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日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,053.44+287ドル円158.79-1NASDAQ26,229.57+130S&P 5007,675.19+44SOX 指数11,376.79+889/2終値

松屋

MATSUYA CO., LTD.8237 · Prime · 小売業

銀座・浅草を拠点とする老舗百貨店。百貨店業と周辺サービスを一体化。

概要

松屋は、東京・銀座に本店を置く百貨店企業である。銀座本店と浅草店の2店舗を運営し、高級品から日常品までを取り扱う。連結売上高は約457億円(2026年2月期)、従業員数は871名。百貨店業を中核に、子会社を通じて飲食、ビル総合サービス、不動産賃貸など多角的に事業を展開する。

百貨店業を中核とするセグメント構成

松屋グループの事業は4つのセグメントで構成される。百貨店業は主力であり、㈱松屋と連結子会社の㈱MATSUYA GINZA.comが担う。飲食業は子会社㈱アターブル松屋が百貨店内レストランと結婚式場を運営する。ビル総合サービス及び広告業は㈱シービーケーが警備・清掃・内装工事・広告制作等を手掛ける。その他の事業として、用度品納入(㈱東栄商会)、輸入品販売(㈱スキャンデックス)、不動産賃貸(㈱銀座インズ、㈱銀座五丁目管財)などがあり、持分法適用関連会社には㈱ギンザコア(不動産賃貸)や㈱ライツ・アンド・ブランズ(ライセンス管理)が含まれる。

銀座と浅草に集約された店舗網

松屋の百貨店は東京の2店舗に集約されている。銀座本店は1925年に銀座三丁目に移転し、現在に至るまで松屋の旗艦店として機能する。浅草店は1931年に開設され、地域に密着した品揃えを提供する。かつては横浜支店も存在したが、1976年に閉店している。両店舗とも外商事業に注力し、個人外商部の組織強化やCRMの活用により顧客基盤の拡大を進める。また、オンラインモール「MATSUYA GINZA.com」を運営し、実店舗とデジタルの融合(オムニチャネル)を推進している。

グループ経営と子会社の役割分担

松屋グループは持株会社体制を採用せず、松屋本体が百貨店業を直営し、その他事業を子会社に委ねる構造である。飲食業子会社のアターブル松屋は2006年に持株会社体制へ移行した後、2021年に子会社を吸収合併して再び単一法人となった。ビルサービス子会社のシービーケーは2008年にエムアンドエーと合併し、グループ内の総合サービス機能を強化した。2022年には銀座五丁目管財を連結子会社化し、不動産賃貸事業を拡大。2024年にはオンライン事業を担うMATSUYA GINZA.comを新設し、デジタル戦略を加速させている。

業界の中での役割は百貨店及び都市型サービスの運営企業にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
457億円
営業利益
26億円
営業利益率
5.7%
純利益
22億円
2026/2 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01百貨店主力

「松屋」ブランドで百貨店を運営。銀座本店と浅草店の2店舗で、衣料品・雑貨・食品等を販売。オンライン販売も展開。

主な製品・サービス2
百貨店(松屋銀座・松屋浅草)
銀座・浅草に立地する百貨店。外商、オンラインストアも運営。
MATSUYA GINZA.com
オンライン百貨店。

02飲食副次

子会社アターブル松屋が百貨店内のレストラン運営、結婚式場経営等を行う。

主な製品・サービス1
飲食店・結婚式場
百貨店内のレストラン運営及び結婚式場の運営。

03ビル総合サービス・広告副次

子会社シービーケーが松屋等の警備、清掃、設備保守、建築内装工事、装飾、宣伝広告を手掛ける。

主な製品・サービス1
ビルメンテナンス・広告
警備、清掃、設備保守、内装工事、広告制作等。

04その他副次

用度品納入、キャラクターショップ、輸入品販売、商品検査、不動産賃貸、ライセンス管理など多様な事業を子会社・関連会社で展開。

主な製品・サービス2
用度品・キャラクターショップ
松屋向けの事務用品納入、キャラクターグッズ販売。
不動産賃貸
銀座エリアの物件賃貸。

製品と技術

銀座・浅草の百貨店と外商サービス

松屋グループの主力製品は、銀座本店と浅草店で展開される百貨店販売である。取扱品目は衣料品、雑貨、化粧品、宝飾時計、食品等で、特にラグジュアリーブランドと宝飾時計に強みを持つ。2025年5月の銀座店開店100周年に合わせ、ルイ・ヴィトン松屋銀座店を従来の約1.5倍の4フロアに拡張し、国内最大級の売場を実現した。また、外商部門では個人外商部の増員とCRM強化により、富裕層顧客への個別提案を充実させている。

オンライン百貨店「MATSUYA GINZA.com」

2024年1月に設立された子会社㈱MATSUYA GINZA.comが運営するオンライン百貨店である。実店舗と連動したオムニチャネル戦略の中核として位置づけられ、ID顧客の獲得とデータ活用を目的とする。売上高は当初計画を下回り2025年度に減損損失を計上したが、グループは持続的成長に不可欠なインフラと位置付け、マネジメント体制の刷新や外部人材の登用により基盤強化を進めている。リアル店舗の強みとデジタルの利便性を融合させたサービスを提供する。

アターブル松屋の飲食・婚礼事業

子会社アターブル松屋は、百貨店内のレストラン運営と結婚式場の経営を手掛ける。婚礼部門では宴席数と単価の向上に努め、施設管理部門も堅調に推移している。2026年4月には、宗教法人東京大神宮との婚礼事業に係る業務委託契約をクラウディアホールディングスへ継承し、経営資源の選択と集中を図った。今後は事業所ごとの採算管理を精査し、安定的な利益創出を目指す。2026年2月期の飲食業売上高は34億85百万円、セグメント利益は39百万円であった。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

小売業のなかでの位置

百貨店経営、インバウンド回復も競合ひしめく

松屋は百貨店業界において、銀座・浅草を中心に展開する老舗百貨店である。直近の売上高は2025年2月期に481億円と前期比増収だが、2026年2月期は457億円と減収見通しで、営業利益率も9.36%から5.69%に低下する。同業の光フードサービスやトライアルホールディングスと比較すると、売上規模は小さいが、銀座という好立地を強みにインバウンド需要を取り込む。しかし、百貨店業界全体の競争激化や消費構造変化への対応が課題。

強み

  • 国内外の観光客が集まる銀座と浅草に店舗を構え、高い集客力を誇る。
  • 訪日外国人観光客向けの免税販売やサービスを強化し、売上増に貢献。
  • 創業からの歴史と信頼により、高級品を扱う百貨店としてのブランドを確立。
  • 自己資本比率が高く、安定した財務基盤で新規投資に余力がある。

課題

  • 2026年2月期に売上高が前期比減少見込みで、収益環境が厳しい。
  • 利益率が9.36%から5.69%へ悪化し、コスト管理が急務。
  • 百貨店業界全体でECシフトが進む中、オンライン販売の強化が不足。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

小売・消費の時価総額近傍。太字が松屋

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
19832オートバックスセブン1,287億円14.7倍
28255アクシアル リテイリング1,199億円12.9倍
39842アークランズ1,195億円14.3倍
48173Joshin1,173億円33.0倍
59267Genky DrugStores1,108億円13.9倍
68237松屋1,097億円49.1倍
74985アース製薬1,084億円23.0倍
87965象印マホービン1,053億円15.1倍
98016オンワードホールディングス1,050億円10.0倍
104919ミルボン1,037億円19.0倍
119997ベルーナ1,029億円8.8倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(小売・消費)に従っています。

