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超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,980.73+214ドル円158.84-1NASDAQ26,208.82+109S&P 5007,666.58+35SOX 指数11,332.81+449/2終値

ステムセル研究所

StemCell Institute Inc.7096 · Growth · サービス業

再生医療・細胞治療の研究・利用に備え、さい帯血とさい帯を長期保管する民間バンクを運営するバイオベンチャー。

概要

株式会社ステムセル研究所は、1999年に東京都港区で創業した再生医療・細胞治療向けの細胞バンク事業者である。さい帯血およびさい帯(へその緒)の分離・保管を主業務とし、国内民間さい帯血バンクでは最大手に位置する。2026年3月期の売上高は28億円、従業員数は136名。2021年6月に東京証券取引所マザーズへ上場した。子会社にシンガポールのSTEMCELL INNOVATIONS PTE. LTD.と株式会社ミルケアを持ち、国内に2か所の細胞処理センター(東京、横浜)と1か所の細胞保管センター(横浜)を運営する。

契約収益と継続保管料で構成される収益構造

当社の収益は、顧客との「さい帯血分離保管委託契約」および「さい帯保管委託契約」に基づく。初年度に分離料、検査料、登録料を一括で収受し、次年度以降は年間の保管料が継続的に発生するストック型ビジネスである。2026年3月期の売上高は28億円で、うち売上原価は約11億円、販管費は約15億円。営業利益は2億円、経常利益は2.2億円、親会社株主帰属純利益は1.6億円となった。収益の基盤は累計保管検体数の増加にあり、2026年3月末時点でさい帯血累計102,040検体、さい帯累計12,135検体を保管する。

国内最大の民間さい帯血バンクとしての競争力

厚生労働省の届出を行っている民間さい帯血バンクは当社を含め2社であり、2025年3月末時点で当社の保管総数は95,005件と業界最大である。品質面では、2011年にISO9001、2019年にAABB(米国血液バンク協会)の認証を取得。2016年には東京細胞処理センターが、2021年には横浜細胞処理センターが「再生医療等安全性確保法」に基づく特定細胞加工物製造許可を得ている。これら認証と許可は2026年3月現在も維持されており、国際水準の品質管理体制を整えている。

シンガポール子会社を起点とする東南アジア市場の開拓

当社は子会社STEMCELL INNOVATIONS PTE. LTD.を通じて、シンガポールおよびインドネシア・ジャカルタ近郊でのさい帯・さい帯血保管事業の立ち上げを進めている。2026年6月に細胞処理センター(CPC)と細胞保管センター(CCC)が完成し、シンガポール保健省への事業ライセンス申請も完了した。2027年3月期半ばの稼働開始を予定する。この事業は「日本・シンガポール細胞バンク・医療基盤連携推進事業」として日・シンガポール国交樹立60周年記念事業に選定されている。東南アジアの同市場は2032年まで年平均成長率約16.8%と推計され、当社はシンガポールで年間6,000件、インドネシアで同3,000件の市場を想定し、50%のシェア獲得を目標とする。

大学・医療機関との共同研究による臨床応用の推進

当社保管のさい帯血は複数の臨床研究で使用されている。高知大学医学部附属病院では脳性麻痺に対する自家さい帯血単核球細胞輸血の第I相試験が終了し、論文が公表された。大阪公立大学では低酸素性虚血性脳症(HIE)に対する第II相多施設共同研究が進行中で、当社が細胞加工を受託している。米国デューク大学の拡大アクセス制度では、2026年3月現在18名の当社保管者がさい帯血投与を受けた。また、2024年11月には免疫不全症患者への同胞間造血幹細胞移植にも利用された。2025年12月には国際医療福祉大学との間で、さい帯間葉系細胞由来培養上清を用いた眼疾患治療の共同研究を開始した。

業界の中での役割は民間細胞バンク事業者(さい帯血・さい帯の保管・細胞処理サービス提供)にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
28億円
営業利益
2億円
営業利益率
7.1%
純利益
2億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01妊婦・家族向け細胞保管(BtoC)主力

出産時に採取されるさい帯血・さい帯を、将来の医療利用や研究利用に備えて長期保管するサービスを提供。委託契約に基づき、分離料・検査料・登録料・保管料などの収益を得る。国内民間バンクでは最大規模の保管実績を持つ。

国内最大規模の民間さい帯血バンクであり、さい帯保管事業は国内唯一

主な製品・サービス2
さい帯血保管サービス国内シェア首位
出産時に採取したさい帯血を、自社の細胞処理センターで処理し、超低温タンクで長期保管する民間バンクサービス。白血病等の移植治療や再生医療での利用に備える。
さい帯組織保管サービス国内シェア首位
さい帯(へその緒)組織を長期保管するサービス。間葉系細胞が含まれ、再生医療での研究利用が期待される。国内では当社のみが実施。

02医療・研究機関向け細胞関連受託準主力

再生医療や細胞治療の研究・臨床現場に向けて、細胞処理・培養受託や保管受託を提供。低酸素性虚血性脳症などの臨床研究に細胞加工を提供するほか、卵子保管や末梢血幹細胞保管の受託も行う。

主な製品・サービス2
細胞培養・加工受託
さい帯から間葉系細胞を培養し、その培養上清を製造する受託サービス。医師からの依頼に基づき実施される。
卵子保管・末梢血幹細胞保管
卵子の凍結保管や、多発性骨髄腫患者向けの末梢血造血幹細胞の保管を受託する医療関連支援事業。

製品と技術

さい帯血保管サービス:造血幹細胞の長期凍結保存

当社の基幹サービスは、出産時に採取したさい帯血から造血幹細胞を分離し、超低温タンクで長期保管するものである。2026年3月末時点のさい帯血累計保管数は102,040検体に達する。細胞処理は東京CPCおよび横浜CPCで行われ、無菌操作により長期保存に適した状態に加工する。保管されたさい帯血は、白血病等の血液疾患に対する造血幹細胞移植や、脳性麻痺・低酸素性虚血性脳症などの再生医療臨床研究に利用されている。2026年3月現在、血液疾患2件、再生医療分野43件の引渡し実績がある。

さい帯組織保管サービス:間葉系細胞のソース提供

2021年4月に開始したさい帯(へその緒)組織保管サービスは、国内では当社のみが提供するサービスである。さい帯には間葉系細胞が含まれ、炎症抑制や組織修復への関与研究が進んでいる。2026年3月末時点の累計保管数は12,135検体。保管組織は融解・培養することで間葉系細胞を得ることができ、2023年6月からは培養上清の製造受託サービスも開始した。2026年3月までに37件の製造を受託している。角膜上皮障害など眼疾患への応用を目指した共同研究も進行中である。

品質管理体制:ISO・AABB認証と特定細胞加工物製造許可

当社は細胞バンク事業の品質管理に複数の認証制度を活用する。東京CPCと横浜CPCは、再生医療等安全性確保法に基づく特定細胞加工物製造許可を取得し、PMDAの実地調査を経て維持している。ISO9001は2011年から毎年審査を受け、AABB認証は2019年から2年ごとに更新している。これらの認証は国際的な細胞保管の品質基準に対応するものであり、顧客に対する信頼性の根拠となっている。子会社のシンガポール拠点でも同水準の設備を準備中である。

周辺サービス:卵子保管・iPS細胞研究・培養上清製造

当社は主幹事業に加え、細胞保管のノウハウを活かした周辺サービスを展開する。医療関連支援事業として、卵子保管業務の受託や多発性骨髄腫患者の寛解期末梢血造血幹細胞の保管受託を行っている。また、保管されたさい帯血の一部を使ったiPS細胞作製・保管サービスの研究を株式会社iPSポータルと共同で進め、20年以上凍結したさい帯血からiPS細胞を製造できることを確認した。子会社ミルケアは、さい帯保管者向けに間葉系細胞培養上清「ファミリー上清」の製造サービスを提供し、2026年3月末時点で累計37件を受注している。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

サービス業のなかでの位置

会社が挙げる強い分野

  • 国内シェア首位さい帯血保管サービス民間さい帯血バンクでの保管総数95,005件(厚生労働省報告より)で国内最大妊婦・家族向け細胞保管(BtoC)
  • 国内シェア首位さい帯組織保管サービス国内唯一の民間企業によるさい帯保管事業者妊婦・家族向け細胞保管(BtoC)
  • 妊婦・家族向け細胞保管(BtoC)国内最大規模の民間さい帯血バンクであり、さい帯保管事業は国内唯一

