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日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,061.95+295ドル円158.66-1NASDAQ26,217.83+118S&P 5007,666.6+35SOX 指数11,339.25+519/2終値

東宝

TOHO CO., LTD.9602 · Prime · 情報・通信業

映画の製作・配給・興行を一貫。IP・アニメ、演劇、不動産も手掛ける総合エンタテインメント企業。

概要

東宝は1932年創業の日本を代表する映画会社。映画の製作・配給・興行(TOHOシネマズ)を中核に、演劇、不動産、アニメ事業を展開。2026年2月期の連結売上高は3607億円、営業利益679億円。グループは子会社55社から成り、ゴジラやスタジオジブリ作品などの強力なIPを保有する。

映画事業の垂直統合モデル

東宝グループの映画事業は、製作・配給(映画営業)、興行(TOHOシネマズ)、映像関連(美術・イベント)の3領域で構成される。映画営業では自社製作作品に加え、国内他社作品の配給や海外作品の輸入配給も手掛ける。2026年2月期の映画営業事業の営業収入は643億円で、前年度比34.5%増。興行事業では全国717スクリーンを運営し、入場者数は4900万人に達した。映像関連では美術セット製作やイベント企画を提供する。これにより制作から上映までを一貫して行う垂直統合を実現している。

IP・アニメ事業の成長と海外展開

IP・アニメ事業はテレビアニメの映像利用許諾、商品化権許諾、海外展開を主な収益源とする。TOHO animationブランドで「呪術廻戦」「SPY×FAMILY」「僕のヒーローアカデミア」など多数のヒット作品を手掛ける。2026年2月期の営業収入は752億円に達し、そのうち映像利用許諾が341億円、商品化権許諾が159億円を占める。海外統括会社のTOHO Globalを通じてIPのグローバル展開を推進し、アニメ事業を第4の柱と位置付けている。

演劇事業と帝国劇場の歴史

演劇事業は帝国劇場をはじめとする自社劇場でミュージカルやストレートプレイの製作・興行を行う。2025年2月に帝国劇場が休館し、シアタークリエ等で公演を継続。子会社の東宝エージェンシーが入場券販売、東宝芸能が芸能プロダクションを運営。演劇事業はコロナ禍からの回復が進み、ライブ・エンタテインメント市場の拡大を背景に収益を伸ばしている。

不動産事業の多角的な収益基盤

不動産事業は、保有不動産の賃貸(東宝本社ビル等)、道路維持管理(スバル興業グループ)、ビル管理・清掃・警備(東宝ファシリティーズ)の3領域からなる。グループ内の安定した収益源として機能し、2026年2月期の営業収入は非開示だが、全体の業績を下支えしている。特に道路事業は全国の高速道路維持管理を担い、公共性の高い事業を展開している。

グループ全体の事業ポートフォリオと財務目標

東宝グループは映画、IP・アニメ、演劇、不動産の4事業を主力とし、さらにスポーツ施設経営や物販などのその他事業を展開。2026年2月期の連結営業収入は3607億円、営業利益679億円、親会社株主帰属当期純利益518億円。長期ビジョンでは2032年に営業利益750〜1000億円を目標とし、ROE10%以上を維持する方針。

業界の中での役割は映画・演劇の製作・配給・興行の垂直統合型事業体にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
3,607億円
営業利益
679億円
営業利益率
18.8%
純利益
518億円
2026/2 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01映画事業主力

映画営業(製作・配給)、映画興行(TOHOシネマズ等)および映像関連(美術セット、イベント企画等)の3領域。国内映画の配給から上映、関連制作まで垂直統合。

主な製品・サービス3
映画製作・配給
自社製作作品および国内他社作品の配給、海外作品の輸入配給を手掛ける。
映画興行(TOHOシネマズ)
全国のシネマコンプレックスを運営し、自社配給作品を含む多様な映画を上映。
映像関連(美術セット・イベント等)
映画・テレビ用美術セットの製作、イベント・広告の企画制作などを提供。

02IP・アニメ事業準主力

テレビアニメ等の映像作品の利用許諾、商品化権許諾、海外展開(TOHO Global)など、IPを活用した事業を展開。

主な製品・サービス1
アニメ映像の許諾・販売
テレビアニメ作品の映像配信権や商品化権を管理・許諾し、海外展開も行う。

03演劇事業準主力

演劇の製作・興行(帝国劇場等)を主とし、子会社(東宝エージェンシー)が入場券販売、東宝芸能が芸能プロダクションを運営。

主な製品・サービス1
演劇公演の製作・興行
ミュージカルやストレートプレイ等の舞台作品を製作し、自社保有劇場で上演。

04不動産事業副次

保有不動産の賃貸(東宝本社ビル等)、道路維持管理(スバル興業グループ)、ビル管理・清掃・警備(東宝ファシリティーズ等)の3領域。

主な製品・サービス3
不動産賃貸
自社保有不動産を商業施設やオフィスとして賃貸。
道路維持管理・清掃
高速道路等の維持管理、清掃業務を子会社が受託。
ビル管理・清掃・警備
グループ内外のビル管理、清掃、警備サービスを提供。

05その他事業その他

スポーツ施設経営(東宝共榮企業)、物販(TOHOリテール)、会計業務コンサルティング(東宝ビジネスサポート)等の多角化事業。

主な製品・サービス2
スポーツ施設経営
ゴルフ場等のスポーツ施設を運営。
物販
キャラクターグッズ等の販売。

製品と技術

映画製作・配給:自社製作から輸入配給まで

東宝の映画営業事業では、自社製作作品のほか、国内他社の作品の配給、海外作品の輸入配給を手掛ける。2026年2月期には「劇場版『鬼滅の刃』無限城編」や「国宝」などがヒットし、映画営業収入は643億円に達した。共同製作や配給を通じて多様な作品を市場に送り出し、邦画から洋画まで幅広いラインナップを誇る。

TOHOシネマズ:全国717スクリーンの興行網

TOHOシネマズは全国にシネマコンプレックスを展開し、717スクリーン(共同経営56スクリーン含む)を運営。2026年2月期の入場者数は4900万人で、前年比27.6%増。自社配給作品の上映に加え、他社配給作品も幅広く上映することで集客力を高めている。飲食売店の施策も奏功し、興行事業の営業収入は975億円に成長した。

TOHO animation:アニメIPの開発とグローバル展開

TOHO animationは「呪術廻戦」「SPY×FAMILY」「僕のヒーローアカデミア」など多数のアニメ作品の製作出資・配信利用・商品化権を管理。2026年2月期の映像利用許諾収入は341億円、商品化権収入は159億円。海外ではTOHO GlobalがIPの現地展開を推進し、アニメ事業をグループの成長エンジンに位置付ける。

美術セット製作とスタジオ運営:映像制作の基盤

映像関連事業において、東宝映像美術や東宝舞台が映画・テレビ・ライブイベント向けの美術セットや舞台装置を製作。TOHOスタジオは制作・スタジオ事業を一体的に運営し、堅調に稼働。2026年2月期の映像関連営業収入は206億円で、うち美術製作が106億円を占める。テーマパークの展示物や大規模改修工事も受注し、多岐にわたる映像制作ニーズに対応する。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

情報・通信業のなかでの位置

映像・興行で国内首位級、好調続く

東宝は情報・通信業に分類されるが、実際は映画・演劇などのエンターテインメント事業が中核である。同業のVR交流ソリューションやソラコムなどは異なる分野だが、映像産業では国内で圧倒的な地位を占める。売上高は2833億円から3607億円へと増加し、営業利益率も20%前後と高水準を維持。劇場公開作品のヒットや版権収入の拡大が寄与している。ライバルとしては三井倉庫などとは無関係だが、提供データ内ではこれらが挙げられている。規模と収益性で業界を牽引する存在である。

強み

  • 映画配給・興行で国内首位級のシェアを持ち、ブランド力と集客力が強い。
  • 営業利益率約20%と非常に高く、版権や興行収入の安定が見込まれる。
  • 売上高が毎期増加しており、新作コンテンツと既存IPの活用で成長を続ける。
  • 映画以外に演劇やアニメなど幅広く展開し、リスク分散と収益源の多様化を図る。

課題

  • ヒット作の有無で業績が左右され、興行収入の変動リスクが常に存在する。
  • 国内映像市場は成熟しており、今後の成長には海外展開や新規領域が必要である。
  • 動画配信サービスの台頭により、観客動員や収益構造に変化が生じている。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

メディア・エンタメの時価総額近傍。太字が東宝

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
19409テレビ朝日ホールディングス3,402億円10.7倍
28136サンリオ3,333億円29.1倍
32432ディー・エヌ・エー3,186億円15.3倍
49418U-NEXT HOLDINGS3,111億円16.5倍
56925ウシオ電機3,061億円38.6倍
69602東宝2,747億円25.5倍
72121MIXI2,639億円14.3倍
87458第一興商1,954億円12.2倍
97552ハピネット1,806億円16.5倍
103765ガンホー・オンライン・エンターテイメント1,783億円56.7倍
116632JVCケンウッド1,647億円9.1倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(メディア・エンタメ)に従っています。

会社の歴史

沿革 0件

小林一三が創業した1932年と企業理念の確立

小林一三により1932年に設立された東宝は、「健全な娯楽を広く大衆に提供すること」を存在意義とし、「朗らかに、清く正しく美しく」の行動理念を掲げた。創業以来、映画と演劇を中心にエンタテインメントを提供し、2025年には新グループスローガン「Moments for Life」を制定。創業者の精神を継承しつつ、次なる100年に向けた改革を進めている。

映画・演劇・不動産の3本柱によるグループ形成

東宝は映画の製作・配給・興行、演劇の製作・興行、不動産賃貸の3事業を中核として成長。子会社55社を擁する企業集団に発展し、TOHOシネマズや帝国劇場などの核となる資産を構築。垂直統合型のビジネスモデルにより、コンテンツ制作から収益化までを一貫して手掛ける体制を確立した。この構造が安定した収益基盤となっている。

2020年代初頭のコロナ禍と業績変動

2021年2月期の連結売上高は1919億円(前期比27%減)、当期純利益147億円に落ち込み、コロナ禍の影響を強く受けた。映画館の休業や演劇公演の中止が響いた。しかし、その後急速に回復し、2024年2月期には売上高2833億円、当期純利益453億円に改善。2026年2月期には売上高3607億円と過去最高を更新し、コロナ禍前の水準を超えた。

長期ビジョン2032とアニメ事業の位置づけ

2022年4月、東宝は長期ビジョン「TOHO VISION 2032」を公表。アニメ事業を第4の柱と定め、海外展開とデジタル活用を成長ドライバーに据えた。2025年4月には中期経営計画2028を策定し、2032年の創立100周年に向けて営業利益750〜1000億円、ROE10%以上の達成を目指す。同時にグループスローガンを刷新し、新たな成長ステージへの移行を宣言した。

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/2期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。そのうち2項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 営業利益2032年まで750億円~1,000億円
  • ROE2032年まで恒常的に10%程度以上

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    成長投資の促進と人材確保

    成長に向けた投資を促進し、人材の確保・育成に注力する。アニメ事業を第4の柱と位置づけ、長期ビジョン2032の実現を目指す。

  2. 02

    企画・IPを軸とした成長戦略

    企画とIPを価値の源泉とし、アニメーションを成長ドライバーに、デジタルで時間・空間・言語を超え、海外での飛躍的成長を実現する。

  3. 03

    中期経営計画2028の推進

    人材、コンテンツ・IP、デジタル、海外を重点領域とし、指針「人・企画・世界・お客様とつながる」に基づき、各事業戦略を積極的に推進する。

  4. 04

    キャピタルアロケーションの実行

    成長分野への投資と株主還元をバランスよく行うキャピタルアロケーションを実行し、持続的な企業価値向上を図る。

  5. 05

    人材と組織・サステナビリティ

    多様な人材を獲得し、企画力あふれる精鋭を育成。サステナビリティ経営を推進し、4つの重要課題(健康、環境、人権、文化)に取り組む。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で4,088人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は952万円で、9期前と比べて+9.0%平均年齢は37.9歳、平均勤続年数は9.2年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年2月3,074
2018年2月3,207
2019年2月3,179
2020年2月87442.116.63,257
2021年2月85039.215.43,305
2022年2月88139.515.63,239
2023年2月89839.314.33,297
2024年2月1,03139.112.83,617
2025年2月1,08538.711.03,8731,671
2026年2月95237.99.24,0881,661

