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超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,980.73+214ドル円158.84-1NASDAQ26,208.82+109S&P 5007,666.58+35SOX 指数11,332.81+449/2終値

インティメート・マージャー

Intimate Merger, Inc.7072 · Growth · サービス業

独自のDMPを軸に、Cookie規制時代のデータ基盤を提供。AI活用に強いデータインフラ屋。

概要

インティメート・マージャーは、2013年6月にフリークアウトとPreferred Infrastructureの合弁で設立されたデータマネジメントプラットフォーム(DMP)企業である。東京都港区六本木に本社を置き、従業員57名で、自社開発の「IM-DMP」を中核に、デジタル広告のターゲティングやデータ分析、AI活用支援などを手掛ける。2019年10月に東京証券取引所マザーズに上場し、現在はグロース市場に所属する。2025年9月期の売上高は34億円(計画)で、営業利益2億円を見込む。

DMP事業の単一セグメントで構成

当社グループは、DMP(Data Management Platform)事業の単一セグメントで構成される。中核プロダクト「IM-DMP」は、ブラウザに割り当てた独自ID「IM-ID」および共通ID「IM-UID」を基盤に、インターネット利用者の属性情報を蓄積・分析する。収益は、データ利用料や広告配信プラットフォームとの連携に伴う成果報酬、コンサルティングサービスから得られる。2025年9月期の売上高34億円のうち、データマネジメント・アナリティクスサービスが成長を牽引し、特にポストCookie関連の需要が拡大している。

ポストCookie時代への対応とIM-UID

Google Chromeの3rd Party Cookie廃止は取りやめられたが、SafariやEdgeなど国内ブラウザの約6割では既にCookieが利用できない。この「ハイブリッドCookie」環境に対応するため、当社は共通IDソリューション「IM-UID」を開発した。IM-UIDはCookieに依存せずにユーザーを識別でき、iPhoneユーザーなどへのリーチを可能にする。2021年8月に提供開始した「IMポストCookieアドネットワーク」では、このIM-UIDを活用した広告配信を提供し、配信量に応じたデータ利用料がストック型収益として拡大している。

AI-Readyデータへの注力

生成AIの普及によりデータ分析の技術的ハードルが低下したことを好機と捉え、当社は「AI-Readyデータ」の提供に注力している。IM-DMPに蓄積されたデータは、AIが学習・分析しやすい形式で整備され、クラウドデータ基盤や生成AIプラットフォームとの連携を進めている。クライアント企業は、専門知識がなくても当社データをAIに入力するだけで顧客分析やペルソナ作成が可能となる。この取り組みは、マーケティング領域にとどまらず、金融(クレジットスコア)、セールス、HRなどのクロステック領域への展開も視野に入れる。

収益構造の転換:運用代行からインフラ型へ

従来の労働集約的な運用代行(マネージド型)から、AIや自動化ツールが最大限のパフォーマンスを発揮するためのデータ基盤そのものを提供する「インフラ提供型」へのビジネスモデル転換を進めている。2025年9月期にはセルフサービス型の売上比率が増加し、人員数に依存しないスケーラブルな収益構造への移行が進んだ。その結果、売上高は前年比12.3%増の34億円、営業利益は2.3億円(同164.2%増)と大幅に改善し、営業利益率は約6.8%に達した。

業界の中での役割はデータ基盤(DMP)とAI-Readyデータを提供するデータインフラ企業。にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
34億円
営業利益
2億円
営業利益率
5.9%
純利益
2億円
2025/9 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01広告・マーケティング主力

IM-DMPを用いて、クライアント企業のデジタルマーケティングを支援。Cookie規制に対応した共通ID「IM-UID」を軸に、ポストCookie時代の広告配信を可能にする。広告効果の高いユーザーへのターゲティングや、効果測定・コンサルティングまでワンストップで提供する。

パブリックDMP領域で独自の技術を有する

主な製品・サービス6
IM-DMP
自社独自のデータマネジメントプラットフォーム。ユーザーの属性情報を集積・分析し、ターゲティング広告やAI活用に必要なデータ基盤を提供する。
IM-UID
3rd Party Cookieに依存しない共通IDソリューション。Cookie規制の影響を受けずにユーザーへリーチできる。
IM-CMP
メディア向けのデータ利用同意管理プラットフォーム。ユーザーの同意を適切に管理し、プライバシー規制に対応する。
IMポストCookieアドネットワーク
3rd Party Cookieに依存しない広告配信ネットワーク。IM-UIDを活用し、既存のプラットフォームでは捕捉できない層へリーチできる。
Performance DMP
成果報酬型ディスプレイ広告運用サービス。フィルタリング技術でコンバージョンしやすいユーザーを抽出し、広告の成果獲得を支援する。
Select DMP
企業リスト生成サービス。オーディエンスデータから購入ニーズの高い企業を抽出し、リストを提供する。

製品と技術

IM-DMP:データマネジメントプラットフォームの核

IM-DMPは、当社の基幹プラットフォームである。ブラウザごとに付与する「IM-ID」および共通ID「IM-UID」をキーに、デモグラフィックデータ(性別・年齢・職業)、ジオグラフィックデータ(居住地域)、サイコグラフィックデータ(趣味・嗜好)を集積する。確定情報はリサーチ会社やデータプロバイダーから購入し、類推情報は提携Webメディアの接触情報から抽出する。これらのデータを分析・分類することで、広告配信や顧客分析における最適なターゲティングを実現する。また、データはGoogleアナリティクスやAdobeアナリティクスといった外部ツールとも連携可能である。

IMポストCookieアドネットワークと共通IDソリューション

IMポストCookieアドネットワークは、3rd Party Cookieに依存しない広告配信サービスである。中核技術として共通ID「IM-UID」を採用し、Cookieが使えないSafariやEdgeなどのブラウザ環境でもユーザーを識別できる。DSPやSSPといった配信事業者がこのネットワークを利用する際、IM-UIDのライセンス料が発生するストック型収益モデルが特徴である。2024年にはGoogle Ad Managerとの連携が強化され、配信量が増加。料金は広告インプレッション数に応じて課金され、収益の安定化に寄与している。

AI-Readyデータとクロステック領域への展開

当社は、IM-DMPのデータを生成AIが学習しやすい「AI-Readyデータ」として整備している。具体的には、属性情報を構造化し、AIプラットフォームや企業の基幹システムと連携させるAPIを提供する。クライアントは、高度な分析スキルがなくても、当社データをChatGPTなどの生成AIに入力するだけで、顧客セグメントの作成や需要予測が可能になる。この基盤は、マーケティング以外の領域にも応用され、2020年設立のクレジットスコア株式会社では金融向け与信モデルを、またHR領域では採用マッチングの最適化にデータを活用する取り組みを進めている。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

サービス業のなかでの位置

会社が挙げる強い分野

  • 広告・マーケティングパブリックDMP領域で独自の技術を有する

有価証券報告書(2026/3期)で会社自身が述べている位置付けです。第三者による調査ではありません。

小規模データマーケ特化、収益安定

データ活用マーケティング領域の独立系企業。売上30億円強と業界内では小規模だが、クッキーレス対策やデータクレンジングなど特定分野に特化。同業のジンジブは人材サービス、イシンはDX支援と異なるため直接競合は限定的。営業利益率は改善傾向にあり、ニッチ市場で一定の収益性を確保している。

強み

  • クッキーレス対策やデータクレンジングなど特定領域に特化し、差別化を図る。
  • 営業利益率が3.33%から5.88%へ改善、利益体質が強化されつつある。
  • 2023年9月期から2025年9月期まで売上30億→34億と安定成長。
  • 大手グループに属さないため、意思決定が速く変化に対応しやすい。

課題

  • 売上30億円規模で、大規模案件の受注やスケールメリットが発揮しにくい。
  • 同業他社がDX・人材と異なる分野だが、データ領域の競合も増加傾向。
  • データマーケティング市場の成長鈍化や規制変化に収益が左右される。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

サービス業の時価総額近傍。太字がインティメート・マージャー

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
17044ピアラ37億円28.1倍
26034MRT36億円63.4倍
39235売れるネット広告社グループ36億円
4475Aギミック36億円9.6倍
54705クリップコーポレーション36億円
67072インティメート・マージャー35億円20.2倍
76578コレックホールディングス35億円86.9倍
87078INCLUSIVE Holdings35億円
99339コーチ・エィ34億円34.2倍
102424ブラス34億円10.4倍
114664アール・エス・シー33億円21.8倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 9件

フリークアウトとPreferred Infrastructureの合弁で設立

2013年6月、株式会社フリークアウト(現フリークアウト・ホールディングス)と株式会社Preferred Infrastructureの合弁により、株式会社インティメート・マージャーが設立された。創業時の目的は、両社の技術を融合し、データを活用したマーケティング支援事業を立ち上げることであった。設立当初からDMPの開発に着手し、独自のブラウザID「IM-ID」を用いた属性データベースの構築を進めた。

