を開始

2000年代

  • 2000年9月ISO-9001(1994)認証を取得
  • 2001年3月大阪府吹田市東御旅町に大阪事業所を開設
  • 2002年9月事業拡大のため、中華人民共和国江蘇省蘇州市に現地法人子会社蘇州惠普聯電子有限公司を設立し、操業を開始
  • 2004年2月蘇州惠普聯電子有限公司にてISO-9001(2000)認証を取得
  • 2004年6月本社及び国内各事業所にてISO-14001(1996)認証を取得
  • 2004年8月大阪事業所を大阪府大阪市東淀川区小松に移転
  • 2005年2月蘇州惠普聯電子有限公司にてISO-14001(1996)認証を取得
  • 2005年10月本社及び八王子事業所を東京都八王子市石川町に移転

2010年代

  • 2011年6月事業拡大のため、株式会社タンバックを連結子会社とする
  • 2014年6月スーパーコンピュータ用メニーコアプロセッサの周辺回路設計を開始
  • 2015年4月M&A事業効率化のため、株式会社タンバックを吸収合併し、システムソリューション事業部(上野事業所)とする
  • 2016年2月上野事業所を東京都荒川区東日暮里に移転
  • 2017年5月IoT用CPUボードを開発し、販売を開始
  • 2018年2月ZYNQ SoMボードを開発し、販売を開始

2020年代

  • 2020年6月上場東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)に株式を上場
  • 2020年7月Raspberry Pi Edge Comuputerを開発し、販売を開始
  • 2022年4月東京証券取引所の市場再編に伴い、東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)からスタンダード市場へ移行

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。そのうち2項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 売上高重視する経営指標(具体的数値目標なし)
  • 経常利益重視する経営指標(具体的数値目標なし)

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    ユニット供給拡大による事業ドメイン拡大

    バックプレーンをコアとし、産業用コンピュータの構成レベルを上げたユニット製品(システムラック、コンピュータプラットフォーム等)の受託設計・製造を拡大。顧客の開発期間短縮や技術者不足ニーズに対応。

  2. 02

    コア事業の強化と差別化

    バックプレーン・ボードコンピュータの新製品開発とバリエーション拡充、全プロセスでのコストダウン、品質・納期向上により専業メーカーとしての優位性を確立。中期的な視野で人材補強と設備投資も実施。

  3. 03

    DX・5G・IoTへの対応

    IoT、エッジコンピューティング、5G(ローカル5G含む)の市場拡大を好機と捉え、コンピュータと通信の融合技術に対応した製品・ソリューションを積極的に展開。

  4. 04

    放熱技術の研究開発

    CPUやメモリの発熱に対する放熱技術を重要課題と位置づけ、これまでの熱制御・冷却構造設計の経験を活かして研究を推進。

  5. 05

    中国子会社活用と既存・新規顧客開拓

    中国子会社・蘇州惠普聯電子を中核とし、現地生産・部材調達によるコスト競争力強化と中国・アジア市場開拓。既存顧客との関係強化と展示会等による新規顧客開拓を実施。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 7期分

グループ全体で106人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は491万円で、6期前と比べて+10.8%平均年齢は44.8歳、平均勤続年数は13.1年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2020年3月44343.111.0114
2021年3月45044.011.7111
2022年3月46844.011.9116
2023年3月48445.013.2111
2024年3月51044.613.1116
2025年3月47444.813.4111450
2026年3月49144.813.1106472

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率4.8%
縦線は目安の30%

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社1(国内 1 / 海外 0、うち連結子会社 1) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位5)
本社 — 東京都八王子市662百万円
入間事業所 — 埼玉県入間市187百万円
八王子事業所 — 東京都八王子市5百万円
大阪事業所 — 大阪府大阪市東淀川区2百万円
上野事業所 — 東京都荒川区1百万円
主な関係会社
  • 国内
    蘇州惠普聯電子有限公司
    中華人民共和国 江蘇省蘇州市 · 連結子会社
    議決権100.0%

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は40億円営業利益5億円前期と比べると増収増益で、売上が+0.0%、利益が+0.0%。

売上高
+0.0%
40億円
営業利益
+0.0%
5億円
純利益
+33.3%
4億円
営業利益率
12.5%
前期比 +0.0%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高44億円40億円
営業利益6億円5億円
純利益4億円4億円
1株あたり配当¥58¥58

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は12億円、営業利益は2億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+20.0%、営業利益は+100.0%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q111
2024年1Q10110.01
2024年2Q11218.21
2024年3Q10110.01
2024年4Q90
2025年2Q19210.51
2025年4Q21314.32
2026年2Q19210.52
2026年4Q21314.32
2027年1Q12216.71

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 11期分

2016年3月期からの11期で、売上は24億円から40億円へ1.7倍に増えた。直近期の営業利益率は12.5%。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2016年3月2413
2017年3月2721
2018年3月3643
2019年3月3343
東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)に株式を上場
2020年3月3232
2021年3月3232
2022年3月3953
2023年3月4374
2024年3月4053
2025年3月405512.53
2026年3月405612.54

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高40億円のうち、営業利益として残るのは5億円12.5%。営業外の損益と税金を反映した純利益は4億円、売上の10.0%にあたる。営業利益率は業種中央値6.9%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金77.5%31億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金10.0%4億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益12.5%5億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
22.5%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比+5.6pt
12.5%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+4.1pt
10.0%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比0.6pt
7.4%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
6.3%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
8.3%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 9期分

2026年3月期は営業CFが6億円、投資CFが−10億円で、差し引きのフリーCFは−4億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は21億円で、売上の6.3ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2018年3月001011
2019年3月1−1−109
2020年3月31−1412
2021年3月201214
2022年3月30−1316
2023年3月20−1218
2024年3月500522
2025年3月40−1426
2026年3月6−10−1−421

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 11期分

2026年3月期の総資産は64億円。このうち返さなくてよい自己資本が51億円で、自己資本比率は80.1%(業種中央値61.0%より厚い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2016年3月332310
2017年3月372413
2018年3月42271565.3
2019年3月41291270.8
2020年3月42311173.5
2021年3月46341275.2
2022年3月52381473.1
2023年3月56421474.9
2024年3月57451279.3
2025年3月59481181.1
2026年3月64511380.1

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
22億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
47億円
過去の利益の積み上がり
棚卸資産
2億円
在庫として抱えている分
負債合計
13億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
95
/ 100
安定性自己資本比率40 / 40
収益力営業利益率25 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

