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超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,020.8+254ドル円158.87-1NASDAQ26,203.91+104S&P 5007,667.95+36SOX 指数11,316.82+289/2終値

QDレーザ

QD Laser, Inc.6613 · Growth · 電気機器

量子ドットレーザで光通信・センシングに革新。網膜投影技術でXRグラス用ディスプレイも手がける半導体レーザ専門メーカー。

概要

QDレーザは、富士通株式会社の量子ドットレーザ技術を基に2006年に設立された光デバイスのベンチャー企業である。半導体レーザの設計・結晶成長から製品化までを手がけ、レーザデバイス事業とレーザ・オプティカルソリューション事業の2セグメントで事業を展開する。2021年に東京証券取引所マザーズ市場に上場し、現在はグロース市場に所属。従業員50名、2026年3月期の売上高は13.7億円だが、依然として営業損失が続いている。

量子ドットレーザで独自の地位を築くレーザデバイス事業

QDレーザのレーザデバイス事業は、半導体レーザの特性を決める活性層の結晶成長を自社で行い、チップ加工やモジュール実装は協力会社に委託するファブレス体制を取る。主力製品は、光通信用1240-1310nm量子ドットレーザ、材料加工用1020-1180nm DFBレーザ、バイオメディカル向け532-594nm小型可視レーザなど。特に量子ドットレーザは、摂氏マイナス40度から120度の広い温度範囲で電流無調整動作が可能で、高温環境やシリコンフォトニクス向け光源として開発が進む。2026年3月期の同事業売上高は11.7億円で、全社売上の85%を占める。

医療から民生へ広がるレーザ・オプティカルソリューション事業

レーザ・オプティカルソリューション事業(旧・視覚情報デバイス事業)は、網膜投影技術を用いた製品と光学モジュールを手がける。2018年からメガネ型網膜走査型レーザアイウェア「RETISSA Display」シリーズを販売したが、現在は全機種販売終了。2023年には非メガネ型の拡大読書器「RETISSA ON HAND」、2025年には眼のセルフチェック機器「MEOCHECK NEO」を発売。2026年5月にはスマートフォン装着型「RETISSA VIEWCLEAR」のテストマーケティングを開始した。2024年度に医療機器の販売を終了し、事業構造転換を図っている。

赤字が続く財務基盤と中期経営計画

QDレーザは創業以来、営業損失と当期純損失を継続している。2026年3月期の売上高は13.7億円(前期比4.9%増)だが、営業損失3.3億円、当期純損失3.6億円と赤字が続く。レーザデバイス事業はセグメント利益1.3億円を計上する一方、レーザ・オプティカルソリューション事業は1.4億円のセグメント損失。2024年11月に策定した中期経営計画では、2027年3月期の全社黒字化を目標に掲げ、レーザデバイス事業の売上高年20-25%成長と粗利率45%達成、レーザ・オプティカルソリューション事業の収益化を計画する。また「100億宣言」に参画し、10年後売上高100億円超を目指す。

川崎から横浜へ、国内外に広がる拠点

本社は神奈川県川崎市川崎区に置いていたが、2026年4月に横浜市戸塚区へ移転した。また、海外ではドイツ・エッセン市にQD Laser Deutschland GmbH(資本金25,000EUR)、米国デラウェア州にQD Laser America, Inc.(資本金10,000USD)を設立。独子会社は欧州での治験結果維持管理、米子会社は網膜投影製品の販売対応を目的とする。いずれも非連結子会社である。国内拠点としては、川崎と横浜の2拠点体制から、横浜戸塚サイト(YTS)と本社の2拠点で稼働し、事業基盤強化を進めている。

業界の中での役割は半導体レーザデバイスメーカー(ファブレス)。光通信、バイオ検査、精密加工、センサなどの産業用途と、網膜投影製品・XR向け光学ユニットを提供にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
14億円
営業利益
-3億円
営業利益率
-21.4%
純利益
-4億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

事業別の売上と利益

2026/3
事業売上構成比利益利益率
レーザ デバイス 事業12億円85.7%1億円8.3%
レーザ・オプティカルソリューション事業2億円14.3%-1億円-50.0%

有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上とセグメント利益をそのまま掲載しています。全社費用・セグメント間取引の消去は含みません。

01光通信・シリコンフォトニクス主力

量子ドットレーザの優れた温度特性を活かし、データ通信用光源やシリコンフォトニクス用光源を提供。高温環境での安定動作が特徴。

主な製品・サービス2
1240-1310nm量子ドットレーザ
量子ドットを活性層に用いた半導体レーザ。温度安定性に優れ、データ通信用光源として利用。
シリコンフォトニクス用量子ドットレーザ
100℃以上の高温CPU近傍でも安定動作し、反射戻り光に強い。アイソレータ不要で低コスト化。

02バイオ系検査装置・分析機器準主力

フローサイトメータや蛍光顕微鏡向けに、独自の波長変換技術で実現した小型可視レーザモジュールを供給。世界初の緑・黄緑・橙半導体レーザを持つ。

主な製品・サービス2
532,561,594nm小型可視レーザモジュール世界シェア首位
波長変換技術により、緑・黄緑・橙の発振を小型・低消費電力で実現。フローサイトメータ等に採用。
Lantana
小型可視レーザとドライバを内蔵したオールインワンユニット。プラグアンドプレイでバイオ機器の小型化に寄与。

03精密加工・産業用レーザ準主力

DFBレーザの短パルス動作を活かし、ファイバレーザの種光源として精密加工市場に供給。

主な製品・サービス1
1020-1180nm材料加工・センサ用DFBレーザ
単一モード安定性が高く、精密加工用ファイバレーザの種光などに使用。

04各種センサ・産業機器副次

マシンビジョン、パーティクルカウンター、距離計、半導体ウエハ自動搬送機などに高出力FPレーザを供給。

主な製品・サービス1
640-905nm高出力FPレーザ(モニタPD付き)
多波長対応の高出力レーザ。マシンビジョン、センシング、半導体製造装置などに使用。

05XRグラス・民生用ディスプレイ副次

網膜投影技術を応用したXRグラス用光学ディスプレイユニットの開発、民生用網膜投影製品の製造販売。医療用は販売終了。

主な製品・サービス2
RETISSA ON HAND
レーザ網膜走査技術を発展させた手持ち型ディスプレイ。文化施設などで利用。
RETISSA MEOCHECK NEO
網膜投影技術を応用した眼のセルフチェック装置。

製品と技術

量子ドットレーザ:高温動作と長寿命を両立する独自技術

量子ドットレーザは、直径約10nmの半導体量子ドットを活性層に用いる。従来の量子井戸レーザに比べ、摂氏マイナス40度から120度まで電流無調整で動作し、200度以上の超高温でも動作可能。高信頼で長寿命なため、シリコンフォトニクス用光源として期待される。波長1300nm帯で製品化しており、シリコンフォトニクスチップに低雑音でレーザ光を導入できる。光通信、データセンター内の光インターコネクト、LiDARなどへの適用が検討されている。量子ドットはMBE法(分子線エピタキシー法)で結晶成長し、このプロセスを自社で行うことが競争力の源泉である。

DFBレーザと高出力レーザ:精密加工・センサ向け

波長1020-1180nmのDFBレーザ(QLD106xシリーズ)は、単一モード発振が極めて安定で、連続動作からピコ秒の短パルス動作まで対応。精密加工用ファイバレーザの種光やガスセンシング、LiDARなどに使用される。一方、640-905nmの高出力FPレーザはマシンビジョン、パーティクルカウンター、半導体ウエハ自動搬送機等の産業用途に用いられる。これらのレーザは自社の結晶成長技術と回折格子設計により、波長精密制御と高出力化を実現している。

小型可視レーザモジュールとLantana:バイオメディカル向け

532nm、561nm、594nmの小型可視レーザモジュールは、半導体DFBレーザと非線形光学素子PPLNを組み合わせた波長変換技術により低消費電力を達成。DPSSレーザと異なり100MHzまでのパルス変調やピコ秒動作が可能で、蛍光顕微鏡やフローサイトメータなどバイオメディカル向け装置に採用されている。2024年にはドライバ内蔵のオールインワン型「Lantana」を開発し、プラグアンドプレイでの利用を可能にした。超小型でシリアル通信制御に対応し、装置の小型化や設計自由度向上に貢献する。

RETISSAシリーズ:網膜投影技術の民生・医療応用

RETISSAシリーズは、超小型レーザプロジェクタから網膜に直接映像を投影するVISIRIUM Technologyを採用。フリーフォーカスで視力に依存せず、明るく鮮明な画像を提供する。医療機器「RETISSA メディカル」は2020年に新医療機器承認を取得したが、2024年度に販売終了。現在は非メガネ型民生機器として「RETISSA ON HAND」(拡大読書器)と、スマートフォン装着型「RETISSA VIEWCLEAR」を展開。2026年5月にVIEWCLEARのテストマーケティングを開始した。また、XRグラス向け光学ディスプレイユニットの開発も行っている。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

電気機器のなかでの位置

会社が挙げる強い分野

  • 世界シェア首位532,561,594nm小型可視レーザモジュール世界初の緑・黄緑・橙半導体レーザバイオ系検査装置・分析機器

有価証券報告書(2026/3期)で会社自身が述べている位置付けです。第三者による調査ではありません。

レーザー機器のベンチャー、赤字継続

半導体レーザー関連の開発・製造を行うベンチャー企業。売上高は10億円台と極めて小さく、研究開発費負担で赤字が常態化。同業のキオクシアやイビデン等と比べて規模・収益力で大きく劣る。市場は成長期待があるものの、実績に乏しい。

強み

  • 独自のレーザー技術で差別化を図る。
  • 半導体・電子機器向けで需要拡大期待。
  • 技術開発に注力し、特許等を保有。
  • 新技術で将来的な市場獲得の可能性。

課題

  • 営業赤字が続き、財務基盤が脆弱。
  • 売上高13億円と極めて小規模。
  • 大手企業との技術・販路競争が厳しい。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

電気機器の時価総額近傍。太字がQDレーザ

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
16859エスペック912億円14.2倍
26800ヨコオ892億円22.5倍
36855日本電子材料886億円14.2倍
46517デンヨー881億円14.6倍
56999KOA825億円20.7倍
66613QDレーザ800億円
76794フォスター電機741億円13.4倍
86644大崎電気工業694億円11.6倍
96908イリソ電子工業683億円16.6倍
106997日本ケミコン680億円40.1倍
116768タムラ製作所661億円

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 30件

富士通と三井物産のVC資金で創業した2006年

2006年4月、富士通株式会社と三井物産株式会社のベンチャーキャピタル資金を活用し、東京都千代田区に株式会社QDレーザ(資本金10,020千円)を設立。設立時点で富士通の量子ドットレーザ技術に基づく光デバイスのベンチャー企業として出発した。同年6月には国立大学法人東京大学と量子ドットの結晶成長技術に関する共同研究契約を締結し、学術との連携を開始。設立当初から量子ドット技術に特化した開発体制を構築した。

川崎移転と世界初の量子ドットレーザ量産化(2010-2011年)