会社の歴史

沿革 26件

呉服店から百貨店へ転身した創業期

1919年3月、東京市神田鍛冶町に資本金100万円で「株式会社松屋鶴屋呉服店」として設立された。1924年9月に商号を「株式会社松屋呉服店」に変更。翌1925年5月、本店を銀座三丁目に移転し、主力百貨店の礎を築いた。当時は呉服専門店だったが、この移転を機に百貨店業へと軸足を移していく。1931年11月には浅草支店を開設し、東京の二大商業地に店舗網を広げた。

戦後の再編と商号変更

第二次世界大戦中の1944年4月、横浜の寿百貨店を吸収合併し横浜支店とした。戦後1948年4月、商号を「株式会社松屋」に改め、現在のブランド名が定着する。同時期の1956年9月には子会社「株式会社アターブル松屋」(当時はみずほ)を設立し、飲食事業に参入。1961年7月にはビルサービス子会社「株式会社シービーケー」(当時は松美舎)を設立し、事業の多角化を進めた。

上場と資本増強の1960~80年代

1961年10月、東京証券取引所市場第二部に株式を上場。1971年3月に資本金を19億2,000万円に増資し、同年7月には市場第一部に指定替えとなった。1986年11月には資本金を44億7,000万円に増資。1987年7月と1991年4月には米貨建新株引受権付社債を発行し、資金調達手段を多様化した。この間、1976年11月に横浜支店を閉店し、銀座・浅草への集中経営を明確にする。

不採算事業の整理とグループ再編の2000年代

2006年4月、子会社アターブル松屋を会社分割し、持株会社体制へ移行(後に2021年に再合併)。2008年3月にはシービーケーがエムアンドエーと合併し、総合サービス機能を統合。同年4月、スキャンデックスからストッケジャパンを新設分割するが、2011年8月に同事業をストッケに譲渡し、ベビー用品事業から撤退した。グループの選択と集中が進んだ時期である。

市場区分変更とデジタル化への舵切り

2022年4月、東京証券取引所の市場区分見直しに伴い、プライム市場へ移行。2022年7月には銀座五丁目管財を連結子会社化し、不動産賃貸事業を強化。2023年7月、ライツ・アンド・ブランズを持分法適用関連会社化し、ライセンス管理事業に参入。2024年1月には「株式会社MATSUYA GINZA.com」を設立し、オムニチャネル戦略の基盤を整備した。これらの動きは、デジタルとリアルの融合を目指す経営計画「Global Destination」の一環である。

年表26件を開く

1910年代

  • 1919年3月創業東京市神田鍛冶町において株式会社松屋鶴屋呉服店の商号により資本金100万円をもって設立

1920年代

  • 1924年9月商号変更商号を株式会社松屋呉服店に変更
  • 1925年5月本店を東京市京橋区銀座三丁目に移し、主力店舗として基礎を確立

1930年代

  • 1931年11月東京市浅草区花川戸に浅草支店を開設
  • 1937年10月創業株式会社東栄商会を設立

1940年代

  • 1944年4月M&A横浜市伊勢佐木町所在の株式会社寿百貨店を吸収合併し、当社横浜支店と改称
  • 1948年4月商号変更商号を株式会社松屋に変更

1950年代

  • 1956年9月創業株式会社アターブル松屋(当時株式会社みずほ、後に商号変更)を設立

1960年代

  • 1961年7月創業株式会社シービーケー(当時株式会社松美舎、後に商号変更)を設立
  • 1961年10月上場東京証券取引所市場第二部に株式上場

1970年代

  • 1971年3月資本金を19億2,000万円に増資
  • 1971年7月上場東京証券取引所市場第一部に株式上場
  • 1976年11月横浜支店を閉店

1980年代

  • 1986年11月資本金を44億7,000万円に増資
  • 1987年7月米貨建新株引受権付社債を発行

1990年代

  • 1991年4月米貨建新株引受権付社債を発行
  • 1996年7月第1回無担保転換社債並びに2000年7月3日満期円建転換社債を発行

2000年代

  • 2006年4月株式会社アターブル松屋を会社分割し、株式会社アターブル松屋ホールディングス及び6つの事業会社からなる持株会社体制に移行
  • 2008年3月M&A株式会社シービーケーが株式会社エムアンドエーと合併
  • 2008年4月株式会社スキャンデックスが会社分割を実施し、株式会社ストッケジャパンを新設

2010年代

  • 2011年8月株式会社ストッケジャパンの事業の全部を株式会社ストッケに譲渡

2020年代

  • 2021年4月M&A株式会社アターブル松屋ホールディングスが同社の子会社3社を吸収合併し、株式会社アターブル松屋に商号変更
  • 2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所市場第一部からプライム市場に移行
  • 2022年7月M&A株式会社 銀座五丁目管財(株式会社大勝堂から商号変更)の株式を追加取得し、連結子会社化
  • 2023年7月株式会社ライツ・アンド・ブランズの株式の一部を取得し、持分法適用関連会社化
  • 2024年1月創業株式会社MATSUYA GINZA.comを設立

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/2期の経営方針より

会社は4つの方針を掲げている。そのうち2項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 連結営業利益2027年度まで2,000~2,500百万円
  • 連結営業利益2030年度まで4,000~5,000百万円

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    銀座への集中投資と不動産戦略

    銀座店への設備投資や不動産活用により、都市型百貨店としての競争力を強化する。

  2. 02

    ID顧客基盤とオムニチャネル強化

    matsuyaginza.comを通じたリアルとデジタルの融合を加速し、国内外顧客のID化とCRM戦略を推進する。

  3. 03

    地域共創とプレゼンス強化

    地域密着型の事業展開と、銀座・浅草でのプレゼンス強化により、唯一無二の社会的価値を創造する。

  4. 04

    サステナビリティ経営と人的資本投資

    持続可能な社会の実現と企業価値向上を両立させるため、サステナビリティ経営と人材投資を推進する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で871人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は732万円で、9期前と比べて+27.2%平均年齢は47.5歳、平均勤続年数は21.9年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年2月857
2018年2月866
2019年2月891
2020年2月57643.619.6911
2021年2月55143.919.7891
2022年2月51845.020.6888
2023年2月55746.221.8833
2024年2月66946.922.4829
2025年2月74647.122.1862522
2026年2月73247.521.9871299

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年2月期・提出会社(単体)
男性育休取得率100.0%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)58.7%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社11(国内 11 / 海外 0、うち連結子会社 11) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位4)
銀座店 — 東京都中央区402億円
百貨店業
浅草店 — 東京都台東区539百万円
百貨店業
インズ1・インズ2・インズ3・その他 — 東京都 中央区他173百万円
その他
東京大神宮 マツヤサロン等 — 東京都 千代田区等98百万円
飲食業
主な関係会社
  • 国内
    ㈱アターブル松屋
    東京都 中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱シービーケー
    東京都 中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱東栄商会
    東京都 中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱スキャンデックス
    東京都 中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱エムジー 商品試験センター
    東京都 中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱松屋友の会
    東京都 中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱銀座インズ
    東京都 中央区 · 連結子会社
    議決権59.7%
  • 国内
    ㈱銀座五丁目管財
    東京都 中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱MATSUYA GINZA.com
    東京都 中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱ギンザコア
    東京都 中央区 · 連結子会社
    議決権42.0%
  • 国内
    ㈱ライツ・アンド・ブランズ
    東京都 品川区 · 連結子会社
    議決権42.3%