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年2月期・提出会社(単体)
女性管理職比率19.4%
縦線は目安の30%
男性育休取得率87.5%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)77.3%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社53(国内 46 / 海外 7、うち連結子会社 22) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位10)
東京宝塚ビル他 — 東京都千代田区他1,665億円
不動産事業
楽天地ビル — 東京都墨田区102億円
不動産事業
楽天地ダービービル 〈東館・西館・別館〉 — 東京都墨田区9,346百万円
東京楽天地浅草ビル — 東京都台東区7,467百万円
東宝日比谷ビル他 — 東京都千代田区他6,087百万円
全社(共通)
吹田土地 — 大阪府吹田市2,477百万円
トラビ南越谷 — 埼玉県越谷市1,631百万円
岩槻製作所 — さいたま市岩槻区1,597百万円
本社 — 東京都千代田区1,589百万円
映画事業
北新宿ビル — 東京都新宿区1,448百万円
ほか13件の開示あり
主な関係会社
  • 国内
    TOHOスタジオ㈱
    東京都 千代田区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    国際放映㈱
    東京都 世田谷区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    TOHO Tombo ピクチャーズ㈱
    東京都 千代田区 · 連結子会社
    議決権67.0%
  • 国内
    TOHO アーカイブ㈱
    東京都 千代田区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱TOHO animation STUDIO
    東京都 新宿区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱サイエンスSARU
    東京都 武蔵野市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    東宝東和㈱
    東京都 千代田区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    TOHO Global㈱
    東京都 千代田区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    TOHOシネマズ㈱
    東京都 千代田区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    東宝芸能㈱
    東京都 千代田区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    東宝ミュージック㈱
    東京都 千代田区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    TOHO PW PRODUCTIONS THEATRICALS 2024 Ltd.
    英国 ロンドン · 連結子会社
    議決権51.0%
残りのグループ会社41社を開く
  • ㈱東宝映像美術東京都 千代田区100%
  • ㈱東宝コスチューム東京都 千代田区100%
  • 東宝舞台㈱東京都 千代田区100%
  • 東宝共榮企業㈱東京都 千代田区100%
  • ㈱東京楽天地東京都 墨田区100%
  • ㈱東宝ステラ東京都 千代田区100%
  • To-Smile㈱東京都 千代田区60%
  • TOHOリテール㈱東京都 千代田区100%
  • TOHOマーケティング㈱東京都 千代田区100%
  • ㈱エイド・ディーシーシー大阪市 中央区100%
  • ㈱ガイエ東京都 千代田区100%
  • 東宝ファシリティーズ㈱東京都 千代田区100%
  • 東宝ビル管理㈱大阪市 北区100%
  • スバル興業㈱ ※1,2東京都 千代田区54%
  • ㈱東宝エージェンシー東京都 千代田区100%
  • ㈱ドラゴンフライエンタテインメント東京都 新宿区100%
  • Toho International, Inc.米国 カリフォルニア州100%
  • GKIDS, INC.米国 ニューヨーク州100%
  • TOHO Entertainment Asia Pte. Ltd.シンガポール共和国100%
  • TOHO Europe Limited※1,3英国 ロンドン100%
  • ㈱エイシン工芸東京都 千代田区100%
  • ㈱シコー東京都 世田谷区100%
  • ㈱楽天地オアシス東京都 墨田区100%
  • ㈱楽天地セルビス東京都 墨田区100%
  • ㈱テス東北岩手県 盛岡市100%
  • ㈱トーハイクリーン東京都 中央区100%
  • ㈱東京ハイウエイ東京都 千代田区100%
  • スバルラインサポート㈱東京都 千代田区100%
  • ㈱協立道路サービス兵庫県 神戸市 東灘区100%
  • 京阪道路サービス㈱大阪市 北区100%
  • ハイウエイ開発㈱東京都 千代田区100%
  • ㈱ビルメン総業東京都 武蔵野市100%
  • ㈱北日本ハイウエイ宮城県 仙台市 宮城野区84%
  • ㈱アイ・エス・エス グループ本社東京都 港区100%
  • ㈱アイ・エス・エス東京都 港区100%
  • ㈱アイ・エス・エス・アールズ東京都 港区100%
  • CJ ENM FIFTH SEASON LLC米国 カリフォルニア州25%
  • IGLOO STUDIO CO., LTD.タイ国 バンコク32%
  • ㈱シネマコネクト東京都 港区33%
  • ㈱錦糸町ステーションビル東京都 墨田区29%
  • 阪急阪神ホールディングス㈱大阪市 北区1%
公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 補助金
    令和3年度文化芸術振興費補助金(子供文化芸術活動支援事業)
    文部科学省 · 2022-07-14
    3,000万円
  • 補助金
    劇場・音楽堂等の子供鑑賞体験支援事業
    文部科学省 · 2021-07-05
    3,000万円
  • 補助金
    コロナ禍を乗り越えるための文化芸術活動の充実支援事業
    文部科学省 · 2021-06-25
    2,500万円
  • 補助金
    文化施設の感染拡大予防・活動支援環境整備事業
    文部科学省 · 2021-07-15
    200万円
  • 補助金
    文化施設の感染拡大予防・活動支援環境整備事業
    文部科学省 · 2021-07-15
    135万円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年2月期の売上高は3,607億円営業利益679億円前期と比べると増収増益で、売上が+15.2%、利益が+4.9%。

売上高
+15.2%
3,607億円
営業利益
+4.9%
679億円
純利益
+19.4%
518億円
営業利益率
18.8%
前期比 -1.8%pt

会社が出している今期の予想2027年2月期

項目会社予想前期実績
売上高3,450億円3,607億円
営業利益620億円679億円
純利益410億円518億円
1株あたり配当¥22¥22

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は887億円、営業利益は139億円。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2018年4Q2,42754
2019年4Q2,46364
2020年4Q2,62871
2021年4Q1,91935
2022年4Q2,28494
2023年4Q2,44363
2024年4Q2,833169
2025年4Q3,1322387.6169
2026年4Q3,6072687.4183
2027年1Q88713915.782

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年2月期からの14期で、売上は2,023億円から3,607億円へ1.8倍に増えた。直近期の営業利益率は18.8%。売上は5期連続で増加。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2013年2月2,023307167
2014年2月1,976303177
2015年2月2,069341225
2016年2月2,294425258
2017年2月2,335516333
2018年2月2,427486336
2019年2月2,463466302
2020年2月2,628551366
2021年2月1,919242147
2022年2月2,284428296
2023年2月2,443478334
2024年2月2,833630453
2025年2月3,13264764520.7434
2026年2月3,60767970118.8518

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年2月期

売上高3,607億円のうち、営業利益として残るのは679億円18.8%。営業外の損益と税金を反映した純利益は518億円、売上の14.4%にあたる。営業利益率は業種中央値8.4%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金55.8%2,011億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金25.4%917億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益18.8%679億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
44.3%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比+10.4pt
18.8%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+7.7pt
14.4%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比2.7pt
10.4%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
7.4%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
7.3%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年2月期は営業CFが653億円、投資CFが−249億円で、差し引きのフリーCFは404億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は867億円で、売上の2.9ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年2月385−147−51238577
2014年2月267−254−17013421
2015年2月389−137−42252634
2016年2月462−227−94235774
2017年2月418−172−142246880
2018年2月434−571−119−137625
2019年2月376−113−103263785
2020年2月559−74−844851,184
2021年2月125−272−172−147858
2022年2月535−360−125175923
2023年2月454−92−1913621,121
2024年2月434−627−116−193824
2025年2月516−185−393331766
2026年2月653−249−313404867

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年2月期の総資産は7,029億円。このうち返さなくてよい自己資本が5,330億円で、自己資本比率は73.3%(業種中央値63.4%より厚い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2013年2月3,4862,51397367.4
2014年2月3,4482,60784173.0
2015年2月3,7572,81694172.5
2016年2月3,9212,94497772.6
2017年2月4,1753,20497174.4
2018年2月4,4583,49995976.1
2019年2月4,5963,65993777.2
2020年2月4,9033,8821,02176.7
2021年2月4,7383,89084879.3
2022年2月5,0254,09293378.7
2023年2月5,3414,2371,10476.6
2024年2月6,1584,8481,31074.5
2025年2月6,5314,9481,58373.3
2026年2月7,0295,3301,69973.3

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年2月期の内訳
現金及び預金
510億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
4,652億円
過去の利益の積み上がり
棚卸資産
212億円
在庫として抱えている分
負債合計
1,699億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
100
/ 100
安定性自己資本比率40 / 40
収益力営業利益率30 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

情報・通信業 605社との比較

同じ情報・通信業の企業と並べると、いちばん上に来るのは営業利益率605社中116位あたり、逆に低いのは配当利回り605社中465位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
10.4%/中央値 13.1%
P25 7.0%P75 20.1%
営業利益率上位売上のうち本業の利益として残る割合
18.8%/中央値 8.4%
P25 3.9%P75 16.1%
自己資本比率総資産のうち返済のいらないお金の割合
73.3%/中央値 63.4%
P25 45.3%P75 74.7%
売上成長率前期からの売上の伸び
15.2%/中央値 9.1%
P25 1.9%P75 20.2%
配当利回り下位株価に対して1年で受け取る配当の割合
1.4%/中央値 2.5%
P25 1.5%P75 3.5%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥1,561で、1年前と比べて-14.7%過去52週の値幅のなかでは45%の位置にある。

¥1,561-1.7%1ヶ月+5.9%1年-14.7%時価総額2,747億円
過去52週の値幅
安値¥1,191高値¥2,006

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)25.5倍
PER (会社予想)31.7倍
PBR2.59倍
配当利回り1.41%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

直近1か月で10.61%上昇し、8月7日終値1501円は25日線1428.44円を上回る。7月16日に出来高1238万株と急増し、その後も高い出来高。7月29日に1598円まで上昇したが、その後は調整。75日線1350.42円は上回るが、200日線1542.98円は下回る。52週高値2059円からは約27%下落、安値1191円からは約26%上昇。RSIは56.27で中立。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準をほぼ妥当と判定しています(スコア 55/100)

PERは24.51倍と業界平均の30.09倍を下回り、PBRは2.49倍で同3.53倍を下回る。ROEは10.4%と堅調で、配当利回りは1.47%と業界平均の3.38%を下回るが、高い収益力が株主還元につながっている。予想PERは30.5倍と上昇見込みで、今後の成長期待を織り込むと妥当な水準。映画・エンタメ事業の好調が続けば業績は伸びる可能性が高いが、配当利回りの低さはやや懸念。

指標この会社業種平均
PER (実績)25.5倍47.9倍
PER (予想)31.7倍
PBR2.59倍2.96倍
ROE10.4%12.9%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

2025/2期は売上高が過去最高を更新、2026/2期も増収が見込まれるが、営業利益率は若干低下。強気派は、興行収入の堅調さ、アニメIPの世界的な人気、巣ごもり需要の一巡後も映画館への集客が底堅く、自社コンテンツのヒットが続けば高収益構造が維持できると見る。一方、弱気派は、映画コンテンツのヒット不確実性、制作費・人件費の上昇、動画配信サービスの台頭による興行収入減少の長期的リスクを挙げる。また、株価は1年で下落しており、市場が保守的見方を強めている。

