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日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,020.8+254ドル円158.87-1NASDAQ26,203.91+104S&P 5007,667.95+36SOX 指数11,316.82+289/2終値

ズーム

ZOOM CORPORATION6694 · Standard · 電気機器

ハンディオーディオレコーダーやマルチエフェクターなど、音楽用電子機器で世界的なブランドを持つメーカー。

概要

ズームは1983年に東京で創業した音楽用電子機器メーカーである。ハンディオーディオレコーダーやマルチエフェクター、デジタルミキサーの開発・販売を主力とし、ブランド「ZOOM」で知られる。2025年12月期の連結売上高は174億円、従業員数187名。東京証券取引所スタンダード市場に上場する。

8つの製品カテゴリーで構成される単一事業

当社グループは音楽用電子機器事業の単一セグメントである。主な製品カテゴリーは、ハンディオーディオレコーダー(HAR)、デジタルミキサー/マルチトラックレコーダー(DMX/MTR)、マルチエフェクター(MFX)、プロフェッショナルフィールドレコーダー(PFR)、ハンディビデオレコーダー(HVR)の5つ。加えて、子会社が取り扱う他社ブランドのディストリビューション事業(Mogar取扱い、フックアップ取扱い、Sound Service取扱い)が3カテゴリーある。2024年時点で、マイクロフォンやボーカルプロセッサーなど一部カテゴリーは重要性低下により独立記載を省略している。

生産をEMSに委託するアセットライト体制

当社グループは自社工場を持たず、製品の生産を全てEMS企業(電子機器受託生産会社)に外注している。生産拠点は中国および東南アジアにあり、完成品は中国または香港の倉庫から各国へ直接出荷される。日本国内の倉庫(東京都足立区)を経由し、楽器店や家電量販店、ネット通販業者を通じて最終顧客に届く。このアセットライトな体制により、固定費を抑制しつつ柔軟な生産対応を可能にしている。

日米欧に広がる販売子会社ネットワーク

北米市場はZOOM North America, LLC(2020年に連結子会社化)が担当。南ヨーロッパはMogar Music S.r.l.(2018年株式取得)、中央ヨーロッパはSound-Service Musikanlagen-Vertriebsgesellschaft mbHおよびSound Service U.K. Limited(2023年株式取得)が担う。日本国内では株式会社フックアップ(2021年子会社化)が輸入販売代理店業務を行う。これら子会社は自社ブランドに加え、他社ブランドのディストリビューションも手がけ、収益の多様化を図っている。

収益構造と経営指標の変遷

売上高は2012年12月期の43億円から2024年12月期の181億円まで成長したが、2025年12月期は174億円に減少。営業利益は2024年まで黒字を維持していたが、2025年には5,700万円の営業損失に転落。純損失は17億円に達した。経営指標として売上高・営業利益のほか、ROEやROICを重視する方針だが、2026年度目標(売上高175億円、営業利益6.5億円)は下方修正された。資本効率指標(ROE10%以上、ROIC10%以上)の達成は困難な見通し。

業界の中での役割は音楽機器メーカー(開発・販売、生産はEMS委託)。にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
174億円
営業利益
-1億円
営業利益率
-0.6%
純利益
-17億円
2025/12 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2025/3期)より

01音楽用電子機器主力

ハンディオーディオレコーダー、デジタルミキサー、マルチエフェクターなどを開発・販売。海外子会社を通じて世界各地の楽器店やオンラインで販売。

主な製品・サービス6
ハンディオーディオレコーダー
高音質リニアPCM録音ができる携帯型レコーダー。ミュージシャン向けに開発され、映像・放送分野でも使用。
デジタルミキサー
複数の音声をデジタル処理でミックスする機器。ライブやスタジオで使用。
マルチトラックレコーダー
複数トラックの録音・再生ができる機器。多重録音に対応。
マルチエフェクター
ギターやベース向けの多機能エフェクター。様々なエフェクトを組み合わせ可能。
プロフェッショナルフィールドレコーダー
映像制作現場向けの高機能レコーダー。32bitフロート録音やタイムコードに対応。
ハンディビデオレコーダー
4K画質・ハイレゾ音質で録画できるビデオレコーダー。動画配信やライブ配信に最適。

製品と技術

32bitフロート録音を核とするハンディオーディオレコーダー

ハンディオーディオレコーダー(HAR)は、非圧縮のリニアPCM録音を基本とし、2024年発売のessentialシリーズでは人間の可聴域をほぼカバーする32bitフロート録音技術を採用。これにより、音割れの心配なくクリアな録音が可能となった。2025年には、さらに高機能なstudioシリーズを投入。音楽録音だけでなく、映像・放送分野のクリエイターにも使用されている。主要製品はH4やH6などHシリーズから進化し、現在はessentialとstudioが二本柱。

デジタルミキサー/マルチトラックレコーダーのLiveTrakシリーズ

デジタルミキサー(DMX)とマルチトラックレコーダー(MTR)は、複数の音声信号をデジタル処理し、ミキシングや多重録音を可能にする製品群。2017年発売の「L-12」を皮切りに、2025年9月には超小型モデル「LiveTrak L6」の上位版「L6max」、ポッドキャスト特化型「P4next」、「L12」後継機「L12next」の3機種を連続投入。これら新製品の立ち上がりは堅調だが、既存製品の販売減少を補うには至っていない。

30年以上続くマルチエフェクターのMS+シリーズ

マルチエフェクター(MFX)は1990年の「9002」以来の伝統製品。デジタル処理で複数のエフェクトを内蔵し、自由に組み合わせて使用できる。代表的シリーズ「MultiStomp」の刷新に注力し、2023年11月の「MS-50G+」から始まり、2024年にかけて「MS-200D+」「MS-80IR+」「MS-90LP+」などを投入。ギター・ベース・アコースティック楽器など幅広い奏者に対応するラインナップを完結させた。

映像制作現場向けプロフェッショナルフィールドレコーダー

プロフェッショナルフィールドレコーダー(PFR)は、屋外での使用を想定し、映像関連産業やサウンドデザイナー向けに開発された。フラッグシップモデル「F8nPRO」は、32bitフロート録音とタイムコード機能を備え、広大なダイナミックレンジと映像との高精度同期を実現。入力チャンネル数の異なる複数モデルをラインアップし、業務用としての信頼性を重視している。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

電気機器のなかでの位置

電子部品小型、低収益で苦戦

ズームは電子部品・デバイスの製造販売を行う。売上高179億円(2023年12月期)→181億円と微増も、営業利益率2.76%と低く、2025年12月期は売上高174億円減収、営業赤字転落の見通し。同業のキオクシアHDやイビデンが高収益なのに対し、ズームは規模が小さく競争力不足。スマートフォン向け需要減退などが響き、業績悪化が顕著。

強み

  • 約180億円の売上高を維持し、一定の市場プレゼンスを持つ。
  • 得意とする小型部品で他社にない技術を保有している可能性。
  • 赤字転落により、抜本的なコスト削減策を迫られるが、改善余地も。
  • 未開拓のニッチ分野への展開で反転攻勢の可能性がある。

課題

  • 2025年12月期は営業赤字予想で、収益改善が急務。
  • 営業利益率2.76%と低く、価格競争に脆弱。
  • スマホ向け需要減など主要市場の縮小に対応できず、売上減少。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

電気機器の時価総額近傍。太字がズーム

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
16836ぷらっとホーム38億円165.3倍
26614シキノハイテック38億円
36659メディアリンクス37億円
46662ユビテック34億円68.2倍
56898トミタ電機34億円27.1倍
66694ズーム33億円
76656インスペック33億円42.3倍
86969松尾電機32億円8.5倍
96633CGSホールディングス32億円29.5倍
106894パルステック工業31億円10.5倍
116803ティアック29億円35.5倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 35件

電子楽器メーカーとして創業した1983年

1983年9月、東京都千代田区佐久間町にて電子楽器の開発・製造・販売を目的に創業。1985年に岩本町へ本社移転。1989年には株式会社巴商会より出資を受け子会社となる。1990年2月に米国子会社ZOOM Corporation of Americaを設立し海外展開を開始。同年6月、初の自社製品であるマルチエフェクター「9002」を発売。ギターのストラップに取り付け可能な小型設計で、同社の基盤製品となった。

巴商会との提携解消とホールディングス化

1994年、米国子会社を解散し、翌1997年には株式会社巴商会との提携を解消。有限会社ズームホールディングスを設立し、同社が当社株式を譲受して親会社となった。2001年にはマルチトラックレコーダー「MRS-1044」を発売。2004年に香港に物流拠点ZOOM HK LTDを設立。2006年にはハンディオーディオレコーダー「H4」を発売し、以降同カテゴリーの主力製品群へと発展した。

上場と海外販売網の拡充(2017~2021年)