有価証券報告書(2026/3期)で会社自身が述べている位置付けです。第三者による調査ではありません。

再生医療向け細胞培養で業界トップクラス、内需中心

再生医療分野で細胞培養加工を手掛ける。同業他社であるジンジブやイシンと比較しても、売上規模は中規模ながら、再生医療に特化した専門性が強み。近年は売上成長が鈍化し、営業利益率は改善しているものの、依然として低水準。国内の医療機関向けサービスが主体で、海外展開は限定的。業界全体は成長段階にあり、引き続き国内需要の取り込みが重要。

強み

  • 細胞培養加工の専門技術を有し、医療機関向けに高品質なサービスを提供。
  • 再生医療の知識と技術を持つ人材を保有し、高度な細胞加工に対応。
  • 医療機関との取引実績が蓄積され、安定した品質で信頼を獲得。
  • 成長する再生医療市場で、国内の需要増加を取り込む事業基盤。

課題

  • 売上高は約30億円と小さく、規模拡大によるコスト競争力が不足。
  • 営業利益率は7%と低く、事業効率化や高付加価値化が必要。
  • 海外市場での展開が進んでおらず、成長機会を逃している可能性。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

サービス業の時価総額近傍。太字がステムセル研究所

時価総額で並べると、掲載11社のなかで4番目にあたる。

#企業時価総額PER
17368表示灯81億円10.0倍
24317レイ80億円5.7倍
39558ジャパニアス80億円11.6倍
47096ステムセル研究所78億円49.0倍
56059ウチヤマホールディングス78億円23.7倍
62391プラネット78億円18.3倍
79723京都ホテル77億円8.8倍
87367セルム76億円12.4倍
99720ホテル、ニューグランド76億円20.9倍
107065ユーピーアール76億円10.7倍
119340アソインターナショナル75億円14.7倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 29件

細胞バンク事業の創業と国内拠点拡大(1999〜2004年)

1999年8月、東京都港区にてさい帯血の分離・保管を目的とする株式会社ステムセル研究所が設立された。同年9月には初めてのさい帯血を保管。その後、2002年1月に大阪オフィス、同年11月に福岡オフィス、2003年6月に名古屋オフィスを開設し、全国的な営業拠点を整備した。2004年5月には検体数増加に伴い、本社と細胞処理センターを東京都港区内に移転し、処理能力を拡大した。

さい帯血の治療利用実績と品質認証の取得(2008〜2011年)

2008年3月、兵庫県神戸市中央区において、当社保管のさい帯血が白血病の移植治療に初めて利用された。2009年4月には米国デューク大学で脳神経疾患への再生医療に当社保管のさい帯血が使用され、国際的な研究利用が始まった。2011年4月、東京の細胞処理センターで品質マネジメントシステムの国際規格ISO9001を取得し、処理工程の標準化と品質保証体制を確立した。

日本トリムの子会社化と法的規制への対応(2013〜2016年)

2013年9月、株式会社日本トリム(東証一部、現プライム市場)が当社株式の50.1%を取得し、連結子会社となった。2016年2月、東京の細胞処理センターが「再生医療等安全性確保法」に基づく特定細胞加工物製造許可を取得。国内の再生医療規制に適合した施設として認められた。同年7月にはアメリカさい帯血協会(CBA)に加盟し、国際的な品質基準への対応を進めた。

臨床研究の拡大とAABB認証の取得(2017〜2019年)

2017年4月、高知大学医学部附属病院が開始した小児脳性麻痺に対する臨床研究に、当社が特定細胞加工物の製造委託を請けた。2017年9月には厚生労働省へ「臍帯血取扱事業の届出」を提出し、民間バンクとしての公的立場を明確化した。2018年9月には東京大学医科学研究所との共同研究を開始。2019年7月、さい帯血保管に関する国際認証AABBを取得し、2年ごとの審査を受ける体制を整えた。

さい帯保管サービス開始と東証マザーズ上場(2020〜2021年)

2020年から2021年にかけて、大阪大学、慶應義塾大学、大阪公立大学など複数の研究機関と共同研究契約を締結し、再生医療分野での知見を拡大した。2021年3月、横浜市緑区に新たな細胞処理センターを開設し、同時に同施設で特定細胞加工物製造許可を取得。2021年4月には「さい帯(へその緒)組織保管サービス」を開始した。2021年6月、東京証券取引所マザーズに上場。同月、保管能力増強のため横浜に細胞保管センターを新設した。

連結決算移行と海外事業の本格化(2022〜2026年)

2024年11月、さい帯血とさい帯を同時に保管する新プラン「HOPECELL」を開始し、累計保管数が2026年3月末に11万件を超えた。2025年度より連結決算に移行。シンガポール子会社STEMCELL INNOVATIONS PTE. LTD.のCPC・CCC建設が進み、2026年6月に完成、保健省へのライセンス申請を完了した。2026年3月期の売上高は28億円と過去最高を更新し、営業利益2億円、純利益1.6億円を計上した。

年表29件を開く

1990年代

  • 1999年8月創業「さい帯血」(注1)の分離・保管を行う細胞バンクを目的として、東京都港区に株式会社ステムセル研究所設立
  • 1999年9月当社初のさい帯血を保管

2000年代

  • 2002年1月大阪府吹田市に近畿地区の拠点として大阪オフィスを開設
  • 2002年11月福岡県大野城市に九州地区の拠点として福岡オフィスを開設
  • 2003年6月愛知県名古屋市中区に東海地区の拠点として名古屋オフィスを開設
  • 2004年5月検体数の増加に伴い本社並びに細胞処理センターを東京都港区に移転
  • 2007年5月保管能力の増強を目的に細胞保管センターを神奈川県横浜市緑区へ移設
  • 2008年3月兵庫県神戸市中央区において当社保管のさい帯血が、白血病の移植治療に利用される
  • 2009年4月米国デューク大学で当社保管のさい帯血が脳神経疾患への再生医療に利用される

2010年代

  • 2011年4月東京都港区の細胞処理センターにて、ISO9001を取得(注2)
  • 2013年9月株式会社日本トリム(東証一部、現 プライム)が当社株式の50.1%を取得
  • 2016年2月東京都港区の細胞処理センターにて「再生医療等安全性確保法」に基づく、特定細胞加工物製造許可を取得
  • 2016年7月品質管理向上のため、アメリカさい帯血協会(CBA)に加盟
  • 2017年4月高知大学医学部附属病院が実施する「小児脳性麻痺等に対する再生医療提供計画」において、特定細胞加工物製造委託契約を締結
  • 2017年9月厚生労働省健康局へ「臍帯血取扱事業の届出」を提出
  • 2018年9月東京大学医科学研究所と「臍帯の臨床応用に向けた技術開発と保管体制構築」に関する共同研究を開始
  • 2019年7月American Association of Blood Banks(現 Association for the Advancement of Blood & Biotherapies、略称:AABB)認証取得(注3)
  • 2019年12月東京都港区に管理本部及び総合企画本部の拠点として虎ノ門オフィスを開設

2020年代

  • 2020年9月東京大学医科学研究所及び東京大学医学部附属病院と自家さい帯由来細胞を用いた「周産期付属物由来細胞の臨床応用に向けた技術開発とバンキング体制構築」と、「自家臍帯由来細胞を用いたティッシュエンジニアリングの研究開発」に関する共同研究契約を締結
  • 2020年10月高知大学医学部附属病院が実施する「小児脳性麻痺など脳障害に対する同胞間臍帯血単核球細胞輸血」及び「小児脳性麻痺など脳障害に対する同胞間臍帯血有核細胞輸血」の臨床研究において、特定細胞加工物製造委託契約を締結
  • 2020年10月大阪大学大学院医学系研究科と他家細胞を用いた「臍帯組織由来幹細胞と半月板修復材を用いた新規半月板再生医療の開発研究」に関する共同研究契約を締結(注4)
  • 2020年11月大阪市立大学(現 大阪公立大学)を中心とする研究グループによる「低酸素性虚血性脳症(HIE)に対する自己臍帯血治療」の第Ⅱ相多施設共同臨床研究において、特定細胞加工物(自己臍帯血細胞調整液)の製造業務委託契約を締結
  • 2020年11月慶應義塾大学医学部と「ヒト羊水幹細胞による周産期脳障害の細胞治療」に関する共同研究契約を締結
  • 2021年3月検体数の増加及び新たなサービスの開始に向け、神奈川県横浜市緑区の細胞保管センターの施設内に新たな細胞処理センター(横浜CPC)を開設
  • 2021年3月神奈川県横浜市緑区の細胞処理センターにて「再生医療等安全性確保法」に基づく、特定細胞加工物製造許可を取得
  • 2021年4月「さい帯(へその緒)組織保管サービス」の提供を開始
  • 2021年6月上場東京証券取引所 マザーズ に株式を上場
  • 2021年6月保管能力の増強を目的に細胞保管センターを神奈川県横浜市緑区に新設
  • 2021年7月一般社団法人 新経済連盟(新経連)に加盟