Google DSPとの連携で事業基盤を拡大

2015年3月、Googleの運営するDSP(Demand-Side Platform)サービスとの連携を開始した。これにより、IM-DMPのデータをGoogleの広告配信プラットフォームで利用できるようになり、クライアント企業への提供価値が向上した。この連携を契機に売上高は拡大し、2015年9月期の3億円から2016年9月期には8億円へと急成長した。同時に、データ収集のための提携Webメディアも増加し、属性情報の蓄積が加速した。

B2B向けSelect DMPと成果報酬型Performance DMPの開始

2018年7月、B2B向けリードジェネレーションツール「Select DMP」の提供を開始した。これは、企業のWebサイト来訪者データを分析し、質の高い見込み顧客を抽出するサービスである。続く2019年1月には、成果報酬型のディスプレイ広告運用サービス「Performance DMP」を開始。これらのサービス拡充により、2019年9月期の売上高は22億円に達し、当期純利益1億円を計上した。

マザーズ上場と新生銀行との共同事業

2019年10月、東京証券取引所マザーズに上場した。上場資金を活用し、2020年3月には株式会社新生銀行(現SBI新生銀行)との共同事業としてクレジットスコア株式会社を設立。金融領域のデータ活用に乗り出し、与信判断の最適化を目指した。しかし、同事業の収益化には時間を要し、売上高は2020年9月期に20億円と前年から微減した。純利益は0億円となり、成長の壁に直面した。

フリークアウトからの独立

2020年11月、親会社であった株式会社フリークアウト・ホールディングスとの親子関係を解消した。これにより、経営の独立性が高まり、自社の戦略に基づく事業展開が可能となった。独立後は、ポストCookieへの対応やAI活用に注力し、2021年8月には「IMポストCookieアドネットワーク」をリリース。このサービスが後の成長の柱となる。

ポストCookieサービス拡充とグロース市場移行

2022年4月、東京証券取引所の市場区分再編に伴い、グロース市場へ移行した。2021年から提供開始したIMポストCookieアドネットワークは、AppleのSafariによるCookie制限に対応する需要を捉え、売上に貢献。2022年9月期の売上高は28億円、2023年9月期には30億円と回復基調に乗った。営業利益も2023年9月期に1億円、2024年9月期に1億円、2025年9月期計画では2億円と増加傾向にある。

年表9件を開く

2010年代

  • 2013年6月株式会社フリークアウト(現「株式会社フリークアウト・ホールディングス」以下同様)と株式会社Preferred Infrastructureの合弁にて株式会社インティメート・マージャーを設立
  • 2015年3月Googleの運営するDSPサービスと連携を開始
  • 2018年7月B2B向けリードジェネレーションツール「Select DMP」の提供を開始
  • 2019年1月成果報酬型ディスプレイ広告運用サービス「Performance DMP」の提供を開始
  • 2019年10月上場東京証券取引所マザーズに上場

2020年代

  • 2020年3月創業株式会社新生銀行(現 SBI新生銀行)との共同事業を行うクレジットスコア株式会社を設立
  • 2020年11月株式会社フリークアウト・ホールディングスとの親子関係を解消
  • 2021年8月3rd Party Cookieの代替サービス「IMポストCookieアドネットワーク」の提供を開始
  • 2022年4月東京証券取引所の市場区分再編に伴いグロース市場へ移行

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2025/9期の経営方針より

会社は3つの方針を掲げている。有価証券報告書には具体的な数値目標の記載がない。

  1. 01

    データ基盤提供型へのビジネスモデル転換

    デジタルマーケティング領域では、広告運用の自動化や顧客企業の内製化が進む中、労働集約的な運用代行から、AIが性能を発揮するためのデータ基盤を提供するインフラ型へ移行し、スケーラブルで高収益な構造を目指す。

  2. 02

    ポストCookie時代への対応強化

    Cookie利用不可ブラウザへの対策として、共通IDソリューション「IM-UID」を提供し、リーチ拡大を図る。メディアやアドテクベンダーへの必須インフラとして導入を加速する。

  3. 03

    生成AI・X-Tech領域への展開

    Ad Techで培ったデータを基に、生成AIや企業基幹システムに連携しやすい「AI-Readyデータ」のインフラ基盤を構築。パートナーとの協業で新たなデータ流通チャネルを開拓し、セールス・金融・HRなど多様な産業領域へ拡大する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 7期分

グループ全体で57人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は652万円で、6期前と比べて+35.7%平均年齢は31.4歳、平均勤続年数は3.6年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2019年9月48032.81.342
2020年9月63332.52.140
2021年9月52631.02.241
2022年9月51930.82.753
2023年9月64130.42.856
2024年9月63030.63.055182
2025年9月65231.43.657351

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

拠点とグループ

設備と関係会社

主要な設備 (帳簿価額 上位1)
本社 — 東京都港区7百万円

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2025年9月期の売上高は34億円営業利益2億円前期と比べると増収増益で、売上が+13.3%、利益が+100.0%。

売上高
+13.3%
34億円
営業利益
+100.0%
2億円
純利益
+100.0%
2億円
営業利益率
5.9%
前期比 +2.5%pt

会社が出している今期の予想2026年9月期

項目会社予想前期実績
売上高37億円34億円
営業利益3億円2億円
純利益2億円2億円
1株あたり配当¥0¥0

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2026年3Qで、売上は9億円、営業利益は1億円。前年の2023年3Qと比べると、売上は+28.6%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年2Q800.00
2023年3Q700.00
2023年4Q70
2024年1Q800.00
2024年2Q8112.50
2024年4Q1400.01
2025年2Q1715.91
2025年4Q1715.91
2026年2Q18211.11
2026年3Q9111.11

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 11期分

2015年9月期からの11期で、売上は3億円から34億円へ11.3倍に増えた。直近期の営業利益率は5.9%。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2015年9月300
2016年9月810
2017年9月1411
2018年9月1610
東京証券取引所マザーズに上場
2019年9月2211
株式会社新生銀行(現 SBI新生銀行)との共同事業を行うクレジットスコア株式会社を設立
2020年9月2000
2021年9月2000
2022年9月2811
2023年9月3011
2024年9月30113.31
2025年9月34225.92

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2025年9月期

売上高34億円のうち、営業利益として残るのは2億円5.9%。営業外の損益と税金を反映した純利益は2億円、売上の5.9%にあたる。営業利益率は業種中央値7.5%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金73.5%25億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金20.6%7億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益5.9%2億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
26.5%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比1.7pt
5.9%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+0.8pt
5.9%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比1.9pt
9.9%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
9.1%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
23.3%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 9期分

2025年9月期は営業CFが2億円、投資CFが0億円で、差し引きのフリーCFは2億円この組み合わせは資産整理型にあたる。本業の稼ぎに加えて資産売却でも現金を作り、負債返済や還元に充てている。事業の入れ替え局面期末の手元現金は16億円で、売上の5.6ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2017年9月0−1−14
2018年9月−10−13
2019年9月20026
2020年9月0−17−112
2021年9月101114
2022年9月100115
2023年9月100116
2024年9月000016
2025年9月20−2216

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 11期分

2025年9月期の総資産は22億円。このうち返さなくてよい自己資本が16億円で、自己資本比率は69.1%(業種中央値53.4%より厚い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2015年9月21144.9
2016年9月64269.2
2017年9月75267.0
2018年9月85364.3
2019年9月106464.6
2020年9月1612474.6
2021年9月1813573.5
2022年9月2014670.4
2023年9月2115672.0
2024年9月2116574.0
2025年9月2216669.1

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2025年9月期の内訳
現金及び預金
16億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
6億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
6億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
72
/ 100
安定性自己資本比率40 / 40
収益力営業利益率12 / 30
現金創出営業CFの黒字継続20 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

サービス業 534社との比較

同じサービス業の企業と並べると、いちばん上に来るのは自己資本比率534社中142位あたり、逆に低いのは営業利益率534社中325位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
9.9%/中央値 11.8%
P25 6.0%P75 18.9%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
5.9%/中央値 7.5%
P25 3.5%P75 12.7%
自己資本比率総資産のうち返済のいらないお金の割合
69.1%/中央値 53.4%
P25 36.8%P75 69.7%
売上成長率前期からの売上の伸び
13.3%/中央値 7.2%
P25 1.6%P75 16.0%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
/中央値 3.1%
P25 1.9%P75 4.1%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥1,115で、1年前と比べて-25.7%過去52週の値幅のなかでは31%の位置にある。