2017年3月、東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)市場に株式上場。同年8月デジタルミキサー「L-12」発売。2018年4月、南ヨーロッパの販売代理店Mogar Music S.p.A.の株式51%を取得し連結子会社化。2020年4月にはZOOM North America, LLCの持分を追加取得し連結子会社化。同年5月、ZOOM UK Distribution LTDが倒産法に基づくアドミニストレーションを申請し、持分法適用会社から除外された。2021年1月、株式会社フックアップを完全子会社化。

中央ヨーロッパ進出と構造改革の2023年以降

2023年1月、ドイツのSound-Service Musikanlagen-Vertriebsgesellschaft mbHの株式51%を取得。その子会社である英国のSound Service U.K. Limitedも連結子会社となる。2024年10月、同英国子会社がSCV Distribution Limitedの商圏を引き継ぎ、プロシューマー向けオーディオブランドの販売代理店事業を拡大。2025年7月にはInstamic, Inc.(米国)およびInstamic AB(スウェーデン)の全株式を取得した。同期間、北米市場の不振と関税影響により、のれん減損やリストラクチャリングを含む有事対応を実施。

年表35件を開く

1980年代

  • 1983年9月創業電子楽器の開発、製造及び販売を主事業とする目的で、東京都千代田区佐久間町にて創業
  • 1985年3月東京都千代田区岩本町に本社移転
  • 1989年2月株式会社巴商会より岡本コーポレーション株式会社を通じて出資を受け、子会社となる

1990年代

  • 1990年2月創業海外での事業展開を図るため、米国にZOOM Corporation of Americaを設立
  • 1990年6月初の自社製品であるマルチエフェクター(9002)を発売
  • 1993年12月東京都府中市に本社移転
  • 1994年2月ZOOM Corporation of Americaを解散
  • 1994年3月商品管理部門(倉庫)を東京都府中市に移転
  • 1997年12月創業株式会社巴商会と提携解消し有限会社ズームホールディングスを設立。当社株式を譲受、当社の親会社となる

2000年代

  • 2001年8月マルチトラックレコーダー(MRS-1044)を発売
  • 2004年7月香港における物流の拠点としてZOOM HK LTD(現 持分法非適用非連結子会社)を設立
  • 2004年9月東京都千代田区岩本町に本社移転
  • 2006年9月ハンディオーディオレコーダー(H4)を発売
  • 2006年10月創業イギリスにおける販売の拠点としてZOOM UK Distribution LTDを設立
  • 2009年2月中国における品質管理の拠点として、中国東莞市に東莞滋韵電子楽器技術諮詢有限公司(現 持分法非適用非連結子会社)を設立
  • 2009年8月東京都千代田区神田駿河台に本社移転
  • 2009年11月ハンディビデオレコーダー(Q3)を発売

2010年代

  • 2011年4月M&A有限会社ズームホールディングスを吸収合併
  • 2013年2月米国における販売の拠点としてZOOM North America, LLCを設立。当社の持分を1/3とし、持分法適用会社とする(現 連結子会社)
  • 2013年10月モバイルデバイスアクセサリ(iQ5)を発売
  • 2014年5月オーディオインターフェース(TAC-2)を発売
  • 2015年8月プロフェッショナルフィールドレコーダー(F8)を発売
  • 2016年8月倉庫を東京都足立区に移転
  • 2017年3月上場東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)市場に株式上場
  • 2017年8月デジタルミキサー(L-12)を発売
  • 2018年4月南ヨーロッパ(イタリア・フランス・スペイン・ポルトガル)における販売の拠点としてMogar Music S.p.A.(現 Mogar Music S.r.l.)の株式の51%を取得し、連結子会社とする
  • 2019年10月ボーカルプロセッサー(V6)を発売

2020年代

  • 2020年4月ZOOM North America, LLCの持分の2/3を追加取得し、連結子会社とする
  • 2020年5月ZOOM UK Distribution LTDがイングランド・ウェールズ高等法院へ倒産法に基づくアドミニストレーションを申請したことにより、同社を持分法適用会社から除外
  • 2020年8月マイクロフォン(ZDM-1PMP)を発売
  • 2021年1月株式会社フックアップの株式の100%を取得し、連結子会社とする
  • 2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより新市場区分「スタンダード市場」へ移行
  • 2023年1月中央ヨーロッパ(ドイツ等)における販売の拠点としてSound-Service Musikanlagen-Vertriebsgesellschaft mbHの株式の51%を取得し、連結子会社とする また、同社の100%子会社であり、イギリスにおける販売の拠点であるSound Service MSL Distribution Ltd(現 Sound Service U.K. Limited)も連結子会社となる
  • 2024年10月イギリスにおける販売の拠点であるSound Service U.K. Limitedが、プロシューマー向けオーディオブランドの販売代理店であるSCV Distribution Limitedの商圏を引き継ぐ
  • 2025年7月Instamic, Inc(米国)及びInstamic AB(スウェーデン)の両株式の100%を取得(現 持分法非適用非連結子会社)

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2025/12期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。そのうち5項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 連結売上高2026年度まで175億円
  • 連結営業利益2026年度まで6.5億円
  • ROE10%以上
  • ROIC10%以上
  • PBR1倍以上

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    製品カテゴリーの拡大と既存製品の刷新による成長

    ターゲットユーザーをミュージシャンに限定せず、広く創造活動をするクリエイターと位置づけ、新たな製品カテゴリーを加えるとともに、既存のハンディオーディオレコーダー、マルチエフェクター、デジタルミキサー製品にも新製品を投入し持続的成長を目指す。

  2. 02

    3つの効率化による収益率強化

    開発の標準化・最適化と効率的なプロモーションによる利益率向上、部品納期短縮と販売子会社連携による在庫最適化と回転率向上、AI・DX活用による生産性向上の3つに取り組み、収益力を高める。

  3. 03

    ディストリビューションビジネスの第二の柱育成

    子会社化したフックアップを基盤に、日米欧での音楽用電子機器のディストリビューション事業を育成し、ズームブランドに次ぐ収益の柱とする。M&Aを含む投資を継続的に実施する。

  4. 04

    市場構造変化を踏まえた成長戦略の再構築

    ハンディオーディオレコーダー市場の構造変化(スマホ・ワイヤレスマイクへの需要移行)を踏まえ、商品企画・技術開発・事業展開を一体で再設計。価値提供の転換と収益源分散により中長期の安定成長基盤を構築する。

  5. 05

    収益構造の再構築による筋肉質な事業運営

    米国追加関税や為替変動など外部環境の不確実性に対応するため、リストラクチャリングや資産評価見直しで損益分岐点を引き下げ、外部変動を織り込んでも利益を確保できる持続可能な事業運営を確立する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で187人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は777万円で、9期前と比べて+4.3%平均年齢は39.7歳、平均勤続年数は9.8年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2016年12月80
2017年12月85
2018年12月117
2019年12月74540.19.0122
2020年12月75440.89.0143
2021年12月75941.29.8171
2022年12月76841.310.3165
2023年12月78240.710.0191
2024年12月74541.210.2200250
2025年12月77739.79.8187−53

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

拠点とグループ

設備と関係会社

主要な設備 (帳簿価額 上位6)
本社 — ドイツ ベルリン州838百万円
その他(注)3511百万円
本社 — 東京都千代田区53百万円
PMO御茶ノ水 — 東京都千代田区22百万円
研究施設 — 東京都江東区12百万円
物流センター — 東京都足立区0百万円
ほか1件の開示あり

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2025年12月期の売上高は174億円営業利益-1億円前期と比べると減収減益で、売上が-3.9%、利益が-120.0%。

売上高
-3.9%
174億円
営業利益
-120.0%
-1億円
純利益
-17億円
営業利益率
-0.6%
前期比 -3.3%pt

会社が出している今期の予想2026年12月期

項目会社予想前期実績
売上高185億円174億円
営業利益9億円-1億円
純利益4億円-17億円
1株あたり配当¥32¥32

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2026年2Qで、売上は91億円、営業利益は6億円。前年の2025年2Qと比べると、売上は+13.8%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年1Q3812.6−1
2023年2Q4524.41
2023年3Q4300.0−1
2023年4Q532
2024年1Q4012.5−1
2024年2Q4200.0−2
2024年4Q9944.03
2025年2Q80−1−1.3−4
2025年4Q9400.0−13
2026年2Q9166.63

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2012年12月期からの14期で、売上は43億円から174億円へ4.0倍に増えた。直近期の営業利益率は-0.6%。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2012年12月4364
米国における販売の拠点としてZOOM North America, LLCを設立。当社の持分を1/3とし、持分法適用会社とする(現 連結子会社)
2013年12月4597
2014年12月5244
2015年12月6044
2016年12月6022
東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)市場に株式上場
2017年12月6343
2018年12月7733
2019年12月8633
2020年12月10455
2021年12月134129
2022年12月13274
2023年12月17961
2024年12月181562.80
2025年12月174−1−2−0.6−17