電気機器 224社との比較

同じ電気機器の企業と並べると、いちばん上に来るのは自己資本比率224社中36位あたり、逆に低いのは売上成長率224社中167位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
7.4%/中央値 8.0%
P25 4.2%P75 12.1%
営業利益率上位売上のうち本業の利益として残る割合
12.5%/中央値 6.9%
P25 3.5%P75 11.6%
自己資本比率上位総資産のうち返済のいらないお金の割合
80.1%/中央値 61.0%
P25 48.2%P75 76.0%
売上成長率前期からの売上の伸び
0.0%/中央値 4.1%
P25 -0.2%P75 9.4%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
1.7%/中央値 2.4%
P25 1.6%P75 3.3%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥3,345で、1年前と比べて+49.2%過去52週の値幅のなかでは62%の位置にある。

¥3,345-2.9%1ヶ月+11.5%1年+49.2%時価総額51億円
過去52週の値幅
安値¥2,243高値¥4,010

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)13.9倍
PER (会社予想)12.6倍
PBR0.97倍
配当利回り1.73%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は8月12日時点で3335円と、直近1カ月で11.54%上昇。25日移動平均線(3045.96円)を約9.5%上回っており、短期の上昇トレンドが継続している。週足では7月中旬の2906円から3335円へと切り上がり、上向きの週足の傾きが確認できる。52週高値(4010円)には約16.8%の水準に位置し、年初来高値更新を視野に入れた動き。出来高は7月後半に5000株超の日があった一方、8月は変動が大きく、Value株的な買いの持続性には注意が必要。RSIは63.58と買われすぎ圏手前で、過熱感はまだ限定的。200日移動平均線(3029.01円)も上回っており、中長期のトレンドも強気を維持している。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割安と判定しています(スコア 70/100)

PERは13.81倍と同業界平均29.87倍の半分未満、PBRも0.99倍と平均2.11倍を下回ります。ROEは7.4%と平均的な水準ですが、配当利回り1.44%は平均2.28%を下回っており、株主還元はやや控えめです。売上高は横ばいで推移しており、営業利益率は12.5%と高い水準を維持しています。割安ではありますが、成長性に欠けるため、バリュエーションが過度に低いわけではありません。

指標この会社業種平均
PER (実績)13.9倍30.8倍
PER (予想)12.6倍
PBR0.97倍2.58倍
ROE7.4%5.8%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

投資論点は、小規模ながら高い収益性を持続できるかどうか。強気派は、営業利益率12.5%の収益力と、1年間で株価が47.9%上昇した勢いを評価。新製品や拡大で成長が期待できるとみる。弱気派は、売上高が横ばいで規模の拡大がないことを指摘し、成長の限界や特定顧客への依存リスクを懸念。PERは13.4倍で割高感があるかが焦点。

プラスに働く材料7
  • 高い収益性

    営業利益率12.5%と非常に高水準で、利益率の改善傾向。

  • 株価の勢い

    1年間で47.9%上昇。市場の期待が高い。

  • ニッチな強み

    特定分野で技術的優位性があり、競争が少ない。

  • 純利益が3億円→4億円へ増加通年影響

    2026年3月期の純利益は4億円で、2024年3月期の3億円から増加。

  • 営業利益率12.5%と高水準を維持通年影響

    2025年3月期と2026年3月期とも営業利益率12.5%を維持。

  • PBR0.96倍、純資産近辺で下値堅い継続影響

    PBR0.96倍は純資産水準で、株価の下値に安心感。

  • 外国人保有率2.44%と低位、買い余白不定影響

    外資保有率2.44%は低く、新規資金の流入余地。

マイナスに働く材料7
  • 売上の停滞

    売上高は過去3年横ばいで、成長が見られない。

  • 顧客集中リスク

    特定の大口顧客への依存で需要変動に弱い。

  • PERの割高感

    PER13.4倍は小規模企業としては割高。成長が織り込まれている。

  • 売上高が40億円で3期横ばい通年影響

    2024年3月期から2026年3月期まで売上高は40億円で変わらない。

  • 配当利回り1.48%と低水準通年影響

    配当利回り1.48%は低く、インカム目的の買いは限定的。

  • 株価1年で47.87%上昇、反動安リスク不定影響

    1年上昇率47.87%は高く、利益確定売りが出やすい。

  • 時価総額50億円の極小型株、需給不安定不定影響

    時価総額50億円と極めて小さく、売買高が少ない。

次の決算で確かめる点
売上高推移
成長性の鍵。横ばいが続くか拡大に転じるか。
主要顧客の売上構成
依存度を監視しリスクを評価。
新製品の投入状況
将来の成長の源になるか確認。

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり58で、前期から+20.0%いまの株価に対する利回りは1.73%。増配か配当維持が4年続いている。

年間配当
¥58
1株あたり
配当利回り
1.73%
いまの株価に対して
配当性向
19.6%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
4年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2022年3月2210.5
2023年3月2722.710.3
2024年3月3840.718.6
2025年3月405.319.8
2026年3月4820.019.6

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥58

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ1,196人。区分でいちばん多いのは個人・その他72.7%。グループ会社や銀行などの安定株主が22.2%を占め、残る77.8%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
個人・その他77.974.675.074.771.872.7
事業法人19.318.818.921.924.922.2
証券会社1.92.52.31.92.72.6
外国法人0.52.12.61.00.62.4
自己株式1.81.81.81.81.81.8
金融機関0.41.91.20.50.00.1
外国人個人0.00.00.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位11

順位株主持ち株比率 %
01上村 正人32.60
02カーム有限会社16.28
03光通信KK投資事業有限責任組合4.58
04小林 寛子3.91
05熊谷 尚登2.47
06株式会社エフティグループ2.23
07エブレン社員持株会2.09
08菊水ホールディングス株式会社1.95
09上村 和人1.53
10上村 宏子1.53
11上村 愛1.53

有価証券報告書の大株主の状況から、上位11者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 11期分

1株利益は11期で+19%、1株純資産は11期で+108%。直近期のROEは7.4%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2016年3月2041,62913.33.7
2017年3月1041,7286.29.6
2018年3月1811,9369.85.6
2019年3月1862,1279.35.6
2020年3月1472,2606.711.0
2021年3月1362,2856.122.713.8
2022年3月2292,5139.510.210.5
2023年3月2822,78110.79.110.3
2024年3月2202,9847.611.218.6
2025年3月2083,1726.711.119.8
2026年3月2423,3837.414.619.6