プラスに働く材料7
  • コンテンツヒットの連鎖

    「ゴジラ」等のシリーズが国内外で堅調で収益を牽引

  • 興行・配給の安定収益

    自社劇場の集客力で配給交渉力を保持

  • アニメIPの収益拡大

    海外配信・グッズ販売で版権収入が成長

  • 売上高3607億円、営業利益679億円決算発表後影響

    売上高は前期比475億円増、営業利益は32億円増

  • 純利益518億円と前期比84億円増通年影響

    大ヒット作品が寄与し純利益518億円、ROE10.4%

  • 営業利益率18.82%と高水準通年影響

    売上高3607億円に対し約2割の利益率を確保

  • 株価1年で21%下落し押し目買い継続影響

    株価1501円、PER24.5倍と高成長後の調整局面

マイナスに働く材料7
  • ヒットの不確実性

    映画の収益は少数の大作に依存し、当たり外れが大きい

  • コスト上昇

    制作費や人件費の高騰で利益率が圧迫される

  • 配信サービスの脅威

    定額動画配信の普及で映画館離れが進む可能性

  • 予想PER30.5倍で来期減益示唆決算発表後影響

    現行PER24.5倍に対し予想PER30.5倍、EPS約2割減

  • 営業利益率が20.66%から18.82%へ低下通年影響

    利益率が1.84ポイント低下しコスト増が重荷

  • 外国人保有17.65%の売り圧力継続影響

    株価下落の背景に海外投資家の売りが続く可能性

  • 大作頼みで興行収入が変動不定影響

    ヒット作が出ない場合、営業利益679億円を維持困難

次の決算で確かめる点
映画興行収入
主要事業の需要動向を直接反映する
アニメ版権収入
ヒットIPの国際展開やグッズ収入が収益を左右
営業利益率
コンテンツ費コスト管理の効率性を示す

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり22で、前期から+29.4%いまの株価に対する利回りは1.41%。増配か配当維持が1年続いている。

年間配当
¥22
1株あたり
配当利回り
1.41%
いまの株価に対して
配当性向
47.1%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
1年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年2月932.6
2018年2月90.021.0
2019年2月90.040.0
2020年2月1122.239.4
2021年2月7−36.434.5
2022年2月928.632.0
2023年2月1233.337.5
2024年2月1741.742.5
2025年2月170.037.3
2026年2月2229.447.1

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥22

株主

有価証券報告書より

2026年2月期末の株主数は延べ48,012人。区分でいちばん多いのは事業法人40.0%。グループ会社や銀行などの安定株主が58.8%を占め、残る41.2%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年2月%2022年2月%2023年2月%2024年2月%2025年2月%2026年2月%
事業法人43.042.341.541.538.840.0
個人・その他21.821.422.723.324.321.4
金融機関19.319.619.818.120.318.8
外国法人14.415.414.815.514.817.6
自己株式4.65.06.26.29.14.6
証券会社1.51.31.31.71.82.2
外国人個人0.00.00.00.00.00.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01阪急阪神ホールディングス株式会社12.96
02日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)9.57
03阪急阪神不動産株式会社8.61
04株式会社日本カストディ銀行(信託口)5.59
05エイチ・ツー・オー リテイリング株式会社4.03
06株式会社フジ・メディア・ホールディングス2.81
07株式会社TBSテレビ2.57
08株式会社竹中工務店2.15
09株式会社丸井グループ1.46
10STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1.40

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で−32%、1株純資産は14期で−52%。直近期のROEは10.4%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年2月901,2697.419.735.9
2014年2月951,3617.320.627.9
2015年2月1221,4758.623.926.5
2016年2月1401,5529.319.730.2
2017年2月1831,71711.217.432.6
2018年2月1861,88510.318.721.0
2019年2月1681,9758.723.740.0
2020年2月2042,09210.016.339.4
2021年2月832,1153.948.534.5
2022年2月334487.728.632.0
2023年2月384698.324.937.5
2024年2月5252710.418.742.5
2025年2月515649.327.837.3
2026年2月6161410.425.647.1

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

10名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は10名。2026/2期の役員報酬は総額483百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約9倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
島谷能成代表取締役会長7425,000
松岡宏泰代表取締役社長 社長執行役員6027,500
太古伸幸取締役 副社長執行役員6018,600
市川南取締役 専務執行役員6012,600
嶋田泰夫取締役62300
緒方栄一取締役 監査等委員(常勤)611,700
安藤知史取締役 監査等委員52
折井雅子取締役 監査等委員65
大越いづみ取締役 監査等委員62
大田圭二取締役 専務執行役員6011,300

役員報酬の内訳2026/2

役員の区分人数固定報酬百万円賞与百万円株式報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)5248406343086
社外取締役3292910
取締役(社内)1242424