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2025年12月期

売上高174億円のうち、営業利益として残るのは-1億円-0.6%。営業外の損益と税金を反映した純利益は-17億円、売上の-9.8%にあたる。営業利益率は業種中央値6.9%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金62.6%109億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金37.4%65億円
  • その他の費用持分法損益などの調整0.6%1億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益-0.6%-1億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
37.4%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比7.4pt
-0.6%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比15.7pt
-9.8%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比35.0pt
-27.0%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
-9.1%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
-0.5%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 12期分

2025年12月期は営業CFが6億円、投資CFが−7億円で、差し引きのフリーCFは−1億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は30億円で、売上の2.1ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2014年12月10−2126
2015年12月11−1228
2016年12月4−25233
2017年12月4−32135
2018年12月−2−40−629
2019年12月−1−50−623
2020年12月10−137−327
2021年12月6−5−9120
2022年12月−6−27−822
2023年12月8−2422−1628
2024年12月6−20433
2025年12月6−7−1−130

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2025年12月期の総資産は187億円。このうち返さなくてよい自己資本が74億円で、自己資本比率は30.1%(業種中央値61.0%より薄い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2012年12月47222547.3
2013年12月43291467.8
2014年12月50361472.0
2015年12月52391375.0
2016年12月61402166.1
2017年12月68452366.4
2018年12月79473259.6
2019年12月79493061.9
2020年12月102515150.2
2021年12月108594953.9
2022年12月137667147.5
2023年12月1937911434.6
2024年12月2018611535.7
2025年12月1877411330.1

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2025年12月期の内訳
現金及び預金
31億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
33億円
過去の利益の積み上がり
棚卸資産
78億円
在庫として抱えている分
負債合計
113億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
50
/ 100
安定性自己資本比率20 / 40
収益力営業利益率0 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

電気機器 224社との比較

同じ電気機器の企業と並べると、いちばん上に来るのは配当利回り224社中18位あたり、逆に低いのはROE224社中216位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE下位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
-27.0%/中央値 8.0%
P25 4.2%P75 12.1%
営業利益率下位売上のうち本業の利益として残る割合
-0.6%/中央値 6.9%
P25 3.5%P75 11.6%
自己資本比率下位総資産のうち返済のいらないお金の割合
30.1%/中央値 61.0%
P25 48.2%P75 76.0%
売上成長率下位前期からの売上の伸び
-3.9%/中央値 4.1%
P25 -0.2%P75 9.4%
配当利回り上位株価に対して1年で受け取る配当の割合
4.4%/中央値 2.4%
P25 1.6%P75 3.3%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥722で、1年前と比べて+18.7%過去52週の値幅のなかでは73%の位置にある。

¥722-0.1%1ヶ月+13.2%1年+18.7%時価総額33億円
過去52週の値幅
安値¥601高値¥766

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (会社予想)7.8倍
PBR0.53倍
配当利回り4.43%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

8月14日に13.45%上昇し759円となり、52週高値(766円)に近づきました。25日移動平均線(646.56円)を約17%上回り、短期トレンドは上向きです。出来高は8/14に16.7万株と急増し、買いが集まりました。RSIは91.22と極端な買われすぎで、短期的な調整リスクがあります。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割安と判定しています(スコア 70/100)

PBR 0.51倍は業界平均2.26倍を大幅に下回り、ROEは-27%と低水準だが、配当利回り5.01%は業界平均1.83%を大きく上回る。割安だが、業績悪化による減配リスクが懸念されるため、割安と判断した。

指標この会社業種平均
PER (予想)7.8倍
PBR0.53倍2.58倍
ROE-27.0%5.8%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

一時期カメラブームで注目されたが、その後業績が悪化。2025/12期は営業赤字、純損失17億円と大きく落ち込んだ。強気派は、VILTROXブランドの認知度向上や新製品投入による反転を期待する。一方、弱気派は、市場自体の縮小や競争激化、中国依存のリスクを指摘。30億円の時価総額に割安感はあるが、業績回復の確証がないため、バリュートラップの可能性も議論されている。

プラスに働く材料7
  • 低評価・高配当

    PBR0.51倍と解散価値割れ、配当利回り5%超で下支え期待。

  • VILTROX知名度向上

    SNSやレビューサイトで話題となり、シェア拡大の可能性。

  • 新製品サイクル

    ミラーレスカメラ向けレンズ投入で需要喚起。

  • 業績改善計画でFY26黒字転換の期待2025年12月期影響

    営業損益5→-1億円と悪化したが、コスト削減でFY26黒字化目指す。

  • 配当利回り5.0%と高く、下支え効果継続影響

    今期赤字でも配当維持なら5%超、株主還元姿勢で売り圧力緩和。

  • 自己資本比率は健全、債務超過回避継続影響

    純損失17億円でもPBR0.51倍、自己資本はまだ残存。

  • 新製品投入や事業再編で収益改善の芽不定影響

    業績悪化受け、新分野開拓やコスト削減の具体策に期待。

マイナスに働く材料7
  • 業績悪化継続

    2025/12期は赤字転落、純損失17億円と急激な悪化。

  • カメラ市場縮小

    スマートフォン高機能化で交換レンズ需要は減少傾向。

  • 中国リスク

    中国系企業のため、地政学リスクや日本市場での信頼懸念。

  • FY25純損失17億円、赤字幅拡大と財務悪化2025年12月期影響

    純損失17億円は時価総額30億円の過半、自己資本毀損で債務超過リスク。

  • 売上高減少トレンド、FY25は前期比4%減2025年12月期影響

    181→174億円、減少継続なら事業縮小で更なる赤字。

  • 営業赤字転落、FY25営業利益-1億円2025年12月期影響

    営業利益5→-1億円、本業赤字で資金繰り悪化。

  • PER算定不能、バリュエーション不透明継続影響

    赤字でPERなし、投資家の評価軸喪失で株価下落リスク。

次の決算で確かめる点
売上高成長率
トップラインの回復が赤字脱却の第一条件。
営業損益
黒字転換の時期と規模がバリュエーションの鍵。
在庫回転率
レンズ市場の需給動向と在庫リスクの指標。

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり32で、前期から+3.2%いまの株価に対する利回りは4.43%。増配か配当維持が2年続いている。

年間配当
¥32
1株あたり
配当利回り
4.43%
いまの株価に対して
配当性向
92.5%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
2年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2018年12月2232.5
2019年12月17−20.931.1
2020年12月2017.695.4
2021年12月51155.028.1
2022年12月50−2.041.8
2023年12月30−40.029.6
2024年12月313.392.5
2025年12月323.2

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥32

株主

有価証券報告書より

2025年12月期末の株主数は延べ2,574人。区分でいちばん多いのは個人・その他69.4%。グループ会社や銀行などの安定株主が16.9%を占め、残る83.1%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2020年12月%2021年12月%2022年12月%2023年12月%2024年12月%2025年12月%
個人・その他71.571.276.267.569.069.4
事業法人1.21.41.412.216.816.8
外国法人17.920.218.016.511.711.6
自己株式2.56.96.75.95.35.9
証券会社5.74.82.51.11.81.5
外国人個人0.70.40.50.50.60.6
金融機関3.11.91.52.30.20.1

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01飯島 雅宏7.77
02株式会社サウンドハウス7.73
03公益財団法人ズームグループ学術振興財団7.62
04莅戸 道人6.93
05DEUTSCHE BANK AG, FRANKFURT(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)6.67
06松尾 泉4.57
07THE CHASE MANHATTAN BANK, N.A. LONDON SPECIAL ACCOUNT NO.1(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)3.78
08ズーム社員持株会2.87
09河野 達哉1.34
10山田 達三1.34

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で−277%、1株純資産は14期で+19%。直近期のROEは-27.0%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2012年12月2251,10020.67.4
2013年12月3631,44828.54.6
2014年12月2091,79612.510.5
2015年12月2021,96610.716.9
2016年12月902,0244.546.7
2017年12月671,0026.720.831.7
2018年12月701,0386.98.832.5
2019年12月551,0645.212.931.1
2020年12月1121,14210.17.395.4
2021年12月2001,36415.69.028.1
2022年12月881,5146.112.441.8
2023年12月211,5401.445.629.6
2024年12月91,6460.669.692.5
2025年12月−3991,304−27.0

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

9名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は9名。2025/12期の役員報酬は総額95百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約3倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
工藤俊介代表取締役 CEO4741,093
河野達哉取締役 CTO6161,800
山田達三取締役 CFO5761,400
飯島雅宏取締役 ファウンダー70356,900
横山和樹取締役(監査等委員)50
伊藤勝彦取締役(監査等委員)54
中野陽介取締役(監査等委員)43
飯田浩一執行役員
岡本秀雄執行役員

役員報酬の内訳2025/12

役員の区分人数固定報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)4758120
監査等委員314145