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は3つの方針を掲げている。そのうち1項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 年間保管検体数(国内)20,000検体

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    国内細胞バンク事業の安定的成長

    医療機関との連携強化、Web・SNSマーケティング、リアルイベント全国展開により、年間保管検体数20,000検体(出生数の3%)を目指す。基幹システムのリプレースも実施し業務効率化を図る。

  2. 02

    シンガポール起点の東南アジア展開

    シンガポールに細胞処理・保管センターを開設し、2027年3月期半ばの稼働を予定。まずシンガポール・インドネシアでマーケティングを強化し、中期的に東南アジア全域へ展開。将来的にシンガポール50%・インドネシア50%のシェア獲得を目標とする。

  3. 03

    さい帯・さい帯血の臨床応用拡大

    大学等との共同研究による再生医療・眼疾患治療の開発、自家さい帯血由来iPS細胞の実用化、さい帯由来培養上清液の美容・自由診療領域での利用拡大に取り組み、保管細胞の活用機会を拡大する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 6期分

グループ全体で136人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は513万円で、5期前と比べて+3.7%平均年齢は37.1歳、平均勤続年数は5.2年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数
2021年3月49536.54.579
2022年3月48237.15.182
2023年3月50837.75.292
2024年3月52838.15.398
2025年3月50836.45.0117
2026年3月51337.15.2136

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

拠点とグループ

設備と関係会社

主要な設備 (帳簿価額 上位3)
細胞処理・細胞保管センター — 横浜市緑区622百万円
細胞処理センター — 東京都港区57百万円
本社 — 東京都港区55百万円

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は28億円営業利益2億円前期と比べると増収減益で、売上が+3.7%、利益が-50.0%。

売上高
+3.7%
28億円
営業利益
-50.0%
2億円
純利益
-50.0%
2億円
営業利益率
7.1%
前期比 -7.7%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高31億円28億円
営業利益1億円2億円
純利益1億円2億円
1株あたり配当¥0¥0

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は7億円、営業利益は0億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+16.7%、営業利益は−100.0%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q50
2024年1Q6116.71
2024年2Q6116.71
2024年3Q7228.61
2024年4Q60
2025年2Q14321.43
2025年4Q131
2026年2Q1417.11
2026年4Q1417.11
2027年1Q700.00

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 10期分

2017年3月期からの10期で、売上は8億円から28億円へ3.5倍に増えた。直近期の営業利益率は7.1%。売上は5期連続で増加。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2017年3月821
2018年3月911
東京都港区に管理本部及び総合企画本部の拠点として虎ノ門オフィスを開設
2019年3月1121
2020年3月1743
東京証券取引所 マザーズ に株式を上場
2021年3月1411
2022年3月1821
2023年3月2132
2024年3月2543
2025年3月2744
2026年3月28227.12

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高28億円のうち、営業利益として残るのは2億円7.1%。営業外の損益と税金を反映した純利益は2億円、売上の7.1%にあたる。営業利益率は業種中央値7.5%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金39.3%11億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金53.6%15億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益7.1%2億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
60.7%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比0.4pt
7.1%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+2.1pt
7.1%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比6.0pt
5.8%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
2.5%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
2.6%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 8期分

2026年3月期は営業CFが1億円、投資CFが−7億円で、差し引きのフリーCFは−6億円この組み合わせは積極投資型にあたる。本業で稼ぎつつ、さらに資金を調達して大きな投資に踏み込んでいる。成長への布石の局面期末の手元現金は28億円で、売上の12.0ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2019年3月4−2217
2020年3月7−1623
2021年3月2−5−320
2022年3月546935
2023年3月1−30−233
2024年3月3−80−528
2025年3月5−31232
2026年3月1−72−628

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 10期分

2026年3月期の総資産は81億円。このうち返さなくてよい自己資本が31億円で、自己資本比率は33.0%(業種中央値53.4%より薄い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2017年3月2181337.0
2018年3月2381535.8
2019年3月28101834.9
2020年3月36132335.3
2021年3月40132733.4
2022年3月52213140.3
2023年3月58233539.5
2024年3月65273841.1
2025年3月75264935.0
2026年3月81315133.0

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
28億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
16億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
51億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
66
/ 100
安定性自己資本比率22 / 40
収益力営業利益率14 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

サービス業 534社との比較

同じサービス業の企業と並べると、いちばん上に来るのは営業利益率534社中281位あたり、逆に低いのは自己資本比率534社中440位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE下位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
5.8%/中央値 11.8%
P25 6.0%P75 18.9%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
7.1%/中央値 7.5%
P25 3.5%P75 12.7%
自己資本比率下位総資産のうち返済のいらないお金の割合
33.0%/中央値 53.4%
P25 36.8%P75 69.7%
売上成長率前期からの売上の伸び
3.7%/中央値 7.2%
P25 1.6%P75 16.0%
配当利回り下位株価に対して1年で受け取る配当の割合
0.0%/中央値 3.1%
P25 1.9%P75 4.1%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥759で、1年前と比べて-21.0%過去52週の値幅のなかでは37%の位置にある。

¥759-1.4%1ヶ月+3.0%1年-21.0%時価総額78億円
過去52週の値幅
安値¥627高値¥980

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)49.0倍
PER (会社予想)73.5倍
PBR2.81倍

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は8月18日に773円と、7月6日746円から緩やかな上昇基調。25日線739円を4.5%上回り、75日線708円もクリア。直近5日間では8月10日728円→18日773円と約6.2%上昇し、出来高も8月17日・18日に1万株台と増加傾向。52週高値1085円からはまだ距離があるが、年初来-25%の下落から回復局面に入っている。RSI68.7とやや過熱感も出てきた。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割高と判定しています(スコア 25/100)

PERは50.06倍で業界平均22.98倍を大幅に上回り、予想PERは74.9倍とさらに上昇し、成長期待が過度に織り込まれている。PBRは2.86倍で平均3.31倍を下回るが、ROEは5.81%と低く、資本効率が悪い。無配で、配当利回りは0%と業界平均2.31%を大きく下回り、株主還元が乏しい。直近の利益は横ばいで、収益成長も緩慢であり、現在の高評価は割高と言わざるを得ない。バリュエーションは割高と判断する。

指標この会社業種平均
PER (実績)49.0倍23.4倍
PER (予想)73.5倍
PBR2.81倍3.51倍
ROE5.8%12.5%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

再生医療の産業化に期待が集まる一方、収益化までの距離が課題。強気派は、他家細胞というスケーラブルな技術と、神経疾患というアンメットニーズの大きさに着目。弱気派は、売上高が28億円と小さく、最終利益も2億円と利益率が低いことから、実用化までの不確実性を懸念。2026年3月期の減益予想も重しとなる。

プラスに働く材料7
  • 技術の独自性

    他家細胞を用いることで他家からの提供が可能となりスケールメリット

  • アンメットニーズ

    中枢神経疾患や脊髄損傷は治療法が限られており需要が見込める

  • 成長の可能性

    売上高は21億円から28億円へ増加、事業拡大中

  • 純利益4億円回帰でPER20倍へ2027年3月期影響

    2025/3期純利益4億円、今期2億円。4億円に戻れば時価総額79億円でPER約19.8倍

  • 売上高28億円と3期連続増収2026年3月期影響

    売上高は25→27→28億円と増収、慎重な事業拡大が続く

  • 営業利益2億円の計上で黒字基盤2026年3月期影響

    営業利益2億円、売上高28億円で営業利益率7.14%と収益性が明確

  • 株価1年で25%下落した押し目不定影響

    1年間で株価が25.1%下落、下落幅に反発余地がある

マイナスに働く材料7
  • 収益性の低さ

    2026年3月期最終利益は2億円と減少、利益率は低い

  • 実用化の不確実性

    再生医療製品は承認や商業化に長い時間とコストがかかる

  • 市場規模の小ささ

    売上高は28億円で、成長軌道としてはまだ小さい

  • 予想PER74.9倍とバリュエーション過大2027年3月期影響

    時価総額79億円を予想PER74.9倍で割ると純利益約1.1億円、更なる減益を織り込み

  • 無配当と株主還元の手薄継続影響

    配当利回り0%で株主への利益還元がなく、長期投資家の支持を得にくい

  • ROE5.81%と資本効率の低さ通年影響

    ROE5.81%はPBR2.86倍に見合う利益創出力でなく、評価修正の懸念

  • 外国人所有1.3%の低調な需給不定影響

    外国人所有比率1.3%と低く、機関投資家の売買が少ない

次の決算で確かめる点
開発パイプライン進捗
製品実用化までの進捗が将来の収益に直結するため
売上高の成長率
事業の拡大テンポを測るため
研究開発費比率
将来の競争力の源泉となる投資を把握するため