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/2期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容2,046字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 当社の企業集団は、当社、子会社55社、関連会社9社(うち連結子会社48社、持分法適用関連会社4社)で構成され、映画事業、IP・アニメ事業、演劇事業、不動産事業及びその他の事業に携わっております。 各々の事業内容と、当社及び当社の関係会社の、当該事業における位置付け及びセグメントとの関連は次のとおりであります。 なお、当社の企業集団が営んでいる事業内容と、セグメントにおける事業区分は同一であります。 また、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項](セグメント情報等)[セグメント情報]」の「1 報告セグメントの概要」をご参照ください。 映画事業 当社、子会社16社(うち連結子会社14社)、関連会社5社(うち持分法適用関連会社1社)で構成されております。 事業の内容は、①映画営業事業と②映画興行事業及び③映像関連事業であります。 ①映画営業事業 当社、子会社3社(東宝東和㈱等)、関連会社2社で構成され、当社は、製作した映画の他、国内の製作会社から配給業務を委託された映画を、東宝東和㈱は海外の映画を、当企業集団を始めとする国内の興行会社に配給しております。また、共同製作した劇場用映画の映像配信権の許諾を行っております。 ②映画興行事業 子会社2社(TOHOシネマズ㈱等)で構成され、経営する映画館等で、当社及び東宝東和㈱並びに当企業集団以外の配給会社が配給する映画を上映しております。 ③映像関連事業 当社、子会社11社(㈱東宝映像美術、東宝舞台㈱等)、関連会社3社で構成され、映画などの美術セット等の製作、各種イベント、広告等の企画・製作から販売に至る各分野に携わっております。 IP・アニメ事業 当社、子会社10社(うち連結子会社10社)、関連会社2社(うち持分法適用関連会社2社)で構成されております。 テレビアニメ作品等の映像の利用・許諾、商品化権等の利用・許諾、商品の販売等を行っており、TOHO Global㈱は当社グループの扱うIP及び映像作品の海外展開を行っております。 演劇事業 当社、子会社3社(うち連結子会社3社)、関連会社1社で構成されております。 演劇の製作及び興行は主に当社が行っており、㈱東宝エージェンシーは当社が公演する演劇の入場券販売を、東宝芸能㈱は芸能プロダクションの経営を行っております。 不動産事業 当社、子会社24社(うち連結子会社20社)、関連会社1社(うち持分法適用関連会社1社)で構成されております。 事業の内容は、①不動産賃貸事業と②道路事業及び③不動産保守・管理事業であります。 ①不動産賃貸事業 当社、子会社4社、関連会社1社で構成され、保有不動産の賃貸を主体とする不動産業に携わっております。 ②道路事業 子会社17社で構成され、スバル興業㈱とスバル興業㈱の企業集団が、道路の維持管理・清掃等を主たる事業としております。 ③不動産保守・管理事業 子会社3社で構成され、東宝ファシリティーズ㈱及び東宝ビル管理㈱がビルの管理・清掃・警備等に携わっております。 その他事業 子会社3社(うち連結子会社2社)で構成され、東宝共榮企業㈱はスポーツ施設等の経営に、TOHOリテール㈱は物販業に携わっております。その他で㈱東宝ビジネスサポートが会計業務のコンサルティング及び指導等に携わっております。 以上に述べた事項の、当社を中心とした概要図は次のとおりであります。 セグメントごとの非連結子会社及び関連会社の会社数と会社名は次のとおりであります。 (連結子会社については、第1 企業の概況 4 関係会社の状況を参照。) セグメント   主要な事業内容   非連結子会社(7社)   関連会社(9社) 会社数   会社名   会社数   会社名 映画事業   映画の製作・配給   1社   東和ピクチャーズ㈱   2社   マイシアターD.D.㈱ ㈱シネマコネクト ※ 映像の製作・販売   1社   ㈱東和ミュージック   3社   ㈱アイ・エス・シー ㈱ニュージャパンフィルム ㈱映像衣裳サービス IP・アニメ事業   映像の製作・許諾・商品販売   ―       2社   CJ ENM FIFTH SEASON LLC ※ IGLOO STUDIO CO., LTD. ※ 演劇事業   演劇の製作・興行   ―       1社   ㈱シアター・コミュニケーション・システムズ 不動産事業   不動産の賃貸等   ―       1社   ㈱錦糸町ステーションビル ※ 道路の維持管理・清掃等   4社   ㈱環境清美   ― ㈱名古屋道路サービス ㈱水質研究所 スバルケミコ㈱ その他事業   会計業務コンサルティング業   1社   ㈱東宝ビジネスサポート   ― (注) ※持分法適用会社
経営方針・対処すべき課題8,649字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営の基本方針 当社グループは、小林一三により設立されて以来、「健全な娯楽を広く大衆に提供すること」を企業の存在意義とし、「我々の享くる幸福はお客様の賜ものなり」を価値観に据え、「朗らかに、清く正しく美しく」という行動理念のもと、映画・演劇を中心に幅広い層のお客様に夢や感動、喜びをもたらす数多くのエンタテインメント作品をお届けしてまいりました。そして2025年、創業者・小林一三の揺るぎない精神を受け継ぎながらも、創立100周年とその先の社会を見据え、未来に向けた一歩として、新たなグループ・スローガン「Moments for Life その時間が、人生の力になる。」を掲げ、理念体系をアップデートいたしました。 創業から現在に至るまで、当社グループの本質は、エンタテインメントの提供を通じて広く多くの人々の心に残る体験やサービスを創造することにあり、「心を揺り動かし、人生の力となる時間を届け、人々の幸福に貢献する」ことが当社グループのパーパスと考えています。 新グループ・スローガンを“創業精神を未来へつなぐ羅針盤”とし、グループ一丸となって経営を推進してまいります。 [新理念体系] (2)「TOHO VISION 2032 東宝グループ 経営戦略」及び「東宝グループ 中期経営計画 2028」について 当社グループは2022年4月に公表した長期ビジョン「TOHO VISION 2032 東宝グループ 経営戦略」及び長期ビジョン実現に向けたマイルストーンとして2025年4月に策定・公表した「東宝グループ 中期経営計画 2028」を基に、創立100周年を迎える2032年への歩みを進めております。それぞれの体系と骨子は、以下の通りです。 1.「長期ビジョン 2032」 (1) 3つの重要ポイント ① 成長に向けた「投資」を促進  ②「人材」の確保・育成に注力  ③ アニメ事業を「第4の柱」に (2) 成長戦略の4つのキーワードと飛躍に向けた成長ストーリー ① 企画&IP ② アニメーション ③ デジタル ④ 海外 「企画&IP」をあらゆる価値の源泉として、その中でも「アニメーション」を成長ドライバーにし、「デジタル」の力で時間・空間・言語を超え、「海外」での飛躍的成長を実現すべく、果敢に挑戦していく。 (3) 目指す姿(2032年の財務イメージ) 営業利益 750億円~1,000億円 ROE    恒常的に10%程度以上 (4) 事業ポートフォリオの方向性 既存事業の3本柱である映画事業、演劇事業、不動産事業に加え、「アニメ事業」を第4の柱とする 2.「中期経営計画 2028」 (1)「中期経営計画 2028」の位置づけ (2)指針 “人”、“企画”、“世界”、そして、お客様ともっと“つながる” “人”が、情熱を傾けて“企画”をし、エンタテインメントを創り、“世界”に届ける。 これが、どんなに外部環境が変化したとしても、当社グループの変わることのないシンプルで本質的な価値創造ストーリーです。加えて、当社グループがより持続的に成長していくためには、エンタテインメントを単に広く届けるだけではなく、世界中のお客様の好みやニーズを深く知り、お客様ともっと積極的に“つながる”ことで、ファンになっていただくことが大切になると考えています。 (3)重点ポイントと数値目標 「中期経営計画 2028」では、「人材」「コンテンツ・IP」「デジタル」「海外」を重点領域とし、以下の通り重点ポイントと数値目標を定めました。これらの目標に向かって、グループ一丸となって各事業戦略を積極的に推進してまいります。 (注)配当金額は、2026年3月1日付株式分割前の目標値です。 (4)キャピタルアロケーション (5) 人材と組織/サステナビリティ ① 人材と組織の戦略 人材と組織のビジョン 心が動き、心を動かす仕事を通じて、幸福を得られる会社へ 人材と組織のキーワード ・“少数精鋭”から“精鋭多数へ” ・成長・自律・安心 人材と組織の方針 1.成長を推進し、変化に対応する多様な人材の獲得を推進 2.企画力あふれる東宝らしい精鋭人材の育成を強化 3.社員の強みを活かし、成長を支援する人事施策を推進 4.自らを律し、裁量をもって、安心して活躍できる組織・環境を追求 ② サステナビリティ経営の推進 サステナビリティの基本方針に則り、各事業戦略や人材と組織の戦略を通じて、以下の4つの重要課題を軸として、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでいきます。 基本方針 東宝グループは、エンタテインメントの提供を通じて誰もが幸福で心豊かになれる社会の実現に向けて“朗らかに、清く正しく美しく”貢献します 4つの重要課題 朗らかに ① 誰もが健康でいきいきと活躍できる職場環境をつくります 清く ② 地球環境に優しいクリーンな事業活動を推進します 正しく ③ 人権を尊重し、健全で公正な企業文化を形成します 美しく ④ 豊かな映画・演劇文化を創造し、次世代への継承に努めます (3)経営環境についての認識 当社グループを巡る経営環境は、継続的な賃金の上昇や適正な価格転嫁による経済成長への転換が期待されている一方で、国内における慢性的な人手不足やインフレによる消費マインド減退、また今後の中東情勢等による世界経済への影響等が懸念される状況にあります。当社グループの事業環境においては、2025年の国内年間興行収入が2,744億円にのぼり歴代最高記録を更新、アニメでは海外成長が市場を牽引するトレンドが継続しており、演劇が含まれるライブ・エンタテインメント市場もコロナ禍前の水準を超えて回復しているなど、足許では総じて堅調な市場環境といえます。また、政府が重点投資対象と位置付ける「17の戦略分野」の一つとしてコンテンツ産業が選定されるなど、ジャパンIPの需要が世界的に高まる中、今後の産業の持続的な発展と成長に向けて、より一層、官民一体での取り組みが重要になると考えられます。不動産市場においては、建設コストや物件価格の高騰、金利の動向など様々な要因について注視が必要と認識しております。 そのような情勢下において、2026年2月期における当社グループの映画事業では、興収400億円を突破した「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」や、興収200億円を超え、邦画実写歴代興行収入記録を更新した「国宝」などの歴史的ヒットが続き、業績を牽引いたしました。洋画では、ワーナー・ブラザースが扱う洋画作品の国内配給を2026年より開始しております。 IP・アニメ事業では、TOHO animationのTVシリーズ「薬屋のひとりごと」「SPY×FAMILY」「僕のヒーローアカデミア」「葬送のフリーレン」「呪術廻戦」等が放送され、国内外の動画配信による収入も好調に推移しました。海外拠点においては、欧州統括会社としてTOHO Europe Limitedが設立され、2027年2月期より連結対象となる英国のAnime Limitedが加わります。これらによって従来の米国・アジアに続き、全世界におけるIP展開をより一層広げてまいります。 演劇事業では、帝国劇場の休館中においても外部劇場を積極的に活用し、「エリザベート」や大型会場の東京ガーデンシアターでの上演となった「『ナイツ・テイル-騎士物語-』ARENA LIVE」などで大きな成功を収めることができました。さらに「舞台『千と千尋の神隠し』」も2024年のロンドン公演に続き上海、ソウルでの公演が大盛況となり、現地でも高い評価を得ました。 不動産事業では、建築資材や労務費の高止まりといったマイナス要因はあるものの、保有物件の有効活用に注力しております。空室率は極めて低い水準を維持しており、賃料改定交渉や計画的な修繕により、安定した収益を確保することができました。また、帝劇ビルは予定通り解体が進み、再開発が着実に前進しております。 これらにより、通期の営業利益は678億円となり、3期連続で最高益を更新することができました。来期以降も引き続き、長期ビジョン及び中期経営計画の成長戦略に沿った事業展開をしてまいります。 以下、セグメント別に現在の経営環境等に対する認識を記します。 [映画事業] 2025年は自然暦での国内年間興行収入が2,744億円(前年比132.6%)となり、コロナ禍前であった2019年当時の最高記録(2,611億円)を上回り、歴代最高記録が更新される活況な市況となりました。 映画営業事業においては、興行収入400億円に到達した「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」や、興行収入200億円を超え、邦画実写の最高記録を塗り替える歴史的快挙となった「国宝」、3作品連続での興行収入100億円突破となった「名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)」、「劇場版『チェンソーマン レゼ篇』」など、記録的なヒット作が続きました。これらの結果、2025年(自然暦)の当社配給作品の年間累計興行収入は1,430億円を超え、昨年の最高記録を大幅に更新し、歴代1位の成績となりました。 また、洋画作品では当社グループの東和ピクチャーズ㈱配給の「ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング」や、東宝東和㈱配給の「ジュラシック・ワールド/復活の大地」が大ヒットとなりました。さらに、東宝東和㈱が米国ワーナー・ブラザースと同社が扱う洋画作品の日本国内における劇場配給について合意し、2026年より当社グループにて国内配給を開始しております。一方で、興行成績の二極化が顕著となり、リスクが拡大している状況といえます。お客様に選ばれる作品を創出するために、コンテンツ企画力の強化、ラインナップのさらなる充実、効果的なマーケティングに注力してまいります。 映画興行事業において、当社グループのTOHOシネマズ㈱は、全国の主要都市にシネマコンプレックスを展開し、2025年におけるスクリーンシェアは20%弱、興行収入のシェアは30%弱と業界トップのシェアを誇ります。当期は、強力なラインナップによる動員により、興行収入だけでなくコンセッションやストアも高稼働いたしました。また2026年3月にTOHOシネマズ 大井町が開業、同年6月にはTOHOシネマズ 名古屋栄の開業を予定するなど、興行網を強化し、好立地の劇場を基盤とした競争優位性を維持しております。