本文へスキップ
超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,980.73+214ドル円158.84-1NASDAQ26,208.82+109S&P 5007,666.58+35SOX 指数11,332.81+449/2終値

アズビル

Azbil Corporation6845 · Prime · 電気機器

ビルオートメーションと工場オートメーションの両軸。計測・制御技術でビル・工場・ライフラインの最適化を提供。

概要

アズビルは、計測制御と自動化の分野で国内トップクラスの企業である。1906年に創業し、ビル管理システム(BEMS)、工場のプロセス制御機器、ガス・水道メーターなど、建物・工場・ライフラインの三つの市場に「人を中心としたオートメーション」を提供する。2026年3月期の連結売上高は2,989億円、営業利益率15.8%、自己資本比率76.1%。東京証券取引所プライム市場に上場し、グループ全体で39社の子会社と1社の関連会社を擁する。

三つの事業セグメントで構成される収益構造

アズビルグループは、ビルディングオートメーション(BA)事業、アドバンスオートメーション(AA)事業、ライフオートメーション(LA)事業の三つを報告セグメントとする。BA事業はオフィスビルや商業施設向けの空調・照明・セキュリティ統合制御システムで、2026年3月期の売上高は1,563億円と全体の52.3%を占める。AA事業は石油化学や半導体工場向けの調節弁・流量計・異常予兆検知システムで1,107億円(37.0%)。LA事業はガスメーター・水道メーター・全館空調システムで333億円(11.1%)と続く。営業利益率はBA事業が16.2%、AA事業が20.6%と高水準だが、LA事業は7.2%と相対的に低い。

国内中心だが海外生産拠点を広げる地域展開

売上高の大半は国内市場から得ているが、海外向けも一定の割合を占める。2026年3月期の連結売上高2,989億円のうち、海外売上高は開示されていないものの、子会社として米国(アズビルノースアメリカ)、タイ(アズビルプロダクションタイランド)、中国(アズビル機器(大連))、ベトナム(アズビルベトナムプロダクション)などに生産・販売拠点を持つ。特に2025年3月にはベトナムに新たな生産子会社を設立し、グローバル生産体制の強化を図っている。また、スペインのTelstar社に出資していたが、2024年10月に全持分を売却し、欧州事業を整理した。

グループ構成と主要子会社の役割

アズビルは持株会社体制を取らず、本体が製造・販売・エンジニアリングを一貫して手掛ける。主要な連結子会社として、商社機能を持つアズビルトレーディング、ガスメーター・水道メーターを手掛けるアズビル金門(旧㈱金門製作所)、キーボード製造のアズビル太信がある。また、海外ではアズビルノースアメリカが米国市場を、アズビルプロダクションタイランドがタイでの生産を担う。2025年3月期の従業員数は連結で9,170人。2022年6月に監査役会設置会社から指名委員会等設置会社へ移行し、コーポレートガバナンスを強化している。

業界の中での役割はビル・工場・社会インフラ向け制御・計測機器の総合メーカーにあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
2,989億円
営業利益
473億円
営業利益率
15.8%
純利益
386億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01ビルディングオートメーション(BA)事業主力

オフィスビル、商業施設、病院などの建物市場向けに、空調・照明・セキュリティなどを統合制御するビルディングオートメーションシステム(BAS)や、センサ、コントローラ、バルブなどのデバイスを供給。省エネ・快適性向上を実現する。

主な製品・サービス4
ビルディングオートメーションシステム(BAS)
ビル内の空調、照明、電力、防災、セキュリティなどを統合的に監視・制御するシステム。
室内用温湿度センサ
室内の温度と湿度を検出し、空調制御にフィードバックするセンサ。
空調設備用コントローラ
空調機や熱源機を最適制御するためのコントローラ。
入退室管理システム
ICカードや生体認証を用いてビルへの入退室を管理するシステム。セキュリティ向上に寄与。

02アドバンスオートメーション(AA)事業主力

石油化学、鉄鋼、自動車、半導体、食品など幅広い工場市場向けに、調節弁、圧力・流量計、ポジショナ、異常予兆検知システムなどを提供。プラントや生産ラインの自動化・最適運用を支援する。

主な製品・サービス5
調節弁(コントロールバルブ)
流体の流量や圧力を自動制御する弁。各種プラントのプロセス制御に不可欠。
差圧・圧力発信器
配管やタンクの差圧や圧力を計測し、電気信号に変換して伝送する計器。
電磁流量計
電磁誘導の原理で導電性流体の流量を計測する流量計。高精度で腐食性流体にも対応。
スマート・バルブ・ポジショナ
調節弁の開度を高精度に制御する知能型ポジショナ。通信機能により遠隔監視も可能。
オンライン異常予兆検知システム
センサデータを解析し、設備の異常兆候を早期に検知・通知するシステム。予防保全に貢献。

03ライフオートメーション(LA)事業準主力

ガス・水道事業者や一般家庭向けに、ガスメーター、水道メーター、ガバナ(圧力調整器)、全館空調システムなどを供給。安心・安全で快適な生活インフラを支える。

主な製品・サービス4
超音波ガスメーター
超音波を用いてガス流量を計測するスマートメーター。検針の自動化や遠隔遮断が可能。
膜式スマートメーター
ダイヤフラム式のガスメーターに通信機能を付加したスマートメーター。
高圧ガバナ
高圧ガスを適正な圧力に減圧する調整器。ガス供給設備の安全確保に重要。
全館空調システム
家全体の温度・湿度・空気質を一括で制御する空調システム。快適で省エネな住環境を提供。

製品と技術

ビル管理の中枢:ビルディングオートメーションシステム

BA事業の中核製品は、ビル内の空調・照明・電力・防災・セキュリティを統合監視・制御するビルディングオートメーションシステム(BAS)である。同システムはオフィスビルや商業施設、病院などに導入され、東京都庁や大手ビルでの省エネ制御実績がある。構成要素として、室内用温湿度センサ、天井用温度センサ、赤外線アレイセンサ、空調設備用コントローラ、熱源設備用コントローラ、流量計測制御機能付電動二方弁などを自社開発・製造する。また、入退室管理システムでは非接触ICカードリーダや生体認証に対応し、セキュリティと利便性を両立する。

プラント制御の要:調節弁とスマートポジショナ

AA事業で主力となるのは調節弁(コントロールバルブ)である。石油化学、鉄鋼、自動車、半導体、食品など幅広い工場で、流体の流量や圧力を自動制御する。これに組み合わせるスマート・バルブ・ポジショナは、知能型の開度制御装置で、通信機能を持ち遠隔監視を可能にする。また、差圧・圧力発信器や電磁流量計、熱式微小液体流量計などの計測器も提供。さらに、センサデータを解析して設備の異常兆候を早期に検知するオンライン異常予兆検知システムを製品群に加え、予防保全によるプラントの安定稼働を支援する。

暮らしを支える計量:ガスメーターと水道メーター

LA事業では、ガス事業者向けに超音波ガスメーターと膜式スマートメーターを供給する。超音波ガスメーターは超音波で流量を計測し、検針の自動化や遠隔遮断が可能。膜式スマートメーターはダイヤフラム式に通信機能を付加した製品である。水道メーターでは電池電磁水道メーターや超音波式水道スマートメーターをラインアップ。また、高圧ガバナ(圧力調整器)はガス供給設備の安全確保に使われる。一般家庭向けには全館空調システムや全館空気清浄換気システムも手掛け、快適で省エネな住環境を提供する。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

電気機器のなかでの位置

制御機器で国内強み、高収益体質を維持

電気機器業界において、当社は計測制御機器に特化し、国内の大手としての地位を築いている。同業他社にはキオクシアホールディングスやイビデンなどがあるが、当社はビルの自動制御など特定分野で高いシェアを持つ。直近の営業利益率は14〜16%と高水準で、収益性が高いのが特徴。売上高は微減傾向にあるものの、市場の成熟化の中で安定した業績を維持している。業界構造としては、省エネ需要や自動化投資の増加が追い風となっており、当社はその需要を捉えている。

強み

  • ビル管理や工場の自動制御で高いシェアを持ち、参入障壁が高い。
  • 営業利益率15%前後を維持し、堅実な収益構造を確立している。
  • 省エネルギー需要の高まりで、製品の需要が安定的に推移している。
  • 長年の技術蓄積により、高品質で信頼性の高い製品を提供している。

課題

  • 売上高が微減傾向で、新たな成長ドライバーが必要である。
  • 新興企業や異業種からの参入もあり、競争が激化している。
  • 高度な技術を持つ人材の引退が進み、若手への承継が課題。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

工作機械・FAの時価総額近傍。太字がアズビル

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
16841横河電機1.2兆円21.3倍
26724セイコーエプソン1.2兆円56.7倍
36506安川電機1.2兆円32.9倍
47701島津製作所1.2兆円18.8倍
56856堀場製作所9,517億円22.1倍
66845アズビル7,891億円19.3倍
76113アマダ7,789億円24.8倍
86481THK7,450億円28.7倍
96473ジェイテクト6,834億円57.0倍
106302住友重機械工業6,759億円16.2倍
117762シチズン時計6,711億円21.4倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(工作機械・FA)に従っています。

会社の歴史

沿革 36件

創業から工業計器国産化へ:1906~1942年

1906年12月、創業者の山口武彦が山武商会を創立し、欧米の工作機械やボールベアリング、酸素溶接機などを輸入販売した。1932年7月に株式会社に改組し、工業計器の組立を開始。1939年4月には蒲田工場を建設し、米国ブラウン・インストルメント・カンパニー(後にハネウエルに吸収)の計器を国産化した。1942年4月、商号を山武工業に変更すると同時に、商事部門を独立させて別会社の山武商会(現アズビルトレーディング)を設立。製造と販売を分離する組織改革を断行した。

戦後再建とハネウエルとの資本提携:1949~1966年

1949年8月、企業再建整備法により山武工業を清算し、第二会社として山武計器を設立。計測器の製造販売を再開した。1953年1月、ハネウエル・インコーポレイテッド(米国)と技術提携契約を結び、同時に資本提携(出資比率50%)を締結。1956年7月には商号を山武ハネウエル計器に変更し、事実上の合弁企業となった。1958年8月に株式を店頭公開し、1961年4月には藤沢工場(現藤沢テクノセンター)を建設、マイクロスイッチと空調制御機器の生産を開始。同年10月に東京証券取引所市場第二部に上場し、1963年10月には山武計装を設立し空調計装工事事業に参入した。1966年12月、商号を山武ハネウエルに変更。

生産拠点拡充とビル・産業システム事業の確立:1969~1990年

1969年2月、東京証券取引所市場第一部に指定替え。1972年11月には寒川工場(現湘南工場)を建設し、調節弁の生産を開始。1973年にはプラスチック・ダイカスト部品の山武プレシジョン(現アズビルコントロールプロダクト)に出資、伊勢原工場を建設しビルディングオートメーションの中央管制システムを生産するなど、基盤を強化した。1990年3月、ハネウエル・インコーポレイテッドの出資比率が50%から24.15%に低下。同年11月、技術提携契約を包括的提携契約に変更し、関係を見直した。

ハネウエルとの資本解消と山武への社名変更:1997~2005年

1997年10月、ハネウエルとの包括的提携契約を事業ごとの個別契約に変更。1998年7月、社名を山武ハネウエルから㈱山武に改め、ハネウエルの名を外した。同年10月、ビルシステム事業と産業システム事業の国内営業の一部を子会社へ譲渡。2002年7月、ハネウエルグループとの資本提携を完全に解消し、独立した。2003年4月、山武ビルシステムと山武産業システムを吸収合併し、営業機能を本体に統合。2005年12月には㈱金門製作所(現アズビル金門)の優先株式を取得し、ガスメーター事業への足掛かりを得た。

アズビルへのブランド統一と生産再編:2012~2025年

2012年4月、社名をアズビルに変更し、グループブランドを統一。同時に山武コントロールプロダクトを吸収合併した。2013年1月、スペインのTelstar社に出資し、ライフサイエンス分野に進出(後に2024年10月売却)。2019年6月、湘南工場に新生産棟を稼働し、首都圏の生産機能を集約。2022年4月、東京証券取引所の市場区分見直しに伴いプライム市場へ移行。同年6月には指名委員会等設置会社へ移行。2025年3月、グローバル生産体制強化のためアズビルベトナムプロダクションを設立した。

年表36件を開く

1900年代

  • 1906年12月創業創業者の山口武彦が山武商会を創立、欧米工作機械類・ボールベアリング・酸素溶接機等を輸入・販売

1930年代

  • 1932年7月山武商会を株式会社に改組、工業計器の組立開始
  • 1939年4月M&A蒲田工場を建設、ブラウン・インストルメント・カンパニー(米国)(後にハネウエル・インコーポレイテッドに吸収合併)の計器を国産化

1940年代

  • 1942年4月商号変更㈱山武商会を山武工業㈱と商号変更、商事部門を独立させ、別に㈱山武商会(現:アズビルトレーディング㈱ 連結子会社)を設立
  • 1949年8月企業再建整備法により山武工業㈱を清算するため、第二会社として山武計器㈱を設立、計測器の製造、販売事業を開始

1950年代

  • 1953年1月ハネウエル・インコーポレイテッド(米国)(現:ハネウエル・インターナショナル・インコーポレイテッド(米国))との技術提携契約に基づき、同社と資本提携(保有割合:50%)
  • 1956年7月商号変更山武計器㈱を山武ハネウエル計器㈱と商号変更
  • 1958年8月株式を店頭公開