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2025/12期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容4,231字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 (1) 事業の概要 当社グループは、当社、子会社9社(連結子会社5社、持分法非適用非連結子会社4社)から構成されております。主として主要国での販売拠点であるZOOM North America, LLC、Mogar Music S.r.l.、株式会社フックアップ、Sound-Service Musikanlagen-Vertriebsgesellschaft mbH、Sound Service U.K. Limited(いずれも連結子会社)と、その他4社から構成されております。 当社グループは、音楽用電子機器の開発及び販売を主な事業内容としており、「We're For Creators」という基本理念のもと、世界中のクリエイターがよりユニークでオリジナルな作品を創造できるツールを提供することによってブランド力を向上し、株主、従業員や取引先などの当社グループと関係するステークホルダーから評価される企業を目指しております。 当社グループでは、開発は当社(日本)で行っておりますが、現在、生産は全て生産委託先であるEMS企業(注1)に外注しており自社工場は有しておりません。中国及び東南アジアで生産された当社ブランドの製品は、当社を通じて南ヨーロッパ向けはMogar Music S.r.l.へ、中央ヨーロッパ向けはSound-Service Musikanlagen-Vertriebsgesellschaft mbH及びSound Service U.K. Limitedへ、北米向けはZOOM North America, LLCへ、その他地域向けは各国の販売代理店へ出荷されます。なお、製品自体は中国又は香港の倉庫から国内の倉庫又は各国の販売代理店へ直接出荷しております。また、国内倉庫及び各国の販売代理店からは、直接又は卸売を通じて楽器店や家電量販店、ネット通販業者などに出荷され、店頭あるいはインターネットにより最終顧客へ販売されます。 当社グループは音楽用電子機器事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しておりますが、当社グループの主な製品は下記のカテゴリーに区分されます。 製品カテゴリー    製品例 ① ハンディオーディオレコーダー(HAR)当社グループのハンディオーディオレコーダーは、楽曲配信で使われるMP3(注2)のような圧縮されたデジタル音声では無く、非圧縮音声で録音する高音質リニアPCMレコーダー(注3)となります。マルチトラックレコーダーで培った録音技術を応用し、ロックミュージックを演奏するミュージシャン向けに開発しましたが、ミュージシャンのみならず、映像や放送分野等のクリエイターの間においても音声レコーダーとして使用されております。2024年にモデルチェンジとなった主力製品のessentialシリーズは、人間が聞き取れる音のダイナミクスのほぼ全域をカバーする32bitフロート録音(注4)技術により、誰でも REC ボタンを押すだけの手軽さで、音割れのないクリアなオーディオ録音を実現します。また、2025年には32bitフロート録音かつゲイン調整可能な、より高機能であるstudioシリーズの発売を開始いたしました。   studioシリーズ ② デジタルミキサー/マルチトラックレコーダー(DMX/MTR)デジタルミキサーは、入力された複数の音声信号をデジタル信号に変換して音量や音質を調整し、複数の音声をミックスさせる電子機器となります。マルチトラックレコーダーは、複数のトラック(録音データの単位)を自由に選択し、録音/再生を行う事ができる録音機器で、ベースとなる曲を作成し、別トラックに歌、更に別トラックに音階の異なる歌を録音するといった多重録音ができる製品となります。2025年9月より、超小型モデル「LiveTrak L6」の上位版となるL6max、ポッドキャスト特化型のP4next、L12の後継機L12nextの計3モデルを連続して市場へ投入いたしました。   LiveTrak L6max ③ マルチエフェクター(MFX)当社グループのエフェクター(注5)は、デジタル処理を使った、複数のエフェクトを内蔵したマルチエフェクターとなります。エフェクトは内蔵された種類を任意に組み合わせることが可能で、作成した音色は本体に記録して、フットスイッチを踏むことで、呼び出して使用することができます。当社は1990年に“ギターのストラップに取り付けることのできる小型マルチエフェクター”をコンセプトとした9002を発売して以来、ベースギター用、アコースティックギター用、それらの価格帯別モデル、更にサックスやハーモニカといったアコースティック楽器全般に幅広く対応するモデルなど、幅広いラインナップを展開してまいりました。2023年以降は、代表的シリーズである「MultiStomp」の刷新に注力してまいりました。2023年11月発売の「MS-50G+」を皮切りに、2024年を通じて「MS-200D+」や「MS-80IR+」、「MS-90LP+」といったMS+シリーズを順次投入し、あらゆる奏者のニーズに応えるラインナップを完結させました。   MS+シリーズ ④ プロフェッショナルフィールドレコーダー(PFR)プロフェッショナルフィールドレコーダーは、屋外での使用を想定した、映像関連産業やサウンドデザイナーなどのクリエイター向けのレコーダーで、圧倒的に広大なダイナミックレンジ(注6)を持つ32bitフロート録音や映像との高精度な同期を実現するタイムコード(注7)などの機能を備えております。フラッグシップモデルF8nPROを筆頭に、入力チャンネル数の異なる豊富なラインナップを展開しております。   F8nPRO 製品カテゴリー   製品例 ⑤ ハンディビデオレコーダー(HVR)当社グループのハンディビデオレコーダーは、ハイレゾオーディオ(注8)音質での録音に対応した音楽用ビデオレコーダーとなります。現在販売している製品は4K画質に対応しており、Google LLCが提供する「YouTube」などの動画投稿サイトやSNSに、高画質・高音質の動画をアップロードすることができます。主力製品のQ8n-4Kは、交換式マイクカプセルの最新規格V2に対応し、加えてマイク入力端子を2CH備えており、バンド練習の録画や弾き語りの自撮りはもちろん、PC/Mac用の高音質なWEBカメラとして、ライブ配信やWEB会議にも使用することができます。   Q8n-4K ⑥ Mogar取扱いブランド当社グループの南ヨーロッパ地区の販売代理店である連結子会社Mogar Music S.r.l.は、当社以外の製品ブランドを取り扱っております。Mogar Music S.r.l.が販売代理店として輸入・販売している当社以外のブランドについては「Mogar取扱いブランド」として独立のカテゴリーとしております。   ― ⑦ フックアップ取扱いブランド当社グループの日本国内の輸入・販売代理店である連結子会社株式会社フックアップは、当社以外の製品ブランドを取り扱っております。株式会社フックアップが販売代理店として輸入・販売している当社以外のブランドについては「フックアップ取扱いブランド」として独立のカテゴリーとしております。   ― ⑧ Sound Service取扱いブランド当社グループの中央ヨーロッパ地区の販売代理店である連結子会社Sound-Service Musikanlagen-Vertriebsgesellschaft mbH及びその子会社であるSound Service U.K. Limitedは、当社以外の製品ブランドを取り扱っております。Sound-Service Musikanlagen-Vertriebsgesellschaft mbH及びSound Service U.K. Limitedが販売代理店として輸入・販売している当社以外のブランドについては「Sound Service取扱いブランド」として独立のカテゴリーとしております。   ― なお、従来独立したカテゴリーとして記載しておりました「マイクロフォン」「ボーカルプロセッサー」及び「オーディオインターフェース」につきましては、直近の販売実績の推移及び今後の開発計画を鑑み、重要性が低下したことから、当連結会計年度より独立した説明を省略することといたしました。 <用語解説> 注番   用語   意味・内容 1   EMS企業   EMSはElectronics Manufacturing Serviceの略であり、EMS企業とは電子機器の受託生産を行う会社 2   MP3   音声ファイルを圧縮するための技術の1つであり、それから作られるファイルのフォーマット 3   リニアPCMレコーダー   リニアPCM形式で音声データを圧縮せずに記録するICレコーダー。リニアPCMは、音声などのアナログ信号をデジタルデータに変換する方式の一つであるが、音質が劣化する原因となる圧縮等の処理を行わない方式 4   32bitフロート録音   24bitリニアに8bitの指数乗数を加えた記録方式。小さな音のボリューム(ゲイン)で録音されたものを編集で上げても音が劣化しないというメリットがある 5   エフェクター   ギターやベース等の音色に変化を付ける機器で、単体のエフェクトペダルと、複数エフェクトが1つの筐体に内蔵されたマルチエフェクターに分類される 6   ダイナミックレンジ   処理可能な音声信号の最小値と最大値の比率をいい、音量の抑揚に関する情報量を表す 7   タイムコード   映画やTVなど映像作品の制作現場で必要とされる時間、時刻情報を符号化した電気信号 8   ハイレゾオーディオ   JEITA(電子情報技術産業協会)の定義では、サンプリング周波数(kHz)と量子化ビット数(bit)のいずれかがCDスペックを超えているものをハイレゾオーディオといい、ここでいうCDスペックは16bit/44.1kHz又は48kHz (2) 事業系統図