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年2月期の売上高は457億円営業利益26億円前期と比べると減収減益で、売上が-5.0%、利益が-42.2%。

売上高
-5.0%
457億円
営業利益
-42.2%
26億円
純利益
-8.3%
22億円
営業利益率
5.7%
前期比 -3.7%pt

会社が出している今期の予想2027年2月期

項目会社予想前期実績
売上高440億円457億円
営業利益18億円26億円
純利益5億円22億円
1株あたり配当¥12¥12

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は121億円、営業利益は7億円。前年の2025年1Qと比べると、売上は+3.4%、営業利益は−36.4%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2024年1Q9544.23
2024年2Q10055.08
2024年3Q1061211.39
2024年4Q1126
2025年1Q117119.47
2025年2Q1241713.711
2025年4Q240177.16
2026年2Q225104.4−2
2026年4Q232166.924
2027年1Q12175.84

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年2月期からの14期で、売上は716億円から457億円へ64%に減った。直近期の営業利益率は5.7%。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2013年2月716116
2014年2月7551613
2015年2月8162313
2016年2月9292912
2017年2月863138
2018年2月9062013
2019年2月9251814
2020年2月899109
株式会社アターブル松屋ホールディングスが同社の子会社3社を吸収合併し、株式会社アターブル松屋に商号変更
2021年2月527−40−44
株式会社 銀座五丁目管財(株式会社大勝堂から商号変更)の株式を追加取得し、連結子会社化
2022年2月650−2110
2023年2月344344
株式会社MATSUYA GINZA.comを設立
2024年2月4132926
2025年2月48145459.424
2026年2月45726265.722

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年2月期

売上高457億円のうち、営業利益として残るのは26億円5.7%。営業外の損益と税金を反映した純利益は22億円、売上の4.8%にあたる。営業利益率は業種中央値3.7%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金45.7%209億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金48.6%222億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益5.7%26億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
54.3%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比+2.0pt
5.7%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+2.3pt
4.8%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比0.6pt
8.0%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
2.9%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
2.5%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年2月期は営業CFが47億円、投資CFが1億円で、差し引きのフリーCFは48億円この組み合わせは資産整理型にあたる。本業の稼ぎに加えて資産売却でも現金を作り、負債返済や還元に充てている。事業の入れ替え局面期末の手元現金は47億円で、売上の1.2ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年2月24−14−141023
2014年2月27−22−2526
2015年2月33−18−171524
2016年2月36−27−10923
2017年2月24−16−8824
2018年2月43−134100−9133
2019年2月28−7−272127
2020年2月15−277−1222
2021年2月−28927−1930
2022年2月−1254−474224
2023年2月2425−104963
2024年2月23−40−13−1732
2025年2月31−5531−2439
2026年2月471−404847

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年2月期の総資産は761億円。このうち返さなくてよい自己資本が275億円で、自己資本比率は35.0%(業種中央値47.4%より薄い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2013年2月43314229132.4
2014年2月45616129535.0
2015年2月49718131636.1
2016年2月49518231336.7
2017年2月49419030438.4
2018年2月62120641533.1
2019年2月59921738236.2
2020年2月57820936936.1
2021年2月56416240228.8
2022年2月54318036331.8
2023年2月63922841134.5
2024年2月68926842137.7
2025年2月76129246937.1
2026年2月76127548735.0

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年2月期の内訳
現金及び預金
47億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
130億円
過去の利益の積み上がり
棚卸資産
19億円
在庫として抱えている分
負債合計
487億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
64
/ 100
安定性自己資本比率23 / 40
収益力営業利益率11 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

小売業 322社との比較

同じ小売業の企業と並べると、いちばん上に来るのは営業利益率322社中91位あたり、逆に低いのは配当利回り322社中290位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
8.0%/中央値 8.6%
P25 4.9%P75 13.1%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
5.7%/中央値 3.7%
P25 1.6%P75 6.1%
自己資本比率総資産のうち返済のいらないお金の割合
35.0%/中央値 47.4%
P25 34.3%P75 62.5%
売上成長率下位前期からの売上の伸び
-5.0%/中央値 4.5%
P25 0.1%P75 10.6%
配当利回り下位株価に対して1年で受け取る配当の割合
0.6%/中央値 1.9%
P25 1.1%P75 2.8%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥2,058で、1年前と比べて+56.0%過去52週の値幅のなかでは44%の位置にある。

¥2,058-9.6%1ヶ月+5.2%1年+56.0%時価総額1,097億円
過去52週の値幅
安値¥1,260高値¥3,065

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)49.1倍
PER (会社予想)208.9倍
PBR4.00倍
配当利回り0.58%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は1日で12.49%上昇し2387円。25日線1945.4円を22.7%上回り、75日線・200日線も上回る。52週高値2925円からは18.4%の水準。出来高は8/20に73.76万株と急増。直近1ヶ月で37.11%上昇、年初来では102.85%と大幅高。RSIは76.03で過熱気味。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割高と判定しています(スコア 25/100)

PERは実績47.42倍、予想201.5倍と非常に高く、同業界平均の40.12倍を大きく上回ります。PBRは3.86倍と平均2.94倍を上回り、株価は資産価値を大きく超過しています。配当利回りは0.6%と平均12.73%を大きく下回り、減配傾向で魅力に欠けます。ROEは8%と平均的な水準ですが、収益力に対して株価が先行しており、割高感が強いです。

指標この会社業種平均
PER (実績)49.1倍39.6倍
PER (予想)208.9倍
PBR4.00倍2.44倍
ROE8.0%5.8%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

松屋の投資論点は、インバウンド需要の拡大が業績を押し上げるかどうかです。強気派は、円安や訪日外国人旅行者の増加により、銀座での高額品販売が増加し、百貨店業績が改善すると期待します。実際、売上高は増加傾向にあり、営業利益率も9%台と比較的高い水準です。一方、弱気派は、2026年2月期の減収減益予想や、百貨店業界全体の構造的な課題(競争激化や消費者の嗜好変化)を指摘します。さらに、PERが47倍と割高な水準にあるため、期待が先行しすぎているとの見方もあります。