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

9名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は9名。2026/3期の役員報酬は総額66百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約2倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
上村正人代表取締役 社長81500,700
清水旬取締役 営業本部長5710,300
上村和人取締役 経営企画部長55273,500
田中猛取締役 管理部長606,400
仲山典邦取締役 事業本部長66
青柳伸幸取締役61
伊沢雅夫常勤監査役74
鈴木秀孝監査役77
徳永博久監査役54

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円業績連動百万円退職慰労百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)53310105311
社外取締役37172
監査役16166

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容3,788字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 高度にネットワーク化され情報化されつつある現代社会において、私たちは非常に多くのパソコンやパッド等のコンピュータを家庭や職場で日常的に目にしています。 何をするにもパソコンを活用し、どこへ行ってもコンピュータが存在する現代はコンピュータ社会とも呼ばれますが、実は私たちが日常的に目にしているたくさんのパソコンは、コンピュータが活用されているフィールド全体から見れば限定的な一部であり、それを凌ぐ規模のコンピュータが私たちの見えない所で稼動しています。 それは、人々の利便性や安全・快適で豊かな生活を実現するための社会インフラや、経済活動や生産活動に関わる産業インフラに組込まれている産業用コンピュータです。 社会インフラの具体例としては、電気・ガス・水道等のライフラインを始め、交通・医療・通信・放送・セキュリティーから防衛に至る広範囲に及び、産業インフラとしては、情報・金融・物流・生産等に関わる各種システムや装置があります。これらシステムには例外なくコンピュータが組込まれていて、装置全体の活動を制御する頭脳的役割を担っています。 当社グループは、これらのインフラシステムに使用される組込型コンピュータ(産業用コンピュータ)及びその周辺製品を事業の対象領域として捉え、当社グループが保有する技術力と生産力を全分野横断的に提供することを営業の基本として、これらに特化した製品の設計と製造を一筋に継続してきました。 この間において、コンピュータの世界は半導体集積回路の技術革新と相まってコストパフォーマンスが向上し、その活用領域が飛躍的に拡大しました。 また、当社グループ製品の顧客である大手システムメーカー(産業用電子機器メーカーや機械装置メーカー等。)の多くが、「選択と集中」を標榜した得意分野へのリソース重点配分政策を推進してきた結果、当社グループのような専門メーカーが果たす役割も重要視されるようになり、我々が活躍するチャンスも拡大の一途にあると考えております。 当社グループが設計・製造する製品は、従来から通信・医療・交通・半導体製造装置・FA機器(注1)・計測装置・セキュリティー等のシステムに組込まれるコンピュータが中心ですが、これらの分野に加えて、最近ではIoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)、HPC(スーパーコンピュータ)、及びエッジコンピューティング(注2)分野のコンピュータハードウェアの開発案件も増加しております。 コンピュータ産業を構成する技術領域は極めて広く、当社グループが提供できる専門領域はコンピュータの世界全体から見れば極めて限定的ではありますが、この領域については突出した技術サービスと、良質な製品づくりを通してコンピュータ産業の発展に寄与し、当社グループの顧客を始めとしたステークホルダーに対する使命と責任を果たしていきたいと考えております。 (注1) コンピュータ制御技術を用いて工場を自動化するための機器 (注2) 膨大なデータを処理するクラウドサーバーの負荷を軽減するために、データの発生源に近いところで情報を 収集し、クラウドへ送る前に情報処理を実行する考え方 当社グループは、当社(エブレン株式会社)及び連結子会社1社(蘇州惠普聯電子有限公司)により構成されており、産業用電子機器や工業用コンピュータに使用されるバックプレーン、システムラックやコンピュータシャーシ(以下「ラック」(注3)と記載。)、及びボードコンピュータ(注4)を含むその他周辺機器等の設計・製造・販売を行っております。 バックプレーンとは、CPUボード(注5)やI/Oボード(注6)等の各種回路基板(ボードコンピュータ)を相互に接続して信号伝送を行う回路及びこれら基板に電力を供給する回路を備え、これら基板の着脱をコネクタを介して自在に接続できるようにしたユニットのことを言います。バックプレーンはこれら回路基板間の全ての信号を統合し、コンピュータとしての基本機能を実現するためのハードウェアであり、人体に例えるなら、全身の神経を統合している脊髄のような役割を果たしています。 (注3) ボードコンピュータを挿入して使用する筐体(箱) (注4) CPUボードやI/Oボード等を総称した名称 (注5) 計算やプログラムを実行するもので、コンピュータの頭脳に相当する部分 (注6) コンピュータにつながれた入出力機器を制御する部分 (図)バックプレーン、ラック、ボードコンピュータの模式図 バックプレーンには各種の規格が制定されており、当社グループではそれらの規格に準拠した標準製品も販売しておりますが、顧客である電子機器メーカーや機械装置メーカーの製造する最終製品は多岐にわたり、その要求仕様も異なるため、顧客独自の仕様に合わせて設計したカスタム製品(標準品を部分的に変更し又は独自の仕様で設計して顧客の要求に合わせた製品。)の販売が中心となっております。また、バックプレーン単体ばかりでなく、顧客の要求に合わせて製造したラックに組込み、電源ユニットやファン等を取付け、配線等を施した上で、コンピュータ本体として完成した製品の販売も行っております。 バックプレーン及びラックは電子機器本体(筐体)に固定的に組込まれるため交換することが容易ではなく、かつシステムダウンの許されない社会インフラを支える電子機器に応用されることが多いため、極めて高い品質レベルを要求されております。加えて産業用コンピュータの設計・製造は新製品開発と密接に関わるため、大手システムメーカーは自社内で生産するか、当社グループのような独立系メーカーに委託することとなります。 また、多品種少量・変種生産を常とする産業用コンピュータの生産においては、これに柔軟に対応する生産体制が求められます。 当社グループでは各種のコネクタ、及び様々なサイズや厚さのプリント基板に対応できるようにした自動組立装置(プレスフィットマシン)並びに検査装置(電気検査機)を自社で設計、開発し生産に使用しております。 ボードコンピュータは、用途によりバックプレーンに接続して複数のボードコンピュータと一緒に動作を行うもののほか、1枚のボードコンピュータのみで動作するものがあります。バックプレーンを使用するボードコンピュータは半導体製造装置や鉄道車両等、比較的大規模なシステムに使用される一方、1枚のボードコンピュータのみで動作するものは、IoTやエッジコンピューティングの分野等、比較的小規模な分野で使用します。