¥1,115-3.0%1ヶ月-4.6%1年-25.7%時価総額35億円
過去52週の値幅
安値¥823高値¥1,769

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)20.2倍
PER (会社予想)18.7倍
PBR2.12倍

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は直近1日で+5.75%と大きく上昇し、1177円まで回復しました。25日移動平均線(1085円)を約8.5%上回っており、75日線(1015円)、200日線(1044円)に対してもプラス圏にあります。ただし、52週高値1769円からは約33%下の水準で、依然として戻り途上の位置づけです。出来高は8月17日に23300株と急増しており、買い意欲の強さが示唆されますが、その後はやや減少傾向で、上値追いには注意が必要です。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割安と判定しています(スコア 70/100)

PERは18.89倍と業界平均22.42倍を下回り割安。PBRは1.99倍で業界平均3.12倍より低く、割安感がある。ROEは9.95%とまずまず。無配当だが、売上高・利益が増加傾向で成長性に期待。バリュエーションは割安圏。

指標この会社業種平均
PER (実績)20.2倍23.4倍
PER (予想)18.7倍
PBR2.12倍3.51倍
ROE9.9%12.5%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

売上高は緩やかな成長(FY25/9に34億円予想)で、営業利益率も5%台と低水準。データマーケティング市場は拡大しているが、競争激化で価格競争に陥る懸念。収益改善には高付加価値サービスの強化が不可欠。

プラスに働く材料7
  • データマーケティング市場の成長

    企業のDX投資増加で市場は拡大基調。

  • サブスク収益の安定性

    継続課金収入が売上の一部を支える。

  • 低評価の割に成長余地

    時価総額33億円、株価は上昇余地あり。

  • データマーケティング需要拡大で受注増通年影響

    売上高34億円予想、デジタル広告需要で5%上振れなら営業利益2.5億円

  • 新サービス開始による収益源多様化2026年影響

    AI活用サービス投入で売上高5億円増の可能性

  • PER18倍の小型株として成長期待短中期影響

    時価総額33億円、成長株としてPER20倍まで許容なら株価上昇

  • 自社株買いや配当開始の可能性次回決算影響

    無借金でキャッシュ豊富、配当開始なら利回り狙いの買い

マイナスに働く材料7
  • 低い収益性

    営業利益率5.9%と低く、改善傾向も鈍い。

  • 競争の激化

    多数の競合が存在し、差別化が困難。

  • 成長の鈍化

    売上高成長率が鈍化傾向(前年比13%増)。

  • 売上高成長率の鈍化継続影響

    FY2024横ばい、FY2025+13%低成長、競合激化で更なる減速

  • 営業利益率の低水準固定通年影響

    営業利益率5.88%と低く、固定費増で赤字転落リスク

  • 特定顧客への依存度上昇2025年下期影響

    大口顧客の契約終了で売上高10%減、営業利益半減

  • 小型株の流動性リスク短期影響

    時価総額33億円、出来高少なく大口売りで株価急落しやすい

次の決算で確かめる点
売上高成長率
市場成長とシェア獲得を確認。
営業利益率
収益性改善の進捗。
解約率
サブスク収益の安定性を示す。

株主

有価証券報告書より

2025年9月期末の株主数は延べ2,338人。区分でいちばん多いのは個人・その他45.2%。グループ会社や銀行などの安定株主が44.9%を占め、残る55.1%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2020年9月%2021年9月%2022年9月%2023年9月%2024年9月%2025年9月%
個人・その他22.841.244.139.540.645.2
事業法人69.549.947.747.349.143.1
証券会社2.65.75.47.87.48.5
金融機関4.02.61.73.61.91.7
外国法人1.20.61.01.70.81.3
自己株式0.10.10.7
外国人個人0.00.10.00.10.20.1

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01株式会社フリークアウト・ホールディングス39.83
02簗島 亮次13.50
03株式会社SBI証券2.36
04楽天証券株式会社2.05
05株式会社インテージホールディングス1.99
06株式会社SBI新生銀行1.60
07GMOクリック証券株式会社1.22
08松井証券株式会社0.86
09野村證券株式会社0.74
10石井 誠0.69

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 11期分

1株利益は11期で−95%、1株純資産は11期で−76%。直近期のROEは9.9%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%PER
2015年9月9522,05460.3
2016年9月1,1862,73520.7
2017年9月409521.9
2018年9月171128.2
2019年9月4026116.7
2020年9月74151.7365.4
2021年9月104162.4201.4
2022年9月224305.258.8
2023年9月314596.941.1
2024年9月174743.742.8
2025年9月474899.929.7

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある

経営陣

6名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は6名。2025/9期の役員報酬は総額70百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約4倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
簗島亮次代表取締役社長 データビジネス事業本部長 コーポレート・コミュニケーション室長 管理本部長42421,400
木村祐一取締役 開発本部長502,000
寺門峻佑取締役41
石沢美穂子常勤監査役41
横山幸太郎監査役47
大杉泉監査役41

役員報酬の内訳2025/9

役員の区分人数固定報酬百万円業績連動百万円ストックオプション百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)239634824
社外監査役213137
社外取締役2553
監査役1444