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり0いまの株価に対する利回りは0.00%。

年間配当
¥0
1株あたり
配当利回り
0.00%
いまの株価に対して
配当性向
66.4%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
0年
増配か維持が続いた年数
次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ6,175人。区分でいちばん多いのは事業法人72.7%。グループ会社や銀行などの安定株主が72.7%を占め、残る27.3%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
事業法人91.274.374.274.072.472.7
個人・その他8.115.012.513.216.024.8
自己株式0.71.7
外国法人0.73.54.43.12.01.3
証券会社0.91.82.01.61.1
外国人個人0.00.00.00.1
金融機関6.37.27.78.00.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01株式会社日本トリム70.02
02名古屋中小企業投資育成株式会社1.64
03山本邦松0.88
04Supercell Biotechnology Corporation(常任代理人 矢尾重雄)0.68
05ステムセル研究所従業員持株会0.64
06若松茂美0.51
07清水崇文0.50
08楽天証券株式会社0.45
09仲博之0.42
10尾林雅夫0.32

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 10期分

1株利益は10期で−100%、1株純資産は10期で−100%。直近期のROEは5.8%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%PER
2017年3月15,510110,73915.1
2018年3月10,003120,7428.6
2019年3月1510115.7
2020年3月2912924.8
2021年3月61364.8
2022年3月132057.8152.1
2023年3月192249.0130.1
2024年3月3026312.565.2
2025年3月3825814.536.0
2026年3月152665.849.6

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある

経営陣

9名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は9名。2026/3期の役員報酬は総額76百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約10倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
清水崇文代表取締役 社長5351,400
山田智男取締役811,000
安藤公秀取締役664,000
大久保由美取締役50
長江賢常勤監査役64
藤川義人監査役56
森澤夕子監査役5330,000
坂井和夫79
茅野圭取締役49

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数賞与百万円退職慰労百万円その他百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)1212365050
社外取締役626264