CPUだけではコンピュータとして成り立たず、コンピュータとして動作させるためにはCPUのほかに記憶装置、入出力装置、通信装置等を回路基板に組込む必要があります。このようなケースにおいて、顧客はCPUの開発に専念し、ボードコンピュータとして動作させることは当社グループが行うケースが増えております。当社グループは、従来のバックプレーンを使用するボードコンピュータの製品開発で培った技術力、開発力を駆使し、IoTやエッジコンピューティング等、時代の流れに沿って様々なニーズに応じたサービスを提供しております。 産業用電子機器では、保守性、拡張性、汎用性等の利点から、回路基板を自由に抜き差しできるバックプレーン方式が一般的に採用されているため、その応用分野は産業用電子機器業界全般にわたっております。また、ボードコンピュータにおいても同様に業界全般で使用されております。当社グループでは、これら産業用・工業用コンピュータのボード、バックプレーン、バスラック(注7)、システムシャーシ等の設計・製造・販売を行っており、単一セグメントであるため、応用分野別に集計を行っております。主な適用機器を分野別に分類すると次のとおりであります。 (注7)バックプレーンが組込まれた筐体 応用分野   主な適用機器 通信・放送   基地局通信装置、ブロードバンド関連装置(光ネットワーク関連装置)、放送映像装置、電力関連、プラント等 電子応用   医療機器(CTスキャナー、MRI、超音波診断装置、血液分析装置等)、HPC(スーパーコンピュータ)、サーバー等 計測・制御   半導体製造装置、半導体・IC測定器(ロジックICテスタ、メモリICテスタ、ボードテスタ)、FA機器、ロボット等 交通関連   高度道路交通システム関連装置(ITS)、列車搭載装置、車両・船舶・航空機搭載装置、航空管制装置等 防衛・その他   軍用車両・船舶・航空機等搭載装置、監視カメラシステム、組立機械・装置等 当社グループの事業系統として、当社は海外の仕入先から部材を仕入れるとともに、連結子会社である蘇州惠普聯電子有限公司との間で相互に部材を融通しております。このことにより、仕入の際のスケールメリットの享受や、安くて高品質な部材の調達を可能にしております。また、当社においては組立て等の製造工程の一部を外注先に依頼しております。さらに、蘇州惠普聯電子有限公司から日本国内の顧客に販売することがありますが、その際は当社経由での販売となります。 事業の系統図は、次のとおりであります。
経営方針・対処すべき課題5,500字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社経営の基本方針 当社グループは、エレクトロニクス分野における頭脳、知力の集団となることを目標とし、最高のソリューションを提供することのできるブレインでありたいとの社名に込めた思いで、事業の拡大に取組んでまいりました。 日本を代表する大手電子機器メーカー、機械メーカー等との取引を継続することができたのは、この経営目標を着実に実行してきた結果として当社グループの技術力が認められ、顧客の信頼を勝ち得てきたことによるものと認識しております。特にバックプレーンに関する新規格の発表を注視し、新規格に準拠したバックプレーンの商品化を早期に推進するとともに、自社製プレスフィットマシンを用いて高品質なバックプレーンを短納期で顧客に提供することにより評価を得ていると判断しております。 当社グループは、設立以来バックプレーンをベースにおいたビジネス展開を行ってまいりましたが、ボードコンピュータの開発設計を行うシステムソリューション事業部の機能や、中国蘇州市にある子会社の製造・販売及び部材調達拠点としての機能を最大限に活用し、従来以上に顧客の幅広いニーズにお応えしていく所存であります。 (2) 目標とする経営指標 当社グループは、売上高及び経常利益を重視する経営指標としております。これらを実現するために、営業体制の強化に加え、技術的研究開発、生産体制再整備等への投資を行うとともに、目標を有効・効率的かつ適正に達成するための内部統制の強化を図り、業務に励んでまいります。 (3) 経営環境 当社グループが設計・製造する製品は、通信・医療・交通・半導体製造装置・FA機器・計測装置・セキュリティー等のシステムに組込まれるコンピュータのほか、IoTやAI分野の開発案件も増加してきております。 半導体関連について、一般社団法人日本半導体製造装置協会(SEAJ)「2026年1月発表 半導体・FPD製造装置 需要予測 (2025年度~2027年度)」によると、2026年度の日本製半導体製造装置販売高は前年度比12.0%増、2027年度は2.0%増と予測しています。さらに、世界半導体市場統計(WSTS)「2025年秋季半導体市場予測について」(2025年12月2日発表)によると、世界の半導体市場動向は、データセンター投資の継続に加え、メモリ製品とロジック製品の高成長や、AI機能搭載端末の増加等、裾野の広がりが半導体需要拡大にも寄与すると見込まれる等、2026年は前年度比26.3%増とさらなる市場拡大を予測しています。 (4) 中長期的な会社の経営戦略 (a) ユニット供給の拡大 バックプレーンの開発、製造をコアとして事業を展開し、拡大していくという基本方針は今後とも不変でありますが、より一段の飛躍のためにはバックプレーンをコアにして、事業ドメインを拡大していくことが不可欠であると考えております。この観点から中期的な戦略目標として、「ユニット供給を中心に受託範囲を拡げることにより事業ドメインの拡大を目指す」ことを掲げております。 バックプレーンは産業用コンピュータを構成する基幹部品の一つでありますが、前述のとおりその全てではありません。産業用コンピュータはバックプレーンに電源やファン等の周辺デバイス、ボードコンピュータ等を接続し、シャーシに納めて初めて作動可能な状態となります。当社グループの顧客である電子機器メーカーは、従来は設計・購買・生産・検査・出荷等の全てのプロセスを自社で完結していましたが、最近では人材等、限られた経営資源の有効活用と製品開発期間の短縮及びコスト低減を目指し、顧客側で必要とされる構成レベルの部材を、ユニット製品として調達することが一般的となってきました。 当社グループが事業対象としている産業用コンピュータを構成レベル順に分類すると以下のとおりです。 ① バックプレーン(回路基板を相互接続して電子回路全体を統合するユニット。) ② サブラック又はシャーシ(コンピュータの構成部品を収納するためのユニット。使用される環境によって、 ラック型のものと箱型のものがある。) ③ バスラック(バックプレーンが組込まれたラック・ユニット。) ④ システムラック(バスラックに電源やファン等を組込んで結線されたユニット。) ⑤ コンピュータ・プラットフォーム(コンピュータ本体内部にCPU回路を備え、顧客の目的に応じて I/Oボードやメモリーボード(注1)を実装して使用できるハードウェア・プラットフォーム。バックプ レーンに代えてCPUを搭載したマザーボード(注2)又はキャリア・ボード(注3)を採用する製品もある。) 当社グループでは顧客のニーズに合わせて、バックプレーン単体を販売する場合もあれば、システムラック又はコンピュータ・プラットフォーム全体をご提供する場合もあります。当社グループはどのレベルであっても受託設計・受託生産が可能ですが、年々構成レベルの高い(完成品に近い。)製品に対する需要が増加する傾向にあります。 この背景としては、顧客の製品開発期間短縮ニーズや技術者不足によるものと考えられますが、当社グループでは顧客が本来の研究開発活動にリソースを集中していただけるよう、受託設計・製造能力の向上に努め、顧客の多様なニーズに応えられる体制を拡充してまいります。 (注1) メモリ(記憶媒体)を増やすための基板 (注2) コンピュータの主機能を担う部品が装着された基板 (注3) CPU(中央演算処理装置)以外のコンピュータの主機能を担う部品が装着された基板 (b) コア事業の強化 当社グループは産業用コンピュータに使用されるバックプレーンの開発・製造をコアとして事業を拡大してきました。近年では事業拡大の一つとしてCPUの周辺回路設計を中心としたボードコンピュータの開発・製造も行っております。このコア事業に関しては以下のような施策をもってより一層の強化を図り、他社との差別化を進め、専業メーカーとしての当社グループの優位性を確固たるものにしていく計画であります。また、施策を実現していくために中期的な視野に立った人材補強と設備投資を積極的に実施します。 ①新製品の開発とバリエーションの拡充 各種バックプレーン、ブリッジボード(ボードコンピュータを挿入する数を増やすためのボード。)、標準シャーシ、FANアラームボード(ファンの停止を検知してアラーム信号を出すボード。)等、新製品の開発とバリエーションの拡充を引き続き実施してまいります。また、IoTでの利用に適した組込み向けCPUを使用したボードコンピュータの開発等、ボードコンピュータのバリエーション拡充にも努めてまいります。 ②コストダウン 顧客のコスト低減要求に応え、コストダウンを図っていくことはメーカーに共通する課題であります。 当社におきましても購買、生産管理、設計、製造、検査等の各プロセスにおいて効率向上、能力アップを図り、コスト削減に向けた努力を続けてまいります。また、中国子会社・蘇州惠普聯電子有限公司の活用もコスト削減に向けた方策の一つと位置付けております。 さらに、品質の向上、納期の厳守・短縮化にも努め、クオリティ、コスト、デリバリー全ての面で顧客満足度の向上に努めてまいります。 (c) DX、5G、IoT等への対応 各種機器がインターネットを介して通信を行うIoTが急速に拡大しつつあります。ビッグデータとAIの活用に伴う膨大なデータを収容するクラウドサーバーの負荷を軽減するために、データの発生源に近いところで情報を収集し、クラウドへ送る前に情報処理を実行する考え方(エッジコンピューティング)も注目されています。モバイル通信は第5世代移動通信システム(5G)への移行が始まり、自動車等の自動運転や医療分野への応用が期待されています。さらに、5Gの通信技術を特定の対象やエリアに応用するローカル5Gが我々の生活に新たなソリューションを提供します。コンピュータと通信の技術の融合によって実現される新たな社会に向けたこの趨勢は、当社グループにとって絶好のチャンスであり、今後とも積極的に対応していく方針です。 (d) 放熱技術 コンピュータの高速化に伴い、CPUやメモリ等の半導体集積回路部品の発熱をどのように食い止めるかが重要な技術的課題となっています。当社グループはこれまでの産業用コンピュータやHPCの熱制御技術、冷却構造の設計経験を踏まえ、今後電子回路の放熱技術が重要な課題になると判断し、放熱技術をテーマとして研究に取組んでおります。 (e) コストダウンと中国子会社の活用 2002年に設立した中国子会社・蘇州惠普聯電子有限公司は、発展する中国市場や中国進出した日系電気・電子機器メーカーの製品需要を取込むための拠点であり、現地生産によってコスト競争力のある製品供給を実現するための戦略的な位置付けにあります。また、技術力と価格競争力のある優良な現地部品メーカーを積極的に開拓して活用し、グループ全体としての価格競争力を高め、企業価値の最大化に向け注力していくことは重要な戦略の一つと考えております。そのため、同社との連携を強化しながら、積極的な活用を図っていく計画であります。また、同社においては、生産量の増加に合わせ現地での人員採用による生産体制の強化を図り、生産コストの低減を進めるとともに、中国及びアジア地域におけるビジネスを拡大したいと考えております。 (f) 既存顧客との関係強化と新規顧客の積極的開拓 当社グループは、大手電子機器メーカーを中心とする顧客との間で、安定的な取引関係を継続、拡大しております。これらの顧客と、引き続き良好な関係を維持、強化していくことが重要な戦略であると認識しております。そのためには「エブレンに任せた方が良い。」、「エブレンを利用しなければ損である。」という評価を定着させるとともに、良好な信頼関係を実現していくことが必要であります。上述の「(a)ユニット供給の拡大」で多様化する顧客のニーズを捉え、「(b)コア事業の強化」はこの評価定着を実現し、応えていくための戦略でもあります。 一方で当社グループ製品は、電子機器全般にわたる産業用コンピュータに使用されているためターゲットとなる顧客は多岐にわたっておりますが、数多くの潜在顧客が存在すると認識しております。新規顧客の開拓に関しては、展示会への出展や各種専門誌を通じた広告宣伝活動を積極的に展開し、上場企業としてのIR活動等も認知度アップの好機と位置付けております。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 (a) 事業ドメインの拡大 前項で述べたとおり、当社グループの更なる発展のために事業ドメインの拡大を図ってまいります。そのためには、バックプレーンをコアに、ボードコンピュータや周辺デバイスを含めたシステム提案や組立・配線・システム調整等を含めた受託範囲の拡大、高付加価値化が不可欠と考えております。また、ボード開発・製造のノウハウ等を活用しつつ、従来以上に幅広いメーカーとのパートナーシップを強化し、受注領域の拡大を進めてまいります。さらに、当社グループの中国子会社・蘇州惠普聯電子有限公司の強みを活かし、中国からの高品質・低価格な部材や製品の仕入、及び中国での製品販売を強化し、中国ビジネスの一層の拡大を推進してまいります。 (b) 罹災時の事業継続への取組み推進 当社は自然災害等で罹災した際に早期に業務を復旧させるためのマニュアルとして、事業継続計画(BCP:Business Continuity Planning)を制定して運用を開始しております。この取組みを更に強固なものにするため、当社の重要設備であるプレスフィットマシンを早期復旧させるための備えを充実させるとともに、サプライチェーンマネジメントの観点から仕入先や外注先への指導及び多角化を意識し、罹災時の対応方法の選択肢を増やす取組みを推進してまいります。また、従来から当社グループでは関東地区と大阪事業所、中国・蘇州と工場を分散化させることにより、災害等に対するリスク分散を行ってきました。当社グループが取り扱う製品群の重要性に鑑みて、今後の受注・生産・販売の状況次第では、さらに生産地域の分散も検討いたします。 (c) 企業の社会的責任(CSR)の推進 当社グループは会社法等が求める内部統制体制の整備について、業務の有効性と効率性、財務報告の信頼性及び関連法令の準拠性の確保のために積極的な取組みを行い、今後とも業務の適正性の確保に注力いたします。ステークホルダーに対しては、迅速で公正・公平な情報公開やIR活動の一層の充実により経営の透明性を高めてまいります。 また、環境問題をはじめとするSDGsへの対応も企業間取引において重要な課題と認識しております。当社グループにおいてもこの対応の一環として環境マネジメントプログラムISO14001の認証を取得し、このプログラムの維持を通して環境問題やSDGsへの取組みを継続、強化し、環境保全に対応した製品づくりを推進してまいります。