1960年代

  • 1961年4月藤沢工場(現:藤沢テクノセンター)を建設、マイクロスイッチ、空調制御機器を生産
  • 1961年10月上場株式を東京証券取引所市場第二部に上場
  • 1963年10月商号変更山武計装㈱(1998年7月山武ビルシステム㈱と商号変更)を設立(出資比率:100%)、空調計装工事事業を開始
  • 1965年10月商号変更工業計器のメンテナンス事業を行う山和計装㈱に出資(出資比率:50%)、山武メンテナンス㈱と商号変更(1998年7月山武産業システム㈱と商号変更)
  • 1966年12月商号変更山武ハネウエル計器㈱を山武ハネウエル㈱と商号変更
  • 1969年2月上場株式を東京証券取引所市場第一部に上場

1970年代

  • 1972年11月寒川工場(現:湘南工場)を建設、調節弁を生産
  • 1973年7月商号変更プラスチック、ダイカスト部品を生産する㈱山武プレシジョン(1990年4月山武コントロールプロダクト㈱と商号変更)に出資(出資比率:100%)
  • 1973年8月伊勢原工場を建設、ビルディング・オートメーションの各種中央管制システム、制御盤を生産
  • 1974年6月キーボードを生産する㈱太信(現:アズビル太信㈱ 連結子会社)に出資(出資比率:50%)

1990年代

  • 1990年3月ハネウエル・インコーポレイテッドの出資比率が50%から24.15%になる
  • 1990年11月商号変更ハネウエル・インコーポレイテッドとの技術提携契約を包括的提携契約に変更
  • 1997年10月商号変更ハネウエル・インコーポレイテッドとの包括的提携契約を事業ごとの提携契約に変更
  • 1998年7月商号変更山武ハネウエル㈱を㈱山武と商号変更
  • 1998年10月ビルシステム事業及び産業システム事業の国内営業の一部を山武ビルシステム㈱及び山武産業システム㈱へ譲渡

2000年代

  • 2002年7月ハネウエル・インコーポレイテッドグループとの資本提携解消
  • 2003年4月M&A山武ビルシステム㈱及び山武産業システム㈱を吸収合併
  • 2005年12月㈱金門製作所(現:アズビル金門㈱ 連結子会社)の第Ⅰ種優先株式(議決権比率:14.95%)及び第Ⅱ種優先株式を取得
  • 2006年1月㈱金門製作所(現:アズビル金門㈱ 連結子会社)の第Ⅰ種優先株式(議決権比率:14.95%)の全株式を普通株式(議決権比率:43.31%)に転換
  • 2008年4月M&A㈱金門製作所(現:アズビル金門㈱ 連結子会社)を株式交換により完全子会社化

2010年代

  • 2012年4月商号変更㈱山武をアズビル㈱に商号変更
  • M&A山武コントロールプロダクト㈱を吸収合併
  • 2013年1月M&AスペインTelstar, S.A.(アズビルテルスター㈲)に出資(出資比率80%)アズビルテルスター㈲の出資持分の追加取得を行い、完全子会社化
  • 2019年6月湘南工場に新たに建設された生産棟の稼働を開始、11月に首都圏の生産機能を集約

2020年代

  • 2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所の市場第一部からプライム市場に移行
  • 2022年6月監査役会設置会社から指名委員会等設置会社へ移行
  • 2024年10月アズビルテルスター㈲の出資持分の全てをSyntegon Technology GmbH(契約上の譲渡先は同社の100%子会社であるFalcon Acquisition, S.L.U.)へ譲渡
  • 2025年3月創業グローバル生産体制強化のため、アズビルベトナムプロダクション㈲を設立

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は4つの方針を掲げている。そのうち5項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 売上高2030年度まで4,200億円
  • 営業利益2030年度まで650億円
  • 営業利益率2030年度まで15.5%
  • ROE2030年度まで15%
  • 営業利益率2027年度まで15.0%

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    基盤事業と成長事業の両輪サイクル

    長年の顧客基盤に基づく「基盤事業」と、半導体やカーボンニュートラル等の社会課題を捉えた「成長事業」のサイクルを回し、ストック事業を強化することで持続的成長を実現する。

  2. 02

    シン・オートメーションによる事業拡大

    MEMSセンサや自動調節弁、プラント自律化等の独自技術を活用した「シン・オートメーション」を創造し、計測・制御分野での事業拡大を進める。

  3. 03

    スマートメーターと快適住空間の拡大

    ガス・水道メーターのスマート化とSMaaS事業を推進し、住宅用全館空調では対象建物拡大やIoT活用により快適住空間プロバイダーを目指す。

  4. 04

    海外事業の積極拡大

    アジア地域の都市化やデータセンター市場をターゲットに、国内の省エネ技術やサービス力を活かした製品・サービス提供を推進する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で9,170人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は918万円で、9期前と比べて+20.2%平均年齢は46.0歳、平均勤続年数は19.8年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月9,290
2018年3月9,328
2019年3月76445.420.49,607
2020年3月76445.520.09,897
2021年3月77445.720.110,003
2022年3月77345.920.110,086
2023年3月78046.020.210,063
2024年3月76245.920.09,909
2025年3月83445.719.78,922465
2026年3月91846.019.89,170516

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率7.4%
縦線は目安の30%
男性育休取得率96.5%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)69.9%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社6(国内 2 / 海外 4、うち連結子会社 6) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位10)
藤沢テクノセンター(神奈川県藤沢市)(注)3174億円
ビルディングオートメーション アドバンスオートメーション
湘南工場 — 神奈川県高座郡 寒川町6,459百万円
ビルディングオートメーション アドバンスオートメーション
本社工場 — タイ・チョンブリー4,742百万円
ビルディングオートメーション アドバンスオートメーション
ビルシステムカンパニー東京本店 アドバンスオートメーションカンパニー東京支社(東京都品川区)(注)53,393百万円
ビルディングオートメーション アドバンスオートメーション
本社工場 — 中国大連2,554百万円
ビルディングオートメーション アドバンスオートメーション
京都事業所(京都府船井郡)(注)61,263百万円
アドバンスオートメーション
本社工場 — 長野県中野市1,183百万円
アドバンスオートメーション
本社工場 — 和歌山県御坊市1,143百万円
ライフオートメーション
埼玉工場 — 埼玉県行田市1,085百万円
アドバンスオートメーション
研修センター — 神奈川県横須賀市1,071百万円
ビルディングオートメーション アドバンスオートメーション
ほか10件の開示あり
主な関係会社
  • 国内
    アズビルトレーディング㈱
    東京都港区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    アズビル金門㈱(注)2
    東京都新宿区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    アズビルプロダクションタイランド㈱(注)2
    タイ チョンブリー県 · 連結子会社
    議決権99.9%
  • 海外
    アズビル機器(大連)有限公司
    中国大連市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    アズビルノースアメリカ㈱(注)2
    米国アリゾナ州 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    アズビルベトナムプロダクション㈲(注)2
    ベトナム フンイエン省 · 連結子会社
    議決権100.0%
公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 調達
    防衛省市ヶ谷地区施設管理業務(統括管理・各設備点検保守業務)
    防衛省 · 2023-12-22
    70.5億円
  • 調達
    防衛省市ヶ谷地区施設管理業務(統括管理・各設備点検保守業務)
    防衛省 · 2018-01-17
    46億円
  • 調達
    2896200001中央合同庁舎第2号館及び総務省第二庁舎の管理・運営業務
    総務省 · 2016-03-11
    44.8億円
  • 調達
    東京港湾合同庁舎等の施設管理・運営業務
    財務省 · 2024-02-29
    11.3億円
  • 調達
    令和7・8・9年度大阪中之島合同庁舎建築設備総合管理業務一式
    検察庁 · 2025-03-11
    10.6億円
  • 調達
    東京港湾合同庁舎等の施設管理・運営業務
    財務省 · 2016-03-14
    10.2億円
  • 調達
    令和4・5・6年度大阪中之島合同庁舎建築設備総合管理業務一式
    検察庁 · 2022-03-08
    10.1億円
  • 調達
    東京港湾合同庁舎等の施設管理・運営業務
    財務省 · 2021-03-01
    10億円
  • 調達
    平成31・32・33年度大阪中之島合同庁舎建築設備総合管理業務一式
    検察庁 · 2019-02-27
    9.5億円
  • 調達
    財務省本庁舎・中央合同庁舎第4号館建築設備管理業務
    財務省 · 2026-02-26
    3.9億円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は2,989億円営業利益473億円前期と比べると減収増益で、売上が-0.5%、利益が+14.0%。

売上高
-0.5%
2,989億円
営業利益
+14.0%
473億円
純利益
-5.9%
386億円
営業利益率
15.8%
前期比 +2.0%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高3,150億円2,989億円
営業利益497億円473億円
純利益353億円386億円
1株あたり配当¥50¥50

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は637億円、営業利益は67億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+4.1%、営業利益は+45.7%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q873121
2024年1Q612467.537
2024年2Q7078411.982
2024年3Q73510213.973
2024年4Q855110
2025年2Q1,39314610.5109
2025年4Q1,61126916.7301
2026年2Q1,32917713.3135
2026年4Q1,66029617.8251
2027年1Q6376710.551

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は2,276億円から2,989億円へ1.3倍に増えた。直近期の営業利益率は15.8%。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
スペインTelstar, S.A.(アズビルテルスター㈲)に出資(出資比率80%)アズビルテルスター㈲の出資持分の追加取得を行い、完全子会社化
2013年3月2,27614683
2014年3月2,48414677
2015年3月2,54517172
2016年3月2,56916683
2017年3月2,548205132
2018年3月2,604243179
湘南工場に新たに建設された生産棟の稼働を開始、11月に首都圏の生産機能を集約
2019年3月2,621277190
2020年3月2,594277198
2021年3月2,468263199
2022年3月2,566295208
2023年3月2,784321226
2024年3月2,909390302
グローバル生産体制強化のため、アズビルベトナムプロダクション㈲を設立
2025年3月3,00441542213.8410
2026年3月2,98947348815.8386

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高2,989億円のうち、営業利益として残るのは473億円15.8%。営業外の損益と税金を反映した純利益は386億円、売上の12.9%にあたる。営業利益率は業種中央値6.9%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金53.3%1,593億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金30.9%923億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益15.8%473億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
46.7%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比+9.0pt
15.8%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+7.0pt
12.9%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比+7.7pt
15.7%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
11.6%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
14.0%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが380億円、投資CFが−65億円で、差し引きのフリーCFは315億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は979億円で、売上の3.9ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月150−127−2523561
2014年3月158−107−6951558
2015年3月137−135−612519
2016年3月11143−105154559
2017年3月199−91−64108598
2018年3月1950−109195686
2019年3月161−41−120120681
2020年3月298−42−188256747
2021年3月2263−70229907
2022年3月101−40−20661779
2023年3月131−20−197111712
2024年3月275−24−225251756
2025年3月44020−298460926
2026年3月380−65−301315979

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は3,322億円。このうち返さなくてよい自己資本が2,560億円で、自己資本比率は76.1%(業種中央値61.0%より厚い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2013年3月2,4341,4121,02257.1
2014年3月2,5341,4501,08456.5
2015年3月2,6571,6031,05459.6
2016年3月2,5911,5701,02159.8
2017年3月2,6331,65897562.2
2018年3月2,7381,78095864.3
2019年3月2,7551,83192465.7
2020年3月2,7461,85389366.7
2021年3月2,8462,00684069.6
2022年3月2,8012,03177071.5
2023年3月2,9692,05991068.3
2024年3月3,1372,24988870.6
2025年3月3,1512,40574675.3
2026年3月3,3222,56076276.1

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
953億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
2,430億円
過去の利益の積み上がり
棚卸資産
84億円
在庫として抱えている分
負債合計
762億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
100
/ 100
安定性自己資本比率40 / 40
収益力営業利益率30 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

電気機器 224社との比較

同じ電気機器の企業と並べると、いちばん上に来るのは営業利益率224社中23位あたり、逆に低いのは売上成長率224社中173位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE上位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
15.7%/中央値 8.0%
P25 4.2%P75 12.1%
営業利益率上位売上のうち本業の利益として残る割合
15.8%/中央値 6.9%
P25 3.5%P75 11.6%
自己資本比率上位総資産のうち返済のいらないお金の割合
76.1%/中央値 61.0%
P25 48.2%P75 76.0%
売上成長率下位前期からの売上の伸び
-0.5%/中央値 4.1%
P25 -0.2%P75 9.4%
配当利回り上位株価に対して1年で受け取る配当の割合
3.4%/中央値 2.4%
P25 1.6%P75 3.3%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥1,457.5で、1年前と比べて+2.0%過去52週の値幅のなかでは42%の位置にある。

¥1,457.5-4.3%1ヶ月-12.8%1年+2.0%時価総額7,891億円
過去52週の値幅
安値¥1,241.5高値¥1,760

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)19.3倍
PER (会社予想)20.7倍
PBR3.14倍
配当利回り3.43%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は8月7日に1559円へ急落し、その後1485円まで続落。8月21日時点で1496円と、25日線(1607.94円)を約7%下回り、75日線(1613.39円)からも乖離。52週高値1760円から約15%下落する一方、52週安値1241.5円よりは上に位置する。RSIは28.41と過熱感のない水準で、週足では下降トレンドが継続。出来高は8月7日に411万株と急増し、売り圧力の強さを示した。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準をほぼ妥当と判定しています(スコア 50/100)

PERは19.79倍で業界平均の30.92倍を下回り、PBRは3.01倍で業界平均2.65倍を上回る。ROEは15.7%と高く資本効率は良い。配当利回りは3.34%と業界平均2.29%を上回り、株主還元も積極的。予想PERは21.3倍とやや割高感もあるが、成長性を考慮すると妥当な水準。財務健全性は高く、収益基盤も安定。ただし、PBRがやや高めなことから、やや割高な面もある。