プラスに働く材料7
  • インバウンド需要が成長を牽引

    訪日客の回復で銀座の高額消費が増加し、売上高が拡大している。

  • 銀座の立地価値

    世界的に有名な商業地であり、不動産価値と集客力は安定。

  • 高収益体質

    営業利益率9.36%(2025/2期)は百貨店としては高く、効率的な運営。

  • 1年で70.85%上昇した株価モメンタム継続影響

    過去1年で70.85%上昇し、上昇トレンドが継続する需給要因

  • 2026/2期売上高457億円で底堅さ確認決算発表後影響

    売上高は前期比24億円減の457億円で、大幅減収懸念は後退

  • 外国人保有16.52%が需給下支え継続影響

    外国人保有比率16.52%と高く、売り圧力が限定的

  • 低い配当利回り0.6%は増配余地次回株主総会影響

    配当利回り0.6%は低く、増配検討で買い材料に

マイナスに働く材料7
  • 業績の減速予想

    2026/2期は売上高・利益とも減少見込みで、成長の持続性に疑問。

  • バリュエーションの高さ

    PER47倍は同業他社と比べて極めて高く、業績未達なら下落リスク。

  • 百貨店市場の縮小

    消費者の購買行動変化やオンラインシフトで、百貨店市場は縮小傾向。

  • 営業利益45億円から26億円へ急減決算発表後影響

    営業利益は19億円減少し、営業利益率は9.36%から5.69%へ

  • 純利益3期連続減益で成長鈍化継続影響

    純利益は26億円、24億円、22億円と減少基調

  • 予想PER201.5倍は翌期純利益5億円前提通年影響

    時価総額1,058億円を予想PER201.5倍で割ると純利益約5億円

  • ROE8%と低くPBR3.86倍は割高不定影響

    ROE8%に対しPBR3.86倍と評価が先行

次の決算で確かめる点
免税売上高
インバウンド消費の動向を直接示し、売上高の変動要因となる。
客単価
高額品販売の強さを示し、百貨店の収益性に直結する。
不動産賃貸収入
立地を活かした安定的な収益源であり、全体の収益を下支えする。
営業利益率
百貨店としての収益性の高さを維持できるかが焦点。

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり12で、前期から+0.0%いまの株価に対する利回りは0.58%。

年間配当
¥12
1株あたり
配当利回り
0.58%
いまの株価に対して
配当性向
48.9%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
0年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年2月643.4
2018年2月60.024.6
2019年2月60.020.6
2020年2月833.344.9
2023年2月3−68.83.8
2024年2月10300.020.7
2025年2月1220.021.6
2026年2月120.048.9

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥12

株主

有価証券報告書より

2026年2月期末の株主数は延べ11,270人。区分でいちばん多いのは事業法人33.5%。グループ会社や銀行などの安定株主が59.7%を占め、残る40.3%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年2月%2022年2月%2023年2月%2024年2月%2025年2月%2026年2月%
事業法人39.439.139.338.438.333.5
金融機関33.131.330.930.330.326.1
個人・その他17.117.517.319.718.021.1
外国法人9.811.812.010.012.816.5
自己株式0.30.30.30.30.34.6
証券会社0.60.30.51.60.62.7
外国人個人0.00.00.00.00.00.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01日本マスタートラスト信託銀行㈱(信託口)6.31
02松屋取引先持株会5.26
03㈱三菱UFJ銀行4.66
04東武鉄道㈱4.52
05東武シェアードサービス㈱4.40
06㈱みずほ銀行(常任代理人 ㈱日本カストディ銀行)3.72
07松岡地所㈱2.90
08㈱オンワードホールディングス2.52
09㈱日本カストディ銀行(信託口)2.47
10三菱UFJ信託銀行㈱1.88

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近2
  • 2026-04-22
    野村證券株式会社
    新規の大量保有報告
    0.01%
    -0.36pt
  • 2026-04-07
    野村證券株式会社
    新規の大量保有報告
    0.37%
    -2.38pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+270%、1株純資産は14期で+98%。直近期のROEは8.0%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年2月112654.574.2
2014年2月253018.936.310.6
2015年2月253397.773.022.5
2016年2月223446.640.529.0
2017年2月153584.270.143.4
2018年2月243886.465.224.6
2019年2月264096.541.320.6
2020年2月163944.039.544.9
2021年2月−83306
2022年2月193256.036.6
2023年2月8341622.313.43.8
2024年2月5048911.019.520.7
2025年2月455338.824.021.6
2026年2月425258.061.248.9

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

15名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は15名。2026/2期の役員報酬は総額220百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約4倍にあたる。

氏名役職年齢
秋田正紀取締役会長兼 取締役会議長67
古屋毅彦代表取締役 社長執行役員53
横関直樹取締役 専務執行役員 社長補佐、経営企画室長、管財部・広報部担当64
石戸奈々子取締役47
中村隆夫取締役 監査等委員61
蓮田玉緒取締役 上席執行役員 営業本部長、営業戦略部担当59
岸利行執行役員
大高壽美代執行役員
石脇聡子執行役員
内沢賢彦執行役員
長慶和雄執行役員
神田裕執行役員
残りの役員3名を開く
氏名役職年齢
服部延弘執行役員
森田一則取締役 専務執行役員 経営企画部・グループ政策部・サステナビリティ戦略部・人事部担当、総務部・経理部管掌63
柏木斉取締役68

役員報酬の内訳2026/2

役員の区分人数固定報酬百万円業績連動百万円株式報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)511832814930
社外取締役753538
取締役(社内)1181818