経営方針・対処すべき課題2,888字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針 当社は、自分の想いをどんな形であれ表現し、自分らしく生き、人々と交流することが人生をより豊かにすると考えます。このような人々を表現者(クリエイター)と位置づけたうえで、当社は「世界中の人々を表現者にする」企業となることを目指します。 そのために、「クリエイターに品格を伴った価値を提供するという、利他的な動機を基にした行動」という規範のもと、創作活動を加速させる魅力的なクリエイティブオーディオ機器の開発を推し進めるとともに、より多くの人々に当社を認知してもらい、かつ既存顧客の満足度を高めるべく、ブランド価値の向上に努めます。 また、適正で安定した利益還元によって株主の期待に応えるとともに、技術革新に対する投資を積極的に行います。更に、コンプライアンス、透明性、環境への配慮を重視することで企業の社会的責任を果たしてまいります。 (2) 目標とする経営指標 当社グループでは、持続的な成長と適正な利益の確保のための指標として売上高及び営業利益を、また、資金の効率的な運用を実現するための指標として株主資本利益率(ROE)及び投下資本利益率(ROIC)を、重要な指標と考えております。 (3) 経営環境 当社グループが属する楽器関連機器業界においては、コロナ特需の2021年をピークに下方傾向にあり、旅行やレジャー等の体験消費が旺盛なことや中古市場が拡大傾向にあること、世界的なインフレに伴う特に若年層の可処分所得の減少や金利差を背景とする急激な為替レートの変動により市況感が低迷していることから需要が減少しており、先行きの不透明な状況が続いております。 (4) 中長期的な会社の経営戦略 当社グループは、中長期的な経営ビジョンとして、「“進化”と“挑戦”により、より多くの自己表現を支える」を掲げ、当社製品のターゲットユーザーを楽器の演奏をするミュージシャンに限定せず、広く創造活動をするクリエイターと位置づけることにより、製品カテゴリーを拡げることで成長シナリオを描いております。一方で、ハンディオーディオレコーダー、マルチエフェクターやデジタルミキサーといった既存の製品カテゴリーにつきましても、引き続き新製品を投入し、持続的な成長を目指してまいります。すなわち、製品カテゴリーを入れ替えていくのではなく、実績ある従来製品で安定した事業基盤を確保しつつ、新たな製品カテゴリーを加えていく、という経営戦略を掲げております。 加えて、開発標準化・最適化や効率的なプロモーション活動による利益率向上、部品納期短縮と販売子会社との連携強化による在庫最適化がもたらす回転率向上、AIやDXを活用した生産性向上という3つの効率化により、収益率を強化します。 また、2021年1月に株式会社フックアップを子会社化したことにより、音楽用電子機器のディストリビューション・ビジネスを営む基盤が、日米欧に揃いました。ズームブランドの成長に加えて、第二の収益の柱として育成してまいります。M&Aを含めた成長のために必要な投資については、継続的に実施していく予定であります。 当社は、上記方針を踏まえ、2024年度から2026年度までの中期経営計画「第4次中期経営計画2024-2026」を策定し、2026年度の数値目標を、連結売上高220億円、連結営業利益22億円と定めました。しかしながら、米国相互関税によるコストの上昇や競争環境の激化など、事業環境が当初の想定を大きく超えて変化したことに加え、予定していたM&Aの不成立もあり、当初計画と実績の乖離が生じております。これを受け、当社は、収益力の回復を最優先課題とする経営判断を行い、同数値目標を連結売上高175億円、連結営業利益6.5億円に修正いたしました。また、資本効率指標の目標値(ROE10%以上、ROIC10%以上、PBR1倍以上)については、2026年度での達成は困難な見通しですが、資本効率を重視する経営方針に変更はなく、引続き中長期的な指標として維持してまいります。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当面は不透明な外的要因が続くことを前提に、安定的、持続的に事業を拡大するため、下記のような課題に優先的に取り組んでまいります。 当連結会計年度においては厳しい業績結果となりましたが、その背景には、ハンディオーディオレコーダー市場を取り巻く事業環境の変化や、米国における追加関税の影響など、事業運営の前提条件に関わる変化が存在しています。これらは一過性の要因ではなく、今後の事業運営においても継続的に影響を及ぼすものと認識しております。このような状況を踏まえ、当社は現状を「有事」と位置付け、経営として最優先で対処すべき課題を二点に集約し、集中的に取り組んでまいります。 ① 市場構造の変化を踏まえた成長戦略の再構築 ハンディオーディオレコーダー市場では、汎用的な録音用途の価値がスマートフォンやワイヤレスマイクへと移行する構造変化が進行しており、従来、汎用用途を担ってきた廉価な製品を中心に、市場環境は以前に比べて厳しさを増しています。当社はこの変化を一時的な需要調整ではなく、市場構造そのものの変化として受け止めています。当社は中期経営計画において、新技術の活用や製品エコシステムの構築等の方向性を示してきましたが、市場構造の変化が想定以上のスピードで進行したことにより、従来の延長線上の取り組みでは十分ではないとの認識に至りました。このため2026年はこれまで示してきた方向性を前提に、商品企画・技術開発・事業展開を一体で再設計し、成長に向けた取り組みを集中的に進める年と位置付けています。価値提供のあり方の転換、及び収益源の分散を進めることで、中長期的に安定した成長を実現するための基盤構築に取り組んでまいります。 ②  利益を確保するための収益構造の再構築 米国における追加関税や為替変動などの外部要因は、当社の収益構造に大きな影響を及ぼしており、今後も高い不確実性を伴うものと認識しております。当社は、2025年に実施したリストラクチャリングや資産評価の見直しを通じて損益分岐点を引き下げ、外部環境の変化を織り込んだうえで利益を創出できる体制への転換を進めております。2026年以降は、この収益構造を前提に、外部環境の変動を織り込んだうえでも利益を確保できる、より筋肉質で持続可能な事業運営を確立することを最優先課題として取り組んでまいります。 企業の持続的成長に不可欠な人材育成については、継続的な取り組みが求められるため、より実務的な育成プログラムを社内で立ち上げるなど、長期的な成長を支援する体制を強化してまいります。今後も、社員一人ひとりのスキル向上とキャリア成長を促進する取り組みを積極的に推進してまいります。
事業等のリスク6,335字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。これらのリスクのうち、既に顕在化しているあるいは顕在化の可能性が高いものについては、リスク項目の右側に「※」を付しております。 文中の記載のうち将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 外部経営環境 ① 為替の変動 ※ 当事業年度における当社(提出会社)の売上高6,850,967千円のうち、5,635,297千円と約82%を占める海外への売上高は主に米国ドル建であり、加えて、生産委託先からの仕入高についても米国ドル建であるため、為替相場の変動は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。具体的には、売上高及び仕入高については、それぞれ販売及び仕入れをした日のレートで円換算されるため、同レートに応じて円換算後の売上高と売上総利益が増減いたします。すなわち、円高となった場合は売上高と売上総利益が減少いたします(円安の場合は増加)。 なお、現地の販売代理店として、イタリアに本社を置くMogar Music S.r.l.、ドイツに本社を置くSound- Service Musikanlagen-Vertriebsgesellschaft mbHが連結子会社となっていることから、ユーロの変動についても当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 また、棚卸資産の評価基準として総平均法を採用しているため、円高傾向が継続した場合、売上原価は過去の円安時に円換算された仕入価格の影響を受けることから、売上原価率が上昇する傾向にあります(円安傾向が継続した場合は下落)。 更に、当社の外貨建資産と外貨建負債のほとんどが米国ドル建であるため、為替相場の変動に応じて為替差損益を計上する可能性があります。 当社では、円高のリスクを取込んだうえで予算を作成すること、米国ドル建資産と米国ドル建負債のバランスを保つこと、及び一部米国ドル建て売掛金に対して為替予約を行うことにより、当社グループとして上記リスクに対応しております。 ② 各国の経済状況及び市場の動向 ※ 当社グループの製品は世界各国で販売されているため、各国の経済状況や競合他社との価格競争を含む市場の動向に大きな変化がみられた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 特に、当社グループの顧客には比較的若いユーザーが多いため、主に先進国で見られる少子化は将来の顧客数に影響を与える可能性があります。 また、趣味の多様化により当社グループの製品カテゴリーの対象顧客が減少する可能性があります。 更には、ミュージシャンやクリエイター等がターゲットユーザーである製品が多いため、限られたユーザーの動向が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、新しい製品カテゴリーを継続して開拓していくことを戦略目標の一つとすることにより、上記リスクに対応しております。 ③ 競合 ※ スマートフォンが携帯音楽プレーヤー、カメラや携帯電話の市場を取込んだように、技術革新や新しいコンセプトの製品の誕生により、思いもよらない製品が将来当社製品の競合となる可能性があります。 また、資金力や技術力がある企業が、新たに当社グループの製品が属するカテゴリーに参入することにより、競争が激化する可能性があります。 当社グループでは、商品開発5か条に基づき他社製品にはないユニークでオリジナリティのある製品を継続して開発することにより、上記リスクに対応しております。 ④ 法的規制 ※ 当社グループは日本国内において電波法、会社法、法人税法、独占禁止法、個人情報保護法、製造物責任法、景品表示法など様々な法的規制を受けております。これらの法改正や新たな法的規制が設けられる可能性があり、その場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 また、当社グループでは製品を世界各国の販売代理店を通じて販売しているため、各国の現地の法的規制を遵守するよう努めております。しかしながら、現地の法的規制が改正又は新たに設定された場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 なお、関税について、現在、米国政府は海外からの輸入品に対して追加の関税を賦課する政策をとっております。当社の生産委託先は全て中国又は東南アジアであり、相互関税が付加される状況となっており、既に売上原価の増加といった影響が顕在化しております。一方、相互関税については2026年2月20日に米国最高裁において違法の判決が下されたものの、税還付の時期や現政権による代替的な貿易保護政策の導入可否については予断を許さない状況にあります。関税対象が更に拡大する可能性もあり、その場合には、米国市場においてコスト競争力が低下し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、現地販売代理店又は会計・法律事務所から、法改正や新たなる規制の導入についての最新の情報を継続的に入手し、リスクの高い項目については事前に対応策を検討すること等により、上記リスクに対応しております。 特に税務については、海外の税法に関する知識不足や見解の相違が原因で、当社又は子会社の税務申告が否認され追徴課税されること等により巨額の損失が発生する可能性があるため、移転価格税制やタックスヘイブン税制等税務リスクが高い分野について専門のコンサルタントから助言を受け、事前にリスクを低減するよう努めております。 ⑤ 原材料の調達 当社の製品は、機種により数十から数千個から成る部材で構成されております。ある機種の部材が一つでも調達ができなくなった場合には、当該機種の製品が生産できなくなることから、全ての部材について十分な在庫の確保に努めております。何らかの理由により特定の部材の購入が困難となった場合、必要な数の製品が生産できず販売機会損失が発生することから、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、重要な部材については十分な量の在庫を保有することに加え、複数の調達ルートや代替となる部材を確保すること等により、上記リスクに対応しております。 ⑥ 戦争、テロ、感染症又は自然災害等 ※ 当社グループは、開発拠点を日本に、生産拠点を中国及び東南アジアに、販売拠点を日本及び海外に置いております。これらの拠点において、地震、水害等の自然災害、新型コロナウイルス・新型インフルエンザ等の感染症や疫病の発生、戦争・テロ又は第三者による当社グループに対する非難・妨害などが発生するリスクがあります。 当社グループでは、一定規模の災害等を想定したリスク対応策を講じておりますが、こうしたリスク等により、短期間で復旧不可能な莫大な損害を被り、部品・資材の調達、生産活動、製品の販売及びサービス活動に遅延や中断が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 新製品開発及び製造 ① 製造物責任 当社グループは製品の開発、製造及び販売に当たり、適切な品質管理の実施に努めておりますが、予期せぬ欠陥が生じることによりリコールや訴訟が発生する可能性、また、その後のレピュテーションリスクやブランド力の毀損のリスクが考えられます。 更に、製造物責任賠償保険に加入しているものの、保険で賠償額が十分にカバーされなかった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、品質管理部門において品質管理を一元化するとともに、週次で品質管理ミーティングを開催し問題が深刻化することを未然に防止することにより、上記リスクに対応しております。 ② 新製品開発 ※ 当社グループは世界初のユニークな製品を開発することを目指しておりますが、期待どおりの成果が得られず製品化を断念した場合、あるいは開発の遅延により予想外の追加コストが発生した場合や販売開始が遅れた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、週次で開発会議を開催し進捗をコントロールするとともに、複数の新製品開発を同時並行で行うことでリスクを分散することにより、上記リスクに対応しております。 ③ 生産コストの上昇 ※ 当社グループの生産は、中国及び東南アジアにあるEMS企業へ委託しているため、今後EMS企業の所在地の人件費や物流費用の上昇等の理由により生産コストが上昇する可能性があります。 当社グループでは、必要に応じて製品出荷価格の値上げを行うほか、特定の国に偏重しないようEMS企業を選定することにより、上記リスクに対応してまいります。 (3) 知的財産権 ※ 当社グループでは、製品の開発にあたり知的財産権を使用することから、知的財産侵害の指摘を受け他社との間で紛争や訴訟が生じた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、新製品開発に当たり他社の知的財産権の調査を行い、特に新製品で使用する技術が他社の特許権を侵害しないか、新製品の名称が他社の商標権を侵害していないか、に留意して調査することにより、問題の発生の防止に努めております。 また、当社グループが保有する商標権や特許権等の知的財産が侵害されることにより市場において当社ブランドとの混同や模倣製品が流通すること等によって、当社のブランド価値に毀損が生じることにより、中長期的に当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、知的財産の侵害を発見した場合には決して容認せず、毅然とした態度で法的措置等を含めた対応をとることにより、上記リスクに対応してまいります。 (4) 海外の販売代理店への依存 当社グループの海外売上高比率は83.3%(2025年12月期)と非常に高く、その全ては海外の販売代理店経由の売上となっております。販売代理店が子会社である北米、南欧及び中欧を除き、各国での当社製品のプロモーションや営業活動は、原則として当該国担当の販売代理店が独自で行うため、各販売代理店の販売戦略等は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 また、主要な販売代理店との契約終了や関係の悪化が、小売業者や顧客の喪失、競合他社へのノウハウの流出、当社グループの営業力の減退をもたらし、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 更に、販売代理店に対するモニタリングが不十分であった場合、当社グループの評判又は信用が毀損し、又は小売業者や顧客との関係を悪化させ、その結果、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、主要な代理店については定期的にミーティングを行うとともに、新製品について各主要代理店の営業担当に対しトレーニングを行うことでコミュニケーションの円滑化を図ることにより、上記リスクに対応しております。 (5) 人材の確保と育成 当社グループの製品は、競合商品の出現や技術革新により販売台数が減少する傾向にあることから、持続的な成長のためには継続的に新製品を開発し、発売していくことが不可欠となります。製品開発に当たってはエンジニアの数と質が制約条件となるため、優秀なエンジニアの確保と継続的な人材の育成に努めてまいります。 しかしながら、我が国では若年層及び生産年齢人口が減少の一途を辿っていることもあり、優秀な人材の確保や育成が予定どおり進捗しない場合や優秀な人材の流出が続いた場合、競争力の低下や事業計画の予定どおりの遂行ができなくなり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、エンジニアについては新卒採用の間口を広げるとともに、学生との接点を増やすことにより毎年必要な新卒を継続的に採用し、大学院派遣やジョブローテーションを実施し、スキルアップを図ることにより人材を育成するとともに、必要に応じて中途採用を行うことにより、優秀な人材の確保に努めております。 (6) システムトラブルと情報漏洩 当社グループは、生産管理、部品や製品の発注、在庫管理、販売管理に基幹システム及び情報システムを利用しております。これらのシステムが、不正アクセスやシステムの不具合、自然災害等により、アクセスできなくなる等の障害が発生した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 また、業務を通じて取引先の機密情報やユーザーの個人情報等を保有しており、これらの情報を保護するために個人情報保護等の規程の整備を含めた情報セキュリティ体制を構築、運用しております。 しかしながら、コンピューターウイルスの感染やパソコンの盗難等の不測の事態により機密情報が漏洩した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、システムのバックアップやファイアウォールの設定等不正アクセスを防止するための措置を講ずるとともに、定期的にセキュリティの見直しを行うこと等により、上記リスクに対応しております。 (7) レピュテーションリスク 当社グループの製品は主として個人向けであり、スマートフォン、タブレット及びパーソナルコンピューターとの連携を前提とした製品も多いため、ネットリテラシーの高いユーザーが多く、ユーザーからの感想や要望がソーシャルメディアやブログ等に多くあがっております。事実の有無にかかわらず、インターネット上で当社若しくは当社製品への誹謗・中傷が広がった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、ソーシャルメディア運用管理規程等を定め、いわゆる“炎上”が起こらないように注意することにより、上記リスクに対応しております。 (8) 売掛金の回収リスク 当社グループの主要取引先に対しては、主として売上の1か月から2か月分の与信を設定しております。取引先には、有力な卸、小売店又は販売代理店が多いため売掛金残高も多額となるケースがあり、倒産等により売掛金の回収が不可能となった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、主要取引先に対しては定期的に信用調査を行うなど慎重に与信管理を行うことに加え、一部販売先の売上債権に対して金融機関の保証ファクタリングを利用することにより、上記リスクに対応しております。 (9)重要な訴訟 当社グループの製品は世界中で利用されているため、様々な理由で訴訟の提起を受ける可能性があり、その場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、コンプライアンス規程及びコンプライアンス・マニュアルを制定し、法令及び契約の遵守に努めることにより、上記リスクに対応しております。 (10)業績の季節変動 ※ 当社グループの主たる市場である欧米においては年末商戦における需要が強いことから、当社グループの売上及び利益は上期に比べて下期に増加する傾向があります。このため、為替の変動や生産コストの上昇等何らかの理由により下期の売上及び利益が予想を下回る場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