業務拡大に伴い、2010年4月に本社を神奈川県川崎市川崎区に移転。同年9月、光通信用1240-1310nm量子ドットレーザを世界で初めて実用量産化し、QLF1339シリーズとして商品化した。2011年4月には、単一モード発振特性に優れた材料加工・センサ用DFBレーザ(QLD106xシリーズ)と640-785nm高出力レーザ(QLF063xシリーズ)を相次いで商品化し、製品ラインナップを拡大。この時期にレーザデバイスの基盤製品を確立した。

可視レーザとドイツ拠点を追加した2012-2015年

2012年1月にISO9001認証を取得。2013年3月には532nm、561nm、594nmの小型可視レーザモジュール(QLD0593シリーズ)を商品化。2014年2月には1064nm 400mWのDFBレーザモジュールを開発し、同年4月にはピコ秒パルスドライバーボードも商品化。2015年9月、臨床試験実施を目的としてドイツ・エッセン市に非連結子会社QD Laser Deutschland GmbHを設立(資本金25,000EUR)。欧州における医療用途への布石を打った。

RETISSA Displayで民生市場に参入した2018-2019年

2018年7月、網膜走査型レーザアイウェア「RETISSA Display」の販売を開始。これはVISIRIUM Technologyにより網膜に直接映像を投影する製品で、視力に影響されずフリーフォーカスで視認できる。2019年10月に改良版「RETISSA DisplayⅡ」を発表し、同年12月に販売開始。2019年12月には「RETISSA メディカル」が新医療機器として製造販売承認を取得し、翌2021年3月に販売開始。消費者向けと医療向けの両市場に展開した。

東京証券取引所への上場と米国子会社設立(2021-2022年)

2021年2月、東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場。同年10月にはバイオメディカル用4波長集積光源を小型マルチカラーレーザとして商品化。2022年4月、市場区分見直しによりマザーズからグロース市場へ移行。2022年8月、網膜投影製品の米国販売を目的に米国デラウェア州に非連結子会社QD Laser America, Inc.(資本金10,000USD)を設立。上場後も新製品開発と海外展開を加速した。

新製品投入と自主回収を経た2023-2025年

2023年3月、網膜投影型ビューファインダー「RETISSA NEOVIEWER」と網膜投影型拡大読書器「RETISSA ON HAND」の国内販売開始。同年7月にNEOVIEWERの米国販売開始、2024年3月にはON HANDの米国販売開始。2024年10月、CEATEC2024でアイトラッキング技術搭載レーザアイウェアを公開、同時にオールインワン小型可視レーザ「Lantana」受注開始。2025年10月には眼のセルフチェック機器「MEOCHECK NEO」販売開始。ただし、前身のMEOCHECKは自主回収を経てソフトウェア改修を実施した。

横浜移転と事業部再編、2027年黒字化へ(2026年)

2026年4月、事業内容拡大に伴い視覚情報デバイス事業部をレーザ・オプティカルソリューション事業部に名称変更。同時に本社を川崎市から横浜市戸塚区に移転した。同月、結晶成長装置増設のため株式会社りそな銀行から7.1億円の融資を受ける。2026年5月にはスマートフォン装着型網膜投影機器「RETISSA VIEWCLEAR」のテストマーケティング開始。中期経営計画で掲げた2027年3月期の全社黒字化に向け、事業構造転換と投資を進めている。

年表30件を開く

2000年代

  • 2006年4月創業富士通株式会社と三井物産株式会社のベンチャーキャピタル資金を活用して、富士通株式会社の量子ドットレーザ(※1)技術に基づく光デバイスのベンチャー企業として、東京都千代田区に株式会社QDレーザ(資本金10,020千円)を設立
  • 2006年6月国立大学法人東京大学と「量子ドットの結晶成長技術(※2)に関する研究」で共同研究契約締結

2010年代

  • 2010年4月業務拡大に伴い、本社を神奈川県川崎市川崎区に移転
  • 2010年9月光通信用1240-1310nm 量子ドットレーザを世界で初めて実用量産化し、QLF1339シリーズとして商品化
  • 2011年4月単一モード発振特性(※3)に優れた1030-1180nm 材料加工・センサ用DFBレーザをQLD106xシリーズとして商品化
  • 2011年4月640-785nm 高出力レーザ(モニタPD付き)をQLF063xシリーズとして商品化
  • 2012年1月ISO9001認証取得
  • 2013年3月532, 561, 594nm 小型可視レーザモジュールをQLD0593シリーズとして商品化
  • 2014年2月1064nm 400mWのDFBレーザモジュール(※4)開発
  • 2014年4月波長1μm帯DFBレーザモジュール搭載ピコ秒パルスドライバーボードを商品化
  • 2015年9月臨床試験実施の目的で、ドイツエッセン市に非連結子会社QD Laser Deutschland GmbH(資本金25,000EUR)を設立
  • 2018年7月網膜走査型レーザアイウェア「RETISSA Display」販売開始
  • 2019年10月網膜走査型レーザアイウェア「RETISSA DisplayⅡ」発表・受注開始
  • 2019年12月網膜走査型レーザアイウェア「RETISSA DisplayⅡ」販売開始

2020年代

  • 2020年1月網膜走査型レーザアイウェア「RETISSA メディカル」が新医療機器として製造販売承認を取得
  • 2021年2月上場東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場
  • 2021年3月医療機器 網膜走査型レーザアイウェア「RETISSA メディカル」販売開始
  • 2021年10月バイオメディカル用4波長集積光源を小型マルチカラーレーザとして商品化
  • 2022年1月当社の走査型網膜投影デバイスの画像品質全般の評価方法がIEC 62906-5-5:2022として発行
  • 2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しによりマザーズ市場からグロース市場へ移行
  • 2022年8月網膜投影製品の販売目的で、米国デラウェア州に非連結子会社QD Laser America,Inc.(資本金10,000USD)を設立
  • 2023年3月網膜投影型ビューファインダー「RETISSA NEOVIEWER」、網膜投影型拡大読書器「RETISSA ON HAND」国内販売開始
  • 2023年7月網膜投影型ビューファインダー「RETISSA NEOVIEWER」米国販売開始
  • 2024年3月網膜投影型拡大読書器「RETISSA ON HAND」米国販売開始
  • 2024年10月CEATEC2024にてアイトラッキング技術搭載レーザアイウェアを公開
  • 2024年10月オールインワン小型可視レーザ「Lantana」受注開始
  • 2025年10月眼のセルフチェック機器 MEOCHECK NEOの販売開始
  • 2026年4月事業内容拡大に合わせ視覚情報デバイス事業部名をレーザ・オプティカルソリューション事業部(英語名:Laser & Optical Solutions Division)へ変更
  • 2026年4月本社を川崎市川崎区から横浜市戸塚区へ移転
  • 2026年5月民生機器としてスマートフォン装着型網膜投影機器RETISSA VIEWCLEARのテストマーケティング開始

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。そのうち4項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 売上高成長率(レーザデバイス事業)毎年20~25%成長
  • 粗利率(レーザデバイス事業)45%
  • 全社黒字化2027年3月期まで黒字化達成
  • 認定製品数(レーザデバイス事業)毎年9製品増加

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    半導体レーザ新製品開発と量産化

    DFBレーザ、小型可視レーザ、高出力レーザ等の新製品開発と安定量産化を進め、売上高を毎年20~25%成長させるとともに粗利率45%を目指す。また量子ドットレーザをシリコンフォトニクス用途など新市場へ展開。

  2. 02

    ファブレス生産体制の活用

    自社では設計・結晶成長・評価に特化し、製造工程は協力会社に委託するファブレス体制により固定費を抑制し、需要変動に柔軟に対応した低コスト生産を実現。

  3. 03

    モジュール製品とB2B事業への展開

    ドライバ内蔵レーザモジュール「Lantana」などPlug&Play製品を開発。B2B型事業として網膜投影技術を用いた光学モジュール・ユニットを法人向けに提供し、受託開発も行う。

  4. 04

    スマートグラス向け技術の事業化推進

    網膜投影技術を活用したXRグラス向けRGB光源モジュール・光学エンジンをTDKと共同開発。特許権の一部を移転し、強固なパートナーシップで市場獲得を目指す。

  5. 05

    全社黒字化と成長可能性の両立

    2027年3月期の全社黒字化を目標に、レーザデバイス事業の成長とレーザ・オプティカルソリューション事業の構造転換を推進。量子ドットなど成長ドライバへの投資も継続。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 6期分

グループ全体で50人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は831万円で、5期前と比べて+8.0%平均年齢は51.1歳、平均勤続年数は7.7年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2021年3月76949.65.248
2022年3月76149.96.245
2023年3月78149.26.645
2024年3月80351.37.143
2025年3月86650.67.248−833
2026年3月83151.17.750−600

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

拠点とグループ

設備と関係会社

主要な設備 (帳簿価額 上位5)
本社 — 神奈川県横浜市戸塚区729百万円
同上
同上113百万円
レーザ デバイス 事業
その他110百万円
同上
本社 — 神奈川県川崎市川崎区1百万円
横浜戸塚サイト(YTS) — 神奈川県横浜市戸塚区0百万円
レーザ・オプティカルソリューション事業
公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 補助金
    障害者自立支援機器等開発促進事業
    厚生労働省 · 2020-10-06
    970万円
  • 補助金
    障害者自立支援機器等開発促進事業
    厚生労働省 · 2020-10-06
    582万円
  • 補助金
    障害者自立支援機器等開発促進事業
    厚生労働省 · 2021-11-19
    375万円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は14億円営業利益-3億円前期と比べると増収で、売上が+7.7%。

売上高
+7.7%
14億円
営業利益
-3億円
純利益
-4億円
営業利益率
-21.4%
前期比 +9.3%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高19億円14億円
営業利益0億円-3億円
純利益4億円-4億円
1株あたり配当¥0¥0

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は4億円、営業利益は0億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+33.3%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q5−2
2024年1Q3−1−33.3−1
2024年2Q3−1−33.3−2
2024年3Q3−2−66.7−1
2024年4Q3−2
2025年2Q6−3−50.0−3
2025年4Q7−1−14.3−1
2026年2Q6−2−33.3−2
2026年4Q8−1−12.5−2
2027年1Q400.0−1

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 10期分

2017年3月期からの10期で、売上は6億円から14億円へ2.3倍に増えた。直近期の営業利益率は-21.4%。売上は2期連続で増加。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2017年3月6−8−8
2018年3月7−11−11
2019年3月10−10−10
2020年3月8−12−12
東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場
2021年3月9−7−9
網膜投影製品の販売目的で、米国デラウェア州に非連結子会社QD Laser America,Inc.(資本金10,000USD)を設立
2022年3月11−9−9
2023年3月12−5−6
2024年3月12−6−6
2025年3月13−4−4−30.8−4
2026年3月14−3−3−21.4−4

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高14億円のうち、営業利益として残るのは-3億円-21.4%。営業外の損益と税金を反映した純利益は-4億円、売上の-28.6%にあたる。営業利益率は業種中央値6.9%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金57.1%8億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金64.3%9億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益-21.4%-3億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。売上原価と販管費は単体ベースの数値です。