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/2期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容572字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 当社グループが営んでいる主な事業内容と各社の当該事業における位置づけ及びセグメントとの関連は次のとおりであります。 百貨店業   当社グループの主な事業として㈱松屋及び連結子会社である㈱MATSUYA GINZA.comが営んでおります。 飲食業   連結子会社である㈱アターブル松屋が飲食業及び結婚式場の経営等を行っております。 ビル総合サービス及び広告業   連結子会社である㈱シービーケーが㈱松屋等の警備、清掃、設備保守・工事、建築内装工事、装飾、宣伝広告業等を行っております。 その他   連結子会社である㈱東栄商会が㈱松屋等への用度品・事務用品の納入、キャラクターショップ運営等を行っております。また、連結子会社である㈱スキャンデックスが輸入商品の販売業等を営んでおり、連結子会社である㈱松屋友の会が㈱松屋への商品販売の取次ぎを行い、連結子会社である㈱エムジー商品試験センターが㈱松屋等の商品検査業務を受託しており、連結子会社である㈱銀座インズ及び㈱銀座五丁目管財が不動産賃貸業を営んでおります。持分法適用関連会社である㈱ギンザコアが不動産賃貸業を営んでおり、持分法適用関連会社である㈱ライツ・アンド・ブランズがライセンス管理業を営んでおります。 当連結会計年度末における事業の系統図は、次のとおりであります。
経営方針・対処すべき課題2,514字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループの経営方針は、「顧客第一主義」「共存共栄」「人間尊重」「堅実経営」「創意工夫」であります。中でも「顧客第一主義」を方針の中心に据え、顧客満足度の向上を図ることにより、今後もお客様に支持されるグループを目指し、永続的な拡大、発展に努めてまいります。当社グループはこうした事業活動を通じて、顧客、株主をはじめ広く関係者にとって魅力ある企業グループであり続けることにより、社会に貢献してまいります。 (2)目標とする経営指標 当社グループは経営計画「Global Destinationとなることを目指して」において、直近の業績動向および外部環境の急激な変化を鑑み、数値計画の適正化を行いました。これに伴い、2027年度の連結営業利益目標を2,000~2,500百万円(当初計画:5,500百万円)に、また、2030年度の連結営業利益の目標を4,000~5,000百万円(当初計画:8,000~8,500百万円)へとそれぞれ更新いたしました。なお、足元の業績が当初計画と乖離した主な要因として、物価・人件費の高騰や金利上昇による経済の不透明感に加え、中国政府による日本への渡航自粛勧告に伴うインバウンド需要などの変化が挙げられます。これらを踏まえた2026年度の連結業績予想における営業利益は、1,800百万円としております。 (3)経営環境及び対処すべき課題 今後の当社グループを取り巻く経済環境につきましては、現政権下の総合経済対策による景気加速への対応が進み、緩やかな経済回復への期待感があるものの、海外における地政学リスクに起因する供給不足や価格上昇等で消費マインドが懸念される等、世界的な景気変動局面が当分続くものとみられることから、予断を許さない環境で推移するものと思われます。 こうした状況の中、当社グループでは、経営計画「Global Destinationとなることを目指して」において、2050年度までの長い視野で変化の激しい時代に対応しながら、単年度での目標を着実に達成し、成長を目指しております。 一方で、経済環境の激変と不確実性の高まり、免税売上高の減少とその構造の変化等を主因に、足元の業績が当初の想定と乖離している現状に鑑み、一部、経営計画の更新を行いました。今後は、これら急激な変化に柔軟に対応するため、ID顧客を主軸にリアルとデジタルの融合を一層加速させることで、2030年度の目標達成に向けた戦略の再構築を図ってまいります。このように、当社は銀座・浅草に密着した都市型百貨店、東京の地方百貨店として、唯一無二の社会的な価値を創造しながら、経済的価値を同時に追求していく企業となることを目指し、引き続き、目標の達成に取り組んでまいります。 なお、百貨店業においてオムニチャネル戦略の推進を担う子会社である㈱MATSUYA GINZA.comにおきまして、事業の進捗が当初の事業計画を下回って推移していたことから2025年度に減損損失を計上いたしました。しかしながら、本事業はリアルの強みとデジタルの利便性を高度に融合し、オムニチャネル戦略の基盤確立と国内外顧客のID化を迅速に推進する最重要インフラ、かつ、持続的成長に不可欠な基盤と位置付けており、本事業を、将来の安定した経営基盤と成長の確固たる土台とするために、引き続き、尽力してまいります。 飲食業の㈱アターブル松屋におきましては、当社グループの経営資源の選択と集中の観点から、宗教法人東京大神宮との婚礼事業等に係る業務委託契約について2026年4月1日付で㈱クラウディアホールディングスへ地位を継承いたしました。今後も事業所ごとの採算管理を精査し、さらなる経営資源の選択と集中を進め、安定的な利益の創出に努めてまいります。 ビル総合サービス及び広告業の㈱シービーケーにおきましては、常にクライアントの先にいる顧客や利用者の満足度の最大化を目指し、デザイン力・クリエイティブ力の強化、および、松屋グループの連携による営業力の強化を推進し、外部売上の拡大に努めてまいります。 (4)中長期的な会社の経営戦略 当社グループは、経営計画「Global Destinationとなることを目指して」(以下、本計画)を策定しております(なお、本計画の詳細につきましては2026年4月14日付の更新版プレスリリースをご覧ください(https://www.matsuya.com/corp/ir/)。)。 本計画においては、2050年を見据えた長期視点での変革と、単年度目標の完遂を両立させる方針を掲げております。2030年度までのロードマップについては、当初の2027年度までを「投資フェーズ」、2028年度以降を「成長フェーズ」と位置付けてまいりました。現在、銀座店への集中投資や不動産戦略、新ロイヤルティプログラムによるCRM戦略の強化といった主要施策は、概ね計画に沿って進捗しております。 他方、オムニチャネル推進の中核を成す「matsuyaginza.com」については、マネジメント体制の刷新や外部プロフェッショナル人材の採用など、基盤構築に向けた体制整備に時間を要しております。このため、投資フェーズを2028年まで継続し、着実な土台作りを行う判断に至りました。成長フェーズにおいてこれらの投資効果を最大化させ、2030年度の目標達成、ひいては2050年の長期ビジョン実現に向けた成長を実現してまいります。 経営戦略の方向性としては、「銀座集中投資」、「地域共創事業を通じた輪の拡大」、「プレゼンス強化」の3つを柱とし、ID顧客を基軸としたリアルとデジタルの融合を加速させてまいります。また、サステナビリティ経営の推進や人的資本への投資、サプライヤー行動規範の制定などを通じ、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を同期化させた共通価値の創造に取り組んでまいります。
事業等のリスク6,517字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の概況、経営の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスク事項には、以下のようなものがあります。ただし、将来の業績や財政状態に与えうるリスクや不確実性は、これらに限定されるものではありません。また、以下に記載したすべてのリスク事項に共通して、レピュテーションが低下するリスクが内在しています。 なお、文中における将来に関するリスク事項は、当連結会計年度末現在において、判断したものであります。 (1)経営戦略・環境リスク ①国際情勢 (リスクの概要) 当社グループは、インバウンド売上の比重が高いため、戦争や政治的な対立等による国際秩序の変調によるサプライチェーンの分断やそれらの影響によるインバウンドの減少・喪失により、業績に影響を受ける可能性があります。 (主なリスク対応策) 当社グループは、これらのリスクへの対策として、不動産関連事業およびEC事業の育成、国内における地域共創事業の拡大、海外顧客ポートフォリオの再構築等により、特定の地域リスクを軽減できるよう取り組んでまいります。 ②経済情勢・需要動向・社会構造等 (リスクの概要) 当社グループの主要なセグメントである百貨店業や飲食業の需要は、国内外の景気動向・消費動向・株式相場等の経済情勢や人件費・物価の上昇によるコスト構造の変化等の影響を受けます。これらにより、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。 (主なリスク対応策) 当社グループは、ミッションに「未来に希望の火を灯す 幸せになれる場を創造する」を掲げています。変化の激しい経営環境において、長期的な視点に立ち、企業の経済的な成長と、事業活動を通じた社会への貢献を両立させる「経済価値」と「社会価値」の同期化を経営の重要課題と捉えています。