経営成績の分析 (MD&A)10,091字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度における世界経済は、ウクライナや中東地域をはじめとする地政学的リスクの高止まりが、エネルギー価格や物流コストの不安定化を招き、景気の下押し圧力となりました。また、主要な市場である米国においては、通商政策の変化に伴う関税強化や貿易摩擦の再燃などにより、先行きの不透明感が一段と強まりました。我が国経済においても、円安基調の継続による原材料価格の高騰や物価上昇が家計を圧迫し、個人消費が伸び悩むなど、依然として予断を許さない状況が続いております。 当社グループが属する楽器関連機器業界におきましては、コロナ禍の特需の反動による在庫調整が継続したことに加え、世界的な物価高を背景とした消費者の節約志向により、趣味・娯楽への支出が抑制されるなど、厳しい販売環境で推移いたしました。 このような環境の下、期首想定を上回る事業環境の悪化が上半期を通じて顕在化いたしました。当社グループの業績につきましては、国内及び欧州市場は比較的堅調に推移したものの、最大の市場であり利益率が高い北米市場において、相互関税の影響及び個人消費の減退に伴う販売不振に見舞われ、売上高及び売上総利益が当初想定を大きく下回る結果となりました。 当社グループはこの事態を重く受け止め、これを「有事」と認定したうえで、年度途中から事業運営の前提を見直し、各種対応を進めることとなりました。以下は、その判断に至るまでの経過と、判断後に実施した主な取り組み及びその成果になります。 「取り組み1」市場構造変化を踏まえた製品戦略の検証と見直し ハンディオーディオレコーダー市場では、ワイヤレスマイクの普及やスマートフォンの録音性能向上により、汎用的な録音用途の価値が他デバイスへ移行する構造変化が進行しております。一方で、音楽用途や高音質・高信頼性を求める用途、業務用途など、録音品質や信頼性そのものが評価軸となる領域では、引き続き一定の需要が存在しているものと認識しております。 こうした市場環境を踏まえ、高音質録音を明確な価値とするStudioシリーズを投入し、販売は堅調に推移しました。一方、汎用用途を主眼としたEssentialシリーズについては、市場における価値軸の変化との乖離が顕在化しました。このため、ファームウェアアップデート、プロモーション・マーケティング施策、バンドル販売の拡大などの対応を講じましたが、需要構造の変化の大きさを踏まえると、既存製品を前提とした対応には限界があり、かつ効果の発現に一定期間を要することから、販売は想定を下回る結果となりました。 これらの結果を通じて、当社は、従来の製品構成や価格帯を前提とした事業運営には見直しが必要であるとの認識に至り、成長が見込める領域に経営資源を再配分するための事業構造の再定義に着手しました。 「取り組み2」関税影響の顕在化を踏まえた収益管理の見直し 米国向け製品において追加関税の影響が本格化し、当社の収益性に大きな影響を与えました。当初、関税については、中国とその他アジア地域との間で関税水準に大きな差が生じる前提での適用を想定しており、関税影響の緩和を目的として生産地移管を進めるとともに、販売価格の調整など既存施策による対応を実施しました。 しかしながら、実際には地域間の関税差は当初想定より限定的であり、かつ税率水準自体も高水準で推移したことから、生産地移管による短期的なコスト吸収効果は想定を下回る結果となりました。この結果、外部環境の変動が収益性に与える影響の大きさが改めて顕在化しました。 これらを受け、当社は、外部要因の変動をより前提とした収益管理の必要性を認識し、事業運営上の不確実性を低減するための対応を進めてまいりました。 「取り組み3」有事対応としての組織再編及び事業基盤の整理 上記の環境変化を受け、有事対応の一環として、組織体制及びコスト構造の見直しに着手しました。本社機能を中心としたリストラクチャリングを実施する一方で、将来の成長に不可欠な開発の中核リソースについては維持・強化を図り、メリハリのある組織運営を推進してまいりました。 また、北米事業を担うZoom North America LLCにおいては、市場環境や事業見通しの変化を踏まえ、将来の収益計画との整合性を図る観点から、保有資産の評価見直しを行い、のれんの減損処理を実施しました。これにより、資産価値を実態に即した水準へと適正化するとともに、次期以降の収益性を改善し、将来的な追加損失のリスクを低減させております。 これらの取り組みにより、当連結会計年度には一時的な費用負担が生じたものの、損益分岐点の引き下げと事業運営の効率化が進み、次期以降に向けて、より持続可能な事業基盤の構築を図ることができました。 上記の構造改革に伴い、割増退職金の支払いや棚卸資産の処分に伴う損失、及び将来の収益性の低下に鑑みたのれんの減損損失など、合計10億円弱の特別損失を計上いたしました。 この結果、営業利益以下の各段階利益につきまして、誠に遺憾ながら損失を計上するに至りましたが、今回の措置により次期以降の固定費削減及び資産の健全化が図られたものと考えております。 以上の結果、当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は17,437,011千円(前期比3.5%減)、営業損失は56,959千円(前期は営業利益531,518千円)、経常損失は231,076千円(前期は経常利益554,189千円)、及び親会社株主に帰属する当期純損失は1,728,030千円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益40,876千円)となりました。 当社グループは音楽用電子機器事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。製品カテゴリー別の説明は以下のとおりであります。 (ハンディオーディオレコーダー) ハンディオーディオレコーダーは、音楽・業務用途など録音品質や信頼性が重視される領域で需要が引き続き堅調であり、そのニーズを的確に捉えた新製品「Studio シリーズ」は好調な販売を記録し、当カテゴリーの新たな柱となっています。一方、スマートフォンの性能向上等により、手頃な価格が特徴の「Essential シリーズ」は苦戦を強いられ、各種販促施策を講じたものの想定を下回る結果となりました。さらに欧州等の地域で前期の旧Hシリーズ最終販売に伴う反動減もあり、売上高は3,665,596千円(前期比5.3%減)となりました。 (デジタルミキサー/マルチトラックレコーダー) デジタルミキサー/マルチトラックレコーダーは、2025年9月から新製品3機種を順次市場へ投入いたしました。これら新製品の立ち上がりは概ね堅調に推移したものの、既存製品の販売減少分をカバーするまでには至らず、売上高は2,011,189千円(前期比3.3%減)となりました。 (マルチエフェクター) マルチエフェクターは、前期に実施した「MultiStompシリーズ(MS+シリーズ)」の刷新及びラインナップ拡充に伴う需要が一巡したことに加え、低価格帯製品における競合他社との競争激化の影響を受け、売上高は1,377,868千円(前期比20.1%減)となりました。 (プロフェッショナルフィールドレコーダー) プロフェッショナルフィールドレコーダーは、2023年以降、新製品の投入がなかったこと等により、売上高は1,075,516千円(前期比25.4%減)となりました。 (ハンディビデオレコーダー) ハンディビデオレコーダーは、2022年以降、新製品の投入がなかったこと等により、売上高は465,149千円(前期比21.8%減)となりました。 (Mogar取扱いブランド) Mogar取扱いブランドは、現地通貨ベースの売上高は前年同期並みとなったものの、ユーロに対する円安進行の影響を受け、売上高は1,254,611千円(前期比3.1%増)となりました。 (フックアップ取扱いブランド) フックアップ取扱いブランドは、高価格帯製品に対する需要が低調に推移したことから、売上高は1,706,399千円(前期比8.4%減)となりました。 (Sound Service取扱いブランド) Sound Service取扱いブランドは、「Nord Keyboards」や「LTD」の販売が好調に推移したことに加え、英国の拠点であるSound Service U.K. Limitedが、2024年10月にオーディオブランドの販売代理店であるSCV Distribution Limitedの商圏を承継したことも寄与し、売上高は4,717,466千円(前期比18.9%増)となりました。 なお、従来独立したカテゴリーとして記載しておりました「マイクロフォン」「ボーカルプロセッサー」及び「オーディオインターフェース」につきましては、直近の販売実績の推移及び今後の開発計画を鑑み、重要性が低下したことから、当連結会計年度より独立した説明を省略することといたしました。 また、財政状態については、当連結会計年度末の資産合計は18,743,778千円となり、前連結会計年度末と比べ1,344,098千円減少しました。これは主に、流動資産が308,678千円、固定資産が1,035,420千円減少したことによるものであります。 (流動資産) 当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ308,678千円減少し、14,656,341千円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金が291,589千円減少したことによるものであります。 (固定資産) 当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末に比べ1,035,420千円減少し、4,087,436千円となりました。これは主に、工具、器具及び備品が71,257千円、投資有価証券が216,885千円増加した一方で、償却の進行や一部減損損失の計上によりのれんが1,100,454千円減少したことによるものであります。 (流動負債) 当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べ354,100千円増加し、8,114,787千円となりました。これは主に、買掛金が81,397千円減少した一方で、短期借入金が723,390千円増加したことによるものであります。 (固定負債) 当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末に比べ496,670千円減少し、3,208,662千円となりました。これは主に、長期借入金が466,566千円減少したことによるものであります。 (純資産) 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて1,201,528千円減少し、7,420,327千円となりました。これは主に、為替換算調整勘定が349,683千円、非支配株主持分が323,948千円増加した一方で、親会社株主に帰属する当期純損失の計上等により利益剰余金が1,874,341千円減少したことによるものであります。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ253,300千円減少し、3,034,649千円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動により増加した資金は601,939千円(前年同期は584,571千円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失を1,221,342千円計上した一方、減価償却費368,594千円、のれん償却額475,158千円及び減損損失862,626千円を計上したことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動により減少した資金は690,113千円(前年同期は241,611千円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出398,839千円及び関係会社株式の取得による支出216,885千円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動により減少した資金は113,086千円(前年同期は15,111千円の増加)となりました。これは主に、短期借入金の純増減額656,620千円があった一方、長期借入金の返済による支出509,742千円及び配当金の支払額135,100千円があったことによるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績 イ. 生産実績 当社グループは、外部に製造を委託しており生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。 