粗利率
42.9%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比28.3pt
-21.4%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比34.5pt
-28.6%
税金まで払って最後に残る割合
ROA
-7.1%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
-7.2%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 8期分

2026年3月期は営業CFが−5億円、投資CFが−9億円で、差し引きのフリーCFは−14億円この組み合わせは先行投資型にあたる。本業がまだ現金を生まない中、調達した資金で投資を続けている。スタートアップ・再建初期の型期末の手元現金は27億円で、売上の23.1ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2019年3月−12−129−1317
2020年3月−12−212−1415
2021年3月−8026−832
2022年3月−7−14−828
2023年3月−5013−536
2024年3月−4−118−548
2025年3月−5−60−1138
2026年3月−5−94−1427

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 10期分

2026年3月期の総資産は56億円。このうち返さなくてよい自己資本が49億円で、自己資本比率は87.9%(業種中央値61.0%より厚い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2017年3月1912763.3
2018年3月1221020.5
2019年3月3021971.0
2020年3月29171259.3
2021年3月4738981.5
2022年3月4036488.9
2023年3月4944590.1
2024年3月6157492.1
2025年3月5552394.8
2026年3月5649787.9

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳単体ベース
現金及び預金
27億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
-14億円
過去の利益の積み上がり
棚卸資産
2億円
在庫として抱えている分
負債合計
7億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
40
/ 100
安定性自己資本比率40 / 40
収益力営業利益率0 / 30
現金創出営業CFの黒字継続0 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

電気機器 224社との比較

同じ電気機器の企業と並べると、いちばん上に来るのは自己資本比率224社中9位あたり、逆に低いのは営業利益率224社中220位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
/中央値 8.0%
P25 4.2%P75 12.1%
営業利益率下位売上のうち本業の利益として残る割合
-21.4%/中央値 6.9%
P25 3.5%P75 11.6%
自己資本比率上位総資産のうち返済のいらないお金の割合
87.9%/中央値 61.0%
P25 48.2%P75 76.0%
売上成長率前期からの売上の伸び
7.7%/中央値 4.1%
P25 -0.2%P75 9.4%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
/中央値 2.4%
P25 1.6%P75 3.3%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥1,913で、1年前と比べて+464.3%過去52週の値幅のなかでは49%の位置にある。

¥1,913-5.6%1ヶ月+17.7%1年+464.3%時価総額800億円
過去52週の値幅
安値¥293高値¥3,620

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (会社予想)181.8倍
PBR16.37倍

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は8月20日に前日比8.9%高の2165円となり、直近1カ月で30.82%上昇。25日移動平均線1752.76円を約24%上回る一方、75日線2247.67円は下回っており、中期的な調整局面。ただし52週高値3620円からは約40%下、52週安値293円からは7倍超。8月17日に2083円、8月18日に2091円と大幅高になり、出来高も急増しており、投機的な動きが続く。RSIは75.32。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割高と判定しています(スコア 10/100)

予想PERは171.7倍と業界平均30.69倍を大きく上回り、PBRは15.41倍と著しく高い水準です。無配当で、直近の純利益は赤字が続いており、ROEもマイナスです。成長期待が価格に織り込み済みで、利益の裏付けがないため、バリュエーションは極端に割高と判断します。

指標この会社業種平均
PER (予想)181.8倍
PBR16.37倍2.58倍

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

売上高は微増で推移する一方、営業赤字が継続。強気派は独自技術の実用化と大型受注の可能性、将来の黒字転換を評価する。弱気派は、事業の商業化が遅れており、資金消耗が続くこと、既存大手との競争に晒されること、今期中の黒字化達成が不透明であることを問題視する。市場は量子ドット技術の将来性と現実の業績のギャップを巡って評価が分かれる。

プラスに働く材料7
  • 独自技術の優位性

    量子ドット技術で差別化し、高付加価値市場で競争優位を築く可能性がある。

  • 潜在市場の広がり

    レーザー応用分野は拡大傾向にあり、医療や産業用途で新たな需要が期待される。

  • 将来の黒字転換期待

    売上高は増加しており、赤字幅は縮小傾向にあることから、利益化の道筋が見える。

  • 量子ドットレーザー期待、株価480%上昇継続影響

    1年で+480.71%。時価総額756億円に対し売上高14億円と期待先行

  • 営業損失-4→-3億円と縮小2027年3月期影響

    営業損益は-4億→-3億円。赤字幅縮小で黒字化が近づく

  • 予想PER171.7倍は黒字予想決算発表後影響

    実績PERは無いが予想PER171.7倍は今期黒字を織り込む。実化で買い

  • 売上高14億円と3期連続増収2027年3月期影響

    売上高は12→13→14億円。増収基調が続く

マイナスに働く材料7
  • 赤字の継続

    直近も赤字が続き、収益化のめどが立っていない。

  • 競争環境の厳しさ

    大手レーザー企業や新興企業との競合があり、市場での確固たる地位を築いていない。

  • 資金繰りの懸念

    小型銘柄で資本余力が乏しく、追加調達の必要性がリスクとなる。

  • 3期連続営業赤字継続影響

    営業損益は-4億、-4億、-3億円。黒字化の時期が見えない

  • PBR15.41倍、時価総額756億円通年影響

    純資産の15倍以上で評価。売上高14億円に対しバリュエーション過熱

  • 株価480%上昇後の急落リスク不定影響

    1年で+480.71%。過熱感から利益確定売りが出やすい

  • 無配当・無還元継続影響

    配当利回り0%。赤字続きで株主還元期待も薄い

次の決算で確かめる点
売上高
事業成長の有無を確認でき、赤字縮小の前提となるため。
営業利益率
事業の収益性改善度合いを測る指標として重要。
研究開発費
技術開発への投資状況が将来の競争力に影響するため。
受注残
将来の売上高の先行指標となり、事業の見通しを判断できる。

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ49,185人。区分でいちばん多いのは個人・その他86.9%。グループ会社や銀行などの安定株主が2.8%を占め、残る97.2%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
個人・その他41.477.781.487.881.586.9
証券会社13.12.88.95.07.95.2
外国法人16.39.25.44.67.84.9
事業法人24.28.33.22.12.22.5
金融機関5.11.90.80.30.20.3
外国人個人0.10.30.30.30.30.2

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01JP JPMSE LUX RE UBS AG LONDON BRANCH EQ CO(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)1.32
02モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社0.99
03石井 良明0.95
04BNY GCM CLIENT ACCOUNT JPRD AC ISG (FE-AC)(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)0.91
05株式会社SBI証券0.75
06JP JPMSE LUX RE SOCIETE GENERALE EQ CO(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)0.62
07川本 敏江0.61
08野村證券株式会社(常任代理人 株式会社三井住友銀行)0.59
09松井証券株式会社0.55
10高橋 功0.54

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 10期分

1株利益は10期で+100%、1株純資産は7期で+70%。期末時点の株価にもとづく指標の推移。

決算期EPSBPS
2017年3月−13,427
2018年3月−18,691
2019年3月−851
2020年3月−7269
2021年3月−33110
2022年3月−25100
2023年3月−15115
2024年3月−15136
2025年3月−11125
2026年3月−9117

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安

経営陣

6名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は6名。2026/3期の役員報酬は総額59百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約2倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
大久保潔代表取締役社長58
長尾收取締役665,000
波多野薫取締役495,939
内田悟取締役 監査等委員714,688
森大輝取締役 監査等委員392,656
松下修取締役 監査等委員64

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円その他百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)2224020
社外取締役6182193