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2025/9期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容8,519字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 インターネットの普及に加え、近年では生成AI技術が急速に発展したことで、企業のデータ活用における選択肢は飛躍的に拡大いたしました。インターネット上を流通する情報量は爆発的に増大し、マーケティングを行う企業が膨大なデータの中から自社商品に真に関心を抱くユーザー群を見つけること、およびAIを活用して業務効率化や意思決定の高度化を図ることがより大きな課題になってきております。 当社グループは、当社及び関係会社(子会社1社)から構成されており、その主な事業内容は、創業以来蓄積してきたオーディエンスデータ(閲覧履歴などの来訪するブラウザが保有する情報全般)(注1)により構成される当社グループ独自のデータマネジメントプラットフォーム(Data Management Platform)(注1)である「IM-DMP」を用いて、データの活用によりクライアント企業のオンライン、オフライン双方のマーケティング及びDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援する事業を行っております。 当社グループは、AI技術の発展に伴い、データ活用の技術的ハードルが低下したことを好機と捉え、AIが学習・分析しやすい「AI-Readyデータ」を提供するインフラ基盤の構築に注力しております。IM-DMPを用いる事で、マーケティング領域においては広告効果が高いと見込まれる消費者の抽出・ターゲティングが可能となるだけでなく、金融、セールス、HRといった「クロステック(X-Tech)」領域においても、データに基づいた与信判断、営業効率化、採用マッチング等の最適化を実現します。 データマネジメントプラットフォーム(Data Management Platform)はDMPと略され、デジタルマーケティングの領域におけるDSP、SSP、アドネットワーク等(注2)の延長線上にあるいわゆる「アドテクノロジー」の1つとして説明されることがありますが、当社グループが提供するIM-DMPはデジタルマーケティングの分野に限定されるものではありません。Webサイトへの来訪時に付与するブラウザ毎のID(当社グループでは「IM-ID」の名称で管理)をキーとすることで、インターネット上で収集したオーディエンスデータを、生成AI等のプラットフォームや企業の基幹システムと連携させることが可能であり、今後は更にデータ活用分野を広げていきます。 また、「個人情報の保護に関する法律」(以下、「個人情報保護法」という。)が改正され、さらにプラットフォームによるCookie(注3)に関するプライバシー対策が強化されております。AppleはブラウザであるSafariのITP(Intelligent Tracking Prevention)アップデートにより3rd Party Cookie及び1st Party Cookieの一部をブロックしております。GoogleはChromeでの3rd Party Cookieサポート終了を取りやめましたが、既に日本国内のブラウザ環境の約6割(SafariやEdge等)ではCookieが利用できない状況にあり、Cookieが利用できるブラウザと利用できないブラウザが混在する「ハイブリッドCookie」時代への対応が不可欠となっております。 このような背景を受けて、当社は基盤となるデータ活用プラットフォーム「IM-DMP」やネットワークデータ環境の構築支援サービスをアップデートし続け、共通IDソリューション「IM-UID」や機械学習を活用したリアルタイムオーディエンス解析技術、メディア向けのデータ利用同意管理プラットフォーム「IM-CMP」など、3rd Party Cookieに依存しない技術を開発してまいりました。 これら基盤サービスや技術を活用し、Cookieの有無にかかわらず収益機会を最大化する「IMポストCookieアドネットワーク」や、AI活用を前提としたデータインフラ提供を推進しております。 当社グループが展開する事業の特徴は以下のとおりです。なお、当社グループはDMP事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。 (1)IM-DMPについて 当社グループが提供するIM-DMPは、インターネット利用者(ユーザー)の属性データベースとしてIM-ID及びIM-UIDから得られる情報によって構築されております。IM-ID及びIM-UIDにデモグラフィックデータ(性別、年齢、職業等)、ジオグラフィックデータ(居住地域等)、サイコグラフィックデータ(趣味、嗜好、興味、関心事項等)等の属性情報を集積することで、各IDの特徴(実相)を、より鮮明なものにしております。なお、当社グループが保有する属性情報に個人情報は含まれておりません。 このように、多様な属性情報を集積したIM-ID及びIM-UIDを分析・分類し、定期的に更新することで、IM-DMPにおいては、適切なターゲットに、適切なタイミングで、適切なマーケティング手法によりアプローチする提案を行うことができるものであります。 (2)IM-DMPの特徴 当社グループが提供するIM-DMPには、パブリックDMP(注1)として、主に以下の2種類のデータベースが具わっております。 ①インターネット利用者の属性データベース 当社グループは、ブラウザに割り当てているIM-ID及びIM-UIDに様々な属性情報を集積しております。それらを用いて集積される情報は以下の2種類に分類されます。 a.確定情報 インターネットリサーチ会社(注4)から購入するデモグラフィックデータ(性別、年齢、職業等)及びデータプロバイダーから購入するジオグラフィックデータ(居住地域等)が確定情報に該当します。 IM-ID及びIM-UIDと確定情報を紐付けて同一対象として認識することが可能になります。 b.類推情報 当社グループが提携するポータルサイト、ニュースサイト、まとめサイト等のWebメディアから取得するWebメディアへの接触情報(=インターネット上の行動履歴)をもとに、「各IM-ID(又はIM-UID)が何に興味がありそうか」を類推し、サイコグラフィックデータ(趣味、嗜好、興味、関心事項等)を抽出します。抽出するサイコグラフィックデータは、対象となるWebページの特徴を、例えば「旅行」「転職」等のキーワードに読み替えたもので、これがIM-ID又はIM-UIDに集積・更新されていきます。なお、当社グループが提携するWebメディアから取得する情報は、インターネット利用者が閲覧したWebサイトそのものを特定する情報ではなく、あくまで、閲覧したWebサイトに記載されている内容(語句)を抽出したものです。 ②デジタル広告配信ツールとの連携機能 a.IM-ID及びIM-UIDを異なるデータ形式に変換 IM-DMPには、IM-ID及びIM-UIDをアドネットワークやDSP等の様々なデジタル広告の配信ツールで利用可能なデータ形式に変換する機能が具わっています。この機能を用いることで、IM-ID又はIM-UIDが付与されたユーザー群へのアプローチ方法に様々な手法を選択することが可能になります。 デジタルマーケティングの領域においては、WebブラウザのCookieを利用した対象顧客の行動履歴をもとにターゲットを絞って行う「ターゲティング広告」と呼ばれるインターネット広告手法が広く利用されております。当社グループのデータベースを用いることで、ターゲティングの精度を高く保ちつつ、クライアント企業が望む適当な広告配信ツールを利用することが可能です。 広告配信ツール以外にもIM-ID及びIM-UIDを活用することで、Googleアナリティクス、Adobeアナリティクス等のWebサイト分析ツール、サイト来訪者が訪れるWebサイトページの改善を行うLPOツール(Landing Page Optimization:ランディングページの最適化)等に連携することが可能です。 b.IM-ID及びIM-UIDに付加された属性情報を異なるデータベースに付加 会員情報を有するクライアント企業が、自社の会員情報とIM-ID及びIM-UIDを紐付けることで、会員情報にサイコグラフィックデータ(趣味、嗜好、興味、関心事項等)を付加することが可能になります。この手法を用いれば、例えば、全ての会員ではなく、特定の商品に興味を抱いている会員にだけダイレクトメールを送付することが可能になります。 (3)当社グループの提供するサービスの内容 当社グループは、クライアント企業自身でデータを分析し、活用することが可能な場合には、IM-DMPが搭載するデータのみ提供しております。 しかしながら、IM-DMPを継続的に有効活用するには、高度なデータ分析力とデータ活用先であるマーケティングツールに関する知識が必要です。このため、当社グループでは、クライアント企業自身が持つデータ(1st Party Data)とIM-DMPのデータ(3rd Party Data)を統合し、後述するフィルタリングやターゲティング等広告配信を効率的・効果的に行うために、高度な分析を提供するコンサルティングサービスを提供しております。これにより、クライアント企業は、マーケティング専門人材を自社内に置かなくとも、効率的且つ多様なマーケティング手法を採用することが可能になります。 また、抽出されたデータは、オフラインマーケティングや効果測定等への活用や、リードジェネレーションへの活用、リスク管理といったデジタルマーケティング以外のデータ活用への展開も始めており、様々なソリューションを提供しております。 ①データマネジメント・アナリティクスサービス (ⅰ)データインフラとしてのAI活用及び効率的な広告配信のためのデータ提供 IM-DMPをデジタルマーケティング及び生成AIに活用することで、リターゲティングの効率化や新規顧客向けのターゲティングに加え、AIによる顧客分析の自動化や高度化を行うことができます。近年、広告配信プラットフォームの自動化が進み、企業が広告運用を自社で行う「インハウス化(内製化)」が進展する中で、当社は運用代行ではなく、AIや自動化ツールが最大限のパフォーマンスを発揮するために必要な「良質なデータ基盤(データインフラ)」を提供することに注力しています。 クライアント企業のホームページ、キャンペーンサイト等にJavaScriptタグ(注5)を設置し、来訪者のデータを取得します。取得したデータ(IM-ID又はIM-UID)を、当社グループのデータベースと照合することで、来訪者の属性情報を分析することが可能になります。 さらに現在は、生成AIやクラウドデータ基盤との連携を進めており、高度な専門知識や高額な分析ツールを用いずとも、当社グループのデータを生成AIに入力するだけで、容易に顧客分析やペルソナ作成が可能となる環境を提供しています。IM-ID又はIM-UIDと照合することで、来訪者の属性情報を視覚的に分析することが可能になります。当社グループで来訪者の属性分析を行った後、主に以下の2つの技術を用いてサービスを提供しております。 a.フィルタリング クライアント企業のWebサイトへの来訪者の中には、競合企業の社員、自社の社員、ボット(注6)等、コンバージョン(注7)しない可能性が非常に高いユーザー群が一定割合存在します。IM-DMPを活用し、これらのユーザーを特定・除外することで、無駄な広告配信費用を削減し、広告配信効率を改善しています。特に昨今の企業のコスト削減意識の高まりを受け、こうしたデータの活用は重要性を増しています。 b.ターゲティング及びAI-Readyデータの提供 IM-DMPに蓄積されたデータは、AIが学習・分析しやすい「AI-Readyデータ」として整備されています。