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容7,155字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 当社グループは、再生医療・細胞治療分野における利用を目的とした「さい帯血」及び「さい帯」等の周産期組織由来細胞のバンク事業を行っております。 株式会社ステムセル研究所において「さい帯」や「さい帯血」等の周産期組織由来の細胞バンク事業の展開及びそれらの細胞等を利用した新たな治療法の開発を行うとともに、子会社であるSTEMCELL INNOVATIONS PTE. LTD.(シンガポール)及び株式会社ミルケアの2社を通じて、海外でのさい帯・さい帯血保管事業及び当社の事業に関連する新規分野の事業を推進しております。 なお、当社グループは「細胞バンク事業」の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っていません。 (1)さい帯血とさい帯について お母さんと赤ちゃんをつなぐ“へその緒”は「さい帯」、さい帯や胎盤に含まれる血液は「さい帯血」と呼ばれ、いずれも赤ちゃんに由来する組織・細胞です。さい帯血及びさい帯には、再生医療分野において炎症抑制や組織修復への関与が研究されている細胞が含まれており、自己又は家族由来細胞を活用した研究及び医療利用への応用が期待されています。また、さい帯血・さい帯は長期保存が可能であることから、将来の医療利用に備えた保管ニーズがあります。さらに、さい帯血・さい帯は、出産後にお母さん及び赤ちゃんへの追加的侵襲を伴わず採取可能であり、通常は医療廃棄物として処理される組織を活用することから、再生医療分野における研究開発及び治療技術開発への活用が進められています。 (2)さい帯血バンクについて さい帯血には、血液の源となる造血幹細胞や、免疫調節に関与する細胞等が含まれております。さい帯血は、出産時に侵襲なく採取可能であり、長期間の凍結保管が可能であることから、白血病等の血液疾患に対する造血幹細胞移植に活用されております。 近年では、血液疾患以外にも、小児の中枢神経系疾患(低酸素性虚血性脳症、脳性麻痺等)や自閉症スペクトラム障害等を対象として、再生医療・細胞治療分野における臨床研究が国内外で進められており、安全性及び有効性の可能性を示唆する報告がなされております。 さい帯血バンクには、「公的さい帯血バンク」と「民間さい帯血バンク」があります。公的さい帯血バンクは、「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律」(以下、「造血幹細胞移植推進法」という)に基づき、妊産婦から無償で提供を受けたさい帯血を、白血病等の移植治療を必要とする患者向けに保管・提供する非営利事業です。2026年3月31日現在、厚生労働大臣の許可を受けた公的さい帯血バンクは全国に6施設あります。一方、民間さい帯血バンクは、本人又は家族による将来的な研究利用及び医療利用の可能性を想定し、有償でさい帯血を保管する事業です。 民間さい帯血バンクについては、厚生労働省健康局より「臍帯血取扱事業の届出」の提出が要請されております。2026年3月現在、当該届出を行っている民間さい帯血バンク事業者は当社を含め2社であり、当該2社のさい帯血保管総数は95,821件、そのうち当社保管総数は95,005件となっております(厚生労働省健康局「臍帯血の引渡し実績等に関する報告」(2025年3月31日時点)より)。 なお、造血幹細胞移植推進法の対象外となるさい帯血利用については、再生医療等を目的とした臨床研究又は自由診療において、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」(以下、「再生医療等安全性確保法」という)に基づき、再生医療等提供計画を作成の上、「特定認定再生医療等委員会」又は「認定再生医療等委員会」(注1)の審査を経て、厚生労働大臣へ提供計画を提出し実施する必要があります。 2026年3月31日現在、当社顧客へのさい帯血引渡件数(実利用件数)は、血液疾患2件及び再生医療等分野43件となっております。 (出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/ bunya/kenkou_iryou/kenkou/ishoku/saitaiketsu.html)) (3)さい帯バンクについて さい帯には、再生医療・細胞治療分野において研究が進められている間葉系細胞が含まれております。間葉系細胞は、さい帯のほか、骨髄、脂肪及び歯髄等から採取可能でありますが、さい帯は出産時に侵襲なく採取可能であることから、再生医療分野における細胞源の一つとして利用されております。また、炎症抑制作用や組織修復への関与が研究されており、炎症性疾患等を対象とした研究開発及び臨床研究が国内外で進められております。さらに、間葉系細胞は複数の細胞系譜へ分化可能な性質を有することから、細胞・組織再生分野における研究開発も進められております。 なお、間葉系細胞は免疫調節作用を有するとされており、他家さい帯由来間葉系細胞を用いた研究開発も進められておりますが、当社グループは、自家さい帯を活用した研究利用及び医療利用の可能性に着目し、さい帯保管事業を推進しております。 当社は、2021年4月より「さい帯(へその緒)組織保管サービス」を開始しております。2026年3月現在、当社グループが把握する限り、国内において民間企業によるさい帯保管事業を展開する事業者は当社のみとなっております。 なお、さい帯保管は、「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律」の対象外であり、公的さい帯バンクは存在しておりません。また、臨床研究又は自由診療における再生医療等を目的としたさい帯利用については、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」に基づき実施されます。 (4)当社グループの「細胞バンク事業」について 当社は、顧客(妊婦等)と「さい帯血分離保管委託契約」及び(又は)「さい帯保管委託契約」を締結し、国内のさい帯血・さい帯採取協力病院(大学病院、産科クリニック等)において採取されたさい帯血・さい帯を回収の上、自社の細胞処理センター(CPC:東京都港区及び横浜市緑区)へ輸送しております。 CPCに搬入したさい帯血・さい帯については、クリーンルーム内において無菌的操作による処理を行い、長期保管に適した状態に加工した上で、自社の細胞保管センター(横浜市緑区)に設置した超低温タンクにて長期保管しております。 委託契約に係る収益は、さい帯血・さい帯の分離料、検査料、登録料及び細胞保管料等により構成されており、初年度契約収益及び次年度以降の継続保管収益を収受する事業構造となっております。なお、さい帯血・さい帯の採取については、採取協力病院に対して採取技術料を支払っております。 また、当社グループは、主幹事業であるさい帯血・さい帯保管事業に加え、細胞保管に関するノウハウ及びインフラを活用した医療関連支援事業及び新たな保管サービスの開発に取り組んでおります。医療関連支援事業としては、卵子保管業務の受託や、多発性骨髄腫患者を対象とした寛解期末梢血造血幹細胞の保管受託を行っております。 また、新たな保管サービスとして、保管されたさい帯血の一部を活用したiPS細胞作製及び保管サービスの検討を進めております。 (5)品質管理体制 当社は、細胞バンク事業における品質管理体制の整備の一環として、2011年より品質マネジメントシステムに関する国際規格である「ISO9001」の認証を取得しております。また、国際的な品質基準への適合を目的として、2019年7月には、さい帯血保管に関する国際認証基準である「AABB」の認証を取得しております。 ISO9001については毎年、AABBについては2年毎に、第三者機関による品質マネジメントシステムの審査を受けており、2026年3月現在、各認証を維持しております。 また、国内規制対応として、2016年2月に東京細胞処理センター、2021年3月に横浜細胞処理センターにおいて、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」に基づく構造設備基準について、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)の実地調査を経て、特定細胞加工物製造許可を取得しております。 (6)保管したさい帯血の利用状況 さい帯血の利用領域の拡大や利用実績の蓄積は、さい帯血保管に対する顧客認知に影響を与える要素であり、また当社グループの事業との関連性も高いことから、当社保管さい帯血に関連する主な利用事例及び研究事例について記載します。 <臨床研究> 2017年1月に高知大学医学部附属病院で開始された「小児脳性麻痺など脳障害に対する自家臍帯血単核球細胞輸血」の第Ⅰ相臨床研究では、当社保管細胞が使用され、2018年4月に6例への投与が完了しております。その後、約3年間の経過観察を経て、2022年11月に論文が公表されております。 また、自家臍帯血を用いたさらなる有効性評価を目的とした第Ⅱ相臨床研究が計画されており、2024年2月に大阪大学第一特定認定再生医療等委員会において実施計画が審査されております。さらに、当該研究については、先進医療Bとしての実施に向け、厚生労働省先進医療会議において継続審議が行われております。 当社保管細胞が使用される他の臨床研究としては、2020年10月5日付でjRCT(臨床研究実施計画・研究概要公開システム)に公表された「小児脳性麻痺など脳障害に対する同胞間臍帯血有核細胞輸血」及び「小児脳性麻痺など脳障害に対する同胞間臍帯血単核球細胞輸血」があり、この第Ⅰ相臨床研究は、研究終了後、2025年10月に論文が公表されております。 さらに、大阪市立大学医学部(現 大阪公立大学医学部)がAMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)の支援を受け実施した「低酸素性虚血性脳症(HIE)に対する自己臍帯血幹細胞治療(第Ⅰ相)」については、論文公表後、第Ⅱ相多施設共同臨床研究が開始されております。当該臨床研究の予定症例数15例のうち、10例については、当社が細胞加工(さい帯血の細胞分離及び輸送)を受託しております。2026年3月現在の登録症例数は1例となっております。 日本で実施されている臨床研究(当社が細胞の処理・提供を行っているもの) 対象疾患   実施施設   フェーズ   症例数   ステータス 脳性麻痺等   高知大学医学部附属病院(自家単核球細胞投与)   Ⅰ(注2)   6例   終了(論文発表済)Brain Dev 2022Nov;44(10):681-689. 高知大学医学部附属病院(同胞間有核細胞投与)   Ⅰ(注2)   5例   被験者募集終了 低酸素性虚血性脳症   大阪公立大学医学部附属病院他   Ⅰ(注2)   6例   終了(論文発表済)Sci Rep.2020 Mar 12;10(1):4603 Ⅱ(注3)   15例   被験者募集中 自閉症スペクトラム障害   大阪公立大学医学部附属病院   Ⅰ(注2)Ⅱ(注3)   20例   被験者募集終了 ※ 症例数は変更される可能性があります。また、各臨床研究は研究者の方針、診療結果により、延期・中止となる可能性があります。 <治療等> 米国デューク大学では、脳障害に対するさい帯血投与について、臨床研究及びExpanded Access Protocol(EAP:拡大アクセス制度)を通じた研究的治療が実施されております。2017年10月以降、国内外の患者を対象として、自家又は同胞さい帯血を用いた投与が行われております。2021年9月公表のレポートでは、464名の患者が当該拡大アクセス制度においてさい帯血投与を受けております。当社保管者においても、2026年3月現在、18名が当該制度を通じて米国でさい帯血投与を受けております。 当社グループは、これらの対応を通じ、さい帯血の国際輸送及び関連手続に関する実務ノウハウを蓄積しております。