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容9,235字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、非連結子会社QD Laser Deutschland GmbH(ドイツ)、QD Laser America,Inc.(米国)で構成されております。 当社は半導体レーザ(※)技術を用いた製品の開発・製造・販売を行っており、レーザデバイス事業とレーザ・オプティカルソリューション事業を展開しております。非連結子会社QD Laser Deutschland GmbHはレーザ・オプティカルソリューション事業が取り組む視覚情報デバイス機器に関する欧州での治験結果の維持管理を目的としております。非連結子会社QD Laser America,Inc.は同じくレーザ・オプティカルソリューション事業が取り組む米国での網膜投影製品の販売対応を目的としております。 なお、2026年4月より、従来「視覚情報デバイス事業」としていた報告セグメントの名称を「レーザ・オプティカルソリューション事業」に変更しております。この変更は報告セグメントの名称変更のみであり、セグメント情報に与える影響はありません。なお、前事業年度及び当事業年度の報告セグメント情報についても、変更後の名称で開示しております。 当社のコア技術として、下記6点があります。 ● 半導体結晶成長・・・MBE法(Molecular Beam Epitaxy法、分子線エピタキシー法)を用いて半導体結晶を半導体基板上に一原子層ずつ成長させる技術です。当社レーザ製品はこの半導体結晶から製造されます。 ● レーザ設計・・・用途毎に所望の機能を満たす最適な半導体レーザを設計する技術です。例えば精密加工用半導体レーザでは15psの超高速パルスを実現しています。 ● 小型モジュール・・・半導体レーザは半導体レーザチップをパッケージの中に実装しますが、そのパッケージのことをモジュールと言います。当社は波長532nmや561nmレーザを実装した世界最小クラスのモジュールを製品化しました。 ● VISIRIUM Technology・・・超小型レーザプロジェクタから、網膜に直接映像を投影する技術です。 ● 回折格子・・・半導体レーザ内部に波長を選択するための周期100ナノメートル程度の凹凸を作り込んでおり、これを回折格子と呼んでおります。これによって、レーザ波長の精密制御が可能になり、黄緑(561nm)、橙色(590nm)等の半導体レーザを商用化しました。 ● 量子ドットレーザ・・・量子ドットレーザとは、直径約10nm(ウイルスの1/10程度のサイズ)の半導体量子ドットを活性層に用いて、光を増幅、発振する半導体レーザです。この量子ドットレーザは、1)摂氏マイナス40度から120度近辺まで電流無調整で動作する、2)200度以上の超高温でも動作する、3)高信頼で長寿命である、4)シリコンフォトニクスチップに低雑音でレーザ光を導入できる、という優れた特長を持っています。 ※ レーザ(Laser)とは、Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation(誘導放出による光増幅放射)の頭文字を取ったもので、共振器を用いて電磁波を増幅して得られる人工的な光であり、指向性や収束性に優れ、また波長を一定に保つことができる等の物理的な特長があります。 (レーザデバイス事業) 当社のレーザデバイス事業は、結晶成長を自社で実施し、半導体レーザチップ加工及びモジュール実装を、社外協力会社に製造委託する水平分業体制によるファブレス製造を実現し、ハイエンド技術を基にした事業となっております。 当社は半導体レーザの特性を決める活性層成長を担っており、特に量子ドットの結晶成長については他社にはないノウハウを有しております。また、研究機関からの基礎技術の研究開発や、メーカの新規アプリケーションの光源開発を行う開発受託業務も行っています。 当社の技術が使われている製品は以下のとおりとなっております。 名称   用途等 1240-1310nm量子ドットレーザ 半導体レーザの活性層(発光部)に量子ドット構造を採用しており、温度安定性に優れ、高温にて動作可能です。この温度安定性により、従来の量子井戸レーザ(※)に比べてレーザの評価や調整を極めて容易に行うことができます。波長1300nm帯でレーザ発振するため、データ通信用の光源として利用されています。※量子井戸レーザとは、一般に使用される光通信用レーザです。 1300nm高温度動作量子ドットレーザ 150℃以上での動作に耐性のある波長1300nm量子ドットFPレーザです。このレーザは砂漠や工場、地中資源探査といった過酷な温度環境下でのデータ伝送やセンシング等様々な応用に適しております。 シリコンフォトニクス用量子ドットレーザ 量子ドットレーザは、1)温度が100℃以上の高温のCPUの近くでも安定して動作する、2)反射戻り光に強いためアイソレータが不要となり低コスト化できる、3)高温度で動作させても長寿命である、という3つの特長があり、シリコンフォトニクス用光源として光コネクタ、チップ間インターコネクトやLiDARなどへの適用・検討が進められております。シリコンフォトニクスチップの設計に合わせて、単一チャネル型だけではなく複数の発光点を持つマルチチャネル型も作製することができます。 1020-1180nm材料加工・センサ用DFBレーザ 波長1020-1180nmの単一モードDFBレーザで、連続動作から短パルス動作まで極めて安定に動作します。単一モード安定性は、精密加工用、LiDAR用、ウエハ表面検査用ファイバレーザの種光、ガスセンシング等様々な応用に適しております。 640-905nm高出力FPレーザ(モニタPD付き) 波長640,660,685,785,830,850及び905nmの高出力ファブリペローレーザで、マシンビジョン、パーティクルカウンター、モーションセンシング、セキュリティ、半導体ウエハ自動搬送機及びレベラー等の様々な産業用途に最適です。 532,561,594nm小型可視レーザモジュール 半導体DFBレーザと非線形光学素子PPLN(周期的分極反転ニオブ酸リチウム)を組み合わせた波長変換技術により、低消費電力を実現しております。DPSS(半導体励起固体)レーザと異なり、100MHzまでのパルス変調動作やピコ秒での動作が可能です。顕微鏡、フローサイトメータ、セルソータ、分光及びセンシング等のアプリケーションに使用されています。 高品質エピタキシャルウエハ 様々な光デバイス・電子デバイス用途に、カスタマイズした分子線エピタキシー(MBE)装置を用いたGaAs基板上の高品質エピタキシャルウエハです。量子ドットウエハには、データコム用温度安定レーザや、220℃までの高温度環境で動作するレーザで、世界最高水準の量子ドット技術が適用されております。 Lantana 波長532,561,594 nmの小型可視レーザとドライバを内蔵したオールインワン型のユニットです。超小型ながらプラグアンドプレイが可能で、シリアル通信制御の単一波長光源のため、バイオメディカル用装置の小型化や設計自由度の向上に貢献いたします。 上記製品を搭載している主な製品機器の一例として、次のようなものがあります。 1.光通信・シリコンフォトニクス(※1) 名称   用途等   製品特性・概要 シリコンフォトニクス シリコン基板上に光機能素子を集積し、低コストで高性能な光回路を実現する技術です。現在は量子井戸レーザが使用されていますが、量子ドットレーザを用いたデータ通信、ボード間・LSIチップ間通信やLiDAR等の開発が進められています。    量子ドットレーザを使用することにより、温度が100℃以上の高温のCPUの近くでも安定して動作する、反射戻り光に強いためアイソレータが不要となり低コスト化できる、高温度で動作させても長寿命である、という3つの特長があります。 2.バイオ系検査装置 名称   用途等   製品特性・概要 フローサイトメータ(※2)(細菌検査装置) 細胞の測定装置で、細胞の浮遊液や懸濁液を細管に通し、細胞数の計測、蛍光や散乱光の測定等を、短時間で多量に行います。分子生物学、病理学、免疫学、植物生物学、海洋生物学等各種分野にて応用されております。    世界初の緑・黄緑・橙半導体レーザです。1μm帯DFBレーザ技術と波長変換技術を組合せた小型モジュールになります。黄緑・橙色は直接半導体では発光できない波長帯で、独自の技術をもって実現しております。小型・低消費電力特性を活かし、フローサイトメータ(細胞検査装置)やバイオメディカル用顕微鏡光源として採用されております。 蛍光顕微鏡 蛍光タンパク質や蛍光抗体を標識に用いて、細胞やタンパク質を生きたままで観察できる顕微鏡で、生物学・医学における研究、臨床検査、浸透探傷検査等に使用されております。 3.精密加工 名称   用途等   製品特性・概要 ファイバレーザ(※3) 固体レーザ(※4)の一種ですが従来の固体レーザに比べ、繰り返し周波数の自由な設定が可能、ビーム品質が高い、小型軽量で電気-光変換効率が高い、長寿命といった特長があり、金属やセラミック、ガラス等のマーキング、微細加工、溶接、切断等に使用されます。    1064nm帯短パルスレーザを使用することにより、結晶成長技術、グレーティング設計技術、半導体レーザ設計技術により1064nmDFBレーザのナノ秒、ピコ秒の短パルス動作を実現しております。ナノ秒・ピコ秒の短パルス特性を活かし、ファイバレーザの種光として、多くのファイバレーザメーカに採用されております。 4.各種センサ 名称   用途等   製品特性・概要 パーティクルカウンター(※5) マシンビジョン(※6) 空気中や液体中にある塵・ホコリ・異物・ダスト等をカウントする計測器で、工業用クリーンルームと医薬品・食品及びバイオテクノロジー分野向けとして、主に空気中の浮遊微粒子や微生物を制御・管理したクリーンルームやクリーンベンチの管理目的で使用されます。    640,660,685,785,830,850及び905nmでレーザ発振する半導体レーザで各種センサ、マシンビジョン、パーティクルカウンター、水準器、血液検査計、距離計、半導体ウエハ自動搬送機等の産業用途にレーザを提供しております。 光電センサ 物体の有無や表面状態の変化等を検出するセンサで、工場等での外観検査、自動搬送器、駅のホームドア等幅広い用途に使用されます。 半導体ウエハ自動搬送機 半導体工場内のウエハ自動搬送機に搭載されたレーザを照射し、他機との距離を検出することで衝突を回避します。 名称   用途等   製品特性・概要 距離計 スマートフォンのイヤホンジャックに挿して電源を入れ、計測ガイド(測定点を表示するガイド)用のレーザを照射させ、部屋の壁面等2点間の距離を測定します。    同上 (レーザ・オプティカルソリューション事業) レーザ・オプティカルソリューション事業は、網膜投影技術を使ったXRグラス用の光学ディスプレイユニットの開発、半導体レーザ・光学技術を応用した産業機器用の光学モジュール・光学ユニットのファブレス製造・販売、および網膜投影製品の企画・開発とファブレス製造を行っています。 ファブレス製造とは、製品の企画、設計を自社内で行い、部品及び最終製品の製造及び組立てを協力会社に委託する形態です。当社は、部品及び最終製品の製造・調整に必要な製品仕様、部品リスト、部品仕様書、回路図、実装図、プリント配線板製造データ、組み立て指示書、検査指示書、ソフトウエアを協力会社に供給し、製造および検査を委託しております。 また販売に関しましては、法人顧客から試作品や製品の開発を受託するもの、法人顧客へ直販及び代理店経由で販売するもの、一般顧客向けに販売パートナー(代理店、通販業者)を通じて販売するものが有り、各々の製品・サービスの取組みに応じた販売活動を行っております。 網膜投影技術とは、超小型レーザプロジェクタからVISIRIUM Technologyにより網膜に直接画像を投影し、装着者の視力やピント位置に影響を受けることなく(フリーフォーカス)、カメラの撮像画像や外部入力されたデジタル情報を提示できる技術で、以前に製品化していた網膜走査型レーザアイウェアの基幹技術です。XRグラス用の光学ディスプレイユニットの技術開発を中心に網膜投影技術の開発を継続して進めており、フリーフォーカスに加えて網膜への投影範囲を大きく拡大し、周辺部にまで明るく鮮明な映像を届けられる技術です。 網膜投影技術の仕組みは以下のとおりとなります。 当事業における取扱い製品とサービスは以下の通りとなります。 ①    網膜投影技術を使った製品は、メガネ型民生用機器、医療用機器、非メガネ型民生用機器を販売しておりましたが、現在は以下の通りの取扱いとしております。医療用機器については2024年度に販売を終了しました。メガネ型民生用機器は、「RETISSA Display」を2018年7月に販売を開始、「RETISSA DisplayⅡ」を2019年12月に販売を開始、RETISSA DisplayⅡ向けの専用のアクセサリカメラ「RD2CAM」を2021年8月から販売開始しましたが、全機種の販売を終了致しました。 ②   非メガネ型民生用機器として「RETISSA ONHAND」を2023年3月に販売を開始し、「RETISSA MEOCHECK NEO」を2025年10月に代理店を通じて販売を開始いたしました。現在も、両製品は代理店を通じて販売しております。 ③   新たな非メガネ型民生用機器として「RETISSA VIEWCLEAR」のテストマーケティングを2026年5月より開始いたしました。本製品は、網膜投影技術を用いたスマートフォン装着型の手持ちディスプレイです。従来の「RETISSA ON HAND」と比較してさらなる小型・軽量化を実現し、映像もより鮮明に視認できるようになりました。 ④   XRグラス向けの網膜投影技術を用いた光学ディスプレイユニットの開発を進めております。