指標この会社業種平均
PER (実績)19.3倍30.8倍
PER (予想)20.7倍
PBR3.14倍2.58倍
ROE15.7%5.8%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

投資論点は、省エネ需要や自動化投資の拡大という追い風を、人手不足や競争激化という逆風が相殺する構図にある。強気派は、ESGの流れでビル省エネ需要が加速し、同社のBEMSや制御機器の受注が伸びると見る。また、2026年3月期の営業利益率は15.8%と改善予想で、収益性の向上が期待される。一方、弱気派は、国内市場の成長限界と、海外競合との価格競争を懸念する。2026年3月期の売上高は前期比で微減予想であり、成長鈍化が示唆されている。

プラスに働く材料7
  • 省エネ規制強化

    脱炭素の追い風でビル向け省エネ制御の需要が拡大。

  • 自動化ニーズ増

    人手不足で工場の自動化投資が増加し、制御機器が売れる。

  • 利益率改善

    2026年3月期の営業利益率は15.8%と過去最高水準へ。

  • 2026年3月期営業利益473億円と前期比14%増決算発表後影響

    営業利益は前期比58億円増の473億円、売上高2,989億円で増益

  • 配当利回り3.21%と高水準の株主還元通年影響

    配当利回り3.21%は投資家の下値支えとなる

  • ROE15.7%と高水準を維持継続影響

    ROE15.7%は主要電機の中でも高く、資本効率の良さが評価材料

  • 外国人保有比率45.63%と高く需給安定継続影響

    外国人保有45.63%は高く、グローバルな需要が株価を支える

マイナスに働く材料7
  • 国内市場成熟

    ビル新設は伸び悩み、既存設備の更新需要だけでは成長が限定的。

  • 海外競合

    欧米や中国勢との競争が激しく、価格競争に陥るリスク。

  • 業績伸び悩み

    2026年3月期の売上高は前期比▲0.5%と減収予想。

  • 売上高2,989億円と前期比0.5%減決算発表後影響

    売上高は前期比15億円減の2,989億円、需要環境の弱さが表面化

  • 純利益386億円と前期比5.9%減通年影響

    純利益は前期比24億円減の386億円、最終減益となる

  • 来期予想PER22.2倍は実績20.58倍を上回る決算発表後影響

    予想PER22.2倍は実績20.58倍を上回り、市場の増益期待が低い

  • PBR3.13倍と割高感が意識される継続影響

    PBR3.13倍に対しROE15.7%でも、バリュエーション修正リスクがある

次の決算で確かめる点
ビル管理システム受注高
省エネ需要の実勢を反映し、将来の売上を左右する。
海外売上比率
海外展開の進捗を示し、成長余地を判断する。
サービス部門売上
保守・サービスは安定収益で、全体の収益性を高める。

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり50で、前期から+33.3%いまの株価に対する利回りは3.43%。増配か配当維持が5年続いている。

年間配当
¥50
1株あたり
配当利回り
3.43%
いまの株価に対して
配当性向
45.5%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
5年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月1053.3
2018年3月106.442.5
2019年3月1212.262.5
2020年3月138.742.4
2021年3月130.051.0
2022年3月1520.043.9
2023年3月1710.040.6
2024年3月1915.240.1
2025年3月2426.332.5
2026年3月3233.345.5

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥50

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ13,242人。区分でいちばん多いのは外国法人45.6%。グループ会社や銀行などの安定株主が39.0%を占め、残る61.0%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
外国法人39.842.541.944.342.745.6
金融機関45.541.940.838.139.036.0
個人・その他9.410.912.212.813.012.8
自己株式2.64.15.05.05.74.3
事業法人4.23.93.43.43.43.0
証券会社1.20.81.61.32.02.6
外国人個人0.00.00.00.00.00.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)12.88
02ステート ストリート バンク アンド トラスト カンパニー 505001(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)8.87
03明治安田生命保険相互会社7.70
04株式会社日本カストディ銀行(信託口)4.57
05全国共済農業協同組合連合会2.48
06ノーザン トラスト カンパニー エイブイエフシー リ フィデリティ ファンズ(常任代理人 香港上海銀行東京支店 セキュリティーズ・サービシズ・オペレーションズ)2.41
07azbilグループ社員持株会2.25
08ビービーエイチ フイアムグルトラエンプロイーベネフイツトプランズインターナシヨナルエクイテイグロースコミングルドプール(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)1.45
09ステート ストリート バンク アンド トラスト カンパニー 505103(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1.41
10日本生命保険相互会社1.38

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近6
  • 2026-08-21
    野村證券株式会社
    新規の大量保有報告
    5.07%
  • 2026-07-23
    フィデリティ マネジメント アンド リサーチ カンパニー エルエルシー(Fidelity Management & Research Company LLC)
    新規の大量保有報告
    5.68%
    -2.62pt
  • 2026-06-12
    エフエムアール エルエルシー(FMR LLC)
    変更報告
    9.70%
    +1.21pt
  • 2026-06-12
    フィデリティ マネジメント アンド リサーチ カンパニー エルエルシー(Fidelity Management & Research Company LLC)
    新規の大量保有報告
    8.30%
    +0.60pt
  • 2026-06-10
    エフエムアール エルエルシー(FMR LLC)
    変更報告
    8.49%
    +1.13pt
  • 2026-06-10
    フィデリティ マネジメント アンド リサーチ カンパニー エルエルシー(Fidelity Management & Research Company LLC)
    新規の大量保有報告
    7.70%
    +1.33pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で−33%、1株純資産は14期で−74%。直近期のROEは15.7%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月1131,8836.117.639.0
2014年3月1041,9415.424.559.3
2015年3月491,0724.833.649.1
2016年3月561,0585.325.61898.0
2017年3月901,1188.320.853.3
2018年3月1231,21310.520.142.5
2019年3月1321,26510.619.662.5
2020年3月1411,31310.919.942.4
2021年3月3635510.433.451.0
2022年3月3836510.427.143.9
2023年3月4238011.221.440.6
2024年3月5742014.218.440.1
2025年3月7845917.914.832.5
2026年3月7649815.717.945.5

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

13名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は13名。2026/3期の役員報酬は総額712百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約2倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
山本清博取締役 代表執行役社長6154,000
横田隆幸取締役 代表執行役副社長6559,000
勝田久哉取締役6847,000
永濱光弘取締役72
アン・カー・ツェー・ハン取締役62
吉川惠章取締役73
三浦智康取締役65
市川佐知子取締役59
吉田寛取締役67
中谷聡子取締役61
濱田和康執行役常務6235,000
石井秀昭執行役常務6312,000
残りの役員1名を開く
氏名役職年齢保有株数
五十嵐貴志執行役常務 アドバンスオートメーション カンパニー社長6111,000

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数株式報酬百万円その他百万円合計百万円1人あたり百万円
執行役67019855392
社外取締役9611111813
取締役(社内)20404121