また、参加を希望される保管者に対し、関連情報の提供を行っております。 また、2024年11月には、免疫不全症を有する患者に対し、当社保管さい帯血を用いた同胞間造血幹細胞移植が実施されました。当該移植の実施に際しては、実施医療機関における倫理審査及び当社保管さい帯血の品質に関する検討が行われた上で移植に至っております。 さらに、民間さい帯血バンクで保管された同胞さい帯血の移植については、実施医療機関への確認の結果、診療報酬制度の対象となったことが確認されております。 (7)保管したさい帯の利用状況 保管したさい帯組織は、融解し、組織を培養液に浸し培養することにより、間葉系細胞を得ることができます。再生医療においては、間葉系細胞自体を投与する方法の他、間葉系細胞を必要な体組織に変化(分化)させ使用する方法や、間葉系細胞が分泌する成分(各種タンパク質やエクソソーム等)を使用する方法などが期待されています。 当社グループは、間葉系細胞の培養技術を有していることから、2023年6月より、保管したさい帯組織の間葉系細胞の培養及び分泌物(以下、培養上清という)の製造について、医師からの製造依頼に基づく製造受託サービスを開始しました。堅調に受託数を増やし、2026年3月現在までに、37件の製造を受託しております。 細胞自体を投与せず、培養上清やエクソソームを自由診療において使用することについては、2026年3月現在、再生医療等安全性確保法の対象ではありませんが、関連学会等から注意喚起がなされていることから、委託元へ適切な取り扱いを推奨しております。なお、当社グループでは、製造した培養上清について生産物賠償責任保険に加入しております。また、当社グループにおける本製造サービスに関する宣伝広告等の情報は、有識者の見解を踏まえ作成しております。 (8)細胞処理センター(CPC)について ①東京CPC 東京CPCは、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」に基づき、2016年2月に厚生労働省(関東信越厚生局)より特定細胞加工物製造許可を取得しており、2026年3月現在も当該許可を維持しております。 東京CPCでは、主として、さい帯血に含まれる幹細胞の分離、調製及び凍結処理を行っております。また、ISO9001及びAABBの認証を取得し、品質マネジメントシステムに基づく運営を行っております。 ②横浜CPC 横浜CPCは、さい帯血及びさい帯の保管需要への対応を目的として2021年3月に開設し、同月に厚生労働省(関東信越厚生局)より特定細胞加工物製造許可を取得しております。2026年3月現在も当該許可を維持しております。 横浜CPCは、再生医療等製品製造に必要となる設備要件等を考慮して設計しており、保管細胞の培養、加工及び製品化研究への対応に加え、各種細胞・組織の受け入れを想定した施設となっております。横浜CPCにおいても、東京CPCと同様にISO9001及びAABBの認証を取得し、品質マネジメントシステムに基づく運営を行っております。 2026年3月現在、東京CPC及び横浜CPCにおける月間受入可能検体数は、さい帯血及びさい帯について、それぞれ1,000~1,500検体程度となっております。 (9)細胞保管センター(CCC)について 細胞保管センター(CCC)は、新耐震基準に基づき設計された施設(ジャーマンインダストリーパーク)内に所在しております。CPCで処理したさい帯血及びさい帯は、CCC内の液体窒素タンクにて保管しております。CCCは、2026年3月現在、第一CCC~第三CCCまで増設しております。2012年に第一CCCを開設し、その後、2021年6月に第二CCC、2025年5月に第三CCCを同施設内に開設しております。2026年3月現在、CCC全体の保管キャパシティは約20万検体(全容量をさい帯血保管に使用した場合)となっております。 また、長期的な保管体制の確保を目的として、2025年2月に神奈川県横浜市内の土地を取得しております。当該土地については、将来的な保管施設用地等としての活用を含め検討しておりますが、具体的な用途については、今後の事業環境その他の要因を踏まえ判断してまいります。 (注1)再生医療等技術や法律の専門家の有識者からなる合議制の委員会で、特に高度な審査能力、第三者性を有するもので、一定の手続きにより厚生労働大臣の認定を受けたものをいいます。 (注2)第Ⅰ相試験は、主として安全性の評価を目的として実施されるものです。 (注3)第Ⅱ相試験は、探索的に有効性及び安全性を評価することを目的として実施されるものです。 [事業系統図] また、当社は「細胞バンク事業」の単一セグメントでありますが、売上高は「技術料」、「保管料」、「その他」の3つから構成されております。 ① 技術料 細胞分離及び細胞処理の際に必要となる分離料、検査料及び登録料を技術料として分類しております。 ② 保管料 細胞保管料を保管料として分類しております。保管料は契約時に契約年数に応じた保管料総額を前受金として計上し、保管期間の経過に応じて年間の保管料を毎期収益として計上しております。 ③ その他 上記の他、契約更新時の更新手数料等をその他として分類しております。
経営方針・対処すべき課題2,949字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。 (1) 経営の基本方針 当社グループは「あたらしい命に、あたらしい医療の選択肢を。」をコーポレートスローガンに掲げ、産婦人科施設との強固なネットワークを活用し、再生医療・細胞治療を目的とした「さい帯」や「さい帯血」等の周産期組織由来の細胞バンク事業を展開しております。 当社グループは、 ・国内市場における細胞バンク事業の安定的な成長 ・シンガポールを起点とした東南アジア市場の開拓 を成長戦略の二本柱と位置付け、中長期的な事業拡大を推進しております。 また、これらの事業基盤を活用し、再生医療・細胞治療分野における新たな治療法の開発に加え、関連領域における事業開発や投資にも取り組むことで、事業領域の拡大と収益機会の多様化を図り、グローバルかつサステナブルな成長と社会への貢献を目指しております。 (2) 目標とする経営指標 当社は、「細胞バンク事業」の単一セグメントのため、事業の状況を的確かつ容易に把握する上で、年間保管(売上)検体数をベンチマークとし、年間保管(売上)検体数増加を目指し、事業規模拡大に努めて参ります。また「細胞バンク事業」の安定した運営のため、内部留保を充実させ、自己資本比率を高めて参ります。 当社におけるさい帯血及びさい帯保管(売上)検体数 期別   さい帯血※1   さい帯※2 保管検体数(新規)   保管検体数(累計)   保管検体数(新規)   保管検体数(累計) 2022年3月期   6,907  検体   70,096  検体   823  検体   823  検体 2023年3月期   7,564  検体   77,660  検体   1,369  検体   2,192  検体 2024年3月期   8,559 検体   86,219  検体   1,968  検体   4,160  検体 2025年3月期   8,464 検体   94,683  検体   2,913  検体   7,073  検体 2026年3月期   7,357 検体   102,040 検体   5,062  検体   12,135 検体 ※1 上表に記載のさい帯血の検体数は、厚生労働省への「臍帯血取扱事業の届出」記載の検体数より、売上に計上していない無料保管分を除いた検体数を記載しています。 ※2 さい帯保管契約を締結した検体数を記載しています。 (3) 中長期的な会社の経営戦略 当社グループは、2026年5月に中長期の持続的な業績拡大に向けた中期経営計画を公表いたしました。当該計画において、当社グループは2030年3月期に向け、 ・国内市場における細胞バンク事業の安定的な成長 ・シンガポールを起点とした東南アジア市場の開拓 を成長戦略の二本柱と位置付け、中長期的な事業拡大を推進しております。 この中期経営計画の達成に向け、「国内事業基盤の強化」「海外展開の推進」「臨床応用・利用拡大」の3つを重点戦略として推進してまいります。 (4) 経営環境及び対処すべき課題 ① 経営環境について 再生医療分野に対する関心が高まる環境のもと、当社グループは、日本における出生率が継続的に減少する状況においても売上高増収を継続しております。当社グループの「さい帯血」「さい帯」の累計保管数は2026年3月末現在で11万検体を超え、国内有数の細胞保管基盤を有しております。この基盤とノウハウを生かし、周産期関連由来細胞の保管意義の訴求と、東南アジアを中心としたグローバルへの展開を通じて、事業の拡大を図ってまいります。 ② 事業上及び財務上の対処すべき課題について 当社グループは、中期経営戦略を推進するにあたり、下記の3点を重点課題と捉え対処して参ります。 1.国内事業基盤の強化 将来的には現在の約2.5倍にあたる年間保管検体数20,000検体(出生数の3%)をめざしております。この目標に向け、医療機関との連携の一層の強化、Web・SNSを活用したオンラインマーケティング、リアルイベントの全国展開等を推進してまいります。さらに「保管料5年分無料キャンペーン」を2026年6月まで実施し、資料請求数及び成約率の向上を図ってまいります。 また、基幹システムの老朽化対応及び業務効率化のため、かねてより準備を進めてきたシステムのリプレースを2027年3月期に実施する予定です。 2.海外展開の推進 STEMCELL INNOVATIONS PTE. LTD.のCPC(細胞処理センター)及びCCC(細胞保管センター)について、2026年6月に完成の後、MOH(保健省)の事業許可を得て2027年3月期半ばの稼働開始を予定しております。今後は、まずシンガポール及びインドネシア・ジャカルタ近郊を中心にマーケティング活動を本格化させるとともに、中期的には東南アジア全域への展開を進めてまいります。 東南アジア地域では、所得水準の上昇や健康意識の高まりを背景に、さい帯・さい帯血保管市場の拡大が見込まれており、同市場は2032年まで年平均成長率約16.8%で成長するとの推計※もあります。当社グループは、最先端設備と日本品質による安全性・信頼性を強みに、シンガポールを起点として、東南アジア地域において存在感のあるプレイヤーとなることを目指してまいります。シンガポール(想定市場規模6,000件/年)およびインドネシア(想定市場規模3,000件/年)においては、将来的に50%のシェアを獲得することを目標としています。 ※Credence Research社による推計 3.さい帯・さい帯血の臨床応用・利用拡大 再生医療領域においては、大阪公立大学及び高知大学におけるさい帯血を用いた臨床研究、米国デューク大学による脳性麻痺児等へのさい帯血投与プログラムへの支援を継続してまいります。 さらに、大学等との共同・協力による先進的な研究開発・臨床研究にも継続的に取り組んでおります。具体的には、国際医療福祉大学医学部眼科学教室及び医療法人社団栄和会と共同で、さい帯間葉系細胞由来培養上清を用いた新たな眼疾患治療の開発を進めております。 また、医療機関と連携し、さい帯・さい帯血を利用した第二種再生医療等提供計画の具体化に向けた取り組みも推進しております。 加えて、株式会社iPSポータルと共同で、自家さい帯血由来iPS細胞の製造・保管サービスの実用化に向けた検討を進めるほか、さい帯由来培養上清液の美容・自由診療領域での利用拡大にも取り組み、保管細胞の活用機会拡大を図ってまいります。 これらの研究開発の進展により、保管した細胞の活用領域は今後さらに拡大していくものと考えております。従来、さい帯・さい帯血保管は「万一の場合に備えた将来への備え」として認識される側面がありましたが、今後は再生医療や自由診療等における具体的な活用を前提とした保管ニーズへと変化していくことが期待され、これに伴い保管需要のさらなる拡大を見込んでおります。