これにより、コンバージョンが発生したユーザーの属性分析だけでなく、生成AIを活用した「類似ユーザーの拡張」や「需要予測」が可能となります。この分析結果をもとに抽出したオーディエンスリスト(注8)をデジタル広告の配信ツールに連携することで、広告効果の高いユーザー群へ効率的な広告配信を実現します。また、当社が運用作業を行うのではなく、データのみを顧客の広告アカウントに連携する「インフラ提供型」のサービスを拡大させています。 (ⅱ)IMポストCookieアドネットワーク及び共通IDソリューションの提供 IMポストCookieアドネットワークでは、3rd Party Cookieに依存しない共通IDソリューション「IM-UID」を活用して広告配信を提供しております。 Google社のChromeにおける3rd Party Cookie廃止は取り止めとなりましたが、現在、日本国内のブラウザ環境の約6割(iPhoneのSafariやEdge等)では既にCookieが利用できない状況にあり、Cookieが利用できるブラウザと混在する「ハイブリッドCookie」時代となっています。IM-UIDを利用することで、Cookie規制の影響を受けずにiPhoneユーザー等へリーチすることが可能となり、既存のプラットフォームでは捕捉できない層へのアプローチ手段として重要性が高まっています。 DSP/SSP等の配信事業者がこのインフラを利用する際にはIM-UIDの利用が必須となり、広告の配信量に応じたIM-UIDのデータ利用料が発生するストック型の収益モデルが拡大しています。 ②マーケティング支援サービス IM-DMPで保有しているIM-ID及びIM-UIDのデータを使った以下のマーケティング施策のサービス提供を行っております。 (ⅰ)データ活用広告配信サービス IM-DMPを利用したいクライアント企業に対して、効果的な広告配信を行うためのコンサルティングに加え、IM-DMPで保有しているデータを使った広告配信までワンストップでのサービス提供も行っております。より効果的な広告配信を行うためには、配信された広告を見た消費者が実際にコンバージョンに至ったかどうか確認し、その結果を踏まえて更にターゲットを選別するといった継続的な広告の運用が鍵となります。当社グループがIM-DMPに登録されているデータを解析する技術を用いて潜在顧客の特定を行い、広告配信・運用まで担うことで、配信結果を踏まえた更なる潜在顧客の絞り込みが可能となり、より精度の高い広告配信へと繋がります。 (ⅱ)IMポストCookieアドネットワークサービス 従来のCookieを用いたデジタルマーケティングを行っているクライアント企業に対して、IMポストCookieアドネットワークによる広告配信サービスの提供を行っております。将来的に3rd Party Cookieを利用した従来型のターゲティング広告を実施できる機会は減少していくことが予想されており、本サービスを利用することで継続的に効率の高いデジタルマーケティングの施策を実施することができるようになると見込んでおります。 ③成果報酬型ディスプレイ広告運用サービス「Performance DMP」 IM-DMPのフィルタリング技術を用いて、クライアント企業の商品に関するディスプレイ広告をコンバージョンし易いと推定されるユーザーを抽出して、クリックや購買行動などの成果獲得を行うサービスです。成果指標の獲得件数に応じて課金されるサービスであるため、ダイレクトレスポンス領域(広告接触者から購買に繋がるレスポンスを得ることを目的とする広告でありブランディング広告と対になる手法)における顧客獲得単価改善施策の一つとして活用することが可能です。 ④企業リスト生成サービス「Select DMP」 IM-DMPにて保有しているオーディエンスデータを用いて、顧客企業の商品購入ニーズの高いキーワードを持つ企業群を抽出し、リアルタイムで購入ニーズの高い企業リストを提供しております。これによりクライアント企業は、自社商品に興味がある顧客を効率的に見つけ出し、的確なタイミングでアプローチすることが可能となります。また、クライアント企業の競合商品のキーワードを持つ企業群を抽出することで、自社商品の解約防止にも役立てることが可能です。 〔用語説明〕 (注1) オーディエンスデータ、データマネジメントプラットフォーム(Data Management Platform) オーディエンスデータは、ブラウザ毎に割り振られたID及びIDに付加される情報全般を言います。 データマネジメントプラットフォーム(Data Management Platform)はDMPと略され、DMPにはプライベートDMP及びパブリックDMPの2種類があります。プライベートDMPは1st Party Data(広告主が保有するオーディエンスデータ)を利用し、パブリックDMPは3rd Party Data(第三者が持つオーディエンスデータ)を利用します。 例えば、英会話教材を販売するクライアント企業の場合、「Webサイトにアクセスしたものの、購入までに至らなかった、年収1,000万円以上の女性」というユーザー群に商品の購入を促したいという場合、1st Party Dataは「Webサイトにアクセスした」「購入までに至らなかった」が該当し、3rd Party Dataは「年収1,000万円以上」「女性」が該当します。1st Party Dataはクライアント企業が自社のWebサイトの情報を分析して収集しますが、3rd Party Dataは外部から取得する必要があります。 既にクライアント企業の商品に興味のあるユーザー群を対象にマーケティングを行う場合はプライベートDMPの活用が有効ですが、パブリックDMPを利用することでプライベートDMPではリーチしづらい新規顧客を発掘することが可能になります。パブリックDMPとプライベートDMPの双方の強みをうまく活用することが、DMPを活用したマーケティングのポイントです。 (注2) DSP、SSP、アドネットワーク ①DSP(Demand Side Platform):広告主の広告配信効果を最適化するための広告買付プラットフォーム。媒体側の広告収益の最大化を支援するプラットフォームであるSSP(Supply Side Platform)と対になる仕組みであり、両者はRTB(Real Time Bidding)を通して、広告枠の売買をリアルタイムに行っています。 ②SSP(Supply Side Platform):媒体社側から見た広告収益の最大化を支援するプラットフォーム。RTBの技術を活用して、DSPに対してユーザーの1インプレッション毎に広告枠のオークションを行うことで媒体側の広告収益最大化を支援します。 ③アドネットワーク:複数の媒体の広告枠を束ねて広告配信ネットワークを形成し、これらの媒体に広告をまとめて配信することにより、広告配信を効率化させる仕組み。 (注3) Cookie ユーザー情報をWebブラウザに一時的に記録したり参照したりする機能のこと。Cookieの記録として書き込まれる情報の中には、ホームページに訪れた訪問回数や、ユーザーID、パスワード等の会員情報が挙げられます。 (注4) インターネットリサーチ会社 顧客企業のリサーチニーズを反映した調査票をインターネット上で再現した後に、パネルへアンケートを依頼して回答を収集する事業者のこと。 (注5) JavaScriptタグ コンピュータで扱う文書(テキストデータ)中に埋め込む特殊な記号や文字列のこと。デザイン、レイアウト、論理構造、意味を記述します。主にHTMLやXMLといったマークアップ言語で用いられます。 (注6) ボット インターネット上で情報収集を行うため複数のWebサイトを巡回するプログラムのこと。人ではなく機械であるため、コンバージョンの対象とはなり得ません。 (注7) コンバージョン 購入、会員登録、資料請求等、サイト毎に目標とされる成果が達成されること。 (注8) オーディエンスリスト デジタルマーケティングの対象者を、年齢、職業、居住地等、抽出したい特定の条件によってグループ分けしたユーザー群のこと。 事業系統図は以下のとおりでありますが、関係会社2社については重要性が乏しいため記載を省略しております。 [事業系統図]
経営方針・対処すべき課題3,542字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループは「データによる意思決定」はシンプルでとても効率の良いものであると考えております。この仕組みを確立して世の中に広めたいという想いから当社を創業致しました。 ・お客様が抱える課題を解決するためのデータ活用の専門家でありたい ・データをシンプルかつ正しい方法で価値に変換していきたい ・データに関わった人達に楽しさや幸せを感じてもらいたい 当社グループは、上記の3つの価値観を軸に、世の中の様々な領域において、データを使った効率化を行うことが当社グループの使命であると考えております。 (2)経営戦略等 当社グループは「データを用いて人々の意思決定を簡単にする」というミッションの下、生成AIの普及によりデータ活用の技術的ハードルが低下したことを好機と捉え、以下の経営戦略により事業の拡大を図る方針です。 ①IM-DMPを用いたデータインフラ提供の拡大と収益構造の転換 デジタルマーケティング領域においては、広告配信プラットフォームの自動化や顧客企業におけるコスト削減(インハウス化)のニーズが高まっています。これに対応するため、従来の労働集約的な運用代行(マネージド型)から、AIや自動化ツールが最大限のパフォーマンスを発揮するための「データ基盤」そのものを提供する「インフラ提供型」へとビジネスモデルの軸足を移行し、スケーラブルで高収益な事業構造を構築する方針です。 また、3rd Party Cookie規制への対応については、Cookieが利用可能なブラウザと不可能なブラウザが混在する「ハイブリッドCookie」時代への対応を進めています。具体的には、共通IDソリューション「IM-UID」の提供を通じ、iPhone(Safari)等のCookieが利用できない環境下でのリーチ拡大を実現し、メディアパートナーやアドテクベンダーに対する必須のインフラとして導入を加速させる方針です。 ②生成AI活用及びX-Tech領域への展開 Ad Tech領域で培った膨大なデータや基盤技術をもとに、生成AIが学習・分析しやすい「AI-Readyデータ」を提供するインフラ基盤の構築に注力します。 生成AIプラットフォームや企業の基幹システムへ当社データを連携させることで、高度な専門知識がなくとも容易に顧客分析や予測が可能となる環境を提供し、セールス、金融、HR等の多様な産業領域(X-Tech)へデータ活用領域を広げていきます。各領域のパートナー企業やAIプラットフォーム事業者との協業を通じて、新たなデータ流通チャネルを開拓し、事業領域の飛躍的な拡大を図る方針です。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは継続的な事業拡大と企業価値向上のため、売上高及び営業利益を重要指標としております。 (4)経営環境 当社グループのIM-DMPのデータ活用先は、従来のデジタルマーケティング領域に加え、生成AIの台頭に伴う「クロステック(X-Tech)」領域へと急速に拡大しています。世界のAI市場規模(売上高)は、2024年の1,840億ドルから2030年には8,270億ドルへ飛躍的に拡大すると予測されており(総務省「令和7年版 情報通信白書」)、AI技術の発展によりデータ分析の技術的ハードルが低下したことで、データを資産として活用するニーズが全産業的に高まっております。 デジタルマーケティング領域においては、広告配信プラットフォームの自動化技術の進展により、企業による広告運用のインハウス化(内製化)が進んでおり、運用代行そのものよりも、効果的な配信を行うための「良質なデータ」への需要へと顧客ニーズが移行しています。