この目標達成のため、環境変化に柔軟に対応する経営計画を策定し、着実に実行することで、持続的な成長と業績の向上に取り組んでおります。 ③事業戦略 A:ビジネスモデル・収益構造改革への対応 (リスクの概要) 人口減少・少子高齢社会の進展、消費者の志向・行動様式の変化や新たなビジネスの誕生等による市場の変化が、業績に影響を及ぼす可能性があります。 (主なリスク対応策) 主力事業の百貨店業においては、市場の先々の変化を見据えて、従来の考え方にとらわれることのない売場づくり、国内顧客だけでなく訪日客もターゲットとしたCRM(顧客関係管理)の強化やオムニチャネル実現に向けたプラットフォームの構築とその推進など、百貨店業のビジネスモデルを進化させています。 B:社会のデジタル化の進展 (リスクの概要) テクノロジーの革新は加速しており、AIの登場やデジタル技術を活用した新たな販売チャネル、情報発信ツールの利用が広まったことにより、消費者の購買行動が多様化しています。店舗での商品販売が主力の百貨店業は、eコマース市場のさらなる拡大やその他デジタル技術を活用した販売手法等の広がりにより、売上に影響を及ぼす可能性があります。また、急速に発展するデジタル化への対応の遅延により、売上に影響を及ぼす可能性があります。 (主なリスク対応策) オムニチャネル実現に向けたプラットフォームを構築することにより、店舗での顧客とのリアルな接点だけでなく、いつでもどこでも繋がることができるデジタルの接点が加わることにより、新たな顧客の獲得と顧客LTV(生涯価値)の拡大に取り組んでまいります。これらの実現により顧客利便性の向上と、デジタル化社会の消費者行動への対応を推進しています。 C:サステナビリティ対応 (リスクの概要) 企業には、自社の発展のみならず、社会(気候変動・人権尊重等)課題の解決に取り組みながら事業活動を通じて、持続可能な社会の実現に貢献していくことが求められております。これに関する取組みが十分でないことで、気候変動が引き起こす災害等によりサプライチェーンが機能せず、店頭営業が継続できないなど、業績に影響を及ぼす可能性があります。 (主なリスク対応策) 当社グループは、サステナビリティを経営の根幹と捉え、事業活動を通じて、長期的な企業価値の向上を図るとともに、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。 これに向け、事業を通じた体験価値の提供、提供のための創造基盤、それらの土台となるガバナンスにおける重要な取組み課題(マテリアリティ)を定め、事業活動に取り組んでいます。 例えば、地球温暖化に影響をもたらすとされている温室効果ガスの排出量を削減するために、省エネルギー対策(照明機器のLED化等)に加え、段階的に事業所の一部で再生可能エネルギーを利用し始めるなど、さらなる温室効果ガス排出量の削減を進めています。また、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同表明し、TCFD提言に沿った情報開示を行っています。さらに、持続可能なサプライチェーンの構築に向けて、「お取引先行動規範」を制定し、お取引先に対し方針への理解・順守を依頼することで、環境保全や人権尊重に配慮した責任ある調達活動を推進しています。 百貨店業の営業活動におきましても、環境・社会に配慮したライフスタイルを提案するプロモーションイベントの開催、銀座・浅草を始めとした様々な地域コミュニティと共に現地の課題解決にあたるなど、持続可能な社会の実現に向けた取組みを推進しています。 ④人事戦略 (リスクの概要) 当社グループにおいては、高いスキルや専門的な知識、ホスピタリティマインドを有する従業員一人ひとりが企業価値創造の源泉となっております。労働力人口の減少や、雇用流動化の進展を背景に、人材の獲得が困難となることに加え、既存の人材が流出することで、経営を支える人材が不足する状況に陥った場合、お客様にご満足いただく商品・サービスの提供ができなくなることや、当社グループへの信頼の低下、ブランド価値の毀損を引き起こすなど、経営目標の達成や事業の存続が困難になるおそれがあります。また、採用・育成コストの増加が当社グループの収益に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (主なリスク対応策) 当社グループでは、こうしたリスクへの対応として人材の質・量の最適化を図っております。経営戦略に連動した採用計画の立案によって必要とする人材の量的確保に注力するとともに、デジタル化等による生産性の向上を通じて持続可能な人員体制への移行も進めています。また、人材への積極的な投資によって、新たな知識・スキルの習得など既存人員の成長を支援し、キャリアアップや活躍の場の拡大を図っています。同時に、労働市場において当社グループが魅力的な企業であり続けられるよう、処遇や制度、組織風土の改善を継続的に進め、多様な人材が働きがいを感じながら仕事に打ち込める環境の整備に取り組んでおります。 (2)財務リスク ①保有資産 (リスクの概要) 当社グループが保有する店舗、不動産等の固定資産は、店舗等の営業損益が悪化、または市場価格が著しく下落したこと等に伴い、減損損失を計上する必要が生じた場合、あるいは大規模な自然災害により店舗が著しい損害を受け事業継続に深刻な影響を及ぼすこと等となった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があります。 また、当社グループは、事業活動・財務活動の円滑化のために株式を保有しております。株式相場の大幅な下落または株式保有先の経営状況の悪化により株式の評価額が著しく下落した場合には、株式の評価損が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 (主なリスク対応策) 固定資産のリスクに関しては、店舗や不動産等の収益性を高め、安定的なキャッシュ・フローの創出に努めるとともに、自然災害等による損害については様々なケースを想定した事業継続計画を整備することにより、リスクの低減を図っております。 株式の保有リスクに関しては、上場株式については四半期毎に時価を把握し、取引先企業との関係を勘案して保有状況を継続的に見直しております。 ②資金調達 (リスクの概要) 当社グループは、銀行等金融機関から運転資金や投資資金を調達しております。このため、金融市場の不安定化・金利上昇、また当社グループの業績悪化等により、資金調達の制約を受け、資金調達コストが増加する可能性や適時に資金調達ができない可能性があります。 (主なリスク対応策) このようなリスクを踏まえ、当社グループは財務体質の強化に努めるとともに、金融環境の変化等に応じて最適な資金調達の見直しを適時行っております。また、アセットファイナンスなど多様な資金調達方法についても研究することで、資金調達コストの低減や、安定的な資金調達を図っております。 (3)オペレーショナルリスク ①自然災害・事故・感染症等 (リスクの概要) 当社グループの主要なセグメントである百貨店業や飲食業においては、大規模な地震・風水害等の自然災害、大規模な感染症またはテロ行為、その他事故及びそれに伴う火災が発生した場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。 特に首都直下型の地震等の大規模な災害が発生した場合においては、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。また、店舗における火災においては、人身への被害が想定され、これに伴い被害者に対する損害賠償責任等により費用が発生する可能性があります。 大規模な感染症の拡大時においては、主に百貨店事業・飲食業において、店舗の営業自粛や国内・インバウンド双方の需要の減少等により財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 (主なリスク対応策) 当社グループでは、こうした自然災害・事故・感染症等のリスクへの対応として「危機管理委員会」を設置することにより危機管理体制を構築しております。また、事業継続の観点から、マニュアルの整備、災害を想定した訓練の実施等、適切かつ合理的な対応等を行っております。特に百貨店事業での感染症リスクへの対応としては、EC等を活用した実店舗に留まらない営業施策にも注力しております。また、当社グループとして、各種損害保険等に加入しております。 ②商品取引 (リスクの概要) 当社グループの主要なセグメントである百貨店業や飲食業において、一般消費者向け取引を行っております。これらの事業において、瑕疵のある商品の販売及びサービスの提供を行った場合、製造物責任や債務不履行責任に基づく損害賠償責任などにより費用が発生する可能性があります。特に、食料品販売から飲食のサービス提供まで多岐にわたる食品衛生に関わる事業においては、アレルギー表記の不備等が原因となる食物アレルギー事故や、管理不良等に起因した食中毒、異物混入が発生した場合、お客様への重篤な健康被害を与える可能性があります。さらに、この結果、当社グループの社会的信用の失墜や、行政処分による営業制限等により、売上高の減少等が発生し、これにより、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。 また、百貨店業のバイヤーや法人営業部においては、法人向け取引を行っております。