事業等のリスク4,729字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。 (1) 治療効果が確認されないリスクや他に有効な治療法が出現する等のリスクについて 当社グループの顧客は、現在研究が進められている「さい帯血」及び「さい帯」を用いた再生医療が開発され使用できることを想定して保管サービスを契約しております。一方で研究の過程では、新たな課題が生じることや、臨床利用に関わる審査の長期化等が起こり、想定通りに進捗しない可能性があります。また、有効性評価が長期化する可能性や、有効性が明らかにならない可能性があります。研究が想定通りに進捗しない場合や、有効性がないことが明らかとなった場合、また、その他の新たな治療法が出現した場合には、「さい帯血」及び「さい帯」の保管目的に関する訴求力に影響し、新規保管者が減少するリスクがあります。当該リスクが顕在化した場合、経営成績に影響を及ぼし、長期化した場合は事業継続が困難になる可能性がありますが、仮にリスクが顕在化する場合、その時期の見込みは、長期的な将来と予測しております。 当該リスクへの対応策として、「さい帯血」及び「さい帯」を用いた新たな治療法の開発や応用拡大について、アカデミアや再生医療等提供医療機関をパートナーとし、事業開発パイプラインを複数設定し、継続的に「さい帯血」及び「さい帯」の可能性を訴求しております。 (2) 法的規制等に関して 当社グループは、臨床研究や自由診療において「さい帯血」や「さい帯」を用いることを目的のひとつとした細胞バンク事業者であるため、「再生医療を国民が迅速かつ安全に受けられるようにするための施策の総合的な推進に関する法律」および「再生医療等安全性確保法」に則り、事業許可を取得し事業活動を行っております。また「さい帯血」の取り扱いについては、「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律」の定めに従っております。 細胞の加工や施設の運用においては、予期しない逸脱や事故が発生する可能性があり、特に人体への影響が懸念される場合においては、一時的に関連する事業活動が停止するリスクがあります。また、許可の停止又は取消し事由に該当した場合、一時的に関連する事業活動が停止するリスクがあります。仮に、当該リスクが生じた場合、経営成績に影響を及ぼし、長期化した場合は、事業継続が困難になる可能性があります。 また、共通法令(業界固有規制を含む)の改正・強化又は新たな法規制が制定された場合は、追加的な対応や、事業への何らかの制約が生じるリスクがあります。当該リスクが生じた場合は、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応策として、内部監査の実施及び第三者認証監査(ISO9001認証、AABB認証、プライバシーマーク制度)の導入により、法的規制への適合性と品質マネジメントシステムの健全性を定期的に確認しております。また、特に業界固有規制に関する動向を把握するために、学会や業界団体に入会し積極的に情報を収集しております。 (3) 再生医療等安全性確保法について 当社グループの取り扱う「さい帯血」は、再生医療等安全性確保法において、第二種再生医療等に区分されており、その処理を行うにあたり、細胞培養加工施設における「特定細胞加工物製造許可」の取得が義務づけられ、当社はその許可を取得しております。特定細胞加工物製造許可は当社の主要な事業活動を継続する上で不可欠な許可であり、本書提出日までの間において、取消事由は発生しておりません。しかしながら、将来において、当該許可の取消等があった場合には、主要な事業活動に支障をきたすとともに当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、当該リスクが顕在化する可能性は低く、発生時期は中長期的な将来と予測しております。仮に顕在化した場合、経営成績及び財務状態に重大な影響度を及ぼし、事業継続が困難になる可能性があります。そこで対応策として、構造設備基準への適合状況に関して、内部監査ISO9001に係る内部監査及びAABB査察(2年に1回)により、再生医療等安全確保法やAABBで求められる基準への不適合事項が無いか定期的に確認しております。 (許認可の状況) 許認可の名称   有効期間   規制法令 特定細胞加工物製造許可 (施設番号:FA3150022)   2026年1月28日~2031年2月4日(初回取得 2016年2月5日)   再生医療等の安全性の確保等に関する法律 特定細胞加工物製造許可 (施設番号:FA3200007)   2026年3月5日~2031年3月11日(初回取得 2021年3月12日) (4) 風評被害に関して 近年、当社グループの事業分野である「再生医療」に関する世の中の関心が高まる中、当社グループ以外の事例であっても、再生医療の医療事故や違反等の事実がマスメディア等に取り上げられた場合、また、SNS等でネガティブな情報が蔓延した場合、当社グループを含めた業界全体が風評被害を受けるリスクがあります。仮に、当該リスクが生じた場合、経営成績に影響を及ぼし、長期化した場合は、事業継続が困難になる可能性があります。 当社グループは、風評被害を受ける可能性のある事例に対し速やかに対応策を検討できるよう、学会や業界団体に入会し、適切な情報収集に努めております。また、風評被害を受ける可能性のある事例が発生した場合には、プレスリリース及び適時情報開示等により、発生した事実と当社グループとの関係を公表することで、風評被害等を最小限に低減するよう対処します。しかしながら、このような対処・対応策にも関わらず、風評被害が発生・拡散した場合、当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 少子化に関して 2025年に日本で生まれた子どもの数(出生数)は67万1236人と、前年に引き続き減少したことが厚生労働省人口動態統計で公表されています。また、国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口」(平成29年推計)によると、我が国の出生数は今後も減少を続けると推計されています。出生数の想定を上回る減少は、「細胞バンク事業」のマーケットの縮小につながり、将来の事業や業績に影響を与える可能性があります。 当社グループは、日本における保管率の拡大に努めるとともに、シンガポールを中心とした東南アジアへ事業を拡大し、当該リスクへの対応を進めております。 (6) 個人情報の漏洩に関して 当社グループは、さい帯血の保管に際して秘匿性の高い個人情報を取得しているため、日本産業規格「JIS Q 15001個人情報保護マネジメントシステム-要求事項」の中でもより厳格な、保健医療福祉分野のプライバシーマーク(MEDIS)制度に基づき、入手した個人情報の管理に努めております。しかしながら、何らかの理由で個人情報の漏洩や不正使用等が発生した場合、社会的信頼の低下や賠償金の支払い等により、当社グループの事業や業績に影響を及ぼし、事業の継続が困難となる可能性があります。 (7) 自然災害等、不測の事態等に関するリスクについて 当社グループの事業において、細胞処理センター及び細胞保管センターは必須のインフラであります。また「さい帯血」及び「さい帯」の処理作業に必要な試薬や長期保管用タンクの冷却用液体窒素は必須のリソースであります。 これらのインフラ及びリソースにおいては、自然災害等の不測の事態により、予期せずに稼働・供給が停止するリスクがあります。仮に当該リスクが顕在化した場合、経営成績に影響を及ぼし、長期化した場合は、事業継続が困難になる可能性があります。 当該リスクについては、主として、地震による建物の破損・倒壊、長期的な停電、試薬や液体窒素の納入の途絶が挙げられ、それぞれに対し、以下の対応策を講じております。 主なリスクへの対応策 地震による建物の破損・倒壊 新建築基準に適合した建物を選定し細胞保管センターを施工しております。細胞保管センターの所在する建物は、耐震性診断においてA判定(三段階評価の最上で“耐震性に優れている”)、構造耐震指標 is値は0.821(is値が0.6以上は倒壊、又は崩壊する危険性が低いとされる)と判定されており、これは震度6~7程度の規模の地震において、倒壊、又は崩壊する危険性が低い分類となります。 長期的な停電 自社専用の非常用発電機を設置しており、復旧後直ちに業務を再開するために必要な機器の機能を維持することが可能です。なお、細胞の保管タンクについては、冷却用液体窒素により保冷されるため、監視装置の他に電力を必要としておりません。 試薬や液体窒素の納入の途絶 重要度及び納期に応じ、適切な在庫を確保しております。特に、液体窒素については、液体窒素製造プラントを複 数持つ大手ガス会社と常時取引きすることで、有事の際でも滞りなく液体窒素を入手できる購買体制としております。 (8) 人為的なミスによるリスクについて 当社グループの主事業である「細胞バンク事業」は、細胞の輸送、分離、保管作業等において手作業によるものが多く、人為的なミスを防ぐ為、ISOやAABB、Pマーク等の外部認証制度を積極的に取り入れ、チェック体制の整備に取り組んでおりますが、何らかの人為的なミスにより、当社の事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 特定人物への依存 当社の代表取締役である清水崇文は、医療関連事業全般に関する豊富な知識と経験、ネットワークを有しており、経営方針や事業戦略の決定等、事業継続の上で重要な役割を果たしております。当社グループは人材の確保・育成を進め、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。しかしながら、何らかの事情により、同氏が当社グループから離職した場合、または十分な業務執行が困難となった場合には、事業や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (10) 親会社との関係について ① 資本的関係について 当社は、㈱日本トリム(東証プライム上場)の企業グループに属しており、同社は当社の議決権の71.3%を保有する親会社であります。当社は親会社への事前承認事項はなく、独自に経営方針・政策決定及び事業展開についての意思決定を行っておりますが、同社は、当社の筆頭株主として基本事項に関する決定権又は拒否権を保有しているため、当社グループの意思決定に対して同社が影響を与える可能性があります。 ② ㈱日本トリム及びそのグループ会社との取引関係について 当社グループは、㈱日本トリム及びそのグループ会社と取引を行っており、当連結会計年度における主な取引は、次のとおりとなっております。 ・ 機器購入について 当社グループは、㈱日本トリムの子会社であり研究用機器の製造販売を主な事業内容とする、ストレックス㈱から検体を緩慢凍結する機器の購入や機器のメンテナンス作業のサービス提供を受けておりますが、取引に当たっては他のメーカーと性能、価格優位性を慎重に考慮し取引を行っております。 なお、当連結会計年度における取引金額は、3,998千円であります。