これに伴い、当社グループは労働集約的な運用型ビジネスから、スケーラブルで収益性の高いデータインフラ提供型(インフラ型)ビジネスへの構造転換を進めており、データ活用分野における収益性は順調に向上しているものと認識しております。また、当社グループはIM-DMPのデータを生成AIや多様なプラットフォームに連携させることで、マーケティングのみならず、金融、セールス、HRといった多領域での意思決定の最適化を実現したいと考えております。 一方で、世界的なプライバシー保護への意識の高まりや法規制の強化により、ブラウザにおける3rd Party Cookieの利用制限は継続的な課題となっております。Google社のChromeにおける3rd Party Cookie廃止は取り止めとなりましたが、依然として日本国内のスマートフォン利用者の多くを占めるiPhone(Safari)やEdgeなど、約6割のブラウザ環境ではCookieが利用できない状況にあります。こうした環境下において、当社の提供する「IMポストCookieアドネットワーク」や共通IDソリューション「IM-UID」は、Cookieの有無を問わず高精度なターゲティングを実現できることから、既存のプラットフォームではリーチできない層への有効なアプローチ手段として評価され、導入が進んでおります。当社グループは、この「ポストCookie」および「AI活用」という二つの潮流を機会と捉え、データインフラとしての優位性を確保してまいります。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題 当社グループは以下のような経営課題に取り組むことで、サービス領域の拡大及び経営基盤の強化を行っていく方針であります。 ①新サービス等の開発体制 インターネット市場における技術革新のスピードは非常に早く、競合優位性の確保及び事業の拡充を図るため、新サービスの開発、投資を行っております。当該開発に際しては、システム開発の必要性や優秀な人材の拡充が必要となるため、迅速な開発が行える体制整備や優秀な開発人材の確保を行ってまいります。 ②優秀な人材の確保と教育制度の充実 当社グループは、今後の成長のために、多様で優秀な人材の確保が不可欠であると認識しております。ソーシャルメディアの活用等、採用方法の多様化を図り、当社グループの求める専門性や資質を兼ね備えた人材の登用を進めるとともに、研修制度の充実等、教育体制の整備を進め、人材の定着と能力の底上げを行っていく方針であります。 ③内部管理体制の強化 当社グループは成長段階にあり、業務運営の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化が重要な課題であると考えております。このため、バックオフィス業務の整備を推進し、経営の公正性・透明性を確保するための内部管理体制強化に取り組んでまいります。具体的には、業務運営上のリスクを把握してリスク管理を適切に行うこと、定期的な内部監査の実施によるコンプライアンス体制の強化、監査役監査の実施によるコーポレート・ガバナンス機能の充実などを図っていく方針であります。 ④認知度の向上 当社グループは、これまで広告宣伝活動に頼らず、提供サービスの機能優位性に拠る形での営業活動に専念してまいりました。その結果として、現在、幅広い業種、企業に当社グループ製品を導入いただき、継続的な取引による確固たる顧客基盤の構築を実現することができていると考えております。一方で、更なる成長を続けていく上では、当社グループ及び当社サービスの認知度を向上させ、新規案件を獲得していくことが重要であると考えております。今後は広告宣伝活動による積極的な販売促進活動に取り組み、認知度の向上に努める方針であります。 ⑤データ利活用に関する環境変化 「個人情報の保護に関する法律」(以下、「個人情報保護法」という。)の改正や各ブラウザ提供会社の仕様変更により、3rd Party Cookieに対する規制が強化されつつあるように、プライバシー保護の観点からデータの利活用を取り巻く環境は随時変化しています。 また、AIの利活用が社会に浸透する中で、アルゴリズムの公平性や生成AIによる情報の真正性・データの出所管理、利用者プライバシーの保護など、AI活用における透明性・倫理性の確保が社会的要請として高まっています。 このようなデータの利活用に関する社会情勢を速やかに察知し、環境変化に対応したサービスの開発が迅速に行える体制整備を行ってまいります。
事業等のリスク8,754字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載しております。 また、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考える事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。当社グループは、これらのリスクに対し発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針であります。 なお、本項記載の将来に関する事項は本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性のある全てのリスクを網羅するものではありません。 (1)事業環境に関するリスク ①経済状況等の変動 当社グループの提供するIM-DMP及び関連ソリューションは、デジタルマーケティング及びクロステック(X-Tech)領域に活用されるため、国内外の経済状況、企業のIT・マーケティング投資意欲、広告業界の動向による影響を受ける可能性があります。 現在、世界的なインフレや金利上昇、地政学的リスク(ロシア・ウクライナ情勢等)の長期化により、企業活動におけるコスト削減意識が強まっております。特にデジタルマーケティング領域においては、GoogleやMeta等の主要プラットフォームにおける広告効果の飽和やCPA(顧客獲得単価)の高騰を背景に、企業が広告代理店への委託を減らし、AIを活用して広告運用を自社で行う「インハウス化」を進める動きが加速しています。 当社グループは、こうした変化に対応し、労働集約的な運用代行からデータインフラ提供型へのビジネスモデル転換を進めておりますが、景気後退により顧客企業のマーケティング予算やDX(デジタルトランスフォーメーション)投資そのものが大幅に縮小・凍結された場合、当社グループのサービスに対する需要が減速し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ②インターネット及びデータ活用市場の動向について 当社グループはインターネット関連のデータ保有を強みとするデータマネジメントプラットフォーム「IM-DMP」を事業基盤としており、当社グループ事業の継続的な拡大・発展のためには、更なるインターネット環境の整備、及び生成AI等を含む高度なデータ利活用の拡大が必要と考えております。 しかしながら、インターネットの普及に伴う弊害の発生やその利用に関する新たな規制の導入、その他予期せぬ要因等により、今後のインターネット環境の整備、データ利活用の拡大が阻害された場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、昨今、海外の「GDPR(EU一般データ保護規則)」や「CCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)」などの影響により、日本でも改正個人情報保護法が施行されるなど、プライバシー保護に関する規制が強化されています。技術面では、Google社のChromeにおける3rd Party Cookie廃止は取り止めとなりましたが、Apple社のSafariやMicrosoft社のEdgeなど、既に約6割のブラウザ環境ではCookieが利用できない状況にあり、インターネット市場全体への影響が継続しています。当社グループとしては、「IM-UID」等のポストCookieソリューションの提供により、Cookieの有無にかかわらず収益機会を確保する「ハイブリッドCookie」時代への対応を進めておりますが、今後ポストCookie対応による共通IDソリューションへの新たな規制や、インターネット関連のデータ保有自体への利用規制、あるいは急速に拡大する生成AI市場におけるデータ利用に関する法規制などが発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③顧客ニーズの変化とインハウス化の進展について インターネット広告市場は依然として拡大傾向にありますが、GoogleやMeta等のプラットフォームにおける自動化技術の進展により、顧客企業の間では広告運用を自社で行う「インハウス化(内製化)」によるコスト削減ニーズが急速に高まっております。 これに伴い、従来の「運用代行サービス」への需要は減少し、AIや自動化ツールが最大限のパフォーマンスを発揮するために必要な「良質なデータ基盤(データインフラ)」そのものへのニーズへと構造的な変化が生じております。また、顧客のデータ活用ニーズは広告領域にとどまらず、生成AIを活用した営業支援や金融与信などの「クロステック領域」へと広がっております。 当社グループはこうした変化に対応し、運用型からデータインフラ提供型へのビジネスモデル転換や、AI-Readyデータの開発・連携を推進しておりますが、予期しない顧客ニーズの激変や技術革新(AI技術の進歩等)があった場合には、それに対応するための追加のシステム開発等が必要になります。適切な対応に支障が生じた場合、または提供するデータの付加価値を維持できなかった場合には、競争力の低下及びクライアント企業の流出等を招き、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ④技術革新と生成AIの台頭について 当社グループは、インターネット広告分野及びデータ活用領域(クロステック領域)において事業を展開しておりますが、当該分野においては生成AIの急速な普及やプライバシー保護技術(ポストCookie対応)の進展など、技術の進歩及び変化が極めて著しくなっております。 特に、生成AI技術の発展によりデータ分析の技術的ハードルが低下し、AI活用に最適化された「AI-Ready」なデータ基盤への需要が全産業的に急増するなど、市場環境は構造的な変化を迎えております。また、主要ブラウザにおけるCookie利用制限や法規制の強化に伴い、従来の技術基盤からの転換も求められております。 このため、当社グループは、社内における生成AI活用の推進および教育、専門組織の設立に加え、生成AIやデータインフラに関する技術、知見、ノウハウの取得に注力しております。 しかしながら、今後の技術革新への対応が遅れた場合、または技術のコモディティ化が進む中で当社グループが優位性のあるデータを供給し続けられなかった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤競合他社の動向について 当社グループが展開するDMP(データマネジメントプラットフォーム)市場において、当社は既に国内導入シェアNo.1を達成しており、競合となる事業者は限定的です。特に、生成AIの普及に伴い重要性が増している「AI-Readyデータ(AIが学習・分析しやすいデータ)」を広範囲かつ大量に保有し、その活用インフラまで一気通貫で提供できる企業は国内において極めて稀であり、実質的な寡占状態にあると認識しております。 海外事業者との関係においては、ポストCookie(3rd Party Cookie規制)対応が進む中、LiveRamp社やThe Trade Desk社といった世界的な有力プラットフォーマーと競合するのではなく、同社が日本国内でサービスを展開するために不可欠な「共通IDソリューション(IM-UID)」や「データインフラ」を提供するパートナーとしての連携を強化しております。これにより、海外事業者の参入は脅威ではなく、むしろ当社グループのデータ流通量を拡大させる機会となっております。 