取引先の倒産により、売掛金など債権の回収不能に伴う費用の発生等が生じる場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。 (主なリスク対応策) 当社グループでは、こうしたリスクへの対応として社内マニュアルを整備し、社員教育を実施しております。リスク事象が発生した場合は、レポートラインに則った関連部署間での連携による解決を図り、経営や行政への報告を行います。その後事例を社内共有して、再発防止に取り組んでいます。また、商品取引の事故は、商品の製造過程等に原因があることが多いため、商品やサービスの提供元である取引先と協働して原因を分析し、再発防止策を実行するとともに、取引先の選定や見直しを定期的かつ慎重に行っています。 ③情報セキュリティ (リスクの概要) 当社グループにおける百貨店業を中心とした各種コンピュータシステムは、店舗とは別の建物内で管理しております。耐震建築、通信回線の二重化、不正侵入防止等の安全対策を講じておりますが、想定を大きく超える自然災害や事故、または巧妙化・悪質化するランサムウェア攻撃やサプライチェーンの脆弱性を突いた不正アクセス等のサイバー攻撃によって、設備の損壊やシステム停止、機密情報および個人情報の流出・漏洩やデータの毀損等が起きた場合、当社グループの事業活動に支障をきたし、これにより当社グループの業績及び財務状況は影響を受ける可能性があります。 (主なリスク対応策) 情報セキュリティ対策として、技術的対策、物理的対策、人的対策を組み合わせることで網羅的かつ効果的な対策を講じております。技術的対策は、サイバー攻撃や不正侵入を防止・検出・駆逐するツールの導入と多層的バックアップの実施に加え、外部専門機関と連携したSOC(セキュリティ・オペレーション・センター)による継続的な監視体制を構築し、異常の早期発見と初動対応の迅速化に努めております。物理的対策は、システム部門を別館に設置した上で、当該の館及び個別の部屋への認証カードキーによる二重の入退室管理を徹底しております。人的対策は、従業員への定期的な教育及び標的型メール訓練を実施し、リテラシー向上を図っております。 (4)コンプライアンスリスク ① 法令遵守 (リスクの概要) 当社グループは、顧客や取引先との商品販売や仕入を行う上で、消費者契約法、製造物責任法、景品表示法、独占禁止法その他の関連法令等より法規制を受けております。また、事業を展開・継続する上で、大規模小売店舗立地法、消防法、環境・リサイクル関連諸法令、労働関連諸法令、会社法及び金融商品取引法等の法規制を受けております。従って、これらの法規制を遵守できなかった場合、当社グループの活動が制限される可能性があるとともに費用の発生が想定され、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。 (主なリスク対応策) 当社グループでは、こうしたリスクへの対応として法改正動向の的確な把握に努めるとともに内部統制システムを構築・運用を図る中で社内マニュアルを整備し、社員教育を実施すること等により各種法規制への適切な対応を推進しております。特に百貨店事業の営業に関わる各種の法令(古物営業法、酒税法、家電リサイクル法、食品衛生法等)について、定期的に遵守状況の確認を行っております。 ②個人情報の流出・漏洩等 (リスクの概要) 当社グループでは、個人情報を含む顧客の情報を保有しており、個人情報保護法その他の関連法令を遵守することにより、その保護・管理を徹底しております。しかしながら、不測の事故や不正行為等により個人情報を含む顧客の情報が流出・漏洩等した場合、当社グループにおいて信用毀損が生じ、売上高の減少等が発生する可能性があります。また、情報主体に支払う損害賠償その他の費用発生が想定され、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。 (主なリスク対応策) 当社グループでは、個人情報を含む顧客の情報の管理にあたっては、個人情報保護方針及び管理マニュアルに基づくルールの厳格な運用と従業員教育の徹底等により、個人情報保護体制の確立を図っております。特に百貨店事業においては、ルールの遵守状況に関するモニタリングを定期的に実施するとともに、時代に合わせたルールの見直しを常に行い、管理マニュアルの改訂等を適宜に行っております。また、情報システムのセキュリティ面においても十分な管理体制を整え、個人情報の流出・漏洩等を防止しております。
経営成績の分析 (MD&A)6,095字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、現政権下での経済対策および日銀による金融政策を背景に、2026年2月には日経平均株価が6万円台に迫る勢いを示す等、景気は一部に改善の遅れがみられるも、緩やかな回復基調のうちに推移いたしました。 しかしながら、米国の通商政策の影響や地政学リスクの高まりによる供給不足・価格上昇、また、東京外国為替市場における円相場の大幅な下落を皮切りとした金融資本市場の変動等の影響による不確実性の高まりもあり、先行きの不透明感が払拭できない状況が続きました。 百貨店業界におきましては、富裕層を中心とした消費動向が堅調な一方で、2024年に過去最高となった免税売上高においては高額品消費に一服感がみられる等の基調の変化、また、中国政府が日本への渡航自粛を呼びかけたことによる影響等もあり、東京地区百貨店売上高は前年実績を下回りました。 このような状況の中、当社グループでは、経営計画「Global Destination となることを目指して」において、将来のありたい姿を実現するために「未来に希望の火を灯す 幸せになれる場を創造する」ことを「MISSION」として位置づけ、2050年度までの松屋の目指す姿を描きながら、中期的な計画や目標を策定いたしました。 この結果、当連結会計年度の財政状態および経営成績は以下のとおりとなりました。 1) 財政状態 当連結会計年度末の財政状態は、前連結会計年度末に比べ総資産は31百万円増加し、76,138百万円となりました。負債は1,753百万円増加し、48,660百万円となりました。負債の増加要因としては、主に借入金913百万円の増加、繰延税金負債680百万円の増加等によるものであります。純資産合計は自己株式の取得等により、1,721百万円減少し、27,478百万円となりました。 2) 経営成績 当連結会計年度の売上高は45,706百万円と前連結会計年度に比べ2,413百万円(△5.0%)の減収、「収益認識に関する会計基準」等適用前の売上高に相当する総額売上高は123,045百万円と前連結会計年度に比べ14,139百万円(△10.3%)の減収となり、営業利益は2,636百万円と前連結会計年度に比べ1,848百万円(△41.2%)の減益、経常利益は2,600百万円と前連結会計年度に比べ1,863百万円(△41.8%)の減益、親会社株主に帰属する当期純利益は2,192百万円と前連結会計年度に比べ191百万円(△8.0%)の減益となりました。 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。 <百貨店業> 主力となる百貨店業の銀座店におきましては、経営計画の諸施策の下、化粧品、ラグジュアリーブランド・宝飾時計等の展開強化で、銀座の百貨店に相応しい品揃えの充実と収益力の向上を目指しました。特に、ルイ・ヴィトン松屋銀座店のリニューアルオープンにおいては、従来の展開面積の約1.5倍となる4フロアに拡張し、国内最大級を誇る規模へと生まれ変わったことで、銀座店の強みとなるラグジュアリーブランドのさらなる強化、顧客満足度の向上に繋がりました。これは、銀座において圧倒的な存在となり、日本においてもトップレベルのプレミアムリテーラーとなることを目指す経営計画の戦略・計画の一環となります。 また、外商事業、特に、個人外商部においては継続的な組織の強化と増員、さらには、各種営業活動においてもCRM(顧客関係管理)の強化によりお客様に一層寄り添ったこと等、松屋ファンとなる顧客基盤の拡大と深耕に注力してまいりました。このような取組みは、為替の変動や地政学リスク等の様々な外部要因にとらわれず、当社が掲げたありたい姿「新しい商品戦略とビジネスモデルで、幸せになれる場を創造する」を実現する一例となりました。 なお、2025年5月には銀座店が開店100周年を迎えました。「つなぐ・つながる・つなげる」をテーマに、銀座店を取り巻くすべてに日頃の感謝を込めた様々な企画やイベント・限定商品等の提案は、「銀座」との共存共栄、さらには、「銀座」の伝統文化の継承と振興の取組みとして活況を呈しました。 また、地域社会との共生共創により、伝統産業の活性化・イノベーションの推進を企図した「松屋の地域共創」においては、地域の伝統工芸・産業・文化資源を時代に合わせた市場価値へと昇華させ潜在的なニーズを掘り起こし、「銀座」から情報発信することで市場創出の支援を行っています。熊本県や高知県等との連携協定締結を皮切りとした20府県との46を数えるこのプロジェクトは、立地を最大限に活用した社会貢献と事業の両立化により各方面で大きな話題となりました。 一方、円安を背景に多くの外国人観光客が訪日される中、中国政府による渡航自粛勧告等の影響もあり2024年に過去最高売上を記録した免税売上高は前年を下回りましたが、東南アジア諸国の金融機関と提携し富裕層の送客を目指した取組み等が徐々に進化しております。今後も、幅広い国々からのお客様のニーズに対応した諸施策を推し進めてまいります。 