一方で、出店適地の減少や、賃料を含む出店コストやエネルギー価格、人件費の上昇傾向が収支に与える影響は懸念すべき課題です。動画配信の普及により視聴習慣が大きく変化する中、今後もお客様に「選ばれるTOHOシネマズ」であるべく、設備投資により最高の鑑賞環境の提供、飲食メニューやグッズの展開にも注力してまいります。 また、その他子会社においても、TOHOスタジオ㈱は、映画・映像制作及びスタジオ事業の一体化を図り、外資系動画配信プラットフォームのスタジオ賃貸を誘致するなど、年間を通じて安定稼働いたしました。㈱東宝映像美術及び東宝舞台㈱では、映画やテレビ、ライブイベント等における舞台・美術製作を幅広く手掛けたほか、テーマパークにおける展示物の製作やメンテナンス業務、改修工事についても着実に受注し、堅調に推移いたしました。 [IP・アニメ事業] IP・アニメ事業は、「TOHO VISION 2032 東宝グループ 経営戦略」及び「中期経営計画 2028」において成長ドライバーとして位置付けており、当期も自社IPの価値最大化とグローバル展開を着実に推進いたしました。アニメーション分野では、当社が製作出資を行うTOHO animation作品が国内外で極めて高い人気を博しました。「僕のヒーローアカデミア」「呪術廻戦」「薬屋のひとりごと」「SPY×FAMILY」「Dr.STONE」「怪獣8号」「葬送のフリーレン」等の強力なラインナップが揃い、国内外のプラットフォーム向け配信利用や各種配分金収入が、収益の柱として大きく貢献いたしました。また「ゴジラ・ストア」初の海外店舗となる「ゴジラ・ストア Taipei」の出店、「ゴジラ カードゲーム」の展開や、ライドアトラクション「ゴジラ・ザ・ライド グレート・クラッシュ」の稼働開始など、ゴジラIPを軸とした多角的な事業展開を図りました。海外拠点においては、欧州統括会社としてTOHO Europe Limitedが設立され、2027年2月期より連結対象となる英国のAnime Limitedが加わります。これらによって従来の米国・アジアに続き、海外でのアニメ作品や映像作品等のIP展開を加速させることで、世界市場における収益力のさらなる向上とブランド地位の確立を目指してまいります。 人気原作のアニメ化権の競争激化、製作費高騰やスタジオにおける制作ラインのひっ迫などの課題を十分に認識しつつ、当社グループの経営資源を集中し、成長戦略の核として注力してまいります。 [演劇事業] 当期は、2025年2月に帝国劇場が休館したことに伴い、当社所有劇場「シアタークリエ」での自社興行に加え、外部劇場を積極的に活用することで、公演回数の確保に注力いたしました。 シアタークリエでは、「ジャージー・ボーイズ」「バグダッド・カフェ」「ピアフ」等の話題作を上演いたしました。また、日生劇場や明治座、東急シアターオーブ、東京ガーデンシアター等の外部劇場において、「『レ・ミゼラブル』ワールドツアースペクタキュラー」や「エリザベート」等を上演したほか、「『ナイツ・テイル-騎士物語-』ARENA LIVE」は大入りを記録するなど、高い稼働率となりました。海外展開についても、「舞台『千と千尋の神隠し』」が2024年のロンドン公演に続き上海、ソウルでの公演が大盛況となり、現地でも高い評価を得ました。新・帝国劇場が開業するまでの間は、代替劇場の確保に努めながら公演コストの増加を適切に管理していく必要があります。また演劇コンテンツの配信や公演関連グッズの販売により、興行収入以外の収益源の確保にも注力してまいります。 また、東宝芸能㈱においては、所属俳優が広告や多方面におけるメディア出演を通じて堅調に稼働いたしました。 [不動産事業] 2025年の不動産市況は、東京都心エリアの空室率が2%台まで低下しているオフィスや、マンション価格の高止まりが続く住宅を中心に、賃料上昇傾向が続きました。当社グループの不動産賃貸事業は、好立地の物件を多数保有しており、極めて低い水準で空室率を維持しながらも賃料改定交渉を行い、安定した収益を確保することができました。帝劇ビルは予定通り解体が進み、再開発計画が着実に前進しておりますが、建築コストや今後の金利の動向を注視していく必要があります。 道路事業におけるスバル興業㈱と同社の連結子会社では、老朽化した道路関連のインフラ整備等、公共投資の受注が堅調に推移いたしました。建設技能者不足や労務費・資機材価格の上昇がありながらも、原材料等の上昇分に係る価格改定の交渉や、積極的な営業活動による受注確保に努め、収益の維持に取り組みました。 不動産保守・管理事業においては、東宝ビル管理㈱及び東宝ファシリティーズ㈱が、慢性的な人手不足など厳しい状況下においても、新規業務の受託や既存取引先との請負金額の改定等に注力いたしました。 [その他事業] その他事業では、東宝共榮企業㈱が運営する「東宝調布スポーツパーク」のゴルフ練習場、テニスクラブ等施設において、利用者数が堅調に推移しています。また、TOHOリテール㈱は、物販店舗運営や演劇事業のグッズ販売等を積極的に展開することで業績を維持しております。 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標 当社グループは、経営目標の達成状況を判断するための指標として、営業利益とROEを重視しており、本業の稼ぐ力(収益性)を示す営業利益と、経営全体の資本効率性を示すROEの両面から、バランスの良い数値目標の設定を心がけております。 営業利益については、「長期ビジョン 2032」において、2032年には営業利益750億~1,000億円の企業集団への成長を目指すとしております。また、2025年4月に策定した「中期経営計画 2028」においては、そのための橋渡しとして、2028年2月期までに営業利益700億円の達成を目指すとしております。 ROEについては、長期ビジョンの策定時には2032年に8~10%と設定していましたが、「中期経営計画 2028」の期間においては9%以上とし、2032年までには恒常的に10%以上と目標値を引き上げております。 なお、株主還元に関する指標としては、「中期経営計画 2028」において「年間85円(2026年3月より株式分割の実施により17円)の配当を下限に配当性向35%以上かつ機動的な自己株式取得の実施」としております。 また、「中期経営計画 2028」においては、2028年2月期までの3カ年を「成長投資と変革を継続する期間」と位置付け、キャピタルアロケーションにおいて、コンテンツ・IP関連のM&Aやシネコン出店などの「成長投資」として3カ年で1,200億円程度を見込むとしております。 (5)当社グループが優先的に対処すべき課題 当社グループは2022年4月に公表した長期ビジョン「TOHO VISION 2032 東宝グループ 経営戦略」及び長期ビジョン実現に向けたマイルストーンとして2025年4月に策定・公表した「中期経営計画 2028」を基に、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に向けて取り組んでいます。 長期ビジョンにおいては、①成長に向けた「投資」を推進、②「人材」の確保・育成に注力、③アニメ事業を「第4の柱に」の3つを重要ポイントとし、成長戦略として「企画&IP」「アニメーション」「デジタル」「海外」の4つのキーワードを掲げております。 また、「中期経営計画 2028」は、長期ビジョンの成長ストーリーを踏襲しつつ、その実現に向けた“成長投資と変革を継続する期間”と位置付けており、成長戦略に沿った投資や組織の変革をさらに加速させ、最終フェーズとなる“飛躍的成長を実現し、未来へとつなぐ期間”への着実な橋渡しとなることを目指しております。 「中期経営計画 2028」の初年度にあたる2026年2月期は、映画事業において歴史的ヒットを記録した「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」や「国宝」、IP・アニメ事業では「薬屋のひとりごと」「僕のヒーローアカデミア」「葬送のフリーレン」「呪術廻戦」といったTOHO animationのTVシリーズ、演劇事業では「エリザベート」等の作品に恵まれ、そこに安定した不動産事業の収益が加わることで、連結営業利益として過去最高となる678億円を達成いたしました。3期連続での営業利益の最高益を更新するとともに、中期経営計画3カ年の初年度において順調なスタートを切ることができました。また、映画事業においてワーナー・ブラザースが扱う洋画作品の国内配給を受託、海外拠点では欧州統括会社を設立し2027年2月期より英国のAnime Limitedを連結子会社とするなど、IP展開をより一層広げていく体制強化にも取り組みました。 2027年2月期におきましても、成長戦略のキーワードとして掲げる「企画&IP」「アニメーション」「デジタル」「海外」を中心に成長投資及び積極的な事業展開を継続するとともに、当社グループの提供する会員サービスを統合した「TOHO-ONE」(2026年3月開始)を活用することで、「中期経営計画 2028」の指針である“人”“企画”“世界”そして、お客様ともっと“つながる”を推進し、「長期ビジョン 2032」の達成に繋げてまいります。 そして、これらの成長戦略を推進していくためには、お客様に感動を届ける当社グループの社員一人ひとりが、朗らかにいきいきと働けていること、つまり“心が動く”状態であることが、なによりも大切だと考えております。 「中期経営計画 2028」では「心が動き、心を動かす仕事を通じて幸福を得られる会社へ」という新たな「人材と組織のビジョン」を掲げました。また、サステナビリティにおいては、「東宝グループは、エンタテインメントの提供を通じて誰もが幸福で心豊かになれる社会の実現に向けて“朗らかに、清く正しく美しく”貢献します」という基本方針に基づき、人的資本、気候変動、人権、文化継承の4つの重要課題を軸として、持続可能な社会の実現に向け、エンタテインメント企業ならではの取り組みを継続してまいります。
事業等のリスク10,204字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績、キャッシュ・フローの状況及び事業運営に特に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りであります。 当社グループでは、「リスクマネジメント基本規程」に基づき、代表取締役社長を議長とする「リスクマネジメント会議」を設置し、グループ全体にわたるリスクの洗い出しと評価、連絡・報告体制の整備、対応策の検討等を実施し、これら主要なリスクの発生の回避及び発生時の迅速かつ適切な対応に向け、全社的なリスクマネジメント体制を構築しております。 なお、文中における将来に関する事項は当社グループが有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。 (1)当社グループの主な事業において発生可能性がある主要なリスク ①  映画、アニメ、演劇各事業の不確実性によるリスク 当社グループの以下の事業において、作品によっては収入が見込みを大きく下回るリスク、作品の製作遅延や公開延期、公演中止等により、作品からの収入が見込めないなどのリスクが存在します。 ・映画事業 :公開作品によっては興行収入が想定を下回るリスク。また、出演者・スタッフ等のトラブルや撮影時の事故などによる公開予定作品の製作遅延や公開延期、公開中止等のリスク。 ・アニメ事業:出資作品によっては興行収入や配信等の各種利用料が想定を下回るリスク。また、声優・スタッフ等のトラブル等により製作遅延や公開延期、放映・配信の中止等のリスク。さらには、作品内容や表現等によって海外での利用に支障が発生し、十分な収入が得られないリスク。 ・演劇事業 :公演の演目によっては興行収入が想定を下回るリスク。また、制作スケジュールの遅延や俳優の健康上の理由・トラブル等により公演が延期や中止となるリスク。 これらのリスクが顕在化する可能性は、映画事業、アニメ事業、演劇事業が不確実性を本質的な事業特性とする限り、一定程度、常に存在するといえます。 これらのリスクが顕在化した場合は、営業収入、営業利益が減少するとともに、製作投資の回収可能性の低下による棚卸資産の評価減等、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があり、さらには当社が提供するコンテンツに対する信頼を損なうという大きなリスクを伴います。 これらのリスクへの対応策は、常に幅広く良質なコンテンツの獲得を行うことや、年間を通じてバランスの取れたラインナップ編成によって興行のボラティリティを軽減することに加え、コンテンツの制作段階におけるトラブルの発生やスケジュールの遅延などのリスクを防止するため、各作品のリスク管理を徹底しています。また、万が一の場合には、速やかな代替策や対応策の実施を検討してまいります。 ②  コンテンツの制作現場に係るリスク 当社グループの映画事業、アニメ事業、演劇事業の各事業において当社グループが制作する各種コンテンツの制作現場では、コンプライアンス違反、ハラスメント事案の発生、各取引業者との取引トラブル等の発生のリスクが存在します。 これらのリスクは、コンテンツ制作という業務の性格上、クリエイターや俳優、技術スタッフなど多様な関係者、取引先が関わっていることから、当社と直接雇用関係にない外部の事業者、芸能関係者、フリーランス等によって引き起こされる可能性もあり、常に一定程度のリスクは存在するといえます。 これらのリスクが顕在化した場合は、当社グループの信用を毀損するだけでなく、当該コンテンツの上映、放映、上演などの各種利用が行えないといった事態が生じる可能性があります。その場合は営業収入や営業利益が減少し、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。 これらのリスクへの対応策は、当社が主導的に製作する実写映画の制作現場においては、一般社団法人映画制作適正化機関の審査基準を遵守することにより、適正な制作現場の実現を担保するよう努めています。また、アニメ制作、配信コンテンツ制作、演劇制作においても、それぞれのコンテンツ制作の特性を勘案しながら、コンテンツ制作の現場において立場の差などによるハラスメントの防止を視野に入れた人権尊重意識の徹底を図るとともに、制作現場の適正な就業環境や取引環境の実現に向けた取り組みを今後も継続して進めてまいります。 ③  知的財産権の侵害や不正転売に係るリスク 当社グループの以下の事業において、「ゴジラ」など当社が保有するIPや当社が出資した各種コンテンツの知的財産権が侵害されるリスクや、演劇公演の鑑賞券等の不正転売によるリスクが存在します。 ・映画事業  :映画、映像作品の盗撮・違法コピーや取引先からの流出した素材を使用した違法動画配信や海賊版パッケージ商品の流通、またキャラクターグッズ等での無許諾商品、模倣品等による当社の知的財産権が侵害されるリスク。 ・アニメ事業 :アニメ作品の盗撮・違法コピーや取引先からの流出した素材を使用した違法動画配信や海賊版パッケージ商品の流通、またキャラクターグッズ等での無許諾商品、模倣品等による当社知的財産権が侵害されるリスク。 ・演劇事業   :演劇公演の鑑賞券の不正転売リスク、演劇公演の盗撮や無許諾素材を使用した違法配信などによる当社知的財産権が侵害されるリスク。 