一方で、当社グループは今後の成長戦略として、既存のアドテクノロジー領域に加え、金融、セールス、HR等の「クロステック領域」への参入を推進しております。これにより、従来の競合とは異なる各業界固有の既存プレイヤーや、データ活用に特化した新規参入企業との競争が発生する可能性があります。また、Google等の巨大プラットフォーマーがデータ収集・活用に関する方針を大きく転換した場合や、同領域へ本格参入した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥DMPの接続先及びデータ流通チャネルについて 当社グループの提供するIM-DMPは、データの入力元、出力先の両面において、従来のDSPやアクセス解析ツール等のデジタルマーケティングツールに加え、生成AIのプラットフォーム、クラウドデータ基盤(Snowflake等)、及びセールス、HR、金融等の「クロステック(X-Tech)」領域における各種業務システムとの接続を急速に拡大しております。 当社グループでは、生成AIの普及に伴い需要が急増しているAIが学習・分析しやすいデータを供給するインフラ機能を競争力の源泉の一つと考えております。そのため、既存のアドテクノロジー領域での連携強化に加え、生成AIプラットフォームへのデータ連携や、異業種パートナー(セールステック事業者等)とのアライアンスによる新たなデータ流通チャネルの開拓を重点施策として進めております。 しかしながら、これらのデータ活用先の方針、API仕様の変更、またはデータ利用に関する規約の改定等によりデータ連携が制限された場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)組織体制に関するリスク ①特定の人物への依存について 当社の代表取締役である簗島亮次は、DMPを含め様々なWebマーケティングに関するノウハウや新規事業の立案、業界での情報収集等に関して豊富な知識と経験を有しており、当社グループの事業運営において重要な役割を果たしております。当社グループでは、同氏に過度に依存しないよう、経営体制の整備、権限委譲及び次代を担う人材の育成強化を進めております。 しかしながら、何らかの理由により同氏が当社グループの業務を継続することが困難になった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ②内部管理体制について 当社グループは今後の事業運営及び事業拡大に対応するため、内部管理体制について一層の充実を図る必要があると認識しております。今後、事業規模の拡大に合わせ、内部管理体制も充実・強化させていく方針であります。 しかしながら、事業規模に適した内部管理体制の構築に遅れが生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③少人数での組織編成及び優秀な人材の確保について 当社グループは、業務執行上必要最低限の人数での組織編成を行っており、継続的な事業拡大のためには、優秀な人材の確保、育成及び定着が最も重要であると認識しております。 そのため、当社グループは優秀な人材の確保及び育成のために採用活動及び人事制度の強化に努めておりますが、当社グループが求める優秀な人材が必要な時期に十分に確保・育成できなかった場合や人材流出が進んだ場合には、経常的な業務運営に支障が生じ、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)法的規制に関するリスク ①訴訟等について 当社グループは、法令及び契約等の遵守に努めており、本書提出日現在において訴訟を提起されている事実はありません。 しかしながら、当社グループが事業活動を行う中で、顧客等から当社グループが提供するサービスの不備等により訴訟を提起された場合には、当社グループの社会的信用が毀損され、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ②インターネット広告の配信に関連する法的規制について 当社グループはIM-DMPを最大限に活用するためのワンストップサービスを提供しており、様々な広告配信ツールを利用してクライアント企業の求める方法でデジタル広告の配信を行うデータ活用広告配信サービスを展開しております。現在のところ当社グループの事業継続に著しく重要な影響を及ぼす法的規制はありませんが、「不当景品類及び不当表示防止法」、「特定商取引に関する法律」、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」等の法的規制が存在しております。 個人情報の取扱いについては「個人情報保護法」等が存在しております。「個人情報保護法」第2条第1項では、個人情報を「生存する個人に関する情報であって」、「当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等(文面、図面若しくは電磁的記録に記載され、若しくは記録され、又は音声、動作その他の方法を用いて表された一切の事項(個人識別符号を除く。)をいう。)により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)」又は「個人識別符号が含まれるもの」と定義しておりますが、当社グループがDMP事業において収集する様々な属性情報には、それ自体で、又は他の情報と容易に照合することにより特定の個人を識別することが可能な情報は含まれておりません。したがって、当社グループがDMP事業において収集する様々な属性情報には個人情報が含まれておらず、これらの情報について、個人情報保護法上の対応は行っておりません。しかしながら、インターネット上のプライバシー保護の観点から、2022年4月1日施行の改正個人情報保護法により、Cookie(ウェブサイトの閲覧情報等を一時的に保存しておくためのウェブブラウザ上の記憶領域やそこに保存される情報)等の端末識別子を通じて収集された個人のウェブサイトの閲覧履歴等が、新たに「個人関連情報」と定義され、個人情報保護法の規律対象となりました。これにより、個人関連情報を第三者に提供する場合、提供先において個人データとして取得することが想定されるときは、当該個人関連情報に係る本人の同意が得られていることの確認が義務付けられましたが、当社グループにおける確認義務の発生する個人関連情報の提供は限定的であり、かつ、該当のケースにおいては、改正個人情報保護法に従い適切に同意状況を確認した上で、個人関連情報の第三者提供を行っております。 個人情報保護法については、個人情報保護委員会において、社会・経済情勢の変化を踏まえ、いわゆる3年ごと見直しを進めており、インターネット利用の普及に伴う法的規制の在り方については引き続き検討が行われている状況にあります。 また、インターネットを通じた電気通信サービスを提供する際は、webサイトに設置されたタグ等を送信したり、アプリケーションを起動する等の電気通信を行うことにより、利用者の意思によらずに、その利用者の端末設備に記録された利用者に関する情報(webページの閲覧履歴、入力履歴、システム仕様、システムログ等)を外部の第三者等に送信する状況が生じます。この状況に対して、安心して利用できる通信サービス・ネットワークの確保を目的として、2023年7月に電気通信事業法が改正施行され「外部送信規律」が導入されました。当該規律においては、多くの電気通信事業を営む者に対して、当該事業者が提供するサービス利用者のCookie等の端末識別子を通じて、当該利用者に関する情報を外部送信しようとするときは、利用者に対し、通知・公表を行い、もしくは利用者の同意を取得あるいはオプトアウト措置を提供することにより、利用者に対して確認の機会を与えることが確保できるようにすることが求められます。本書提出日現在、当社グループは当該規律の規制対象となる事業を営んでおりませんが、今後新たなサービスを提供する際には、当社グループにおいても対応が必要となる可能性があります。 なお、EU一般データ保護規則(GDPR)等の外国法令等には、Cookie等に対し、個人情報や個人データと同等又は類似の規制を行っているものがありますが、当社グループとしては、これらの外国法令等の適用のある国又は地域からはCookieを用いたデータ収集を行っていないこと等から、これらの外国法令等の適用を受けないものと考えております。 このように、今後、個人インターネット広告の配信に関連する分野において新たな国内外の法令等の制定や、EU一般データ保護規則(GDPR)を含む国内外の既存法令等の改正等による規制強化がなされた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。とりわけ、個人情報保護法の改正により、当社グループがDMP事業において収集する様々な属性情報が同法の定義する個人情報に該当することとされた場合には、ウェブサイトのユーザーからの同意取得が必要となることによるIM-DMPの総データ数の減少及びこれに伴うサービス品質の低下、Cookieを利用した一部のサービスの提供が困難になること、並びにCookieを利用しない代替的な技術の実用化に伴う費用の増加等が想定され、その結果、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③知的財産権について 当社グループが運営するサービスにおいて使用する商標、ソフトウェア、システム等については、現時点において、第三者の知的財産権を侵害するものではないと認識しております。今後も、侵害を回避するための著作権等の管理、監視等を当社顧問弁護士と協力して行っていく方針でありますが、当社グループの事業分野で当社グループの認識していない知的財産権が既に成立している可能性、又は新たに当社グループの事業分野で第三者により知的財産権が成立する可能性も考えられます。そのような場合には、第三者の知的財産権を侵害したことによる損害賠償請求や使用差し止め、権利に関する使用料等の支払請求がなされることが想定されます。そのような事態が発生する場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)システムに関するリスク ①システム基盤について 当社グループでは、様々なクラウドプラットフォームやクラウドサービスを活用することで、信頼性・安定性が高く、開発効率・コスト効率の良いシステムを実現しております。特定の事業者・サービスに依存しない構成を目指しております。 しかしながら、利用中のサービスの契約内容の変更、急激な価格変動、システム障害等によるサービスの一時的な中断、サービス内容の見直しによる機能提供の停止が発生した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ②情報セキュリティについて 当社グループは、厳重な情報セキュリティ管理体制において自社内の機密情報を管理するとともに、事業の一環として取引先から預託された機密情報の管理・運用を行っております。情報管理には万全な方策を講じておりますが、万が一当社グループの従業員や取引先等が情報を漏洩又は誤用した場合、またシステム上の不具合やコンピューターウィルス、不正アクセス等に起因する情報の漏洩が発生した場合には、当社グループが社会的信頼を失い、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)その他のリスク ①配当政策について 当社は、経営基盤の安定化を図るために内部留保の充実を図ることが重要であると考えておりますが、株主に対する利益還元も経営の重要な経営課題であると認識しております。そのため、事業基盤の整備状況、業績や財政状態などを総合的に勘案のうえ配当を実施してまいりたいと考えております。また、配当政策が業績に連動しているため、業績が悪化した場合、これに伴い配当が減少又は無配となる可能性があります。