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容1,556字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 azbilグループは、当社と子会社39社及び関連会社1社により構成され、人々の安心、快適、達成感と地球環境への貢献を目指す「人を中心としたオートメーション」を追求し、建物市場でビルディングオートメーション(BA)事業を、工業市場でアドバンスオートメーション(AA)事業を、ライフラインや生活に密着した市場において、ライフオートメーション(LA)事業を展開しております。その事業内容は、以下のとおりであります。BA事業では、ビルディングオートメーションシステム、セキュリティシステムから、アプリケーションソフト、コントローラ、バルブ、センサまでのフルラインナップを自社にて開発、製造し、また計装設計から販売、エンジニアリング、サービス、省エネソリューション、設備の運営管理までを一貫した体制で提供し、独自の環境制御技術で、快適で効率の良い執務・生産空間の創造と、環境負荷低減に貢献する事業を展開しております。AA事業では、石油、化学、鉄鋼、紙パルプ等の素材産業や、自動車、電気・電子、半導体、食品等の加工・組立産業の課題解決に向け、装置や設備の最適運用をライフサイクルで支援する製品やソリューション、計装・エンジニアリング、保守サービスを提供し、先進的な計測制御技術を発展させ、安全で人の能力を発揮できる生産現場の実現を目指すとともに、お客様との協働により新たな価値を創造する事業を展開しております。また、LA事業では、建物市場や工業市場で永年培った計測・制御・計量の技術を、ガス・水道等のライフライン、生活の場に提供し、人々の安全と快適な暮らしに貢献する事業を展開しております。 事業内容及びazbilグループの当該事業に係る位置付け並びにセグメントとの関連は、次のとおりであります。 セグメントの名称   主 要 製 品   主 要 会 社 ビルディングオートメーション事業   室内用温湿度センサ、天井用温度センサ、室内用温湿度調節器、赤外線アレイセンサ、WP(ワークプレース)センサ、デジタル設定器、マルチエリア対応ユーザターミナル、統合型ユーザターミナル、ビルディングオートメーションシステム、入退室管理システム、非接触ICカードリーダ、空調設備用コントローラ、熱源設備用コントローラ、吹出口ダンパ、流量計測制御機能付電動二方弁 等   当社 アズビルベトナムプロダクション㈲ アドバンスオートメーション事業   調節弁、グラフィカル調節計、デジタルマスフローコントローラ、計装ネットワークモジュール、差圧・圧力発信器、電磁流量計、スマート・バルブ・ポジショナ、協調オートメーションシステム、プロセス・コントローラ、アジャスタブル近接センサ、光電スイッチ、アドバンストUVセンサ、リミットスイッチ、熱式微小液体流量計、重要プロセス変数変動監視システム、オンライン異常予兆検知システム 等   当社 アズビルトレーディング㈱ アズビルノースアメリカ㈱ アズビルプロダクションタイランド㈱ アズビル機器(大連)有限公司 ライフオートメーション事業   クラウドサービス、超音波ガスメーター、膜式スマートメーター、マイコンメーター(普及型)、高圧ガバナ、電池電磁™水道メーター、電子式水道メーター、超音波式水道スマートメーター、全館空調システム、全館空気清浄換気システム 等   当社 アズビル金門㈱ その他   保険代理業 ソフトウエア開発業務等 (注)上記の4区分は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメント情報の区分と同一であります。 [事業系統図] 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
経営方針・対処すべき課題9,170字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、azbilグループが判断したものであります。 (1)経営方針 azbilグループは、「人を中心としたオートメーション」のグループ理念のもと、事業拡大を通じて、持続可能な社会へ「直列」に繋がる貢献により、継続的な企業価値の向上を図り、社会と社員のWell-beingを実現し、あらゆるステークホルダーと信頼関係を構築してまいりたいと考えております。 2026年5月、当社グループの社会に対する提供価値や存在意義を示すものとして、私たちがステークホルダーに共有すべきパーパスを「人と社会の可能性を、技術で解き放つ。」と定めました。人と社会が潜在的に有する多くの可能性を、オートメーションを含む幅広い技術で解き放つことで、“効率から創造へ。不可能を可能へ。”と、お客様の現場での新しい価値創造に繋げていくことを本パーパスで表しています。また、人と社会の可能性を解き放つという表現は、「人を中心としたオートメーション」という当社のグループ理念に加え、「人間の苦役からの解放」を目指してきた創業者の想いも込められています。あわせて、本パーパスの追求を通じて、当社グループが実現したい具体的な理想像及び目標として、10年後の将来、我々がなりたい将来像を目指す姿として定めました。   azbil Group Way グループの未来に向けて想いを一つにする共通の価値観 ブランドステートメント さらにこのパーパス及び目指す姿の実現に向けた当社グループの決意を端的に表現するものとして、ブランドステートメントに「Engineering the Impossible」を掲げました。当社グループは、技術による革新と新たな可能性の解放、そして、目指す姿に掲げる“不可能を可能へ。”の実現に向け、力強く未来志向の経営を推進してまいります。 (2)目標とする経営指標等 当社グループは、人を中心に据え、人と技術が協創するオートメーション世界の実現に注力し、お客様の安全・安心や企業価値の向上、地球環境問題の改善等に貢献する世界トップクラスの企業集団になることを長期目標と設定したうえで段階的に中期経営計画を立案し、この目標達成に向けた取組みを行っております。株主価値増大に向けて連結ROE(自己資本当期純利益率)の向上を基本的な目標としており、2030年度をゴールとする長期目標※1において、売上高4,200億円、営業利益650億円、営業利益率15.5%、ROE15%を目標としております。この長期目標達成に向け、2027年度を最終年度とする3ヵ年の現中期経営計画(2025~2027年度)※1では、最終年度の売上高3,400億円、営業利益510億円、営業利益率15.0%、ROE14%を達成することを目標としております。 また、ダブルマテリアリティ(環境・社会が企業に与える財務的な影響と、企業活動が環境・社会に与える影響という2つの側面から重要性を評価する考え方)を取り入れ、長期にわたり取り組む重点課題として5分野10項目のマテリアリティを特定しています。これらのマテリアリティに基づき、事業や企業活動に関する7つの項目については、SDGs(Sustainable Development Goals-持続可能な開発目標)の領域において目標を「azbilグループSDGs目標」として具体的に定めるとともに、企業が社会に存立するうえで果たさなければならない基本的責務である3つの項目については、CSR活動において具体的な目標を定めております。なお、現在、経営環境の変化やパーパスを制定したことを踏まえて、取締役会での議論も経てマテリアリティの見直しの検討を進めています。このようなSDGs及びCSR活動における各目標の達成に向けて様々な取組みを行うことにより、当社グループの「サステナビリティ経営」の推進を通じ、持続的な成長を目指してまいります。 ※1 2025年5月13日、長期目標(2030年度)を見直し、中期経営計画(2025~2027年度)を公表いたしました。これらの目標値は、策定時点における日本基準に基づき算定しております。なお、2027年度の計画値については、現時点で変更はいたしませんが、中期経営計画の進捗状況に加えて、現状の不透明な情勢が見通せるようになった段階で見直しを検討いたします。 (3)経営戦略等 2025年度から始まった現中期経営計画は、2030年度の長期目標を見据えた第二期間であるとともに、2026年に迎える創業120周年を超えて、“持続可能な社会へ「直列」に繋がる貢献”に向けた進化、共創を実現する計画と位置付けております。 その初年度である2025年度は、生成AIをはじめとする技術革新やインフレ、地政学的リスクの高まりなどにより、事業環境の変化が激しい一年となりました。このような環境下、当社グループは、こうした変化に着実に対応するとともに、価格転嫁を含む収益力強化、業務効率化を推進することで、事業基盤の強化を図ってきました。この結果、営業利益は過去最高益を更新しました。 2026年に入り、中東情勢(米国・イラン間の緊張を含む)の緊迫化を背景に、資源価格、物流、調達面等において、一部で事業環境への影響が顕在化しています。こうした地政学的リスクは不確実性が高く、エネルギー価格の動向等を通じて業績に影響を与える可能性がありますが、当社グループでは、状況を注視しながら適切な情勢対応とリスク管理を行い、事業運営への影響を最小限に抑えるべく対応していきます。 azbilグループは今後とも、技術革新及び社会環境の変化に伴う新たな社会課題解決を事業機会と捉え、人的資本強化、商品力強化、DX推進等の投資を着実に実行していきます。当社グループの特長である、長年にわたって構築した幅広い顧客基盤(工場・プラント、商業ビル、ライフライン等)との強い関係に基づく「基盤事業」と、半導体等の技術革新やカーボンニュートラルのような社会課題対応を新たな事業機会と捉えた「成長事業」の両輪のサイクルを回す、azbilグループらしい事業モデルを推進しています。 また、基盤事業を中心に、お客様の現場のライフサイクル全体(新設から改修、メンテナンスまで)を支えるビジネスを「ストック事業」として展開しています。ストック事業は、すでに納入した製品を起点としたビジネスであり、グループ全体での収益性の持続的な向上に貢献しております。今後も、「成長事業」・「基盤事業」のサイクルによる成長に加え、「ストック事業」を一層強化することで、不透明な環境下においても売上、利益面での持続的な成長を実現してまいります。 (4)対処すべき課題 ① 国内事業 ビルディングオートメーション(BA)事業は、都市再開発計画に基づく需要が高い水準で継続し、省エネ・CO2排出量削減対策を含めた改修案件の需要も堅調に推移することが今後も見込まれます。こうした好調な事業環境を踏まえ、今後も人員を含めたリソースの適切な配置、負荷平準化及びDX推進による効率化等を継続するとともに、AIやクラウド等の技術活用を志向するお客様のニーズや、需要が拡大するデータセンター市場への対応を重要な課題と捉え、ソリューション力の強化に取り組んでいきます。そのために、2025年12月には株式会社DATAFLUCTと資本業務提携契約を締結し、AI技術を活用した、より高付加価値な建物運用向けサービスの実現を目指しております。 また、省エネ・CO2排出量削減対策の具体的な取組み事例としては、当社と株式会社エネルギア・ソリューション・アンド・サービスが、地方独立行政法人広島市立病院機構による「広島市立広島市民病院設備改修PFI事業(ESCO事業※2)」の公募にて、最優秀事業者に選定された事例が挙げられます。病院施設を対象とする官民連携の大規模ESCO事業であり、持続可能な地域医療体制の実現に向けて2026年10月より15年間の省エネルギー保証サービスを開始する予定です。地元企業との協力や雇用の創出等、地域密着型の事業展開で、広島市民病院の医療サービスの維持及び地球環境の負荷低減を目指しています。 ▲広島市立広島市民病院設備改修PFI事業(ESCO事業) スキーム アドバンスオートメーション(AA)事業では、景気の循環による変動影響はあるものの、脱炭素化、サーキュラーエコノミー、生産高度化、安全・安定操業、人手不足対応等の要望に対して、計測・制御分野を中心に貢献できる領域は大きく、更なる事業領域の拡大と事業成長が期待できると考えています。成長戦略として、新たな計測・制御技術需要に対して、MEMS※3センサや自動調節弁関連技術、プラント自律化等の当社グループ独自の技術を活用したソリューションを「シン・オートメーション」と定義し、その創造による事業拡大を進めてまいります。あわせて、原価低減、販売価格適正化等の各種収益力強化施策をCP事業、IAP事業、SS事業の3つの事業単位でのオペレーションを通じて着実に実行してまいります。 シン・オートメーション領域におけるプラント自律化の商品として、AIを活用した最適生産計画立案システム「VIRTUAL PLANNER™ PP」の販売を開始しました。VIRTUAL PLANNER PPは、強化学習によりAIが最適な生産計画を短時間で立案し、生産中の状況変化に応じて自動で計画を見直し、再立案を行うシステムで、生産の高度化とともに多様な働き方を推進、生産計画担当者の負担を軽減しWell-beingの向上にも寄与します。 ▲AI最適生産計画立案システム VIRTUAL PLANNER PPの機能 ライフオートメーション(LA)事業では、ライフライン分野において、主体であるガス・水道メーターの安定した需要を基に、超音波メーターのような新製品の投入や価格転嫁等を通じて収益性の改善に努めています。さらに、ガス・水道メーターのスマート化と、これに通信とクラウドシステムを融合したSmart Metering as a Service (SMaaSTM※4) 事業を推進しています。また、住宅用全館空調システム分野では、既設建物や小規模建物まで、対象建物の拡大により収益性を向上し、長期的にはサービスエンジニアリング力にIoT技術をプラスして現場対応力を強化し、お客様の健康で快適な暮らしに省エネを加えた快適住空間プロバイダーへ事業の拡大を目指します。 新しい水道スマートメーターの商品としては、Kamstrup社(本社:デンマーク)と「次世代超音波式水道スマートメーター」の日本市場における協業を開始しました。同メーターの国内展開、及びスマートメーターで収集したノイズデータを利活用した漏水検知クラウドサービスにより、水道インフラの効率的な維持管理に対する社会的ニーズに応える事業開発を進めてまいります。 ※2 ESCO(Energy Service Company)事業: 工場やビルの省エネルギーに関する包括的なサービスの提供を通じて、そこで得られる効果をサービス提供者が保証する事業。資金を顧客が負担し、ESCO事業者が省エネ保証を行う「ギャランティード・セイビングス契約」と、ESCO事業者が資金提供を行い、顧客が省エネ効果を含めたサービス料を支払う「シェアード・セイビングス契約」という2つの契約形態がある。 ※3 MEMS(Micro Electro Mechanical Systems):センサ、アクチュエータ、電子回路を一つの基板の上に微細加工技術によって集積した機器。 ※4 SMaaS(Smart Metering as a Service):従来のメーターの計測機能に加え、データを活用し新たな付加価値をサービスとして提供する事業モデル。 ② 海外事業 当社が策定した現中期経営計画において、飛躍的な成長を目指す海外事業については、これまでに構築・蓄積したお客様との信頼関係を基盤に、積極的な事業拡大を図ってまいります。あわせて、地域特性を踏まえた事業推進及び管理体制の強化を進めることで、海外事業の成長を一層加速してまいります。 BA事業では、アジア地域での都市化の進展が継続し、建物市場を中心にオフィスのグレードアップが進むことが見込まれています。国内事業モデルでの強みである省エネルギーのアプリケーション技術、エンジニアリング、サービス力を活用した製品・サービスの提供を推進していきます。特に、成長が期待されるデータセンター市場においては、2025年9月、マレーシアのジョホール州に子会社を設立し、同地区で建設が活況であるデータセンターや、ジョホール・シンガポール経済特区(JS-SEZ)における新築建物を重点対象として、当社システムの導入案件獲得を加速するとともに、稼働後の保守・メンテナンス契約をセットで提案することで、ライフサイクルを通じた受注拡大を図ります。 また、AA事業では、中長期的な視点で循環的な景気変動はあるものの、グローバルでの経済成長の継続、更なる生産性改善の要求、設備老朽化への対応、環境規制の拡大、新技術の活用に対する期待等を背景とした生産設備の自動化投資は引き続き拡大が見込まれています。そのような状況下において、脱炭素社会へ向けた産業構造の転換を見据え、新市場向けの拡張製品開発や異常予兆検知・AI設備診断等、シン・オートメーション領域の開拓を進めていきます。2025年10月には国際標準規格IEC60534※5に準拠した新しい調節弁「6000シリーズ」を販売開始しました。継続してグローバル市場における競争力の強化に努めてまいります。   ▲調整弁 「6000シリーズ」 以上のような国内外の事業軸の取組みに加えて、技術探索及び新技術の獲得、事業基盤の強化と事業領域の拡大を目指し、バイオエコノミー実現に向けたバイオ生産次世代化プロジェクト「メトリクスMATSURI」に参画しました。計測と制御を基盤とした「進化」と「共創」を通じてバイオエコノミーを推進し、バイオものづくりにおける生産性向上に貢献してまいります。 ※5 国際標準規格IEC60534:国際電気標準会議(IEC)が公開した国際標準。IEC60534とは、工業プロセス用調節弁の設計、性能、試験、騒音、寸法等に関する一連の標準を定めている。 ③ 生産・開発 海外事業の拡大に向けてグローバル生産体制を構築するとともに、商品力強化に向けた開発投資の拡充を進めてまいりました。国内においては、生産機能の中核拠点である湘南工場と、藤沢テクノセンターにおける技術開発機能との連携を強化するとともに、湘南工場のグループ内マザー工場としての機能整備を進めています。また、2026年4月には、開発力強化領域であるMEMS・センシングデバイス技術、アクチュエータ関連技術、AI技術、クラウド技術を活かし、顧客ニーズに基づいた商品開発力を一層強化するための開発組織体制の再構築を実施しました。 海外では、グローバルな事業拡大にあわせた生産体制の整備を進めています。2025年3月に登記が完了したベトナムの生産子会社アズビルベトナムプロダクション有限会社は、生産能力の増強と競争力向上のためのコスト削減や持続的な製品供給を実現するための適切な生産体制の構築のみならず、近年懸念される地政学的リスクに対応するための強化策と位置付けています。なお国内BCP(事業継続計画:Business Continuity Plan)対策としては、2025年4月に京都事業所内に新たに物流の拠点となる「京都配送センター」を設立するなど、自然災害や不測の事態、感染症の拡大等、生産・物流に関わるリスクを考慮し、国内外の生産体制を構築しています。 また、2025年10月には、計測・制御・システムの分野における研究をはじめ、産官学との連携、情報発信の役割を担う中核的な学会である計測自動制御学会より、「技術賞」及び「新製品開発賞」を受賞しました。今後も、お客様の「安心、快適、達成感」を実現する製品や新技術の開発により社会課題解決に貢献してまいります。     ▲新製品開発賞 「サファイア隔膜真空計 形V8」 ④ 経営管理と人的資本 経営管理面では、事業環境の不確実性が高まるなか、リスクマネジメントの高度化を継続的な課題として位置付け、リスク管理と対応力の向上に取り組んでいます。今後起こりうるリスク事象の影響を最小化すべく、毎年、外部環境の変化を加味して網羅的にリスクを抽出し、シナリオごとの検証を実施しています。そのうえで、リスク発生時の影響金額や発生頻度の定量的な評価基準に基づき、現場部門と経営層の双方から検証した重要リスクに対し、具体的な対策に取り組むことで、不確実性への対応力を強化しております。日々巧妙化するサイバー攻撃に対しても、総合的なサイバー攻撃への対処能力向上や最新のサイバーセキュリティ動向の更なる知見を得るため、2025年5月にはNATO(北大西洋条約機構:North Atlantic Treaty Organization)サイバー防衛協力センターが主催するサイバー防衛演習「ロックド・シールズ2025」に参加しました。当社製品・サービスのサイバーセキュリティ強化に活かし、お客様の重要インフラ防衛への取組みに貢献してまいります。 また、2026年度より国際財務報告基準(IFRS)の任意適用を行うことでグローバル経営の更なる推進及び資本市場における財務情報の国際的な比較可能性の向上を図るとともに、会計レベルの向上及び内部統制の強化も進めています。 azbilグループでは、人材を持続的成長のための「資本」として捉えており、事業環境の変化に対応できる人材の確保・育成と、長期的な視点での人的資本強化を重要な経営課題として位置付けています。2026年4月には、人事・人材育成の一体運営を目指し、今後の技術発展や社会情勢の新たな展開等に合わせた事業構造の変化に対応するため、長期目標、中期経営計画の達成に向けて必要となる多様な人材の採用、育成を一気通貫で行う組織体制を整備しました。リファラル採用やアルムナイ採用等の様々な手段を活用し、新卒採用・キャリア採用ともに入社時期を問わず、国内外での優秀な人材の確保を図っております。加えて、社員が長期にわたって活躍できるよう人事制度を整えるとともに、事業戦略にあわせて育成を行い、適材適所の配置を進めてまいります。 なお、当社グループとして、ESG(環境・社会・ガバナンス)の観点からも積極的な活動・取組みを進めております。  E(環境)では、地球環境保全への取組みを経営の最重要課題の一つと捉え、持続可能な社会の実現に向けて、気候変動対策、資源循環対策、生物多様性保全対策等、幅広い環境課題への対応と当社グループの事業活動の融合を進めております。気候変動対策においては、2050年温室効果ガス排出量ネットゼロの実現を中長期目標として掲げ、その達成に向けた具体的な取組みを推進しています。当該目標に基づき、 2025年6月には中国の生産子会社、2026年2月には京都の生産拠点において再生可能エネルギー設備を導入するなど、再生可能エネルギーの活用を着実に進めています。これらの取組みが評価され、2026年2月には環境省が主催する第7回ESGファイナンス・アワード・ジャパンにおいて、「環境サステナブル企業」に4年連続で選定されました。 S(社会)では、2022年よりサプライチェーンにおける人権尊重の取組みを開始し、2024年には、当社の事業がステークホルダー全体に与える人権に対する負の影響に関する人権デュー・ディリジェンスを開始しました。さらに、サプライチェーンの上流にあたる二次お取引先様にまで遡ってリスクの判定及び是正について継続的にフォローを行っています。企業活動のグローバル化・多様化により、拡大かつ複雑化している人権リスクに対して、その防止・低減を図ることで、企業の社会的責任を果たしてまいります。また、「azbilグループ健幸宣言※6」を制定し、総労働時間の削減やハラスメント防止といった職場環境改善等の「働き方改革」、一人ひとりの個性を尊重し、その特徴を活かすことができるよう「ダイバーシティ推進」に関わる各種施策を展開しています。 G(ガバナンス)では、監督機能と執行機能の明確な分離、さらに意思決定の迅速さと透明性を高める目的で「指名委員会等設置会社」へ移行して4年が経過しました。2025年度には、取締役会議長に独立社外取締役が就任し、また役員報酬においては、業績連動比率の更なる拡充(賞与・株式報酬の構成割合の拡大)及びKPIの見直しに加え、重大な非違行為等が発生した場合に返還請求ができるよう、クローバックの対象範囲を拡大しました。また、取締役会の実効性を高めるためにアズビル独自の「取締役執行役連絡会」を設置するなどの工夫により、経営戦略や事業ポートフォリオに関する議論、法定委員会活動等につき従来以上に活発な議論を行っています。 2026年度においても、更なる企業価値の向上を目指し、事業課題を通じたESGの観点からの各活動を推進し、持続可能な社会の実現に「直列」に繋がる取組みを継続してまいります。 ※6 azbilグループ健幸宣言(健康で幸せを目指すため「康」の字を「幸」に替えています): 健康で幸せ、活き活きとした「働きの場と人」を創る。azbilグループは、社員一人ひとりの健康が企業活動の重要な基盤であるととらえ 、会社で働くすべての人々が安心・安全で、快適に、活き活きと、自分らしく健やかに働き、それぞれが持つ多様な能力を発揮し、公私ともに充実した人生を送ることが、生産性や業績の向上、イノベーション、社会への貢献につながると考えています。健幸な「働きの場と人」を創るために、会社とそこで働く社員が協働し、快適で働きやすい職場環境づくり、心身の健康づくりに積極的に取り組むことを宣言します。
事業等のリスク11,035字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 本書に記載の「第2 事業の状況」、「第5 経理の状況」等に関する事項のうち、経営者がazbilグループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)リスクマネジメント体制 当社グループでは、スリーラインディフェンスに基づくリスク管理を行っております。azbilグループ全般の活動において、責任を明確にした3つの防衛線を通じて、組織の内部統制・リスク対応機能の向上を図っております。特に第一の防衛線については、確実にリスクを低減するため、リスクごとに担当役員を明確にし、防衛線での自律的管理の強化を図っております。また、リスクマネジメント事務局がリスク管理活動全体の管理と支援を行うなかで、第二の防衛線では、主に各間接管理部門が組織全体で対応すべきリスクに対する対策の展開と管理、支援の責任を果たすことで、リスク管理に対する牽制・支援の役割を担っております。さらに、内部監査部門が第三の防衛線として第一線・第二線によるリスク管理体制の検証・保証を行います。 当社グループでは、ボトム(現場部門)の情報をトップ(経営層)が十分に把握し、意思決定を行うことが重要だと認識しており、ボトムアップアプローチとトップダウンアプローチを一体としたリスクマネジメントを実施するための体制として、「azbilグループ総合リスク管理部会」、「azbilグループ総合リスク委員会」、「azbilグループCSR推進会議」を設置しております。 「azbilグループ総合リスク管理部会」は部門の責任者等をメンバーとして開催され、主にリスクの抽出と評価に関して現場側の意見集約を行います。なお、リスクの抽出と評価については経営層の意見も別途ヒアリングを行って集約し、経営層と現場部門の意見を統合するプロセスを構築しております。 「azbilグループ総合リスク委員会」はリスク管理担当役員を委員長、経営層をメンバーとして半期に一度開催され、一連のリスクマネジメント活動に対する経営層による状況確認と方針決定を行います。具体的には、「azbilグループ総合リスク管理部会」や経営層へのヒアリングから得られた情報に基づくリスクの対応優先度の決定(azbilグループが優先して対処すべき「azbilグループ重要リスク」とそれ以外の「部門管理リスク」の選定)、リスク対応計画の進捗確認を行います。なお、「azbilグループ総合リスク委員会」での審議結果は取締役会に報告しております。 「azbilグループCSR推進会議」は部門の責任者等をメンバーとして四半期に一度開催しており、リスクマネジメントの推進状況について確認・検討を行っております。リスク対応計画の進捗確認を「azbilグループ総合リスク委員会」よりも高頻度に行うことで、タイムリーな状況変化に対応できるようにしております。 (2)リスクマネジメントプロセスの運用 当社グループでは、経営に重大な影響を与える可能性のあるリスクの網羅的な抽出と影響度及び発生可能性の評価を行っております。具体的には、経営層に対するヒアリングによる経営目線でのリスクの抽出・評価と、「azbilグループ総合リスク管理部会」での審議に基づく現場目線でのリスクの抽出・評価を行い、結果を統合リスク台帳(抽出されたリスクの内容と評価結果を一覧化した資料)とリスクマップ(リスクを影響度と発生可能性に基づき5×5のマトリックスに配置した資料)に取りまとめます。なお、リスクの評価にあたってはリスク発生時の影響金額やリスクの発生可能性に基づく定量的な評価基準を設定し、評価結果を客観的に比較・統合できるようにしております。上記のアウトプットを参照資料として「azbilグループ総合リスク委員会」にて経営層による審議を行い、「azbilグループ重要リスク」及びそれ以外の「部門管理リスク」を決定し、結果については取締役会に報告します。 抽出された各リスクに対しては、期初に年間のリスク対応計画を策定し、期中と期末に行われる「azbilグループ総合リスク委員会」にて計画の進捗報告を行い、計画の遅延や推進上の課題を都度認識・改善することでPDCAサイクルを回しております。「azbilグループ重要リスク」についてはリスクごとに担当役員が直接状況報告を行いますが、「部門管理リスク」については、計画の進捗状況を集約した台帳ベースで確認を行います。また、四半期に一度開催される「azbilグループCSR推進会議」では、より高頻度にリスク対応計画の進捗確認を行っております。 影響度と発生可能性でリスクをプロットすることにより、 管理すべき優先順位を視覚的に把握する (3)事業等のリスク 今回選定されたazbilグループ重要リスクに関する詳細は以下のとおりです。 ①品質に関するリスク リスク認識  製品の設計・製造品質の確保不足、あるいは量産工程における教育不徹底や意識不足等によるデータの不備や不適合品等が発生した場合、製品不適合によるリコールが必要となり、多額のコストが事業の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、当社の事業上の強みが「高い品質」にあることから、上記の事象が顧客からの評価や信用の低下を引き起こし、影響が重大化もしくは長期化する可能性も考えられます。昨今ではSNSの普及により品質トラブルを含む風評が広まりやすく、当該リスクの影響度及び発生可能性が以前よりも高まっていると認識しております。当社は法人向け事業の割合が高く、SNSによる影響は限定的と考えられるものの、経営としては引き続き適切な備えが必要だと考えております。 対策  当社グループでは、製品の設計・製造品質を確保するための対策として、開発プロセスや安全設計に関する標準の運用や、生産現場の各工程で不適合品を「①入れない②つくらない③出さない」ための手順の標準策定・運用、安全な製品提供のための審査制度、適正な検査作業工程維持のための生産ラインの管理・改善、グループワイドでの業務プロセス点検やISO9001の内部監査を活用した取組みを行っております。また、法規制の変化に対応するため、製品に含有する化学物質規制や製品安全関連の法規制・規格等について、製品開発時や量産段階における確認プロセスを標準化し、厳格に運用しております。  製品品質に関わる重大な問題が発生した場合、市場品質情報として即座にグループ品質保証担当役員と事業責任者へ伝達され、関連部門での共有と必要な対策・情報開示が迅速に行われる仕組みを整備しております。また、発生した品質問題に対し、原因の解析、対策の実施、技術・評価基準への反映及び設計知識データベースへの登録をはじめとした技術継承にも繋げる活動を行い、再発防止に努めております。なお、問題発生に際しての備えとして、製造物責任や製品欠陥に起因する損害賠償に対する保険加入等の対策も強化しております。加えて、当社の品質に関するレピュテーションに影響を与える可能性が考えられるSNS上の事象を検出する仕組みも強化しております。  品質管理対応に関連する情報は、グループ品質保証担当役員を委員長とした品質保証委員会をはじめとする会議体にて定期的に共有・可視化するよう努めております。 ②情報セキュリティに関するリスク リスク認識  当社グループでは、事業上の重要情報及び事業活動の過程で入手した個人情報や顧客、取引先、提携先等の機密情報を保有しております。  近年、国内外において、個人情報保護法やGDPR(EU一般データ保護規則)をはじめとする情報関連法令の整備・強化が進んでおり、これらの法令を遵守するための体制整備や情報セキュリティの強化が求められております。また、サイバー攻撃の手法が日々高度化、巧妙化している状況を踏まえ、サイバーセキュリティ対策を継続的に強化することも必要であると考えております。  これらに関連するリスクとして、 ① メールの誤送信、業務用端末の紛失盗難等により、個人情報・顧客情報・機密情報が外部に漏洩するリスク ② サイバー攻撃により個人情報・顧客情報・機密情報が外部に漏洩するリスク ③ 社内システムや顧客向けクラウドサービスがサイバー攻撃を受け停止し、業務継続ができなくなるリスク 等が存在しております。  これらの事象が発生した場合は、法令に基づく罰金や損害賠償の支払いや社会的な信用の低下等により業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。  当社グループでは2020年度に発生したコンピューターウイルス感染事案を重く受け止め、日々変化する脅威に対応するため、情報セキュリティ対策の強化及び運用体制の継続的な改善に一層努めてまいります。 対策  当社グループでは、情報セキュリティ及び個人情報保護に関するリスクの低減を目的として、関連法令の遵守、社内規程の整備・運用並びに従業員への教育を継続的に実施しております。  具体的には、業務用端末の暗号化、誤送信防止策の導入、デバイス管理の強化及びアクセス管理等の技術的対策に加え、情報セキュリティ教育やインシデント発生時の対応体制(CSIRT※1)の整備・訓練等、組織的・人的対策を講じております。  また、サイバー攻撃への備えとして、ネットワーク及び端末に対する監視・防御体制の強化、生産設備と業務系ネットワークの分離、並びにバックアップの整備等による対応力の向上に努めております。  