同グラスの基幹部材を開発する顧客企業との共同開発契約に基づき、試作品の開発を行っております。顧客企業は、市場が急成長しているAIグラスをはじめとするXRグラスのメーカーへの、当該技術を活用した光学ディスプレイユニットの提供を目指しております。両社の連携により、当該技術のさらなる普及と活用の促進を図ってまいります。 ⑤   半導体レーザ技術や網膜投影技術をコアに、産業機器用光学モジュール・光学ユニットの開発・製造・販売を開始しました。具体的には、半導体レーザとMEMSを組み合わせた光学ユニットや、光の3原色(赤、青、緑)をはじめとする各種波長のレーザを組込んだ多波長モジュールを提供しており、標準製品の提案だけでなく、顧客の要望に応じたカスタム品にも対応しております。現在、これら半導体レーザ搭載製品の需要が高まっており、受注活動も活発に推進中です。今後は、網膜投影技術やその派生技術への顧客ニーズを的確に捉え、さらなる製品開発と提供に取り組んでまいります。 (網膜投影技術を使った非メガネ型民生用機器) 名称   用途等 「RETISSA ON HAND」 民生機器「RETISSA ON HAND」は、2023年3月に販売を開始し、現在は代理店を通じて展開しております。2024年3月には米国市場への進出を果たしました。本製品は、レーザ網膜走査技術を応用・発展させ、手持ち型ディスプレイで文化・芸術施設やスポーツ施設への導入、利用が進んでおります。 「RETISSA MEOCHECK NEO」 民生機器「RETISSA MEOCHECK NEO」はレーザ網膜投影技術を応用した、眼のセルフチェックができる小型装置です。 「RETTISA VIEWCLEAR」 (製品にスマートフォンは含まれません)   民生機器「RETISSA VIEWCLEAR」は網膜投影技術を用いた手持ち型ディスプレイで、スマートフォンに装着可能な小型・軽量の製品です。RETISSA ON HANDと比較して、小型で映像もより鮮明に視認できます。2026年5月よりテストマーケティングを開始いたしました。 (半導体レーザ技術・網膜投影技術を使った産業向け光学モジュール・光学ユニット) 光学ユニット レーザ+MEMS   多波長モジュール 当社の網膜投影機器はレーザとMEMSを組み合わせたモジュールや光の3原色(赤、青、緑)を束ねたモジュールを使用しております。その技術を産業用途に活用すべくレーザ+MEMSモジュールや多波長モジュールの販売を2025年度より開始いたしました。 (事業構造について) 当社の事業構造につきましては、下記のとおりとなっております。 (レーザデバイス事業) 独自技術を駆使した半導体ウエハを作成し、協力会社に当該ウエハを組み込んだ半導体レーザチップの作製及びモジュールの実装を委託し、当社で品質基準への適合性を検査した後、お客様に製品をお届けしております。 (レーザ・オプティカルソリューション事業) 網膜投影技術を使った民生用機器や光学モジュール・光学ユニットの開発を行い、ファブレス形態にて製造・販売しております。一般顧客向けには販売パートナーを通じて提供し、法人顧客向けには直接または代理店経由にて受注を行っております。製造面においては、当社が策定した仕様書に基づき、協力会社へパーツ製造や最終製品の組立を委託しております。当社における最終検査を経て、販売パートナーまたは直接お客様へ製品をお届けする体制を構築しております。なお、法人顧客から技術開発を受託する場合も同じ事業構造です。 当社の「レーザデバイス事業」及び「レーザ・オプティカルソリューション事業」の事業系統図は以下のとおりとなります。 本項「3.事業の内容」にて使用しております用語の定義について以下に記します。 No   用語   用語定義 1     シリコンフォトニクス     シリコンフォトニクスとは、 LSI(大規模集積回路)やIC(集積回路)に使用されるシリコン基板上に、光集積回路を作製し、様々な光機能をシリコン上に作製する技術です。 2      フローサイトメータ      フローサイトメトリーと呼ばれる分析手法に用いられる分析装置です。主に細胞を個々に観察する際に用いられます。フローサイトメトリーとは、細胞を含む流体にレーザ光を当てて、その散乱光や蛍光検出により細胞を特定する手法です。 3      ファイバレーザ      ファイバレーザとは、希土類を添付した光ファイバを増幅媒体とするレーザの一種です。光ファイバ、種光、励起光で構成されております。ビーム品質が高い、小型化可能、長寿命と従来の固体レーザに比べてメリットが多いです。 4   固体レーザ   固体レーザとはYAG結晶等の絶縁性固体材料を増幅媒質とするレーザです。 5          パーティクルカウンター          パーティクルカウンター(Particle Counter)とは、空気中や液体中にある塵・ホコリ・異物・ダスト等をカウントする計測器のことで、日本では微粒子計と呼ばれることもあります。 パーティクルカウンターは、一般にICR(Industrial Clean Room)と呼ばれる工業用クリーンルームと、BCR(Biological Clean Room)と呼ばれる医薬品・食品及びバイオテクノロジー分野向けとして、主に空気中の浮遊微粒子や微生物を、制御・管理したクリーンルームやクリーンベンチの管理目的で使用されております。 6        マシンビジョン        マシンビジョン(Machine Vision, MV)とは、産業(特に製造業)でのコンピュータビジョンの応用を意味し、自動検査、プロセス制御、ロボットのガイド等に使われます。コンピュータビジョン(人間の視覚システムをコンピュータが代替する技術)とは、ロボットの目の役割(様々な自動機械が画像認識をする)を果たすものです。 7     回折格子形成     半導体レーザにおいて単一波長で発振するレーザを、DFB(Distributed Feedback)レーザと呼んでおります。波長を選択するためにレーザ内部に周期的な凹凸を形成しますが、それを回折格子形成と呼びます。 8      クラッド再成長      半導体レーザ用結晶の成長においては、まず半導体レーザの発光層となる量子ドットや量子井戸を形成します。その後、波長を選択する回折格子を形成します。その上部に光を閉じ込める層であるクラッド層を形成します。この層を形成する工程をクラッド再成長と呼びます。 9     電極プロセス     半導体レーザ作製には、クラッド再成長後に光を導波させるためのメサ構造や、電流を注入するための電極形成が必要になります。それらの工程を総称して電極プロセスと呼びます。 10    端面コート    半導体レーザをレーザ発振させるために、チップ前後に光を反射させる膜を形成する必要があります。この膜形成の工程を端面コートと呼びます。 11    チップ選別検査工程    協力会社にて作製した半導体レーザチップを、当社において光出力や波長を検査する工程をチップ選別検査工程と呼びます。 12      光学調整      網膜投影製品では、光の三原色であるRGBの半導体レーザの光が精密に設計された光学系によって導かれ、画像を投影します。光学系に関わるパーツでは、投影の品質や安全性が担保できるよう、あらかじめ定められた基準に従った調整を行います。 13    光学・外観検査    完成した製品は、消費生活用製品安全法やあらかじめ定められた基準に適合していることを確認するために検査されます。
経営方針・対処すべき課題5,571字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、提出日現在において、当社が判断したものであります。 (1)経営方針 AIの進化による大量なデータの高速処理ニーズの加速や製造業等での高精度な自動化技術の進歩などにより、産業の基幹電子部材であり先端テクノロジーである半導体レーザ技術の有用性はますます高まってきております。当社は「人の可能性を照らせ。」という経営理念のもと、重点施策として下記の5点を掲げております。 ● 業界をリードする新製品の開発と安定量産化 ● 納期遵守による顧客満足度の向上 ● 顧客要求を充足する信頼性の確立 ● 製品検査レベルでの品質向上 ● 従業員の継続的スキル向上 当社の属する「半導体レーザ」および「半導体レーザ応用製品」の業界は、着実にアプリケーションが拡大しており、世界的に半導体レーザの新製品、高性能製品やその応用製品に対する市場ニーズが高まっています。当社はバイオメディカル、精密加工、半導体製造などの領域でグローバルに顧客の強い支持を得ており、顧客への製品提供と新製品開発を進め、着実に市場に浸透しています。今後もこれらの半導体レーザおよび半導体レーザ応用製品に加えて、量子ドットなどの当社独自の製品の性能向上と新製品開発を進め、新しい市場へ参入いたします。これらの成長する市場の中でシェアを獲得するために以下のような経営戦略を立案し、推進しております。 Ⅰ.経営計画 ① 中期経営計画 2024年11月に中期経営計画を策定し、2027年3月期の全社黒字化達成に向けて「ベースライン計画」と「成長可能性の追求」を行う事業プランを公表しました。この計画に基づき、レーザデバイス事業では、DFBレーザ、小型可視レーザ、高出力レーザをベースライン計画として売上高を毎年20~25%成長させると共に粗利率を45%に上げる計画とし、また量子ドットを成長可能性の追求としてコンピュータ光回路、次世代自動車、高度医療、人工衛星等での用途に向けた研究開発用の需要の獲得を想定しています。またレーザ・オプティカルソリューション事業では「RETISSA ON HAND」の販売、他社開発視覚支援製品に対するコア部品供給又は技術ライセンス、他社開発ディスプレイ型視覚支援新製品販売をベースライン計画とし、またスマートグラス(XRグラス)、ビジョンヘルスケア(医療応用)を成長可能性の追求として他社との提携等によって将来の成長可能性を確保しつつ足元の負担を軽減し、これらによってレーザ・オプティカルソリューション事業を2027年3月期に黒字化する計画としています。 中期経営計画の1期目となる2025年3月期は、レーザデバイス事業部、レーザ・オプティカルソリューション事業部の売上高およびセグメント利益は、中期経営計画に掲げた目標を達成しました。中期経営計画の2期目となる2026年3月期は、売上高は中期経営計画比104%、業績予想比99%となり利益は中期経営計画及び業績予想を大幅に上回りました。 ② 2027年3月期の業績予想 2027年3月期は、レーザデバイス事業部は売上高およびセグメント利益の拡大を行い、また視覚情報デバイス事業部は組織名称をレーザ・オプティカルソリューション事業と変更して事業構造の転換を行い、XRグラス向け光学ディスプレイユニットの開発、産業用途向け光学モジュール・光学ユニットの開発販売、民生機器の網膜投影機器の販売等に再編し、売上高拡大とセグメント利益の収益化を進め、中期経営計画の目標である2027年3月期の全社黒字化に向けて取組む予定です。業績予想に就きましては開示資料にて公表しております。 Ⅱ.経営全般 ① ファブレス製造 自社内においては半導体レーザの最も要となるデバイス設計、結晶成長と完成品の評価のみを行い、それ以外の工程は協力会社の生産ラインにて行っております。このため、生産設備保有による固定費や資金流出が抑えられるとともに、需要の変動に柔軟に対応した生産を行うことが可能となり、低コストで顧客満足度の高い生産体制を実現しております。 ② 幅広い波長領域のレーザの開発、量産化 532nmから1064nm、1310nmまでの幅広い波長領域をカバーする製品をラインナップしております。これにより、通信機器、精密加工装置、生命科学機器、計測センサ機器、ディスプレイ機器等の多様なアプリケーションに対応する製品を開発、量産することが可能となっております。 ③ 量子ドットレーザ量産技術のシリコンフォトニクス展開 光通信とインターコネクトに用いられる波長1300nmにおいて、量子ドットレーザの量産技術を有しております。この量子ドットは既存光通信デバイスと比較して高温度動作が可能で極低ノイズ特性を有することからシリコンフォトニクス光源として適しており、シリコンフォトニクスによる高速光デバイスの低コスト化・低消費電力化が期待されます。現時点で、世界のシリコンフォトニクスベンダー各社とシリコン融合量子ドットレーザの共同開発を進めており、光コネクタ、チップ間インターコネクトへの適用が検討されております。また、シリコンフォトニクスと量子ドットデバイスを組み合わせてロボティクス、セキュリティ、自動運転用のLiDAR用光源の共同開発も行っております。 ④ モジュールビジネスの展開 バイオメディカル用途を中心に小型可視レーザ単体を販売する際、レーザと組み合わせるドライバは顧客が準備する必要がありました。一方で市場ではセットアップ時間や製品開発期間を短縮したい研究者および検査装置メーカなどにPlug&Playで直ぐに使える製品のニーズが有ることを捉え、ドライバを内蔵した新製品Lantanaを開発し、出荷を開始しました。今後も幅広い市場ニーズを捉えるべくLantanaの波長ラインナップを追加するとともに、モジュール製品の開発を強化する予定です。 ⑤ 独自技術のB2B型事業による顧客への価値提供 レーザ・オプティカルソリューション事業では半導体レーザ・光学技術を応用した製品や技術を企業の顧客に提供するB2B型事業の展開を開始いたしました。具体的には、当社独自の網膜投影技術を活かした受託開発(試作品開発)をはじめ、同技術を応用した光学モジュール・光学ユニットを法人向けに提供しております。従来は網膜投影技術を活用した最終製品の製造・販売が中心でしたが、現在は、当社の強みである半導体レーザの顧客基盤を活かし、技術やユニット化された製品を提供するビジネスモデルへと発展させております。これにより、顧客ニーズを的確に製品化し、新たな価値を創造してまいります。 ⑥ 事業協力契約による事業拡大 XRグラス分野は、2025年に米国を中心に大きく市場が本格化しており、今後もさらなる高成長が期待される一方、収益化までに数年以上の時間を要することや、グローバル市場への参入に伴う先行投資負担の増大が予想されます。また、これらをB2C向け最終製品として商品化するには、大規模な資金や人的資源、更には量産化・生産管理における高度なスキル・ノウハウが必要となります。 当社は、これまで開発を推進してきた網膜投影技術を用いたXRグラス向け次世代RGB光源モジュールおよび光学エンジンの共同開発、ならびに同技術に関する特許権の一部を、製品化に強みを持つTDK株式会社へ移転いたします。今後は同社と強固なパートナーシップのもとで開発を推進し、拡大するXRグラス市場でのさらなる成長機会の獲得を目指してまいります。 (2)経営上の目標達成状況を判断するための客観的指標等 企業価値を継続的に向上させるためには利益の確保が重要であることから、当社は売上高総利益率を最も重要な経営指標として採用しておりました。今後も売上高総利益率を高めていく方針ではありますが、フリー・キャッシュ・フローの増加に重点を置き、今後はEBITDAを指標といたします。事業別の指標としては、レーザデバイス事業は、これまでは認定顧客数の増加率で管理しておりましたが、各アプリケーションにおいて主要顧客に認定されていることから、今後は顧客内での認定製品の数を増やすことに重点をおき、認定製品数毎年9製品増加を指標といたします。レーザ・オプティカルソリューション事業は、レーザ+MEMSを組み合わせた製品や多波長モジュールなどの光学モジュール・光学ユニット、及び網膜投影機器の認定製品数を指標といたします。なお具体的な数値目標につきまして、今後のマーケティング活動の進捗に応じて設定してまいります。 (3)対処すべき課題 今後の世界経済につきましては、中東情勢による石油由来製品のグローバルでの供給不安や価格高騰、中国が行うレアアース規制の影響などの各地の地政学リスクへの警戒感とともに、先行き不透明な状況が継続するものと予想されますが、当社におきましては、「人の可能性を照らせ。」を念頭に、以下の課題に対する諸施策を講じることで、事業の強化を図ってまいります。 ① 全社黒字化の達成(2027年3月期) 収益赤字が継続している中、2024年11月に中期経営計画を策定し、2027年3月期において黒字化を達成し、黒字化と成長可能性のバランスを図る事業計画を公表しました。この中期経営計画の2年目にあたる2026年3月期についても初年度にあたる2025年3月期に引き続き、売上高、利益とも計画を達成しております。中期経営計画の最終年度にあたる2027年3月期の全社黒字化に向けて取り組みを進めてまいります。なお2027年3月期の業績予想については2026年6月1日に公表済みとなっております。 ② レーザデバイス事業の成長 加工、センサ、バイオメディカル用光源領域では、既存製品の拡販と低コスト化、高付加価値製品の開発、新規アプリケーションへの参入を進め、中長期的に年率10%以上の安定的な事業成長を図ります。当社のコア技術である量子ドットは中長期的な成長ドライバとして、光通信、LiDAR、民生品応用に向けた研究開発を進めてまいります。 ③ スマートグラス実現に向けた取り組みの継続・拡大 レーザ・オプティカルソリューション事業の飛躍的成長を実現するためには、多くの方が日常的に使うスマートグラスへの技術採用が欠かせない要素です。共同事業のパートナー企業とともに、アイトラッキング機能の開発、低消費電力化、小型化、高精細化といった要素技術の成熟に向けて取り組むとともに、これまで蓄積した知財・ノウハウの収益化を目指してまいります。 ④ 光学モジュール・ユニット領域での取り組み レーザ・オプティカルソリューション事業のうち光学モジュール・ユニット領域においては、これまでの網膜投影技術、半導体レーザや光学設計技術、生産ノウハウを活かして、顧客の具体的ニーズに応じた製品や機能を提供することにより、新たなサプライチェーンの安定基盤構築を目指してまいります。 ⑤ ビジョンサポート領域での取り組み レーザ・オプティカルソリューション事業のうちビジョンサポート領域においては、新規スマートフォン装着型網膜投影機器の上市を目指し、テストマーケティングを開始いたしました。認知の浸透には相応の時間がかかると考えられますが、レーザ・オプティカルソリューション事業の祖業ともいえるビジョンサポート領域での市場開拓、事業開発を進めてまいります。 ⑥ マーケティングと営業体制、新製品開発力の強化 市場・業界・顧客分析、及び分析に基づく戦略的営業活動を継続的に充実させるとともに、従来の定期的な顧客訪問、展示会の有効活用、国内外代理店との密な連携、企業パイプラインの強化と複線化、ウェブサイトの充実、Eコマースサイト活用を継続して、売上増大と利益確保を図ります。また、製品開発、研究開発基盤とマーケティングを連動させ、新製品開発力を強化します。 ⑦ 水平分業提携先との協業体制の維持と発展 チップ作製、モジュールアッセンブリ、網膜投影機器生産提携先と、将来ビジョン、年間計画、各案件のスケジュール連携、結果のフィードバック、定期的な訪問、打合せ等を行い、より一層の関係強化を図ります。 ⑧ 高品質・安定した製品の供給 高品質、高性能な製品を市場に供給し顧客満足度を継続して向上できるようISOに準拠した製品開発を行っていきます。また、顧客の性能、品質、価格、納期へのご要求に常に耳を傾け、開発・生産・営業が一体となりスピーディーに対応できる体制の継続的改善を行っていきます。 ⑨ MBE装置(分子線エピタキシー法による結晶成長装置)の維持管理 当社の技術を支えるMBE装置は事業部の移転に合わせて2026年4月に横浜市戸塚区の新拠点に移設を行い、生産再開に向けた立ち上げをスケジュール通りに進めているところです。また、2027年度には現在の4倍の生産能力を実現できるよう、新規MBE装置を導入する予定となっています。本装置は繊細な管理を必要とするため、日々の修繕において、安定的な運用を行うとともに、新規MBE装置設置後の早期稼働を実現できる体制の構築を図ってまいります。 ⑩ 適切なコーポレートガバナンスとIR体制強化 開示書類の早期作成、業務プロセスの改善、内部管理体制の強化を継続的に推進するとともに、株主とのコミュニケーションを強化し、株主満足度の高いIR体制を構築してまいります。
事業等のリスク6,085字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 当社を取り巻く市場環境及び事業の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のとおりであります。なお、以下の各事項は、本書提出日現在において、当社が把握している情報等から判断可能なものについて記載したものであります。 (1)市場・外部環境に関するリスク ① 市場環境について 当社が参入しているレーザ関連市場は、既存技術の代替や新分野への活用等にて今後の成長、拡大が大きく見込める市場でありますが、今後の更なる技術革新、最先端技術の変化により、レーザに代わる廉価且つ大量生産可能な代替品が市場投入された場合、レーザ関連市場が縮小する可能性があり、その場合には経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ② 景気動向について 当社が参入しているレーザ関連市場は、精密加工装置やバイオ系検査装置等の産業用、医療用機器向けを中心に成長傾向は継続するものと見込んでおりますが、国内外の経済情勢や景気動向、それに伴う設備投資意欲の減退等の理由により、市場の成長が鈍化する可能性があり、その場合には経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ③ 為替変動について 当社は、国内だけでなく、海外とも仕入及び販売取引を行っております。為替の変動については、リスクヘッジ策を行っておりますが、今後、想定外の為替変動が発生した場合、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ④ 国際情勢について 当社が製造する製品は、国内外に販売しており、2026年3月期における国外販売比率は54%(注)を占めております。また、製品の製造プロセスの一部を海外のパートナーに委託しています。アメリカ、欧州、アジア等特定の地域に偏重せずに各地域にバランスよく展開しておりますが、各国・地域の法的規制、慣習、国際情勢の変化等に起因する事態が発生する場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (注) 国内代理店を経由した国外の二次顧客分は含んでおりません。 (2)事業内容・サービスに関するリスク ① 開発受託業務について 当社が展開している開発受託業務は、当社の先端基盤技術に基づくもので、開発費と利益の獲得、基盤技術の高度化、知財の蓄積、新規発想の具現化、新アプリケーション創造と市場の開拓、受託先の量産展開力の活用等、当社の利益に資する重要なビジネスモデルであり、今後も幅広く展開していく方針ですが、受託先の経営方針の変更や経営状態の悪化等により、受注が減少する可能性があり、その場合には経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ② 網膜投影製品の販売について レーザ・オプティカルソリューションにおける各機器は、直接または代理店経由でエンドユーザー(個人、法人)に販売しております。また、当社から機器やパーツ、モジュールを提供し、販売先企業にて製品化またはパッケージ化のうえ、販売されております。さらに、開発受託案件については、その対価を売上計上しております。 レーザ・オプティカルソリューションの販売計画の主な内訳は、開発受託による収益です。開発計画については、年度初めに顧客と整合を図り、それに基づき販売計画を策定しております。また、光学ユニットについては、前年度の顧客とのやり取りを踏まえて計画を策定しております。新規のスマートフォン装着型網膜投影機器については、既存製品の売上状況を踏まえ、リスクを勘案して設定しております。 (3)法務・知財に関するリスク ① 知的財産権について 当社の事業に関連した特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟やクレーム等の問題が発生した事実はなく、現時点において、当社の事業に関し、他社が保有する特許権等への侵害により、事業に重大な支障をきたす可能性は低いものと認識しております。また、技術調査等を継続的に行い、侵害事件を回避するよう努めております。しかしながら、当社の様な研究開発型企業にとって、知的財産侵害問題の発生を完全に回避することは困難であり、今後第三者との法的紛争に巻き込まれた場合には、弁護士や弁理士と協議の上、個別具体的に対応策を検討してまいります。当社の技術が侵害されるケース及び当社が第三者の技術を侵害していると指摘されるケースのどちらとしても、解決に際しては、時間及び多額の費用を要する可能性があり、その場合には経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ② 法的リスクについて 当社の様々な事業活動において、国内外を問わず、当社が関与する技術・製品・サービス等について知的財産権に関する係争や製造物責任問題、薬事、商取引、税務等その他事業に関連する法令、慣行を巡って予期しない問題が提起される可能性があります。その場合には経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (4)サプライチェーンに関するリスク ① 部品・部材等の調達及び価格変動について 当社は、生産活動や研究開発活動に必要な部品・部材を外部の取引先から調達しております。中東情勢やレアアース規制など様々な要因により、それらの調達先からの供給に就いて当社の製造に影響が出る様な供給の不安定化、価格の高騰、供給部材の品質劣化等が発生した場合、製品の納期や品質を守る事ができない、もしくは当社製品の値上げにより販売に影響が生じる可能性があります。当社は一定数量の主要部材・部品を在庫として確保していますが、部品・部材の調達状況の変化が幅広い品目もしくは超長期間に生じる場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (5)財務・投資に関するリスク ① 継続的な投資について 当社は継続的な成長のために、新製品又は新技術の開発のための必要な研究開発活動を継続する必要があると考え、これまで積極的に研究開発費に係るコストに投下しており、今後も継続して必要な研究開発活動を行っていく方針であります。 レーザ・オプティカルソリューション事業部においては、2027年3月期の黒字化に向けた準備期間である2026年3月期において、自社での研究開発費の支出を極力抑え、外部顧客からの共同開発費を活用して研究開発を推進してまいりました。 今後の研究開発活動についても、その費用対効果を勘案して予算の要否を判断しますが、研究開発活動の効果が十分に得られない場合や、開発コストの増加等が生じた場合、想定以上の投資に係る費用が発生することが想定され、中期経営計画が達成できない可能性や営業損益等の黒字化に時間を要する可能性があり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6)品質管理に関するリスク ① 製品の品質について 当社では、ISO9001の基準に加えて、外注管理規程、研究開発管理規程及び生産管理規程を設け、当該規程に則り、各種製品の製造、品質の保持向上に努めております。 