しかしながら、当面は事業基盤の整備を優先することが株主価値の最大化に資するとの考えから、その原資となる内部留保の充実を基本方針とさせていただく所存であります。 ②新株予約権行使による株式価値の希薄化について 当社では、取締役及び従業員に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。現在付与している新株予約権が行使された場合は、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。 なお、2025年9月30日現在における新株予約権による潜在株式数は69,300株であり、発行済株式総数3,120,350株の2.22%に相当しております。 ③季節変動について 当社グループの売上は、広告主の広告予算をベースに構成されるため、広告主の予算の月ごとの配分の影響を受けます。特に年度末に予算が配分される広告主との取引は、多くの広告主が年度末として設定している12月及び3月に売上が集中する傾向があります。最近はその傾向が分散されつつあり影響は薄まっているものの、安定的に月次業績が推移する業種に比し売上及び利益の変動が起こりやすいほか、変動が大きく下振れ幅が顕著な場合には当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 ④自然災害等について 当社グループは、自然災害や事故に備え、システムの定期的なバックアップや稼働状況の監視によりシステムトラブルの未然防止及び回避に努めております。 しかしながら、地震等の大規模災害の発生等により本社又は外部のクラウドプラットフォームのデータセンターが被害を受けた場合、当社グループ事業の継続に支障をきたし、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
経営成績の分析 (MD&A)4,356字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ①財政状態の分析 (資産) 当連結会計年度末における資産合計は2,191,105千円となり、前連結会計年度末に比べ69,004千円の増加となりました。 流動資産は2,112,365千円となり、前連結会計年度末に比べ62,546千円増加しました。これは主に売掛金が71,192千円増加したことによるものであります。固定資産は78,739千円となり、前連結会計年度末に比べ6,487千円増加しました。これは主に投資その他の資産が8,084千円増加したことによるものであります。 (負債) 当連結会計年度末における負債合計は634,651千円となり、前連結会計年度末に比べ116,853千円の増加となりました。 流動負債は546,329千円となり、前連結会計年度末に比べ134,831千円増加しました。これは主に未払法人税等が59,210千円増加したことによるものであります。固定負債は88,322千円となり、前連結会計年度末に比べ17,977千円減少しました。これは主に長期借入金が19,992千円減少したことによるものであります。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産合計は1,556,453千円となり、前連結会計年度末に比べ47,849千円の減少となりました。これは主に自己株式の消却等により利益剰余金が41,532千円減少したことによるものであります。 この結果、自己資本比率は69.1%(前連結会計年度末は74.0%)となりました。 ②経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、各種政策の効果もあり、雇用や所得環境の改善やインバウンド需要の増加がみられ、緩やかに景気が回復する動きがみられました。一方、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、米国の政権交代、円安の影響によるエネルギーコスト及び原材料価格の高騰、それに伴う物価の上昇など、景気の動向は依然として不透明な状況が続いております。 当社の主力事業が属するインターネット広告市場におきましては、2024年のインターネット広告市場が前年比9.6%増の3兆6,517億円(株式会社電通「2024年日本の広告費」)となり、高い増加率を継続しております。2024年7月にGoogleのwebブラウザ「Chrome」における3rd Party Cookieの廃止が取り止めとなったものの、その他のブラウザでは既に3rd Party Cookieが利用できない状況に変わりはなく、Cookieを代替するサービスである「ポストCookieソリューション」への需要は順調に伸長しております。 ソリューション毎の経営環境につきましては、マーケティング支援においては、市場環境がAIプラットフォーム機能の発達やアドテクの効率化、顧客のインハウス化の加速により変化する中で、当社は差別化が難しい運用代行モデルから、データの価値を軸としたセルフサービス型への事業構造の移行を推進しました。当連結会計年度においてセルフサービス型の売上比率が増加し、人員数に依存せずにスケール可能な収益モデルへの転換が進みました。 データマネジメント・データアナリティクスについては、プラットフォームを経由したインフラ型の販売への移行が進んでいることにより、増加トレンドが継続しております。このソリューションは、クライアントの意向に左右されづらいソリューションとして、安定して売上に寄与しております。特に「ポストCookie」ニーズが堅調であり、「Google Ad Manager」との連携が強化されたことによる「IM-UID」を利用した広告配信量の増加が進んだことにより配信量に応じたデータ利用料の売上が増加しました。また、営業効率を高めるために代理店型の販売を増やし取引先を集約していることから、アカウント数は横ばい推移となりました。 成果報酬型ディスプレイ広告運用サービス「Performance DMP」については、特定の案件への依存度が比較的低い事業の主力の一つとして安定的に業績に貢献しております。また定期的に不採算案件の見直しを行うことで収益性が改善しております。 費用面においては、生成AIを活用した業務効率化が進展したことによりコスト最適化を図り、人件費をはじめとする販売管理費を抑制しました。 この結果、当連結会計年度の業績は、売上高3,363,631千円(前年同期比12.3%増)、営業利益227,702千円(同164.2%増)、経常利益229,450千円(同165.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益153,480千円(同168.3%増)となりました。 なお、当社グループは、DMP事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。 ③キャッシュ・フローの状況の分析 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ3,670千円増加し、1,625,786千円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は218,480千円(前年同期は10,414千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益229,450千円によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は490千円(前年同期1,214千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出490千円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は214,319千円(前年同期は1,895千円の収入)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出216,274千円によるものであります。 ④生産、受注及び販売の実績 a.生産実績 当社グループの提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。 b.受注実績 当社グループの提供するサービスの性格上、受注確定から売上計上日までの期間が短期間であり、期末日現在の受注残高が年間売上高に比して僅少であるため、その記載を省略しております。 c.販売実績 当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。なお、当社グループはDMP事業の単一セグメントであります。 セグメントの名称   当連結会計年度 (自 2024年10月1日 至 2025年9月30日) 販売高(千円)   前年同期比(%) DMP事業   3,363,631   112.3 合計   3,363,631   112.3 (注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先   前連結会計年度 (自 2023年10月1日 至 2024年9月30日)   当連結会計年度 (自 2024年10月1日 至 2025年9月30日) 金額(千円)   割合(%)   金額(千円)   割合(%) 株式会社ファンコミュニケーションズ   413,080   13.8   438,133   13.0 ローソン・ユナイテッドシネマ株式会社   242,078   8.1   400,327   11.9 ⑤経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは経営方針に則った通期業績予想について、業績動向等を踏まえ、期初に公表した各経営指標の予想値を修正し2025年10月15日に公表いたしました。 当社グループが定める経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等に関する業績予想の達成状況は下表のとおりです。 業績予想(千円)   実績(千円)   予想比(%) 売上高   3,365,323   3,363,631   99.9 営業利益   228,857   227,702   99.5 経常利益   230,684   229,450   99.5 親会社株主に帰属する 当期純利益   158,089   153,480   97.1 1株当たり当期純利益(円)   48.74   47.32   97.1 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営者による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループの当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②経営成績の状況」に記載のとおりであります。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容 当社グループのキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおりであります。 b.資本の財源及び資金の流動性 当社の運転資金需要のうち主なものは、広告媒体の仕入費用及び人件費等の営業費用であります。 当社は、運転資金につきましては内部資金及び銀行等金融機関から借入により充当しております。 ③重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況」に記載のとおりであります。

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出典

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