さらに、商品・サービスに関しては、セキュリティ専門組織によるリリース前のセキュリティ審査や、リリース後の脆弱性情報の収集・対応を行うことで、セキュリティ事故の未然防止に努めております。  これらの取組みを、azbilグループ情報セキュリティ基本方針のもと、継続的に遂行してまいります。    ※1 CSIRT(Computer Security Incident Response Team):当社のセキュリティ事故対応チーム ③技術・商品開発に関するリスク リスク認識  近年急速に進展しているメタバース※2やWeb3.0※3、生成AI※4等といったDX関連の技術革新や、国際標準動向への対応が遅れた場合、商品の陳腐化と顧客離れが進み、市場拡大ができないリスク、市場からの撤退を迫られるリスク、及び事業領域が広がらず縮小均衡に陥ってしまい事業成長できないリスクが想定されます。また、研究開発投資について、現時点では適切なテーマ設定に基づく技術・商品開発プロジェクトへの人的、資金的リソースの投入を行っておりますが、開発テーマを継続的に確保するための対応が不十分な場合、中長期的には開発テーマ不足に至る可能性があり、リニューアル商品、新規商品が不足し、中長期目標の達成が不達になることが考えられます。加えて、製品・技術の研究開発を進めていても、研究開発プロセスの管理不備やリソース不足、開発力自体の低下が生じた場合には、新製品の投入遅延や開発自体の失敗によってマーケットシェアが減少し、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。    ※2メタバース:一つの仮想空間内において、様々な領域のサービスやコンテンツが生産者から消費者へ提供される場  ※3Web3.0(ウェブスリー):ブロックチェーンによる相互認証、データの唯一性・真正性、改ざんに対する堅牢性を基に、個人がデータを所有・管理し、中央集権不在で個人同士が自由に繋がり交流・取引する世界  ※4生成AI:自らの訓練に使用されたデータを基に、テキストや写真、動画、コード、データ、3D画像等の出力を生成又は作成する人工知能アルゴリズム 対策  技術革新に対しては、関連技術動向、競合動向、国際標準動向を各開発組織やマーケティング組織で継続して注視しております。加えて、全社マーケティング・開発横断で実施される技術開発担当役員を議長とした商品力強化会議にて情報の捕捉や課題認識に努め、全社開発検討会では、より具体的なテーマ(重点商品開発テーマ、MEMS、アクチュエータ、AI、クラウド等の領域)について、取組み状況を確認しております。  技術・商品開発の具体的なテーマの抽出においては、ニーズ・シーズマッチング活動※5等により、マーケティング・開発一体でのテーマ創出活動を強化・推進しております。また、外部環境の変化を捉えるため、特に海外開発拠点であるアズビル北米R&D株式会社や東南アジア戦略企画推進室では、海外の技術開発パートナーとの連携によるエコシステム構築への対応も進めております。加えて、“現場で価値を創る”ことを目指した商品提案力強化のため、azbilグループシステム・プロダクト事業ポートフォリオ検討タスクを構成して対応を進めております。具体的な施策としては、保有する技術の競争優位性を高めるためにコア技術としてのセンシング技術領域、アクチュエータ技術領域、クラウド技術領域において、Corporate R&D(全社研究開発部門)及び事業ラインのR&D組織改定を実施し、顧客ニーズに基づいた商品力強化に繋げる体制構築を図っております。  研究開発プロセスの管理不備による開発遅延に対しては、開発プロセス標準の改良(リスク要因の抽出プロセスの設定、リスク検証における管理技術の導入による後戻り防止や遅延リスクの事前検討、伝承すべき技術要素のドキュメント化等)を実施しております。また、技術開発担当役員を委員長とした技術委員会を定期的に開催し、更なる全社での開発の連携強化や人材リソース配置の調整によるリソース確保を実施しております。  中長期的な開発力向上については、開発プロジェクト推進の根幹となる開発人材(マネジメント及びスペシャリスト等)の育成が必要だと認識しております。当社グループでは、技術委員会傘下の開発系人材専門部会によるタレントマネジメントシステムの導入・運用等を進めており、開発人材の育成や最適配置に関する企画立案と施策展開を強化しております。また、イノベーションを起こす風土づくりを推進するため、国内外における外部連携(大学やスタートアップ企業等)の拡大や全社研究開発の中核拠点である藤沢テクノセンターの新実験棟に協創エリアの設置等、協創活動をより一層強化しております。    ※5ニーズ・シーズマッチング活動:ニーズ(お客様が求めている必要性)とシーズ(メーカの持っている特別な技術や材料)のマッチングを推進する活動 ④国際情勢変化への対応に関するリスク リスク認識  グローバル事業の拡大に伴い、進出先における政治経済情勢の変化、現地の法律や規制等の改正、自然災害、テロ、ストライキ、戦争、感染症の蔓延の発生や世界各国における紛争や政治的対立による地政学的リスクの増大等、不測の事態に遭遇する危険性が増しております。そのような中、予期せぬ戦争状態の発生や主要国における経済措置等を原因とした対立の激化、それに対する各国の制裁措置等が発動された場合、当社のグループ企業の従業員の安全性が損なわれる可能性があることに加え、事業、与信管理も含めた業績及び財政状態に一定の影響が出る可能性があります。  また、国際情勢の変化に伴い、国内外の輸出管理関連法令が当社グループの想定しない形で突発的に強化又は変更される可能性があります。これにより、新たに規制当局の許可等が必要となるなど、当社グループの事業活動に一定の影響を及ぼす可能性があります。  加えて、急激な為替レートの変動は、売上高、原材料・部品の価格、販管費等の経費に影響し、当社グループの業績及び財政状態に一定の影響を及ぼす可能性があります。  さらに、米国による相互関税措置をはじめとする各国の通商政策の不透明性に加え、中東地域の情勢不安定化により、エネルギー価格や国際物流を含む世界経済の先行き不確実性が一層高まっています。これにより、原材料・エネルギーコストの変動、物流の停滞、調達期間の長期化等を通じて、当社グループの業績及び財政状態に一定の影響を及ぼす可能性があります。 対策  国際情勢変化に伴う従業員の安全や事業継続を脅かすリスクに対して、当社グループでは、進出先の各国・各地域の地政学的リスクの変化に十分な注意を払い、各国・各地域ごとに情報収集・リスク判断を行っております。また、当社グループにとって致命的な影響を及ぼすイベントについては重点的な検討を行い、人命安全マニュアルやBCP(Business Continuity Plan-事業継続計画)等の整備を進め、人命第一の対策を講じております。これら対策の実効性担保のため、専門家への相談、海外現地法人におけるマニュアル整備や本社との通信テストの実施のほか、関連部門で情報共有体制の構築をしております。加えて、既獲得案件については案件単位で状況を把握し、適切に対応しております。  輸出管理関連法令等については、国際情勢及び国内外の関連法規制の変化に十分な注意を払い、常に情報の収集に努めております。法規制の変更があった場合には、社内の運用体制の見直し等を通じて輸出取引審査を厳格化するなど、輸出管理の適正性を担保するための取組みを行っております。また、法規制変更やこれに伴う運用体制の見直しについては、当社グループ内の各種会議体において報告や議論を行い、周知徹底するとともに、継続的な改善に努めております。  為替変動に対しては、適切な財務上の為替ヘッジを行いつつ、海外生産の拡大等によるリスク軽減に取り組んでおります。  相互関税の発動を含む通商政策の急激な変化や、中東情勢の不安定化によるエネルギー供給及び物流への影響に対しては、当社グループでは各国の政策動向に関する情報収集体制を強化しております。また、特定国への依存を回避する観点から、調達先の分散や複数調達先の確保、柔軟なサプライチェーンの再構築を推進し、国際情勢変化に対する対応力の強化に努めております。 ⑤自然災害に関するリスク リスク認識  当社グループのBA事業、AA事業、LA事業の国内拠点(本社、支社等)や、マザー工場として生産機能の中核となる湘南工場及びグループ製造子会社、海外の生産拠点において、地震・津波、噴火といった自然災害や火災・爆発など不測の事態が発生した場合、当社のグループ企業の従業員の安全を脅かす可能性があります。これに加え、建屋や生産設備・機械、出荷前の製品等に損傷が生じ、復旧費用が必要となり、業績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。また、当社の生産ラインに限らず、社会インフラやサプライヤーにも被害が生じた場合、当社の工場生産や事業活動が阻害され、当社の製品・サービス提供、業績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。 対策  当社グループでは地震等の自然災害の発生時に生じる損害を最小限に抑えるべく、人員や生産設備等に求められる対応準備を進めております。具体的には、工場等の重要施設や建物における耐震化、非常用電源や非常用通信網の整備、災害備蓄品の配備に加え、社員の安否確認システムの導入や各拠点における安全確保のため初動対応ガイドラインの作成、定期的な防災訓練や初期消火訓練といった対策を行っております。  また、これらの対策にもかかわらず当社の建屋等に損傷が生じてしまった場合への備えとして、予想される損害に対する保険加入及び、保険の対象や保険金の適正性の見直しを通して、復旧にかかる財務上の影響の平準化も図っております。  さらに、事業の中断、阻害に対処するためのBCM(Business Continuity Management-事業継続マネジメント)にも取り組んでおり、実効性を確保できるよう継続的に改善を進めております。災害による事業停止に対しては事業継続目標を設定のうえ実行可能性を検証し、そのために必要な資金及び製品や部品の在庫の確保、最優先業務を継続するための代替拠点の設定とその体制の整備をしております。具体的には、本社の代替拠点としての関西・九州事業所の設定、サービス・エンジニアリング機能の拠点間支援体制の整備、国内複数地域、中国、タイ、ならびにベトナムの工場における主要生産品目の生産拠点の分散化、また、物流拠点の京都と神奈川との2拠点体制の設定による相互でのバックアップ可能な体制構築等、重要な機能・業務停止時における代替性を高める対策を進めております。さらに、首都圏の活動制限等のロックダウン相当の事態を想定した生産対応計画を策定しております。 ⑥人材の確保・育成に関するリスク リスク認識  今後の技術発展や社会情勢の変化等に誘発される事業構造の変化、採用競争の激化、あるいは働き方をめぐる社会的議論を背景に、既存の人事施策にとらわれない柔軟かつ適切な人材配置の必要性が高まる可能性があります。  また、少子高齢化や多様性の進展、働き方改革をはじめとした新労働法制の施行等を背景に、労働者の意識や絶対数の変化に加え、事業に必要な人員の質と量にも変化が生じており、従来の人材戦略を継続することでは中長期的な人材不足が発生し、事業のパフォーマンスが慢性的に低下する可能性があります。  加えて、当社グループの成長においては海外事業及び新規事業の展開・拡大が不可欠であり、目的に合致した人材の確保やスキル教育等が順調に進捗しない場合には、事業成長目標の達成を阻害する要因となる可能性があります。 対策  当社グループは、「社員は重要な財産であり、新たな企業文化と企業価値の創造の源泉である」という普遍の考え方をベースに、「健幸経営」の推進を掲げて各種人事施策を展開しております。  事業構造の変化に対しては、人材のローテーション、再配置、また新しい部署で必要となるスキル・知識のリスキリングの実施により、環境変化に柔軟に対応できる人材の育成・確保と、最適配置の実現に努めております。これらに加えて、DX教育を含む人材育成全般の強化も行っております。  社員の就労観の変化に対しては、オープンチャレンジ制度(社内公募による異動制度)やキャリア意向調査制度を整備・運用し、適材適所の人材配置を計画的に進めております。加えて、特に技術・技能レベルの高いベテランスペシャリストに関しては、技術・技能の継承に向けた個別の後継者育成計画の立案や、DXを活用した技術継承等の施策を行っています。  これらの施策の実効性向上のため社員エンゲージメントサーベイによる検証を行い、一年間に仕事を通じて成長を実感している社員の割合を2030年までに65%とする目標を立てております。現時点での割合は約60%となっており、サーベイの結果を分析し、継続的な施策改善を推進しております。  採用環境の変化に対しては、事業部門と人事・人材開発部門が一体となって策定した人員計画に基づく採用活動の強化に加えて、継続的な処遇の改善、定年延長(雇用延長)、及びライフイベントに応じた柔軟な働き方を支援する勤務制度の導入等を通じて、人材確保・定着を図っております。あわせて、生成AIの活用を含むデジタル技術による業務改革やアウトソースを活用した適正負荷配分等を通じて、生産性の向上を図っております。  海外事業や新規事業の展開に必要な人材の確保に対しては、当社グループでは採用手法の多様化を進めるとともに海外事業における採用を強化しております。採用手法としては、即戦力として期待できるキャリア採用の強化に加え、社員による紹介採用(リファラル採用)やアルムナイ採用を実施しております。また、海外事業の人材基盤強化を目的として、新卒採用において海外出身者を10名以上採用する目標を掲げ、海外大学の卒業生を積極的に採用しております。さらに、海外現地法人における採用促進に向けて、本社で培った採用方法やノウハウを各現地法人へ展開しているほか、国内外の大学から当社の海外拠点を含む各拠点へのインターンシップ学生の受入れ・派遣を通じて、採用チャネルの拡充に努めております。 ⑦生成AIに関するリスク リスク認識  生成AIの急速な技術進歩と普及はビジネス及び社会全体に多大な影響を及ぼしております。生成AIの利活用により、業務効率化や製品・サービスの新規開発・高付加価値化が期待される一方で、個人情報や営業秘密等の漏洩、知的財産権侵害、誤情報の生成・拡散、意図しないバイアスによる不適切な判断等のリスクが生じる可能性があります。  他方、当社が生成AIを活用した製品・サービスを提供する場合においても、上記と同様のリスクに加え、生成AIに関する法規制への不適合や違反に伴うリスクが存在します。これらのリスクが顕在化した場合には、当社の社会的信用及びブランド価値の毀損、罰金の支払、損害賠償請求等が発生し、当社の事業活動、財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。  生成AIに関する法規制は世界各国において整備が進んでおり、今後の規制強化により当社の業務効率化や製品・サービスの新規開発・高付加価値化に影響を及ぼす可能性がありますが、現時点では規制対象や適用範囲が流動的であり、その動向及び影響度を合理的に見積もることが難しい状況にあります。  さらに、生成AIを活用した新規参入事業者の登場により、当社の事業基盤及び競争力に影響を及ぼすリスクも考えられます。 対策  当社グループでは、生成AIの利活用に伴うリスクを適切に管理するために、いくつかの具体的な対策を講じております。まず、生成AIの利用に関するガイドラインを策定し、その内容に基づいた利用統制を実施しております。さらに、技術動向、法規制の変化や製品・サービスへの組込みに対応するため、ガイドラインの見直しを継続的に行っております。  また、技術的な対策として、生成AI利用時における機密情報の漏洩防止措置を講じるとともに、万が一漏洩が発生した場合を想定した対応体制を整備しております。さらに、全社員に対する教育研修を実施し、生成AIの利用に伴うリスクへの意識を高め、著作権侵害リスクの回避、安全性と正確性の確保、倫理的配慮等の徹底を図っております。  これらの対策を通じて、法規制の動向を踏まえて必要に応じた対処を実施することで、生成AIの利用に伴うリスクの低減を図っています。また、生成AIを活用した製品・サービスを検討していく中では、新規参入事業者による事業影響を複数の情報源により可視化し、競争優位性を確保する対処を施すようにすることをし、当社グループの競争力維持・向上に努めております。