これらのリスクが顕在化する可能性は、さまざまな対策を講じても一定程度発生することが見込まれ、根絶することはなかなか困難と考えられます。 これらのリスクが顕在化した場合は、コンテンツの利用に関する逸失利益が発生します。特に海外やインターネット上での知的財産権の侵害は、侵害行為の停止措置が困難な場合もあり、被害が拡大する可能性があります。 これらのリスクへの対応策は、著作権、商標権等の保護に関する各種対策を強化するとともに、一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA)等の業界団体とも連携し、仮にリスクが顕在化した場合は、法的措置を前提に毅然とした対応をとることを徹底しております。また、鑑賞券等の不正転売に関しては、電子チケットの導入を推進していくとともに、行政機関及び各種関係団体とも連携して可能な限りの対策を講じてまいります。 ④  不動産事業に係るリスク 当社では全国各地に約130物件の不動産を保有しており、オフィス、飲食・物販店舗、ホテル事業などのさまざまなテナントに対する賃貸借契約によって収入を計上し、安定的なキャッシュ・フローを創出しております。直近では旺盛なオフィス需要や物販・飲食テナントの堅調な売り上げ、好調に推移するインバウンド需要によるホテル高稼働により、既存所有物件での収益は安定しているものの、さまざまな要因による各種資材の高騰や人手不足等による建築・設備工事費の高騰など、不動産事業を巡る事業環境は長期的には不確定な要因が増加しつつあります。 それらの影響により、当社グループの既存保有物件においては、修繕費を含めたランニングコスト負担増による収益の悪化、また、新規取得物件や再開発物件においては、物件価格の上昇や工事費の高騰による投資回収期間の長期化、開発計画の見直し・中断といったリスクが存在します。 これらのリスクに対し、既存保有物件においては、コスト削減に努めながら賃料改定の営業努力を継続してまいります。新規物件取得や保有物件の再開発においては、さまざまな想定に基づき、投資回収計画をより慎重に策定することによってリスクの低減を図ります。 ⑤  道路事業に係るリスク 当社グループの不動産事業において、スバル興業㈱とその連結子会社が道路事業に関わっており、これら事業においては、公共工事への高い依存に伴うリスク、人員不足のリスク、労務費及び資機材価格の高騰リスク、自然災害のリスク、建設業法等の規制に関するリスク、入札業務における独占禁止法に関するリスク等、道路事業特有のリスクが存在します。 こうしたなか、スバル興業㈱では、2025年9月に公正取引委員会による入札談合に関する立入検査を受け、2026年4月には独占禁止法に基づく排除措置命令及び課徴金納付命令を受けるに至りました。当連結会計年度において特別損失として独占禁止法関連損失を計上するなど、連結財務諸表に直接的な影響が発生しております。なお、今回の事案に対しては、第三者の専門家による調査を実施し、事実確認及び原因究明、再発防止策の提案等がなされ、スバル興業グループにおいて、それらをもとにした再発防止策の構築・運用がなされております。当社グループとしては、今回の事象を重く受け止め、今後、二度と同様の事象を発生させないよう、あらためてコンプライアンスの周知徹底と組織風土の改革を推進するとともに、適正・適法な業務プロセスの実施状況について業務監査・内部監査等による監視体制を継続してまいります。 (2)  当社グループの企業運営全般において発生可能性がある主要なリスク ①  情報セキュリティに係るリスク 当社グループでは、インターネット上でのチケット販売やECサイトでの商品販売等によって取得したお客様の個人情報や、役員・従業員・取引先に関する情報、映像素材のデジタルデータ、その他業務上の重要な情報等を各種の情報システムにおいて管理しておりますが、悪意のある第三者いわゆるハッカー集団からの不正アクセス、マルウェアなどのコンピュータウィルス侵入により、当社グループが保有する個人情報・機密情報が漏洩するリスク、社内基幹インフラシステムの停止などのリスクが一定程度存在します。そのようなリスクが発生した場合には、最悪の場合、財務データを含む電子データが暗号化される等により、事業活動の継続を大きく阻害することも想定されます。 これらのリスクが顕在化する可能性は近年ますます高まっており、ひとたびこれらリスクが発生し顕在化した場合は、業務のほとんどがデジタル化、オンライン化によって成り立っている現在では、事業の長期間の停止など営業収入や営業利益の大幅な減少といった重大な結果を招く可能性があります。 特に当社グループでは、2026年3月よりグループ横断の会員組織である「TOHO-ONE」のサービスを開始しており、個人情報を含む大量のデータを利用することにより当社グループが提供するさまざまなサービスの向上に取り組んでいることから、情報セキュリティへの対策は喫緊の重要な課題と捉えております。 それらリスクへの対応策としては、「情報セキュリティ基本方針」及び「情報セキュリティ対策規程」などに則り「情報セキュリティ委員会」を設置して当社グループの情報システムに関する運用ルールを整備することにより、当社グループ全体の情報セキュリティマネジメント体制を構築しております。また、可能な限り最新の知見や技術に基づくハード的なセキュリティ対策を講じるとともに、さまざまなユーザー教育・訓練を実施しております。さらに、万が一重大な情報セキュリティインシデントが発生した場合を想定して、IT推進本部を中核として関係部門が参画するCSIRT体制を構築し、インシデント訓練の実施やBCPの策定など本格的な活動を開始しております。また、サイバーリスク保険への加入により経済的損害の発生に備えています。 ②  人権問題に係るリスク 近年、芸能業界、メディア業界、エンタテインメント業界において、性的暴力・ハラスメントなどの人権に関わる事案の発生・発覚などが多く報道されており、当該企業がそれらに対するリスク認識や初動対応を誤ることによって、レピュテーションも含め企業価値の多大な棄損につながるという事例が見られています。 当社グループとしても、映画・アニメ・演劇等のエンタテインメントを主業としており、人権問題が顕在化した企業と同様に、役員、従業員その他関係者において、人権に関する問題事案が発生するリスクは潜在的にはあると考えております。 そのような潜在的な人権に関するリスクが顕在化し、当該事案に対する企業として取るべき対応を誤り、大きな社会的批判を浴びるような事態に陥った場合には、当社の社会的信用が大きく毀損するだけでなく、各方面から営業取引の停止に至る可能性があり、さまざまな事業で深刻な影響が懸念されます。それにより営業収入、営業利益が減少するとともに、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があります。 これらのリスクへの対応策としては、当社グループでは2023年3月に人権方針を制定し、お客様、役員・従業員、ビジネスパートナー、株主を含むすべての人々の人権を尊重することを宣言しております。また、人権方針に基づき、当社グループでは人権尊重への取組として、トップメッセージとともに人権デューデリジェンスや人権教育を実施するなど、人権尊重に対する取り組みに力を入れております。また、経営会議の下に「グループ人権委員会」を設置し、経営陣もグループ全体の人権尊重に深くコミットしております。今後はさらに取引先・サプライチェーンに範囲を拡大して人権デューデリジェンスに取り組む予定にしており、人権尊重に関しては引き続き注力して実効性のある体制の強化を継続して図ってまいります。 ③  コンプライアンスに係るリスク 当社グループにおいて映画興行事業を行うTOHOシネマズ㈱は、2023年公正取引委員会に対し独占禁止法に関連した確約計画を申請し、認定されております。また、道路事業を行う当社グループのスバル興業㈱は、2025年9月に首都高速道路株式会社が発注する道路清掃業務の入札に関する独占禁止法違反の疑いについて公正取引委員会による立入検査を受け、2026年4月には独占禁止法に基づく排除措置命令及び課徴金納付命令を受けるに至りました。 このように、法令違反によるリスクの顕在化は企業としての信用の失墜のみならず、大きな経済的損失を伴う場合があります。 当社グループでは、あらためてGROUP VALUE「朗らかに、清く正しく美しく」の精神に立ち返り、コンプライアンスという最重要の価値観を再認識し、さまざまな事業に関わる当社グループのすべての役職員に対して、コンプライアンスの周知徹底を図ってまいります。 ④  自然災害や事故、火災等の発生によるリスク 当社グループの以下の事業において、不特定多数のお客様が来場される事業場における自然災害(大規模な地震・風水害など)や事故、火災等の発生により事業活動の継続に支障をきたすリスクが存在します。 ・映画事業 :全国各地に運営する映画館での自然災害や事故、火災等の発生リスク。 ・演劇事業 :直営劇場であるシアタークリエや当社主催公演での自然災害や事故、火災等の発生リスク。 ・不動産事業:全国各地の各所有物件に係る自然災害や事故、火災等の発生リスク。 これらのリスクが顕在化する可能性について、自然災害に関しては近年の気候変動による風水害の激甚化、全国各地で頻発する地震の発生等の傾向から見て、顕在化する可能性が高まりつつあると考えられます。 また、事故、火災の発生に関しては、長年にわたり各種予防策を徹底してきたことにより、昭和33年の東京宝塚劇場での死者3名を出した火災以降、当社グループの事業場において重大事故の発生に至った事例はありません。 一方、自然災害としては政府により長期的な発生確率予測が引き上げられた南海トラフ地震や、首都圏に限るとはいえ首都機能ひいては日本経済全体への大きな影響が懸念される富士山噴火による降灰被害など、大規模自然災害のリスクは高まっている状況と考えられます。 これらリスクが顕在化した場合は、営業収入、営業利益が減少するとともに、固定資産の滅失・毀損等、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与えるとともに、これらリスクの発生した場合の企業としての事後の対応によっては、企業価値の毀損につながる可能性があります。 これらのリスクへの対応策としては、日頃からの防火・防災の対策を継続的に実施するとともに、大規模自然災害への対応策として、当社グループでは「災害時基本規程」を制定し、災害発生時の行動原則や災害対策本部の設置、連絡報告体制について定めております。また、グループ各社において「災害対策計画書」や「地震対応マニュアル」の整備を進めるなど、グループ全体での防災力の向上に取り組んでおります。 ⑤  海外展開に係るリスク 当社グループでは、映画、アニメ事業において、コンテンツの海外展開(海外への映画配給、配信プラットフォームへの利用許諾、商品化権の許諾等)を積極的に行っているほか、演劇事業においても、海外において自社製作作品のロングラン公演を実施しております。さらに近年は米国及びタイの企業に対する戦略的出資、米国のアニメーションの配給・番組販売会社の子会社化、2025年には北米地域、アジア地域に続き、ヨーロッパ地域の統括会社をロンドンに設立するなど、より積極的な海外展開を目指した取り組みを行っております。 これらの海外展開においては、政情不安や各地での紛争の激化や、不確実性を増した世界経済の状況といった地政学上のリスクにとどまらず、各種コンテンツの表現に対する文化や慣習の違いに起因するリスク、知的財産権に関するリスク、SNS等における炎上リスク、各種法的規制の変更に関するリスク、為替リスクなど多岐にわたるリスクが存在します。 また、海外を拠点とする子会社等においては、グループ・ガバナンスが十分に行き届かないことによるコンプライアンスリスク等が存在すると考えられます。さらに、戦略的出資をしている海外の会社については、当該会社の経営成績が投資時点で想定されていた事業計画を大きく下回って推移する際には、株式の評価損リスクが生じます。 これらのリスクが顕在化する可能性は、「TOHO VISION 2032 東宝グループ 経営戦略」に基づき、当社グループが成長戦略の一環として、今後も海外展開を拡大する中で増加していく可能性が高いと考えられます。 これらのリスクが顕在化した場合は、営業収入や各段階の利益が減少するとともに、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があります。また、訴訟コスト等が臨時に発生する可能性があります。 これらのリスクへの対応策として、2025年2月に海外事業を統括する当社100%子会社のTOHO Global㈱を経営統括会社として機関決定し、同社を中心にグループとしての内部統制体制の構築を図っております。今後も海外での事業展開においては、各地域における地政学上のリスクも含めより幅広くリスク情報の収集に努めるとともに、海外子会社のグループ・ガバナンスの実効性を高めてまいります。また、グループ内での知見の共有や経験豊富な専門家にアドバイスを得るなど、可能な限りリスクの低減に努めてまいります。 ⑥  物価、人件費等の高騰による収益構造悪化のリスク 当社グループの以下の事業において、エネルギー費・原材料費などを含む物価や人件費の高騰といった要因がもたらす収益構造悪化のリスクが存在します。 ・映画事業  :物価・人件費の高騰による全国各地で運営する映画館のランニングコスト増、及び新規出店に伴う出店費といったコスト増に伴う収益構造悪化のリスク。 ・演劇事業   :直営劇場に係るランニングコスト増、資材費や人件費のコスト増による公演製作費の増による収益構造悪化のリスク。 ・不動産事業 :全国各地に保有する不動産物件に係るエネルギーコストや修繕費の高騰による収益構造悪化や、建築費高騰に伴う再開発事業の遅延等のリスク。 これらのリスクは、地政学上のリスクも含め世界経済、国内における政府の経済政策、社会環境の変化が発生要因であるためにコントロールが難しく、常にリスクとして存在します。 これらのリスクが顕在化した場合は、営業収入、営業利益が減少するとともに、設備投資の回収可能性の低下による固定資産の減損等、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があります。 これらのリスクに対しては、可能な限り適切な方法で価格転嫁して収入の増加に努め、一層の運営効率化とコスト節減に努めリスクの低減を図るとともに、より状況を注視し状況によっては将来におけるリスク状況も勘案して各事業、各プロジェクトの延期や中断など果断に方針を変更することもリスクに対する対応としては重要と考えております。 ⑦  電子商取引(ECサイト)に係るリスク 当社グループでは、映画館や演劇においてインターネット上でチケットを販売しているほか、複数のECサイトでキャラクターグッズ等の商品を販売しております。これらの事業においては、第三者からの悪意ある攻撃によらずとも、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク等の障害または人為的なミスにより、システムの運用が停止する事態が発生し、一定期間、チケットや商品の販売ができなくなるリスクが存在します。 これらのリスクが顕在化した場合は、逸失利益が発生するとともに、復旧までに相当の時間を要した場合は、お客様からの当社グループ事業に対する信用の失墜につながる可能性があります。 