事業等のリスク4,044字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 市場動向の変動によるリスク 当社グループには、産業用コンピュータを使用するあらゆる業種の顧客が存在しているため、過去には特定の業種が不況に陥ってもほかの業種で補うことができた場合もありました。しかしながら、近年は当社グループにおいて半導体製造装置関連への販売が多く、半導体等急激に状況が変化する可能性のある市場における需要の減少又は産業全体が設備投資を控えるような市場動向となった場合、受注減少・在庫増加等により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) 部材の仕入及び価格変更等によるリスク 当社グループは、製品を作るために電子部品をはじめ様々な部材を使用します。そのため、仕入先業者とは良好な関係を築き安定した部材供給に努めております。しかしながら、業界全体での部材の需給関係が極端に偏ることによって部材の入手が困難になり、納期遅延や部材価格の値上げが慢性的に発生した場合、利益の圧迫、値上げや納期遅延による受注減少等により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3) 在庫に関するリスク 当社グループは、多品種少量生産及び短納期に対応するため原材料を多く保有していますが、主要顧客の属する半導体業界は技術革新が激しく、顧客の設備投資の動向、半導体の需給変化等の外部要因により大きく影響を受けるため、需要予測が難しくなっております。また、規格変更等、大量廃棄につながる要因が発生する可能性があります。そのため、当社グループは、棚卸資産の滞留状況を毎月の経営会議で監視するとともに、商品及び製品の出荷見込み、原材料の顧客買取可否・今後の使用見込みを定期的に調査し、原材料について適正在庫を保つように努めております。しかしながら、想定を上回る大量廃棄につながる要因が発生した場合には、過去に計上した棚卸資産評価損と比較して損失が多額に計上され、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループは顧客の注文を受け生産を行うため、完成在庫に関するリスクは少ないと考えております。 (4) 外注先の確保に関するリスク 当社グループでは、設計・製造過程において外注を利用しています。当社のコアとなる製造工程以外は外部の協力会社に委託することが多く、外注先とは良好な関係を保つとともに、品質確保のために適宜指導等を実施しております。また、新たな外注先の開拓も精力的に行っておりますが、依頼可能な外注先が減少した場合、納期遅延の発生等により顧客の信頼を失い、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (5) 海外拠点に係るリスク 当社グループでは、中国に生産拠点として子会社を設けております。中国子会社にて材料を調達し、現地で生産して中国国内で販売又は日本へ輸出する体制を構築しております。当社グループの売上高に占める中国子会社の比率は2.6%程度と低いものの、日本国内でのコストダウンの手段や顧客の現地法人との取引等、中国子会社の活用は重要な位置を占めております。したがって、中国政府の方針変更や労働賃金の高騰等、現在の体制を持続させることが困難な状況が発生した場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6) 為替リスク 当社グループでは原材料の一部を輸入しており、当社グループの顧客はその製品の一部を輸出しております。為替が極端な円高に振れた場合は、当社グループが納入している顧客の製品輸出に影響するため注文が減るリスクがあります。また、為替が極端な円安に振れた場合は、中国を始めとした外国からの部品仕入価格が上昇し、利益を圧迫するリスクがあります。したがって、当社グループにとって極端な円高や円安は好ましくない状況となり、結果として当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7) 人材の確保について 当社グループの事業の継続及び拡大においては、更なる技術革新に対応しうる技術者や製品を販売するための営業部門、管理部門等に優秀な人材を確保する必要があります。当社グループでは、転職サービスや公共職業安定所(ハローワーク)等を活用して優秀な人材の採用等を進めるとともに、職場安全パトロールを定期的に実施して労働環境を適正に保ち、従業員の意識向上と組織の活性化を図り優秀な人材の定着を図る方針であります。しかしながら、計画どおりに人材の採用等が進まない場合又は現在在籍している有能な人材が流出するような場合、国内外で採用費や人件費等が高騰した場合等、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8) 特定人物への依存について 現在、当社グループでは、代表取締役社長上村正人が経営戦略の決定を始め、企画開発や資本政策、営業活動等、グループの事業推進に重要な役割を果たしております。組織体制の整備や人材の育成を積極的に進めることにより、同氏に依存しない体制の構築を進めておりますが、同氏が当社の経営から外れ、かつ人材育成等が遅れた場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (9) 品質不良による損害賠償リスク 当社グループでは、コンピュータ・バックプレーンとバスラック、及びボードコンピュータの設計・製造を行っておりますが、品質不良による損害賠償が発生する可能性があります。当社グループは、業務執行の全社的協議機関である経営会議の下に品質・生産会議を設置して全社的な品質管理に努めており、納品先でも厳密なテストを実施しております。しかしながら、当社グループの責による品質不良から顧客に損害が発生し、当社の加入している生産物賠償責任保険では損害賠償額を十分にカバーできなかった場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (10) 特定の顧客への販売依存に対するリスク 当連結会計年度における当社グループの販売高において、株式会社アバールデータに対する割合は18.6%となっております。当社グループは同社と友好的な関係を築いており、取引関係が解消される可能性は低いと考えておりますが、同社の顧客である半導体関連最終顧客の状況により受注減少・在庫増加等となった場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (11) 技術革新によるリスク 産業用の電子機器にバックプレーン方式が多用されるのは、メンテナビリティー(保守性)が優れているという点が大きな理由と言われています。CPU・メモリ・通信・カメラ入出力・画像処理等の各回路を、機能単位ごとにボードコンピュータ化することにより、万が一故障や動作不良が発生した場合には、原因となったボードコンピュータを交換することができます。長期的には技術革新に伴い小型化・高密度化が進み、バックプレーン方式や各種機能をワンボード化したマザーボード方式に代わる、新たな電子機器構造が出現する可能性もあります。当社がそれらの技術革新に対応できない場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (12) 情報流出のリスク 当社グループでは、事業活動において取引先企業の機密情報や取引先関係者及び従業員の個人情報等を保有しております。当社グループにおいて、これらの情報を含めたセキュリティーの強化を行っておりますが、同情報が人的及び技術的な過失や、違法又は不正なアクセス等により漏洩した場合、機密情報を保護できなかったことの責任追及や、それに伴う規制措置の対象となる可能性があります。