浅草店におきましても、お客様への積極的な商品提案やおもてなしを強化する等、業績の向上に尽力してまいりました。 以上の結果、百貨店業の売上高は37,741百万円と前連結会計年度に比べ2,255百万円(△5.6%)の減収となり、営業利益は2,128百万円と前連結会計年度に比べ2,060百万円(△49.2%)の減益となりました。 <飲食業> 飲食業の㈱アターブル松屋におきましては、婚礼宴会部門において宴席数の獲得および単価向上に努めるとともに施設管理部門等においても堅調な業績を維持したことにより、売上高、営業利益ともに前年を上回りました。 以上の結果、飲食業の売上高は3,485百万円と前連結会計年度に比べ70百万円(+2.1%)の増収となり、営業利益は39百万円と前連結会計年度に比べ11百万円(+42.8%)の増益となりました。 <ビル総合サービス及び広告業> ビル総合サービス及び広告業の㈱シービーケーにおきましては、建装部門において前年の大型案件の反動による減収があったものの、クリエイティブ部門が堅調に推移したことにより、売上高、営業利益は前年を上回りました。 以上の結果、ビル総合サービス及び広告業の売上高は5,557百万円と前連結会計年度に比べ55百万円(+1.0%)の増収となり、営業利益は136百万円と前連結会計年度に比べ33百万円(+32.6%)の増益となりました。 ②キャッシュ・フローの状況 「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、税金等調整前当期純利益3,735百万円、未収消費税等の増減額1,651百万円等により4,722百万円の収入となりました。 「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、投資有価証券の売却による収入2,231百万円、有形固定資産の取得による支出△1,211百万円、差入保証金の純増減額△472百万円等により143百万円の収入となりました。 「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、自己株式の取得による支出△3,999百万円等により4,032百万円の支出となりました。 この結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は833百万円増加し、4,694百万円となりました。 ③生産、受注及び販売の状況 1)生産実績 当社及び当社の関係会社において、該当事項はありません。 2)受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。 セグメントの名称   前連結会計年度   当連結会計年度 金額(百万円)   受注残高(百万円)   金額(百万円)   受注残高(百万円) ビル総合サービス及び広告業   1,028   17   692   20 (注) セグメント間取引については、相殺消去しております。 3)販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。 (単位:百万円) セグメントの名称   前連結会計年度   当連結会計年度 百貨店業   39,984   37,686 飲食業   3,404   3,473 ビル総合サービス及び広告業   2,714   2,381 その他   2,016   2,165 合計   48,120   45,706 (注) セグメント間取引については、相殺消去しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当連結会計年度の売上高は45,706百万円と前連結会計年度に比べ2,413百万円(△5.0%)の減収、「収益認識に関する会計基準」等適用前の売上高に相当する総額売上高は123,045百万円と前連結会計年度に比べ14,139百万円(△10.3%)の減収となり、営業利益は2,636百万円と前連結会計年度に比べ1,848百万円(△41.2%)の減益、経常利益は2,600百万円と前連結会計年度に比べ1,863百万円(△41.8%)の減益、親会社株主に帰属する当期純利益は2,192百万円と前連結会計年度に比べ191百万円(△8.0%)の減益となりました。 (売上高の状況) 連結売上高は、45,706百万円となりました。富裕層を中心とした消費動向が堅調な一方で、2024年に過去最高となった免税売上高においては高額品消費に一服感がみられる等の基調の変化、また、中国政府が日本への渡航自粛を呼びかけたことによる影響等もあり、「収益認識に関する会計基準」等適用前の売上高に相当する総額売上高は123,045百万円と前連結会計年度に比べ14,139百万円(△10.3%)の減収となりました。 (販売費及び一般管理費、営業利益の状況) 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ、686百万円(+3.2%)増加し、22,172百万円となりました。これは主に人件費等が増加したこと等によるものです。営業利益は、売上高が減少したこと等により2,636百万円と前連結会計年度に比べ1,848百万円(△41.2%)の減益となりました。 (営業外損益、経常利益の状況) 営業外収益は前連結会計年度に比べ、131百万円(+31.1%)増加の554百万円、営業外費用は前連結会計年度に比べ、146百万円(+33.1%)の増加の590百万円となりました。この結果、経常利益は2,600百万円と前連結会計年度に比べ、1,863百万円(△41.8%)の減益となりました。 (特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益の状況) 特別利益は㈱松屋における投資有価証券売却益等により、前連結会計年度に比べ2,194百万円増加の2,212百万円となりました。特別損失は前連結会計年度に比べ、373百万円(+53.1%)増加の1,077百万円となりました。特別損失は減損損失、固定資産除却損等であります。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は2,192百万円と前連結会計年度に比べ191百万円(△8.0%)の減益となりました。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 1)キャッシュ・フローの状況の分析 キャッシュ・フローの状況の分析は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 2)資本の財源及び資金の流動性 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また投資資金需要の主なものは、店舗に関わる設備投資等によるものであります。 運転資金や投資資金に必要となる資金は、営業活動によるキャッシュ・フローと、金融機関からの借入れ等により調達しております。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、当連結会計年度末における資産・負債及び当連結会計年度の収益・費用の報告数値並びに開示に影響を与える見積りを行っております。当該見積りに際しましては、過去の実績や状況に応じて、合理的と考えられる要因等に基づき行っております。しかしながら、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。 なお、当社の連結財務諸表作成のための会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。 (固定資産の減損) 当社グループは、事業用資産等を有しており、原則としてキャッシュ・フローを生み出す最小単位として、主として店舗を基本単位としてグルーピングしておりますが、一部の資産においては、会社を基本単位としてグルーピングしております。業績が事業計画を下回って推移していることから、今後の計画を見直した結果、当初想定されていた収益が見込めなくなった資産グループ等について、事業計画に基づく経済的残存使用年数内の割引前将来キャッシュ・フローの総額が、のれんを含む有形固定資産及び無形固定資産の帳簿価額を下回ったことから、帳簿価額を使用価値零まで減額し、減損損失として計上しております。回収可能価額の算定にあたっては、連結会計年度末時点で入手可能な情報や資料に基づき判断しております。 (繰延税金資産の回収可能性) 当社グループは、将来の利益計画に基づいた課税所得を合理的に見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存しており、当該見積りは、過年度の実績を踏まえ、今後の国内消費動向の予測、インバウンド需要の見通し等の主要な仮定を含んで見積られています。そのため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合には、翌連結会計年度において、繰延税金資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。

EDINET提出の有価証券報告書から自動抽出。表は文字起こしのため崩れることがあります。

開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP

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