これらのリスクへの対応策は、過去に発生した障害の分析に基づき、的確な対応策の実施により再発防止に努めるとともに、各ベンダー等との連携を強化し、障害発生時の迅速な復旧対応の体制整備を推進してまいります。 ⑧  投資有価証券等に係るリスク 当社グループは、重要な取引先との関係を強固にするため、上場株式及び非上場株式を複数保有しておりますが、大幅な株式相場の下落や当該企業における企業価値の毀損が生じた場合には、保有有価証券を減損処理する可能性があります。 これらのリスクへの対応策は、有価証券の投資基準・保有意義を明確にするとともに、取締役会への報告を含む定期的なモニタリングを実施することで、リスクの軽減に努めています。 ⑨  パンデミック発生に係るリスク 新型コロナウイルス感染症の拡大による世界的なパンデミック発生から6年を経て、社会活動は正常化しておりますが、グローバル化が浸透した現代においては、新たな感染症による世界的なパンデミックの発生と、それに伴う世界的な経済活動の混乱や停滞といったことは、今後も発生可能性のあるリスクとして否定できません。 当社グループにおいても、コロナ禍では映画館・演劇劇場の休業要請への対応や、演劇事業においては出演者の感染リスクへの対応、従業員の就業制限など、さまざまなリスクに対応いたしましたが、今後も新たな感染症によるパンデミックが発生した場合には、前回のコロナ禍と同様、大きな経済的損失が見込まれ、営業収入、営業利益が減少するとともに、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があります。 これらの感染症リスクの対応策として、従業員の在宅勤務制度やリモートワーク環境の整備は、十分に整備されておりますが、新たなパンデミック発生時の緊急対応のあり方については、コロナ禍における経験を踏まえて引き続き課題として検討しております。 ⑩  気候変動に係るリスク 気候変動に伴う温室効果ガスの排出抑制の取組は企業活動と切り離せないものであり、映画、アニメ、演劇等のエンタテインメントを主業とする当社グループにおいても、企業の社会的責任として脱炭素や循環型社会に向けた取り組みを推進して行かなければ、信用の毀損に伴う収益の減少や株式市場における企業価値向上に支障が生じる可能性があります。 これらのリスクへの対応策として、当社グループはサステナビリティの重要課題の一つとして「地球環境に優しいクリーンな事業活動を推進します」を掲げ、脱炭素の実現に向けTCFDに基づく情報開示やCDP評価を受けるなど第三者からの評価や視点も取り入れながら取り組んでおります。なお、CO2排出量の削減目標としては2017年度比で2030年度までに50%削減、2050年度までに実質排出量ゼロを目指しております。 2024年からは、主要な事業所である東宝スタジオにおいて日本初の取組みとして水素を燃料として発電された電力の商用利用を開始しており、今後も再生可能エネルギーの活用も含めてCO2排出量削減、事業活動における環境負荷の少ない素材の活用や廃棄物の削減等を推進してまいります。
経営成績の分析 (MD&A)11,271字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 (経営成績の概況) 当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により景気は緩やかに回復しているものの、物価上昇や米国の通商政策動向などの景気の下押しリスク、金融資本市場の変動、中東情勢の影響を注視する必要があるなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。 このような情勢下にあって当社グループでは、2025年4月に策定した「中期経営計画 2028」で掲げた数値目標の達成に向け、計画に基づく各事業の推進と業績の向上に努めました。当連結会計年度における経営成績は、営業収入は3606億6千3百万円(前年度比15.2%増)、営業利益は678億8千9百万円(同5.0%増)、経常利益は701億4千万円(同8.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は517億6千8百万円(同19.4%増)となりました。なお、当社の連結子会社であるスバル興業㈱が公正取引委員会による立入検査を受けたことに伴い、「独占禁止法関連損失」を特別損失に計上しております。 報告セグメントごとの経営成績は以下のとおりです。 なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分及び顧客との契約から生じる収益を分解した情報の表示区分を変更しております。詳細は、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項](セグメント情報等)[セグメント情報]」の「1 報告セグメントの概要」及び「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項](収益認識関係)の「1 顧客との契約から生じる収益を分解した情報」をご参照ください。前連結会計年度の数値については変更後の区分に組み替えた数値で比較しております。 映画事業 映画営業事業では、東宝㈱において、共同製作や配給した作品のうち、「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」のメガヒットや22年ぶりに邦画実写の興行収入記録を塗り替え興行収入200億円を突破した「国宝」が大きな話題となり、好調に推移いたしました。また、「名探偵コナン 隻眼の残像」「劇場版『チェンソーマン レゼ篇』」が大ヒット、「劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~南海ミッション』」「8番出口」「映画ドラえもん のび太の絵世界物語」「ほどなく、お別れです」「映画クレヨンしんちゃん 超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ」「ブラック・ショーマン」「秒速5センチメートル」「#真相をお話しします」「ドールハウス」「劇場版『緊急取調室 THE FINAL』」「映画『教場 Requiem』」もヒットいたしました。東宝東和㈱等が配給した「ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング」「ジュラシック・ワールド/復活の大地」「ウィキッド ふたりの魔女」も高稼働となりました。これらの結果、映画営業事業の営業収入は64,368百万円(前年度比34.5%増)、営業利益は18,731百万円(同7.7%増)となりました。なお、変更後の区分に組み替えた前連結会計年度の営業収入は47,862百万円、営業利益は17,397百万円となっております。営業収入の主な内訳として、映画館への国内配給が55,057百万円(前年度比61.1%増)、映像の利用・許諾が7,788百万円(同36.8%減)となりました。 映画興行事業では、TOHOシネマズ㈱等において、上記配給作品が興行を牽引した他、「ズートピア2」「リロ&スティッチ」「マインクラフト/ザ・ムービー」等の幅広いジャンルの話題作を上映し、大変好調に推移いたしました。また、飲食売店において積極的な営業施策を展開いたしました。当連結会計年度における映画館入場者数は49,002千人と前年度比27.6%の増加となりました。これらの結果、映画興行事業の営業収入は97,585百万円(前年度比29.0%増)、営業利益は16,579百万円(同69.7%増)となりました。なお、当連結会計年度中の劇場の異動はありません。当企業集団の経営するスクリーン数は全国で717スクリーン(共同経営56スクリーンを含む)となっております。 映像関連事業では、TOHOスタジオ㈱において、制作及びスタジオ事業の一体運営を図り、堅調に稼働いたしました。㈱東宝映像美術及び東宝舞台㈱では、原価管理に努めながら、映画やTV・ライブイベント等での舞台製作・美術製作やテーマパークにおける展示物の製作業務、大規模改修工事等を受注いたしました。これらの結果、映像関連事業の営業収入は20,663百万円(前年度比26.3%増)、営業利益は1,991百万円(同36.7%増)となりました。なお、変更後の区分に組み替えた前連結会計年度の営業収入は16,366百万円、営業利益は1,456百万円となっております。営業収入の主な内訳は、映像作品等に係る美術製作が10,617百万円(前年度比8.5%増)であります。 以上の結果、映画事業全体では、営業収入は182,617百万円(前年度比30.6%増)、営業利益は37,302百万円(同30.3%増)となりました。 IP・アニメ事業 IP・アニメ事業では、東宝㈱において、「僕のヒーローアカデミア」「呪術廻戦」「SPY×FAMILY」「薬屋のひとりごと」「ハイキュー!!」「Dr.STONE」「葬送のフリーレン」等、製作出資いたしましたTOHO animation作品の国内外の配信利用、各種配分金収入が大きく貢献いたしました。また、「呪術廻戦」「ハイキュー!!」に加え、「ゴジラ」等の国内外における商品化権収入が伸長いたしました。劇場用パンフレット、キャラクターグッズにおいては「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」「名探偵コナン 隻眼の残像」「国宝」「劇場版『チェンソーマン レゼ篇』」をはじめとする当社配給作品の販売が好調に推移いたしました。「ゴジラ カードゲーム」等の「ゴジラ」商品の販売も伸長した他、「ゴジラ・ストア」の新規出店がありました。また、海外事業の統括会社であるTOHO Global㈱と同社の連結子会社では、当社グループの扱うIP及び映像作品の積極的な海外展開に取り組んでおります。 以上の結果、IP・アニメ事業の営業収入は75,265百万円(前年度比8.5%増)、営業利益は17,296百万円(同22.2%減)となりました。なお、上記営業収入の主な内訳として、映像の利用・許諾が34,112百万円(前年度比24.9%増)、商品化権等の利用・許諾が15,905百万円(同9.0%増)、商品の販売が18,054百万円(同18.2%減)となりました。 演劇事業 演劇事業では、2025年2月28日をもって東宝㈱の帝国劇場が休館となっております。シアタークリエにおいて「ボニー&クライド」「陽気な幽霊」「Nostalgic Cabaret」「Only 1, NOT No.1」「ジャージー・ボーイズ」「エノケン」「バグダッド・カフェ」「Yuichiro & Friends 2」「ダディ・ロング・レッグズ」「ピアフ」「2時22分 ゴーストストーリー」等を上演いたしました。また、「二都物語(明治座)」「ダンス オブ ヴァンパイア(東京建物 Brillia HALL)」「梨泰院クラス(東京建物 Brillia HALL)」「『レ・ミゼラブル』ワールドツアースペクタキュラー(東急シアターオーブ、フェスティバルホール、他)」「Once(日生劇場)」「SPY×FAMILY(ウェスタ川越、日生劇場)」「キャッシュ・オン・デリバリー(THEATER MILANO-Za)」「十二国記 -月の影 影の海-(日生劇場)」等を外部の劇場にて上演して公演数の確保に努め、「『ナイツ・テイル-騎士物語-』ARENA LIVE(東京ガーデンシアター)」「エリザベート(東急シアターオーブ)」は大入りとなりました。その他、「レ・ミゼラブル」「エリザベート」の社外公演や「舞台『千と千尋の神隠し』」海外公演等を展開いたしました。東宝芸能㈱では、所属俳優がCM出演等で好調に稼働いたしました。 以上の結果、演劇事業の営業収入は22,310百万円(前年度比2.5%減)、営業利益は3,463百万円(同16.1%減)となりました。 不動産事業 不動産賃貸事業では、全国に所有する不動産が堅調に稼働いたしました。保有物件の有効活用に努めつつ、テナントに対するきめ細やかな対応により、賃貸用不動産の空室率は、当連結会計年度末において0.4%となりました。これらの結果、不動産賃貸事業の営業収入は37,779百万円(前年度比0.4%減)、営業利益は12,881百万円(同19.9%増)となりました。 道路事業では、公共投資が底堅く推移しましたが、慢性的な建設技能者不足や労務費・資機材価格の上昇等により、引き続き厳しい事業環境となりました。このような状況の中、スバル興業㈱と同社の連結子会社は、各種工事の受注に努めましたが、大型工事案件の減少や一部作業の発注抑制等もあり、道路事業の営業収入は29,611百万円(前年度比2.2%減)、営業利益は4,863百万円(同1.2%増)となりました。なお、営業収入の主な内訳は、道路の維持管理・清掃等27,242百万円(前年度比2.9%減)であり、またその他の収益1,001百万円(同2.2%増)が含まれております。 不動産保守・管理事業では、東宝ビル管理㈱及び東宝ファシリティーズ㈱において、資材価格や労務費が上昇する中、新規受注や既存取引先との請負金額の改定等に努めた他、大型案件の受注もありました。その結果、営業収入は11,788百万円(前年度比3.1%増)、営業利益は1,284百万円(同0.3%増)となりました。 以上の結果、不動産事業全体では、営業収入は79,179百万円(前年度比0.6%減)、営業利益は19,030百万円(同13.1%増)となりました。 (財政状態の概況) 当連結会計年度末における財政状態は、前連結会計年度末と比較して、総資産は49,865百万円増加し、702,934百万円となりました。これは主に、建物及び構築物(純額)で4,672百万円の減少がありましたが、現金及び預金で8,065百万円、受取手形、売掛金及び契約資産で3,168百万円、有価証券で22,402百万円、建設仮勘定で5,185百万円、投資有価証券で10,439百万円の増加があったこと等によるものです。 負債では前連結会計年度末から11,690百万円増加し、169,943百万円となりました。これは主に、買掛金で2,804百万円の減少がありましたが、未払金で2,941百万円、未払費用で2,005百万円、未払法人税等で1,868百万円、繰延税金負債で4,962百万円の増加があったこと等によるものです。 純資産は前連結会計年度末と比較して38,175百万円増加し、532,990百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益51,768百万円の計上、剰余金の配当15,684百万円及び自己株式の消却等に伴う資本剰余金への振替37,046百万円等により利益剰余金が843百万円減少しましたが、自己株式が25,401百万円の減少、その他有価証券評価差額金で14,526百万円の増加があったこと等によるものです。