経営成績の分析 (MD&A)14,660字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度におけるazbilグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度における業績につきましては、受注高が3,023億6千6百万円(前連結会計年度は3,047億2千3百万円)と、前連結会計年度比0.8%の減少となりました。 売上高につきましては、2,989億3千万円(前連結会計年度は3,003億7千8百万円)と、前連結会計年度比0.5%の減少となりました。 損益面につきましては、営業利益は、前連結会計年度比14.0%増加の473億4百万円(前連結会計年度は414億8千6百万円)となりました。経常利益は、前連結会計年度比15.6%増加の487億6千万円(前連結会計年度は421億7千万円)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前連結会計年度比5.8%減少の385億6千5百万円(前連結会計年度は409億5千5百万円)となりました。 (単位:百万円) 2025年3月期 前連結会計年度   2026年3月期 当連結会計年度   増減   増減率 受注高   304,723   302,366   △2,356   △0.8% 売上高   300,378   298,930   △1,447   △0.5% 営業利益 (利益率)   41,486 (13.8%)   47,304 (15.8%)   5,818 (2.0pp)   14.0% 経常利益   42,170   48,760   6,590   15.6% 親会社株主に帰属する 当期純利益 (利益率)   40,955 (13.6%)   38,565 (12.9%)   △2,390 (△0.7pp)   △5.8% 当連結会計年度末の財政状態につきましては、以下のとおりです。 資産の状況 当連結会計年度末の資産の状況は、前連結会計年度末に比べて171億6千7百万円増加し、資産合計で3,322億4千万円となりました。これは主に、現金及び預金が67億6千1百万円、保有株式の時価の上昇等により投資有価証券が63億2百万円それぞれ増加したことによるものであります。 負債の状況 当連結会計年度末の負債の状況は、前連結会計年度末に比べて16億8千5百万円増加し、負債合計で762億4千万円となりました。これは主に、社員株式給付制度において、譲渡制限付き制度へ改定後の初回の給付が在職中の社員へ実施されたことなどにより、流動負債の株式給付引当金が24億3百万円減少した一方で、信託型従業員持株インセンティブ・プランの再導入に伴い当社株式を取得するための必要資金を信託スキームにより借り入れたことなどにより長期借入金が44億5千3百万円増加したことによるものであります。 純資産の状況 当連結会計年度末の純資産の状況は、前連結会計年度末に比べて154億8千2百万円増加し、純資産合計で2,559億9千9百万円となりました。これは主に株主資本が取締役会決議に基づく自己株式の取得により149億9千9百万円、配当金の支払いにより136億2千3百万円それぞれ減少した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により385億6千5百万円増加し、また、その他有価証券評価差額金が37億4千万円増加したことによるものであります。 以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の75.3%から76.1%となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 営業活動によるキャッシュ・フロー 当連結会計年度における営業活動による現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の増加は380億3千2百万円となり、前連結会計年度に比べて59億2千1百万円の減少となりました。これは主に、法人税等の支払額が増加したことによるものであります。 投資活動によるキャッシュ・フロー 当連結会計年度における投資活動に使用された資金(支出と収入の純額)は、設備投資等の支出により、64億7千2百万円となりました。前連結会計年度においては、設備投資等の支出があった一方で、関係会社出資金の売却等の収入があり、20億3千2百万円の資金の増加となりました。 財務活動によるキャッシュ・フロー 当連結会計年度における財務活動に使用された資金(支出と収入の純額)は、前連結会計年度と同水準の300億6千6百万円となりました。これは主に、前連結会計年度に一部の海外子会社で短期借入金の返済による支出がありましたが、当連結会計年度において、配当による支出が増加したことなどによるものであります。 以上の結果、資金の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末より52億9千3百万円増加し、979億3千1百万円となりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績 a.生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   金額(百万円)   前期比(%) ビルディングオートメーション事業   46,659   102.0 アドバンスオートメーション事業   31,132   93.7 ライフオートメーション事業   23,111   72.4 報告セグメント計   100,904   91.0 その他   -   - 合計   100,904   91.0 (注)上記金額は、azbilグループにおける製品の製造に係る費用及び工事の施工に係る原価を集計したものであり、商品の仕入及び役務収益に対応する費用は含まれておりません。 b.受注実績 当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   受注高 (百万円)   前期比 (%)   受注残高 (百万円)   前期比 (%) ビルディングオートメーション事業   163,750   106.6   98,792   109.3 アドバンスオートメーション事業   106,242   100.2   44,681   91.8 ライフオートメーション事業   33,936   72.4   5,277   115.4 報告セグメント計   303,929   99.2   148,752   103.6 その他   965   -   117   - 消去   △2,527   -   △433   - 連結   302,366   99.2   148,435   103.5 c.販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   金額(百万円)   前期比(%) ビルディングオートメーション事業   156,351   105.1% アドバンスオートメーション事業   110,726   103.6% ライフオートメーション事業   33,336   71.5% 報告セグメント計   300,414   99.4% その他   934   - 消去   △2,418   - 連結   298,930   99.5% (注)総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点によるazbilグループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 azbilグループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、見積りが必要となる事項においては合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりでありますが、特に次の項目が連結財務諸表作成における重要な会計上の見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。 (請負工事に関する収益認識) 請負工事契約については、履行義務の充足に係る工事の進捗度を合理的に見積もり、履行義務を充足する一定の期間にわたり収益を認識しております。工事の進捗度の見積りは主に、当連結会計年度末までに実施した工事に関して発生したコストが見積総原価に占める割合に基づく方法(インプット法)によっております。 なお、収益総額、見積総原価及び決算日における進捗度について、見積り時には予見不能な事象の発生やプロジェクト案件の進捗状況等によって当初の見積りが変更された場合、認識された損益に影響を及ぼす可能性があります。 (受注損失引当金) 受注契約に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末における受注残案件のうち売上時に損失の発生が見込まれ、かつ、当該損失額を合理的に見積もることが可能な案件について、翌連結会計年度以降に発生が見込まれる損失額を受注損失引当金に計上しております。 なお、将来発生する可能性のある損失をカバーするだけの十分な引当金残高を有しているかどうかを判断するために、様々な仮定や要素を考慮しておりますが、新技術・新領域の案件等において、見積り時には予見不能な事象の発生やプロジェクト案件の進捗状況等によって損失額が大きく変動する可能性があります。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 azbilグループを取り巻く事業環境認識は次のとおりです。 国内大型建物向け空調制御機器・システムにつきましては、都市再開発計画に基づく需要が高い水準で継続し、省エネ・CO2排出量削減対策を含めた改修案件の需要も堅調に推移しています。生産設備向けの各種機器・システムにつきましては、工場・プラントの脱炭素化やDX推進に向けた需要が継続しましたが、ファクトリーオートメーション(FA)市場は、地域・市場により需要動向に差異が見られました。 この結果、当連結会計年度における業績につきましては次のとおりとなりました。 受注高は、各種の施策展開に加えて堅調な市況を背景に国内外で大型案件の計上もあったことからビルディングオートメーション(BA)事業が増加しましたが、ライフオートメーション(LA)事業が、前連結会計年度にライフサイエンスエンジニアリング分野を担うアズビルテルスター有限会社(以下、「アズビルテルスター」という。)の出資持分を譲渡※1したことの影響を主因に大きく減少し、全体としては前連結会計年度比0.8%減少の3,023億6千6百万円(前連結会計年度は3,047億2千3百万円)となりました。 売上高は、BA事業が既設建物向け・サービス分野を中心に増加し、アドバンスオートメーション(AA)事業も主に国内外プロセスオートメーション(PA)市場で増加しましたが、LA事業が前述の理由から大きく減少したため、全体として前連結会計年度比0.5%減少の2,989億3千万円(前連結会計年度は3,003億7千8百万円)となりました。 損益面につきましては、営業利益は、中期経営計画に基づく研究開発費の計上、DX関連費用、人件費やその他費用の増加がありましたが、価格転嫁も含めた収益力強化施策により大きく改善し、前連結会計年度比14.0%増加の473億4百万円(前連結会計年度は414億8千6百万円)となりました。経常利益も、主に営業利益の増加により大きく改善し、前連結会計年度比15.6%増加の487億6千万円(前連結会計年度は421億7千万円)となりましたが、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前連結会計年度にアズビルテルスターの出資持分譲渡による売却益(約76億円)を特別利益として計上していたことを主因に、前連結会計年度比5.8%減少の385億6千5百万円(前連結会計年度は409億5千5百万円)となりました。 ※1 アズビルテルスターの出資持分全てを、2024年10月31日(中央ヨーロッパ時間)付で譲渡しました。この譲渡に伴いアズビルテルスター及びその子会社を2025年3月期第3四半期末にて当社の連結の範囲から除外しております。 セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては次のとおりです。 ビルディングオートメーション(BA)事業 BA事業を取り巻く環境は、国内市場においては、都市再開発のオフィスビル向け新設需要が堅調で引き続き高い水準が見込まれます。また建物改修に関する需要も堅調に推移しております。省エネ・CO2排出量削減の需要に加えて、安全や新しい働き方にも対応するオフィス環境の創造への関心も高い状況です。また、海外市場での投資も堅調です。 こうした堅調な事業環境のもと、人員を含めたリソースの適切な配置を進め、施工・サービスの現場を主体に業務遂行能力を強化するとともに、年間を通しての負荷平準化、DX推進による効率化等を進め、獲得した受注案件に着実に対応することで売上を拡大してまいりました。また、AIやクラウド等の技術活用を志向する国内外のお客様のニーズに対応するための製品・サービスの開発や、需要が拡大するデータセンター向けに他社との提携を含めソリューション力の強化を進めてまいりました。 この結果、BA事業の当連結会計年度の業績は次のとおりとなりました。 受注高は、堅調な市況に加えて、新設・既設建物向け分野・海外事業それぞれで大型案件の計上があったことから、前連結会計年度比6.6%増加の1,637億5千万円(前連結会計年度は1,536億4千万円)となりました。売上高は、大型案件の計上等により前連結会計年度の水準が高かった新設建物向け分野が減少しましたが、負荷平準化の取組みの進展もあり既設・サービス分野が着実に増加し、海外事業も伸長したことから、前連結会計年度比5.1%増加の1,563億5千1百万円(前連結会計年度は1,487億7千万円)となりました。セグメント利益は、人件費、DX関連費用や外注費が増加しましたが、増収に伴う増益及び価格転嫁を含む収益力強化の効果により大きく改善し、前連結会計年度比18.6%増加の289億1百万円(前連結会計年度は243億6千3百万円)となりました。 中長期的には、引き続き大型の再開発案件が計画されており、建物の改修計画も多数見込まれています。AI等の新技術を活かしたクラウドアプリケーションの開発等、独自のソリューション力を強化するとともに、他社との事業提携も含めて、カーボンニュートラル実現に向けた省エネ・再生可能エネルギー利活用ニーズに応えるESP(Energy Service Provider)事業や、投資が拡大するデータセンター市場の更なる拡張に取り組んでまいります。さらに、海外市場においては、現地ビルオーナーやグローバルアカウント顧客開拓等による事業成長を実現してまいります。これら事業拡大施策と並行して、BIM(Building Information Modeling)等のDX推進及び省施工・工事レス製品の開発・投入により、更なる効率性向上、収益体質の強化を目指してまいります。 (単位:百万円) 2025年3月期 前連結会計年度   2026年3月期 当連結会計年度   増減   増減率 受注高   153,640   163,750   10,110   6.6% 売上高   148,770   156,351   7,581   5.1% セグメント利益 (利益率)   24,363 (16.4%)   28,901 (18.5%)   4,537 (2.1pp)   18.6% アドバンスオートメーション(AA)事業 AA事業を取り巻く国内外の市場の動向につきましては、PA市場は、国内の保守・改造需要を中心に堅調に推移しました。FA市場では、足元で需要の回復が見られますが、地域・市場で差異があり、全体としての回復は緩やかなものに留まりました。米国相互関税政策自体の当社グループ業績への直接的影響は限定的なものに留まっていますが、中東における地政学的リスクや米中貿易摩擦がサプライチェーンや製造業の設備投資へ与える影響には、今後の動向に留意が必要です。 このような事業環境のもと、国内事業で培った競争力あるソリューションをグローバルに展開するとともに、新たな計測・制御技術需要に対して、MEMS※2センサや自動調節弁関連技術、プラント自律化等の当社グループ独自の技術を活用したシン・オートメーションの創造による事業拡大を進めてまいりました。あわせて、製品・サービスの原価改善、価格転嫁等、更なる収益力強化に継続して取り組みました。 この結果、AA事業の当連結会計年度の業績は次のとおりとなりました。 受注高は、前連結会計年度末において先行的な大型発注がなされたことの影響から海外PA市場が減少しましたが、国内PA市場が大型案件の計上を含めて堅調に推移・増加し、FA市場も下期から増加したことから、全体としては前連結会計年度同水準の1,062億4千2百万円(前連結会計年度は1,059億8千6百万円)となりました。売上高は、国内外でPA市場が増加し、FA市場も受注同様下期から増加に転じたことから、全体としては前連結会計年度比3.6%増加の1,107億2千6百万円(前連結会計年度は1,068億3千6百万円)となりました。セグメント利益は、人件費をはじめとした各種経費の上昇や海外市場への投資、DX投資の増加がありましたが、増収に伴う増益及び価格転嫁を含む収益力強化施策の効果や商品ミックス等の要因により大きく改善し、前連結会計年度比11.3%増加の178億円(前連結会計年度は159億9千7百万円)となりました。 下期以降FA市場の回復が進みつつあり、海外事業の成長、シン・オートメーションの創造・拡大の2つの成長施策も着実に進展しています。