信頼性には万全の配慮をしてまいりますが、想定していない理由により、製品の欠陥が発生した場合には、その欠陥内容によっては多額のコスト発生や信用の失墜を招き、当社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社では、引き続き製品の品質向上に努め、特に不具合に対する継続的な改良、不具合の起きにくい製品設計の推進、完成試験の信頼性向上試験の導入を含め、開発時、出荷時の試験を強化し、製品への非常時対策の機能開発の継続、顧客クレーム、故障等の処理プロセス等について強化してまいります。 (7)研究開発に関するリスク ① 研究開発活動について 当社は最先端のレーザ技術に基づく、研究開発に取り組んでおりますが、当社が業界と市場の変化を十分に予測できず、また、間違った判断をすることで、顧客や市場からの支持を得られる新製品、新技術を提供できない可能性があります。その場合、将来の成長と収益性を低下させ、当社の事業活動、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8)組織構造に関するリスク ① 小規模組織であることについて 当社は、従業員50名の小規模組織であり、内部管理体制も現状の組織規模に応じたものとなっております。今後の事業拡大と事務量の増加に備え、従業員の育成、人員の増強及び内部管理体制の一層の充実を図る方針でありますが、人材の増強及び内部管理体制の充実が円滑に進まなかった場合には、適切な組織的対応ができず、当社の業務効率や事業拡大に支障をきたす可能性があります。 (9)人材・労務に関するリスク ① 人材の確保及び人件費の高騰について 現在、日本経済全体として労働人口の減少等による人手不足や人件費の高騰が大きな問題となっております。当社では、当社の欲する人材を採用してきましたが、今後において、人材の供給が当社の要望にかなわずスキルの不一致、賃金の不一致等で安定的に適正な人件費で人材確保ができなくなった場合、当社の業務効率や事業拡大に支障をきたす可能性があります。 ② 退職者による技術・ノウハウ流出について 当社のレーザ関連技術について、特許等によりコアとなる技術は保護されている状態を保っておりますが、退職者によって、当社技術と異なるも近しいレーザ関連技術が他社により開発された場合や、独自性が失われ市場への訴求力が低下するような事態となった場合には、当社の事業活動、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (10)拠点・施設に関するリスク ① レーザデバイス事業部拠点の移転について 当社は2026年4月にレーザデバイス事業の拠点を横浜市戸塚区へ移転いたしました。この移転には当社の技術を支えるMBE装置(分子線エピタキシー法による結晶成長装置)の移設も含まれており、本装置は繊細な管理を必要とするため、移設作業には過去の経験を含めた万全な体制を取っておりますが、移設後の装置立上げが想定通りに進まなかった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (11)委託・外部依存に関するリスク ① 製造委託先の経営悪化、品質事故等 当社ではファブレス製造の方針を採用しておりますので、外部の協力企業に製造を委託しております。それぞれの企業の特性等を考慮し、当社製品の製造能力に応じて、各社への製造委託品目を決めております。 各社に対しては、当社にて品質検査、経営状態の確認等を実施しております。仮に委託先の経営悪化、品質事故等が発生した場合、容易に委託先の変更は可能ではありますが、新たな生産体制が再構築されるまでの期間、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (12)内部統制・ITに関するリスク ① 情報セキュリティに係るリスク(情報の漏洩、コンピュータウイルスの感染、不正アクセス等) 当社の主な事業は顧客の個人情報を取得する必要のあるものではありませんが、一部取引には個人情報を取得する場合があり、また、顧客と秘密保持契約を締結した上で技術情報や営業情報を取り扱う業務もあり、想定していない理由により、これらの情報の漏洩が発生した場合には当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、会計、販売管理等コンピュータによる業務処理を実施しており、地震・火災等の災害によるハードウェアやネットワークの損傷、外部からのコンピュータウイルス攻撃やサイバーアタック等によるシステムトラブルやデータ破壊、情報の盗難、漏洩等が発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (13)財務・制度に関するリスク ① 配当政策について 当社は、創業以来配当を実施しておらず、本書提出日現在においても、会社法の規定上、配当可能な状態にありません。当面は、内部留保による財務体質の強化及び研究開発活動への再投資を優先させる方針であります。一方、株主への利益還元は重要な経営課題の一つととらえており、経営成績及び財政状態を勘案しつつ、配当の実施を検討してまいります。しかしながら、利益計画が予想どおりに進捗せず、今後も安定的な利益計上ができない場合には、配当による株主への利益還元が困難になる可能性があります。 ② 資金繰り及び資金調達等に関するリスク 当社は、事業の進捗に伴って運転資金、研究開発投資及び設備投資等の資金需要の増加が見込まれます。今後も財務の健全性を意識した資金使用を行いますが、収益確保または資金調達の状況によっては、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、当社の公募による資金調達の使途に関しましては、レーザ・オプティカルソリューション事業及び本社の人件費、賃料、知財費等の運転資金に充当する予定でありますが、急激な事業環境の変化等により、当初予定した資金使途以外に利用する場合があり、投資効果が期待どおりにあげられない可能性があります。また、当社の行使価額修正条項付新株予約権による資金調達の使途に関しましては、主にレーザデバイス事業の生産能力増強やM&Aに充当する予定でありますが、急激な事業環境の変化等により、当初予定した資金使途以外に利用する場合があり、投資効果が期待どおりにあげられない可能性があります。 ③ 新株予約権の行使や株式報酬制度による株式価値の希薄化について 当社では、取締役、従業員に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度および取締役に対する株式報酬制度を採用しております。また、今後においてもストック・オプション制度や株式報酬制度を活用していくことを検討しております。これらの現在付与済の新株予約権や今後付与された場合の新株予約権の行使や株式報酬制度による新株発行が行われた場合には、既存株主が有する保有株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。 (14)自然災害・不可抗力に関するリスク ① 地震等の自然災害について 当社は製造委託先の製造拠点を国内外に分散しております。また、地震等の災害について事業継続計画に準拠して、非常事態に対応する体制を構築しております。今後も地震等の自然災害が発生した場合、その規模及び地域によって経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (15)訴訟等に関するリスク ① 訴訟について 当社は、本書提出日現在において、訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、販売した製品の不具合等、予期せぬトラブルが発生した場合、それに起因した損害賠償の請求、訴訟を提起される可能性があります。その場合、損害賠償の金額、訴訟内容及び結果によっては、当社の事業活動、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
経営成績の分析 (MD&A)8,372字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 当社の財政状況、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は以下のとおりであります。 ① 経営成績の状況 当事業年度における世界経済は、米国新政権による保護主義的な通商政策の動向を背景に国際貿易の先行き不透明感が続くなか、中東情勢やウクライナ紛争の長期化、各国の金融・通商政策に伴う為替や物価の変動などにより、不安定な状況で推移しました。主要国においては金融引き締めの影響から景気減速感が見られる一方、サービス需要を中心に底堅い動きも見られましたが、地政学リスクの長期化や資源国・中東地域を巡る情勢変化への警戒感もあり、全体として先行き不透明な状況が継続しました。 わが国経済においては、物価高の継続や実質賃金の伸び悩みが個人消費の回復を抑制する要因となるなか、消費には一部持ち直しの動きが見られたものの、海外経済の減速や米国通商政策の影響を受け、輸出や設備投資には慎重な姿勢が見られました。また、政権交代を受けた経済・産業政策の方向性を見極める動きに加え、為替相場の変動やコスト上昇への警戒感もあり、企業マインドは総じて力強さを欠く状況で推移しました。このような環境のもと、国内経済の先行きについては引き続き不透明な状況が続いております。 このような環境下、当社は2025年6月24日付で代表取締役が交代し、新たな経営体制のもとで、より一層の事業推進とスピード感ある経営を図っております。2024年11月14日に発表した中期経営計画に沿って、2027年3月期での黒字化の実現を目指し、強みのある事業の更なる成長に向けた取組みと事業領域の再構築を進めています。また、2026年3月12日に公表したとおり、会社を神奈川県川崎市から神奈川県横浜市に移転し、本社および横浜戸塚サイト(YTS)の2拠点での稼働を4月より開始しております。新たな拠点体制のもと、事業基盤の強化を進めるとともに、各拠点の機能を活かしながらより一層の事業成長を図ってまいります。 また、中小企業庁が推進する「100億宣言」に参画し、今後10年間で売上高100億円超の達成を目指す中長期の成長ビジョン『10 by 10 to 100』を掲げるとともに、同宣言に並行して中小企業成長加速化補助金を申請し、2025年9月19日に採択が決定され、2025年12月19日に5億円の補助金交付が決定されました。本宣言は、持続的な成長を実現するために必要な経営資源の確保と、成長基盤の構築に取り組む当社の姿勢を示すものです。補助金交付決定後には将来の増産対応と研究開発の加速を目指して結晶成長装置の増設を決定し、装置の発注を行いました。加えて、2026年3月12日に公表したとおり、当該装置の購入資金として、株式会社りそな銀行より無担保無保証で710,000千円の融資を受けることを決定し、2026年3月に330,000千円、2026年4月に380,000千円の借入による資金調達を行っております。引き続き資本効率を意識した投資と組織体制の整備を行い、成長ビジョンの実現と企業価値の向上に取り組んでまいります。なお、2026年4月より、従来「視覚情報デバイス事業」としていた報告セグメントの名称を「レーザ・オプティカルソリューション事業」に変更しております。この変更は報告セグメントの名称変更のみであり、セグメント情報に与える影響はありません。 具体的な取り組みとしては、オールインワン小型可視レーザ「Lantana」製品の受注開始をはじめ、新波長の小型可視レーザ、半導体検査用超高速DFBレーザ等の開発を継続してまいりました。また、レーザ・オプティカルソリューション事業の構造転換施策として、アイトラッキング駆動システムを含む次世代アイウェア向け光学ユニット共同開発及びスマートフォン装着型網膜投影機器や産業機器用光学モジュール・光学ユニットの開発を推進してまいりました。スマートフォン装着型網膜投影機器に関しては2026年5月よりテストマーケティングを開始しました。 他方、2025年6月5日に公表したとおり、眼のセルフチェックツール「MEOCHECK」に関して、判定結果が受診勧奨にあたることから自主回収を進めてまいりましたが、2025年10月16日に公表したとおり、製品回収及びソフトウェアの改修を完了し、現在はMEOCHECK NEOとして新たなスタートを切っております。今後も引き続き、製品の品質・安全性確保及び法令の遵守に万全を期してまいります。 当社製品の販売状況としては、レーザデバイス事業の分野では売上高は前事業年度から増加しました。製品別では高出力レーザ、量子ドットレーザが前事業年度から増収となりましたが、DFBレーザ、小型可視レーザが前事業年度から減収となりました。レーザ・オプティカルソリューション事業の分野では、開発受託増収により売上高は前事業年度から増加しました。 この結果、当事業年度の売上高は1,372,801千円(前事業年度比4.9%増)、レーザ・オプティカルソリューション事業の構造転換、販売方針変更による販路等構築途上のために依然として販売費及び一般管理費が売上総利益を上回り、営業損失は326,213千円(前事業年度は営業損失445,689千円)、経常損失は305,758千円(前事業年度は経常損失443,547千円)、当期純損失は357,147千円(前事業年度は当期純損失445,768千円)となりました。 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。 なお、2026年4月より、従来「視覚情報デバイス事業」としていた報告セグメントの名称を「レーザ・オプティカルソリューション事業」に変更しております。この変更は報告セグメントの名称変更のみであり、セグメント情報に与える影響はありません。 a.