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ10,074百万円増加し、86,683百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における営業活動による資金は、税金等調整前当期純利益が75,903百万円、減価償却費が13,872百万円ありましたが、法人税等の支払額が24,518百万円あったこと等により、65,334百万円の資金の増加(前年度比13,717百万円の増加)となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における投資活動による資金は、有価証券の売却による収入が59,110百万円、投資有価証券の売却による収入が10,555百万円ありましたが、有価証券の取得による支出が72,828百万円、有形固定資産の取得による支出が15,438百万円あったこと等により、24,904百万円の資金の減少(前年度比6,438百万円の減少)となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における財務活動による資金は、自己株式の取得による支出が14,969百万円、配当金の支払額が15,663百万円あったこと等により、31,326百万円の資金の減少(前年度比7,971百万円の増加)となりました。 ③ 生産、受注及び販売の状況 当企業集団の事業について生産実績を定義することが困難なため「生産の状況」は記載しておりません。 a. 受注実績 セグメントの名称   受注高 (百万円)   前年同期比 (%)   受注残高 (百万円)   前年同期比 (%) 映画事業   4,892   23.7   339   △19.1 IP・アニメ事業   -   -   -   - 演劇事業   -   -   -   - 不動産事業   30,518   9.2   10,668   44.3 その他事業   -   -   -   - 合計   35,410   11.0   11,008   40.9 (注)1 映画事業に含まれる映像関連事業のうちテーマパーク関連事業及び不動産事業に含まれる道路事業におけ る受注実績を記載しております。 2 当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較は、変更後の報告セ グメントの区分に基づき作成しております。 b. 販売実績 セグメントの名称   当連結会計年度(自 2025年3月1日至 2026年2月28日)(百万円)   前年同期比(%) 映画事業   182,617   30.6 IP・アニメ事業   75,265   8.5 演劇事業   22,310   △2.5 不動産事業   79,179   △0.6 その他事業   1,291   △5.9 合計   360,663   15.2 (注)1 当企業集団の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、重要性の ある相手先がないため記載を省略しております。 映画事業、演劇事業及びその他事業の販売の相手先は主に不特定の個人であり、IP・アニメ事業及び不動 産事業についても総販売実績の100分の10以上を占める相手先はありません。 2 当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較は、変更後の報告セ グメントの区分に基づき作成しております。 (2) 経営者の視点による当該経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 1)  経営成績の分析 当連結会計年度は、2025年4月に公表した「中期経営計画 2028」の初年度にあたり、重点領域として掲げた「人材」「コンテンツ・IP」「デジタル」「海外」を軸に各事業を推進してまいりました。主力の映画事業においては、メガヒットとなった「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」や22年ぶりに邦画実写の興行収入記録を更新し大きな話題となった「国宝」のほか、「名探偵コナン 隻眼の残像」「劇場版『チェンソーマン レゼ篇』」等も大ヒットいたしました。加えて、東宝東和㈱等が配給した「ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング」「ジュラシック・ワールド/復活の大地」「ウィキッド ふたりの魔女」も高稼働となり、当社グループ配給作品が業績に大きく寄与いたしました。TOHOシネマズ㈱では、上記配給作品や「ズートピア2」等の豊富な話題作が興行を牽引し、映画事業の業績に大きく貢献いたしました。IP・アニメ事業では、「僕のヒーローアカデミア」「呪術廻戦」「ハイキュー!!」等のTOHO animation作品の配信・商品化権収入が国内外で大きく貢献したほか、「ゴジラ」の商品化権収入及び商品販売も伸長いたしました。また、海外事業の統括会社であるTOHO Global㈱と同社の連結子会社は、当社グループが扱うIP及び映像作品の積極的な海外展開に取り組みました。演劇事業では、帝国劇場が休館となる中、シアタークリエや外部劇場を積極的に活用して主催公演の回数確保に努め、「『ナイツ・テイル-騎士物語-』ARENA LIVE(東京ガーデンシアター)」「エリザベート(東急シアターオーブ)」は大入りとなりました。不動産事業では、労務費等のコスト上昇による影響はあったものの、テナントに対するきめ細やかな対応により、全国に保有する物件は低い空室率を維持し、堅調に稼働いたしました。 この結果、当連結会計年度の営業収入は、前連結会計年度と比べ47,491百万円増収の360,663百万円、営業利益は、前連結会計年度と比べ3,204百万円増益の67,889百万円となり、いずれも過去最高値を更新する事ができました。 (a) 営業収入 当連結会計年度の営業収入は、前連結会計年度と比べ47,491百万円増収の360,663百万円となりました。 (b) 営業原価、販売費及び一般管理費 当連結会計年度の営業原価は、前連結会計年度と比べ32,458百万円増加の201,069百万円となりました。 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比べ11,829百万円増加の91,704百万円となりました。これは人件費が2,894百万円、借地借家料が1,695百万円、賞与引当金繰入額が1,075百万円、広告宣伝費が583百万円、それぞれ増加したこと等によるものであります。 (c) 営業利益 当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度と比べ3,204百万円増加の67,889百万円となりました。その内訳は、「映画事業」で前連結会計年度と比べ8,676百万円増益の37,302百万円、「IP・アニメ事業」で前連結会計年度と比べ4,942百万円減益の17,296百万円、「演劇事業」で前連結会計年度と比べ666百万円減益の3,463百万円、「不動産事業」で前連結会計年度と比べ2,203百万円増益の19,030百万円でした。 なお、上記事項を含む報告セグメントごとの詳細については、「第2[事業の状況]4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。 (d) 営業外収益、営業外費用及び経常利益 当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度と比べ440百万円増加の4,528百万円となりました。これは主として、補助金収入が前連結会計年度に比べ653百万円増加したこと等によるものであります。 また、営業外費用は、前連結会計年度と比べ2,040百万円減少の2,276百万円となりました。これは主として、持分法による投資損失が前連結会計年度に比べ2,097百万円減少したこと等によるものであります。 この結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度と比べ5,685百万円増加の70,140百万円となりました。 (e) 特別利益、特別損失 当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度と比べて5,637百万円増加の9,113百万円となりました。これは主として、投資有価証券売却益が前連結会計年度と比べ6,054百万円増加したこと等によるものであります。 特別損失は、前連結会計年度と比べ1,485百万円増加の3,350百万円となりました。これは主として、減損損失が前連結会計年度と比べ1,108百万円減少しましたが、当連結会計年度に固定資産解体費用を1,449百万円、独占禁止法関連損失を1,317百万円計上したこと等によるものであります。 (f) 親会社株主に帰属する当期純利益 当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税、住民税及び事業税26,315百万円、法人税等調整額△3,491百万円、非支配株主に帰属する当期純利益1,310百万円を計上し、前連結会計年度と比べ8,411百万円増加の51,768百万円となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の50.95円から61.20円に増加しました。 なお、当社は、2026年3月1日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行っております。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり当期純利益を算定しております。 2)  財政状態の分析 (a) 資産 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ49,865百万円増加して702,934百万円となりました。 流動資産は、前連結会計年度末と比べ31,985百万円増加して234,036百万円となりました。このうち、前連結会計年度末と比べ有価証券は22,402百万円増加し61,439百万円、現金及び預金は8,065百万円増加し50,970百万円となりました。 有形固定資産は、前連結会計年度末と比べ4,425百万円増加の247,927百万円となりました。このうち、前連結会計年度末と比べ、建設仮勘定は5,185百万円増加し8,880百万円となりました。 無形固定資産は、前連結会計年度末と比べ11百万円減少の30,739百万円となりました。 投資その他の資産は、前連結会計年度末と比べ13,466百万円増加し190,230百万円となりました。これは主に、投資有価証券が前連結会計年度末と比べ10,439百万円増加し164,204百万円となったこと等によるものであります。 (b) 負債 当連結会計年度末の流動負債及び固定負債合計額は、前連結会計年度末と比ベ11,690百万円増加の169,943百万円となりました。 流動負債は、前連結会計年度末と比べ4,310百万円増加の95,252百万円となりました。このうち、前連結会計年度末と比べて、未払金は2,941百万円増加して18,716百万円、買掛金は2,804百万円減少して32,651百万円、未払費用は2,005百万円増加して7,570百万円となりました。 固定負債は、前連結会計年度末と比べて7,379百万円増加して74,691百万円となりました。これは主に、繰延税金負債が4,962百万円増加して32,849百万円となったこと等によるものであります。 (c) 純資産 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比べて38,175百万円増加し、532,990百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益51,768百万円の計上、剰余金の配当15,684百万円及び自己株式の消却等に伴う資本剰余金への振替37,046百万円等により前連結会計年度末と比べて利益剰余金が843百万円減少、自己株式が25,401百万円減少、その他有価証券評価差額金が14,526百万円増加したこと等によるものです。なお、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末と比べ0.0ポイント増加し、73.3%となりました。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・資本の財源及び資金の流動性に係る情報 キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2[事業の状況]4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しているとおりであります。 (財務戦略の基本的な考え方) 当社グループは、持続的な成長と企業価値の向上を進めるにあたり、事業運営上必要な運転資金、設備投資等の資金は、自己資金を原則としておりましたが、今後、コンテンツ・IP関連の成長投資及び不動産事業の再開発等は必要に応じて機動的に金融機関からの借入及び社債発行等による資金調達を行ってまいります。また、グループ内の資金効率を向上させるべく、当社は、資金余剰が生じている子会社から借り入れる一方、資金需要のある子会社に対しては、貸付を行うことがあります。 (資金需要の内容及び経営資源の配分) 当社グループは、2025年に策定した「中期経営計画 2028」において成長投資を掲げており、2028年までの3年間の資金需要の主な内容は、成長投資1,200億円程度(コンテンツ・IP領域のM&Aや戦略出資等1,000億円、新規シネコン出店・既存館への設備投資/デジタル関連投資等200億円)、不動産関連投資として400億円程度の計1,600億円程度を見込んでおります。また、年間85円(2026年3月より株式分割の実施により17円)の配当を下限に配当性向35%以上かつ機動的な自己株式取得の実施により株主還元の充実に努めることとしております。 (資金調達) 当社グループでは、短期及び中期の投資資金としては自己資金を充てることを前提としつつ、必要に応じて銀行借入等金融機関からの調達を行います。また、政策保有株式や保有不動産の売却も検討、実施してまいります。一方、投資回収が長期にわたる大型M&Aに要する資金や大規模な設備投資資金については、案件の特性に応じて社債等の最適な手法により資金調達を行います。そのため、財務健全性や資金調達手段の多様化を考慮し、高い信用格付の維持を目指して、㈱格付投資情報センターより「AA-」の格付を取得しております。なお、当社グループは当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高86,683百万円に対し、有利子負債(リース債務含む)残高は3,273百万円と、自己資金での投資余力を高いレベルで維持しておりますが、今後のさらなる成長投資に向け有利子負債の活用も行ってまいります。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項](重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ④ 経営成績に重要な影響を与える要因 「第2[事業の状況]3[事業等のリスク]」に記載のとおりであります。

EDINET提出の有価証券報告書から自動抽出。表は文字起こしのため崩れることがあります。

開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP

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