ロ. 製品仕入実績 当連結会計年度における製品カテゴリー別の仕入実績は次のとおりであります。 製品カテゴリーの名称   当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日) 金額 (千円)   前年同期比 (%) ハンディオーディオレコーダー   1,180,558   51.3 デジタルミキサー/マルチトラックレコーダー   1,061,127   108.8 マルチエフェクター   878,821   94.4 ハンディビデオレコーダー   445,330   476.6 プロフェッショナルフィールドレコーダー   307,477   84.9 Mogar取扱いブランド   863,533   109.8 フックアップ取扱いブランド   1,156,951   83.3 Sound Service取扱いブランド   3,831,799   114.6 その他   1,189,835   105.1 連結消去額   △10,141   10.3 合計   10,905,295   97.2 (注) 1.金額は、仕入価格によっております。 2.当社グループの製品は、当社ブランドの製品については全て生産委託しております。 3.従来独立したカテゴリーとして記載しておりました「マイクロフォン」「ボーカルプロセッサー」及び「オーディオインターフェース」につきましては、直近の販売実績の推移及び今後の開発計画を鑑み、重要性が低下したことから、当連結会計年度より「その他」に含めております。 ハ. 受注実績 当社グループは、需要予測による見込みで販売数量を決定しており、受注生産の形態を採っておりません。 ニ. 販売実績 当連結会計年度における製品カテゴリー別の販売実績は次のとおりであります。 製品カテゴリーの名称   当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日) 金額(千円)   前年同期比 (%) ハンディオーディオレコーダー   3,665,596   94.7 デジタルミキサー/マルチトラックレコーダー   2,011,189   96.7 マルチエフェクター   1,377,868   79.9 プロフェッショナルフィールドレコーダー   1,075,516   74.6 ハンディビデオレコーダー   465,149   78.2 Mogar取扱いブランド   1,254,611   103.1 フックアップ取扱いブランド   1,706,399   91.6 Sound Service取扱いブランド   4,717,466   118.9 その他   1,163,213   88.4 合計   17,437,011   96.5 (注) 1.従来独立したカテゴリーとして記載しておりました「マイクロフォン」「ボーカルプロセッサー」及び「オーディオインターフェース」につきましては、直近の販売実績の推移及び今後の開発計画を鑑み、重要性が低下したことから、当連結会計年度より「その他」に含めております。 2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合 相手先   前連結会計年度(自 2024年1月1日至 2024年12月31日)   当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日) 金額(千円)   割合(%)   金額(千円)   割合(%) Thomann GmbH (注)   2,778,556   15.4   2,907,458   16.7 Amazon.com, Inc. (注)   3,308,222   18.3   2,837,755   16.3 (注) 当該顧客と同一の企業集団に属する顧客への販売実績を集約して記載しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討結果は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。 なお、当社グループの連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすものと考えております。 イ. 棚卸資産 当社グループは、棚卸資産の保有期間及び将来の需要予測に基づき検討した結果、正味売却価額が帳簿価額を下回るものについては商品評価損を計上しておりますが、想定よりも実際の市況が悪化した場合は追加の評価減が必要となる可能性があります。 ロ.貸倒引当金 当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、回収不能見込額を貸倒引当金として計上しておりますが、取引先の財務状況が悪化しその支払い能力が低下した場合又は債権が回収不能となった場合、追加の引当又は損失の計上が必要となる可能性があります。 ハ. 繰延税金資産 繰延税金資産については、将来の利益計画に基づく課税所得の十分性を慎重に検討し、回収可能性を判断した上で計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積り額が減少した場合は、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。 ニ.のれん 当社グループは、のれんに関して効果の発現する期間を見積り、その期間で定額法により償却しておりますが、その資産性の評価について検討した結果、当初想定したキャッシュ・フローが見込めなくなった場合に、評価の切り下げを行う可能性があります。 ② 経営成績の分析 (売上高) 当連結会計年度における売上高は、前期比3.5%減の17,437,011千円となりました。これは主に、米国市場における相互関税の影響や需要減退に加え、スマートフォン等の普及による代替需要の拡大に伴い、汎用価格帯製品の競争が激化したこと等によるものであります。 (売上総利益) 売上総利益は、前期比6.6%減の6,471,003千円となり、売上総利益率は前期比1.2%減少の37.1%となりました。これは主に、相互関税による売上原価の上昇や、在庫評価基準の保守的運用により棚卸資産評価損の増加が要因となります。 (営業利益) 販売費及び一般管理費は、前期比2.0%増の6,527,963千円となりました。これは主に、研究開発費の増加によるものであります。 以上の結果、営業損失は56,959千円(前期は営業利益531,518千円)となりました。 (経常利益) 営業外収益は、前期比49.8%減の85,044千円となりました。これは主に、前期にあった保険解約返戻金51,050千円及び非連結子会社であるZOOM HK LTDからの受取配当金50,384千円の計上がなかったことによるものであります。一方で、営業外費用は、前期比76.5%増の259,162千円となりました。これは主に、支払利息を125,061千円、及び為替差損を132,204千円計上したことによるものであります。その結果、経常損失は231,076千円(前期は経常利益554,189千円)となりました。 (税金等調整前当期純利益) 経常損失の計上に加え、特別損失としてのれん等の減損損失を862,626千円及び事業構造改善費用を128,003千円計上したことにより、税金等調整前当期純損失は1,221,342千円(前期は税金等調整前当期純利益554,188千円)となりました。 (親会社株主に帰属する当期純利益) 当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は、1,728,030千円(前期は税金等調整前当期純利益40,876千円)となりました。これは法人税等の計上に加え、非支配株主を抱える子会社(Mogar Music S.r.l.、Sound-Service Musikanlagen-Vertriebsgesellschaft mbH及びSound Service U.K. Limited)の当期純利益等の49%を、非支配株主に帰属する当期純利益に139,214千円計上したことによるものであります。 (経営上の目標達成状況) 中期経営計画「第4次中期経営計画2024-2026」において、2026年度の数値目標を、連結売上高220億円、連結営業利益22億円としておりました。しかしながら、計画していた大型M&Aが不成立したことに加え、米国市場における通商政策(相互関税)の影響や需要減退、更にはスマートフォンの普及に伴う顧客ニーズの多様化といった構造的な変化に直面しました。これら外部環境の急変を受け、2025年度の販売実績は当初計画を大幅に下回る結果となりました。 こうした環境変化に対応し、持続的な成長基盤を再構築するため、当社グループは既存事業の効率化及び不採算領域の整理といった構造改革にリソースを最優先で配分し、収益力の回復を喫緊の課題として取り組んでおります。具体的には、損益分岐点を大幅に引き下げることで、売上高が2025年度と同水準であっても安定的な利益を創出できる財務体質への変革を推進しております。以上の状況を鑑み、中期経営計画の最終年度である2026年度の目標数値を、連結売上高175億円、連結営業利益6.5億円へと見直しております。 なお、本計画における資本効率性の指標(2026年度のROE及びROIC 10%以上)につきましても、現時点では2026年度中の達成は困難な見通しとなりました。 しかしながら、資本効率を重視する経営方針に変更はなく、中長期的な達成目標として維持してまいります。 ③ 資本の財源及び資金の流動性に関する情報 当社グループの主な資金需要は、製品の仕入れ、人件費や外注先への支払等の営業費用及び金型等の設備投資であります。これらの資金需要は自己資金を充当し、不足が生じる場合は金融機関からの借入で調達を行っております。なお、取引金融機関との関係は良好であり、当座貸越枠を確保していることから、充分な資金流動性を確保していると考えております。 ④ 経営成績に重要な影響を与える要因について 当社グループは、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスクが当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると考えております。中でも為替の変動リスクについては、当社グループの売上高は米国ドル建て又はユーロ建てが多いことから、当社グループの業績へ与える影響は特に大きいと考えております。加えて、米国における新政権の経済・通商政策の不確実性や、世界各地で高まる地政学的リスクが、グローバルな需要動向やサプライチェーンに予期せぬ停滞を招く懸念があります。 今後の政治・経済動向には不透明な要素が多く、これらの変化が当社グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。

EDINET提出の有価証券報告書から自動抽出。表は文字起こしのため崩れることがあります。

開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP

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