レーザデバイス事業 当事業年度におきましては、売上高は、DFBレーザが加工装置用光源の需要減少等により5.9%、小型可視レーザが顕微鏡用光源の需要減少等により5.5%、それぞれ前事業年度から減少しましたが、高出力レーザが照明用光源増加等により9.4%、量子ドットレーザが研究開発用途向けの増加等により76.3%、それぞれ前事業年度から増加しました。 この結果、当事業年度の売上高は1,173,248千円(前事業年度比4.7%増)、セグメント利益は128,212千円(前事業年度比9.2%減)となりました。 b.レーザ・オプティカルソリューション事業 当事業年度におきましては、売上高は、セルフチェックサービスが前述の自主回収等の影響により売上が計上されなかったことなどから、網膜投影製品ビジネスの売上高は前事業年度から97.1%減少しました。一方で、次世代網膜投影型アイウェア(スマートグラス)に向けたアイトラッキング駆動システムの開発を中心とした各種要素技術開発の受注が拡大し、開発受託売上は前事業年度から28.0%増加しました。 この結果、当事業年度の売上高は199,552千円(前事業年度比6.1%増)、セグメント損失は135,781千円(前事業年度はセグメント損失311,751千円)となりました。 ② 財政状態の状況 (資産) 当事業年度末における総資産は前事業年度末から60,072千円増加し、5,565,940千円となりました。流動資産は3,698,681千円となり、前事業年度末から856,199千円減少しております。これは現金及び預金が1,013,068千円、売掛金の回収等により売掛金が48,005千円減少した一方、部材調達により原材料及び貯蔵品が66,347千円、移転先施設への投資による消費税発生により未収入金が54,309千円、本社移転に伴い、移転元への差入保証金が固定資産から流動資産に振り替わったことにより22,415千円増加したこと等によるものであります。固定資産は1,867,259千円となり、前事業年度末から916,271千円増加しております。これは主に本社移転に伴う内装工事完了、結晶成長装置契約金支出により有形固定資産が665,087千円、新社屋の建設協力金拠出等により投資その他の資産が251,881千円増加したこと等によるものであります。 (負債) 当事業年度末における負債は前事業年度末から379,311千円増加し、665,913千円となりました。流動負債は348,158千円となり、前事業年度末から92,062千円増加しております。これは主に長期借入発生により1年内返済予定の長期借入金が41,250千円、旧拠点退去が1年以内に履行されると見込まれることにより資産除去債務が28,463千円、試作材料費・新拠点工事費の増加に伴い未払金が58,804千円増加した一方、仕入代金決済により買掛金が18,616千円減少したこと等によるものであります。固定負債は317,754千円となり、前事業年度末から287,248千円増加しております。これは主に金融機関からの借入により長期借入金が288,750千円増加したこと等によるものであります。 (純資産) 当事業年度末における純資産は前事業年度末から319,238千円減少し、4,900,027千円となりました。これは主に利益剰余金が当期純損失の計上により357,147千円減少したこと等によるものであります。 ③ キャッシュ・フローの状況 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、2,741,356千円(前事業年度末比1,013,068千円の減少)となりました。 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度における営業活動の結果減少した資金は481,077千円(前事業年度は506,823千円の減少)となりました。主な資金減少要因は税引前当期純損失356,736千円、棚卸資産の増加75,401千円、長期前払費用の増加109,673千円、仕入債務の減少18,616千円、その他の流動資産の増加55,322千円であり、主な資金増加要因は減価償却費98,223千円、その他の流動負債の増加28,094千円によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度における投資活動の結果減少した資金は886,682千円(前事業年度は568,605千円の減少)となりました。主な資金減少要因は有形固定資産の取得による支出730,896千円、長期貸付けによる支出146,695千円であります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度における財務活動の結果増加した資金は355,712千円(前事業年度は9,512千円の減少)となりました。主な資金増加要因は長期借入れによる収入330,000千円であります。 ④ 生産、受注及び販売の実績 当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 (a) 生産実績 セグメントの名称   金額(千円)   前年同期比(%) レーザデバイス事業    746,094   105.00 レーザ・オプティカルソリューション事業   75,786   48.72 合計   821,881   94.89 (注) 1.金額は製造原価によっており、セグメント間取引については相殺消去しております。 2.上記の金額には、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載の棚卸資産の評価損が含まれております。 (b) 仕入実績 当事業年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   金額(千円)   前年同期比(%) レーザデバイス事業    582,030   110.09 レーザ・オプティカルソリューション事業   68,613   78.52 合計   650,643   105.61 (注) 1.金額は仕入価格によっており、セグメント間取引については相殺消去しております。 (c) 受注実績 当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   受注高(千円)   前年同期比(%)   受注残高(千円)   前年同期比(%) レーザデバイス事業    1,353,783   117.90   515,211   154.44 レーザ・オプティカルソリューション事業   200,965   109.01   3,737   160.76 合計   1,554,748   116.67   518,949   154.48 (注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間取引については相殺消去しております。 (d) 販売実績 当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   金額(千円)   前年同期比(%) レーザデバイス事業    1,173,248   104.69 レーザ・オプティカルソリューション事業   199,552   106.06 合計   1,372,801   104.88 (注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。 2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先   前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)   当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 金額(千円)   割合(%)   金額(千円)   割合(%) 日本電計株式会社   190,955   14.59   243,654   17.75 株式会社彩世   ―   ―   152,029   11.07 Beckman Coulter, Inc.   166,665   12.73   ―   ― Fabrinet Co., Ltd.   160,723   12.28   ―   ― (注)前事業年度における株式会社彩世及び当事業年度におけるBeckman Coulter, Inc.、Fabrinet Co., Ltd.に対する販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満のため記載を省略しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準等に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 当社の財務諸表で採用する重要な会計方針及び見積りは「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」及び「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 (a) 経営成績の分析 a.売上高 当事業年度における売上高は1,372,801千円(前事業年度比63,931千円の増加)となりました。これは主に、高出力レーザ、量子ドットレーザ及びレーザ・オプティカルソリューション事業が前事業年度から増収となり、DFBレーザ、小型可視レーザの前事業年度比減収を上回ったことによるものであります。 b.売上原価、売上総損失 当事業年度における売上原価は794,485千円(前事業年度比70,529千円の減少)となりました。これは主に前事業年度の棚卸資産の評価損が多額なものであったことから、それが減少したことによるものであります。この結果、売上総利益は578,315千円(前事業年度比134,460千円の増加)、売上高総利益率は42.1%(前事業年度は33.9%)となりました。利益率の増加は主に棚卸資産の評価損の減少によるものであります。 c.販売費及び一般管理費、営業損失 当事業年度における販売費及び一般管理費は904,529千円(前事業年度比14,984千円の増加)となりました。これは主に、試作材料費の拡充や人員増加による人件費増加等によるものであります。この結果、営業損失は326,213千円(前事業年度は営業損失445,689千円)となりました。 d.営業外収益、営業外費用、経常損失 当事業年度において、受取利息、為替差益等により営業外収益が25,873千円(前事業年度比15,216千円の増加)、租税公課等により、営業外費用が5,418千円(前事業年度比3,096千円の減少)発生しております。この結果、経常損失は305,758千円(前事業年度は経常損失443,547千円)となりました。 e.特別利益、特別損失、当期純損失 当事業年度において、本社移転に伴う二重家賃等により特別損失が50,977千円発生しております(前事業年度は未発生)。この結果、当期純損失は357,147千円(前事業年度は当期純損失445,768千円)となりました。 ③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析 当社の運転資金需要のうち主なものは、材料仕入、外注費、人件費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要の主なものは半導体レーザウエハ結晶成長装置、小型可視レーザ製造装置、測定装置等の機械及び装置等であります。 運転資金、投資資金ともに自己資金から確保することを基本としつつ、事業拡大や投資機会に対して機動的に対応するため、金融機関からの借入を含めた多様な資金調達手段を確保することを方針としております。当事業年度末の現金及び現金同等物は2,741,356千円であり、現状の事業運営に必要な運転資金、投資資金は十分であると考えておりますが、500,000千円の金融機関のコミットメントライン枠を有しているほか、金融機関1行から設備投資用途の長期借入金330,000千円を借入ました。2026年4月にも380,000千円を借入ており、今後も必要に応じて銀行借入を中心とした調達手段を検討してまいります。 ④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析・検討 当社の経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は売上高総利益率であり、当事業年度の売上高総利益率は42.1%(前事業年度は33.9%)となりました。これは主に前事業年度においてはレーザ・オプティカルソリューション事業の棚卸資産の評価損が多額なものであったことから、それが減少したことと、レーザデバイス事業における価格見直し等のためであります。今後も売上高総利益率を高めていく方針ではありますが、今後はフリー・キャッシュ・フローの増加に重点を置き、EBITDAを指標といたします。2027年3月期についてはEBITDAの目標を1.1億円としております。 レーザデバイス事業の指標は量産認定製品数であり、目標116製品に対して、当事業年度末の量産認定製品数は124製品(前事業年度末は107製品)で前事業年度末から15%増加となりました。今後も量産認定製品数、認定顧客を増やしていく方針です。 レーザ・オプティカルソリューション事業の指標としましては、事業領域の再構築を図っているところであり、新たな指標は未定となっておりますが、当面は光学モジュール・光学ユニット認定顧客数を客観的指標といたします。 ⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について 当社の事業に重要な影響を与える要因の詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

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