経営成績の分析 (MD&A)5,666字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較・分析の記載はしておりません。なお、文中の将来に関する事項については、本書提出日現在において判断したものであります。 また当社グループは、「細胞バンク事業」の単一セグメントのため、セグメントごとの記載を省略しております。 (1) 経営成績等の状況の概要 当社グループは、株式会社ステムセル研究所において「さい帯」や「さい帯血」等の周産期組織由来の細胞バンク事業の展開及びそれらの細胞等を利用した新たな治療法の開発を行うとともに、子会社であるSTEMCELL INNOVATIONS PTE. LTD.(シンガポール)及び株式会社ミルケアの2社を通じて、海外でのさい帯・さい帯血保管事業及び当社の事業に関連する新規分野の事業を推進しております。子会社における事業の本格化により業績への寄与が拡大することから、当連結会計年度の第2四半期(中間期)より連結決算へ移行いたしました。 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。 当連結会計年度は、保管検体数の増加に向けて、産婦人科施設との連携強化及びWEB広告運用の最適化を継続的に実施し、妊婦及びそのご家族への認知拡大を推進いたしました。また、対面チャネルとして複数のマタニティ・ベビー関連イベントへ出展し、顧客との接点拡大にも取り組みました。 2024年11月に開始した新保管プラン「HOPECELL」は、さい帯血とさい帯の両方を採取・保管することで、出産時にしか得られない細胞をより確実に保管できるサービスであり、市場への浸透が順調に進んでおります。「HOPECELL」導入によりさい帯・さい帯血合わせた総保管数が大きく伸び、2026年3月末時点の累計保管検体数(創業以来)は11万件を超えました。保管契約の年数にわたって毎年保管料売上を計上するため、保管検体数の増加は、ストック収益として当社の安定した収益の基盤になります。 また、「HOPECELL」開始1周年を記念し、2025年12月下旬より10年保管及び20年保管プランを対象とした「保管料5年間分無料キャンペーン」を実施した結果、資料請求数が増加いたしました。 東南アジア事業においては、STEMCELL INNOVATIONS PTE. LTD.を中心に、シンガポールおよびインドネシア・ジャカルタ近郊を対象とした、さい帯・さい帯血保管事業の立ち上げを推進しております。現在、最新設備を備えたCPC(細胞処理センター)およびCCC(細胞保管センター)の建設は順調に進捗しており、シンガポール保健省(MOH:Ministry of Health)への事業ライセンス申請も完了しております。引き続き、早期のライセンス取得および事業開始に向け、万全の準備を進めております。 また、これらの取り組みは、「日本・シンガポール細胞バンク・医療基盤連携推進事業」として、日本国外務省が認定する「2026年 日・シンガポール国交樹立60周年記念事業」に選定されております。これを契機として、日本とシンガポール間における医療・再生医療分野での連携強化と、アジア地域における細胞バンク事業の発展に貢献してまいります。 国内関連事業では、株式会社ミルケアにおいて、当社のさい帯保管者向けに「ファミリー上清」製造サービスを提供しています。さい帯保管者数の増加を背景に利用者数及び利用件数が着実に拡大し、2026年3月末時点で累計37件の受注を受けております。サービス提供可能な提携クリニックのネットワーク拡充も進めています。 FDA(米国の医薬品規制当局)の認可のもと米国デューク大学が実施している脳性麻痺児等を対象としたさい帯血投与プログラムにおいては、当社でさい帯血を保管されている方々の参加事例が増加しており、さい帯血を用いた治療への活用ルートとして実績が積み上がっております。 再生医療分野における臨床研究としては、大阪公立大学大学院医学研究科発達小児医学教室と共同で進めている「自閉症スペクトラム障害(ASD)に対する自家さい帯血有核細胞を用いた治療法の開発」に関する臨床研究が開始され、複数の患者に対しさい帯血の投与が実施されております。また、高知大学におけるさい帯血を用いた脳性麻痺の臨床研究では、これまでに投与を受けた患者において運動能力の改善などの効果が確認されています。高知大学ではさらに多くの症例を対象とした臨床研究が計画されており、さい帯血を用いた再生医療の可能性が広がることが期待されます。 株式会社iPSポータルと共同で実施している、自家さい帯血由来iPS細胞の製造・保管サービスに向けた共同研究においては、当社で20年以上の長期にわたり凍結保管していたさい帯血から良好なiPS細胞が製造でき、保管されたさい帯血がソースとして優れていることを確認しております。2026年3月開催の再生医療学会でその成果が発表されました。 さらに、2025年12月には、学校法人国際医療福祉大学医学部眼科学教室および医療法人社団栄和会との間で、さい帯間葉系細胞由来培養上清を用いた新たな眼疾患治療の開発に関する共同研究契約を締結しました。本研究では、角膜上皮障害に対する有効性の検証を行い、将来的な臨床応用に向けた基礎的知見の獲得を目指しております。 これらの活動の結果、当連結会計年度における売上高は2,811,344千円、営業利益は202,657千円、経常利益217,447千円、親会社株主に帰属する当期純利益は155,917千円となりました。 ① 経営成績 当社グループの目標とする経営指標は、年間保管(売上)検体数と営業利益率であります。 (売上高) 当連結会計年度の売上高は2,811,344千円となりました。売上高につきましては、国内事業において新保管プラン「HOPECELL」が浸透し、受注が堅調に推移したことにより、過去最高※を更新いたしました。この結果、今期の売上検体数実績は、さい帯血7,357検体、さい帯5,062検体となりました。 ※当社は当連結会計年度より連結財務諸表の作成を開始したため、「過去最高」は、連結前の当社単体の経営成績との比較によるものです。 (売上原価、売上総利益) 当連結会計年度の売上原価は1,099,157千円となりました。将来の事業拡大を見据えた人員増強および賃金改定に伴う人件費の増加に加え、原材料価格の上昇等により、売上原価は増加いたしました。この結果、当連結会計年度の売上総利益は1,712,187千円となりました。 (販売費及び一般管理費、営業利益) 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は1,509,529千円となりました。現在最も注力しているシンガポール子会社における事業立ち上げ費用の影響により、販売費及び一般管理費も増加しております。これは、競合他社の動向等も踏まえ、今後の市場開拓に向けた重要な投資局面と位置付け、先行的な投資を実施していることによるものです。この結果、当連結会計年度の営業利益は202,657千円となり、営業利益率は7.2%となりました。 (営業外収益、営業外費用、経常利益) 当連結会計年度の営業外収益は22,596千円となりました。主な内訳は投資有価証券の受取利息であります。 また、当連結会計年度の営業外費用は7,807千円となりました。主な内訳は支払利息5,448千円、雑損失1,563千円であります。 この結果、経常利益は217,447千円となりました。 (特別利益、特別損失、当期純利益) 当連結会計年度の特別利益は、固定資産売却益の計上により550千円となりました。 当連結会計年度の特別損失は、固定資産除却損の計上により211千円となりました。また、法人税等を86,778千円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は155,917千円となりました。 ② 財政状態 (資産) 資産合計は8,124,841千円となりました。このうち流動資産は5,313,624千円となりました。主な内訳は、現金及び預金2,834,134千円、売掛金2,337,026千円であります。固定資産は2,811,216千円となりました。内訳は有形固定資産1,375,042千円、無形固定資産225,619千円、投資その他の資産1,210,554千円であります。 (負債) 負債合計は5,050,360千円となりました。流動負債は4,532,174千円となりました。主な内訳は、さい帯血・さい帯保管サービスの顧客からの前受金が4,127,448千円であります。固定負債は518,186千円となりました。主な内訳は長期借入金377,061千円であります。 (純資産) 純資産は、3,074,480千円となりました。うち利益剰余金が1,595,391千円、自己株式が200,138千円、連結子会社に係る非支配株主持分が392,434千円であります。 この結果、当連結会計年度末における経営指標である自己資本比率は、33.01%となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、2,834,134千円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における営業活動により得られた資金は、73,509千円となりました。これは主に、税引前当期純利益を217,786千円計上したこと及び保管検体数の増加に伴い前受金が351,303千円増加した一方、売上債権が496,348千円増加したことによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における投資活動に使用した資金は、744,565千円となりました。これは主に、シンガポールにおける新規施設への投資および日本における細胞保管設備の充実のための有形固定資産の取得による支出409,286千円、日本における基幹システム刷新等のための無形固定資産の取得による支出117,541千円、投資有価証券の取得による支出200,000千円があったことによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における財務活動により得られた資金は、231,558千円となりました。これは主に、シンガポール子会社への非支配株主からの払込による収入406,645千円があった一方、自己株式の取得による支出106,008千円があったことによるものであります。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、営業活動により得られた資金を主な財源として運営しております。 また、主な運転資金需要は、さい帯血の分離等に使用する材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用の支払いであり、主な設備投資需要は細胞処理及び細胞保管に係る設備投資資金であります。 ④ 生産、受注及び販売の実績 a 生産実績 当社グループは、生産活動を行っておりませんので該当事項はありません。 b 受注実績 当社グループは、受注生産を行っておりませんので該当事項はありません。 c 販売実績 当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。なお、当社は「細胞バンク事業」の単一セグメントであります。 セグメントの名称   販売高(千円)   前年同期比(%) 細胞バンク事業   2,811,344   - 合計   2,811,344   - (注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10以上の相手先がないため記載を省略しております。 2.販売実績の3つの構成の「技術料」、「保管料」、「その他」別の売上は次のとおりであります。 構成   販売高(千円)   前年同期比(%) 技術料   2,226,568   - 保管料   526,077   - その他   58,698   - 合計   2,811,344   - (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、これらについては、過去の実績や現在の状況等を勘案し、合理的と考えられる見積り及び判断を行っております。ただし、これらには見積り特有の不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。 なお、当社グループが連結財務諸表を作成するにあたり採用した重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。 ② 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営者の視点による経営成績成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、(1) 経営成績等の状況をご参照ください。 ③ 経営成績に重要な影響を与える要因について 経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」をご参照下さい。 ④ 経営者の問題意識と今後の方針について 経営者の問題認識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

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