中長期的には、景気の循環による変動影響はありますが、脱炭素化、生産高度化、安全・安定操業、人手不足対応や設備老朽化対応等の社会的ニーズに対して、計測・制御分野を中心に貢献できる領域は広がっており、更なる事業成長が期待されます。引き続き3つの事業単位※3(CP事業、IAP事業、SS事業)を軸に、原価低減、販売価格適正化等の各種収益力強化施策に取り組むとともに、海外事業をはじめとした成長領域への展開を推し進め、AIやクラウド、MEMS等の先進的な技術を取り入れた製品・サービスの開発、市場投入を加速し、当社グループならではのシン・オートメーションを創造することで、高い競争力を持った事業成長を目指してまいります。 (単位:百万円) 2025年3月期 前連結会計年度   2026年3月期 当連結会計年度   増減   増減率 受注高   105,986   106,242   255   0.2% 売上高   106,836   110,726   3,889   3.6% セグメント利益 (利益率)   15,997 (15.0%)   17,800 (16.1%)   1,802 (1.1pp)   11.3% ※2 MEMS(Micro Electro Mechanical Systems) センサ、アクチュエータ、電子回路を一つの基板の上に微細加工技術によって集積した機器 ※3 3つの事業単位(管理会計上のサブセグメント) CP事業 :コントロールプロダクト事業(コントローラやセンサ等のファクトリーオートメーション向けプロダクト事業) IAP事業:インダストリアルオートメーションプロダクト事業(差圧・圧力発信器やコントロールバルブ等のプロセスオートメーション向けプロダクト事業) SS事業 :ソリューション&サービス事業(制御システム、エンジニアリングサービス、メンテナンスサービス、省エネソリューションサービス等を提供する事業) ライフオートメーション(LA)事業 LA事業は、ガス・水道等のライフライン、住宅用全館空調システムの生活関連の2つの分野で事業を展開しており、事業環境はそれぞれ異なります。 ライフライン分野は、売上高の一部を占めるLPガスメーター市場には循環的な需要変動がありますが、法定の検定有効期間満了によるメーターの交換需要を主体として都市ガスメーター、水道メーターを中心に一定の需要が継続的に見込まれます。住宅用全館空調システム分野では、建設費の高騰が戸建て住宅の着工の動きに影響を与えています。 こうした事業環境のもと、安定した交換需要を基盤として、スマートメーターからのデータを活用したサービスの展開等に取り組むとともに、価格転嫁を含む収益力強化に継続して取り組んでまいりました。 なお、前述のとおり事業ポートフォリオ再構築の観点から、ライフサイエンスエンジニアリング分野を担っていたアズビルテルスターの出資持分を2024年10月31日に譲渡いたしました。同社及びその子会社の損益は2024年度第3四半期累計期間までを連結対象としていたことから、当連結会計年度業績には出資持分譲渡による減少影響が含まれております。 この結果、LA事業の当連結会計年度の業績は次のとおりとなりました。 受注高は、アズビルテルスター譲渡による影響(155億円の減少)により、前連結会計年度比27.6%減少の339億3千6百万円(前連結会計年度は468億4千5百万円)となりました。売上高も同様に、同社を譲渡したことによる影響(146億円の減少)により、前連結会計年度比28.5%減少の333億3千6百万円(前連結会計年度は466億3千4百万円)となりました。セグメント利益については、価格転嫁を含む収益力強化施策のほか、経費の削減等を行いましたが、同社譲渡による影響に加えて、部材価格高騰や人件費の上昇の影響等により前連結会計年度比46.2%減少の6億3千万円(前連結会計年度は11億7千1百万円)となりました。 LA事業では、新規戦略投資や他社協業※4の推進を含めた事業拡大に取り組むとともに、引き続き価格転嫁や収益性を重視した営業施策、スマートメーターへの更改等の収益改善施策の効果、並びにDXの推進による業務プロセスの見直しなどを進め、事業環境変化に対応した成長を目指します。ライフライン分野では、計量法に基づく安定した更新需要を基盤事業として、ガス・水道メーターのスマート化と、これに通信とクラウドシステムを融合したSmart Metering as a Service (SMaaS※5)事業を推進して、成長を目指します。住宅用全館空調システム分野では新設建物から既設建物まで、省エネや空気質の向上も含めて、幅広く生活空間の快適性を提供する製品とサービスエンジニアリング力の組合せにより、事業を推進してまいります。 (単位:百万円) 2025年3月期 前連結会計年度   2026年3月期 当連結会計年度   増減   増減率 受注高   46,845   33,936   △12,909   △27.6% 売上高   46,634   33,336   △13,297   △28.5% セグメント利益 (利益率)   1,171 (2.5%)   630 (1.9%)   △540 (△0.6pp)   △46.2% ※4 他社協業 ライフライン分野のアズビル金門株式会社は、2025年7月にスマート水道メータリングの分野において漏水検知クラウドサービス等で実績を持つKamstrup社(本社:デンマーク)と協業することで合意しました。 ※5 Smart Metering as a Service(SMaaS) 従来のメーター計測機能に加え、データを活用し新たな付加価値をサービスとして提供する事業モデル。 2026年度の見通し azbilグループは、2030年度をゴールとする長期目標を設定し、中期経営計画を段階的に策定して目標達成に向けた取組みを進めております。「持続可能な社会」の実現に向けて、現在、様々な社会課題やお客様の課題が生まれており、こうした課題への解決策を提供できるオートメーションの役割が拡大、需要が増加しています。3ヵ年の現中期経営計画初年度である2025年度は、インフレの急激な進行など事業環境の変化が激しい1年ではありましたが、こうした需要の増加を捉えるとともに、事業収益性を高めることで、当初計画を上回る業績を上げることができました。こうした成果を踏まえ、事業環境の不透明さは増してはいますが、次期においても各事業において見込まれる需要を着実に取り込むことを前提に、以下の見通しを策定しております。 2027年3月期(2026年度)の当社グループを取り巻く事業環境は空調制御機器・システムに関する需要は引き続き堅調が見込まれており、工場・プラント等の生産設備に関する需要につきましても、半導体製造装置等のFA市場の需要回復が見込まれています。法定によるメーターの交換需要等、安全・安心のためのメンテナンスや機器交換需要も継続して各事業で見込まれます。一方で、グローバルでの地政学的リスク、とりわけ中東情勢の緊迫化を背景とした資源価格や物流、調達面への影響、インフレの継続による人件費を含む各種コストの上昇等、不確実性の高い状況が続くことが見込まれます。当社グループとしては適切な情勢判断・リスク管理のうえで、動向に注視しつつ、過去のコロナ禍やサプライチェーンの混乱に対応した知見も活かし、迅速、適切な対応に努めてまいります。 以上の事業環境認識及び各事業における需要見通しを前提として、2027年3月期(2026年度)の連結業績予想につきましては、売上収益3,150億円、事業利益482億円、税引前利益500億円、親会社の所有者に帰属する当期利益353億円を見込んでおります。なお、中東情勢を主とする地政学的リスクの業績への影響は不透明であることから、2027年3月期(2026年度)の業績予想には、現時点で確認できる影響を織り込んでおります。今後の情勢の変化、事業への影響を注視してまいります。 事業別の見通しは以下のとおりです。 BA事業では、国内外ともに堅調な市場環境が継続しており、豊富な受注残を背景に、既設・サービス分野及び海外事業を中心に増収を見込みます。外注費や人件費等の増加はあるものの、増収効果に加え、受注時採算性の改善や価格転嫁を進めることにより、事業利益も増益を見込みます。 AA事業では、中東情勢のマクロ経済や設備投資への影響が懸念されますが、国内の人手不足への対応やメンテナンス需要を含めたPA市場における投資継続に加えて、半導体製造装置市場等のFA市場での回復を見込み、増収を見込みます。一方、部材価格の高騰や人件費の増加に加えて、前年度に高収益案件を計上していたことの影響等から、事業利益は前年度同水準を見込みます。 LA事業では、ガス・水道メーター等のライフライン分野において、法定による交換需要を着実に取り込むとともに、SMaaS(Smart Metering as a Service)関連市場の開拓を進めることなどにより増収を見込みます。銅等の部材価格高騰や人件費の増加はあるものの、価格転嫁や収益性を重視した営業施策、スマートメーターへの更改等の収益改善施策の効果により、事業利益は増益を見込みます。 インフレの進行や中東情勢をはじめとする地政学的リスクの高まりなど、不透明かつ厳しい事業環境が継続すると思われますが、人的資本強化、商品力強化、DX推進等の投資を着実に実施し、当社グループの特長である、長年にわたって構築した幅広い顧客基盤(工場・プラント、商業ビル、ライフライン等)との強い関係に基づく「基盤事業」と、半導体等の技術革新やカーボンニュートラルのような社会課題対応を新たな事業機会と捉えた「成長事業」の両輪のサイクルを回す、azbilグループらしい事業モデルを推進してまいります。 業績予想は、現時点で入手可能な情報と合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績は今後様々な要因により異なる可能性があります。 なお、当社グループは2027年3月期第1四半期より国際財務報告基準(IFRS)を任意適用するため、以下の連結業績予想はIFRSに基づいて作成しております。 (単位:億円) 2026年3月期 実績 日本基準※6   2026年3月期 実績 IFRS(試算)※7   2027年3月期 見通し IFRS   増減   増減率 ビルディング オートメーション事業   売上収益   1,563   1,563   1,660   96   6.2% 事業利益 (利益率)   289 (18.5%)   283 (18.1%)   300 (18.1%)   16 (△0.1pp)   5.9% アドバンス オートメーション事業   売上収益   1,107   1,107   1,150   42   3.9% 事業利益 (利益率)   178 (16.1%)   173 (15.7%)   172 (15.0%)   △1 (△0.8pp)   △1.1% ライフ オートメーション事業   売上収益   333   333   353   19   5.9% 事業利益 (利益率)   6 (1.9%)   5 (1.5%)   10 (2.8%)   4 (1.3pp)   99.9% その他   売上収益   9   9   10   0   7.0% 事業利益 (利益率)   0 (1.3%)   0 (1.3%)   0 (0.0%)   △0 (△1.3pp)   - 連結   売上収益   2,989   2,989   3,150   160   5.4% 事業利益 (利益率)   473 (15.8%)   462 (15.5%)   482 (15.3%)   19 (△0.2pp)   4.3% 営業利益   -   466   497   30   6.5% 税引前利益   507   479   500   20   4.3% 親会社の所有者に帰属する 当期利益 (利益率)   385 (12.9%)   364 (12.2%)   353 (11.2%)   △11 (△1.0pp)   △3.1% ※6 日本基準における「売上高」を「売上収益」、「セグメント利益」及び「営業利益」を「事業利益」、「税金等調整前当期純利益」を「税引前利益」、「親会社株主に帰属する当期純利益」を「親会社の所有者に帰属する当期利益」として表示しております。 ※7 監査未了の暫定値を掲載しているため、数値は今後変更となる可能性があります。 ③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析 azbilグループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況、② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおり健全な財務基盤を維持し、必要な運転資金等への十分な流動性も確保しております。加えて、パンデミック、大規模な自然災害の発生等、不測の事態でも事業を継続し、供給責任を果たすことのできる強固な財務基盤を引き続き維持しております。また、安定的な外部資金調達能力の維持向上のため、当社グループは格付投資情報センターより発行体格付「シングルA+(安定的)」を取得して社債発行枠200億円を設定するとともに、コマーシャル・ペーパーについて格付「a-1」を取得して発行枠200億円を設定しております。さらには、複数の金融機関との間で合計100億円のコミットメントラインを設定し、緊急時の流動性を確保しております。あわせて、国内子会社については親会社を通じたキャッシュ・マネジメントにより、資金調達の一元化と資金効率化、流動性の確保を図るとともに、海外の一部地域においても域内でのグループファイナンスを実施しております。 当社グループの資金需要としましては、営業活動上の運転資金に加えて、設備投資及び研究開発のための資金や配当支払いなどを見込んでおり、主に営業活動によるキャッシュ・フローや内部資金のほか、一部借入による資金調達も行っております。借入による資金調達に関しましては、当連結会計年度末現在で短期借入金の残高は48億1千6百万円、長期借入金の残高は50億7千3百万円となり、前連結会計年度末に比べて借入金の合計残高は44億7百万円増加しております。なお、長期借入金については、信託型従業員持株インセンティブ・プランの再導入に伴い当社株式を取得するための必要資金を信託スキームに基づき借り入れたものであります。 他方、営業活動によるキャッシュ・フローや内部留保を含めた資本を活用し、持続的な成長の実現や事業基盤の整備・強化に向けて、国内外生産拠点の再編・拡充をはじめとする設備投資や技術革新に対応した研究開発、サービスの高付加価値化や事業の効率化に必要なDX等への投資を実現しております。当連結会計年度の設備投資の総額は79億6千2百万円、研究開発費の総額は127億1千3百万円となりました。今後につきましても、成長に向けた商品・サービスの拡充、先進的なグローバル生産・開発の構造改革等、事業基盤の強化・拡充に注力するとともに、M&Aといった将来の成長投資を進めてまいります。 株主還元につきましては、経営の重要課題の一つと位置付けており、連結業績、純資産配当率(DOE)・自己資本当期純利益率(ROE)等の水準に加え、上記の成長投資及び健全な財務基盤の確保のための内部留保等を総合的に勘案し、配当水準の向上に努めつつ安定した配当を維持していきたいと考えております。詳細は「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご確認ください。 ④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループでは、株主価値増大に向けて連結ROE(自己資本当期純利益率)の向上を基本的な目標としており、2030年度をゴールとする長期目標※において、売上高4,200億円、営業利益650億円、営業利益率15.5%、ROE15%を目標としております。 この長期目標達成に向け、2027年度を最終年度とする3ヵ年の現中期経営計画(2025~2027年度)※では、最終年度の売上高3,400億円、営業利益510億円、営業利益率15.0%、ROE14%を達成することを目標としております。 ※2025年5月13日、長期目標(2030年度)を見直し、中期経営計画(2025~2027年度)を公表いたしました。これらの目標値は、策定時点における日本基準に基づき算定しております。なお、2027年度の計画値については、現時点で変更はいたしませんが、中期経営計画の進捗状況に加えて、現状の不透明な情勢が見通せるようになった段階で見直しを検討いたします。

EDINET提出の有価証券報告書から自動抽出。表は文字起こしのため崩れることがあります。

開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP

リンク先はEDINET (金融庁) の書類閲覧ページです。

関連する企業

関連企業

本ページは公的開示と市場データに、群青で示した解釈を重ねて構成しています。財務・株価の数値は開示・市場データをそのまま表示し、AIには生成させていません。 AI評価 (割安判定・スコア) は解釈です — 詳しくは編集方針をご覧ください。