このような事象が発生した場合においては取引先及び市場からの信頼が毀損され、結果として当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (13) 法的規制に係るリスク 当社グループは、外国為替及び外国貿易法(以下、外為法という。)や製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(取適法)を始めとする取引に関する法律を遵守し、環境等に関する法令に基づき適正なものづくりに努めております。また、当社グループが製造・販売するバックプレーン等自体において、外為法を始めとする法的規制による影響は少ないと考えておりますが、顧客が当社グループのバックプレーン等を搭載した機器を販売する際には、顧客の製品次第で各種の法的規制が関係する可能性もあります。 当社グループは幅広い業種に対して製品を提供しているため、特定の分野における規制の強化等であれば影響は少ないと思われますが、多くの業種で規制の影響が強まる場合には、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (14) ハザードに関するリスク 当社グループでは生産設備を一極集中させないことに加え、事業継続計画(BCP)を作成する等、緊急事態に備えた取組みを行っております。しかしながら、台風や集中豪雨等の予測困難な異常気象、地震等の自然災害、感染症等の疫病の流行、突発的な事故や火災及びテロ行為等、想定を超える事態による人的被害や建物・インフラへの被害、電力不足等が生じた場合、生産活動及び製品出荷の遅延等で当社グループの売上高が減少するのみならず、生産設備の修理等に係る費用の増加や多額の損失をもたらし、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
経営成績の分析 (MD&A)5,778字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」。)の状況は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態 (資産) 流動資産は、前連結会計年度末に比べ528百万円減少し、4,117百万円となりました。減少要因としては、現金及び預金484百万円、電子記録債権86百万円、仕掛品68百万円の減少であります。なお、現金及び預金は余剰資産の一部を安全性を考慮した期限前解約特約付預金(コーラブル預金)として長期性預金へ振り替えたことにより減少しました。増加要因としては、受取手形及び売掛金110百万円の増加であります。 固定資産は、前連結会計年度末に比べ993百万円増加し、2,251百万円となりました。増加要因としては、期限前解約特約付預金(コーラブル預金)の計上による長期性預金1,000百万円の増加であります。減少要因としては、建物及び構築物5百万円の減少であります。 (負債) 流動負債は、前連結会計年度末に比べ138百万円増加し、845百万円となりました。増加要因としては、支払手形及び買掛金58百万円、電子記録債務33百万円、未払法人税等23百万円の増加であります。 固定負債は、前連結会計年度末に比べ8百万円増加し、419百万円となりました。増加要因としては、役員退職慰労引当金10百万円の増加であります。 (純資産) 純資産合計は、前連結会計年度末に比べ318百万円増加し、5,104百万円となりました。増加要因としては、親会社株主に帰属する当期純利益364百万円であります。減少要因としては、配当金60百万円であります。 b.経営成績 当連結会計年度における世界経済は、米国の関税率引き上げに伴う不透明感や中国経済の停滞継続、ウクライナ情勢及び中東地域における地政学リスクの長期化等、依然として先行きは不透明な状況が続いております。 我が国経済は、賃上げによる所得環境の改善等を背景に、緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、米国の通商政策、円安インフレによる物価の上昇に加えて、中東やウクライナにおける紛争の長期化等の地政学的リスクの高まりにより、先行き不透明な状況が続いております。 このような状況下、日本製半導体製造装置について、2026年3月24日にSEAJ(日本半導体製造装置協会)より、2月時点での販売高(3か月移動平均ベース)が、前年同月比2.7%増の4,231億300万円になったと発表されました。これはAIサーバ向け先端ロジック、HBM(広帯域メモリ)系の設備投資の伸長に加え、中国向けが増加に転じたことも影響しております。また、2026年1月15日にSEAJ(日本半導体製造装置協会)より発表された2025年度の予測は前年度比3.0%増加の4兆9,111億円であります。 当社グループの売上高につきましては、前年同期と比較し、通信・放送分野と交通関連分野、防衛・その他分野で新規案件の成約により増加したものの、主力である計測・制御分野の設備投資延期と電子応用分野の顧客在庫調整の影響により、全体として減少しました。 一方、利益面では値上がりした仕入れ部材の売価への価格転嫁が進んだことで、営業利益が増加しました。また、前年同期と比較して、保険解約返戻金が8百万円増加したこと等により、経常利益が増加しました。 この結果、当連結会計年度における業績は、売上高3,993百万円(前年同期比0.8%減)、営業利益530百万円(前年同期比14.2%増)、経常利益550百万円(前年同期比15.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益364百万円(前年同期比16.3%増)となりました。 当社グループは、産業用電子機器及び工業用コンピュータの設計・製造・販売を専業として行っており、セグメントは単一でありますので、セグメントごとに経営成績の状況は開示しておりませんが、営業品目の応用分野別売上の概況は、次のとおりであります。 通信・放送[通信・放送・電力関連] 通信関連と放送関連は既存案件の生産終了や設備投資の減少があるものの、電力関連はAIサーバーの需要増加に伴う電力供給網の強化により新規案件が増加し、当連結会計年度の売上高は前年同期比48百万円(21.1%)増の277百万円となり、売上構成比率は前年同期の5.7%から6.9%となりました。 電子応用[HPC(スーパーコンピュータ)・医療関連] 医療関連は市場のトレンドとしては堅調に推移していますが、顧客の在庫調整が継続し、当連結会計年度の売上高は前年同期比50百万円(13.5%)減の323百万円となり、売上構成比率は前年同期の9.3%から8.1%となりました。 計測・制御[半導体製造装置・検査装置・FA関連] 主力である半導体製造装置の設備投資延期の影響により、当連結会計年度の売上高は前年同期比169百万円(6.9%)減の2,289百万円となり、売上構成比率は前年同期の61.1%から57.3%となりました。 交通関連[鉄道・信号・ITS(高度道路交通システム、ETC等)関連] 鉄道信号関連は新規案件の増加と海外向けが好調に推移し、当連結会計年度の売上高は前年同期比23百万円(3.1%)増の759百万円となり、売上構成比率は前年同期の18.3%から19.0%となりました。 防衛・その他[防衛用のレーダー、通信関連] 防衛関連の新規案件の成約により、当連結会計年度の売上高は前年同期比116百万円(51.2%)増の343百万円となり、売上構成比率は前年同期の5.6%から8.6%となりました。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ520百万円減少し、2,065百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果獲得した資金は、570百万円(前連結会計年度は382百万円の獲得)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益550百万円、仕入債務の増加90百万円、棚卸資産の減少69百万円であります。また、支出の主な内訳は、法人税等の支払額166百万円、売上債権の増加20百万円であります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は、1,036百万円(前連結会計年度は3百万円の使用)となりました。支出の主な内訳は、長期性預金の預入による支出1,000百万円であります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は、60百万円(前連結会計年度は57百万円の使用)となりました。支出の主な内訳は、配当金の支払額60百万円であります。 ③生産、受注及び販売の実績 当社グループは、産業用電子機器及び工業用コンピュータの設計・製造・販売を専業として行っており、セグメントは単一であります。したがいまして、セグメントごとに生産規模等を金額あるいは数量で示すことはしておりません。このため生産、受注及び販売の実績については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」における営業品目の応用分野別に関連付けて示しております。 a.生産実績 当連結会計年度における生産実績を応用分野別に示すと、次のとおりであります。 応用分野の名称   金額(千円)   前年同期比(%) 通信・放送   236,185   99.9 電子応用   309,491   82.0 計測・制御   2,230,521   92.2 交通関連   690,234   90.9 防衛・その他   370,168   152.6 合計   3,836,600   95.1 (注) 防衛・その他の著しい変動は、新規案件の成約が増えたことによるものであります。 b.受注実績 当連結会計年度における受注実績を応用分野別に示すと、次のとおりであります。 応用分野の名称   金額(千円)   前年同期比(%) 通信・放送   267,209   151.3 電子応用   348,536   90.7 計測・制御   2,643,289   115.8 交通関連   734,023   103.5 防衛・その他   479,603   200.4 合計   4,472,660   118.0 (注)1 通信・放送の著しい変動は、新規案件の量産が開始したことにより増えたものであります。 2 防衛・その他の著しい変動は、新規案件の成約が増えたことによるものであります。 c.販売実績 当連結会計年度における販売実績を応用分野別に示すと、次のとおりであります。 応用分野の名称   金額(千円)   前年同期比(%) 通信・放送   277,172   121.1 電子応用   323,847   86.5 計測・制御   2,289,819   93.1 交通関連   759,154   103.1 防衛・その他   343,642   151.2 合計   3,993,635   99.2 (注)1 防衛・その他の著しい変動は、新規案件の成約が増えたことによるものであります。 2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 第52期連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)   第53期連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 金額(千円)   割合(%)   金額(千円)   割合(%) 株式会社アバールデータ   913,791   22.7   742,790   18.6 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。また、当社グループは、産業用電子機器及び工業用コンピュータの設計・製造・販売を専業として行っているものであり、セグメントは単一であります。したがいまして、セグメントごとに経営成績等の状況に関する分析・検討内容の開示はしておりません。 ①経営成績等の分析 a.売上原価、販売費及び一般管理費 売上原価は、前連結会計年度3,161百万円に対し、当連結会計年度は89百万円減少し、3,071百万円となりました。売上高に対する売上原価の比率は、前連結会計年度78.5%に対し、当連結会計年度は1.6%減少し、76.9%となりました。これは、材料費等の高騰による原価上昇分の売価への価格転嫁が進んだためであります。 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度399百万円に対し、当連結会計年度は8百万円減少し、391百万円となりました。これは主に、新規事業向け製品の開発がなかったことに伴い研究開発費が17百万円減少した一方で、賃上げ水準の引上げ等の影響により人件費が4百万円増加、さらにエネルギー価格の高騰等を背景とした運送単価の上昇により、発送運賃3百万円増加したことによるものです。 b.営業外損益 営業外収益は、前連結会計年度16百万円に対し、当連結会計年度は10百万円増加し、27百万円となりました。主な要因は、保険解約返戻金8百万円の増加であります。 営業外費用は、前連結会計年度6百万円に対して、当連結会計年度は1百万円増加し、7百万円となりました。主な要因は、為替差損1百万円の増加であります。 c.特別損益 特別利益は、当連結会計年度の計上はありません。 特別損失は、前連結会計年度との主要な増減はありません。 d.法人税等 税効果会計適用後の法人税等は、前連結会計年度162百万円に対し、当連結会計年度は24百万円増加し、186百万円となりました。これは主に法人税、住民税及び事業税の増加であります。 当社グループが目標とする経営指標である売上高、経常利益は次のとおりであります。 2026年3月期実績   2026年3月期目標 売上高   3,993,635千円   4,100,000千円 経常利益   550,827千円   520,000千円 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金は自己資金及び金融機関からの借入金を基本としております。また、継続的な成長を図るため新製品の開発とバリエーションの拡充に努めており、これらに必要な資金調達方法の優先順位等に特段方針はなく、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討を行う予定です。なお、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は2,065百万円であり、流動性を確保しております。 ③経営成績に重要な影響を与える要因について 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。 ④経営者の問題意識と今後の方針について 経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

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開示資料

出典

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